JPH06312975A - アブシジン酸の単離方法 - Google Patents
アブシジン酸の単離方法Info
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- JPH06312975A JPH06312975A JP10448993A JP10448993A JPH06312975A JP H06312975 A JPH06312975 A JP H06312975A JP 10448993 A JP10448993 A JP 10448993A JP 10448993 A JP10448993 A JP 10448993A JP H06312975 A JPH06312975 A JP H06312975A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 アブシジン酸を含む水溶液に、水と混合しな
い有機溶媒と接触させ、前記水溶液から前記アブシジン
酸を有機溶媒に移行せしめる抽出工程、抽出工程で分離
された前記アブシジン酸を含む有機層を、アルカリ水溶
液と接触させ、前記有機層から前記アブシジン酸を前記
アルカリ水溶液に移行せしめる逆抽出工程、逆抽出工程
で前記アブシジン酸を逆抽出された有機層を抽出工程に
リサイクルする工程および逆抽出工程で分離された前記
アブシジン酸を含むアルカリ水溶液から前記アブシジン
酸を単離する工程、からなることを特徴とするアブシジ
ン酸の単離方法。 【効果】 有機溶媒の使用量を少なく、かつ、その有機
溶媒で抽出された有機層を濃縮することなしにアブシジ
ン酸を含む希薄溶液から効率よく、選択的に高収率でア
ブシジン酸を単離できる。また、単離されたアブシジン
酸はその後の精製負荷を下げ工業的に安価な高純度AB
Aを得ることが可能である。
い有機溶媒と接触させ、前記水溶液から前記アブシジン
酸を有機溶媒に移行せしめる抽出工程、抽出工程で分離
された前記アブシジン酸を含む有機層を、アルカリ水溶
液と接触させ、前記有機層から前記アブシジン酸を前記
アルカリ水溶液に移行せしめる逆抽出工程、逆抽出工程
で前記アブシジン酸を逆抽出された有機層を抽出工程に
リサイクルする工程および逆抽出工程で分離された前記
アブシジン酸を含むアルカリ水溶液から前記アブシジン
酸を単離する工程、からなることを特徴とするアブシジ
ン酸の単離方法。 【効果】 有機溶媒の使用量を少なく、かつ、その有機
溶媒で抽出された有機層を濃縮することなしにアブシジ
ン酸を含む希薄溶液から効率よく、選択的に高収率でア
ブシジン酸を単離できる。また、単離されたアブシジン
酸はその後の精製負荷を下げ工業的に安価な高純度AB
Aを得ることが可能である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアブシジン酸(以下、A
BAと略記する)の単離方法に関する。
BAと略記する)の単離方法に関する。
【0002】ABAは天然型植物ホルモンとして重要な
化合物であり、広い用途が期待されている。
化合物であり、広い用途が期待されている。
【0003】
【従来の技術】従来醗酵法によるABAは、セルコスポ
ラ・ロシコラおよびボトリチス・シネレアによる液体培
養および固体培養で生成し、得た培養液および培養物か
ら有機溶媒で抽出し、その抽出液を濃縮する方法(特公
昭60−6629号公報、特公昭61−35838号公
報)、また、得た培養液をイオン交換樹脂および吸着樹
脂に通液したあと、溶媒で溶出しその溶出液を濃縮する
方法(特公平3−6139号公報)などで単離する方法
が知られている。
ラ・ロシコラおよびボトリチス・シネレアによる液体培
養および固体培養で生成し、得た培養液および培養物か
ら有機溶媒で抽出し、その抽出液を濃縮する方法(特公
昭60−6629号公報、特公昭61−35838号公
報)、また、得た培養液をイオン交換樹脂および吸着樹
脂に通液したあと、溶媒で溶出しその溶出液を濃縮する
方法(特公平3−6139号公報)などで単離する方法
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者法は多量
の溶媒を使用し、かつ、その多量の抽出液を濃縮しなけ
ればならず煩雑である。また。後者法は多量の樹脂およ
び多量の溶出溶媒を使用し、かつ、その多量の溶出液を
濃縮するなど煩雑であり、いずれの方法もABAの工業
的な生産に適さない。
の溶媒を使用し、かつ、その多量の抽出液を濃縮しなけ
ればならず煩雑である。また。後者法は多量の樹脂およ
び多量の溶出溶媒を使用し、かつ、その多量の溶出液を
濃縮するなど煩雑であり、いずれの方法もABAの工業
的な生産に適さない。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
ABAを含む水溶液からABAを効率よく選択的に高収
率で単離する方法を鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。
ABAを含む水溶液からABAを効率よく選択的に高収
率で単離する方法を鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。
【0006】すなわち、本発明は(i)ABAを含む水
溶液を、水と混合しない有機溶媒と接触させ、前記水溶
液から前記ABAを有機溶媒に移行せしめる抽出工程、
(ii)(i)抽出工程で分離された前記ABAを含む
有機層を、アルカリ水溶液と接触させ、前記有機層から
前記ABAを前記アルカリ水溶液に移行せしめる逆抽出
工程、(iii)(ii)逆抽出工程で前記ABAを逆
抽出された有機層を(i)抽出工程にリサイクルする工
程、(iv)(ii)逆抽出工程で分離された前記AB
Aを含むアルカリ水溶液から前記ABAを単離する工
程、からなることを特徴とするABAの単離方法であ
る。
溶液を、水と混合しない有機溶媒と接触させ、前記水溶
液から前記ABAを有機溶媒に移行せしめる抽出工程、
(ii)(i)抽出工程で分離された前記ABAを含む
有機層を、アルカリ水溶液と接触させ、前記有機層から
前記ABAを前記アルカリ水溶液に移行せしめる逆抽出
工程、(iii)(ii)逆抽出工程で前記ABAを逆
抽出された有機層を(i)抽出工程にリサイクルする工
程、(iv)(ii)逆抽出工程で分離された前記AB
Aを含むアルカリ水溶液から前記ABAを単離する工
程、からなることを特徴とするABAの単離方法であ
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明では、まず、(i)ABAを含む水
溶液を、水と混合しない有機溶媒と接触させ、前記水溶
液から前記ABAを有機溶媒に移行せしめる抽出工程に
供する。
溶液を、水と混合しない有機溶媒と接触させ、前記水溶
液から前記ABAを有機溶媒に移行せしめる抽出工程に
供する。
【0009】本発明で使用するABAを含む水溶液は、
特に限定されない。
特に限定されない。
【0010】たとえば、ABAを生産することのできる
微生物を用いて培養された液体培養液および固体培養物
を熱水抽出した固体培養抽出水溶液などが挙げられる。
液体培養液を用いる場合は特に菌体を除去しなくても使
用できる。水溶液中のABA濃度は0.001〜5%が
好ましい。また、水溶液中のpHは通常1〜5であり、
2〜4が特に好ましい。
微生物を用いて培養された液体培養液および固体培養物
を熱水抽出した固体培養抽出水溶液などが挙げられる。
液体培養液を用いる場合は特に菌体を除去しなくても使
用できる。水溶液中のABA濃度は0.001〜5%が
好ましい。また、水溶液中のpHは通常1〜5であり、
2〜4が特に好ましい。
【0011】水を混合しない有機溶媒は特に限定されな
いが、水と分離しABAを溶かす有機溶媒の中から選ば
れる。たとえば、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエ
ステル類、n−ブタノール、シクロヘキサノールなどの
アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、エチルイソ
プロピルエーテルなどのエーテル類、クロロホルム、ジ
クロロエタンなどのハロゲン化炭化水素などで、それぞ
れ単独もしくは2種以上混合して用いられる。その溶媒
量は特に限定されないが、ABAを含む水溶液の重量に
対して通常0.1〜3倍、本発明を特に効果的に実施す
るためには0.1〜1倍が使用される。ABAを含む水
溶液と有機層との接触方法は任意であり、バッチ法であ
っても連続法であってもよい。
いが、水と分離しABAを溶かす有機溶媒の中から選ば
れる。たとえば、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエ
ステル類、n−ブタノール、シクロヘキサノールなどの
アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、エチルイソ
プロピルエーテルなどのエーテル類、クロロホルム、ジ
クロロエタンなどのハロゲン化炭化水素などで、それぞ
れ単独もしくは2種以上混合して用いられる。その溶媒
量は特に限定されないが、ABAを含む水溶液の重量に
対して通常0.1〜3倍、本発明を特に効果的に実施す
るためには0.1〜1倍が使用される。ABAを含む水
溶液と有機層との接触方法は任意であり、バッチ法であ
っても連続法であってもよい。
【0012】かくしてABAを含む水溶液からABAを
有機溶媒に移行せしめる。
有機溶媒に移行せしめる。
【0013】次に、本発明では、(ii)(i)抽出工
程で分離されたABAを含む有機層を、アルカリ水溶液
と接触させ、有機層からABAをアルカリ水溶液に移行
せしめる逆抽出工程に供する。
程で分離されたABAを含む有機層を、アルカリ水溶液
と接触させ、有機層からABAをアルカリ水溶液に移行
せしめる逆抽出工程に供する。
【0014】アルカリ水溶液としては、特に限定されな
いが、たとえば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
の水酸化物の水溶液が挙げられ、好ましくはアルカリ金
属の水酸化物またはアルカリ金属の炭酸塩で、単独もし
くは2種以上混合して用いられそれを水に溶かしたもの
である。その濃度は特に限定されないが0.1〜30%
が好ましい。アルカリ層は通常pH7〜12、好ましく
は9〜11の範囲に保たれるようにABAを含む有機層
と接触させる。接触方法は任意であり、バッチ法であっ
ても連続法であってもよい。
いが、たとえば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
の水酸化物の水溶液が挙げられ、好ましくはアルカリ金
属の水酸化物またはアルカリ金属の炭酸塩で、単独もし
くは2種以上混合して用いられそれを水に溶かしたもの
である。その濃度は特に限定されないが0.1〜30%
が好ましい。アルカリ層は通常pH7〜12、好ましく
は9〜11の範囲に保たれるようにABAを含む有機層
と接触させる。接触方法は任意であり、バッチ法であっ
ても連続法であってもよい。
【0015】かくしてABAを有機層からアルカリ水溶
液に移行せしめる。
液に移行せしめる。
【0016】さらに、本発明では、(iii)(ii)
逆抽出工程で前記ABAを逆抽出された有機層を(i)
抽出工程にリサイクルする工程に供する。
逆抽出工程で前記ABAを逆抽出された有機層を(i)
抽出工程にリサイクルする工程に供する。
【0017】(ii)逆抽出工程でABAを逆抽出され
た有機層は前述の(i)抽出工程にリサイクルされ、そ
のまま使用できる。
た有機層は前述の(i)抽出工程にリサイクルされ、そ
のまま使用できる。
【0018】一方、本発明では、(iv)(ii)逆抽
出工程で分離された前記ABAを含むアルカリ水溶液か
ら前記ABAを単離する工程に供する。逆抽出工程で分
離されたABAを含むアルカリ水溶液からABAを単離
する方法は特に限定されない。たとえば、酸析晶析法、
有機溶媒で抽出した後、晶析させる方法などが挙げられ
る。
出工程で分離された前記ABAを含むアルカリ水溶液か
ら前記ABAを単離する工程に供する。逆抽出工程で分
離されたABAを含むアルカリ水溶液からABAを単離
する方法は特に限定されない。たとえば、酸析晶析法、
有機溶媒で抽出した後、晶析させる方法などが挙げられ
る。
【0019】酸析晶析法を用いる場合には、酸として塩
酸、硫酸などの鉱酸やギ酸、酢酸、メタンスルホン酸な
どの有機酸が使用できる。その酸でABAを含むアルカ
リ水溶液をpH2〜3まで中和する。
酸、硫酸などの鉱酸やギ酸、酢酸、メタンスルホン酸な
どの有機酸が使用できる。その酸でABAを含むアルカ
リ水溶液をpH2〜3まで中和する。
【0020】かくして析出したABAは濾過分離もしく
は遠心分離で単離できる。単離したABAは既知の晶析
精製方法で、つまり、有機溶媒で均一液としたあと、そ
の均一液を冷却したり、あるいは濃縮したりしてABA
を結晶化させ、高純度品にできる。
は遠心分離で単離できる。単離したABAは既知の晶析
精製方法で、つまり、有機溶媒で均一液としたあと、そ
の均一液を冷却したり、あるいは濃縮したりしてABA
を結晶化させ、高純度品にできる。
【0021】(i)抽出工程の抽出槽および(ii)逆
抽出工程の逆抽出槽は特に限定されないが、一般の抽出
槽および抽出塔あるいは培養槽が使用される。その抽出
槽および逆抽出槽の撹拌は、槽の型にもよるが100〜
1,000rpm の回転数が好ましい。また、その抽出槽
および逆抽出槽の温度は、特に限定されないが、0〜5
0℃で管理されるのが好ましい。
抽出工程の逆抽出槽は特に限定されないが、一般の抽出
槽および抽出塔あるいは培養槽が使用される。その抽出
槽および逆抽出槽の撹拌は、槽の型にもよるが100〜
1,000rpm の回転数が好ましい。また、その抽出槽
および逆抽出槽の温度は、特に限定されないが、0〜5
0℃で管理されるのが好ましい。
【0022】以下、本発明の一実施態様を図1のフロー
に従って説明する。
に従って説明する。
【0023】抽出工程の(1)の抽出槽でABAを含む
水溶液に水と混合しない有機溶媒を接触させる。(2)
のポンプで(1)の抽出槽のABAを含む有機層を逆抽
出工程のアルカリ水溶液が入った(3)の逆抽出槽に供
給し、アルカリ水溶液とABAを含む有機層を接触させ
る。(4)のポンプで(3)の逆抽出槽のABAを逆抽
出された有機層を抽出工程の(1)の抽出槽に循環させ
る。(5)のポンプで(3)の逆抽出槽のABAを含む
アルカリ水溶液を単離工程に供給し、ABAを単離す
る。
水溶液に水と混合しない有機溶媒を接触させる。(2)
のポンプで(1)の抽出槽のABAを含む有機層を逆抽
出工程のアルカリ水溶液が入った(3)の逆抽出槽に供
給し、アルカリ水溶液とABAを含む有機層を接触させ
る。(4)のポンプで(3)の逆抽出槽のABAを逆抽
出された有機層を抽出工程の(1)の抽出槽に循環させ
る。(5)のポンプで(3)の逆抽出槽のABAを含む
アルカリ水溶液を単離工程に供給し、ABAを単離す
る。
【0024】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に示す。
【0025】実施例1 グルコース4%、酵母エキス0.3%、燐酸1カリウム
0.2%、塩化カリウム0.1%、硫酸マグネシウム水
和物0.02%、ポリオキシエチレンモノステアリン酸
ソルビタン0.01%からなる液体培地を500ml容バ
ッフル付きフラスコ5本に50mlずつ加え、120℃1
5分加圧蒸気滅菌した。これにボトリチス・シネレアF
ERM P−6156の前培養菌液を4%ずつ植菌し、
回転数180rpm 、振幅7cmで、25℃7日間培養し、
ABA濃度0.05%の培養液を得た。
0.2%、塩化カリウム0.1%、硫酸マグネシウム水
和物0.02%、ポリオキシエチレンモノステアリン酸
ソルビタン0.01%からなる液体培地を500ml容バ
ッフル付きフラスコ5本に50mlずつ加え、120℃1
5分加圧蒸気滅菌した。これにボトリチス・シネレアF
ERM P−6156の前培養菌液を4%ずつ植菌し、
回転数180rpm 、振幅7cmで、25℃7日間培養し、
ABA濃度0.05%の培養液を得た。
【0026】3リットルジャーファーメンターにこの培
養液1,000gとメチルイソブチルケトン溶媒500
mlを仕込み、室温下300rpm で撹拌した。このジャー
ファーメンターの上澄液のABAを抽出したメチルイソ
ブチルケトン層を15ml/min速度の定量ポンプで1/1
0規定NaOH10ml入り回転子が回っている100ml
の容器に供給した。
養液1,000gとメチルイソブチルケトン溶媒500
mlを仕込み、室温下300rpm で撹拌した。このジャー
ファーメンターの上澄液のABAを抽出したメチルイソ
ブチルケトン層を15ml/min速度の定量ポンプで1/1
0規定NaOH10ml入り回転子が回っている100ml
の容器に供給した。
【0027】このABAを抽出したメチルイソブチルケ
トン層が供給され1/10規定NaOHにABAを逆抽
出された100ml容器の上澄液のメチルイソブチルケト
ン層を約15ml/min 速度の定量ポンプでジャーファー
メンターにリサイクルした。この操作を7時間行った。
この間1/10規定NaOHの入っている容器のpHを
測定しpHが約10になるように1/10規定NaOH
を補給した。
トン層が供給され1/10規定NaOHにABAを逆抽
出された100ml容器の上澄液のメチルイソブチルケト
ン層を約15ml/min 速度の定量ポンプでジャーファー
メンターにリサイクルした。この操作を7時間行った。
この間1/10規定NaOHの入っている容器のpHを
測定しpHが約10になるように1/10規定NaOH
を補給した。
【0028】得られたNaOH水溶液は26.2gで、
そのABA濃度は1.8%で36倍に濃縮された。さら
に、このNaOH水溶液をpH2.5まで硫酸で中和
し、析出物を濾過分離、減圧乾燥し、純度78.1%の
ABAを0.54gを得た。
そのABA濃度は1.8%で36倍に濃縮された。さら
に、このNaOH水溶液をpH2.5まで硫酸で中和
し、析出物を濾過分離、減圧乾燥し、純度78.1%の
ABAを0.54gを得た。
【0029】実施例2 実施例1のメチルイソブチルケトン溶媒500mlの代り
に実施例1でABAを逆抽出されたメチルイソブチルケ
トン層480mlを再使用した以外は実施例1と同じ方法
で行った。このとき得られたNaOH水溶液は26.8
gで、そのABA濃度は1.8%で36倍に濃縮され
た。さらに、このNaOH水溶液を実施例1と同じよう
に処理し、純度77.8%のABAを0.55g得た。
に実施例1でABAを逆抽出されたメチルイソブチルケ
トン層480mlを再使用した以外は実施例1と同じ方法
で行った。このとき得られたNaOH水溶液は26.8
gで、そのABA濃度は1.8%で36倍に濃縮され
た。さらに、このNaOH水溶液を実施例1と同じよう
に処理し、純度77.8%のABAを0.55g得た。
【0030】実施例3 実施例1の培養液の代りに実施例1で得た培養液にAB
Aを4.5g添加した培養液1,000gを、また、メ
チルイソブチルケトン溶媒500mlの代りに実施例2で
ABAを逆抽出されたメチルイソブチルケトン層480
mlを、また、1/10規定NaOHの代りに1規定Na
OH水溶液を使用した以外は実施例1と同じ方法で行っ
た。このとき得られたNaOH水溶液は30.4gで、
そのABA濃度は16.2%で32倍に濃縮された。さ
らにこのNaOH水溶液を実施例1と同じように処理
し、純度95.3%のABA5.10gを得た。
Aを4.5g添加した培養液1,000gを、また、メ
チルイソブチルケトン溶媒500mlの代りに実施例2で
ABAを逆抽出されたメチルイソブチルケトン層480
mlを、また、1/10規定NaOHの代りに1規定Na
OH水溶液を使用した以外は実施例1と同じ方法で行っ
た。このとき得られたNaOH水溶液は30.4gで、
そのABA濃度は16.2%で32倍に濃縮された。さ
らにこのNaOH水溶液を実施例1と同じように処理
し、純度95.3%のABA5.10gを得た。
【0031】実施例4 実施例1のメチルイソブチルケトン溶媒500mlの代り
に1−ブタノール溶媒500mlを、また1/10規定N
aOHの代りに1/10規定Na2 CO3 を使用した以
外は実施例1と同じ方法で行った。このとき得られたN
a2 CO3 水溶液は27.1gで、そのABA濃度は
1.7%で34倍に濃縮された。さらに、このNa2 C
O3 水溶液を実施例1と同じように処理し、純度77.
1%のABA0.52gを得た。
に1−ブタノール溶媒500mlを、また1/10規定N
aOHの代りに1/10規定Na2 CO3 を使用した以
外は実施例1と同じ方法で行った。このとき得られたN
a2 CO3 水溶液は27.1gで、そのABA濃度は
1.7%で34倍に濃縮された。さらに、このNa2 C
O3 水溶液を実施例1と同じように処理し、純度77.
1%のABA0.52gを得た。
【0032】比較例1 実施例1と同じ培養液1,000gとメチルイソブチル
ケトン溶媒500mlを3リットルジャーファーメンター
に仕込み、室温下300rpm で1時間撹拌した後、撹拌
をとめ上澄液のメチルイソブチルケトン層だけを抜出し
た。さらにメチルイソブチルケトン溶媒500mlを仕込
み、同じ操作を繰返した。この操作を計3回行い、得ら
れたメチルイソブチルケトン層を温水バス約45℃、2
5torrの減圧下で濃縮し、純度60.5%のABA
0.78gを得た。
ケトン溶媒500mlを3リットルジャーファーメンター
に仕込み、室温下300rpm で1時間撹拌した後、撹拌
をとめ上澄液のメチルイソブチルケトン層だけを抜出し
た。さらにメチルイソブチルケトン溶媒500mlを仕込
み、同じ操作を繰返した。この操作を計3回行い、得ら
れたメチルイソブチルケトン層を温水バス約45℃、2
5torrの減圧下で濃縮し、純度60.5%のABA
0.78gを得た。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば有機培養の使用量を少な
く、かつ、その有機培養で抽出された有機層を濃縮する
ことなしにABAを含む水溶液から効率よく、選択的に
高収率でABAを単離できる。また、単離されたABA
はその後の精製負荷を下げ工業的に安価な高純度ABA
を得ることが可能である。
く、かつ、その有機培養で抽出された有機層を濃縮する
ことなしにABAを含む水溶液から効率よく、選択的に
高収率でABAを単離できる。また、単離されたABA
はその後の精製負荷を下げ工業的に安価な高純度ABA
を得ることが可能である。
【図1】 本発明の一実施態様を示すフロー。
(1)抽出槽 (2)ポンプ (3)逆抽出槽 (4)ポンプ (5)ポンプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【従来の技術】従来、醗酵法によるABAは、セルコス
ポラ・ロシコラおよびボトリチス・シネレアによる液体
培養および固体培養で生成し、得た培養液および培養物
から有機溶媒で抽出し、その抽出液を濃縮する方法(特
公昭60−6629号公報、特公昭61−35838号
公報)、また、得た培養液をイオン交換樹脂および吸着
樹脂に通液したあと、溶媒で溶出しその溶出液を濃縮す
る方法(特公平3−6139号公報)などで単離する方
法が知られている。
ポラ・ロシコラおよびボトリチス・シネレアによる液体
培養および固体培養で生成し、得た培養液および培養物
から有機溶媒で抽出し、その抽出液を濃縮する方法(特
公昭60−6629号公報、特公昭61−35838号
公報)、また、得た培養液をイオン交換樹脂および吸着
樹脂に通液したあと、溶媒で溶出しその溶出液を濃縮す
る方法(特公平3−6139号公報)などで単離する方
法が知られている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者法は多量
の溶媒を使用し、かつ、その多量の抽出液を濃縮しなけ
ればならず煩雑である。また、後者法は多量の樹脂およ
び多量の溶出溶媒を使用し、かつ、その多量の溶出液を
濃縮するなど煩雑であり、いずれの方法もABAの工業
的な生産に適さない。
の溶媒を使用し、かつ、その多量の抽出液を濃縮しなけ
ればならず煩雑である。また、後者法は多量の樹脂およ
び多量の溶出溶媒を使用し、かつ、その多量の溶出液を
濃縮するなど煩雑であり、いずれの方法もABAの工業
的な生産に適さない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】実施例1 グルコース4%、酵母エキス0.3%、燐酸1カリウム
0.2%、塩化カリウム0.1%、硫酸マグネシウム水
和物0.02%、ポリオキシエチレンモノステアリン酸
ソルビタン0.01%からなる液体培地を500ml容バ
ッフル付きフラスコ5本にフラスコ1本あたり50mlず
つ加え、120℃15分加圧蒸気滅菌した。これにボト
リチス・シネレアFERM P−6156の前培養菌液
を4%ずつ植菌し、回転数180rpm 、振幅7cmで、2
5℃7日間培養し、ABA濃度0.05%の培養液を得
た。
0.2%、塩化カリウム0.1%、硫酸マグネシウム水
和物0.02%、ポリオキシエチレンモノステアリン酸
ソルビタン0.01%からなる液体培地を500ml容バ
ッフル付きフラスコ5本にフラスコ1本あたり50mlず
つ加え、120℃15分加圧蒸気滅菌した。これにボト
リチス・シネレアFERM P−6156の前培養菌液
を4%ずつ植菌し、回転数180rpm 、振幅7cmで、2
5℃7日間培養し、ABA濃度0.05%の培養液を得
た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば有機溶媒の使用量を少な
く、かつ、その有機溶媒で抽出された有機層を濃縮する
ことなしにABAを含む水溶液から効率よく、選択的に
高収率でABAを単離できる。また、単離されたABA
はその後の精製負荷を下げ工業的に安価な高純度ABA
を得ることが可能である。
く、かつ、その有機溶媒で抽出された有機層を濃縮する
ことなしにABAを含む水溶液から効率よく、選択的に
高収率でABAを単離できる。また、単離されたABA
はその後の精製負荷を下げ工業的に安価な高純度ABA
を得ることが可能である。
Claims (2)
- 【請求項1】 (i)アブシジン酸を含む水溶液に、水
と混合しない有機溶媒と接触させ、前記水溶液から前記
アブシジン酸を有機溶媒に移行せしめる抽出工程、 (ii)(i)抽出工程で分離された前記アブシジン酸
を含む有機層を、アルカリ水溶液と接触させ、前記有機
層から前記アブシジン酸を前記アルカリ水溶液に移行せ
しめる逆抽出工程、 (iii)(ii)逆抽出工程で前記アブシジン酸を逆
抽出された有機層を(i)抽出工程にリサイクルする工
程および (iv)(ii)逆抽出工程で分離された前記アブシジ
ン酸を含むアルカリ水溶液から前記アブシジン酸を単離
する工程からなることを特徴とするアブシジン酸の単離
方法。 - 【請求項2】 (i)〜(iii)工程の接触およびリ
サイクルを連続して行う請求項1記載のアブシジン酸の
単離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10448993A JPH06312975A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | アブシジン酸の単離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10448993A JPH06312975A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | アブシジン酸の単離方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06312975A true JPH06312975A (ja) | 1994-11-08 |
Family
ID=14381962
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10448993A Pending JPH06312975A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | アブシジン酸の単離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06312975A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1076587C (zh) * | 1998-11-21 | 2001-12-26 | 云南农业大学和昆明恒溢隆经贸有限责任公司 | 天然抑芽剂的制备方法及其在烤烟腋芽抑制上的应用 |
CN103274927A (zh) * | 2013-06-08 | 2013-09-04 | 南京化工职业技术学院 | 一种天然脱落酸的提纯方法 |
CN106974323A (zh) * | 2017-04-13 | 2017-07-25 | 泉州美丽星空健康科技有限公司 | 一种清肺电子烟油及其加工工艺 |
CN116730831A (zh) * | 2023-07-03 | 2023-09-12 | 江西新瑞丰生化股份有限公司 | 一种脱落酸母液的提取方法 |
-
1993
- 1993-04-30 JP JP10448993A patent/JPH06312975A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1076587C (zh) * | 1998-11-21 | 2001-12-26 | 云南农业大学和昆明恒溢隆经贸有限责任公司 | 天然抑芽剂的制备方法及其在烤烟腋芽抑制上的应用 |
CN103274927A (zh) * | 2013-06-08 | 2013-09-04 | 南京化工职业技术学院 | 一种天然脱落酸的提纯方法 |
CN106974323A (zh) * | 2017-04-13 | 2017-07-25 | 泉州美丽星空健康科技有限公司 | 一种清肺电子烟油及其加工工艺 |
CN116730831A (zh) * | 2023-07-03 | 2023-09-12 | 江西新瑞丰生化股份有限公司 | 一种脱落酸母液的提取方法 |
CN116730831B (zh) * | 2023-07-03 | 2024-04-12 | 江西新瑞丰生化股份有限公司 | 一种脱落酸母液的提取方法 |
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