JPH0631358U - 磁気ディスク駆動用モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フレーム構造を改善することにより、所望の
精度を得ながらモータの薄型化を可能とし、しかも、部
品コストを低減する。 【構成】 外周にモータのステータコア２６を固定する
と共に、磁気ディスクが装着されるハブ２５を回転自在
に支持するボールベアリング２３，２４を支持した支持
部２１をモータフレーム３０に設け、このモータフレー
ム３０がモータの底部を覆うようにした磁気ディスク駆
動用モータであって、モータフレーム３０は薄板によっ
て形成され、かつ中央部を支持部２１に固定している。 【効果】 モータフレームを薄く形成できることからモ
ータを薄型化することが可能になる。しかも、モータフ
レームは鉄板等をプレス加工によって形成できるので、
所定の精度が得られると共に、容易かつ短時間に製造で
きるので部品コストを大幅に低減することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気ディスク駆動用モータに関するもので、特にモータの底部を覆 うモータフレームの構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の磁気ディスク駆動用モータの一例として図３のようなものがある。図３ において、フレーム１の中央には固定軸２が一体形成され、この固定軸２の外周 には２個のボールベアリング３，３が固定配置されている。ボールベアリング３ ，３の外周にはハブ４が取り付けられている。ハブ４の中心部は筒状に形成され ていて、この筒状の中心部の上下端部は開口し、筒状中心部の外周に図示しない 磁気ディスクが装着されるようになっている。さらに、ハブ４の上端側開口には 磁性シール６が接着剤７により固定配置され、上記固定軸２との間を図示しない 磁性流体によって封止し、上記ボールベアリング３，３が有する油を外部に飛散 しないようにしている。

【０００３】 上記フレーム１には固定軸２の基部から一体に略皿状に形成した皿状部１ａが 形成され、皿状部１ａの凹部内には固定軸２の下部に内端を固定したステータコ ア８が配設されている。このステータコア８は複数の突極を有し、各突極にはコ イル１０が巻回されている。また、ステータコア８の外周面には、ハブ４の内周 に固着されたロータマグネット９の内周面が所定の間隙をおいて対向している。 これらステータコア８、ロータマグネット９等によってモータが構成され、この モータはフレーム１によって覆われている。そして、ロータマグネット９を回転 付勢することによりハブ４が一体に回転するようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の磁気ディスク駆動用モータにおいて、フレーム１は固定軸２と皿状 部１ａを、例えばアルミニウム材を切削加工することによって一体に形成してい る。ところが、皿状部１ａを切削加工した場合には、肉厚を所定以下に薄くする ことには加工の限界から困難が伴い、このため、モータを薄型化する際の大きな 障害となる問題がある。しかも、フレーム１を切削加工する場合に、加工機に固 定するためのチャッキング力や、切削工具による切削力等の応力をフレーム１に 加えた状態で加工するため、加工精度が低下してしまう問題もある。さらに、こ のような切削加工は多時間を要することから、部品コストが崇高になるといった 問題も有していた。

【０００５】 本考案は、このような問題点を解消するためになされたもので、フレーム構造 を改善することにより、所望の精度を得ながらモータの薄型化を可能とし、しか も、部品コストを低減することのできる磁気ディスク駆動用モータを提供するこ とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、外周にモータのステータコアを固定すると共に、磁気ディスクが装 着される筒状のハブを回転自在に支持するボールベアリングを支持した支持部を モータフレームに設け、このモータフレームが前記モータの底部を覆うようにし た磁気ディスク駆動用モータであって、上記モータフレームは薄板によって形成 され、かつ中央部を上記支持部に固定している。さらに、上記モータフレームは 例えば鉄板等の薄板をプレス加工によって形成している。

【０００７】

【作用】

モータフレームを薄板によって形成し、その中央部をボールベアリングを支持 する支持部に固定すると、モータフレームを薄く形成できることからモータの薄 型化が可能になる。しかも、モータフレームは鉄板等をプレス加工によって形成 できるので、所定の精度が得られる。また、モータフレームをプレス加工等によ って容易かつ短時間に製造できるので部品コストが大幅に低減できる。

【０００８】

【実施例】 以下、本考案にかかる磁気ディスク駆動用モータの実施例について図面を参照 しながら説明する。図１において、鉄等の磁性体金属を円柱状に形成した支持部 ２１の下端側には、コア支持部２１ａが一体に延設されている。さらに、支持部 ２１には上下方向に一対のボールベアリング２３，２４の内輪が嵌合固定されて いる。ボールベアリング２３，２４の外輪の外周にはハブ２５の中心孔２５ａが 嵌合固着されており、支持部２１に対しハブ２５が回転自在に支持されている。 上記ボールベアリング２３，２４の上下端面には各々シール板２３ａ，２４ａが 設けられている。

【０００９】 上記ハブ２５には、上部に筒状に形成された筒状部２５ｂが形成され、下部に は略皿状に形成したロータ部２５ｃが一体に形成されている。そして、上記筒状 部２５ｂの外周には、図示しない磁気ディスクが装着される。また、ハブ２５の 中心孔２５ａ上部には、磁性シール２９が取り付けられていて、上記支持部２１ との間に図示しない磁性流体を保持させることによって、上記ボールベアリング ２３，２４から発生するオイルミストが外方に飛散することを防止している。

【００１０】 この場合、上記支持部２１は例えば炭素鋼或いはマルテンサイト系ステンレス 等の透磁率の高い磁性材によって形成することが望ましく、この構成により磁性 シール２９と支持部２１によって閉ループが形成されることから、磁性流体は磁 気的に保持される。さらに、ハブ２５の筒状部２５ｂ内方には、上下方向に貫通 したネジ孔２５ｄが穿設されている。このネジ孔２５ｄには磁気ディスクを装着 固定する保持体を固定するためのビスが螺入される。そして、筒状部２５ｂの下 面には、ネジ孔２５ｄの下方開口側を塞ぐ封止シール３４が貼設されている。

【００１１】 また、支持部２１のコア支持部２１ａには、ステータコア２６が固定され、ハ ブ２５のロータ部２５ｂの内周面にはロータマグネット２７が固着されている。 上記ステータコア２６は複数の突極を有し、各突極にはコイル２８が巻回されて いる。ステータコア２６の外周面は、上記ロータマグネット２７の内周面に所定 の間隙をおいて対向している。ステータコア２６、ロータマグネット２７及びコ イル２８等によってモータを構成し、コイル２８に所定の電流を通電することに よってステータコア２６を励磁すると共に、ロータマグネット２７を回転付勢す ることによりハブ２５が一体に回転するようになっている。

【００１２】 一方、支持部２１のコア支持部２１ａ底面には、薄板によって形成したモータ フレーム３０の中央部３０ａが、ビス３１によって固定され、このモータフレー ム３０によって前述したステータコア２６、ロータマグネット２７及びコイル２ ８等からなるモータ部を覆うようにしている。モータフレーム３０は、例えば鉄 板等の磁性体金属板等の薄板からなり、図示の所定形状にプレス加工によって形 成される。このようにモータフレーム３０をプレス加工によって形成することに より、所望の寸法精度が得られるので好適である。このように形成されたモータ フレーム３０の内面には、上記コイル２８との電気的絶縁を施すために、絶縁紙 ３２が貼設されている。また、モータフレーム３０から外方に延設した鍔部３０ ｂの上面には、上記モータ部と外部制御回路との電気的な授受を行うフレキシブ ル基板３３が貼設されている。

【００１３】 図２は、本考案の他の実施例を示し、支持部２１のコア支持部２１ａ底面に、 薄板によって形成したモータフレーム３０の中央部３０ａを、接着によって固定 した例である。この点を除いた他の構成は前述した図１と同一の構成としている ので、その詳細な説明は省略する。

【００１４】 尚、上述の実施例は本考案の一例を示すもので、支持部２１とモータフレーム ３０との固定手段は、ビス止めや接着によらずとも、その他の手段例えば溶接や カシメ等によって固定しても良く、本考案を逸脱しない範囲で種々変更可能であ る。

【００１５】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案の磁気ディスク駆動用モータは、モー タフレームを薄板によって形成し、その中央部をボールベアリングを支持する支 持部に固定しているので、モータフレームを薄く形成できることからモータを薄 型化することが可能になる。しかも、モータフレームは鉄板等をプレス加工によ って形成できるので、所定の精度が得られると共に、容易かつ短時間に製造でき るので部品コストを大幅に低減することができる利点がある。

【００１６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる磁気ディスク駆動用モータの実
施例を示す断面図である。

【図２】同磁気ディスク駆動用モータの他の実施例を示
す断面図である。

【図３】従来の磁気ディスク駆動用モータを示す断面図
である。

【符号の説明】

２１ 支持部 ２１ａ コア支持部 ２３ ボールベアリング ２４ ボールベアリング ２５ ハブ ２６ ステータコア ２７ ロータマグネット ２８ コイル ３０ モータフレーム ３１ ビス

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周にモータのステータコア部を固定す
   ると共に、磁気ディスクが装着される筒状のハブを回転
   自在に支持するボールベアリングを支持した支持部をモ
   ータフレームに設け、このモータフレームが前記モータ
   の底部を覆うようにした磁気ディスク駆動モータであっ
   て、上記モータフレームは薄板により形成され、かつ中
   央部を上記支持部に固定してなる磁気ディスク駆動用モ
   ータ。
2. 【請求項２】 支持部に固定したモータフレームが薄板
   をプレス加工によって形成された請求項第１項に記載の
   磁気ディスク駆動用モータ。