JP2003314305A - ガスタービン制御装置、ガスタービンシステム及びガスタービン制御方法 - Google Patents

ガスタービン制御装置、ガスタービンシステム及びガスタービン制御方法

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JP2003314305A
JP2003314305A JP2002122591A JP2002122591A JP2003314305A JP 2003314305 A JP2003314305 A JP 2003314305A JP 2002122591 A JP2002122591 A JP 2002122591A JP 2002122591 A JP2002122591 A JP 2002122591A JP 2003314305 A JP2003314305 A JP 2003314305A
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Japan
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gas turbine
combustion
unit
frequency
analysis
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JP2002122591A
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English (en)
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Akinori Natsume
明典 夏目
Masumi Nomura
真澄 野村
Katsunori Tanaka
克則 田中
Kozo Toyama
浩三 外山
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービンで発生する燃焼振動を事前に抑
制し、燃焼安定性を向上することができるガスタービン
制御装置を提供する。 【解決手段】 ガスタービンの燃焼器内での圧力または
加速度の振動を周波数分析し、前記周波数分析の結果を
複数の周波数帯に分割した周波数帯別分析結果を出力す
る周波数解析部212と、前記圧力または加速度の振動
を局所高速フーリエ変換により周波数分析し、前記局所
高速フーリエ変換による周波数分析の結果に基づいて、
ガスタービンの燃焼振動の予兆を検知し、前記検知結果
を示す検知信号を出力する予兆解析部270と、前記周
波数帯別分析結果と、前記ガスタービンのプロセス量に
基づいて、前記ガスタービンの燃焼振動の特性を把握す
る燃焼特性把握部223と、前記予兆解析部により前記
燃焼振動の予兆が検知されたとき、前記燃焼特性把握部
で把握された燃焼振動の特性に基づいて、前記燃焼器に
供給する燃料の流量又は空気の流量の少なくとも一方を
制御する制御部211とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンの制
御装置及びそれを有するシステムに関し、特に、燃焼振
動を事前に抑制する制御を行なう制御装置及びそれを有
するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガスタービンでは、発電機出力、
大気温度・湿度などに基づいて、燃焼器へ送る空気流
量、燃料流量を予め決定し、その値を用いて運転を行な
っている。しかし、圧縮機の性能劣化やフィルターの目
詰まりなどの経年変化により、実際の流量は計画時や試
運転調整時とずれる可能性がある。その場合、燃焼安定
性が低下したり、燃焼振動が発生する恐れがある。燃焼
振動が発生すると、ガスタービンの運転に大きな支障を
きたすだけではなく、機器を破損する恐れがある。その
ため、燃焼振動の発生を早期に検知し回避することがガ
スタービンの運転上、必須である。
【0003】従来、燃焼器の内圧変動等を検出し、高速
フーリエ変換(FFT)による周波数分析でスペクトル
を求め、このレベルをしきい値と比較することで燃焼振
動を検出する方法は知られている。
【0004】しかしながら、従来の方法によれば、明ら
かに燃焼振動が発生した時点でないと検知できないた
め、兆候段階で燃焼振動を検知する手法と装置が求めら
れている。
【0005】特開平9−269107号公報に、燃焼器
の燃焼振動抑制装置およびその抑制方法が開示されてい
る。この燃焼器の燃焼振動抑制装置は、燃焼振動抑制部
を備える。燃焼振動抑制部は、燃焼器内の圧力センサー
によって検出された、燃焼ガスの圧力変動を周波数分析
する周波数分析装置と、この周波数分析装置によって分
析された圧力変動の周波数帯域に基づき振動安定性を処
理する中央演算処理装置と、この中央演算処理装置の出
力信号を増幅する電圧増幅器と、増幅された出力信号を
弁開閉信号として燃料弁に与えて制御するコントローラ
部とをそれぞれ備える。
【0006】この抑制方法は、低周波数の燃焼振動に着
目している。燃焼振動が起きた時の燃空比から、燃焼振
動の周波数を予測する。そして、低周波数の燃焼振動の
場合、燃空比を変化させて、低周波の燃焼振動の発生を
抑制することができる。低周波の燃焼振動は、機器に影
響を与えやすいので、それを抑制することで、機器の損
傷を抑制する。しかし、燃焼振動の周波数は、数千Hz
に及ぶものもあり、低周波を抑えれば高周波が発生する
というような現象も見られ、単純に燃空比の変更量を決
定することは困難で、燃焼を安定化することが容易でな
い場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ガスタービンで発生する燃焼振動を事前に抑制し、
燃焼安定性を向上することができるガスタービン制御装
置及びガスタービンシステムを提供することである。
【0008】また、本発明の更に別の目的は、ガスター
ビンで発生する燃焼振動の周波数を解析し、その解析結
果に基づいて、燃焼振動の事前の抑制を適切に実行可能
なガスタービン制御装置及びガスタービンシステムを提
供することである。
【0009】本発明の更に他の目的は、データベースの
容量又は演算量を抑えつつ、燃焼安定性を維持すること
が可能なガスタービン制御装置及びガスタービンシステ
ムを提供することである。
【0010】本発明の更に他の目的は、ガスタービンの
運転実績が少ない場合にも、燃焼安定性を維持すること
が可能なガスタービン制御装置及びガスタービンシステ
ムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】以下に、[発明の実施の
形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決す
るための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特
許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応
関係を明らかにするために付加されたものである。ただ
し、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載
されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならな
い。
【0012】本発明のガスタービン制御装置は、ガスタ
ービンの燃焼器内での圧力または加速度の振動を周波数
分析し、前記周波数分析の結果を複数の周波数帯に分割
した周波数帯別分析結果を出力する周波数解析部(21
2)と、前記圧力または加速度の振動を局所高速フーリ
エ変換により周波数分析し、前記局所高速フーリエ変換
による周波数分析の結果に基づいて、ガスタービンの燃
焼振動の予兆を検知し、前記検知結果を示す検知信号を
出力する予兆解析部(270)と、前記周波数帯別分析
結果と、前記ガスタービンのプロセス量に基づいて、前
記ガスタービンの燃焼振動の特性を把握する燃焼特性把
握部(223)と、前記予兆解析部(270)により前
記燃焼振動の予兆が検知されたとき、前記燃焼特性把握
部(223)で把握された燃焼振動の特性に基づいて、
前記燃焼器に供給する燃料の流量又は空気の流量の少な
くとも一方を制御する制御部(211)とを備えてい
る。
【0013】本発明のガスタービン制御装置において、
前記予兆解析部(270)は、前記局所高速フーリエ変
換による周波数分析の結果から定常ノイズを除去した結
果に基づいて、前記燃焼振動の予兆を検知する。
【0014】本発明のガスタービン制御装置において、
前記予兆解析部(270)は、前記局所高速フーリエ変
換による周波数分析の結果に対して、不完全微分処理を
行うことによって、前記定常ノイズを除去する。
【0015】本発明のガスタービン制御装置において、
前記予兆解析部(270)は、更に、前記圧力または加
速度の振動を高速フーリエ変換により周波数分析し、前
記高速フーリエ変換による周波数分析の結果と、前記局
所高速フーリエ変換による周波数分析の結果に基づい
て、前記燃焼振動の予兆を検知する。
【0016】本発明のガスタービン制御装置において、
前記予兆解析部(270)は、更に、前記局所高速フー
リエ変換による周波数分析の結果の変化率を求め、前記
変化率も考慮して、前記燃焼振動の予兆を検知する。
【0017】本発明のガスタービン制御装置において、
更に、補正方向決定部(224)を備え、前記補正方向
決定部(224)は、前記検知信号に応答して、前記燃
焼特性把握部(223)で把握された燃焼振動の特性に
基づいて、前記制御部(211)による前記制御の補正
方向を求め、前記補正方向を示すデータを前記制御部
(211)に出力し、前記制御部(211)は、前記補
正方向を示すデータに基づいて、前記制御を補正する。
【0018】本発明のガスタービン制御装置において、
前記補正方向決定部(224)は、最急降下法を含む最
適化手法を用いて、前記補正方向を求める。
【0019】本発明のガスタービン制御装置において、
前記補正方向決定部(224)は、前記検知信号が前記
燃焼振動の予兆を検知していない旨を示しているときに
は、補正がゼロである旨の前記補正方向を示すデータを
出力し、前記検知信号が前記燃焼振動の予兆を検知した
旨を示しているときに、前記補正方向を求める。
【0020】本発明のガスタービン制御装置において、
更に、補正量決定部(225)を備え、前記燃焼特性把
握部(223a)は、前記燃焼振動の特性として、最も
燃焼振動の発生し難い最適点又は最適領域(Qo)を求
め、前記最適点又は最適領域を示すデータを前記補正量
決定部(225)に出力し、前記補正量決定部(22
5)は、前記検知信号に応答して、前記最適点又は最適
領域(Qo)を示すデータに基づいて、前記制御部(2
11)による前記制御の補正量を求め、前記補正量を示
すデータを前記制御部(211)に出力し、前記制御部
(211)は、前記補正量を示すデータに基づいて、前
記制御を補正する。
【0021】本発明のガスタービン制御装置において、
更に、最大値選択部(226)を備え、前記周波数帯別
分析結果と前記ガスタービンのプロセス量のデータは、
設定された時間おきに得られ、前記最大値選択部(22
6)は、第1の前記時間と第2の前記時間の前記プロセ
ス量が類似しているとき、前記第1および第2の時間に
それぞれ得られた前記周波数帯別分析結果同士を比較
し、前記比較の結果、最大の前記周波数帯別分析結果を
抽出し、前記最大の周波数帯別分析結果を前記燃焼特性
把握部(223)に出力し、前記燃焼特性把握部(22
3)は、前記抽出された周波数帯別分析結果と、前記ガ
スタービンのプロセス量に基づいて、前記ガスタービン
の燃焼振動の特性を把握する。
【0022】本発明のガスタービン制御装置において、
更に、最新値選択部(227)を備え、前記周波数帯別
分析結果と前記ガスタービンのプロセス量のデータは、
設定された時間おきに得られ、前記最新値選択部(22
7)は、第1の前記時間と第2の前記時間の前記プロセ
ス量が類似しているとき、前記第1および第2の時間の
うちの最新の時間に得られた前記周波数帯別分析結果を
抽出し、前記最新の時間に得られた周波数帯別分析結果
を前記燃焼特性把握部(223)に出力し、前記燃焼特
性把握部(223)は、前記抽出された周波数帯別分析
結果と、前記ガスタービンのプロセス量に基づいて、前
記ガスタービンの燃焼振動の特性を把握する。
【0023】本発明のガスタービン制御装置において、
更に、前記周波数帯別分析結果と前記ガスタービンのプ
ロセス量を格納する第1データベース(222)と、新
規ガスタービンの燃焼器内での圧力または加速度の振動
が周波数分析され、当該周波数分析の結果が複数の周波
数帯に分割されてなる周波数帯別分析結果と、前記新規
ガスタービンのプロセス量を格納する第2データベース
(222a)とを備え、前記燃焼特性把握部(223
b)は、前記第1データベース(222)に格納された
前記周波数帯別分析結果と前記ガスタービンのプロセス
量および前記第2データベース(222a)に格納され
た前記周波数帯別分析結果と前記ガスタービンのプロセ
ス量の少なくともいずれか一方に基づいて、前記ガスタ
ービンの燃焼振動の特性を把握する。
【0024】本発明のガスタービンシステムは、上記ガ
スタービン制御装置と、前記燃焼器を有する前記ガスタ
ービンと、を具備する。
【0025】本発明のガスタービン制御方法は、ガスタ
ービンの燃焼器内での圧力または加速度の振動の測定結
果を周波数分析し、前記周波数分析の結果を出力するス
テップと、前記圧力または加速度の振動を局所高速フー
リエ変換により周波数分析し、前記局所高速フーリエ変
換による周波数分析の結果に基づいて、ガスタービンの
燃焼振動の予兆を検知するステップと、前記周波数分析
の結果と、前記ガスタービンのプロセス量に基づいて、
前記ガスタービンの燃焼振動の特性を把握するステップ
と、前記燃焼振動の予兆が検知されたとき、前記燃焼振
動の特性に基づいて、前記燃焼器に供給する燃料の流量
又は空気の流量の少なくとも一方を制御するステップ
と、を備えている。
【0026】本発明のプログラムは、上記ガスタービン
制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム
である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガスタービン制御
装置の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明す
る。本実施形態において、ガスタービンに使用される制
御装置を例に示して説明するが、他の燃焼振動が発生す
る燃焼装置の制御においても、適用可能である。
【0028】まず、図21から図29を参照して、本実
施形態のガスタービン制御装置の一部に用いられる予兆
解析部について説明する。
【0029】本実施形態のガスタービン制御装置の一部
に用いられる予兆解析部は、燃焼器に取り付けた内圧変
動検出器やケーシングに取り付けた加速度検出器からの
計測信号を入力し,ウィンドウサイズが小さく感度が高
い局所高速フーリエ変換(LFFT)に基づく周波数分
析によりスペクトルを求め,各周波数毎のスペクトルの
時間変動に対して不完全微分処理を行うことにより,燃
焼振動の兆候を検知できかつタービンや圧縮機の固有振
動で定常的に発生するスペクトルピークによる誤検知を
回避可能な予兆解析部である。
【0030】LFFT(局所FFT)手法は、通常のF
FT(高速フーリエ変換)よりも小さいウィンドウサイ
ズで周波数分析することにより、予兆振動の検出感度を
高める方法である。LFFT手法の特徴と燃焼振動予兆
検知への適用にあたっての対応策を図21に示す。
【0031】図21に示すように、FFTは、大きなウ
ィンドウサイズで周波数分析するのに対し、LFFT
は、小さなウィンドウサイズで周波数分析を行う。FF
Tは、1024点の時系列のサンプリングデータを対象
として周波数解析するのに対して、LFFTは、例えば
128点の時系列のサンプリングデータを対象として周
波数解析を行う(1/8のデータ数)。なお、LFFT
のウィンドウサイズとしては、上記の128点に限られ
ず、64点又は256点でもよい。
【0032】FFTは、感度が低いのに対し、LFFT
は、感度が高い(利点)。FFTは、局所的に現れる振
動は平均化されてキャッチできないのに対し、LFFT
は、局所的に現れる振動を顕著なピークとしてキャッチ
することができる。LFFTの感度の高さを活かして燃
焼振動の予兆を検知することができる。図22から図2
4を参照して、この感度の違いについて説明する。
【0033】図22は、燃焼器に取り付けられた内圧変
動検出器またはケーシングに取り付けられた加速度検出
器からの計測信号を示している。図22の縦軸は、その
計測値のレベルを示し、横軸は時間軸である。図22に
示すように、本格的に燃焼振動が発生する以前には、短
時間の間、燃焼振動の兆候が、局所的な振動として現れ
ることが多い。上記のように、FFTはウィンドウサイ
ズが大きいため、FFTによる周波数解析の結果は、図
23のようになる。実際は、例えば4000Hz付近で
燃焼振動の兆候が発生しているにもかかわらず、図23
では、その振動レベルが低くしか現れず、検出できな
い。一方、LFFTはウィンドウサイズが小さいため、
LFFTによる周波数解析の結果は、図24のようにな
る。図24では、4000Hz付近での振動レベルが大
きく現れるため、燃焼振動の兆候を検出することができ
る。
【0034】図21に示すように、FFTは、周波数分
解能が細かいのに対し、LFFTは、周波数分解能が粗
い(欠点)。LFFTのウィンドウサイズがFFTに比
べて1/8と小さいことに対応している。FFTは、タ
ービン翼のNZ(固有周波数)成分と燃焼振動の周波数
を分離できるため、予め、タービン翼のNZ成分を除去
できる。LFFTは、タービン翼のNZ(固有周波数)
成分と燃焼振動の周波数が重なる場合があり、予め、タ
ービン翼のNZ成分を除去できない。圧縮機やタービン
は回転体であり、固有周波数を有しており、その固有周
波数は、一定の値である。LFFTの適用に際しては、
後述する定常ノイズ除去処理により、NZ成分と燃焼振
動の周波数を分類する。
【0035】FFTは、演算処理が遅いのに対し、LF
FTは、演算処理が速い(利点)。FFTは、演算に要
する時間がLFFTよりも大きい。LFFTは、ウィン
ドウサイズが小さいため、演算に要する時間が少なく、
リアルタイム処理に向いている。LFFTを適用すれ
ば、短時間の対象区間毎の高速な診断が可能であり、燃
焼振動の予兆を迅速に検知して、本格的な燃焼振動が発
生する前の対応を取り易くできる。
【0036】次に、図25から図28を参照して、燃焼
振動の予兆の検知例について説明する。
【0037】図25は、縦軸が内圧の変動を示してお
り、横軸が時間を示している。図25の○印の時点で燃
焼振動の予兆が発生しており、△印の時点で燃焼振動が
発生している。○印の時点で燃焼振動の予兆は、aHz
付近で生じているものとする。
【0038】従来のFFTを用いた手法であると、△印
の時点でしか振動を検知できなかったのに対し、本実施
形態のLFFTを用いた手法では、以下の理由により、
△印より約3秒前の○印の時点で振動を検知することが
できた。3秒前に予兆を検知できれば、燃焼振動発生を
未然に回避するための、後述する燃料調節弁の開度等の
制御を行うことができる。
【0039】図26は、図25の○印付近でFFTによ
る周波数解析を行った結果を示している。横軸が周波数
であり、縦軸が振動レベルである。図26では、aHz
付近でピークが現れているが、そのピークは顕著には現
れていない。前述したように、FFTのウィンドウサイ
ズが大きいためである。FFTのサンプリング時間に対
して、aHzの振動が発生している時間の占める割合が
小さいため、従来手法では平均化されて大きなピークと
はならない。
【0040】図27は、図25の○印付近でLFFTに
よる周波数解析を行った結果を示している。図27で
は、LFFTのウィンドウサイズが小さいため、aHz
付近でピークが顕著に現れている。そのピークは、しき
い値を大きく超えた値として検出される。
【0041】ただし、図27では、bHz付近にもう一
つのピークが、しきい値を超えて顕著に現れている。こ
のbHz付近の振動は、上記回転体の固有周波数の定常
ノイズに相当している。前述のように、LFFTは、周
波数分解能が粗いことに起因している。
【0042】LFFTを用いる手法においては、後述す
る方法により、その定常ノイズの成分を、図27の破線
(定常成分)に示すように求めることができる。そこ
で、図27において、実線で示される局所FFTの結果
から、破線で示される定常成分を引くと、その差分とし
て図28が得られる。
【0043】図28によれば、aHz付近の振動(燃焼
振動の兆候)のみが、しきい値を超えた値として現れ
る。定常ノイズ除去処理を行うことで、急激に増大して
いるスペクトルのみを取り出すことができ、誤検知耐力
に優れた予兆検知が可能になっている。
【0044】次に、図29を参照して、本実施形態のガ
スタービン制御装置の一部に用いられる燃焼振動の予兆
の検出のロジックについて説明する。
【0045】図29に示すように、LFFT演算器21
には、128点の時系列の内圧または加速度のデータ2
0が、LFFT演算時の一単位として入力される。LF
FT演算器21からは、LFFTの周波数分解能毎のス
ペクトルの値31a、31b、31c…が出力される。
そのLFFTの周波数分解能毎のスペクトルの値31
a、31b、31c…のそれぞれに対して、次の処理が
実行される。以下では、値31aについてのみ説明する
が、値31b、値31c…についても同様の処理が実行
される。
【0046】LFFTの周波数分解能に対応した単一の
周波数帯のスペクトルのデータ31aは、一次遅れ器2
2に入力され、一次遅れを有するデータ32aが一次遅
れ器22から出力される。
【0047】加算器23では、データ31aから、一次
遅れ器22からの出力値32aが減算され、その減算値
33aが加算器23から出力される。データ31aは、
図27に実線で示される局所FFT結果のうちのデータ
31aに対応する周波数帯の部分に相当している。デー
タ32aは、図27に破線で示される定常成分のうちの
データ31aに対応する周波数帯の部分に相当してい
る。データ33aは、図28に示されるグラフのうちの
データ31aに対応する周波数帯の部分に相当してい
る。
【0048】一次遅れ器22および加算器23は、定常
ノイズ除去処理部(不完全微分処理部)40に含まれて
いる。一次遅れ器22は、伝達関数G(s)で示せば、
G(s)=1/(1+Ts)である。不完全微分処理部
40から出力されるデータ33aは、伝達関数G(s)
=1−1/(1+Ts)=Ts/(1+Ts)である。
すなわち、定常ノイズ除去処理部は、スペクトルデータ
31aの時間変動成分を取り出す働きをする。
【0049】加算器23から出力されたデータ33a
は、移動平均処理部24に入力される。移動平均処理部
24では、過去に入力した1回から複数回(例えば5
回)のデータ33aを平均化し、その平均化した結果を
データ34aとして出力する。ここで、平均化するのは
誤検知防止(ノイズ除去)のためである。
【0050】移動平均処理部24から出力されたデータ
34aは、設定値比較部25に入力される。設定値比較
部25では、設定されたしきい値と、データ34aとが
比較され、その比較の結果、データ34aがしきい値を
超えていれば、設定値比較部25からデータ35aとし
てオン信号が出力される。一方、その比較の結果、デー
タ34aがしきい値以下であれば、データ35aとして
オフ信号が出力される。
【0051】設定値比較部25から出力されたデータ3
5aは、オンディレイ処理部26に入力される。オンデ
ィレイ処理部26は、過去に入力した1回から複数回
(例えば5回)分のデータ35aが連続してオン信号で
あるときに、データ36aとして、オン信号を出力す
る。一方、オンディレイ処理部26は、過去に入力した
複数回(例えば5回)分のデータ35aが連続してオン
信号とはならなかったときには、データ36aとして、
オフ信号を出力する。データ36aとしてオン信号が出
力されたときには、異常周波数帯(燃焼振動の予兆)と
して検出される。ここで、オンディレイ処理を行うのは
誤検知防止(ノイズ除去)のためである。
【0052】上述したように、上記データ36aのみに
基づいて、燃焼振動の予兆を検知することもできるが、
次に述べる手法を行うこともできる。
【0053】上記の移動平均処理部24、設定値比較部
25、オンディレイ処理部26を含むレベル比較処理
(高設定)部41に加えて、レベル比較処理(低設定)
部42と、変化率比較処理部43を追加することができ
る。
【0054】レベル比較処理(低設定)部42は、移動
平均処理部24a、設定値比較部27、オンディレイ処
理部26aを含んでいる。設定値比較部27では、レベ
ル比較処理(高設定)部41の設定値比較部25で設定
されたしきい値よりも低い値のしきい値が設定されてい
る。設定値比較部27からの出力値がデータ37aとし
て出力される。移動平均処理部24aで行う処理は、移
動平均処理部24と同様である。オンディレイ処理部2
6aで行う処理は、オンディレイ処理部26と同様であ
る。
【0055】変化率比較処理部43は、差分処理部28
と、移動平均処理部24bと、設定値比較部29と、オ
ンディレイ処理部26bを含んでいる。差分処理部28
は、過去に入力した直前回のデータ33aから、現在入
力したデータ33aを減算してなる差分値がデータ38
aとして出力される。データ38aは、前回から現在ま
での値33aの変化を示す傾きに相当している。移動平
均処理部24bで行う処理は、移動平均処理部24と同
様である。設定値比較部29では、上記傾きに対応する
しきい値が設定されており、設定値比較部29への入力
データが、そのしきい値を超えていれば、設定値比較部
29からデータ39aとしてオン信号が出力され、その
しきい値を超えていなければデータ39aとしてオフ信
号が出力される。オンディレイ処理部26bで行う処理
は、オンディレイ処理部26と同様である。
【0056】レベル比較処理(低設定)部42からの出
力データと、変化率比較処理部43からの出力データの
双方がオン状態を示しているときのみ(AND条件)、
データ40aは、オン状態となる(燃焼振動の予兆=異
常周波数帯の検出を示す)。
【0057】そして、上記データ36a及びデータ40
aの少なくともいずれか一方がオン状態であれば、オン
状態のデータ50aが出力される。データ50aがオン
状態を示しているときには、データ31aの周波数帯が
異常周波数帯であることが検出されたことを示してい
る。
【0058】そして、上記と同様にして、データ31b
に対しては、データ50bが出力され、データ31cに
対しては、データ50cが出力される。データ50a、
50b、50c…のうちの少なくともいずれか一つがオ
ン状態であれば、データ55がオン状態となる。データ
55がオン状態にあるとき、異常周波数帯が検出された
ことになる。
【0059】なお、単一の周波数帯のスペクトルのデー
タ31aに対して設定された、設定値比較部25のしき
い値は、他の単一の周波数帯のスペクトルのデータ31
b、31c…に対して設定された、設定値比較部25の
しきい値と異なる値に設定される。同様に、データ31
aに対して設定された、設定値比較部27のしきい値
は、データ31b、31c…に対して設定された、設定
値比較部27のしきい値と異なる値に設定され、更に、
データ31aに対して設定された、設定値比較部29の
しきい値は、データ31b、31c…に対して設定され
た、設定値比較部29のしきい値と異なる値に設定され
る。
【0060】以上が本実施形態のガスタービン制御装置
の一部に用いられる予兆解析部及びであるが、この構成
例に基づいて、本実施形態のガスタービン制御装置の一
部に用いられる予兆解析部270として、以下の第1か
ら第8実施例を考えることができる。
【0061】(第1実施例)図13を参照して、第1実
施例の予兆解析部270aについて説明する。なお、図
13において、図29と共通する部分については同じ符
号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0062】第1実施例の予兆解析部270aは、ガス
タービン2の燃焼器に取り付けた内圧変動検出器11や
ケーシングに取り付けた加速度検出器12からの計測信
号20を入力し、ウィンドウサイズが小さく感度が高い
局所高速フーリエ変換(LFFT)に基づく周波数分析
(LFFT演算部21)によりスペクトル(データ31
a、31b、31c…)を求め、各周波数毎のスペクト
ル(データ31a、31b、31c…)の時間変動に対
して不完全微分処理(不完全微分処理部40)を行い、
その不完全微分処理が行われた結果(データ33a)
が、少なくとも2つに分割された周波数帯毎に異なる値
に設定された設定レベル(設定値比較部25)を設定時
間以上連続して超えた場合(オンディレイ処理部26)
に予兆を検知する。
【0063】以上のことにより,燃焼振動の兆候を検知
できかつタービンや圧縮機の固有振動で定常的に発生す
るスペクトルピークによる誤検知を回避可能である。
【0064】(第2実施例)図14を参照して、第2実
施例の予兆解析部270bについて説明する。
【0065】第2実施例は、燃焼器に取り付けた内圧変
動検出器11やケーシングに取り付けた加速度検出器1
2からの計測信号20を入力し,高速フーリエ変換(F
FT)に基づく周波数分析(高速フーリエ変換演算部6
1)により求めたスペクトルが少なくとも2つに分割さ
れた周波数帯毎に異なる値に設定された設定レベル(設
定値比較部62)を設定時間以上連続して超えた場合
(オンディレイ処理部63、データ36a)と,(実施
例1)の検知結果(データ36a)との論理和を求める
ことにより,燃焼振動の兆候(異常周波数帯)を検知で
きるだけでなく緩やかにスペクトルレベルが上昇する燃
焼振動(異常周波数帯)も同時に検知できる。
【0066】図26から図28に示すように、主とし
て、500〜5000Hz程度の高周波領域で発生する
燃焼振動の兆候は、瞬時に大きな振幅を有する振動とし
て発生することが多い。そのため、LFFTによる周波
数分析によって、検知し易い。
【0067】これに対し、例えば500Hz以下の低周
波領域の振動は、ある程度の長さの時間をかけて初め小
さかった振幅が漸次大きくなっていく振動(緩やかにス
ペクトルレベルが上昇する燃焼振動)として発生するケ
ースがある。このように緩やかにレベルが上昇する主と
して低周波領域での振動は、上記実施例1のLFFTを
用いた手法であると、不完全微分処理部40にて定常ノ
イズとして除去されてしまうため検知できない一方、F
FTによる周波数分析では問題なく検知することができ
る。そこで、FFTによる周波数分析結果を用いて得ら
れたデータ63aと、上記実施例1によって得られたデ
ータ36aとの論理和を求めることにより、多様な形態
で発生する燃焼振動の兆候(異常周波数帯)を確実に検
知することができる。
【0068】なお、FFTは、上記のように、周波数分
解能が細かいため、不完全微分処理は不要である。
【0069】(第3実施例)図15を参照して、第3実
施例の予兆解析部270cについて説明する。
【0070】第3実施例は、(実施例1)の不完全微分
処理結果のレベル比較(データ36a)に加え,差分に
よる時間変化率(差分処理部28)が少なくとも2つに
分割された周波数帯毎に異なる値に設定された設定レベ
ル(設定値比較部29)を設定時間以上連続して超え
(オンディレイ処理部26b),かつ不完全微分処理結
果(データ33a)が単独レベル比較(設定値比較部2
5)よりも低い設定値の少なくとも2つに分割された周
波数帯毎に異なる値に設定された設定レベル(設定値比
較部27)を設定時間以上連続して超えた場合(オンデ
ィレイ処理部26a)に予兆を検知することにより,よ
り早期に予兆を検知できる。
【0071】図15の第3実施例は、上述した図29の
本実施形態の構成に対応している。
【0072】(第4実施例)図16を参照して、第4実
施例の予兆解析部270dについて説明する。
【0073】第4実施例は、(実施例2)の不完全微分
処理結果のレベル比較に加え,差分による時間変化率が
少なくとも2つに分割された周波数帯毎に異なる値に設
定された設定レベルを設定時間以上連続して超え,かつ
不完全微分処理結果が単独レベル比較よりも低い設定値
の少なくとも2つに分割された周波数帯毎に異なる値に
設定された設定レベルを設定時間以上連続して超えた場
合に予兆を検知することにより,より早期に予兆を検知
できる。
【0074】図16の第4実施例は、実施例2と実施例
3を合わせた構成になっている。
【0075】(第5実施例)図17を参照して、第5実
施例の予兆解析部270eについて説明する。
【0076】第5実施例は、(実施例1)において,レ
ベル比較後のオンディレイタイマ設定を固定ではなく,
レベル比較の設定値(設定値比較部25)と計測スペク
トルとの偏差の時間積分値が誤差設定値(誤差比較処理
部71)を超えた場合に予兆を検知する。
【0077】図17に示すように、第5実施例では、図
13の第1実施例のオンディレイ処理部26に代えて、
誤差比較処理部71が設けられている。図30及び図3
2に示すように、誤差比較処理部71では、計測スペク
トル33aが設定値比較部25でのしきい値V1を超え
た偏差を時間で積分した値を求め、その時間積分値が誤
差比較処理部71に設定されているしきい値(誤差設定
値)を超えたときに、兆候検知を示すオン状態のデータ
71aを出力する。
【0078】第1実施例のオンディレイ処理部26で
は、設定時間t1が固定であったため、符号W1で示す
ように、データ33aが連続してしきい値V1を超えて
いる時間が設定時間t1を超えたときに初めて、兆候検
知を示すオン状態のデータ36aを出力する(図31参
照)。
【0079】これに対し、図30及び図32に示すよう
に、第5実施例の誤差比較処理部71では、符号W2に
示すような、急激にしきい値V1を大きく超えるデータ
33aに対して、その偏差の時間積分値が誤差設定値を
超えた時点で、オン状態のデータ71aを出力するた
め、瞬時にしきい値V1を大きく超える計測スペクトル
(W2)に対しては、オンディレイ処理部26の設定時
間t1を経過する以前に(迅速に)、兆候を検知するこ
とができる。なお、誤差比較処理部71では、オンディ
レイ処理部26の設定時間t1を経過する以前に、一旦
しきい値V1を下回った場合には、積分値を0にリセッ
トする。
【0080】(第6実施例)図18を参照して、第6実
施例の周予兆解析部270fについて説明する。
【0081】第6実施例は、(実施例2)において,レ
ベル比較後のオンディレイタイマ設定を固定ではなく,
レベル比較の設定値と計測スペクトルとの偏差の時間積
分値が誤差設定値を超えた場合に兆候を検知する。
【0082】第6実施例では、図14の第2実施例のオ
ンディレイ処理部26に代えて、誤差比較処理部71が
設けられ、オンディレイ処理部63に代えて、誤差比較
処理部72が設けられている。
【0083】第6実施例の変形例(図示せず)として
は、図18の構成のうち、オンディレイ処理部26の誤
差比較処理部71への置換、及びオンディレイ処理部6
3の誤差比較処理部72への置換をいずれか一方のみを
行ってもよい。
【0084】(第7実施例)図19を参照して、第7実
施例の予兆解析部270gについて説明する。
【0085】第7実施例は、(実施例3)において,レ
ベル比較後のオンディレイタイマ設定を固定ではなく,
レベル比較の設定値と計測スペクトルとの偏差の時間積
分値が誤差設定値を超えた場合に兆候を検知する。
【0086】第7実施例では、図15の第3実施例のオ
ンディレイ処理部26に代えて、誤差比較処理部71が
設けられ、オンディレイ処理部26aに代えて、誤差比
較処理部73が設けられ、オンディレイ処理部26bに
代えて、誤差比較処理部74が設けられている。
【0087】第7実施例の変形例(図示せず)として
は、図19の構成のうち、オンディレイ処理部26の誤
差比較処理部71への置換、オンディレイ処理部26a
の誤差比較処理部73への置換、及びオンディレイ処理
部26bの誤差比較処理部74への置換の少なくともい
ずれか一つ又は二つのみを行ってもよい。
【0088】(第8実施例)図20を参照して、第8実
施例の予兆解析部270hについて説明する。
【0089】第8実施例は、(実施例4)において,レ
ベル比較後のオンディレイタイマ設定を固定ではなく,
レベル比較の設定値と計測スペクトルとの偏差の時間積
分値が誤差設定値を超えた場合に兆候を検知する。
【0090】第8実施例では、図16の第4実施例のオ
ンディレイ処理部26に代えて、誤差比較処理部71が
設けられ、オンディレイ処理部26aに代えて、誤差比
較処理部73が設けられ、オンディレイ処理部26bに
代えて、誤差比較処理部74が設けられ、オンディレイ
処理部63に代えて、誤差比較処理部72が設けられて
いる。
【0091】第8実施例の変形例(図示せず)として
は、図20の構成のうち、オンディレイ処理部26の誤
差比較処理部71への置換、オンディレイ処理部26a
の誤差比較処理部73への置換、オンディレイ処理部2
6bの誤差比較処理部74への置換、及びオンディレイ
処理部63の誤差比較処理部72への置換の少なくとも
いずれか一から三つのみを行ってもよい。
【0092】次に、図34を参照して、本発明であるガ
スタービン制御装置及びガスタービンシステムに関わる
ガスタービン2について説明する。本実施形態におい
て、ガスタービンに使用される制御装置を例に示して説
明するが、他の燃焼振動が発生する燃焼装置の制御にお
いても、適用可能である。
【0093】図34を参照して、本発明であるガスター
ビン制御装置及びガスタービンシステムに関わるガスタ
ービン2について説明する。図34は、ガスタービン2
の構成を示す概略図である。ガスタービン2は、タービ
ン本体部100と燃焼部110とを具備する。
【0094】ただし、燃焼部110は、複数(m基)の
燃焼器を有している。ここでは、複数の燃焼器111−
1〜mの全てに共通の説明の場合には、燃焼器111と
し、個別の燃焼器についての説明の場合には、例えば、
燃焼器111−1(1番目の燃焼器の意味)と記す。燃
焼器111に付属の構成であるバイパス空気導入管11
7、バイパス弁118、バイパス空気混合管119、燃
焼ガス導入管120、メイン燃料供給弁115及びパイ
ロット燃料供給弁116についても、同様である。
【0095】また、図34では、燃焼器111の内、1
番目の燃焼器である燃焼器111−1のみを代表的に示
している。説明も燃焼器111−1及びその関連の構成
のみについて行なう。
【0096】タービン本体部100は、図示しない入口
案内翼102を有する圧縮機101、回転軸103、タ
ービン104を具備する。また、燃焼部110は、圧縮
空気導入部112、バイパス空気導入管117−1、バ
イパス弁118−1、バイパス空気混合管119−1、
燃焼ガス導入管120−1、燃焼器111−1、メイン
燃料流量制御弁113、パイロット燃料流量制御弁11
4、メイン燃料供給弁115−1、パイロット燃料供給
弁116−1とを具備する。ガスタービン2には、発電
機121が接続している。
【0097】外部から導入された空気は、圧縮機101
で圧縮され、各燃焼器111へ供給される。一方、燃料
の一部は、パイロット燃料流量制御弁114経由で、各
燃焼器111のパイロット燃料供給弁116に達する。
そして、そこから各燃焼器111へ導入される。また、
残りの燃料は、メイン燃料流量制御弁113経由で、各
燃焼器111のメイン燃料供給弁115に達する。そし
て、そこから各燃焼器111へ導入される。導入された
空気及び燃料は、各燃焼器111において燃焼する。燃
焼により発生した燃焼ガスは、タービン104に導入さ
れ、タービン104を回転させる。その回転エネルギー
により、発電機121が発電する。
【0098】次に、図34の各部について説明する。最
初に、タービン本体部100について説明する。
【0099】タービン104は、燃焼ガス導入管120
と燃焼ガスを外部に排出する配管とに接続している。ま
た、回転軸103を介して圧縮機101及び発電機12
1に結合している。そして、燃焼ガス導入管120経由
で、燃焼器111から燃焼ガスの供給を受ける。その燃
焼ガスの有するエネルギーを回転エネルギーに変換して
回転する。その回転により、発電機121や圧縮機10
1を回転する。発電に使用した燃焼ガスは、外部に排出
する。
【0100】圧縮機101は、外部から空気を導入する
配管と圧縮空気導入部112とに接続している。また、
回転軸103を介してタービン104及び発電機121
に結合している。そして、タービン104の回転を伝達
され回転する。その回転により、外部から空気を導入す
る。そして導入した空気を、圧縮して、燃焼器111へ
送出する。
【0101】入口案内翼102は、圧縮機101の空気
導入側の回転翼である。入口案内翼102の回転翼の角
度を制御することにより、回転数一定でも、圧縮機10
1へ導入する空気の流量を調整することが可能である。
回転翼の制御は、後述のガスタービン制御部3により行
なわれる。
【0102】回転軸103は、圧縮機101、タービン
104、発電機121を接続している。タービン104
の回転力を圧縮機101及び発電機121に伝達する軸
である。発電機121は、回転軸103によりタービン
104と接続している。タービン104の回転エネルギ
ーを、電力エネルギーに変換する発電装置である。
【0103】次に、燃焼部110について説明する。
【0104】圧縮空気導入部112は、圧縮機101に
接続された導入管や燃焼部110のケーシング(車室)
内の空気を導く空間などである。圧縮機101で圧縮さ
れた圧縮機吐出空気を燃焼器111−1へ導く。
【0105】バイパス空気導入管117−1は、圧縮空
気導入部112内に一端部が開放されて接続され、他端
部はバイパス弁118−1に接続している。バイパス空
気導入管117−1は、圧縮機吐出空気の内、燃焼器1
11−1に供給しない分を、タービン104へバイパス
する管である。
【0106】バイパス弁118−1は、一方をバイパス
空気導入管117−1に接続し、他方をバイパス空気混
合管119−1に接続している。バイパス弁118−1
は、バイパス空気導入管117−1を通過する空気の流
量を制御する弁である。空気流量の制御は、後述のガス
タービン制御部3により行なわれる。
【0107】バイパス空気混合管119−1は、一端部
をバイパス弁118−1に、他端部を燃焼ガス導入管1
20−1に接続している。バイパス空気混合管119−
1は、バイパス弁118−1を通過した空気を、燃焼器
111−1で生成した燃焼ガスと混合するために燃焼ガ
ス導入管120−1に供給する。
【0108】メイン燃料流量制御弁113は、一方を外
部から燃料を供給する配管に、他方を複数のメイン燃料
供給弁115(−1〜m)に接続した配管に接続してい
る。メイン燃料流量制御弁113は、外部から供給され
る燃料の燃焼器111への流量を制御する。燃料流量の
制御は、後述のガスタービン制御部3により行なわれ
る。メイン燃料流量制御弁113を経由する燃料は、燃
焼器111のメインバーナーで使用される。
【0109】メイン燃料供給弁115−1は、一方をメ
イン燃料流量制御弁113につながる配管に、他方を燃
焼器111−1のメインバーナーにつながる配管に接続
している。燃焼器111−1のメインバーナーに供給す
る燃料を制御する弁である。燃料流量の制御は、後述の
ガスタービン制御部3により行なわれる。
【0110】パイロット燃料流量制御弁114は、一方
を外部から燃料を供給する配管に、他方を複数のパイロ
ット燃料供給弁116(−1〜m)に接続した配管に接
続している。パイロット燃料流量制御弁114は、外部
から供給される燃料の燃焼器111への流量を制御す
る。燃料流量の制御は、後述のガスタービン制御部3に
より行なわれる。パイロット燃料流量制御弁114を経
由する燃料は、燃焼器111のパイロットバーナーで使
用される。
【0111】パイロット燃料供給弁116−1は、一方
をパイロット燃料流量制御弁114につながる配管に、
他方を燃焼器111−1のパイロットバーナーにつなが
る配管に接続している。燃焼器111−1のパイロット
バーナーに供給する燃料を制御する弁である。燃料流量
の制御は、後述のガスタービン制御部3により行なわれ
る。
【0112】燃焼器111−1は、空気を供給する圧縮
空気導入部112と、燃料を供給するメイン燃料供給弁
115−1につながる配管と、燃料を供給するパイロッ
ト燃料供給弁116−1とにつながる配管と、燃焼ガス
を送出する燃焼ガス導入管120−1に接続している。
そして、空気と燃料との供給を受け、それらを燃焼し、
高温高圧の燃焼ガスを生成する。生成された燃焼ガス
は、タービン104に向けて送出する。
【0113】燃焼ガス導入管120−1は、一端部を燃
焼器111−1に、他端部をタービン104に接続して
いる。また、途中にバイパス空気混合管119−1が接
合している。燃焼ガス及びバイパス空気をタービン10
4に供給する配管である。
【0114】(実施形態1)次に、上記ガスタービン2
を有する本発明のガスタービン制御装置及びガスタービ
ンシステムの第1の実施の形態について、図面を参照し
て説明する。
【0115】図1は、本発明であるガスタービン制御装
置及びガスタービンシステムの実施形態を示すブロック
図である。ガスタービンシステム1は、ガスタービン2
とガスタービン制御装置としてのガスタービン制御部3
とを具備する。
【0116】ガスタービン2は、プロセス量計測部4、
メイン燃料流量調整部5、パイロット燃料流量調整部
6、バイパス空気流量調整部7、入口案内翼調整部8、
圧力変動測定部9及び加速度測定部10を有する。
【0117】一方、ガスタービン制御部3は、制御部2
11、周波数解析部212、及び、補正部221を有す
る。補正部221は、データベース222と、燃焼特性
把握部223と、補正方向決定部224と、予兆解析部
270とを有する。
【0118】ここで、図1の予兆解析部270として
は、図13から図20に示した、予兆解析部270aか
ら予兆解析部270hのいずれをも適用することができ
る。この場合、予兆解析部270a〜270hを適用し
た場合の効果は、上述した通りである。
【0119】本実施形態では、内圧変動や加速度の周波
数解析結果を複数の周波数帯に分割して監視する。周波
数解析結果(周波数解析部212)とプラント状態量
(プロセス量計測部4)をデータベース222に記録
し、そのデータベース222に基づいて周波数帯毎に燃
焼の振動特性を把握する(燃焼特性把握部223)。内
圧変動や加速度について局所FFT(LFFT)を行っ
た結果に基づいて、燃焼振動の予兆を検知したときに
(予兆解析部270)、発生した周波数の振動を抑制す
るのに最も効果的な運転条件の方向に燃空比を変化させ
る(補正方向決定部224)。
【0120】図1の各部について説明する。ガスタービ
ン2は、図34で説明したガスタービンである。図1で
は、ブロック図により、その構成を示している。
【0121】プロセス量計測部4は、ガスタービン2の
運転中における、運転条件や運転状態を示すプロセス量
を計測する各種計測機器である。プロセス量計測部4
は、ガスタービン2上の然るべき部位に設置され、測定
結果は、ガスタービン制御部3の制御部211(後述)
へ出力する。ここで、プロセス量(プラント状態量)
は、例えば、発電電力(発電電流、発電電圧)、大気温
度、湿度、各部での燃料流量及び圧力、各部での空気流
量及び圧力、燃焼器での燃焼ガス温度、燃焼ガス流量、
燃焼ガス圧力、圧縮機やタービンの回転数などである。
【0122】メイン燃料流量調整部5は、制御部211
からの指令により、メイン燃料の流量の制御を行なう。
メイン燃料流量調整部5は、メイン燃料流量制御弁11
3及びメイン燃料供給弁115−1〜mを具備する。メ
イン燃料流量調整部5は、全体のメイン燃料の流量の制
御を、メイン燃料流量制御弁113の調整により行な
う。メイン燃料流量調整部5は、各燃焼器111−1〜
mのメイン燃料の流量の制御を、各メイン燃料供給弁1
15−1〜mの調整により行なう。
【0123】パイロット燃料流量調整部6は、制御部2
11からの指令により、パイロット燃料の流量の制御を
行なう。パイロット燃料流量調整部6は、パイロット燃
料流量制御弁114及びパイロット燃料供給弁116−
1〜mを具備する。パイロット燃料流量調整部6は、全
体のパイロット燃料の流量の制御を、パイロット燃料流
量制御弁114の調整により行なう。パイロット燃料流
量調整部6は、各燃焼器111−1〜mのパイロット燃
料の流量の制御を、各パイロット燃料供給弁116−1
〜mの調整により行なう。
【0124】バイパス空気流量調整部7は、制御部21
1からの指令により、各燃焼器111−1〜mへ供給す
る空気の流量の制御を行なう。バイパス空気流量調整部
7は、バイパス空気導入管117−1〜m、バイパス弁
118−1〜m及びバイパス空気混合管119−1〜m
を具備する。そして、バイパス空気流量調整部7は、各
燃焼器111−1〜mにおいて、バイパス弁118−1
〜mの開度を大きく(あるいは小さく)し、バイパス側
に流れる空気流量を増加(あるいは減少)することによ
り、燃焼器に供給される空気の流量を少なく(あるいは
多く)制御する。
【0125】入口案内翼調整部8は、制御部211から
の指令により、圧縮機101に導入される空気の流量の
制御を行なう。入口案内翼調整部8は、入口案内翼10
2の回転翼の角度を制御することにより、圧縮機101
へ導入する空気の流量を調整する。
【0126】圧力変動測定部9は、各燃焼器111−1
〜mに取り付けられた圧力測定器である。圧力変動測定
部9は、制御部211からの指令により、各燃焼器11
1−1〜m内の圧力を計測する。そして、圧力変動測定
部9は、各燃焼器111−1〜mの圧力変動測定値を、
周波数解析部212へ出力する。
【0127】加速度測定部10は、各燃焼器111−1
〜mの内部に取り付けられた加速度測定器である。加速
度測定部10は、制御部211からの指令により、各燃
焼器111−1〜mの加速度(位置の2階微分)を計測
する。そして、加速度測定部10は、各燃焼器111−
1〜mの加速度測定値を、周波数解析部212へ出力す
る。
【0128】一方、ガスタービン制御部3は、ガスター
ビン2で計測されたプロセス量や圧力、加速度のデータ
に基づいてガスタービン2を制御し、ガスタービン2に
おいて燃焼振動が発生しないようにする。
【0129】制御部211は、ガスタービン2で計測さ
れたプロセス量に基づいて、メイン燃料流量調整部5、
パイロット燃料流量調整部6、バイパス空気流量調整部
7及び入口案内翼調整部8を制御信号を出力して制御す
る。制御部211は、メイン燃料流量調整部5、パイロ
ット燃料流量調整部6、バイパス空気流量調整部7及び
入口案内翼調整部8の制御は、フィードフォワード法に
よる制御、フィードバック法による制御、PID法によ
る制御などで行なう。
【0130】周波数解析部212は、各燃焼器111−
1〜mにおいて、圧力変動測定部9で計測された圧力変
動測定値に基づいて、圧力の変動(振動)の周波数分析
(FFT)を行なう。そして、複数(n)の周波数帯に
区切って、周波数帯別分析結果として出力する。又は、
周波数解析部212は、加速度測定部10で計測された
加速度測定値に基づいて、加速度の周波数分析(FF
T)を行なう。そして、複数(n)の周波数帯に区切っ
て、周波数帯別分析結果として出力する。そして、出力
された各燃焼器111−1〜mの分析結果は、補正部2
21のデータベース222へ送出される。
【0131】予兆解析部270は、各燃焼器111−1
〜mにおいて、圧力変動測定部9で計測された圧力変動
測定値に基づいて、圧力の変動(振動)のLFFTを用
いた周波数分析を行なう。そして、そのLFFTによる
周波数解析の結果に基づいて、燃焼振動の予兆の検知を
示す補正命令を出力する。又は、予兆解析部270は、
加速度測定部10で計測された加速度測定値に基づい
て、加速度のLFFTを用いた周波数分析を行なう。そ
して、そのLFFTによる周波数解析の結果に基づい
て、燃焼振動の予兆の検知を示す補正命令を出力する。
そして、出力された補正命令は、補正部221の補正方
向決定部224へ送出される。
【0132】予兆解析部270の動作は、図29及び図
13〜20を参照して、前述したように、圧力変動測定
部9で計測された圧力変動測定値又は/及び加速度測定
部10で計測された加速度測定値について、LFFTを
用いた周波数分析を行ない、その分析の結果として得ら
れる振動レベルとしきい値(設定値)との比較を行うこ
とで、燃焼振動の予兆を検知する。予兆解析部270
は、その兆候を検知したときに、補正方向決定部224
に補正命令を出力する。補正方向決定部224は、その
補正命令に応答して、後述する動作を開始する。
【0133】補正部221は、圧力又は加速度の周波数
帯別分析結果とプロセス量に基づいて、燃焼特性を把握
し、その燃焼特性に基づいて補正の方向を決定する。そ
して、制御部211は、その補正の方向を示す信号(デ
ータ)を制御部211に出力する。制御部211は、補
正部221から受信した上記補正の方向を示す信号に基
づいて、メイン燃料流量調整部5、パイロット燃料流量
調整部6、バイパス空気流量調整部7及び入口案内翼調
整部8のそれぞれを制御する制御信号(制御データ)
を、メイン燃料流量調整部5、パイロット燃料流量調整
部6、バイパス空気流量調整部7及び入口案内翼調整部
8のそれぞれへ出力する。
【0134】燃焼特性把握部223は、周波数解析部2
12からの圧力又は加速度の周波数帯別分析(FFT)
結果と、制御部211からのプロセス量とに基づいて、
図7または図8に示す燃焼特性を求める。補正方向決定
部224は、その燃焼特性に基づいて、現在の運転条件
を補正すべき方向を求め、その補正方向を示すデータを
制御部211に出力する。
【0135】図33は、圧力変動測定部9により測定さ
れた圧力変動測定値に基づいて、周波数解析部212に
て周波数分析(FFT)を行なった結果の一例である。
横軸は周波数、縦軸は振動の強度(レベル)を示してい
る。図33に示すように、燃焼器111において発生す
る燃焼振動(圧力振動及び加速度振動)は、複数の振動
の周波数を有する。従って、燃焼振動を抑制するために
は、それら複数の振動のそれぞれに対応した制御を行な
う必要がある。
【0136】ここで、各周波数の振動は、それぞれ複雑
な要因により発生しているために、画一的な制御、ある
いは、一つのパラメータを制御することだけでは、振動
を抑えることは難しい。また、振動数により、ガスター
ビン2に与える影響が異なる。従って、同じ振動強度で
も、ある周波数では許容範囲であっても、他の周波数に
おいては致命的である場合もありうる。以上の点から、
ガスタービン2の運転条件の制御は、振動の周波数に応
じて、複数のパラメータに対して行なう必要がある。
【0137】そこで、次に示す方法により、燃焼振動が
発生したときに、その発生した周波数の振動を抑制する
のに最も効果的な方向に操作量(プロセス量)を変化さ
せる。
【0138】ガスタービン制御部3は、燃料及び空気を
制御し、ガスタービン2の運転を行なっている。また、
ガスタービン制御部3は、ガスタービン2の運転状況
を、プロセス量計測部4からのプロセス量を把握するこ
とにより監視している。
【0139】制御部211は、燃料流量としてのメイン
燃料流量及びパイロット燃料流量、ならびに空気流量と
してのバイパス空気流量及び入口案内翼を経由する空気
流量(メイン燃料流量調整部5、パイロット燃料流量調
整部6、バイパス空気流量調整部7及び入口案内翼調整
部8)を制御して、ガスタービン2では、燃焼器111
において燃焼を行なう。そして、その燃焼ガスにより発
電などの仕事を行なう。運転状況は、プロセス量計測部
4がプロセス量として計測している。また、燃焼により
発生する圧力及び加速度の振動をそれぞれ圧力変動測定
部9、加速度測定部10が計測する。
【0140】プロセス量計測部4は、ガスタービン2に
供給される燃料や空気の量などの操作可能な「操作量
(プラントデータ)」の他に、例えば、大気温度といっ
た気象データ、要求によって決定される発電機の負荷の
大きさ(MW)等の「操作できない状態量」を計測して
いる。なお、本実施形態において、「プロセス量」と
は、「操作量(プラントデータ)」及び「操作できない
状態量」を含む。
【0141】実際のガスタービン2の運転において、圧
力変動測定部9及び加速度測定部10は、燃焼器111
(−1〜m)での燃焼ガスの圧力変動及び燃焼器111
(−1〜m)の加速度を測定する。そして、予め定めら
れた時間t1、t2…毎に、それらの測定値が周波数解
析部212へ出力される。
【0142】周波数解析部212は、圧力変動測定部9
及び加速度測定部10により測定された測定値につい
て、高速フーリエ変換(FFT)の手法により周波数分
析を行なう。そして、図33に例示されるような周波数
と振動強度(レベル)との関係を示すデータを得る。し
かる後、そのデータを、予め設定された周波数帯に分割
する。そうして得られた結果を、データベース222へ
出力する。周波数解析部212により得られた周波数分
析の結果は、データベース222に蓄積される。
【0143】制御部211は、プロセス量計測部4から
入力した「操作量(プラントデータ)」及び「操作でき
ない状態量」をデータベース222に蓄積する。
【0144】データベース222では、各データが、例
えば図6のような形式で格納される。データベース22
2は、プロセス量及び各周波数帯での振動強度の最大値
を時系列に格納する。即ち、データベース222
では、プロセス量及び各周波数帯での振動強度の最大値
inが時刻t1、t2…毎に整理されて格納されてお
り、制御部211及び周波数解析部212からこれらの
データが時々刻々とデータベース222に送信されてく
ると、それらのデータがデータベース222に追加記憶
される。データベース222に蓄積される振動強度のデ
ータは、圧力振動のみでもよいし、加速度振動のみでも
よいし、圧力振動及び加速度振動の両方でもよい。
【0145】ここで、周波数帯とは、周波数解析部21
2が周波数分析を行なった結果に基づいて、対応を行な
う最小単位となる周波数領域である。まず、圧力及び加
速度の変動を調べる周波数範囲を決定する。例えば、図
33においては、振動は、主に0〜5000Hzで発生
していることから、周波数範囲を0〜5000Hzとす
る。そして、その周波数範囲を、適当な大きさの周波数
帯に区切り、n個に分割する。例えば、50Hz毎に区
切るとすると、n=100となる。なお、この周波数帯
は、必ずしも一定の大きさである必要はない。
【0146】図6は、時刻t1のときに、バイパス弁1
18の弁開度がX11−1、パイロット比が
12−1、大気温度がX21−1、発電機の負荷がX
22−1であり、第1周波数帯での振動強度の最大値が
i1−1、第2周波数帯での振動強度の最大値がY
i2−1、第n周波数帯での振動強度の最大値がY
in−1であることを示している。同様に、図6は、時
刻t2のときに、バイパス弁118の弁開度がX
11−2、パイロット比がX12−2、大気温度がX
21−2、発電機の負荷がX22− であり、第1周波
数帯での振動強度の最大値がYi1−2、第2周波数帯
での振動強度の最大値がYi2−2、第n周波数帯での
振動強度の最大値がYin− であることを示し、ま
た、時刻tnのときに、バイパス弁118の弁開度がX
11−n、パイロット比がX12−n、大気温度がX
21−n、発電機の負荷がX22−nであり、第1周波
数帯での振動強度の最大値がYi1−n、第2周波数帯
での振動強度の最大値がYi2−n、第n周波数帯での
振動強度の最大値がYin−nであることを示してい
る。
【0147】上記のように、図6におけるX11−1
11−2、X11−3などの枝番号は、時刻t、t
、tに対応している。本実施形態においては、時刻
、t、tよって異なる扱いはせず、共通の説明
で済むため、以下では、その枝番号を省略して説明す
る。
【0148】燃焼特性把握部223は、燃焼器の燃焼特
性をモデル化するための処理プログラムから構成されて
いる。燃焼特性把握部223は、データベース222に
格納されたデータを用いて、燃焼特性を説明する数式モ
デルを構築する。なお、以下に説明する燃焼特性把握部
223の動作は、本出願の出願人による出願である特願
2000−234795にも記載されている。
【0149】例えば、燃焼器数をm、モデル化すべき周
波数帯数をnとすると、例えば次式(1)のような重回
帰モデルで内圧変動をモデル化する。 Yij=aij,0+aij,1×X11+aij,2×X12+aij,3× X21+aij,4×X22・・・(1)
【0150】ここで、 Yij:第i燃焼器(i=1、2、・・・、m)の第j
周波数帯(j=1、2、・・・、n)の最大振幅値 X11:操作量1の値(本例では、バイパス弁118の
弁開度) X12:操作量2の値(本例では、パイロット比) X21:操作量できない状態量1の値(本例では、気象
データ) X22:操作できない状態量2の値(本例では、発電機
の負荷(MW)) aij,0、aij,1、aij,2、aij,3、a
ij,4:係数パラメータ である。
【0151】燃焼特性把握部223は、データベース2
22に時刻(t1、t2…)ごとに整理して格納された
最大振幅値Yij、操作量X11、X12、操作できな
い状態量X21、X22を用いて、上記(1)式の係数
パラメータaij,0、a j,1、aij,2、a
ij,3、aij,4を求める。係数パラメータaij
,0、aij,1、aij,2、aij,3、a
ij,4の解法には、例えば最小二乗法が用いられる。
【0152】ここで、最大振幅値Yijとは、圧力変動
測定部9及び加速度測定部10により測定された測定結
果のデータを周波数解析部212にてA/D変換し、周
波数解析した結果をn個の周波数帯に区切り、夫々の周
波数帯においてある時間(t1、t2…)内に得られた
最大振幅値である。図9においては、第1周波数帯の最
大振幅値がYi1、第2周波数帯の最大振幅値が
i2、第n周波数帯の最大振幅値がYinであること
が示されている。
【0153】なお、上記では、説明の都合上、操作量を
2変数、操作できない状態量を2変数としてモデル式を
記述しているが、特に2変数に限るものではない。ま
た、モデル構造として、線形の一次式として記述してい
るが、2次以上の高次モデルやニューラルネットワーク
などの非線形モデルとしてもよい。また、ガスタービン
2から入力された操作量や操作できない状態量を用いた
モデル式として記述しているが、質量収支などの法則に
基づいて変換した値を用いてもよい。
【0154】燃焼特性把握部223は、時刻t1、t2
…毎に得られる上記数式モデル(1)を用いて燃焼振動
の発生し易い領域を求める。
【0155】例えば、操作量1、操作量2、操作できな
い状態量1、操作できない状態量2が、それぞれX’
11、X’12、X’21及びX’22である時の第i
燃焼器の第j周波数帯の内圧変動予測値Y’ijは次式
(2)で求める。 Y’ij=aij,0+aij,1×X’11+aij,2×X’12+a j,3 ×X’21+aij,4×X’22・・・(2)
【0156】上記のように、係数パラメータ
ij,0、aij,1、aij,2、aij ,3、a
ij,4は、例えば最小二乗法により求められている。
【0157】第i燃焼器の第j周波数帯の最大振幅値に
は、燃暁器や周囲の設備の構造面からしきい値が設けら
れている。そのしきい値は、周波数解析部212に格納
されている。ここで、しきい値とは、各周波数帯におい
て、許容できる最高の振動強度を示す値である。各周波
数帯(周波数帯1〜n)に対して、圧力及び加速度の強
度のしきい値(Zi1、Zi2、…Zin)が決定され
る。しきい値は、例えば、その周波数の振動により、共
振する部材や構造があるか、損傷を受け易い部材や構造
があるか、どのくらいの強度の振動まで許容できるかな
どにより決定される。なお、このしきい値は、各周波数
帯で、必ずしも共通の一定の大きさではない。
【0158】周波数解析部212から送られてきた第i
燃焼器の第j周波数帯の最大振幅値のしきい値をZij
とすると、 Zij=aij,0+aij,1×X’11+aij,2×X’12+aij ,3 ×X’21+aij,4×X’22・・・(3) となるX’11、X’12、X’21及びX’22が存
在することになる。
【0159】今、制御部211において操作できない状
態量1及び操作できない状態量2の値が燃焼特性把握部
223に入力されたとすると、(3)式のうち、X’
11及びX’12以外は定数となり、(3)式を満たす
(X’11、X’12)を容易に求めることができる。
【0160】制御部211から与えられたαk(k=
1、2、・・・、p)なるゲインにより、 αkZij=aij,0+aij,1×X’11+aij,2×X’12+a j,3 ×X’21+aij,4×X’22・・・(4) として(X’11、X’12)を求めれば、各燃焼器の
各周波数帯域毎にp本の線を求めることができる。図7
は、これを示したものである。ここで、係数パラメータ
ij,2が正であれば、直線の上側が燃焼振動の発生
し易い領域、下側が発生しにくい領域となる。逆に、係
数パラメータaij,2が負であれば、直線の下側が燃
焼振動の発生し易い領域、上側が発生しにくい領域とな
る。
【0161】燃焼特性把握部223は、制御部211か
ら与えられる第i燃焼器の第j周波数帯の最大振幅値の
しきい値Zij(i=1、2、・・・m、j=1、2、
・・・、n)、ゲインαk(k=1、2、・・・p)及
び特定の2つ(運転実績である各時刻t1、t2…での
11、X12)を除く変数の値(運転実績である各時
刻t1、t2…での操作できない状態量X21
22)と、最小2乗法等により求めた係数パラメータ
ij,0、aij,1、aij,2、aij,3、及
びaij,4から、全ての燃焼器の全ての周波数帯につ
いて上記の直線を求め、線形計画法の手順に基づき、最
終的に燃焼振動の発生し易い領域、発生しにくい領域を
求める。図8は、燃焼特性把握部223により求められ
た、横軸をX 、縦軸をX12とする燃焼振動領域の
例を示している。この例では、ゲインαkごとに等高線
のように燃焼振動領域を表現しており、中央部が燃焼振
動の発生しにくい領域、周辺部ほど発生し易い領域であ
る。
【0162】なお、図8は、上記の通り、説明の都合
上、操作量を2変数としたことに伴い、2次元座標に示
されているが、操作量をN変数とすれば、N次元座標空
間に示される。
【0163】図8に示すように、今、ガスタービン2の
バイパス弁開度X11がxaで、パイロット比X12
xbで運転している旨のデータがプロセス量計測部4か
ら制御部211に入力されたとする。周波数解析部21
2は、この運転状態(X11=xa、X12=xb)に
おける、圧力変動測定部9及び加速度測定部10の測定
結果を周波数解析する。また、予兆解析部270は、こ
の運転状態(X11=xa、X12=xb)における、
圧力変動測定部9及び加速度測定部10の測定結果をL
FFTを用いて周波数解析する。
【0164】予兆解析部270は、図9に示すように、
第i燃焼器の第j周波数帯毎の振動レベルのしきい値Z
i1、Zi2、…Zinを格納している。
【0165】図9は、第1及び第n周波数帯での振動レ
ベルは、それぞれしきい値Zi1及びZin未満である
が第2周波数帯での振動レベルがしきい値Zi2以上で
ある状態を示している。
【0166】予兆解析部270は、上記周波数解析の結
果、いずれかの周波数帯でしきい値を超えていたら、補
正方向決定部224に対して補正命令を出力する。な
お、予兆解析部270は、上記周波数解析の結果、いず
れの周波数帯でもしきい値を超えていなければ、補正方
向決定部224に対して補正命令を出力しない。補正方
向決定部224は、補正命令を入力しないときには、制
御部211に対して、補正方向=0(補正不要)を出力
し、その場合には、ガスタービン2は、制御部211に
よる制御のみで運転される。
【0167】補正方向決定部224は、予兆解析部27
0から補正命令を入力したときには、その補正命令に応
答して、現在の運転状態(X11=xa、X12=x
b)を補正すべき方向を最適化手法により決定する。以
下では、最適化手法として、最急降下法を用いる例につ
いて説明する。但し、その最適化手法は、最急降下法に
限定されるものではない。
【0168】即ち、補正方向決定部224は、燃焼特性
把握部223により求めた図8を参照し、現在の運転状
態(X11=xa、X12=xb)を示す点Q1より
も、図8における、より中央部側の線(α2=0.8)
に対して、垂直に仮想線Lを引き、そのままα2の線で
囲まれた領域内まで延ばし、さらにその仮想線Lがα2
の線に当たる位置Q2(X11=xc、X12=xd)
まで延ばす。次に、点Q2から、図8における、より中
央部側の線(α3=0.6)に対して、垂直に仮想線L
を延ばす。補正方向決定部224が点Q1から点Q2を
経てその仮想線Lを延ばす方向が、補正方向決定部22
4により決定される補正の方向である。
【0169】補正方向決定部224により決定された、
補正の方向を示すデータは、制御部211に出力され
る。制御部211は、補正方向決定部224から入力し
た、上記補正の方向を示すデータに基づいて、メイン燃
料流量調整部5、パイロット燃料流量調整部6、バイパ
ス空気流量調整部7及び入口案内翼調整部8を制御す
る。即ち、制御部211は、補正方向決定部224から
入力した、点Q1から点Q2に移行するような補正指示
に対しては、バイパス弁開度X11をxaからxcまで
変化させ、パイロット比X12をxbからxdまで変化
させるように、メイン燃料流量調整部5、パイロット燃
料流量調整部6、バイパス空気流量調整部7及び入口案
内翼調整部8の少なくともいずれか一つを制御する。更
に、点Q2から先に仮想線Lが延びる方向への補正指示
に対しても、同様に、バイパス弁開度X11、パイロッ
ト比X12をそれぞれ変化させる。
【0170】ここで、パイロット比X12とは、パイロ
ット燃料流量/全燃料流量である。全燃料流量とは、メ
イン燃料流量とパイロット燃料流量の和である。よっ
て、制御部211は、パイロット比X12を上げる場
合、パイロット燃料流量を変えずに全燃料流量を下げる
ように補正することも可能であるし、もしくは全燃料流
量を変えずにパイロット燃料流量を上げるように補正す
ることも可能である。
【0171】上記のように最急降下法を用いて補正方向
を決定する方法によれば、最も早く、より燃焼振動が発
生し難い領域に移行することができる。
【0172】上記の動作は、ガスタービン2の運転中、
予め設定した時間t1,t2…毎に継続して行なわれ
る。
【0173】第1実施形態によれば、ガスタービン制御
部3は、ガスタービン2で発生する燃焼振動の予兆を把
握する。そして、その周波数特性に応じて適切な補正方
向を求め、その補正方向に従ってガスタービン2の運転
を制御し、燃焼振動を抑制する。
【0174】また、第1実施形態によれば、燃焼振動の
予兆として発生した周波数の振動を事前に抑えて、燃焼
安定性を維持することができる。
【0175】(実施形態2)次に、図2を参照して、第
2実施形態について説明する。第2実施形態では、図1
の燃焼特性把握部223に代えて、燃焼特性把握部22
3aが設けられ、また、補正方向決定部224に代え
て、補正量決定部225が設けられている。なお、以下
に述べる第2実施形態以降では、原則として、第1実施
形態と異なる点を中心に説明し、共通する点についての
説明は省略する。
【0176】第2実施形態では、内圧変動や加速度の周
波数解析結果を複数の周波数帯に分割して監視する。周
波数解析結果(周波数解析部212)とプラント状態量
(プロセス量計測部4)をデータベース222に記録
し、そのデータベース222に基づいて周波数帯毎に燃
焼の振動特性を把握して、全周波数帯で最適になる操作
量を求める(燃焼特性把握部223a)。燃焼が不安定
になり振動現象が発生すれば、最適な運転条件の方向に
燃空比を変化させる(補正量決定部225)。
【0177】燃焼特性把握部223aは、図1の燃焼特
性把握部223と同じ手法で、図10のような燃焼振動
特性を得る。この場合、燃焼特性把握部223aは、ゲ
インαkを小さくとることにより、最も燃焼振動の発生
し難い最適点Qoを得ることができる。
【0178】補正量決定部225は、周波数解析部21
2から補正命令を入力したときには、その補正命令に応
答して、現在の運転状態(X11=xa、X12=x
b)を、最適点Qoに移動させるような補正量を決定
し、その補正量を示すデータを制御部211に出力す
る。
【0179】制御部211は、補正量決定部225から
入力した、上記補正量を示すデータに基づいて、メイン
燃料流量調整部5、パイロット燃料流量調整部6、バイ
パス空気流量調整部7及び入口案内翼調整部8を制御す
る。即ち、制御部211は、補正量決定部225から入
力した、点Q1から点Qoに移行するような補正指示に
応答して、バイパス弁開度X11をxaからxeまで変
化させ、パイロット比X12をxbからxfまで変化さ
せるように、メイン燃料流量調整部5、パイロット燃料
流量調整部6、バイパス空気流量調整部7及び入口案内
翼調整部8の少なくとも一つを制御する。
【0180】第2実施形態によれば、複数の周波数を同
時に最適調整することにより、予兆段階で燃焼安定性を
維持することができる。
【0181】(実施形態3)次に、図3を参照して、第
3実施形態について説明する。第3実施形態では、図2
の構成に新たに、最大値選択部226が設けられてい
る。
【0182】第3実施形態では、内圧変動や加速度の周
波数解析結果を複数の周波数帯に分割して監視する。プ
ラント状態量(プロセス量計測部4)を複数に区分けし
て、区分毎に、周波数解析結果(周波数解析部212)
とプラント状態量(プロセス量計測部4)をデータベー
ス222に記録する。データベース222の各区分け毎
に記録されたデータの中から、振動強度Yinの最も大
きいものを抽出して、その抽出されたデータに基づいて
周波数帯毎に燃焼の振動特性を把握して、全周波数帯で
最適になる操作量を求める(燃焼特性把握部223
a)。燃焼が不安定になり振動現象が発生すれば、最適
な運転条件の方向に燃空比を変化させる(補正量決定部
225)。
【0183】前述したように、データベース222に
は、制御部211及び周波数解析部212から、プロセ
ス量及び各周波数帯での振動強度の最大値Yinが時刻
t1、t2…毎に送信され、それらのデータがデータベ
ース222に追加記憶される。このことから、時刻t
1、t2…が進むに連れて、データベース222に蓄積
されるデータ量は莫大なものとなる。データベース22
2に蓄積されるデータ量が莫大であると、燃焼特性把握
部223aが例えば最小2乗法により、上記(1)式の
係数パラメータaij,0、aij,1、aij,2
ij,3、aij ,4を求める際の演算量が増加す
る。
【0184】また、同じプラント状態(プロセス量)で
あるにも関わらず、同じ周波数帯での振動強度の最大値
inが異なる値となることがある(測定値のばらつき
など)。
【0185】そこで、最大値選択部226は、データベ
ース222に時刻t1、t2…毎に格納されたデータに
おいて、2つの時刻taと時刻tbでプラント状態が同
一または類似している場合には、その時刻taと時刻t
bの各同じ周波数帯での振動強度の最大値Yin同士を
比較し、その比較の結果、各同じ周波数帯での振動強度
の最大値Yinがより大きな値を抽出する。
【0186】同様に、最大値選択部226は、データベ
ース222に時刻t1、t2…毎に格納されたデータに
おいて、3以上の時刻ta、時刻tb、時刻tcでプラ
ント状態が同一または類似している場合には、その時刻
ta、時刻tb、時刻tcの各同じ周波数帯での振動強
度の最大値Yin同士を比較し、その比較の結果、各同
じ周波数帯での振動強度の最大値Yinが最も大きな値
を抽出する。
【0187】即ち、最大値選択部226は、プラント状
態が類似するもの同士のデータ群から、振動強度Yin
の最も大きい時刻tnの各データを抽出する。ここで、
プラント状態が類似するもの同士のデータ群から、振動
強度Yinの最も大きいデータが抽出されるのは、安全
面を考慮したためである。
【0188】ここで、例えば、図11に示すように、バ
イパス弁開度とパイロット比の2次元座標をメッシュ状
に複数の区分S、S…に区分けして、その単一の区分S
に入るものが、プラント状態が類似するもの同士のデー
タ群であると設定することができる。
【0189】燃焼特性把握部223aは、最大値選択部
226により抽出されたデータについて、上記(1)式
の係数パラメータaij,0、aij,1
ij,2、a ij,3、aij,4を求める。
【0190】上記のように、燃焼特性把握部223a
は、データベース222に格納された全てのデータを対
象とするのではなく、最大値選択部226により抽出さ
れたデータを対象として演算するので演算量を削減でき
ると共に、最大値選択部226では、プラント状態が類
似するもの同士のデータ群のうち、最も振動強度Yin
の大きいデータが抽出されるので、安全面でも問題が無
い。
【0191】なお、燃焼特性把握部223a及び補正量
決定部225の動作は、第2実施形態で説明した通りで
ある。また、最大値選択部226において上記比較の結
果、抽出されなかったデータは、データベース222の
容量削減のために削除するか、あるいは、データベース
222以外の大容量のデータサーバ(図示せず)におい
て管理するように、そのデータの格納場所をデータベー
ス222からそのデータサーバに移すことができる。
【0192】また、第3実施形態において、補正量決定
部225に代えて、第1実施形態で説明した補正方向決
定部224を設けることができる。
【0193】第3実施形態によれば、データベース22
2が肥大化しても最も安全側に評価して、予兆段階で燃
焼安定性を維持することができる。
【0194】(実施形態4)次に、図4を参照して、第
4実施形態について説明する。第4実施形態では、図3
の最大値選択部226に代えて、最新値選択部227が
設けられている。
【0195】第4実施形態では、内圧変動や加速度の周
波数解析結果を複数の周波数帯に分割して監視する。プ
ラント状態量(プロセス量計測部4)を複数に区分けし
て、区分毎に、周波数解析結果(周波数解析部212)
とプラント状態量(プロセス量計測部4)をデータベー
ス222に記録する。データベース222の各区分け毎
に記録されたデータの中から、現在の時刻に最も近いデ
ータを抽出して、その抽出されたデータに基づいて周波
数帯毎に燃焼の振動特性を把握して、全周波数帯で最適
になる操作量を求める(燃焼特性把握部223a)。燃
焼が不安定になり振動現象が発生すれば、最適な運転条
件の方向に燃空比を変化させる(補正量決定部22
5)。
【0196】第4実施形態の目的の一つは、第3実施形
態と同様に、燃焼特性把握部223aでの演算量を削減
することである。即ち、前述したように、データベース
222には、制御部211及び周波数解析部212か
ら、プロセス量及び各周波数帯での振動強度の最大値Y
inが時刻t1、t2…毎に送信され、それらのデータ
がデータベース222に追加記憶される。このことか
ら、時刻t1、t2…が進むに連れて、データベース2
22に蓄積されるデータ量は莫大なものとなる。データ
ベース222に蓄積されるデータ量が莫大であると、燃
焼特性把握部223aが例えば最小2乗法により、上記
(1)式の係数パラメータaij,0、a j,1、a
ij,2、aij,3、aij,4を求める際の演算量
が増加する。
【0197】また、同じプラント状態(プロセス量)で
あるにも関わらず、同じ周波数帯での振動強度の最大値
inが異なる値となることがある(測定値のばらつき
など)。
【0198】そこで、最新値選択部227は、データベ
ース222に時刻t1、t2…毎に格納されたデータに
おいて、2つの時刻taと時刻tbでプラント状態が同
一または類似している場合には、その時刻taと時刻t
bを比較し、その比較の結果、現時刻(最新値選択部2
27が上記比較動作を行っている時刻)に最も時間的に
近い時刻(最新の時刻)taまたはtbの、各周波数帯
での振動強度の最大値Yinを抽出する。
【0199】同様に、最新値選択部227は、データベ
ース222に時刻t1、t2…毎に格納されたデータに
おいて、3以上の時刻ta、時刻tb、時刻tcでプラ
ント状態が同一または類似している場合には、その時刻
ta、時刻tb、時刻tcを比較し、その比較の結果、
現時刻(最新値選択部227が上記比較動作を行ってい
る時刻)に最も時間的に近い時刻(最新の時刻)ta、
tb、またはtcの、各周波数帯での振動強度の最大値
inを抽出する。
【0200】即ち、最新値選択部227は、プラント状
態が類似するもの同士のデータ群から、最も現時刻に時
間的に近い時刻tnの各データを抽出する。ここで、プ
ラント状態が類似するもの同士のデータ群から、最新の
データが抽出されるのは、現状のガスタービン2の状態
(経年による劣化状況等)を反映していると思われるか
らである。
【0201】ここで、上記第3実施形態と同様に、例え
ば、図10に示すように、バイパス弁開度とパイロット
比の2次元座標をメッシュ状に複数の区分S、S…に区
分けして、その単一の区分Sに入るものが、プラント状
態が類似するもの同士のデータ群であると設定すること
ができる。
【0202】燃焼特性把握部223aは、最新値選択部
227により抽出されたデータについて、上記(1)式
の係数パラメータaij,0、aij,1
ij,2、a ij,3、aij,4を求める。
【0203】上記のように、燃焼特性把握部223a
は、データベース222に格納された全てのデータを対
象とするのではなく、最新値選択部227により抽出さ
れたデータを対象として演算するので演算量を削減でき
ると共に、最新値選択部227では、プラント状態が類
似するもの同士のデータ群のうち、最も時間的に近いデ
ータが抽出されるので、最新のガスタービン2の状態を
反映させた制御を行うことができる。
【0204】なお、燃焼特性把握部223a及び補正量
決定部225の動作は、第2実施形態で説明した通りで
ある。
【0205】なお、燃焼特性把握部223a及び補正量
決定部225の動作は、第2実施形態で説明した通りで
ある。また、最新値選択部227において上記比較の結
果、抽出されなかったデータは、データベース222の
容量削減のために削除するか、あるいは、データベース
222以外の大容量のデータサーバ(図示せず)におい
て管理するように、そのデータの格納場所をデータベー
ス222からそのデータサーバに移すことができる。
【0206】また、第4実施形態において、補正量決定
部225に代えて、第1実施形態で説明した補正方向決
定部224を設けることができる。
【0207】第4実施形態によれば、例えば、圧縮機、
タービン側で大きな経年変化が発生しても、また燃料組
成が大きく変化しても、最新のデータを用いることによ
り予兆段階で燃焼安定性を維持することができる。
【0208】(実施形態5)次に、図5を参照して、第
5実施形態について説明する。第5実施形態では、図4
の構成に新たにデータベース222aが設けられ、燃焼
特性把握部223aに代えて、燃焼特性把握部223b
が設けられている。
【0209】第5実施形態では、類似の燃焼安定性を有
する既設プラントのデータをデータベース222aに記
録しておく。新設プラント(本実施形態のガスタービン
2)の運転が開始されれば、データベース222aとは
別のデータベース222に区別して追加記憶していく。
データベース222に記録されたデータの量が振動特性
把握に不充分である場合には、既設プラントのデータベ
ース222aを用いて最適な運転条件を求める。新設プ
ラントのデータが増えるに連れて、利用するデータを切
替えていく。
【0210】第5実施形態のガスタービン2の運転実績
が充分でない場合には、そのガスタービン2とガスター
ビンの型式(構造、規模等)が同一または類似し、かつ
出力も同一または類似の運転実績が充分な既設プラント
の運転データを用いる。これにより、ガスタービン2の
運転データ不足を補うことができる。
【0211】第5実施形態では、データベース222a
が追加されたことに伴い、燃焼特性把握部223bに
は、上記の燃焼特性把握部223aの機能に加えて、2
つのデータベース222,22aのデータの使用(抽
出)方法に関する機能が追加されている。2つのデータ
ベース222,22aのデータの少なくともいずれか一
方に基づいて、上記(1)式の係数パラメータa
ij,0、aij,1、aij, 、aij,3、a
ij,4を求める等の動作は、燃焼特性把握部223b
は、燃焼特性把握部223aと共通である。
【0212】データベース222aには、既設プラント
の運転データとして、図6のデータベース222に格納
されたデータと同項目のデータが格納されている。デー
タベース222aには、その既設プラントの運転データ
が時々刻々と送られてそれらが追加的に記憶されてもよ
いし、あるいは、データベース222aは、追加的に運
転データが記憶されることが無く、過去の十分な運転デ
ータが蓄積済のものであってもよい。
【0213】燃焼特性把握部223bによるデータベー
ス222、222aのデータの使い分けとしては、特に
限定されないが、その一例を以下に示す。
【0214】燃焼特性把握部223bは、データベース
222のデータ量が非常に少ない場合には、データベー
ス222aに格納されたデータのみを用いて、上記の演
算等を行う。このとき、燃焼特性把握部223bは、デ
ータベース222のデータを用いない。
【0215】次に、ガスタービン2の運転実績が増え
て、データベース222のデータ量が増えてきたら、燃
焼特性把握部223bは、そのデータベース222のデ
ータに基づいて、図12の破線で示すように、燃焼振動
領域を求める(推定する)とともに、データベース22
2aのデータに基づいて、図12の実線に示すように、
燃焼振動領域を求め(推定し)、更に、それらの破線及
び実線の双方の燃焼振動領域の重複(AND)部分を求
め、その重複部分に対応するデータを、補正量決定部2
25が参照すべきデータとして提供する。
【0216】次に、ガスタービン2の運転実績が更に増
えて、データベース222のデータ量が更に増えてきた
ら、燃焼特性把握部223bは、そのデータベース22
2のデータに基づいて、燃焼振動領域を求め(推定
し)、そのデータを、補正量決定部225が参照すべき
データとして提供する。
【0217】なお、データベース222に蓄積されるガ
スタービン2に使用される燃料(成分)と、データベー
ス222aに蓄積された既設のガスタービンに使用され
る燃料(成分)とが異なる場合には、燃焼特性把握部2
23bは、その違いを補うような補正係数を用いて、両
データベース222、222aのデータを併用すること
ができる。
【0218】また、第5実施形態において、補正量決定
部225に代えて、第1実施形態で説明した補正方向決
定部224を設けることができる。
【0219】第5実施形態によれば、新設プラントで十
分なデータの蓄積がなくても、類似の燃焼安定性を有す
る既設プラントのデータベースを用いることにより予兆
段階で燃焼安定性を維持することができる。
【0220】以上に述べた説明から分かるように、本実
施形態では、以下の18項の技術を開示する。
【0221】(項1)計測した圧力変動や加速度から局
所高速フーリエ変換(LFFT)に基づく周波数分析に
よりスペクトルを求め,各周波数毎のスペクトルの時間
変動に対して不完全微分処理を行った結果が少なくとも
2つに分割された周波数帯毎に異なる値に設定された設
定レベルを設定時間以上連続して超えた場合に予兆検知
と判定する。一方,計測した圧力変動や加速度から高速
フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により求め
たスペクトルをプラント状態量と共に運転中継続してデ
ータベースに蓄積し,周波数帯毎に燃焼の振動特性(プ
ラント状態量とスペクトルの関係)を把握する。燃焼が
不安定になり燃焼振動の予兆を検知すれば,発生した周
波数の振動を抑制するのに最も効果的な運転条件の方向
に燃空比を変化させるガスタービン制御装置である。
【0222】(項2)計測した圧力変動や加速度から高
速フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により求
めたスペクトルが少なくとも2つに分割された周波数帯
毎に異なる値に設定された設定レベルを設定時間以上連
続して超えた場合と,(項1)の検知結果との論理和を
求める燃焼振動予兆検知と判定する。一方,計測した圧
力変動や加速度から高速フーリエ変換(FFT)に基づ
く周波数分析により求めたスペクトルをプラント状態量
と共に運転中継続してデータベースに蓄積し,周波数帯
毎に燃焼の振動特性(プラント状態量とスペクトルの関
係)を把握する。燃焼が不安定になり燃焼振動の予兆を
検知すれば,発生した周波数の振動を抑制するのに最も
効果的な運転条件の方向に燃空比を変化させるガスター
ビン制御装置である。
【0223】(項3)(項1)の不完全微分処理結果の
レベル比較に加え,差分による時間変化率が少なくとも
2つに分割された周波数帯毎に異なる値に設定された設
定レベルを設定時間以上連続して超え,かつ不完全微分
処理結果が単独レベル比較よりも低い設定値の少なくと
も2つの周波数帯に分割した設定レベルを設定時間以上
連続して超えた場合に兆候検知と判定する。一方,計測
した圧力変動や加速度から高速フーリエ変換(FFT)
に基づく周波数分析により求めたスペクトルをプラント
状態量と共に運転中継続してデータベースに蓄積し,周
波数帯毎に燃焼の振動特性(プラント状態量とスペクト
ルの関係)を把握する。燃焼が不安定になり燃焼振動の
予兆を検知すれば,発生した周波数の振動を抑制するの
に最も効果的な運転条件の方向に燃空比を変化させるガ
スタービン制御装置である。
【0224】(項4)(項2)の不完全微分処理結果の
レベル比較に加え,差分による時間変化率が少なくとも
2つに分割された周波数帯毎に異なる値に設定された設
定レベルを設定時間以上連続して超え,かつ不完全微分
処理結果が単独レベル比較よりも低い設定値の設定レベ
ルを設定時間以上連続して超えた場合に兆候検知と判定
する。一方,計測した圧力変動や加速度から高速フーリ
エ変換(FFT)に基づく周波数分析により求めたスペ
クトルをプラント状態量と共に運転中継続してデータベ
ースに蓄積し,周波数帯毎に燃焼の振動特性(プラント
状態量とスペクトルの関係)を把握する。燃焼が不安定
になり燃焼振動の予兆を検知すれば,発生した周波数の
振動を抑制するのに最も効果的な運転条件の方向に燃空
比を変化させるガスタービン制御装置である。
【0225】(項5)計測した圧力変動や加速度から局
所高速フーリエ変換(LFFT)に基づく周波数分析に
よりスペクトルを求め,各周波数毎のスペクトルの時間
変動に対して不完全微分処理を行った結果が少なくとも
2つに分割された周波数帯毎に異なる値に設定された設
定レベルを設定時間以上連続して超えた場合に予兆検知
と判定する。一方,計測した圧力変動や加速度から高速
フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により求め
たスペクトルをプラント状態量と共に運転中継続してデ
ータベースに蓄積し,周波数帯毎に燃焼の振動特性(プ
ラント状態量とスペクトルの関係)を把握して,全周波
数帯で最適になる運転条件を求める。燃焼が不安定にな
り燃焼振動の予兆を検知すれば,最適な運転条件の方向
に燃空比を変化させるガスタービン制御装置である。
【0226】(項6)計測した圧力変動や加速度から高
速フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により求
めたスペクトルが少なくとも2つの周波数帯に分割した
設定レベルを設定時間以上連続して超えた場合と,(項
5)の検知結果との論理和を求める燃焼振動予兆検知と
判定する。一方,計測した圧力変動や加速度から高速フ
ーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により求めた
スペクトルをプラント状態量と共に運転中継続してデー
タベースに蓄積し,周波数帯毎に燃焼の振動特性(プラ
ント状態量とスペクトルの関係)を把握して,全周波数
帯で最適になる運転条件を求める。燃焼が不安定になり
燃焼振動の予兆を検知すれば,最適な運転条件の方向に
燃空比を変化させるガスタービン制御装置である。
【0227】(項7)(項5)の不完全微分処理結果の
レベル比較に加え,差分による時間変化率が少なくとも
2つの周波数帯に分割した設定レベルを設定時間以上連
続して超え,かつ不完全微分処理結果が単独レベル比較
よりも低い設定値の少なくとも2つの周波数帯に分割し
た設定レベルを設定時間以上連続して超えた場合に兆候
検知と判定する。一方,計測した圧力変動や加速度から
高速フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により
求めたスペクトルをプラント状態量と共に運転中継続し
てデータベースに蓄積し,周波数帯毎に燃焼の振動特性
(プラント状態量とスペクトルの関係)を把握して,全
周波数帯で最適になる運転条件を求める。燃焼が不安定
になり燃焼振動の予兆を検知すれば,最適な運転条件の
方向に燃空比を変化させるガスタービン制御装置であ
る。
【0228】(項8)(項6)の不完全微分処理結果の
レベル比較に加え,差分による時間変化率が少なくとも
2つの周波数帯に分割した設定レベルを設定時間以上連
続して超え,かつ不完全微分処理結果が単独レベル比較
よりも低い設定値の少なくとも2つの周波数帯に分割し
た設定レベルを設定時間以上連続して超えた場合に兆候
検知と判定する。一方,計測した圧力変動や加速度から
高速フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により
求めたスペクトルをプラント状態量と共に運転中継続し
てデータベースに蓄積し,周波数帯毎に燃焼の振動特性
(プラント状態量とスペクトルの関係)を把握して,全
周波数帯で最適になる運転条件を求める。燃焼が不安定
になり燃焼振動の予兆を検知すれば,最適な運転条件の
方向に燃空比を変化させるガスタービン制御装置であ
る。
【0229】(項9)計測した圧力変動や加速度から局
所高速フーリエ変換(LFFT)に基づく周波数分析に
よりスペクトルを求め,各周波数毎のスペクトルの時間
変動に対して不完全微分処理を行った結果が少なくとも
2つの周波数帯に分割した設定レベルを設定時間以上連
続して超えた場合に予兆検知と判定する。一方,内圧変
動や加速度から高速フーリエ変換(FFT)に基づく周
波数分析により求めたスペクトルを複数の周波数帯に分
割して監視する。プラント状態量を複数に区分けして,
区分け毎に周波数解析結果とプラント状態量をデータベ
ースに記録し,各区分けされたデータベースの中から振
動強度の最も大きいものを抽出して周波数帯毎に燃焼の
振動特性を把握して,全周波数帯で最適になる運転条件
を求める。燃焼が不安定になり振動現象が発生すれば,
最適な運転条件の方向に燃空比を変化させるガスタービ
ン制御装置である。
【0230】(項10)計測した圧力変動や加速度から
高速フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により
求めたスペクトルが少なくとも2つの周波数帯に分割し
た設定レベルを設定時間以上連続して超えた場合と,
(項9)の検知結果との論理和を求める燃焼振動予兆検
知と判定する。一方,内圧変動や加速度から高速フーリ
エ変換(FFT)に基づく周波数分析により求めたスペ
クトルを複数の周波数帯に分割して監視する。プラント
状態量を複数に区分けして,区分け毎に周波数解析結果
とプラント状態量をデータベースに記録し,各区分けさ
れたデータベースの中から振動強度の最も大きいものを
抽出して周波数帯毎に燃焼の振動特性を把握して,全周
波数帯で最適になる運転条件を求める。燃焼が不安定に
なり振動現象が発生すれば,最適な運転条件の方向に燃
空比を変化させるガスタービン制御装置である。
【0231】(項11)(項9)の不完全微分処理結果
のレベル比較に加え,差分による時間変化率が少なくと
も2つの周波数帯に分割した設定レベルを設定時間以上
連続して超え,かつ不完全微分処理結果が単独レベル比
較よりも低い設定値の少なくとも2つの周波数帯に分割
した設定レベルを設定時間以上連続して超えた場合に兆
候検知と判定する。一方,内圧変動や加速度から高速フ
ーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により求めた
スペクトルを複数の周波数帯に分割して監視する。プラ
ント状態量を複数に区分けして,区分け毎に周波数解析
結果とプラント状態量をデータベースに記録し,各区分
けされたデータベースの中から振動強度の最も大きいも
のを抽出して周波数帯毎に燃焼の振動特性を把握して,
全周波数帯で最適になる運転条件を求める。燃焼が不安
定になり振動現象が発生すれば,最適な運転条件の方向
に燃空比を変化させるガスタービン制御装置である。
【0232】(項12)(項10)の不完全微分処理結
果のレベル比較に加え,差分による時間変化率が少なく
とも2つの周波数帯に分割した設定レベルを設定時間以
上連続して超え,かつ不完全微分処理結果が単独レベル
比較よりも低い設定値の少なくとも2つの周波数帯に分
割した設定レベルを設定時間以上連続して超えた場合に
兆候検知と判定する。一方,内圧変動や加速度から高速
フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により求め
たスペクトルを複数の周波数帯に分割して監視する。プ
ラント状態量を複数に区分けして,区分け毎に周波数解
析結果とプラント状態量をデータベースに記録し,各区
分けされたデータベースの中から振動強度の最も大きい
ものを抽出して周波数帯毎に燃焼の振動特性を把握し
て,全周波数帯で最適になる運転条件を求める。燃焼が
不安定になり振動現象が発生すれば,最適な運転条件の
方向に燃空比を変化させるガスタービン制御装置であ
る。
【0233】(項13)計測した圧力変動や加速度から
局所高速フーリエ変換(LFFT)に基づく周波数分析
によりスペクトルを求め,各周波数毎のスペクトルの時
間変動に対して不完全微分処理を行った結果が少なくと
も2つの周波数帯に分割した設定レベルを設定時間以上
連続して超えた場合に予兆検知と判定する。一方,内圧
変動や加速度から高速フーリエ変換(FFT)に基づく
周波数分析により求めたスペクトルを複数の周波数帯に
分割して監視する。プラント状態量を複数に区分けし
て,区分け毎に周波数解析結果とプラント状態量をデー
タベースに記録し,各区分けされたデータベースの中か
ら最も最近のデータを抽出して周波数帯毎に燃焼の振動
特性を把握して,全周波数帯で最適になる運転条件を求
める。燃焼が不安定になり振動現象が発生すれば,最適
な運転条件の方向に燃空比を変化させるガスタービン制
御装置である。
【0234】(項14)計測した圧力変動や加速度から
高速フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により
求めたスペクトルが少なくとも2つの周波数帯に分割し
た設定レベルを設定時間以上連続して超えた場合と,
(項13)の検知結果との論理和を求める燃焼振動予兆
検知と判定する。一方,内圧変動や加速度から高速フー
リエ変換(FFT)に基づく周波数分析により求めたス
ペクトルを複数の周波数帯に分割して監視する。プラン
ト状態量を複数に区分けして,区分け毎に周波数解析結
果とプラント状態量をデータベースに記録し,各区分け
されたデータベースの中から最も最近のデータを抽出し
て周波数帯毎に燃焼の振動特性を把握して,全周波数帯
で最適になる運転条件を求める。燃焼が不安定になり振
動現象が発生すれば,最適な運転条件の方向に燃空比を
変化させるガスタービン制御装置である。
【0235】(項15)(項13)の不完全微分処理結
果のレベル比較に加え,差分による時間変化率が少なく
とも2つの周波数帯に分割した設定レベルを設定時間以
上連続して超え,かつ不完全微分処理結果が単独レベル
比較よりも低い設定値の少なくとも2つの周波数帯に分
割した設定レベルを設定時間以上連続して超えた場合に
兆候検知と判定する。一方,内圧変動や加速度から高速
フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により求め
たスペクトルを複数の周波数帯に分割して監視する。プ
ラント状態量を複数に区分けして,区分け毎に周波数解
析結果とプラント状態量をデータベースに記録し,各区
分けされたデータベースの中から最も最近のデータを抽
出して周波数帯毎に燃焼の振動特性を把握して,全周波
数帯で最適になる運転条件を求める。燃焼が不安定にな
り振動現象が発生すれば,最適な運転条件の方向に燃空
比を変化させるガスタービン制御装置である。
【0236】(項16)(項14)の不完全微分処理結
果のレベル比較に加え,差分による時間変化率が少なく
とも2つの周波数帯に分割した設定レベルを設定時間以
上連続して超え,かつ不完全微分処理結果が単独レベル
比較よりも低い設定値の少なくとも2つの周波数帯に分
割した設定レベルを設定時間以上連続して超えた場合に
兆候検知と判定する。一方,内圧変動や加速度から高速
フーリエ変換(FFT)に基づく周波数分析により求め
たスペクトルを複数の周波数帯に分割して監視する。プ
ラント状態量を複数に区分けして,区分け毎に周波数解
析結果とプラント状態量をデータベースに記録し,各区
分けされたデータベースの中から最も最近のデータを抽
出して周波数帯毎に燃焼の振動特性を把握して,全周波
数帯で最適になる運転条件を求める。
【0237】(項17)類似の燃焼安定性を有する既設
プラントのデータベースを予め記録しておく。新設プラ
ントの運転が開始されればデータベースに区別して追加
する。追加されたデータの量が振動特性把握に不充分で
ある場合には,既設プラントデータベースを用いて最適
な運転条件を求める。新設プラントのデータが増えるに
つれて,利用するデータを切り替えて行く機能を持った
項1〜16のガスタービン制御装置である。
【0238】(項18)燃焼器に付けられた圧力変動検
出器やケーシングに付けられた加速度検出器など,燃焼
器内部の燃焼安定性評価に使用可能な検出器からの計測
信号に基づいて,いくつかの周波数帯毎に燃焼振動予兆
検知用周波数解析と一般の周波数解析を行う。燃焼振動
予兆検知用周波数解析の結果は,燃焼振動回避操作のタ
イミングに使用し,一般の周波数解析結果は,運転中継
続してプラント状態量と共にデータベースに蓄積する。
燃焼振動の予兆が発生した場合,データベースに基づい
て周波数帯毎に最も効果的または最適な操作項目,操作
方向,操作量を決定することにより,燃焼振動を事前に
検知して回避することにより常時安定燃焼を維持する。
【0239】項1〜4によれば、発生した周波数の振動
を事前に抑え,燃焼安定性を維持することができる。項
5〜8によれば、複数の周波数を同時に最適調整するこ
とにより,予兆段階で燃焼安定性を維持することができ
る。項9〜12によれば、データベースが肥大化しても
最も安全側に評価して予兆段階で燃焼安定性を維持する
ことができる。項13〜16によれば、圧縮機,タービ
ン側で大きな経年変化が発生しても,また燃料組成が大
きく変化しても,最も最近のデータを用いることにより
予兆段階で燃焼安定性を維持することができる。項17
によれば、新設プラントで十分なデータ蓄積がなくて
も,類似の燃焼安定性を有する既設プラントのデータベ
ースを用いることにより予兆段階で燃焼安定性を維持す
ることができる。
【0240】
【発明の効果】本発明により、発生する燃焼振動を事前
に抑え、燃焼安定性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明であるガスタービン制御装置及びガスタ
ービンシステムの第1の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図2】本発明であるガスタービン制御装置及びガスタ
ービンシステムの第2の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図3】本発明であるガスタービン制御装置及びガスタ
ービンシステムの第3の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図4】本発明であるガスタービン制御装置及びガスタ
ービンシステムの第4の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図5】本発明であるガスタービン制御装置及びガスタ
ービンシステムの第5の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図6】本発明であるガスタービン制御装置及びガスタ
ービンシステムの実施の形態に関わるデータベースに格
納されるデータの例を示すグラフである。
【図7】本発明であるガスタービン制御装置及びガスタ
ービンシステムの実施の形態における燃焼振動領域の推
定法に関する原理図である。
【図8】本発明であるガスタービン制御装置及びガスタ
ービンシステムの実施の形態における燃焼振動領域の推
定例を示す図である。
【図9】本発明であるガスタービン制御装置及びガスタ
ービンシステムの実施の形態における周波数解析の結果
と周波数帯としきい値の例を示すグラフである。
【図10】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの第2の実施の形態における補正量の
決定方法を説明するための図である。
【図11】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの第3の実施の形態におけるプラント
状態の類似度を説明するための図である。
【図12】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの第5の実施の形態におけるデータの
選択方法を説明するための図である。
【図13】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の一
例を示す構成図である。
【図14】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の他
の例を示す構成図である。
【図15】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の更
に他の例を示す構成図である。
【図16】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の更
に他の例を示す構成図である。
【図17】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の更
に他の例を示す構成図である。
【図18】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の更
に他の例を示す構成図である。
【図19】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の更
に他の例を示す構成図である。
【図20】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の更
に他の例を示す構成図である。
【図21】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部にて
用いられるLFFT手法の特徴を示す図である。
【図22】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部にて
用いられるLFFT手法の特徴を示す他の図である。
【図23】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部にて
用いられるLFFT手法との対比でFFT手法にて周波
数解析を行った結果の一例を示す図である。
【図24】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部にて
用いられるLFFT手法にて周波数解析を行った結果の
一例を示す図である。
【図25】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部にて
行う予兆検知を説明するための図である。
【図26】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部にて
用いられるLFFT手法との対比でFFT手法にて周波
数解析を行った結果の一例を示す図である。
【図27】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部にて
用いられるLFFT手法にて周波数解析を行った結果の
一例を示す図である。
【図28】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部にて
用いられるLFFT手法にて周波数解析を行った結果に
対して処理を行った後の一例を示す図である。
【図29】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の更
に他の例を示す図である。
【図30】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の更
に他の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図31】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の更
に他の例を説明するための他のタイミングチャートであ
る。
【図32】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における予兆解析部の更
に他の例を説明するための更に他のタイミングチャート
である。
【図33】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態における周波数解析の結
果の例を示すグラフである。
【図34】本発明であるガスタービン制御装置及びガス
タービンシステムの実施の形態に関わるガスタービンを
示す構成図である。
【符号の説明】
1 ガスタービンシステム 2 ガスタービン 3 ガスタービン制御装置 4 プロセス量計測部 5 メイン燃料流量調整部 6 パイロット燃料流量調整部 7 バイパス空気流量調整部 8 入口案内翼調整部 9 圧力変動測定部 10 加速度測定部 21 LFFT演算器 22 一次遅れ器 23 加算器 24 移動平均処理部 24a 移動平均処理部 24b 移動平均処理部 25 設定値比較部 26 オンディレイ処理部 26a オンディレイ処理部 26b オンディレイ処理部 27 設定値比較部 28 差分処理部 29 設定値比較部 41 レベル比較処理(高設定)部 42 レベル比較処理(低設定)部 43 変化率比較処理部 71 誤差比較処理部 72 誤差比較処理部 73 誤差比較処理部 74 誤差比較処理部 100 ガスタービン本体部 101 圧縮機 102 入口案内翼 103 回転軸 104 タービン 110 燃焼部 111(−1〜m) 燃焼器 112 圧縮空気導入部 113 メイン燃料流量制御弁 114 パイロット燃料流量制御弁 115(−1〜m) メイン燃料供給弁 116(−1〜m) パイロット燃料供給弁 117(−1〜m) バイパス空気導入管 118(−1〜m) バイパス弁 119(−1〜m) バイパス空気混合管 120(−1〜m) 燃焼ガス導入管 121 発電機 211 制御部 212 周波数解析部 221 補正部 222 データベース 222a データベース 223 燃焼特性把握部 223a 燃焼特性把握部 223b 燃焼特性把握部 224 補正方向決定部 225 補正量決定部 226 最大値選択部 227 最新値選択部 270 予兆解析部 270a 予兆解析部 270b 予兆解析部 270c 予兆解析部 270d 予兆解析部 270e 予兆解析部 270f 予兆解析部 270g 予兆解析部 270h 予兆解析部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 克則 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 外山 浩三 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービンの燃焼器内での圧力または
    加速度の振動を周波数分析し、前記周波数分析の結果を
    複数の周波数帯に分割した周波数帯別分析結果を出力す
    る周波数解析部と、 前記圧力または加速度の振動を局所高速フーリエ変換に
    より周波数分析し、前記局所高速フーリエ変換による周
    波数分析の結果に基づいて、ガスタービンの燃焼振動の
    予兆を検知し、前記検知結果を示す検知信号を出力する
    予兆解析部と、 前記周波数帯別分析結果と、前記ガスタービンのプロセ
    ス量に基づいて、前記ガスタービンの燃焼振動の特性を
    把握する燃焼特性把握部と、 前記予兆解析部により前記燃焼振動の予兆が検知された
    とき、前記燃焼特性把握部で把握された燃焼振動の特性
    に基づいて、前記燃焼器に供給する燃料の流量又は空気
    の流量の少なくとも一方を制御する制御部とを備えたガ
    スタービン制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガスタービン制御装置に
    おいて、 前記予兆解析部は、前記局所高速フーリエ変換による周
    波数分析の結果から定常ノイズを除去した結果に基づい
    て、前記燃焼振動の予兆を検知するガスタービン制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のガスタービン制御装置に
    おいて、 前記予兆解析部は、前記局所高速フーリエ変換による周
    波数分析の結果に対して、不完全微分処理を行うことに
    よって、前記定常ノイズを除去するガスタービン制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    ガスタービン制御装置において、 前記予兆解析部は、更に、前記圧力または加速度の振動
    を高速フーリエ変換により周波数分析し、前記高速フー
    リエ変換による周波数分析の結果と、前記局所高速フー
    リエ変換による周波数分析の結果に基づいて、前記燃焼
    振動の予兆を検知するガスタービン制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    ガスタービン制御装置において、 前記予兆解析部は、更に、前記局所高速フーリエ変換に
    よる周波数分析の結果の変化率を求め、前記変化率も考
    慮して、前記燃焼振動の予兆を検知するガスタービン制
    御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
    ガスタービン制御装置において、 更に、 補正方向決定部を備え、 前記補正方向決定部は、前記検知信号に応答して、前記
    燃焼特性把握部で把握された燃焼振動の特性に基づい
    て、前記制御部による前記制御の補正方向を求め、前記
    補正方向を示すデータを前記制御部に出力し、 前記制御部は、前記補正方向を示すデータに基づいて、
    前記制御を補正するガスタービン制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のガスタービン制御装置に
    おいて、 前記補正方向決定部は、最急降下法を含む最適化手法を
    用いて、前記補正方向を求めるガスタービン制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
    ガスタービン制御装置において、 前記補正方向決定部は、前記検知信号が前記燃焼振動の
    予兆を検知していない旨を示しているときには、補正が
    ゼロである旨の前記補正方向を示すデータを出力し、前
    記検知信号が前記燃焼振動の予兆を検知した旨を示して
    いるときに、前記補正方向を求めるガスタービン制御装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
    ガスタービン制御装置において、 更に、 補正量決定部を備え、 前記燃焼特性把握部は、前記燃焼振動の特性として、最
    も燃焼振動の発生し難い最適点又は最適領域を求め、前
    記最適点又は最適領域を示すデータを前記補正量決定部
    に出力し、 前記補正量決定部は、前記検知信号に応答して、前記最
    適点又は最適領域を示すデータに基づいて、前記制御部
    による前記制御の補正量を求め、前記補正量を示すデー
    タを前記制御部に出力し、 前記制御部は、前記補正量を示すデータに基づいて、前
    記制御を補正するガスタービン制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか1項に記載
    のガスタービン制御装置において、 更に、 最大値選択部を備え、 前記周波数帯別分析結果と前記ガスタービンのプロセス
    量のデータは、設定された時間おきに得られ、 前記最大値選択部は、第1の前記時間と第2の前記時間
    の前記プロセス量が類似しているとき、前記第1および
    第2の時間にそれぞれ得られた前記周波数帯別分析結果
    同士を比較し、前記比較の結果、最大の前記周波数帯別
    分析結果を抽出し、前記最大の周波数帯別分析結果を前
    記燃焼特性把握部に出力し、 前記燃焼特性把握部は、前記抽出された周波数帯別分析
    結果と、前記ガスタービンのプロセス量に基づいて、前
    記ガスタービンの燃焼振動の特性を把握するガスタービ
    ン制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から9のいずれか1項に記載
    のガスタービン制御装置において、 更に、最新値選択部を備え、 前記周波数帯別分析結果と前記ガスタービンのプロセス
    量のデータは、設定された時間おきに得られ、 前記最新値選択部は、第1の前記時間と第2の前記時間
    の前記プロセス量が類似しているとき、前記第1および
    第2の時間のうちの最新の時間に得られた前記周波数帯
    別分析結果を抽出し、前記最新の時間に得られた周波数
    帯別分析結果を前記燃焼特性把握部に出力し、 前記燃焼特性把握部は、前記抽出された周波数帯別分析
    結果と、前記ガスタービンのプロセス量に基づいて、前
    記ガスタービンの燃焼振動の特性を把握するガスタービ
    ン制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項1から11のいずれか1項に記
    載のガスタービン制御装置において、 更に、 前記周波数帯別分析結果と前記ガスタービンのプロセス
    量を格納する第1データベースと、 既設ガスタービンの燃焼器内での圧力または加速度の振
    動が周波数分析され、当該周波数分析の結果が複数の周
    波数帯に分割されてなる周波数帯別分析結果と、前記既
    設ガスタービンのプロセス量を格納する第2データベー
    スとを備え、 前記燃焼特性把握部は、前記第1データベースに格納さ
    れた前記周波数帯別分析結果と前記ガスタービンのプロ
    セス量および前記第2データベースに格納された前記周
    波数帯別分析結果と前記ガスタービンのプロセス量の少
    なくともいずれか一方に基づいて、前記ガスタービンの
    燃焼振動の特性を把握するガスタービン制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項1から12のいずれか1項に記
    載のガスタービン制御装置と、 前記燃焼器を有する前記ガスタービンと、 を具備するガスタービンシステム。
  14. 【請求項14】 ガスタービンの燃焼器内での圧力また
    は加速度の振動の測定結果を周波数分析し、前記周波数
    分析の結果を出力するステップと、 前記圧力または加速度の振動を局所高速フーリエ変換に
    より周波数分析し、前記局所高速フーリエ変換による周
    波数分析の結果に基づいて、ガスタービンの燃焼振動の
    予兆を検知するステップと、 前記周波数分析の結果と、前記ガスタービンのプロセス
    量に基づいて、前記ガスタービンの燃焼振動の特性を把
    握するステップと、 前記燃焼振動の予兆が検知されたとき、前記燃焼振動の
    特性に基づいて、前記燃焼器に供給する燃料の流量又は
    空気の流量の少なくとも一方を制御するステップと、 を備えたガスタービン制御方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のガスタービン制御
    方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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