JP4523826B2 - ガスタービン監視装置及びガスタービン監視システム - Google Patents

ガスタービン監視装置及びガスタービン監視システム Download PDF

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Description

本発明は、ガスタービンの運転状態に基づいてその燃焼状態を監視して必要に応じて異常を検出するガスタービン監視装置及びガスタービン監視システムに関する。
一般的なガスタービン発電プラントにて、ガスタービンは圧縮機と燃焼器とタービンと発電機とを有しており、圧縮機で高圧となった空気と、燃料ガスとが燃焼器に送られて燃焼し、その排気ガスによりタービンを駆動して発電機を運転する。このようなガスタービン発電プラントでは、燃焼器での燃焼温度が1500℃まで上昇し、内部で圧力変動が発生するため、局部応力が発生して亀裂が生じてしまうことがある。燃焼器に亀裂や破損が発生すると、燃焼器へ導入される空気量が計画からずれて燃焼異常が発生し、発電効率が低下してしまうという問題がある。
従来は、タービンの最終翼付近や排気室に温度検出器を複数設け、この各温度検出器の計測結果に基づいて燃焼器の燃焼異常を検知していた。しかし、プラント負荷や気象条件など種々のプラント運転条件により正常な温度範囲が異なることから、正常と異常とを判別する閾値の設定が困難であり、誤判定が生じる虞がある。この場合、燃焼器の異常燃焼を正常と誤判定すると、燃焼器に亀裂等が生じたまま運転を継続することとなり、発電効率を低下させてしまうばかりでなく、場合によっては翼をも損傷させてしまうこととなる。
そこで、「ガスタービン燃焼監視装置」として、排気室に温度検出器を設け、この温度検出器により得られる排気ガス流に直交する平面内の温度分布から断面排気温度分布のパターンの特徴を求め、異常原因判定を行うものが提案されている(特許文献1参照)。又、別の「ガスタービン燃焼器監視装置」として、燃焼器の表面温度分布を検出する温度検出器を設け、この温度検出器により得られた表面温度分布に基づいて燃焼器の異常原因判定を行う技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開平07−318056号公報 特開平10−205754号公報
ところが、特許文献1に開示された「ガスタービン燃焼監視装置」及び特許文献2に開示された「ガスタービン燃焼器監視装置」では、排気室に設けられた温度検出器により得られる温度分布から断面排気温度分布のパターンの特徴を求めている。そのため、一つの燃焼器に多数の温度検出器が必要となり、複数の燃焼器を有するガスタービンでは、大量の温度検出器が必要となる。又、実際に、一つの燃焼器に多数の温度検出器を装着することは排気ガスの流動抵抗の面からも困難であり、現実的ではない。
このような問題を鑑みて、本発明は、大量の温度検出器を不要として設備コストの上昇を抑制する一方でガスタービンの異常を早期に発見することで発電効率の低下や装置の損傷を防止したガスタービンの監視装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のガスタービン監視装置は、高圧の空気と燃料ガスを燃焼する燃焼器と該燃焼器で発生した燃焼ガスにより回転するタービンとを備えるガスタービンの運転状態を監視するガスタービン監視装置において、前記ガスタービンに設置されたセンサで測定された測定データを含むプラントデータが入力される入力部と、該入力部から入力された前記プラントデータに基づいて、前記燃焼器の燃焼振動の周波数解析を行う周波数解析部と、時系列で与えられた前記周波数解析部における複数の周波数解析結果に基づいて、前記ガスタービンの運転状態が正常であるとする前記燃焼器の燃焼振動の振動レベルの範囲となる正常規範を求める正常規範設定部と、前記周波数解析部における現在の運転状態に対する周波数解析結果と、前記正常規範設定部で生成された正常規範と、を出力する出力部と、前記周波数解析部から送出される現在の運転状態に対する周波数解析結果と、前記正常規範設定部で生成された正常規範とを比較するとともに、その比較結果に基づいて前記ガスタービンの運転状態が正常であるか否かを判定する健全性評価部と、を備え、前記正常規範設定部において、前記周波数解析部による前記周波数解析結果を複数の周波数帯に分割するとともに、複数の周波数帯毎に、前記燃焼器の燃焼振動を表すデータ以外の前記プラントデータのうち前記ガスタービンの運転状態に影響を与える影響授与因子に対して前記ガスタービンの運転状態が正常であるとする前記燃焼器の燃焼振動の振動レベルの範囲となる正常規範が生成され、前記健全性評価部において、与えられた前記周波数解析結果を複数の周波数帯に分割するとともに複数の周波数帯毎に取得した振動レベルの平均値又は最大値と、確認した影響授与因子の値に対する正常規範とを比較することを特徴とする。
このようなガスタービン監視装置において、前記周波数解析部において得られた前記周波数解析結果に含まれる定常ノイズ成分を除去するノイズ除去部を備えるとともに、前記ノイズ除去部で定常ノイズ成分が除去された前記周波数解析結果が前記正常規範設定部に送出されるものとしても構わない。このとき、ノイズ除去部において、タービン翼の枚数Zと回転数Nとによって定まる固有振動数であるNZ成分や、電源周波数などによるノイズ成分が除去される。
又、前記健全性評価部には、前記ノイズ除去部を介して前記周波数解析部から前記周波数解析結果が送出されるようにしても構わない。
本発明のガスタービン監視システムは、高圧の空気と燃料ガスを燃焼する燃焼器と該燃焼器で発生した燃焼ガスにより回転するタービンとを備えるガスタービンの運転状態を監視するガスタービン監視システムにおいて、前記ガスタービンに設置されたセンサで測定された測定データを含むプラントデータが入力される入力部と、該入力部に入力されたプラントデータを送信する通信部と、を備えたプラントデータ送信装置と、前記プラントデータ送信装置から送信された前記プラントデータを受信する通信部と、該通信部で受信された前記プラントデータに基づいて、前記燃焼器の燃焼振動の周波数解析を行う周波数解析部と、時系列で与えられた前記周波数解析部における複数の周波数解析結果に基づいて、前記ガスタービンの運転状態が正常であるとする前記燃焼器の燃焼振動の振動レベルの範囲となる正常規範を求める正常規範設定部と、前記周波数解析部における現在の運転状態に対する周波数解析結果と、前記正常規範設定部で生成された正常規範と、を出力する出力部と、前記周波数解析部又は前記ノイズ除去部から送出される現在の運転状態に対する周波数解析結果と、前記正常規範設定部で生成された正常規範とを比較するとともに、その比較結果に基づいて前記ガスタービンの運転状態が正常であるか否かを判定する健全性評価部と、を備えるガスタービン監視装置と、により構成されるとともに、1つ又は複数の前記プラントデータ送信装置に対して1つの前記ガスタービン監視装置を備え、前記ガスタービン監視装置が、前記周波数解析部による前記周波数解析結果を複数の周波数帯に分割するとともに、前記正常規範設定部において、複数の周波数帯毎に、前記燃焼器の燃焼振動を表すデータ以外の前記プラントデータのうち前記ガスタービンの運転状態に影響を与える影響授与因子に対して前記ガスタービンの運転状態が正常であるとする前記燃焼器の燃焼振動の振動レベルの範囲となる正常規範が生成され、前記健全性評価部において、与えられた前記周波数解析結果を複数の周波数帯に分割するとともに複数の周波数帯毎に取得した振動レベルの平均値又は最大値と、確認した影響授与因子の値に対する正常規範とを比較することを特徴とする。
このようなガスタービン監視システムにおいて、前記ガスタービン監視装置が、前記周波数解析部において得られた前記周波数解析結果に含まれる定常ノイズ成分を除去するノイズ除去部を備えるとともに、前記ノイズ除去部で定常ノイズ成分が除去された前記周波数解析結果が前記正常規範設定部に送出されるものとしても構わない。
又、前記健全性評価部には、前記ノイズ除去部を介して前記周波数解析部から前記周波数解析結果が送出されるようにしても構わない。
本発明によると、燃焼器の燃焼振動に対する周波数解析結果に基づいて、ガスタービンの運転状態を判定するための正常規範を設定するので、この正常規範と現在の燃焼器における燃焼振動の振動状態とを比較することで、燃焼安定性に関する異常を確認することができる。又、この燃焼安定性に関する異常を確認することで、ガスタービンの運転状態が正常であるか否かを判定することができる。更に、正常規範との比較動作を行う健全性評価部を備えることで、自動的にガスタービンの運転状態を監視することができる。又、ノイズ除去部によって、周波数解析結果に含まれる定常ノイズを除去することで、燃焼不安定性のみによってガスタービンの運転状態を判定することができるので、その運転状態の判定をより正確なものとすることができる。
(ガスタービン)
まず、本発明の各実施形態のガスタービンプラントにおいて共通の構成となるガスタービンについて、図面を参照して説明する。図1は、ガスタービンの構成を示すブロック図である。
図1に示すガスタービン本体部11が、外部からの吸引した空気を圧縮して高圧の空気を排出する圧縮機12と、圧縮機12からの圧縮空気と燃料ガスとが供給されて燃焼動作をする燃焼器13と、圧縮機12と一軸で接続されるとともに燃焼器13からの燃焼ガスにより回転駆動するタービン14と、タービン14と同軸で接続されることでタービン14の回転により発電動作を行う発電機15と、を備える。
そして、圧縮機12は、その入口部分が吸気通路16と接続されるとともに、その第1段静翼として設けられるとともに開度調節が可能な入口案内翼(IGV)17を備える。このとき、IGV17に開度センサ18が設けられることで、IGV17の開度が検出され、更に、吸気通路16に温度センサ19、圧力センサ20、及び流量センサ21が設けられることで、吸気通路16より吸気される外部空気の温度、圧力、及び流量が検出される。
又、圧縮機12と燃焼器13とが圧縮空気供給通路22によって連結されて、圧縮機12で圧縮された高圧の空気が圧縮空気供給通路22を介して燃焼器13に供給される。そして、この圧縮空気供給通路22に温度センサ23と圧力センサ24とが設けられることで、圧縮機12で圧縮された空気の温度及び圧力が検出される。又、燃焼器13には、圧力センサ25及び加速度センサ26が設置され、燃焼器13内部の圧力と燃焼器13の加速度が検出される。更に、燃焼器13とタービン14とが燃焼ガス通路27によって連結されて、燃焼器13で発生した燃焼ガスが燃焼ガス通路27を介してタービン14に供給される。又、圧縮空気供給通路22から分岐されるとともに燃焼ガス通路27に結合されることで燃焼器13を迂回するバイパス通路28と、バイパス通路28を流れる空気流量を設定する燃焼器バイパス弁29と、を備える。そして、燃焼器バイパス弁29に開度センサ30が設けられることで、燃焼器バイパス弁29の開度が検出される。
又、燃焼器13に供給される燃料ガスは、不図示の燃料タンクに蓄積されており、この燃料タンクに燃料通路31が接続されるとともに、更に、この燃料通路31は、燃焼器13における不図示のメインノズルに燃料ガスを供給するためのメイン燃料通路32と、燃焼器13における不図示のパイロットノズルに燃料ガスを供給するためのパイロット燃料通路33とに分岐される。そして、メイン燃料通路32に、メインノズルに供給する燃料流量を設定する流量制御弁34が設置されるとともに、パイロット燃料通路33に、パイロットノズルに供給する燃料流量を設定する流量制御弁35が設置される。このとき、燃料通路31に温度センサ36が設けられて、供給される燃料ガスの温度が検出される。そして、メイン燃料通路32及びパイロット燃料通路33それぞれに圧力センサ37,38及び流量センサ39,40が設置され、メインノズル及びパイロットノズルそれぞれに供給される燃料ガスの圧力及び流量が検出される。
更に、タービン14の出口部分には排気ガス通路41が接続されて、タービン14の回転駆動に使用された燃焼ガスの排ガスが排気ガス通路41より外部に排気される。このとき、排気ガス通路41に温度センサ42、NOxセンサ43、及びCOセンサ44が設けられることで、排気ガス通路41より排気される排気ガスの温度、NOx濃度、及びCO濃度が検出される。
尚、このようにガスタービン11が構成されるとき、ガスタービン11の本体部の周囲にm基の燃焼器13が設けられる。そして、燃焼器13の内部の圧力及び加速度を検出する圧力センサ25及び加速度センサ26についても、m基の燃焼器13それぞれに対して設置される。
又、このガスタービン11では、まず、不図示の燃料タンクより燃料ガスが燃焼器13のメインノズルとパイロットノズルに供給されるとき、流量制御弁34,35によって燃焼器13のメインノズル及びパイロットノズルそれぞれに供給する燃料流量が制御される。又、IGV17の開度が操作されると、圧縮機12に吸引される外部空気の量が設定される。そして、IGV17から吸引される外部空気が圧縮機12で圧縮されて、高圧の圧縮空気が燃焼器13に供給される。このとき、圧縮空気供給通路22に与えられた圧縮空気の一部がバイパス通路28を流れる。このバイパス通路28を通過する空気の流量が燃焼器バイパス弁29の開度が操作されて設定されることによって、圧縮機12から燃焼器13に供給される圧縮空気の流量が設定される。
このようにして、燃焼器13に供給される燃料流量及び空気流量が設定されるとき、燃焼器13では、供給された空気と燃料ガスとを用いて燃焼動作を行い、高温高圧の燃焼ガスを発生する。この燃焼器13より発生した燃焼ガスは、燃焼ガス通路27を介してタービン14に供給される。そして、タービン14が燃焼ガス通路27を通じて供給される燃焼ガスによって回転駆動を行う。このタービン14の回転が回転軸を通じて圧縮機12に伝わるため、圧縮機12も回転駆動する。よって、圧縮機12が回転駆動することにより外部空気を吸引して圧縮した圧縮空気を上述のように生成して圧縮空気通路22に供給する。又、タービン14の回転エネルギーが発電機15に与えられることで、発電機15がこの回転エネルギーに基づいて発電動作を行う。
上述のようにして動作するとき、流量制御弁34の開度を開く(あるいは閉じる)ことによって、燃焼器13のメインノズルに供給される燃料ガスが増加(あるいは減少)し、又、流量制御弁35の開度を開く(あるいは閉じる)ことによって、燃焼器13のパイロットノズルに供給される燃料ガスが増加(あるいは減少)する。又、IGV17の開度を開く(あるいは閉じる)ことによって、圧縮機12に吸引される空気流量が増加(あるいは減少)する。更に、燃焼器バイパス弁29の開度を開く(あるいは閉じる)ことによって、バイパス通路28を流れる空気流量が増加(あるいは減少)させて、燃焼器13に供給する空気流量を減少(あるいは増加)させる。
このようなガスタービン11を備えたガスタービンプラントの各実施形態について、以下に説明する。尚、以下の各実施形態では、このガスタービン11の運転状態を監視するためのガスタービン監視装置の構成が異なるため、このガスタービン監視装置を中心に説明する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図2は、本実施形態におけるガスタービンプラントにおけるガスタービン監視装置の構成を示すブロック図である。
図2のガスタービン監視装置100は、圧力センサ25が検出した燃焼器13(図1参照)内の圧力及び加速度センサ26が検出した燃焼器13の位置変化による加速度などのプラントデータ200が入力される入力部101と、入力部101を通じて入力された燃焼器13の圧力変動や加速度を周波数解析する周波数解析部102と、周波数解析部102での解析結果に基づいてガスタービン11の運転状態における正常規範を設定する正常規範設定部103と、入力部101に入力されたプラントデータや周波数解析部102での解析結果や正常規範設定部103で設定された正常規範を表示出力する出力部104と、を備える。
このように構成されるガスタービン監視装置100の動作について、以下に説明する。上述のようにしてガスタービン11が動作するとき、複数の燃焼器13それぞれに設置された圧力センサ25及び加速度センサ26からの測定データが、所定時間毎に、プラントデータ200の一部として入力部101に入力される。この入力部101に入力されたプラントデータ200の内の圧力センサ25及び加速度センサ26からの測定データが周波数解析部102に与えられると、各燃焼器13毎に、圧力センサ25及び加速度センサ26からの測定データに基づいて燃焼器13に現れる燃焼振動の周波数解析が行われる。
この周波数解析部102では、得られた測定データに対して高速フーリエ変換(FFT)されることで、測定データの振動レベルと周波数との関係に変換される。この周波数解析後の関係として、図3に、圧力センサ25において測定される燃焼器13の内圧変動に対する例を示す。即ち、図3において、周波数に対する燃焼器13の内圧変動の振動レベルと周波数との関係を示す。尚、以下において、この圧力センサ25で測定される燃焼器13の内圧を例に挙げて、各動作について説明する。
このようにして、周波数解析部102において測定データに対する周波数解析結果が得られると、所定時間毎に得られた図3のような周波数解析結果が正常規範設定部103に与えられる。この正常規範設定部103では、図4のように、過去の所定期間において与えられた複数の周波数解析結果が確認される。そして、この複数の周波数解析結果に基づいて、周波数に対する燃焼器13の内圧変動の振動レベルに対して、ガスタービン11の各部において異常発生のない正常運転が行われていることを示す図5のような正常規範が設定される。即ち、図5のように、燃焼器13の内圧変動の振動レベルと周波数との関係を示す波形x1が正常規範の上限となるとともに、燃焼器13の内圧変動の振動レベルと周波数との関係を示す波形x2が正常規範の下限となる。
このとき、正常規範設定部103において、m基の燃焼器13それぞれに対する周波数解析結果が時系列で与えられる。即ち、時間t1毎に圧力センサ25が計測を行うとともに、過去の所定期間Tにわたる周波数結果が使用されるとき、T/t1×m個の周波数解析結果が正常規範設定部103に与えられる。尚、この過去の所定期間Tにわたる周波数結果については、現在の一定期間前から所定期間だけさかのぼった期間において得られた周波数結果としても構わない。そして、これらの周波数解析結果に対して、時系列となる同一燃焼器13毎の周波数解析結果に対して一時遅れや移動平均などのフィルタリング処理を施すとともに、最大値、中間値、分散値などを確認する統計処理を施すことによって、全ての燃焼器13に対して正常規範となる範囲を個別に設定する。
このようにして、燃焼器13の燃焼振動の周波数解析結果に対する正常規範が正常規範設定部103で得られると、周波数解析部102で得られたm基の燃焼器13それぞれにおける現在の運転状態に対する周波数解析結果とともに、出力部104に送出される。よって、出力部104では、正常規範設定部103で設定されたm基の燃焼器13それぞれの燃焼振動の周波数解析結果に対する正常規範と、周波数解析部102で得られたm基の燃焼器13それぞれの現在の周波数解析結果とを、図6のように同時に出力する。この出力部104は、ディスプレイなどのように画像表示を行うものとしても構わないし、プリンタなどのように印字するものとしても構わない。又、この出力部104には、入力部101を介して入力されるプラントデータ200に基づいて、ガスタービン11各部の圧力、流量、温度などの計測結果も出力される。
このように構成されることで、出力部104からの出力により、現在の燃焼器13の燃焼状態と正常規範との関係を確認することができるため、各燃焼器13の燃焼状態の周波数解析結果が正常規範内に収まっているか否かを監視することで、異常燃焼が発生している燃焼器13の存否を監視することができる。又、正常規範外となる振動レベルとなる周波数を確認することにより、この燃焼異常により影響が与えられるガスタービン11の部位との因果関係を予め認識しておくことで、この燃焼異常により影響が与えられるガスタービン11の部位を特定することができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図7は、本実施形態におけるガスタービンプラントにおけるガスタービン監視装置の構成を示すブロック図である。尚、図7のガスタービン監視装置の構成において、図2のガスタービン監視装置の構成と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7のガスタービン監視装置100aは、図2のガスタービン監視装置100と同一の構成に、周波数解析部102での現在の運転状態における周波数解析結果と正常規範設定部103からの周波数解析結果に対する正常規範との比較が行われる健全性評価部105が付加された構成となる。この構成に追加された健全性評価部105は、現在の運転状態における各燃焼器13の周波数解析結果と正常規範との比較を行うことによって、燃焼器13の燃焼振動状態を確認し、その運転状態が正常又は異常であるかの判定を行う。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので、以下では、健全性評価部105を中心に説明する。
このガスタービン監視装置100aは、第1の実施形態と同様、周波数解析部102において、入力部101に入力されたプラントデータ200に基づいて、m基の燃焼器13それぞれの燃焼振動に対する周波数解析が行われ、その周波数解析結果が正常規範設定部103及び健全性評価部105に与えられる。そして、正常規範設定部103において、所定期間に得られた複数の周波数解析結果に基づいて、燃焼器13の内圧変動の周波数解析結果に対する正常規範が設定され、この正常規範が健全性評価部105に与えられる。又、この健全性評価部105において、周波数解析部102で得られた燃焼器13の内圧変動の周波数解析結果と、正常規範設定部103で設定された燃焼器13の内圧変動の周波数解析結果に対する正常規範との関係が確認されることで、ガスタービン11の運転状態が判定される。
この健全性評価部105では、現在の燃焼器13の内圧変動の周波数解析結果が正常規範内に存在するか否かを確認する。即ち、m基の燃焼器13それぞれにおける現在の内圧変動の周波数解析結果と正常規範との偏差が各周波数毎に求められるとともに、求められた偏差に基づいて、m基の燃焼器13それぞれに対して、燃焼振動による異常が発生しているか否かを確認する。ここで偏差とは、正常規範の上下限からの逸脱量を指すものとする。このとき、周波数毎に求められる正常規範との偏差の平均値又は最大値を確認し、得られた偏差の平均値又は最大値が大きい燃焼器13が確認されると、この燃焼器13の燃焼が不安定であり異常が発生しているものと判定する。
例えば、燃焼器13における現在の内圧変動の周波数解析結果と正常規範との関係が、図8に示す関係となり、周波数f1以上f2以下となる周波数帯において、現在の内圧変動による振動レベルが正常規範の上限値よりも大きくなる場合、まず、周波数f1以上f2以下となる周波数帯以外の周波数帯において、現在の内圧変動による振動レベルが正常規範内に収まっているため、その偏差が0となる。又、周波数f1以上f2以下となる周波数帯においては、周波数Δf毎に、現在の内圧変動による振動レベルLxと正常規範の上限値Lmaxとの偏差ΔLx=|Lx−Lmax|が求められるとともに、この偏差ΔLxの平均値ΔLav又は最大値ΔLmaxが求められる。尚、現在の内圧変動による振動レベルLxが正常規範の下限値Lminより小さくなる場合は、偏差ΔLxが、|Lx−Lmin|となる。即ち、現在の内圧変動による振動レベルLxと正常規範の上限値Lmax又は下限値Lminとの差の絶対値を各周波数毎に求め、現在の内圧変動による振動レベルと正常規範との偏差ΔLxとする。そして、この偏差ΔLxの平均値ΔLav又は最大値ΔLmaxの値が閾値以上となったとき、燃焼器13の燃焼に異常が発生しているものと判定する。
このようにして、健全性評価部105に得られた燃焼器13の燃焼異常に対する判定結果が出力部104に与えられると、出力部104において判定結果が出力される。このとき、燃焼器13に燃焼異常が発生していることが確認されると、出力部104より、燃焼異常が発生している燃焼器13を示す出力が行われて、ディスプレイに表示又はプリンタからプリントされる。又、燃焼異常の発生があるとき、この出力部104からの出力に基づいて、音声による警報を発生するようにしても構わない。更に、健全性評価部105において、現在の内圧変動の周波数解析結果に対して、正常規範との偏差が所定値より大きい周波数を確認することができるので、この正常規範との偏差が所定値より大きい周波数に基づいて、この燃焼異常により影響が与えられるガスタービン11の部位を特定することができる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。図9は、本実施形態におけるガスタービンプラントにおけるガスタービン監視装置の構成を示すブロック図である。尚、図9のガスタービン監視装置の構成において、図7のガスタービン監視装置の構成と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図9のガスタービン監視装置100bは、図7のガスタービン監視装置100aと同一の構成に、周波数解析部102での現在の運転状態における周波数解析結果よりノイズ成分を除去するノイズ除去部106が付加された構成となる。この構成に追加されたノイズ除去部106は、各燃焼器13の現在の運転状態における周波数解析結果が与えられると、この周波数解析結果からノイズ成分を除去した後、このノイズ成分を除去した周波数解析結果を正常規範設定部103及び健全性評価部105に送出する。その他の構成については、第2の実施形態と同様であるので、以下では、ノイズ除去部106を中心に説明する。
このガスタービン監視装置100bは、第2の実施形態と同様、入力部101に入力されたプラントデータ200に基づいて、周波数解析部102では、m基の燃焼器13それぞれの燃焼振動に対する周波数解析が行われ、その周波数解析結果がノイズ除去部106に与えられる。そして、このノイズ除去部106において、プラントデータ200に重畳されるノイズ成分が、周波数解析部102における周波数解析結果より除去される。
このノイズ成分として、タービン14に設置されたタービン翼の枚数Zと回転数Nとによって定まる固有振動数であるNZ成分や、電源周波数などによって、所定の周波数の定常ノイズが形成され、この定常ノイズがプラントデータ200に重畳される。そのため、周波数解析部102で得られた周波数解析結果には、特定の周波数成分が現れるため、特定の周波数成分の振動レベルが大きくなる。よって、例えば、タービン翼の枚数Zと回転数Nとによって定まる周波数N×Z[Hz]のNZ成分が発生しているとき、この周波数N×Z[Hz]による定常ノイズが重畳されることとなるため、図10のように、周波数解析部102で得られた周波数解析結果において、周波数N×Z[Hz]の振動レベルが大きくなる。
このような定常ノイズとなる周波数は、例えば、NZ成分によるものについて、タービン翼の枚数Zと回転数Nとによって求められるものとしても構わないし、又、電源周波数について、予め与えられるものとしても構わない。又、所定期間に測定された複数の燃焼器13に対する測定データに基づく周波数解析結果を照合し、常に所定の振動レベルとなる周波数を確認し、この周波数を定常ノイズの発生している周波数と設定するものとしても構わない。このようにして、定常ノイズの発生している周波数がノイズ除去部106で認識されているとき、この定常ノイズの発生している周波数における所定の振動レベルが周波数解析結果から除去されることで、定常ノイズが除去される。
この定常ノイズが除去された周波数解析結果が、ノイズ除去部106より正常規範設定部103及び健全性評価部105に与えられる。そして、正常規範設定部103において、純粋な燃焼器13の内圧の変動値による周波数結果に基づいて、この燃焼器13の内圧に対する正常規範が求められるとともに、健全性評価部105において、現在のガスタービン11の運転状態について、各燃焼器13毎にその燃焼に異常が発生しているか否かを、定常ノイズの影響なく正確に判定することができる。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図11は、本実施形態におけるガスタービンプラントにおけるガスタービン監視装置の構成を示すブロック図である。尚、図11のガスタービン監視装置の構成において、図9のガスタービン監視装置の構成と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図11のガスタービン監視装置100cは、図9のガスタービン監視装置100bと異なり正常規範設定部103a及び健全性評価部105aに入力部101を介してプラントデータ200が与えられる。この入力部101から正常規範設定部103a及び健全性評価部105aに与えられるプラントデータ200は、周波数解析部102に与えるプラントデータ200と異なり、圧力センサ25及び加速度センサ26以外のセンサからの測定データである。即ち、周波数解析部102で周波数解析される測定データと異なる測定データが正常規範設定部103a及び健全性評価部105aに与えられ、ガスタービン11の運転状態の異常を判定するためのパラメータとして使用される。
このガスタービン監視装置100cは、第3の実施形態と同様、入力部101に入力されたプラントデータ200の内、圧力センサ25及び加速度センサ26による測定データが周波数解析部102に与えられる。そして、周波数解析部102において、m基の燃焼器13それぞれの燃焼振動に対する周波数解析が行われ、その周波数解析結果に含まれる定常ノイズ成分がノイズ除去部106において除去されると、このノイズ成分が除去された周波数解析結果が正常規範設定部103a及び健全性評価部105aに与えられる。
このとき、正常規範設定部103aでは、与えられた燃焼器13の燃焼振動の周波数解析結果を、図12のように、n個の周波数帯F1〜Fnに分割するとともに、周波数帯F1〜Fnそれぞれにおける振動レベルの平均値又は最大値を取得する。このとき、入力部101を介して入力されるプラントデータ200が確認され、各周波数帯における振動レベルの平均値又は最大値とともに格納される。そして、所定期間Tにおける複数の周波数解析結果による周波数帯F1〜Fnそれぞれにおける振動レベルの平均値又は最大値が確認された後、各周波数帯毎に、その振動レベルの平均値又は最大値と入力部101より与えられる圧力センサ25及び加速度センサ26以外のセンサからの測定データとの関係が求められる。尚、この圧力センサ25及び加速度センサ26以外のセンサからの測定データについては、ガスタービン11の運転状態に影響を与える因子であるため、以下では、「影響授与因子」と呼ぶ。
このようにして周波数解析結果における各周波数帯毎に得られた振動レベルの平均値又は最大値と入力部101より与えられる影響授与因子との関係に対して、フィルタリング処理や統計処理を施すことによって、影響授与因子に対する振動レベルの正常規範が、m基の燃焼器13の燃焼振動の周波数解析結果における周波数帯毎に設定される。即ち、影響授与因子に対する振動レベルの正常規範が、燃焼器13毎に周波数帯F1〜Fnそれぞれに対して求められるため、m×n個の正常規範が生成されることとなる。
このとき、例えば、影響授与因子として発電機負荷(MW)が与えられて、図12の周波数帯域Fk(1≦k≦n)における燃焼器13の内圧変動の振動レベルの平均値と発電機負荷との関係が確認され、その正常規範が図13のように表されるものとする。即ち、図13のような縦軸を内圧変動の振動レベルととするとともに横軸を発電機負荷とする2次元平面において、直線luが正常規範の上限を表すとともに直線ldが正常規範の下限を表し、直線ldよりも上側で且つ直線luよりも下側の範囲が正常規範となる。そして、この図13のように表される周波数帯域Fkにおける燃焼器13の内圧変動の振動レベルの平均値と発電機負荷との関係に対する正常規範が、燃焼器毎に、周波数帯域F1〜Fnそれぞれについて求められ、m×n個の正常規範が生成される。
このようにして、n個の周波数帯域F1〜Fnそれぞれにおける各燃焼器13の内圧変動の振動レベルの平均値又は最大値と影響授与因子との関係に対する正常規範が求められると、このm×n個の正常規範が健全性評価部105aに与えられる。この健全性評価部105aは、ノイズ除去部106より与えられた各燃焼器13の燃焼振動の周波数解析結果を、正常規範設定部103aと同様に、n個の周波数帯F1〜Fnに分割して、周波数帯F1〜Fnそれぞれにおける振動レベルの平均値又は最大値を取得する。そして、プラントデータ200より影響授与因子の値を確認すると、各燃焼器毎に、各周波数帯毎に、取得した振動レベルの平均値又は最大値と、確認した影響授与因子の値に対する正常規範とを比較することによって、ガスタービン11の運転状態が正常であるか否かの判定を行う。
即ち、例えば、図13のような影響授与因子を発電機負荷としたときの周波数帯Fkでの正常規範が生成されているとき、周波数帯Fkにおいて得られた現在の燃焼器13の内圧変動の振動レベルLxと、プラントデータ200によって確認される発電機負荷Mxとによって表される座標位置P(Mx,Lx)を、図13の2次元平面にプロットする。そして、プロットした座標位置Pが図14(a)のように正常規範内にある場合は、周波数帯Fkにおける振動が正常範囲内であるものと判定し、又、プロットした座標位置Pが図14(b)のように正常規範外にある場合は、周波数帯Fkにおける振動が異常であるものと判定する。
このように、各燃焼器13の燃焼振動の周波数解析結果における周波数帯F1〜Fnそれぞれに対して、影響授与因子に基づく正常規範に基づく運転状態の異常判定を行うことにより、燃焼異常の発生している燃焼器とその周波数帯が確認される。そして、確認された燃焼異常の発生している燃焼器とその周波数帯を示す判定結果が出力部104より出力されると、ディスプレイなどにより、燃焼異常の発生している燃焼器とその周波数帯の表示を行う。尚、このとき、燃焼異常の発生する各周波数帯により影響が与えられるガスタービン11の部位との因果関係を予め認識しておくことで、燃焼異常が確認された周波数帯により影響が与えられるガスタービン11の部位を特定することができる。
又、燃焼器13の燃焼異常を確認するための影響授与因子は、複数としても構わない。このとき、この複数の影響授与因子それぞれに対して、ノイズ除去部106からの周波数解析結果を分割する各周波数毎の正常規範が生成され、この正常規範に基づいて、各周波数帯での影響授与因子による燃焼異常への影響を確認することができる。即ち、p個の影響授与因子によって燃焼異常を確認する場合、m×n×p個の正常規範が生成されるとともに、p個の影響因子によるp個の正常規範に基づいて各燃焼器とも周波数帯F1〜Fnそれぞれにおける燃焼異常が確認される。そして、燃焼異常が確認されるとき、いずれの燃焼器、いずれの周波数帯において発生されたかを確認することができる。尚、複数の影響授与因子よって燃焼異常を確認する場合、少なくとも2個以上の影響授与因子によって燃焼異常を確認することによって、燃焼異常検知に関する誤検知を低減することも可能である。又、燃焼異常と確認された影響授与因子の個数に応じて、出力部104よりの出力方法を変えても構わない。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、本実施形態は、上述の第1〜第4の実施形態と異なり、複数のガスタービンプラントにおけるガスタービンの運転状態を監視するガスタービン監視システムが構成されている。又、図15は、本実施形態におけるガスタービン監視システムの構成を示すブロック図である。尚、図15のガスタービン監視システムの構成において、図11のガスタービン監視装置の構成と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図15のガスタービン監視システムは、プラントP1〜PNそれぞれに、ガスタービン11のプラントデータ200が入力される入力部101と、入力部101に入力されたプラントデータ200を送信する通信部151と、を備えたプラントデータ送信装置150が設置される。又、プラントP1〜PNそれぞれのプラントデータ送信装置150より送信されるプラントデータ200を受信して、プラントP1〜PNそれぞれのガスタービン11の運転状態を監視するガスタービン監視装置170を備える。そして、このガスタービン監視装置170が、プラントデータ送信装置150から送信されるプラントデータ200を受信する通信部171と、この通信部171で受信したプラントデータ200に基づいて動作する周波数解析部102、正常規範設定部103a、出力部104、健全性評価部105a、及びノイズ除去部106と、を備える。
このように構成されるとき、プラントP1〜PNそれぞれに設置されたプラントデータ送信装置150は、時刻t1,t2,…毎に、ガスタービン11の運転状態を示すプラントデータ200が入力部101に入力されると、この入力されたプラントデータ200を通信部151よりネットワーク回線180を通じてガスタービン監視装置170に送信する。又、ガスタービン監視装置170は、プラントP1〜PNそれぞれのプラントデータ送信装置150から送信されるプラントデータ200を通信部171で受信すると、受信したプラントデータ200の内、圧力センサ25及び加速度センサ26による測定データが周波数解析部102に与えられる。又、受信したプラントデータ200の内、圧力センサ25及び加速度センサ26以外のセンサからの測定データについては、正常規範設定部103a及び健全性評価部105aに送出される。
このように、受信されたプラントP1〜PNそれぞれにおけるプラントデータが周波数解析部102、正常規範設定部103a、及び健全性評価部105aに与えられると、第4の実施形態におけるガスタービン監視装置100cと同様の動作が行われることで、プラントP1〜PNそれぞれのガスタービンの運転状態が確認される。このとき、周波数解析部102において、プラントP1〜PNそれぞれのガスタービン11における燃焼器13の燃焼振動に対する周波数解析が行われる。
この周波数解析部102で得られた周波数解析結果に含まれる定常ノイズ成分がノイズ除去部106で除去されると、この定常ノイズ成分が除去された周波数解析結果が正常規範設定部103a及び健全性評価部105aに送出される。そして、正常規範設定部103aにおいて、プラントP1〜PNそれぞれに対する正常規範が生成されると、この正常規範に基づいて健全性評価部105aがプラントP1〜PNそれぞれにおけるガスタービン11の運転状態を確認する。よって、出力部104によって、プラントP1〜PNそれぞれのガスタービン11の現在の運転状態が正常であるか否かを示す情報が出力されると、この出力された情報に基づく表示がディスプレイなどに成されて、プラントP1〜PNそれぞれのガスタービン11の運転状態が監視される。
尚、本実施形態において、通信手段を備えたガスタービン監視装置170の構成を、第4の実施形態のガスタービン監視装置100cに基づくものとしたが、これに限られるものではなく、第1〜第3の実施形態におけるガスタービン監視装置100,100a,100bに基づく構成としても構わない。又、周波数解析部102、ノイズ除去部106をガスタービン監視装置170内に構成したが、プラントP1〜PNそれぞれに設置されたプラントデータ送信装置150内に設けても構わない。
は、ガスタービンの構成を示すブロック図である。 は、第1の実施形態におけるガスタービン監視装置の構成を示すブロック図である。 は、周波数解析部での周波数解析結果の例を示す図である。 は、周波数解析部での複数回の周波数解析結果を重ね合わせた例を示す図である。 は、正常規範設定部で設定される正常規範の例を示す図である。 は、出力部より出力される周波数解析結果と正常規範との関係を示す図である。 は、第2の実施形態におけるガスタービン監視装置の構成を示すブロック図である。 は、健全性評価部で比較される周波数解析結果と正常規範との関係を示す図である。 は、第3の実施形態におけるガスタービン監視装置の構成を示すブロック図である。 は、ノイズ成分が重畳した周波数解析結果の例を示す図である。 は、第4の実施形態におけるガスタービン監視装置の構成を示すブロック図である。 は、周波数解析部での周波数解析結果の分割例を示す図である。 は、周波数帯域Fkにおける正常規範の例を示す図である。 は、ガスタービンの運転状態と図13の正常規範との関係を示す図である。 は、第5の実施形態におけるガスタービン監視装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
11 ガスタービン
12 圧縮機
13 燃焼器
14 タービン
15 発電機
16 吸気通路
17 入口案内翼(IGV)
18,30 開度センサ
19,23,36,42 温度センサ
20,24,25,37,38 圧力センサ
21,39,40 流量センサ
22 圧縮空気供給通路
26 加速度センサ
27 燃焼ガス通路
28 バイパス通路
29 燃焼器バイパス弁
31 燃料通路
32 メイン燃料通路
33 パイロット燃料通路
34,35 流量制御弁
41 排気ガス通路
43 NOxセンサ
44 COセンサ

Claims (8)

  1. 高圧の空気と燃料ガスを燃焼する燃焼器と該燃焼器で発生した燃焼ガスにより回転するタービンとを備えるガスタービンの運転状態を監視するガスタービン監視装置において、
    前記ガスタービンに設置されたセンサで測定された測定データを含むプラントデータが入力される入力部と、
    該入力部から入力された前記プラントデータに基づいて、前記燃焼器の燃焼振動の周波数解析を行う周波数解析部と、
    時系列で与えられた前記周波数解析部における複数の周波数解析結果に基づいて、前記ガスタービンの運転状態が正常であるとする前記燃焼器の燃焼振動の振動レベルの範囲となる正常規範を求める正常規範設定部と、
    前記周波数解析部における現在の運転状態に対する周波数解析結果と、前記正常規範設定部で生成された正常規範と、を出力する出力部と、
    前記周波数解析部から送出される現在の運転状態に対する周波数解析結果と、前記正常規範設定部で生成された正常規範とを比較するとともに、その比較結果に基づいて前記ガスタービンの運転状態が正常であるか否かを判定する健全性評価部と、を備え
    前記正常規範設定部において、前記周波数解析部による前記周波数解析結果を複数の周波数帯に分割するとともに、複数の周波数帯毎に、前記燃焼器の燃焼振動を表すデータ以外の前記プラントデータのうち前記ガスタービンの運転状態に影響を与える影響授与因子に対して前記ガスタービンの運転状態が正常であるとする前記燃焼器の燃焼振動の振動レベルの範囲となる正常規範が生成され、
    前記健全性評価部において、与えられた前記周波数解析結果を複数の周波数帯に分割するとともに複数の周波数帯毎に取得した振動レベルの平均値又は最大値と、確認した影響授与因子の値に対する正常規範とを比較することを特徴とするガスタービン監視装置。
  2. 前記周波数解析部において得られた前記周波数解析結果に含まれる定常ノイズ成分を除去するノイズ除去部を備えるとともに、前記ノイズ除去部で定常ノイズ成分が除去された前記周波数解析結果が前記正常規範設定部に送出されることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン監視装置。
  3. 前記健全性評価部には、前記ノイズ除去部を介して前記周波数解析部から前記周波数解析結果が送出されることを特徴とする請求項に記載のガスタービン監視装置。
  4. 前記周波数解析部による前記周波数解析結果を複数の周波数帯に分割するとともに、
    前記健全性評価部において、複数の周波数帯毎に分割された前記周波数解析結果に基づいて、前記ガスタービンの運転状態が正常であるか否かを判定することを特徴とする請求項に記載のガスタービン監視装置。
  5. 高圧の空気と燃料ガスを燃焼する燃焼器と該燃焼器で発生した燃焼ガスにより回転するタービンとを備えるガスタービンの運転状態を監視するガスタービン監視システムにおいて、
    前記ガスタービンに設置されたセンサで測定された測定データを含むプラントデータが入力される入力部と、該入力部に入力されたプラントデータを送信する通信部と、を備えたプラントデータ送信装置と、
    前記プラントデータ送信装置から送信された前記プラントデータを受信する通信部と、該通信部で受信された前記プラントデータに基づいて、前記燃焼器の燃焼振動の周波数解析を行う周波数解析部と、時系列で与えられた前記周波数解析部における複数の周波数解析結果に基づいて、前記ガスタービンの運転状態が正常であるとする前記燃焼器の燃焼振動の振動レベルの範囲となる正常規範を求める正常規範設定部と、前記周波数解析部における現在の運転状態に対する周波数解析結果と、前記正常規範設定部で生成された正常規範と、を出力する出力部と、前記周波数解析部から送出される現在の運転状態に対する周波数解析結果と、前記正常規範設定部で生成された正常規範とを比較するとともに、その比較結果に基づいて前記ガスタービンの運転状態が正常であるか否かを判定する健全性評価部と、を備えるガスタービン監視装置と、
    により構成されるとともに、
    1つ又は複数の前記プラントデータ送信装置に対して1つの前記ガスタービン監視装置を備え
    前記ガスタービン監視装置が、前記正常規範設定部において、前記周波数解析部による前記周波数解析結果を複数の周波数帯に分割するとともに、複数の周波数帯毎に、前記燃焼器の燃焼振動を表すデータ以外の前記プラントデータのうち前記ガスタービンの運転状態に影響を与える影響授与因子に対して前記ガスタービンの運転状態が正常であるとする前記燃焼器の燃焼振動の振動レベルの範囲となる正常規範が生成され、
    前記健全性評価部において、与えられた前記周波数解析結果を複数の周波数帯に分割するとともに複数の周波数帯毎に取得した振動レベルの平均値又は最大値と、確認した影響授与因子の値に対する正常規範とを比較することを特徴とするガスタービン監視システム。
  6. 前記ガスタービン監視装置が、前記周波数解析部において得られた前記周波数解析結果に含まれる定常ノイズ成分を除去するノイズ除去部を備えるとともに、前記ノイズ除去部で定常ノイズ成分が除去された前記周波数解析結果が前記正常規範設定部に送出されることを特徴とする請求項に記載のガスタービン監視システム。
  7. 前記健全性評価部には、前記ノイズ除去部を介して前記周波数解析部から前記周波数解析結果が送出されることを特徴とする請求項に記載のガスタービン監視システム。
  8. 前記ガスタービン監視装置が、前記周波数解析部による前記周波数解析結果を複数の周波数帯に分割するとともに、前記健全性評価部において、複数の周波数帯毎に分割された前記周波数解析結果に基づいて、前記ガスタービンの運転状態が正常であるか否かを判定することを特徴とする請求項に記載のガスタービン監視システム。
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