JPH0631310B2 - 核酸又は核酸フラグメントを固相で酵素的に又は化学的及び酵素的に反応させるための担体及び核酸の固相合成法 - Google Patents

核酸又は核酸フラグメントを固相で酵素的に又は化学的及び酵素的に反応させるための担体及び核酸の固相合成法

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JPH0631310B2
JPH0631310B2 JP1012052A JP1205289A JPH0631310B2 JP H0631310 B2 JPH0631310 B2 JP H0631310B2 JP 1012052 A JP1012052 A JP 1012052A JP 1205289 A JP1205289 A JP 1205289A JP H0631310 B2 JPH0631310 B2 JP H0631310B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、核酸又は核酸フラグメントを固相で酵素的に
又は化学的及び酵素的に反応させるための不溶性ポリマ
ー担体に関する。
従来の技術 一般に、目的の核酸合成に当り、核酸フラグメント、即
ち核酸全体の断片、オリゴマーもしくは単量体を化学的
反応及び酵素的反応の組合せにより相互に連結する。例
えば、デオキシリボ核酸(DNA)を合成するために連鎖
長約15〜60単位のオリゴデオキシリボヌクレオチド
フラグメントを化学的に合成しかつこれを5′−末端で
ホスホリル化後混合しかつDNAリガーゼによる酵素触媒
反応において二本鎖核酸に連結し、その際に各フラグメ
ントの正しい配置は雑種形成に基づく相対するワトソン
・クリツク塩基対により、従つて少なくとも部分的にフ
ラグメントのオーバーラツプにより達成される。化学的
に合成されたか又は酵素触媒反応において得られたオリ
ゴリボヌクレオチドを相応してRNAリガーゼにより結合
してリボ核酸(RNA)を形成することができる。同様に
して、DNAフラグメントもRNAフラグメントも含有する核
酸も一本鎖として得られる。
以下核酸とは、可能なすべての種類及び形状の核酸であ
る。デオキシリボ核酸並びにリボ核酸、かつまたデオキ
シリボ核酸の単量体及びリボ核酸の単量体から成る混合
ポリヌクレオチドであつてよい。更に、核酸は一本鎖と
して又は二本鎖として存在してよい。
核酸の部分又はフラグメントはヌクレオシド又はヌクレ
オチドのような単量体、また単量体単位2〜100個か
らのオリゴマーであつてよく、数百個の単量体単位を有
する更に大な重合体も可能である。
核酸フラグメントの酵素触媒作用による結合に関して
は、フラグメントの1つが重合体の不溶性担体に結合し
ていると有利であることが明らかとなつた。フラグメン
トの1つがセルロースに結合している、DNAリガーゼに
よるDNAフラグメントの結合についてコツツアレリ(Coz
zarelli)及びその他が報告した〔“Biochem.Biophy
s.Res.Comm.”,28巻,578〜586頁(196
7年)〕。
セルロース粒子に結合しているデオキシリボチミジンの
オリゴマーをDNAポリメラーゼのプライマー及び鋳型と
して使用することが記載されている〔T.M.Jovin及
びA.Kornberg共著,“J.Biol.Chem.”,243
巻,250〜259頁(1968年)〕。
セルロース共有結合したオリゴデオキシリボヌクレオチ
ドをターミナルデオキシリボヌクレオチジル−トランス
フエラーゼにより連鎖伸長することについて報告されて
いる〔U.Bertazzoni及びその他共著,“Biochim.Bio
phys.Acta”,240巻,515〜521頁(1971
年)〕。
A.パネト(Panet)及びH.G.コラナ(Khorana)ポ
リデオキシリボチミジンをセルロース結合しかつこの担
体結合核酸をリガーゼにより他のDNAフラグメントで伸
長した。このように生成したセルロース結合ポリヌクレ
オチド及び短いプライマーで、DNAポリメラーゼを用い
てポリヌクレオチドの一部を複製した〔“J.Biol.Ch
em.”,249巻,5213〜5221頁(1974
年)〕。
とりわけ、固定化した核酸フラグメントを酵素による核
酸合成並びに全く一般的にその酵素反応に使用すること
による利点は、固定化した反応生成物が反応に必要な他
の物質及び反応の間に生成した他の物質から簡単に分離
される点に認められる。所望の反応生成物を単離するた
めのこの簡単な可能性に基づいて、酵素及び/又は固定
化されない基質を過剰量で使用することにより、固定化
反応生成物,例えば連鎖伸長された生成物のより高い収
率への平衡移動が達成され、その際に引続いて行ななう
精製はそれによつて著しく困難になることはない。
膨潤性の不溶性ポリサツカリドのようなゲルは固定化さ
れた核酸又は核酸フラグメントの酵素触媒反応に好適な
担体であるが、このような材料は核酸を化学的方法で重
合体の不溶性担体で合成あるいは変化させるには全く好
適ではない。
例えば、一般にヌクレオシド又はヌクレオチドのような
相応する単量体から出発する核酸の化学的合成では、通
常、基本的には伸長化すべき核酸部分の活性化,場合に
よる生成物の単離,新しいヌクレオシド又はヌクレオチ
ドの添加及び縮合及び生成物の単離という工程より成る
サイクルを循環させる。
核酸合成のそのような化学的方法の一部あるいは完全自
動化は固相法の導入により達成された。その際に、伸長
すべき核酸フラグメントは不溶性担体に固定されてい
る。“成長する”核酸部分の固定化により、その都度固
相を単に洗浄することにより所望の反応生成物を精製す
ることができる。可溶性の反応成分を固相と接触させか
つ反応の終結後に洗浄して除去する。
短いDNAフラグメントを化学的に合成するための固相と
して枚葉紙の形(デイスク“disks”)のセルロースを
使用することが記載されている〔R.Frank及びその他
共著,“Nucl.Acids Res.”,11巻,4365〜4
377頁(1983年)〕。しかし紙,セルロース及び
一般にすべてのポリサツカリドは、合成サイクルが妨害
されないように核酸又は核酸フラグメントの固定に必要
ではないすべての反応性基,例えばヒドロキシル基を遮
断しなければならないという基本的な欠点を有する。担
持材料として使われるポリサツカリドの、ヌクレオチド
アンカーとして必要ではないすべての反応性基の完全な
遮断は不可能であり、反応サイクルをなん回も繰り返す
際に例えば亀裂形成によりそのような固体の膨潤性担体
の巨視的構造がしばしば変化し、それ故初めは到達しが
たい反応性基も反応成分にとつて接近し易くなりかつ反
応の経過を妨害したりあるいは副反応を惹起し得るので
なおさらのことである。特に核酸の化学合成に担持材料
として紙を使用する場合には数多くの誤まつた配列が生
じ得る。更に、長時間の薬剤の負荷で紙が持つ不十分な
機械的安定性が機械的な合成において困難をもたらし、
それ故従来は塩基20〜25個より多くの配列は生成さ
れなかつた。
膨潤性担体では反応性媒体に応じて材料の膨潤もしくは
縮化により著しく長い洗浄時間及び反応時間が生じ得
る。更に、拡散性の問題も起り得る。これらの欠点のた
めに、通常は非膨潤性担体を化学反応に、特に核酸又は
核酸フラグメントの合成に使用する。このための常用の
材料はシリカゲルである。シリカゲルは核酸の化学的合
成にしばしば使われる不溶性担体である。この材料は種
々の孔径の広範な分布と不規則な孔構造を有する。
化学的かつまた酵素的反応工程の適用下に二本鎖DNAを
合成するために、孔径1000Åのシリカゲルであるフ
ラクトシル(Fractosil)1000と、デキストラン
直鎖をN,N′−メチレン−ビス(アクリルアミド)で
三元架橋することにより得られる親水性のゲル形成性
の、即ち膨潤性材料であるセフアクリル(Sephacryl)
−500とが、担持材料としてのその適性に関して比
較された〔Z.Hostomsky及びJ.Smrt共著,“Nucleic
Acids Research Symp.Ser.”,18巻,241〜
244頁(1987年)〕。その際に、非膨潤性シリカ
ゲルがゲル形成性担体に比べて酵素反応、連結もしくは
最終核酸の担持材料から遊離を部分的に又は完全に阻害
することが認められた。
それ故、不溶性のポリマー担持材料で核酸又は核酸フラ
グメントを反応させるための化学的方法及び酵素的方法
を組合せて適用するための担持材料に対して、化学的反
応に当つては膨潤性担体の欠点を回避しかつ有利に酵素
反応に使用することのできるという要求が依然として今
日もなお存在する。
発明が解決しようとする課題 本発明の課題は、前記の要件をすべて満たす、核酸又は
核酸フラグメントを固相で酵素的に又は化学的及び酵素
的に反応させるのに好適な担体を開示することであつ
た。
課題を解決するための手段 この課題は、本発明により特許請求の範囲に記載の発明
により解決される。
核酸又は核酸フラグメントの化学的及び酵素的反応のた
めの本発明による担体は、場合により核酸化学で常用の
保護基を有する核酸又は核酸の部分が固定されている、
不溶性で非膨潤性又はほぼ非膨潤性の多孔性重合体より
成り、その際に重合体の孔は一定範囲の規定された大き
さを有する。孔は、一方では酵素が固定された反応すべ
き核酸又は核酸フラグメントに殆んど妨害されずに到達
するぐらい大きくなければならず,また他方ではできる
だけ小さな担持材料でできるだけ多くの核酸分子を変換
し得るように、担体の多数の反応位置を供給する大きな
表面積を有するぐらい孔は小さくなければならない。こ
の点で、一定の大きさ2500〜3000Åの孔を有す
る担体が優れていることが明らかになつた。その際に
“規定された”大きさの最大誤差は記載の数値の±10
%である。
これらの孔径条件を満たしかつその組成によつて、核酸
の化学的及び酵素的反応に必要な薬剤に対して耐性であ
るような重合体が手や又は自動的に実施することのでき
る、例えば核酸の合成のような化学的かつまた酵素的反
応に極めて好適であることが明らかになり予想外であつ
た。特に担体重合体が、酵素反応の媒体としての水溶
液,特に緩衝溶液を中空から排除しない材料であると、
リガーゼによる連結又は例えば制限酵素による核酸又は
核酸フラグメントの切断のような酵素反応が迅速かつ完
全に進行する。
優れた担体重合体として、無機材料,特に主に珪素原子
及び酸素原子より成るものを使用する。
核酸又は核酸フラグメントの化学的反応及び特に酵素的
反応には制御された孔径約3000Åのガラスが特に好
適であることが明らかになつた。
ポリマー担持材料の種類が、核酸又は核酸フラグメント
を変換するための化学的方法と酵素的方法とを組合せて
適用する際の本発明による担体の有利な使用可能性にと
つて決定的である。例えば、核酸連鎖の化学的合成の終
結後にこの核酸を使用した固相から分離しかつ酵素的連
鎖伸長のために他の担持材料を選択する必要がない。損
失の多い分離反応及び結合反応を本発明による担体を用
いて回避することができる。酵素的反応には本発明によ
る担体が特に好適である。
核酸又は核酸フラグメントを様々の方法で担持材料に固
定させることができる。しかしながら、担体が核酸の固
相合成に当つて、不溶性で非膨潤性の多孔性重合体に共
有結合している、場合によっては核酸化学で常用の保護
基を有する核酸フラグメントを含有する場合は特に有利
である。その際に、核酸の化学的合成のために、公知の
ようにたいていの場合相応する核酸の保護されていても
よい単量体から出発するが、オリゴマーを使用すること
もできる。酵素的反応では、しばしば比較的大きな核酸
フラグメントがポリマー担持材料に結合している。しか
し小さな核酸フラグメントの酵素的反応もしばしば全く
同様に可能であることは当然である。
優れた実施形の本発明による担体では核酸フラグメント
はスペーサーを介して重合体に結合している。スーサー
としては多数の物質が挙げられ、当業者が該当する反応
に応じて選択することができる。特に、その選択のため
の視点は、化学的反応かつまた酵素的反応のその都度選
択された反応条件に対する安定性である。化学的核酸合
成法のうち今日最も多く使われるホスフアイト法に関し
ては、場合により核酸化学で常用の保護基を有する反応
させるべき核酸又は核酸の部分がアミノプロピルシリル
−スペーサー を介して担持材料に結合していると特に有利であること
が明らかになった。特に、一般式I: 〔式中ポリマーは、2500Åよりも大きく3000Å
まで,特に約3000Åの制御された孔径を有するガラ
スであり、R及びR′は同じか又は異なつていてよく,
C1 5−アルキル又はポリマーを表わし、かつNukl.は
場合により核酸化学で常用の保護基を有する核酸フラグ
メントを表わす〕の担体が組合せた核酸の化学的及び酵
素的合成に優れていることが判明した。これにより、特
に酵素的反応を有利に実施することができる。
Nukl.により表わされる核酸フラグメントはそれぞれの
ヌクレオチドであつても又は単量体単位2〜100個か
らのオリゴマーであつてもあるいは数百個の単量体単位
を有するより大きな重合体であつてもよい。
核酸フラグメントのNukl.としては、酵素的反応には特
にヌクレオチド6〜30個からのオリゴヌクレオチドが
有効であることが判明した。ヌクレオチド15〜25個
からのオリゴヌクレオチドが特に優れている。
M.J.ジヤイト(Gait)編,T.アトキンソン(Atki
nson)及びM.スミス(Smith)共著,“オリゴヌクレ
オチド・シンシシズ−ア・プラクチカル・アプローチ
(Oligonucletide Synthesis−a practical approa
ch)”,45〜49頁(IRLプレス,オツクスフオー
ド,ワシントンD.C.在,1984年)に記載の方法
と同様にして、そのような全く優れた担体は制御された
孔径ガラス3000Å(CPG 3000,Serva社,西ドイツ
国ハイデルベルク在)のアミノプロピル化及び3′−末
端でp−ニトロフエニルスクシニルにより置換され、場
合により核酸化学で常用の保護基を有する相応する核酸
フラグメントとの反応により製造することができる。ポ
リマー担持材料1g当り核酸又は核酸フラグメント約1
μmol〜30μmolの負荷密度で製造することができる。
負密度5〜11μmolの担体が特に優れている。
本発明の他の目的は、固相法による核酸の合成法であ
り、その際に固相として、孔が主として規定された大き
さ2500〜3000Åを有する不溶性の非膨潤性の多
孔性重合体を使用する。
固相法とは、不均一に進行するすべての核酸の合成法で
あり、即ち場合により核酸化学で常用の保護基を有する
ヌクレオシド又はヌクレオチドのような単量体もしくは
数個の単量体単位より成り、場合により同様に保護され
ている核酸フラグメントである核酸の部分を不溶性担持
材料に固定し、化学的及び酵素的反応により又は酵素的
反応だけにより単量体単位1個以上を伸長しかつ合成の
終結後に最終核酸を場合により固相から分離する。
核酸の化学的合成には、リン酸ジエステル法,リン酸ト
リエステル法及びホスフアイト法が常法であり、その際
に2つの後者の方法及びこのうちの特にホスフアイト法
が核酸の固相合成に有利であることが明らかになつた。
化学的方法により、約60個まで単量体単位からのオリ
ゴヌクレオチドを最も良好に合成することができ,これ
を酵素的方法により既に技術水準の説明に記載したよう
に数百個の単量体単位からの核酸に伸長することができ
る。例えば、常用の酵素はキナーゼ,ポリメラーゼ及び
リガーゼである。固相で最終的に合成された核酸を担持
材料から分離するためにも酵素,例えば制限エンドヌク
レアーゼを使用することができる。
従来、化学的方法工程と酵素的方法工程を含む、場合に
より自動化し得る有効な核酸の合成は、膨潤性固相を使
用する場合は不十分な機械的安定性、長い洗浄−及び反
応時間並びに場合により起る副反応という欠点を甘受
し、あるいは非膨潤性固相を使用する場合は使用した酵
素が場合により阻害され、それ故不完全な反応を甘受す
る場合にのみ可能である。いくつかのこれらの欠点を回
避するために、化学的な合成工程を非膨潤性担持材料上
で及び酵素的合成工程を膨潤性材料上で実施することが
できた。しかし、これは合成の間に担持材料を交換しか
つ損失の多い分離−及び連結反応を実施しなければなら
ないことを意味した。
場合により保護基を有する核酸フラグメントを不溶性で
非膨潤性の多孔性重合体に固定し、この固定化核酸フラ
グメントを他の核酸フラグメントにより伸長しかつ場合
により最終核酸を不溶性重合体から分離するという工程
より成る本発明方法はこれらの欠点を有していない。こ
れは化学的方法と酵素的方法とを組合せた核酸構築に好
適で、極めて有利である。化学的な合成工程と酵素的な
合成工程とを組合せる際に担持材料を交換する必要がな
い。この方法は酵素的な核酸合成には特に好適である。
本発明では担持材料として主に珪素原子及び酸素原子よ
り成る重合体が優れており、これは大きな機械的安定性
並びにその高い永久多孔度及び低い膨潤多孔度により優
れている。特に規定された孔径2500〜3000Åの
ガラスが該当する。特に制御された孔径約3000Åの
ものが、場合により自動化可能な固相法の非膨潤性多孔
性材料として有用である優れた性質を示す。特に、核酸
又は核酸フラグメントの固定化への適性及び固相に結合
したこのような物質の酵素基質としての適性を強調すべ
きである。
核酸フラグメントを実に様々に担持材料に固定すること
ができる。しかし、場合により保護基を有していてもよ
い核酸フラグメントを不溶性の非膨潤性重合体に、殊に
スペーサーを介して共有結合させると有利であり、その
際にスペーサーとしては該当する反応条件に応じて当業
者が選択することのできる多数の物質が該当する。場合
により核酸化学で常用の保護基により保護されていても
よい核酸フラグメントが例えば(C2H5O)3Si-O-(CH2)3-H
2によりアミノプロピルシリル−スペーサー を介して担持材料に結合する場合に特に有利であること
が明らかになつた。この点で前記の一般式Iの担体は本
発明方法に特に好適である。
その際に、酵素による阻害は認められない。これは特に
ポリヌクレオチドキナーゼ,DNA−ポリメラーゼ,RNA−
及びDNA−リガーゼ並び制限エンドヌクレアーゼに該当
する。それ故、本発明方法は固定化された核酸又は核酸
フラグメントの酵素触媒作用反応に特に好適である。そ
のような酵素的反応の例はの通りである: オリゴヌクレオチドフラグメントの酵素的ホスホリル,
例えばT4−ポリヌクレオチドキナーゼによるオリゴデオ
キシチミジレート反応, オリゴヌクレオチドへのDNAフラグメトの連結,例えば
対向鎖フラグメトの存在においてDNAリガーゼによるオ
リゴデオキシチミジレートの連結, 3′−リボ末端を有するDNAフラグメントを固定化オリ
ゴヌクレオチド,例えばオリゴデオキシチミジレートに
RNAリガーゼにより一本鎖結合することにより連鎖伸
長, 固定化RNA−DNA−ハイブリツド鎖を、一般的に使用可能
なプライマーオリゴヌクレオチド、例えばオリゴデオキ
シアデニレートの存在においてクレノウDNAポリメラー
ゼにより複製,又は 固定化オリゴヌクレオチド二本鎖を製限酵素により切
断。
本発明の他の目的は、主に2500〜3000Åの規定
された孔径を有する不溶性で非膨潤性の多孔性重合体を
核酸又は核酸フラグメントを固定化するための担持材料
として使用することであり、特に担体に固定したそのよ
うな化合物を、固相で核酸又は核酸フラグメントを酵素
的に又は化学的及び酵素的に反応させるために使用する
場合である。そのような重合体は核酸を構築するための
合成の自動化に使用するのにも好適である。それという
のも重合体は高い機械的安定性及び交換される試薬及び
溶剤による耐久的な負荷可能性により優れているからで
ある。しかし前記の重合体は酵素的反応の担体として特
に好適である。それというのも反応が妨害されずに進行
するからである。
無機重合体,特に主に珪素原子及び酵素原子より成るも
のが優れている。そのような重合体が規定された大きさ
2500〜3000Åの孔を有すると有利である。制御
された孔径約3000Åを有するガラスは特に有利であ
ることが明らかになつた。
そのような広孔径の非膨潤性重合体は、それが簡単に洗
出可能であり、それ故試薬の過剰分及び溶剤を良好に除
去し得るので化学合成に好適である。更に、本発明によ
る担持材料により、化学的縮合工程で非常に高いほぼ定
量的収率が達成される。
本発明により広孔径の非膨潤性重合体を担持材料で核酸
を構築しあるいは分離するための酵素反応に使用する特
に有利であることが明らかになつた。
実施例 次に本発明を実施例により詳説するが、これによつて限
定されるものではない。
実施例で使用する略語: Tris トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン DTT ジチオトレイトール ATP アデノシン−5′−トリホスフエート EDTA エチレンジアミン−テトラ酢酸 cpm1分間当りの放射カウント数 HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジ
ン−エタンスルホン酸 DMSO ジメチルスルホキシド PEG ポリエチレングリコール TE トリス/EDTA緩衝液 BSA 牛血清アルブミン DMTrdT 5′位でジメトキシトリチル基で置換されたデ
オキシチミジン MSNT 1−(メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−
1,2,4−トリアゾール dNTP デソキシヌクレオシドトリホスフエート TEA トリエチルアミン 例 1 固定化(dT)20オリゴヌクレオチド A) 固定化単量体デオキシチミジンの合成 a) 担持材料コントロールド・ポア・グラス(CPG)
(Serva社,西ドイツ国,ハイデルベルク在) アミノプロピル化: 担持材料のアミノプロピル化はマツテウチ(Matteucc
i)及びカルーサーズ(Caruthers)共著,“J.Amer.
Chem.Soc.”,103巻,3185〜3191頁(1
981年)と同様に行なつた。
バツチ:CPG1400もしくはCPG3000 5g 3−アミノプロピル−トリエトキシシラン 2.6ml トリメチルクロルシラン 3ml CPG1400もしくはCPG3000をトルエン50ml中で
3−アミノプロピル−トリエトキシシランと反応させる
ことにより官能性にする。反応混合物を室温で12時間
振盪し、引続いて18時間還流下に沸騰加熱する。担体
を吸引濾取しかつ1回当り20mlのトルエンで3回,1
回当り20mlのメタノールで3回及び1回当り20mlの
50%−メタノール水溶液で2回洗浄する。CPGを一晩
水性メタノール溶液中で振盪する。液相を分離しかつCP
Gを1回当り20mlのメタノールで2回洗浄する。引続
いてCPGを初めに空気乾燥し、次に真空乾燥する。
ガラスの反応しなかったヒドロキシル基は無水ピリジン
10ml中のトリメチルクロルシランとの反応により遮断
する。懸濁液を一晩振盪し、引続て吸引濾取しかつガラ
スを1回当20mlのメタノールで5回及び1回当り20
mlのジエチルエーテルで3回洗浄する。空中乾燥後にア
ミノプロピル化CPGを真空中で完全乾燥する。
5′−O−DMTr−3′−O−スクシニル−ヌクレオシ
ド: 前記文献記載の方法と同様にして、 DMTrdT 2.5mmol 無水コハク酸 2.0mmol (200mg) 4−N,N−ジメチルアミノ ピリジン(DMAP) 300mg 無水ピリジン 5ml を反応させる。5′−O−DMTrで保護されたデオキシチ
ミジンをピリジン中に溶解し、2回無水化しかつDMAP並
びに無水コハク酸を加える。バツチを室温で12時間撹
拌し、その後で薄層クロマトグラフイにより試験する。
十分な変換率でピリジンを除去しかつ残渣をジクロルメ
タン30ml中に溶解する。このジクロルメタン溶液を氷
冷した10%−水性クエン酸に対して振出し、引続いて
有機相を1回当り15mlの水で2回洗浄する。ジクロル
メタン層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後で、溶液を
回転式蒸発器で濃縮しかつ石油エーテル250ml中で析
出させる。沈殿を吸引濾取しかつ1回当り20mlの石油
エーテルで2回後洗浄する。収率は理論量の90%であ
る。
p−ニトロフエニルエステルの生成: 前記文献記載の方法と同様にして、 3′−O−スクシニル化ヌクレオシド(前記のように製
造) 1mmol ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) 1mmo
l(207mg) 4−ニトロフエノール 1mmol(140mg) 無水ジオキサン 3ml 無水ピリジン 0.2ml を反応させる。5′−O−ジメトキシトリチル−3′−
O−スクシニル−デオキシチミジンをピリジン含有ジオ
キサン溶液中に溶解しかつDCCを添加する。初めは澄明
な溶液から、短時間でジシクロヘキシル尿素が沈殿す
る。2時間の反応後に、反応混合物を薄層クロマトグラ
フイにより試験する。ジシクロヘキシル尿素を濾別しか
つ濾液を直ちに予め調製した担持材料と反応させる。
活性エステルとアミノプロピル化担体との反応: 前記文献と同様にして、 5′−O−DMTr−3′−O−(4− ニトロフエニル)スクシニル− デオキシチミジン 1mmol 担持材料 2.5g 無水ジメチルホルムアミド 8ml 無水トリエチルアミン 1ml 無水酢酸 1ml 無水ピリジン 5ml 4−N,N−ジメチルアミノ ピリジン(DMAP) 50mg を反応させる。アミノプロピル化CPGをジメチルホルム
アミド中に懸濁させる。単量体のニトロフエニル−活性
エステルの溶液を添加し、トリエチルアミンを加えかつ
反応混合物を注意深く振盪する。12時間の反応後に担
体を吸引濾取しかつジメチルホルムアミド,メタノール
及びジエチルエーテルで洗う。空気乾燥後に物質を真空
中で貯蔵する。
未反応アミノ基のマスキングは無水ピリジン中の無水酢
酸との反応により行なう。触媒としてDMAPを加える。3
0分後に担体を吸引濾取し、メタノールで洗い、空中及
び真空中で乾燥する。
b) 担持材料セルロースもしくはセフアロース有機担
持材料を3′−O−スクシニル化ヌクレオシドで負荷: R.フランク(Frank)及びその他共著,“Nucl.Acids
Res.”,11巻,4365〜4377頁(1983
年)と同様にして、 担持材料(ジオキサン中のワット マン濾紙No.3,直径0.9mmもしく はセフアロース4B CL) 2g 3′−O−スクシニル化デオキシチ ミジン 1mmol MSNT 2.08g(7ミリモル) 1−メチルイミダゾール 0.2ml 無水ピリジン 150ml ピリジン 50ml クロロホルム 50ml エーテル 50ml 無水酢酸 20ml 4−N,N−ジメチルアミノピ リジン(DMAP) 1g を反応させる。
担持材料に1回当り約20mlの無水ピリジンを3回加え
かつ無水化する。その後、3′−O−スクシニル化ヌク
レオシド,MSNT及び1−メチルイミダゾールを添加しか
つバツチを室温で3時間振盪する。この間に黒く呈色し
た反応溶液をシユレンク(Schlenk)のフリツト中で殆
んど担持から吸引濾別しかつ担持材料をピリジン,クロ
ロホルム及びエーテルで白色になるまで洗浄しかつ乾燥
させる。未反応のヒドロキシル基を遮断するために、担
体をピリジン80ml,無水酢酸20ml及びDMAP1gから
の混合物40mlと2時間振盪する。その後、材料を再び
ピリジン,クロロホルム及びエーテルで洗いかつ乾燥さ
せる。
c) 担体負荷の測定 担体の単量体負荷はジメトキシトリチル(DMTr)カチオ
ンの色を分光測光法により定量することにより測定す
る。試料1mgを採取し、DMTrカチオンを酸処理により遊
離しかつ498nmで吸光度を測定する。デオキシリボヌ
クレオシド負荷は次式により計算する: E498=7×10cm2mmol-1 次の負荷が測定された: B) CPG(dT20),セルロース−(dT20)及びセフ
アロース−(dT20)の合成 a) CPG(dT20)の合成 前記のA)で製造したデオキシチミジン(3′末端)で
負荷されているCPG材料それぞれ20〜50mgを、緊締
系により固定されかつSAM1−シンセサイザー(Biosear
ch社)と結合している鋼カラム又はカートリツジ中に装
填する。
試薬: 脱トリチル:ジクロルメタン中の3%−トリクロロ酢酸 縮合:R=イソプロピルのDMTrdTpPIII(NR2,Me)無水
アセトニトリル10ml中のテトラゾール350mg無水ア
セトニトリル 酸化:テトラヒドロフラン125ml,水12.5ml及び
ピリジン1ml中の沃素500mg キヤツプ形成:TEA12.5ml,アセトニトリル75ml
及び1−メチル−イミダゾール4ml中の無水酢酸12.
5ml 洗浄工程:無水アセトニトリル 1サイクルの各工程は次のように進行する: 1.脱トリチル: ジクロルメタン中の3%−トリクロロ酢酸を、ジメトキ
シトリチル基を脱離するために2〜3分間担持材料を通
してポンプ供給する。赤色の脱トリチル溶液を試料捕集
器中に取りかつ収率測定のために使うことができる。
2.洗浄: 痕跡量の酸をアセトニトリルで洗うことにより除去す
る。
3.縮合: 活性化可能なヌクレオシド(DMTrdTpIII(NR2,Me),R
=イソプロピル)のうち縮合サイクル1回当り50mgを
濃度50mg/mlで貯蔵容器中へ予め装入し、その容器か
ら縮合サイクルの間にテトラゾール溶液と混合して該単
量体を1分間でカラム中をポンプで通す。引続いて、反
応性単量体を収率の改良に当り8分間チユーブを介して
カラムをポンプ循環させる。
4.洗浄: 過剰量で使用した反応成分をアセトニトリルで数分間洗
浄することにより除去する。
5.酸化: 沃素溶液を2分間カラム中をポンプ循環することにより
亜リン酸トリエステルの3価のリンが5価のリンに酸化
される。
6.洗浄: 酸化溶液をアセトニトリルで洗うことにより除去する。
7.キヤツプ形成(未反応ヒドロキシル基のマスキン
グ): キヤツプ形成溶液を2分間担持材料中をポンプ供給す
る。
8.洗浄: キヤツプ形成溶液を、アセトニトリルで洗うことにより
反応混合物から除去する。
SAMシンセサイザー中での合成サイクルの進行には約2
5分間を要する。
b) セルロース−(dT20)及びセフアロース(dT)20
の合成 セルロース及びセフアロース材料ではa)に挙げた洗浄
工程を約2倍の時間に延長した(一般に2〜3分間を約
5分間に)。脱トリチル後に、アセトニトリルで洗浄す
る前にジクロルメタンによる付加的な洗浄工程が必要で
あり、これにより担持材料中に存在する痕跡量の酸を完
全に除去することができる(ジクロルメタンで2分間洗
浄)。
c) 負荷密度 SAM I合成装置中で種々の担持材料を用いて(dT20)−
オリゴヌクレオチドを製造すると次のように負荷され
た: 保護基(DMTr及びメトキシ)の脱離後、オリゴヌクレオ
チド固相に残りかつ試薬及び有機溶剤の除去後に酵素反
応に使用するまで乾燥しかつ冷蔵庫に保存した。
d) 保護基の脱離 DMTr保護基の脱離 合成する際に、DMTr基を塩化メチレン中の2%−トリク
ロロ酢酸を用いて2分間でもしくは塩化メチレン中の3
%−ジクロロ酢酸を用いて3分間で脱離する。生成物を
アフイニテイクロマトグラフイ処理せずに精製する場合
は、合成装置中で直ちにオリゴヌクレオチドの脱トリチ
ルを行なう。アフイニテイクロマトグラフイ精製後で
は、オリゴヌクレオチドからのDMTr保護基の脱離は80
%−酢酸を用いて30分間処理することにより行なう。
凍結乾燥後に水を2回添加し、かつ改めて凍結乾燥す
る。DMTr基をエーテルで抽出しかつ生成物を蒸発濃縮す
る。
ホスフエートのメトキシ基の脱離: メトキシ基の脱離は、チオフエノール/TEA/ジオキサ
ン=1:2:2からの新しく調製した溶液で担体を45
分間処理することにより行なう。引続いて液相を分離し
かつ担体をメタノール1mlで3回及びジエチルエーテル
1mlで3回洗浄する。
担体に結合したオリゴチミジレートの化学合成の代り
に、担体に結合したオリゴヌクレオチドを混合塩基組成
により合成することも可能である。
例 2 固定化(dT)20オリゴヌクレオチドの酵素的5′−ホスホ
リル化 例1からの(PG3000−(dT20)100μg(約50
0pmol,5′−OH末端1nmol)にキナーゼ緩衝液(40
0mMトリス−塩察緩衝液pH7.6,100mM塩化マグネシ
ウム,10mMDTT,50%−グリセリン)1μ,γ−
32P−ATP1μ並びに100μM冷ATP溶液1μ,T
4−ポリヌクレオチドキナーゼ1μを加えかつ再蒸留
した水を装入して全容量10μにする。反応混合物を
15分間37℃で恒温保持する。引続いて遊離5′−ヒ
ドロキシル基の定量的ホスホリル化に当り1mM ATP1
μを添加し、更に37℃で15分間反応させる。反応
の終結は反応溶液10μ当り250mM EDTA溶液1μ
の添加により行なう。
反応バツチ: 次に、未結合の反応成分及び緩衝液を除去するために、
担体を1回当り0.1Mリン酸水素二カリウム溶液500
μで5回洗浄する。洗浄効率はチエレンコフ測定によ
り試験する。担体に残留した残留放射能量はこの方法で
8×10〜2.4×10cpmである。32 Pは半減期14日間で壊変する。チエレンコフ測定に
より1分間当りの壊変(cpm)を測定する。これは通常
のシンチレーシヨン計数器で行なう。放射能量8×10
〜2.4×10cpmにより、担持材料に固定されたオリ
ゴヌクレオチド中の放射性ホスフエートの量を確定する
ことができる。引続き、“冷い”ATPの添加により完全
にホスホリル化されるので、放射能量により、キナーゼ
反応が行なわれたかのかどうか、あるいは担体中の何ら
かの汚染により又は塩によりもしくはオリゴヌクレオチ
ドの不純性により妨害されたかどうかが明らかである。
高い放射能量が有利である。それというのもオリゴヌク
レオチドを長時間にわたつて可視化することができるか
らである。担体/オリゴヌクレオチドに対するキナーゼ
による作用がすべての他の酵素触媒作用反応の前提であ
る。
担体を多量に(500μg〜1mg)に使用する場合、全
容量40μで作業し、初期ATP濃度はは100μMで
あり、15分後には10mMATP溶液1μを加える。反
応温度及び反応時間は同じである。
CPG結合のオリゴチミジレートの代りに、CPG3000に
結合した。混合塩基組成を有するオリゴヌクレオチドを
酵素的にホスホリル化することもできる。
例 3 DNAリガーゼによる固定化DNAフラグメントの酵素的結合 例2からのCPG3000に共有結合した、5′末端でホ
スホリル化されたオリゴチミジレートを初めに水15μ
及びDNAリガーゼ/緩衝液(760mMトリス/塩酸−
緩衝液,pH7.6,10mM塩化マグネシウム,1mMATP)2
μ中でオリゴアデニレート及び3′末端としてオリゴ
チミジレートを有する固定化されていない他のオリゴヌ
クレオチドと一緒に100℃に3分間加熱しかつ続いて
室温に徐冷することにより雑種形成する。1mM ATP1μ
及びDNAリガーゼ2μを加えかつ反応混合物を20
℃で2〜24時間恒温保持する。
反応バツチ: 収率を測定するために、試料を採取し(懸濁液2μ
)、30分間のアンモニア処理により担体から分離し
かつ凍結乾燥させる。引続いて、10〜20%変性ポリ
アクリルアミドゲル、0.4mmでゲル電気泳動を行ない、
オートラジオグラムの作成後生成物バンドを切断しかつ
0.5M酢酸アンモニウム,1mM ATPでゲル溶離して、チ
エレンコフ比較測定により変換率を確定する。
CPG結合した、5′末端ホスホリル化オリゴチミジレー
トの代りに、CPG3000に結合した、混合塩基組成を
有する5′末端ホスホリル化オリゴヌクレオチドをDNA
リガーゼにより好適なオリゴヌクレオチドと連結するこ
ともできる。
例 4 固定化DNAフラグメントとリボ末端を有するデオキシオ
リゴヌクレオチドとのRNAリガーゼによる酵素的連結 使用するすべての緩衝液及び溶液を初めにオートクレー
ブにかけ、滅菌濾過する。
例2からの固定化した5′末端ホスホリル化エイコサチ
ミジレート100μgに、3′−リボ末端を有するデオ
キシオリゴヌクレオチドを加えかつ凍結乾燥する。引続
いて100μMATP溶液15μ、10mMスペルミン4
μ,100mM塩化マグネシウム溶液4μ及び100
mMDTT溶液4μを添加しかつ凍結乾燥させる。500m
M HEPES2μ及びDMSO3μを加え、短時間振盪さ
せ、その後40%ポリエチレングリコール溶液10μ
並びにRNAリガーゼ5μを装填する。反応混合物を室
温で48時間恒温保持する。
反応バツチ: 実施した反応: 反応後に、担体を1回当り500μのTE(10mMトリ
ス/塩酸−緩衝液,pH7.5,2.5mM EDTA)で3回
洗浄し、試料を採取し、アンモニア処理によりり担体か
ら分離しかつ10〜20%のポリアクリルアミドゲルで
ゲル電気泳動により分離する。例3のDNAリガーゼ反応
法と同様にしてゲル溶離後の収率をチエレンコフ比較測
定により測定する。
初めのRNAリガーゼ反応後に他のRNAリガーゼ反応を実施
する場合、初めにヒドロキシル末端を有するDNA末端の
定量的ホスホリル化を行なわなければならない。このた
めに、RNAリガーゼ反応からの試薬を除去するために担
体をフエノール化すべきである: −フエノール500μの添加,30秒間混合,1分間
遠心分離,フエノール相の除去; −フエノール/クロロホルム=1:1 500μの添
加,30秒間混合,1分間遠心分離,有機相の除去; −イソアミルアルコール/クロロホルム=1:25 5
00μの添加,30秒間混合,1分間遠心分離,有機
相の除去,短時間蒸発。
次いで改めてT4−ポリヌクレオチドキナーゼによりホ
スホリル化することにより、担体の放射能は再度1〜2
×10cpmでありかつ5′末端はホスホリル化されて
いる。引続いて実施したRNAリガーゼによる他の一本鎖
結合により、固定されたオリゴマーとしてオリゴヌクレ
オチド(dT)20P及びdT20(dN)48Apを含有する担体試料1
0の例では次の反応が行なわれる: 例 5 固定化オリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼ(クレノ
ウフラグメント)により複製一般に使用可能なプライマ
ーオリゴヌクレオチド(dA)10 18を再蒸留水16μ及
びニツクトランスレーシヨン緩衝液(500mMトリス/
塩酸−緩衝液,pH7.2,100mM硫酸マグネシウム,
1mM DTT,500μg/mlBSA)3μ中で例1からの
固定化エイコサチミジレートで雑種形成する。そのため
に、100℃に3分間加熱しかつ注意深く室温に冷却さ
せる。10mMデオキヌクレオシドトリホスフエート5μ
(その都度2.5mM dATP,dGTP,dCTP及びdTTPを含
む)及びα−32P−dATP3μ並びにDNAポリメラーゼ
のクレノウフラグメント3μの添加後、担体に固定さ
せたオリゴヌクレオチドの複製を開始する。
反応バツチ: 行なわれた反応: a) (dA)16200pmolをクレノウポリメラーゼ2μの
存在において例4からのCPG3000−dT20−rA(dA
2T7)に雑種形成して伸長する。その反応の結果の測定
は1回当り500μのTE(10mMトリス/HCl−緩衝
液,0.25mMEDTA,pH8.0)で5回洗浄した後でチエレ
ンコフ比較測定により行なう: 複製前の担体(cpm):41400 複製後の担体(cpm):243850 変性後の担体(cpm):52570 変性後の上澄み(cpm):184330 b) オリゴヌクレオチドプライマーとして、例5a)
からの変性後の上澄からのオリゴアデノシン生成物約1
nmol(O.D.0.25)及びクレノウボリメラーゼ15μを
例5a)と同様にして使用する。
複製結果はゲル電気泳動により測定する。2つの試料A
及びBを測定する: A:担体試料のアンモニア処理後のバンド結果:均一な
配列約14mer〜30mer 20mer及び30merは強力な
バンドを示す B:担体変性後のバンド(上澄みのみ) 結果:均一な配列約14mer〜30mer 例 6 担体からオリゴヌクレオチド二本鎖を切断するための制
限酵素の使用 例5からのクレノウ反応後のCPG3000−dT20−rA(dA
2T7)を使用する。
バツチを全容量20μで実施する。例5からの担体試
料約25μg(DNA/ポリメラーゼ反応からのバツチの1
/4)に水16μを加え、低塩(Low-salt)制限エンド
ヌクレアーゼ緩衝液(10mMトリス/塩酸緩衝液,pH7.
5,10mM塩化マグネシウム,1mM DTT)2μ及びEco
RI2μを添加する。このバツチを37℃で1時間恒温
保持する。
反応バツチ: 切断の結果は、試料を担体から切断しかつキナーゼ処理
した後で試料を分けて、ゲル電気泳動により試験する。
第1試料分は熱変性し、第2試料分は直ちにアンモニア
処理により切断する(固定化配列並びに雑種形成により
結合した配列を含有する)。切断したオリゴヌクレオチ
ドからセフアデツクスG50−カラム(パスツールピペ
ット)を介して溶離剤として再蒸留水,pH8を用いて脱
塩する。完全容量で溶離した試料を凍結乾燥しかつ溶液
中のオリゴヌクレオチドに関して記載した方法によりホ
スホリル化する。切断結果を試験するにはポリアクリル
アミドゲルを使用する。
すべてが使用した30merよりも短い生成物が得られ
る。制限酵素の妨害は認められない。
例 7 DNAフラグメントをDNAリガーゼを用いて膨潤性担体に結
合しているオリゴヌクレオチドに連結 反応バツチ: 記載した収率は放射性標識した、担体のオリゴヌクレオ
チドの変換率に関してである。
使用した3種の担持材料はT4−PN−キナーゼによる
処理及びDNAリガーゼ反応の際に比較することができ
る。しかしながら両方の膨潤性担体は、使用した反応成
分(使用した放射性標識したATPを洗出する際に明瞭に
見える)から分離するのに非常に困難であつた。長い洗
浄工程後でもゲル電気泳動の際に非共有結合の放射性ホ
スフエート分が存在していた。
DNAリガーゼ反応の際に、3種の担体で収率を比較する
ことができた。しかしCPG3000を使つた化学合成は
良好であるので、CPG3000での所望の連結生成物(d
T)30の収率は明らかに良好である。
セルロース製の濾板は化学合成の際に、担持材料の機械
的負荷により新しいヒドロキシル基が発生して短い連鎖
長の配列が形成されるという問題を有する。これはトリ
チル色の増強により認められる。
最も問題なのはセフアロースCLでの化学合成である。
担体が著しく膨潤性であるので、反応工程の間の洗浄工
程を著しく長時間にわたつて行なわなければならない。
合成の自動化を実施するのは非常に困難である。更に、
セルロースの場合と同様にトリチル色の増強が認めら
れ、それ故、最終生成物が著しく強く生じていても、こ
の場合にも相同の生成物列が生じる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 欧州公用35719(EP,A) Tetrahedron Letter s,24巻8号 747−750頁(1983)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核酸又は核酸フラグメントを固相で酵素的
    に又は化学的及び酵素的に反応させるために使用され
    る、核酸化学で常用の保護基を有していてもよい核酸又
    は核酸フラグメント1個又は数個が直接又はスペーサー
    を介して固定している不溶性で非膨潤性の多孔性重合体
    より成る担体において、多孔性重合体の孔が基本的に一
    定の大きさ2500〜3000Åを有することを特徴と
    する前記担体。
  2. 【請求項2】多孔性重合体が主にSi原子及び酸素原子
    より構成されている請求項1記載の担体。
  3. 【請求項3】保護基を有していてもよい核酸フラグメン
    トが多孔性重合体に共有的に固定されている請求項1か
    ら2までのいずれか1項記載の担体。
  4. 【請求項4】保護基を有していてもよい核酸フラグメン
    トがアミノプロピルシリルスペーサー: を介して多孔性重合体に固定されている請求項3記載の
    担体。
  5. 【請求項5】保護基を有していてもよい核酸フラグメン
    トを不溶性で非膨潤性の多孔性重合体に固定し、この固
    定化核酸フラグメントを他の核酸フラグメントで伸長
    し、かつ最後に生成核酸を不溶性重合体から分離しても
    よく、このようにして、核酸を酵素的に又は化学的及び
    酵素的に固相合成する方法において、多孔性重合体とし
    てその孔が基本的に規定された大きさ2500〜300
    0Åであるものを使用することを特徴とする核酸の固相
    合成法。
  6. 【請求項6】重合体として、2500Å〜3000Åの
    規定された孔径を有するガラスを使用する請求項5記載
    の方法。
JP1012052A 1988-01-23 1989-01-23 核酸又は核酸フラグメントを固相で酵素的に又は化学的及び酵素的に反応させるための担体及び核酸の固相合成法 Expired - Lifetime JPH0631310B2 (ja)

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TetrahedronLetters,24巻8号747−750頁(1983)

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