JPH06313681A - 誘導炉等における耐火物ライニングの損耗度合検知方法及びその装置 - Google Patents

誘導炉等における耐火物ライニングの損耗度合検知方法及びその装置

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JPH06313681A
JPH06313681A JP10412793A JP10412793A JPH06313681A JP H06313681 A JPH06313681 A JP H06313681A JP 10412793 A JP10412793 A JP 10412793A JP 10412793 A JP10412793 A JP 10412793A JP H06313681 A JPH06313681 A JP H06313681A
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refractory lining
wear
molten metal
induction furnace
degree
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JP10412793A
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English (en)
Inventor
Itaru Taniguchi
至 谷口
Yoshihiro Murata
義弘 村田
Masaru Okubo
勝 大久保
Mototaka Ezumi
元隆 江住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属溶湯を保持する誘導炉等において、作業
者が耐火物ライニングの損耗の度合を容易に知る。 【構成】 耐火物ライニング15のうち損耗の最も激し
い位置に、4本のアンテナ線20を、耐火物ライニング
15の厚み方向に異なる位置に予め埋込む。各アンテナ
線20からのリード線27を、シェル14との間の絶縁
状態で導出し、電流測定器22に接続する。電流測定器
22に接続されたアンテナ棒21を先端部が溶湯中に浸
るように配置する。電流測定器22により、アンテナ棒
21と各アンテナ線20との間に電圧を印加し、各アン
テナ線20に流れる電流を測定することに基づき、耐火
物ライニング15の損耗度合を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属溶湯保持用の溝型
誘導炉や注湯用の取鍋などの誘導炉等における耐火物ラ
イニングの損耗度合検知方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鉄等の金属溶湯を保持するための
溝型誘導炉は、図6に示すように、全体として容器状を
なすバス部1の下部に、誘導加熱用のインダクタ2を備
えて構成されている。前記バス部1は、例えば鉄製のシ
ェル3の内面部全体に、キャスタブル耐火物等による耐
火物ライニング4を設けて構成される。
【0003】そして、バス部1の上端部の図で右側部位
には、外部から溶湯を注ぎ入れるための受湯口部5が斜
め方向に延びて設けられ、また、その反対側には、バス
部1の傾動により溶湯を排出するための出湯口部6が設
けられている。尚、バス部1の上面部には、耐火物製の
炉蓋7が設けられ、前記受湯口部5及び出湯口部6の一
部を除いてその開口部が塞がれるようになっている。
【0004】ところで、このような溝型誘導炉にあって
は、溶湯あるいは溶湯中に含まれるスラグなどにより、
バス部1の内面の耐火物ライニング4が次第に損耗して
いく事情がある。耐火物ライニング4の損耗がひどくな
ると、例えばその溝型誘導炉の運転を停止して他の溝型
誘導炉の運転に切換え、その間に損耗した耐火物ライニ
ング4を再形成(再築炉)することが行われる。この場
合、上記構成の溝型誘導炉にあっては、図7に二点鎖線
で示すように、特に受湯口部5からバス部1内に溶湯が
流れ込む角の部分において、耐火物ライニング4の損耗
が激しくなっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ものでは、作業者が耐火物ライニング4の損耗の度合を
容易に知ることができない欠点があった。即ち、作業者
は、目視により耐火物ライニング4の損耗度合を判断す
るしか方法がないが、誘導炉の近傍は高温であるため近
付くことが難しく、また、炉蓋7によって視界が狭くな
っており、さらには、損耗部分にスラグ等が付着するた
め正確な損耗度合はよく分からない状態であった。
【0006】このため、耐火物ライニング4の寿命(交
換時期)の判断が正確に行えず、耐火物ライニング4が
さほど損耗されていない状態で誘導炉の運転を停止した
り、あるいは耐火物ライニング4の損耗がひどくなって
も誘導炉を運転し続けるといった事態を招いてしまうこ
とになる。
【0007】尚、従来より、耐火物ライニング4に厚み
方向に貫通するようなクラックが発生することに伴うい
わゆる湯差し(溶湯がクラックを通ってシェル3に至る
こと)を電気的に検出することが行われている。図示は
しないが、この検出は、バス部1の底部に溶湯に接する
ようにアンテナ線を配置し、これをシェル3との絶縁状
態で外部に導出させ、このアンテナ線とシェル3との間
に所定の電圧をかけて流れる電流を電流計にて測定する
ことにより行われる。即ち、耐火物ライニング4は絶縁
性を有しているため通常時には電流は流れないが、湯差
しが発生すると、溶湯とシェル3とが導通して電流が流
れるのである。
【0008】ところが、この方法は、溶湯がシェル3に
接して初めて危険を検知するものであり、耐火物ライニ
ング4の損耗度合の検知、言換えれば誘導炉の適切な交
換時期を作業者に教えるものではなかった。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、作業者が耐火物ライニングの損耗の
度合を容易に知ることができる誘導炉等における耐火物
ライニングの損耗度合検知方法及びその装置を提供する
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の誘導炉等におけ
る耐火物ライニングの損耗度合検知方法は、金属溶湯が
収容されるバス部の内面部を耐火物ライニングにより構
成してなる誘導炉等における、前記耐火物ライニングの
損耗度合を検知するための方法であって、前記耐火物ラ
イニングに予め検知用導体を埋込んでおき、前記検知用
導体と前記金属溶湯との間の電気的導通状態の変化を検
出することに基づいて、耐火物ライニングの損耗度合を
検知するようにしたところに特徴を有する。
【0011】また、本発明の誘導炉等における耐火物ラ
イニングの損耗度合検知装置は、耐火物ライニングに予
め埋込まれる検知用導体と、バス部内に収容された金属
溶湯に接するように設けられる溶湯側導体と、前記検知
用導体と溶湯側導体との間の電気的導通状態の変化を検
出することに基づいて耐火物ライニングの損耗度合を検
知する検出手段とを具備するところに特徴を有するもの
である。
【0012】
【作用】耐火物ライニングは絶縁性を有するため、耐火
物ライニングが損耗していない状態では、耐火物ライニ
ングに予め埋込まれた検知用導体と、バス部内の金属溶
湯との間は絶縁される。ところが、耐火物ライニングが
損耗して検知用導体が露出するようになると、バス部内
の金属溶湯が検知用導体に接触して両者が電気的に導通
することになる。
【0013】本発明の誘導炉等における耐火物ライニン
グの損耗度合検知方法によれば、耐火物ライニングに予
め埋込まれた検知用導体と、金属溶湯との間の電気的導
通状態の変化を検出することに基づいて、耐火物ライニ
ングの損耗度合を検知するようにしたので、前記検知用
導体の埋込み深さを適宜設定することにより、その検知
用導体の位置まで損耗が進行したかどうかを、電気的導
通の変化により確実に検知することができるようにな
る。
【0014】また、本発明の誘導炉等における耐火物ラ
イニングの損耗度合検知装置は、耐火物ライニングに予
め埋込まれる検知用導体と、金属溶湯に接するように設
けられる溶湯側導体と、前記検知用導体と溶湯側導体と
の間の電気的導通状態の変化を検出することに基づいて
耐火物ライニングの損耗度合を検知する検出手段とを具
備するので、やはり前記検知用導体の埋込み深さを適宜
設定することにより、その検知用導体の位置まで損耗が
進行したかどうかを、検出手段の検出により確実に検知
することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を金属溶湯保持用の溝型誘導炉
に適用した一実施例について、図1乃至図4を参照して
説明する。まず、図2及び図3を参照して、溝型誘導炉
11の全体構成について簡単に述べる。溝型誘導炉11
は、図2に示すように、金属溶湯が収容されるバス部1
2の下部に、インダクタ13を取付けて構成される。詳
しく図示はしないが、前記インダクタ13は、前記バス
部12内の底部に連通して金属溶湯が導入される溶湯導
入部の周囲に、誘導加熱用のコイルを配設して構成され
ている。
【0016】一方、前記バス部12は、図3にも示すよ
うに、全体として矩形容器状をなし、例えば鉄製のシェ
ル14の内面部全体に、例えば150〜200mm程度
の厚みで耐火物ライニング15を施して構成されてい
る。前記耐火物ライニング15は、例えば湿式の高アル
ミナ質キャスタブル耐火物から構成されている。尚、図
示は省略されているが、バス部12のうちの底部部分に
は、シェル14と耐火物ライニング15との間に挟まれ
て断熱れんがやフェルト等が配設されており、多層の耐
火,断熱構造とされている。
【0017】そして、前記バス部12の上端部には、図
で右側に位置して、外部からバス部12内に金属溶湯を
注ぎ入れるための受湯口部16が、斜め方向に延びて設
けられている。また、それとは反対側には、バス部12
の傾動により金属溶湯を排出するための出湯口部17が
設けられている。前記耐火物ライニング15は、それら
受湯口部16及び出湯口部17の内面部にまで渡って設
けられている。尚、バス部12の上面部には、耐火物製
の炉蓋18が設けられ、前記受湯口部16及び出湯口部
17の一部を除いてその開口部が塞がれるようになって
いる。
【0018】以上のように構成された溝型誘導炉11に
おいて、例えばキュポラにより溶融された鉄の溶湯は、
受湯口部16に注ぎ込まれ、バス部12内に収容され
る。バス部12内に収容された金属溶湯は、インダクタ
13により加熱されて例えば1500℃の溶融状態が保
持され、バス部12が傾動されることにより、適宜出湯
口部17から排出される。溶湯が排出されると、また新
たに溶湯が注ぎ込まれ、ほぼ一定のレベルの溶湯が常時
保持されるようになっている。
【0019】而して、このような溝型誘導炉11の運転
を続けることにより、溶湯あるいは溶湯中に含まれるス
ラグなどにより、バス部12の耐火物ライニング15が
内面から次第に損耗していく事情がある。この場合、特
に受湯口部16からバス部12内に溶湯が流れ込む角の
部分において、耐火物ライニング15の損耗が激しく起
こる。耐火物ライニング15の損耗がひどくなる(例え
ばシェル14から厚み方向に20mmの位置まで耐火物
ライニング15が損耗する)と、例えばその溝型誘導炉
11の運転を停止して他の溝型誘導炉11の運転に切換
え、その間に損耗した耐火物ライニング15の再築炉作
業が行われる。
【0020】そこで、本実施例の溝型誘導炉11におい
ては、受湯口部16とバス部12との角の部分における
耐火物ライニング15の損耗の度合を検知するために、
本実施例に係る損耗度合検知方法を実現するための装置
が設けられるようになっている。以下、本実施例の損耗
度合検知装置19について、図1及び図4も参照して述
べる。
【0021】この損耗度合検知装置19は、前記耐火物
ライニング15に予め埋込まれる検知用導体としての複
数本この場合4本のアンテナ線20と、バス部12内に
収容された金属溶湯に接するように設けられる溶湯側導
体としてのアンテナ棒21と、前記アンテナ線20とア
ンテナ棒21との間の電気的導通状態の変化を検出する
ことに基づいて耐火物ライニング15の損耗度合を検知
する検出手段としての電流測定器22(もしくは電気抵
抗測定器)とを備えて構成される。
【0022】このうち、アンテナ線20は、例えば線径
1mmφのニクロム線やステンレス線などの導線よりな
り、図1及び図3に示すように、損耗の激しい位置即ち
受湯口部16とバス部12との角の部分に位置して、耐
火物ライニング15の図で右側壁部内を壁面に対して平
行に前後方向に延びて設けられる。この場合、4本のア
ンテナ線20が、耐火物ライニング15の厚み方向に異
なる位置に例えば50mm間隔で設けられるようになっ
ている。
【0023】尚、以下4本のアンテナ線20を区別する
必要がある場合には、耐火物ライニング15の内面側か
ら順にA,B,C,Dを付して区別することとする。本
実施例では、Dのアンテナ線20は、シェル14から2
0mmの位置に設けられるようになっている。また、こ
のアンテナ線20は、張渡し作業性や耐火物ライニング
15の強度確保等の観点から、線径1〜6mmφのもの
を使用することが望ましい。
【0024】このアンテナ線20は、その両端部が図4
に示す支持構造によりシェル14に支持されて張渡し状
に設けられるようになっている。即ち、シェル14のう
ち、アンテナ線20の両端を通す部分には透孔14aが
設けられ、その外面部に例えば碍子等の絶縁材製の取付
部材23がパッキン24を介してボルト25により取付
けられている。この取付部材23の裏面部には、前記透
孔14aに嵌り込む筒部23aが設けられており、この
筒部23aの内部に連続して貫通孔23bが形成されて
いる。
【0025】前記アンテナ線20の端部は、前記貫通孔
23bを通って、シェル14との間の絶縁状態で取付部
材23の外面部に導出され、ここで止め金具26に固定
されるようになっている。この場合、これらアンテナ線
20を耐火物ライニング15に埋込むにあたっては、築
炉時(耐火物ライニング15の形成時)に、まずアンテ
ナ線20に張渡し部分の直ぐ下部まで耐火物ライニング
15を形成し、ここでアンテナ線20の張渡し作業を行
った後、さらに残りの耐火物ライニング15を形成する
ようになっている。そして、各アンテナ線20の一端部
には夫々リード線27(図1参照)が接続され、各リー
ド線27が前記電流測定器22に接続されるようになっ
ている。
【0026】また、図1に示すように、前記アンテナ棒
21は、長尺な金属棒(例えば鉄棒)の基端部に絶縁材
製の握り部21aを有して構成され、この場合、誘導炉
11の上端部(炉蓋18との間)に形成された図示しな
い差込み部にその途中部が保持されることにより、前記
握り部21aが炉外に位置する状態で、先端部が溶湯中
に浸るように配置される。このとき、このアンテナ棒2
1が前記シェル14に接することがないことは勿論であ
る。
【0027】また、溶湯中に長時間浸ることにより、ア
ンテナ棒21の先端部が溶融して短くなる事情がある
が、その場合には、作業者がアンテナ棒21を順次押込
むことにより、アンテナ棒21の先端部が常に溶湯中に
浸るようにされる。このアンテナ棒21の基端部にはリ
ード線28が接続され、このリード線28が前記電流測
定器22に接続されるようになっている。
【0028】そして、詳しく図示はしないが、前記電流
測定器22は、直流電源を備え、例えば48Vの電圧を
前記アンテナ棒21と各アンテナ線20との間に印加
し、A,B,C,Dの各アンテナ線20(各リード線2
7)に流れる電流を測定するように構成されている。そ
して、各アンテナ線20に流れる電流の大きさが、予め
設定される基準値よりも大きくなると、その旨を表示や
警報等で作業者に報知するように構成されている。これ
により、アンテナ線20とアンテナ棒21との間の電気
的導通状態の変化が検出されるのである。このような電
流測定器22の代替として電気抵抗測定器を用いること
もできる。
【0029】さらに、本実施例では、前記シェル14の
外面に接続された湯差し検知用導線29も前記電流測定
器22に接続され、この湯差し検知用導線29と前記ア
ンテナ棒21との間にも電圧が印加されると共に、流れ
る電流が測定されるようになっている。そして、湯差し
検知用導線29に流れる電流の大きさが、やはり予め設
定される基準値よりも大きくなると、その旨が作業者に
報知されると共に、前記インダクタ13への通電が自動
的に停止されるようになっている。
【0030】次に、上記構成の作用について述べる。上
述のように、溝型誘導炉11が運転されると、バス部1
2内に所定のレベルで金属溶湯が保持される。このと
き、耐火物ライニング15は絶縁性を有するため、運転
開始初期即ち耐火物ライニング15の損耗がほとんどな
い状態では、耐火物ライニング15に埋込まれた各アン
テナ線20とバス部21内の金属溶湯との間は絶縁さ
れ、各アンテナ線20とアンテナ棒21との間に基準値
以上の電流は流れない。尚、築炉の直後においては、耐
火物ライニング15自体に含まれる水分によって、微小
な電流が流れることになるが、前記基準値は、この微小
な電流を導通状態として検出することを排除するような
値に設定されるのである。
【0031】そして、運転に伴い耐火物ライニング15
のうち受湯口部16とバス部12との角の部分が次第に
損耗してくると、まず最も内側のAのアンテナ線20が
露出するようになる。すると、バス部12内の金属溶湯
がAのアンテナ線20に接触して両者が電気的に導通
し、電流測定器22、リード線28、アンテナ棒21、
溶湯、Aのアンテナ線20、リード線27、電流測定器
22という回路が閉じて基準値を上回る電流が流れるよ
うになる。
【0032】これにて、電流測定器22がAのアンテナ
線20に電流が流れたことを検出することにより、Aの
アンテナ線20の埋込み部分まで耐火物ライニング15
が損耗したことを検知することができ、その旨を例えば
表示することにより、作業者は、Aのアンテナ線20部
分まで耐火物ライニング15が損耗したことを知ること
ができるのである。
【0033】同様にして、Bのアンテナ線20及びCの
アンテナ線20まで耐火物ライニング15の損耗が進行
したことを検知することができ、例えばCのアンテナ線
20まで耐火物ライニング15が損耗すると、作業者
は、別の溝型誘導炉11の運転が可能となるような準備
を行う。そして、遂には、電流測定器22がDのアンテ
ナ線20即ちシェル14から20mmの位置まで耐火物
ライニング15の損耗が進行したことを検知すると、そ
の溝型誘導炉11の運転を停止し、用意した別の溝型誘
導炉11の運転に切換え、その間に損耗した耐火物ライ
ニング15の再築炉作業が行われる。
【0034】尚、本実施例では、電流測定器22に湯差
し検知用導線29をも接続するようにしたことにより、
上記のような耐火物ライニング15の損耗度合の検知に
併せて、耐火物ライニング15に厚み方向に貫通するよ
うなクラックが発生することに伴ういわゆる湯差し(溶
湯がクラックを通ってシェル14に至ること)の発生を
も検出することができるようになっているのである。
【0035】このように本実施例によれば、作業者の目
視により耐火物ライニング4の損耗度合を判断していた
ため正確な損耗度合を知ることができなかった従来のも
のと異なり、アンテナ線20の耐火物ライニング15へ
の埋込み深さを適宜設定することにより、そのアンテナ
線20の位置まで損耗が進行したかどうかを、電流測定
器22により確実に検知することができ、作業者が耐火
物ライニング15の損耗の度合を容易に知ることができ
る。
【0036】この結果、耐火物ライニング15がさほど
損耗されていない状態で誘導炉11の運転を停止した
り、あるいは耐火物ライニング15の損耗がひどくなっ
ても誘導炉11を運転し続けるといった事態を招くこと
がなくなり、湯漏れ事故等を未然に防止することができ
ると共に、最適な時期に誘導炉11の交換を行うことが
できるものである。
【0037】図5は本発明の他の実施例を示すものであ
り、上記実施例と異なるところは、アンテナ棒21に代
えて、溶湯側導体としての溶湯側アンテナ線31を、耐
火物ライニング15の底部部分に固定的に設けるように
した点にある。この溶湯側アンテナ線31は、金属線材
をより合わせて構成され、その先端部が三又状にほぐさ
れてバス部12内に突出する状態で、耐火物ライニング
15の施工時に埋込まれている。そして、この溶湯側ア
ンテナ線31の基端側は、シェル14との絶縁状態で外
部に導出され、電流測定器22に接続されている。かか
る構成としても、上記実施例と同様の作用,効果を得る
ことができるものである。
【0038】尚、上記各実施例では、4本のアンテナ線
20を設けるようにしたが、少なくともDのアンテナ線
20の1本だけを設けるようにすれば所期の目的を達成
することができる等、検知用導体の数や設ける位置,間
隔等は、必要に応じて適宜設定すれば良い。また、電流
測定器22により流れる電流の大きさが基準値を越える
かどうかを検出するようにしたが、検出手段としては、
電流が流れるか否かを検出するだけの極く簡単な構成で
済ませることも可能である。
【0039】その他、本発明は上記し且つ図面に示した
実施例に限定されるものではなく、例えば湯差しの検出
を必ずしも併せて行う必要はなく、また、溝型誘導炉に
限らず、他の誘導炉や注湯用の取鍋などにも適用するこ
とができる等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して
実施し得るものである。
【0040】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
の誘導炉等における耐火物ライニングの損耗度合検知方
法によれば、耐火物ライニングに予め検知用導体を埋込
んでおき、検知用導体と金属溶湯との間の電気的導通状
態の変化を検出することに基づいて、耐火物ライニング
の損耗度合を検知するようにしたので、作業者が耐火物
ライニングの損耗の度合を容易に知ることができるとい
う優れた実用的効果を奏する。
【0041】また、本発明の誘導炉等における耐火物ラ
イニングの損耗度合検知装置によれば、耐火物ライニン
グに予め埋込まれる検知用導体と、バス部内に収容され
た金属溶湯に接するように設けられる溶湯側導体と、前
記検知用導体と溶湯側導体との間の電気的導通状態の変
化を検出することに基づいて耐火物ライニングの損耗度
合を検知する検出手段とを具備するので、作業者が耐火
物ライニングの損耗の度合を容易に知ることができると
いう優れた実用的効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、要部の拡大縦
断正面図
【図2】溝型誘導炉の全体を示す縦断正面図
【図3】溝型誘導炉の平面図
【図4】取付部材部分の拡大縦断面図
【図5】本発明の他の実施例を示す縦断正面図
【図6】従来例を示す図2相当図
【図7】損耗の様子を示す要部の拡大縦断正面図
【符号の説明】
図面中、11は溝型誘導炉、12はバス部、13はイン
ダクタ、14はシェル、15は耐火物ライニング、19
は損耗度合検知装置、20はアンテナ線(検知用導
体)、21はアンテナ棒(溶湯側導体)、22は電流測
定器(検出手段)、23は取付部材、29は湯差し検知
用導線、31は溶湯側アンテナ線(溶湯側導体)を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 勝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 江住 元隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属溶湯が収容されるバス部の内面部を
    耐火物ライニングにより構成してなる誘導炉等におけ
    る、前記耐火物ライニングの損耗度合を検知するための
    方法であって、前記耐火物ライニングに予め検知用導体
    を埋込んでおき、前記検知用導体と前記金属溶湯との間
    の電気的導通状態の変化を検出することに基づいて、耐
    火物ライニングの損耗度合を検知するようにしたことを
    特徴とする誘導炉等における耐火物ライニングの損耗度
    合検知方法。
  2. 【請求項2】 金属溶湯が収容されるバス部の内面部を
    耐火物ライニングにより構成してなる誘導炉等におけ
    る、前記耐火物ライニングの損耗度合を検知するための
    ものであって、前記耐火物ライニングに予め埋込まれる
    検知用導体と、前記バス部内に収容された金属溶湯に接
    するように設けられる溶湯側導体と、前記検知用導体と
    溶湯側導体との間の電気的導通状態の変化を検出するこ
    とに基づいて耐火物ライニングの損耗度合を検知する検
    出手段とを具備することを特徴とする誘導炉等における
    耐火物ライニングの損耗度合検知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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