JPH06313178A - ガソリン組成物 - Google Patents

ガソリン組成物

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JPH06313178A
JPH06313178A JP10448693A JP10448693A JPH06313178A JP H06313178 A JPH06313178 A JP H06313178A JP 10448693 A JP10448693 A JP 10448693A JP 10448693 A JP10448693 A JP 10448693A JP H06313178 A JPH06313178 A JP H06313178A
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JP
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hydrocarbons
hydrocarbon
fuel
gasoline
gasoline composition
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JP10448693A
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English (en)
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Kazuyoshi Namiyama
和義 浪山
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 炭素数 4〜12のオレフィン系炭化水素、ジオ
レフィン系炭化水素、アセチレン系炭化水素、オレフィ
ン−アセチレン系炭化水素、及びジオレフィン−アセチ
レン系炭化水素から成る群から選択された1 種又は2 種
以上の炭化水素を50〜95容量% 含有し、かつ炭素数 1〜
8 の酸素原子を含む炭化水素(含酸素炭化水素)を 5〜
50容量% 含有して成るガソリン組成物。 【効果】 従来のガソリンに比べて出力の増加及びピッ
クアップ性能の向上という顕著な効果を奏する。特に高
回転の競争用のガソリン組成物として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は自動車レース、ラリー用エンジン
に代表される高回転4 サイクルエンジン用ガソリン組成
物、オートバイ、ジェットスキー用エンジンに代表され
る高回転2 サイクルエンジン用ガソリン組成物に関す
る。さらに詳しくは、炭素数4〜12のオレフィン系炭化
水素、ジオレフィン系炭化水素、アセチレン系炭化水
素、オレフィン−アセチレン系炭化水素、及びジオレフ
ィン−アセチレン系炭化水素から成る群から選択された
1 種又は2 種以上の炭化水素を50〜95 容量% 含有し、
かつ炭素数1〜8 の酸素原子を含む炭化水素(以下、
『含酸素炭化水素』と言う)を5〜50容量% 含有して成
る、出力の増加、ピックアップ性能の向上を計ったガソ
リン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車レース、ラリー用エンジンに代表
される高回転4 サイクルエンジンやオートバイ、ジット
スキー用エンジンに代表される高回転2 サイクルエンジ
ンなどの高回転エンジンの性能の向上に伴なって、その
燃料であるガソリン組成物の性能の向上も大きな課題と
なってきている。
【0003】従来、このような高回転エンジンに対して
は、市販のプレミアムガソリン(従来燃料)や、幾つか
の特殊燃料(SAE890877など)にみられる芳香族炭化
水素を30% 以上含む燃料や、多環化合物を5〜50容量%
含有する燃料(特開昭61-155494 )などの使用が提案さ
れてきている。これらの燃料はいずれも高密度のもので
あり霧化性能、燃料液滴の搬送性が十分とは言い難い。
また燃料中のトルエン、多環芳香族は比較的燃焼性が悪
く急速燃焼が必要な高回転エンジンにおいては完全燃焼
することができず出力の低下、急加速時のピックアップ
(応答性)性能が十分とならない。
【0004】また、競争用の自動車又は二輪車のエンジ
ン系統の機械の仕様については、厳しい規格が設けられ
ている。このため、決められた機械の仕様の範囲での自
動車又は二輪車のレースにおいては、エンジンに最大の
性能を発揮させるために、その燃料の選定が極めて重要
なこととなるが、燃料のガソリン組成物に窒素化合物や
出力を増強させる添加剤等を使用することも規制されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】燃料の密度と出力の
関係は、一般的にいって燃料の密度が大きくなるほど、
空燃比の値は小さくなり、混合気中の燃料の濃度として
は高濃度に移行するため、密度の増加は出力の向上に寄
与するものと考えられていた。しかし、密度の大きい燃
料は気化速度が遅いため要求される量の燃料が燃料室に
入らず、空気と燃料の混合気中の燃料濃度の稀薄化や多
気筒エンジンの気筒間の分配の悪化を招きやすくなる。
この結果、エンジンの性能を十分に発揮し常時高出力を
だすといった要求を満たすことはできなかった。
【0006】前記した従来の燃料は、一般に密度が大き
いため、燃料重量が重くなり、また、前述したように吸
気の搬送性についても有利とは言い難いものである。ま
た、燃焼性の点においても、芳香族炭化水素は燃焼性、
着火性が比較的低いため、特に高速エンジンについて
は、完全燃焼しにくく、エンジン性能を十分に発揮しに
くい。さらに、発熱量の点においても、これらの燃料は
容量あたりの発熱量は大きいものの重量あたりの発熱量
は、密度が大きいため小さくなる。それゆえエンジンの
噴射量を決定する空燃比(重量比)に対しても、同じ空
燃比の混合気で比較しても、その混合気の発熱量は小さ
くなる。
【0007】従って、高回転エンジンにおいては(1) 十
分な霧化及び良好な搬送性、(2) 迅速かつ良好な混合
(燃料と空気の混合)、(3) 迅速かつ完全な燃焼、が要
求され、これらの条件をバランス良く、高レベルで実現
することが、出力の増加、ピックアップ性能の向上につ
ながるわけである。
【0008】本発明は、これらの条件を実現し、出力の
増加及びピックアップ性能の向上されたガソリン組成物
を提供するものである。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明者らは前記の問題
点を解決するために鋭意研究した結果、炭素数 4〜12の
オレフィン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、アセ
チレン系炭化水素、オレフィン−アセチレン系炭化水
素、及びジオレフィン−アセチレン系炭化水素から成る
群から選択された1 種または2 種以上の炭化水素を50〜
95容量% 含有し、かつ炭素数 1〜8 の含酸素炭化水素を
5〜50容量% 含有させることで出力の増加及びピックア
ップ性能の向上を計ることができることを見出だし、本
発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の組成物は、炭素数 4〜
12のオレフィン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、
アセチレン系炭化水素、オレフィン−アセチレン系炭化
水素、及びジオレフィン−アセチレン系炭化水素から成
る群から選択された1 種又は2 種以上の炭化水素を含有
するものである。該含有量としては50〜95容量% 、好ま
しくは70〜95容量% であり、かつ炭素数 1〜8 の酸素原
子を含む炭化水素(含酸素炭化水素)を 5〜50容量% 、
好ましくは10〜30容量% 含有するものである。炭素数4
未満の炭化水素は、一般に、沸点が低いため燃料系統で
のベーパーロック現象を引き起こす可能性があり、ま
た、炭素数12を超える炭化水素については、逆に沸点が
高いために気化性及び燃焼性が悪くなり、いずれも、高
速エンジンでは完全燃焼しにくい。
【0011】本発明の成分である、炭素数 4〜12のオレ
フィン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、アセチレ
ン系炭化水素、オレフィン−アセチレン系炭化水素、及
びジオレフィン−アセチレン系炭化水素からなる群から
選択される炭化水素としては、ブテン、ペンテン、ヘキ
セン、及びヘプテンなどのモノオレフィン系炭化水素
を、ブタジエン、ペンタジエン、及びヘキサジエンなど
のジオレフィン系炭化水素を、さらにこれらの一部が三
重結合になっているアセチレン系炭化水素などを挙げる
ことができる。また、これらの炭化水素が混合したもの
や、これらの炭化水素類が混合した石油留分を用いても
良い。
【0012】本発明のガソリン組成物は、炭素数 1〜8
の含酸素炭化水素を 5〜50容量% 含有するものである。
含酸素炭化水素としては、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール及びペンタノール等のア
ルコール類、並びにメチル−t−ブチルエーテル(MT
BE)、エチル−t−ブチルエーテル(ETBE)、イ
ソプロピル−t−ブチルエーテル(PTBE)、メチル
−t−アミルエーテル(MTAE)及びブチルエーテル
等のエーテル類、並びにプロパナール、ブタナール及び
ペンタナール等のアルデヒド類、並びにメチルエチルケ
トン、メチルイソプロピルケトン及びメチルイソブチル
ケトン等のケトン類、並びにメチルアセテート、エチル
アセテート及びビニルアセテート等のエステル類、並び
にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及び1,
2−エポキシブタン等のオキサイド類、並びにフラン及
び2−メチルフラン等その他の含酸素炭化水素を挙げる
ことができ、特にメチル−t−ブチルエーテル(MTB
E)及びプロピレンオキサイドが好適である。
【0013】本発明のガソリン組成物はガソリンに通常
添加される他の添加剤を含有しても良い。このような添
加剤としては、酸化防止剤、清浄剤、防錆剤、氷結防止
剤、金属不活性化剤などが挙げられる。
【0014】また、本発明のガソリン組成物の密度は0.
68〜0.75g/cm3 の範囲のものが好ましい。この密度と
は、JIS K 2249の『原油及び石油製品の密度試験方法並
びに密度・質量・容積換算表』で規定された方法で測定
される値である。本発明のガソリン組成物の密度が0.68
未満では燃料消費量が多大となり過ぎ、0.75を超えると
密度が大きくなり過ぎ前記したような問題が生じる。
【0015】本発明のガソリン組成物の蒸留終点は 180
℃以下のものが好ましい。本発明のガソリン組成物の蒸
留性状は、沸点が25〜65℃の範囲のものを25容量% 以上
含有し、沸点が80〜120 ℃の範囲のものを15容量% 以上
含有し、かつこれら2 つの沸点範囲を有する炭化水素
(含酸素炭化水素を含む)の合計が60容量% 以上含まれ
るものが好ましい。ここで言う蒸留とは、JIS K 2254の
『燃料油蒸留試験方法』で規定された方法で測定される
値を言う。本発明のガソリン組成物の蒸留終点が180 ℃
を超えると、燃焼性の悪い成分が増え、特に高回転での
出力が低下する。
【0016】本発明のガソリン組成物は、沸点が25〜65
℃の低沸点成分を含有し、かつ蒸留終点が低いため、霧
化性に優れ、エンジンへの搬送性、燃焼性も優れてお
り、エンジンの性能を十分に発揮し得る高出力を得るこ
とができる。また、本発明のガソリン組成物に含有され
る炭化水素は後述するように、重量あたりの発熱量が大
きく、これを多量に含有する本発明のガソリン組成物は
理論空燃費から計算した単位混合気あたりの発熱量が大
きくなり、高出力を得ることができ、さらに含有する含
酸素化合物による酸素原子のため、酸素と燃料の混合率
が高くなり、出力の増加及びピックアップ性能の向上を
計ることができる。従って、軽質オレフィン系炭化水素
を主成分とし含酸素化合物を適量含む本発明のガソリン
組成物は前記 (1)〜(3) の条件をバランス良く高レベル
で実現する燃料となり、出力の増加及びピックアップ性
能の向上を図ることができる。
【0017】すでに述べたように、発熱量の点から見て
高出力を得るためにはエンジンが吸入する単位混合気当
たりの発熱量が高い方が有利となる。本発明のガソリン
組成物に用いられる炭化水素のうち一例としてオレフィ
ン系炭化水素について、その発熱量をパラフィン系炭化
水素など各種炭化水素の単位混合気当たりの発熱量と比
較する試験を行い、下記に示す結果を得た。
【0018】
【表1】 低発熱量 (cal/g) (cal/g-混合気)* パラフィン系炭化水素(例n−ペンタン) 10.744 701.3 オレフィン系炭化水素(例1−ペンテン) 10.661 721.3 芳香族炭化水素(例ベンゼン) 9.587 723.0 含酸素炭化水素(例MTBE) 8.400 714.9 *混合気は、理論混合比である。
【0019】この結果よりオレフィン系炭化水素及び芳
香族炭化水素が比較的単位混合気当たりの発熱量が高い
が、芳香族炭化水素は比較的密度が高いため、搬送性が
良好とは言い難く、また安定分子のため燃焼性もオレフ
ィン系炭化水素に比べ低下する。含酸素炭化水素はオレ
フィン系炭化水素、芳香族炭化水素に比べ単位混合気当
たりの発熱量は低いが、前述したように酸素原子を分子
中に含むため混合、燃焼の点で有利である。従って、オ
レフィン系炭化水素と含酸素炭化水素を適当に混合する
ことにより高出力のガソリンが得られることが分かる。
【0020】
【実施例】次に、本発明のガソリン組成物についての実
施例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない
ことは明らかである。
【0021】実施例 エンジン形式が自然給気の3.0 リッターのエンジンを用
いて、次の表2に示す実施例1、実施例2、比較1例及
び比較例2の4 種のガソリン組成物について、その出力
及び燃費の試験を行った。実施例1及び実施例2に用い
るのはオレフィン系炭化水素及びジオレフィン系炭化水
素並びに含酸素炭化水素(実施例1がMTBE、実施例
2がプロピレンオキサイド)を主体とする本発明のガソ
リン組成物であり、比較例1はオレフィン系炭化水素を
主体(90%) とし含酸素炭化水素を含まないガソリン組成
物である。比較例2には対象として従来代表燃料を充当
した。比較例2はその出力、燃費でプレミアムガソリン
と同等性能であることを確認している。
【0022】
【表2】 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 密度(g/cm3 15℃) 0.706 0.700 0.703 0.717 オクタン価(RON) 99.8 99.9 98.9 99.5 (MON) 85.9 84.6 86.1 93.4 芳香族炭化水素(VOL.% ) 0 0 5.0 12.0 パラフィン系炭化水素(VOL.% ) 0 0 5.0 85.0 オレフィン系炭化水素(VOL.% ) 87.0 92.5 90.0 3.0 含酸素炭化水素(VOL.% ) 13.0 7.5* 0 0 * 含酸素量としては実施例1(MTBE)と同一である。
【0023】表3、表4に比較例2に対する実施例1、
実施例2、比較例1の出力向上割合及び燃費向上割合を
示す。
【0024】
【表3】 比較例2に対する実施例1、実施例2、及び比較例1の出力の向上の割合 エンジン回転数 6000rpm 7000rpm 8000rpm 9000rpm 実施例1 2.9% 4.3% 4.5% 3.5% 実施例2 3.9% 5.0% 5.6% 4.4% 比較例1 2.5% 3.5% 3.9% 3.2%
【0025】
【表4】 比較例2に対する実施例1、実施例2、及び比較例1の燃費の向上の割合 エンジン回転数 6000rpm 7000rpm 8000rpm 9000rpm 実施例1 1.3% 4.0% 4.2% 2.5% 実施例2 1.8% 5.4% 4.6% 2.7% 比較例1 1.2% 3.7% 3.9% 2.2%
【0026】
【発明の効果】オレフィン系炭化水素分を主体とする比
較例1は従来のガソリンに比べて出力の増加及びピック
アップ性能の向上と言う顕著な効果(4%程度の向上)を
奏した。本発明組成物はさらに 0.3〜1.7%程度の出力向
上を示し、特に高回転域において顕著であった。燃費に
ついても本発明組成物は比較例1、比較例2に比較して
優れた結果となった。以上より本発明組成物は高回転の
競争用のガソリン組成物として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、種々の回転数での比較例2に対する実
施例1、実施例2、及び比較例1の出力の向上の割合を
示したものである。これを見ると、実施例1、2、及び
比較例1共に回転数の全域で出力が増加しており、特に
実施例が優れていることが分かる。
【図2】図2は、種々の回転数での比較例2に対する実
施例1、実施例2、及び比較例1の燃費の向上の割合を
示したものである。これを見ると、実施例1、2、及び
比較例1共に回転数の全域で燃費が向上しており、特に
実施例が優れていることが分かる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数 4〜12のオレフィン系炭化水素、
    ジオレフィン系炭化水素、アセチレン系炭化水素、オレ
    フィン−アセチレン系炭化水素、及びジオレフィン−ア
    セチレン系炭化水素から成る群から選択された1 種又は
    2 種以上の炭化水素を50〜95容量% 含有し、かつ炭素数
    1〜8 の酸素原子を含む炭化水素(含酸素炭化水素)を
    5〜50容量% 含有して成るガソリン組成物。
JP10448693A 1993-04-30 1993-04-30 ガソリン組成物 Pending JPH06313178A (ja)

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