JPH06312973A - 新規なフェニルスルファミド誘導体 - Google Patents

新規なフェニルスルファミド誘導体

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JPH06312973A
JPH06312973A JP12789793A JP12789793A JPH06312973A JP H06312973 A JPH06312973 A JP H06312973A JP 12789793 A JP12789793 A JP 12789793A JP 12789793 A JP12789793 A JP 12789793A JP H06312973 A JPH06312973 A JP H06312973A
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JP
Japan
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group
methyl
acid
mmol
formula
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Pending
Application number
JP12789793A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Nagaoka
均 長岡
Toshiyasu Mase
年康 間瀬
Yoshinori Okamoto
芳典 岡本
Kenichi Tomioka
健一 富岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I)で示される新規なフェニル
スルファミド誘導体又はその塩 【化1】 [式中の各記号は,夫々下記の意味を有する。 【化2】 X:酸素原子,エチレン基(−CH2 CH2 −)又はビ
ニレン基(−CH=CH−) A1 :低級アルコキシ基,ヒドロキシ基又はハロゲン原
子から選択される基で置換されていてもよい炭素数2乃
至5個の直鎖又は分枝のアルキレン基 A2 :単結合又はビニレン基 R1 ,R2 :同一又は異って,水素原子,低級アルキル
基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,ハロゲン原
子,低級アルコキシ基,シアノ基,ニトロ基,アミノ
基,モノ−又はジ−低級アルキルアミノ基,水酸基,低
級アルキルチオ基,トリハロゲノメチル基又はカルバモ
イル基から選択される1乃至3個の置換基。] 【効果】 TXA2 拮抗作用を有し,血栓症,狭心症,
気管支喘息等に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,医薬,特にトロンボキ
サンA2 (TXA2 )拮抗作用を有し,TXA2 が関与
する疾患の予防又は治療剤として有用な新規なフェニル
スルファミド誘導体又はその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】TXA2 は,アラキドン酸カスケードの
代謝過程でTXA2 合成酵素によりプロスタグランジン
2 から生合成される下記の不飽和脂肪酸である。
【0003】
【化3】
【0004】TXA2 は,血小板凝集,動脈収縮,気管
支収縮等の薬理活性を有し,血栓症,狭心症,気管支喘
息などに関与する因子の一つと考えられている。従っ
て,従来TXA2 拮抗作用を有し,TXA2 の薬理活性
に起因する上記の如き種々の疾病に対する予防・治療効
果を有する物質の研究が進められてきた(例えば,特開
昭64−47758号公報に記載の化合物)が,本発明
の化合物は,従来の物質とは異なる新規な構造を有する
フェニルスルファミド誘導体である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来,上記の如く種々
の研究がなされてきたが,現在においてもなお優れた新
規TXA2 拮抗剤の創製は,医療上の重要な課題であ
る。本発明者等は,TXA2 拮抗作用を有する新規化合
物について鋭意研究した結果,本発明を完成した。な
お,本発明の如きフェニルスルファミド誘導体を含有す
る化合物として,下式に示す特公昭63−52625号
公報に記載の化合物が既に公知であるが,本発明化合物
は,前記式(I)中−X−A1で示される部分により,
この公報記載の化合物とは構造上明らかに異なる。また
同公報には,公報に記載の前記化合物がTXA2拮抗作
用を有することは全く開示されていない。
【0006】
【化4】
【0007】(式中の各記号は,夫々下記の意味を有す
る。 R:水素原子又はメチル基 R1 :アルキル基又は置換基を有していてもよいフェニ
ル基,ナフチル基,フェネチル基若しくはスチリル基 W:単結合又は二重結合一つを有していてもよい炭素数
1乃至4のアルキレン基)
【0008】
【発明を解決するための手段】すなわち,本発明は,下
記一般式(I)で示される新規なフェニルスルファミド
誘導体に関する。
【0009】
【化5】
【0010】[式中の各記号は,夫々下記の意味を有す
る。
【0011】
【化6】
【0012】X:酸素原子,エチレン基(−CH2 CH
2 −)又はビニレン基(−CH=CH−) A1 :低級アルコキシ基,ヒドロキシ基又はハロゲン原
子から選択される基で置換されていてもよい炭素数2乃
至5個の直鎖又は分枝のアルキレン基 A2 :単結合又はビニレン基 R1 ,R2 :同一又は異って,水素原子,低級アルキル
基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,ハロゲン原
子,低級アルコキシ基,シアノ基,ニトロ基,アミノ
基,モノ−又はジ−低級アルキルアミノ基,水酸基,低
級アルキルチオ基,トリハロゲノメチル基又はカルバモ
イル基から選択される1乃至3個の置換基。]
【0013】以下,本発明化合物(I)につき詳述す
る。本明細書中の一般式の定義において「低級」なる用
語は,特に断わらない限り,炭素数が1乃至6個の直鎖
又は分枝上の炭素鎖を意味する。従って,「低級アルキ
ル基」としては,具体的には例えばメチル基,エチル
基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチ
ル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチ
ル基,イソペンチル基,ネオペンチル基,tert−ペ
ンチル基,1−メチルブチル基,2−メチルブチル基,
1,2−ジメチルプロピル基,ヘキシル基,イソヘキシ
ル基,1−メチルペンチル基,2−メチルペンチル基,
3−メチルペンチル基,1,1−ジメチルブチル基,
1,2−ジメチルブチル基,2,2−ジメチルブチル
基,1,3−ジメチルブチル基,2,3−ジメチルブチ
ル基,3,3−ジメチルブチル基,1−エチルブチル
基,2−エチルブチル基,1,1,2−トリメチルプロ
ピル基,1,2,2−トリメチルプロピル基,1−エチ
ル−1−メチルプロピル基,1−エチル−2−メチルプ
ロピル基等が挙げられる。「低級アルケニル基」は炭素
数が2乃至6個の直鎖又は分岐状のアルケニル基であ
り,具体的にはビニル基,アリル基,1−プロペニル
基,イソプロペニル基,1−ブテニル基,2−ブテニル
基,3−ブテニル基,2−メチル−1−プロペニル基,
2−メチルアリル基,1−メチル−1−プロペニル基,
1−メチルアリル基,1,1−ジメチルビニル基,1−
ペンテニル基,2−ペンテニル基,3−ペンテニル基,
4−ペンテニル基,3−メチル−1−ブテニル基,3−
メチル−2−ブテニル基,2−メチル−1−ブテニル
基,2−メチル−2−ブテニル基,2−メチル−3−ブ
テニル基,1−メチル−1−ブテニル基,1−メチル−
2−ブテニル基,1−メチル−3−ブテニル基,1,1
−ジメチルアリル基,1,2−ジメチル−1−プロペニ
ル基,1,2−ジメチル−2−プロペニル基,1−エチ
ル−1−プロペニル基,1−エチル−2−プロペニル
基,1−ヘキセニル基,2−ヘキセニル基,3−ヘキセ
ニル基,4−ヘキセニル基,5−ヘキセニル基,1,1
−ジメチル−1−ブテニル基,1,1−ジメチル−2−
ブテニル基,1,1−ジメチル−3−ブテニル基,3,
3−ジメチル−1−ブテニル基,1−メチル−1−ペン
テニル基,1−メチル−2−ペンテニル基,1−メチル
−3−ペンテニル基,1−メチル−4−ペンテニル基,
4−メチル−1−ペンテニル基,4−メチル−2−ペン
テニル基,4−メチル−3−ペンテニル基等が挙げられ
る。「低級アルキニル基」は,炭素数が2乃至6個の直
鎖又は分岐上のアルキニル基であって,エチニル基,1
−プロピニル基,2−プロピニル基,1−プチニル基,
2−プチニル基,3−プチニル基,1−メチル−2−プ
ロピニル基,1−ペンチニル基,2−ペンチニル基,3
−ペンチニル基,4−ペンチニル基,3−メチル−1−
ブチニル基,2−メチル−3−ブチニル基,1−メチル
−2−ブチニル基,1−メチル−3−ブチニル基,1,
1−ジメチル−2−プロピニル基,1−ヘキシニル基,
2−ヘキシニル基,3−ヘキシニル基,4−ヘキシニル
基,5−ヘキシニル基等が例示される。「低級アルコキ
シ基,ヒドロキシ基又はハロゲン原子から選択される基
で置換されていてもよい炭素数2乃至5個の直鎖又は分
枝のアルキレン基」を構成する「炭素数2乃至5個の直
鎖又は分枝のアルキレン基」としては,具体的には,エ
チレン基,メチルメチレン基,トリメチレン基,プロピ
レン基,2−プロピレン基,ジメチルメチレン基,ブチ
レン基,テトラメチレン基,1−メチルトリメチレン
基,2−メチルトリメチレン基,3−メチルトリメチレ
ン基,1−エチルエチレン基,2−エチルエチレン基,
2,2−ジメチルエチレン基,1,1−ジメチルエチレ
ン基,エチルメチルメチレン基,ペンタメチレン基,1
−メチルテトラメチレン基,2−メチルテトラメチレン
基,3−メチルテトラメチレン基,4−メチルテトラメ
チレン基,1,1−ジメチルトリメチレン基,2,2−
ジメチルトリメチレン基,3,3−ジメチルトリメチレ
ン基,1,3−ジメチルトリメチレン基,2,3−ジメ
チルトリメチレン基,1,2−ジメチルトリメチレン
基,1,1,2−トリメチルエチレン基,ジエチルメチ
レン基等が挙げられ,これらのうち特に好ましいものは
エチレン基,プロピレン基,ブチレン基等直鎖のアルキ
レン基である。また,「低級アルコキシ基」としては,
メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,イソプロポキ
シ基,ブトキシ基,イソブトキシ基,sec−ブトキシ
基,tert−ブトキシ基,ペンチルオキシ(アミルオ
キシ)基,イソペンチルオキシ基,tert−ペンチル
オキシ基,ネオペンンチルオキシ基,2−メチルブトキ
シ基,1,2−ジメチルプロポキシ基,1−エチルプロ
ポキシ基,ヘキシルオキシ基等が挙げられ,特にメトキ
シ基が好ましい。「ハロゲン原子」としては,フッ素原
子,塩素原子,臭素原子などが挙げられ,「トリハロゲ
ノメチル基」としてはメチル基の水素原子が前記「ハロ
ゲン原子」で3個置換された基を意味し,具体的にはト
リクロロメチル基,ジクロロフルオロメチル基,ジクロ
ロブロモメチル基,トリフルオロメチル基,ジフルオロ
クロロメチル基,ブロモジフルオロメチル基,トリブロ
モメチル基,ジブロモクロロメチル基,ジブロモフルオ
ロメチル基などが挙げられる。「低級アルキルチオ基」
としては,上記「低級アルコキシ基」の酸素原子が,硫
黄原子となったもので,具体的にはメチルチオ基,エチ
ルチオ基,プロピルチオ基,イソプロピルチオ基,ブチ
ルチオ基,sec−ブチルチオ基,tert−ブチルチ
オ基,ペンチルチオ基,ネオペンチルチオ基,2−メチ
ルブチルチオ基,1,2−ジメチルプロピルチオ基,1
−エチルプロピルチオ基,ヘキシルチオ基等が挙げられ
る。「モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基」は,アミ
ノ基の一つ又は二つの水素原子が前記「低級アルキル
基」で置換された基を意味する。具体的にはメチルアミ
ノ基,エチルアミノ基,プロピルアミノ基,イソプロピ
ルアミノ基,ブチルアミノ基,イソブチルアミノ基,ペ
ンチルアミノ基,ヘキシルアミノ基,イソヘキシルアミ
ノ基等炭素数が1乃至6個の直鎖又は分岐状のアルキル
基で置換されたモノアルキルアミノ基,ジメチルアミノ
基,ジエチルアミノ基,ジプロピルアミノ基,ジイソプ
ロピルアミノ基,ジブチルアミノ基,ジペンチルアミノ
基,ジヘキシルアミノ基等炭素数が1乃至6個の直鎖又
は分岐状のアルキル基でジ置換された対称型のジアルキ
ルアミノ基,エチルメチルアミノ基,メチルプロピルア
ミノ基,エチルプロピルアミノ基,ブチルメチルアミノ
基,ブチルエチルアミノ基,ブチルプロピルアミノ基等
炭素数が1乃至6個の直鎖又は分岐状のアルキル基のう
ち相違なるアルキル基でジ置換された非対称型のジアル
キルアミノ基等が挙げられるが,特にジメチルアミノ基
が好ましい。また,本明細書の一般式の定義において,
「アリール基」は,特に断わらない限り,炭素環アリー
ル基またはヘテロ環アリール基の双方を意味するが,本
発明では炭素環アリール基が特に好ましい。これらの
「アリール基」は,さらに置換基として,ハロゲン原
子,低級アルコキシ基,アラルキルオキシ基,アリール
オキシ基,低級アルカノイル基,アラルキルカルボニル
基,アリールカルボニル基,シアノ基,ニトロ基,アミ
ノ基,又はモノ若しくはジ低級アルキルアミノ基から選
ばれた同一又は異なる基で1乃至3個置換されていても
よい。炭素環アリール基としては具体的にはフェニル
基,ナフチル基,アントリル基,フェナントリル基等が
挙げられるが,特に好ましいのはフェニル基,ナフチル
基である。また,ヘテロ環アリール基としては,ピロリ
ル基,フリル基,チエニル基,ピリジル基,ピリミジル
基,キノリル基,イソキノリル基,キナゾリニル基等が
挙げられる。
【0014】本発明化合物(I)は,二重結合や不斉炭
素原子を有する場合があり,また,カルボニル基が存在
するので,それらの存在に基づく幾何異性体,光学異性
体などの立体異性体や互変異性体が存在する。本発明に
は,これら異性体の単離されたもの,あるいは混合物の
全てが含まれる。また,一般式(I)で示される本発明
化合物は塩を形成する。本発明には化合物(I)の塩が
含まれ,そのような塩としては,具体的には塩酸,臭化
水素酸,ヨウ化水素酸,硫酸,硝酸,リン酸等の鉱酸,
ギ酸,酢酸,プロピオン酸,シュウ酸,マロン酸,コハ
ク酸,フマール酸,マレイン酸,乳酸,リンゴ酸,酒石
酸,クエン酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸や
アスパラギン酸,グルタミン酸等の酸性アミノ酸等の有
機酸との酸付加塩や,ナトリウム,カリウム,カルシウ
ム,マグネシウム,アルミニウムなどの金属との塩,メ
チルアミン,エチルアミン,ジメチルアミン,ジエチル
アミン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,モノエ
タノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノール
アミン,シクロヘキシルアミンやリジン,オルニチンな
どのアミノ酸等の有機塩基との塩などが挙げられる。ま
た,本発明には,本発明化合物(I)の水和物,製薬学
的に許容される各種溶媒和物や結晶多形のもの等も含ま
れる。
【0015】本発明化合物(I)のうち,特に好ましい
化合物を例示すれば,以下の通りである。 (1)4−[3−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)プロポキシ]安息香酸 (2)4−[4−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)ブトキシ]安息香酸 (3)4−[2−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)エトキシ]安息香酸 (4)3−[3−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)プロポキシ]安息香酸 (5)3−[4−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)ブトキシ]安息香酸 (6)2−[3−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)プロポキシ]安息香酸 (7)2−[4−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)ブトキシ]安息香酸 (8)6−[3−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)プロポキシ]−2−ナフトエ酸 (9)4−[2−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)プロポキシ]桂皮酸 (10)4−[3−(4−クロロフェニルスルホニルア
ミノ)プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸 (11)4−[3−(4−クロロフェニルスルホニルア
ミノ)−2−メトキシプロポキシ]安息香酸 (12)4−[4−(4−クロロフェニルスルホニルア
ミノ)−1−ブテニル]安息香酸 (13)4−[4−(4−クロロフェニルスルホニルア
ミノ)ブチル]安息香酸 (14)4−[4−(4−ジメチルアミノフェニルスル
ホニルアミノ)ブチル]安息香酸 但し,当然のことながら,本発明は,上記(1)〜(1
4)の化合物に限定されるものではなく,一般式(I)
で示される化合物及び製薬学的に許容される塩の全てを
包含するものである。 (製造法)本発明化合物(I)は,基本骨格及び種々の
置換基の特徴を利用して種々の合成法を適用することに
よって製造することができる。以下に,その代表的製造
法を例示する。 第一製法(本発明化合物の原料化合物であるエステル体
の製造法) (a)
【化7】
【0016】(上式中の各記号は,夫々下記の意味を有
する。 R1 ,R2 ,A1 ,A2 及びX:前記と同様 R′:エステル残基 Hal:ハロゲン原子,メチルスルホニルオキシ基,ト
リフルオロメチルスルホニルオキシ基,p−トルエンス
ルホニルオキシ基等の反応性基) 本発明化合物(I)の原料化合物である,上式中(IV
a)で示されるエステル体は,式(IIa)で示される水酸
基を有する化合物と,式(IIIa)で示される反応性基を
有する化合物とを反応させることにより得ることができ
る。本反応は,アセトン,2−ブタノン,テトラヒドロ
フラン,ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシ
ド,1,4−ジオキサン等の溶媒中,必要により炭酸カ
リウム,水素化ナトリウム,炭酸ナトリウム,n−ブチ
ルリチウム,炭酸セシウム等の塩基の存在下,室温乃至
加熱還流下で行なわれることが望ましい。 (b)
【0017】
【化8】
【0018】(上式中の各記号は,前記と同様の意味を
有する。)また,式(IV)で示される化合物は,式(II
b)で示されるアミンと,式(IIIb)で示される水酸基
を有する化合物もしくはその反応性誘導体とを反応させ
ることにより製造することも可能である。本反応は,
水,ジクロロメタン,トリクロロメタン,酢酸エチル,
アセトン,2−ブタノン,ベンゼン,トルエン,テトラ
ヒドロフラン,1,4−ジオキサン等の溶媒中,必要に
より水酸化ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸ナトリウ
ム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,水酸化カ
リウム,トリエチルアミン,ピリジン等の塩基の存在
下,0℃乃至加熱還流下,通常0℃乃至室温下で行なわ
れることが望ましい。 (c)
【0019】
【化9】
【0020】(上式中の各記号は,前記と同様の意味を
有する。)更に式(IV)で示される化合物は,式(II
c)で示される反応性基を有する化合物と,式(IIIc)
で示されるアミンとを反応させることにより製造するこ
とも可能である。本反応は,前記(a)とほぼ同様な条
件で行なわれることが望ましい。以上,(a)〜(c)
に,本発明化合物(I)の原料化合物であるエステル体
(IVa)又は (IV) の製造法について説明したが,式 (I
Va) 又は (IV) で示される化合物は,これらの方法に加
え,その他の製造法として,置換基の修飾や炭素鎖の酸
化還元等の常法又はその変法を適用して製造することも
可能である。
【0021】第二製法(エステル加水分解反応)
【0022】
【化10】
【0023】(上式中の各記号は,夫々前記と同様の意
味を有する。)一般式(I)で示される,遊離カルボン
酸である本発明化合物は,対応する前記第一製法で得ら
れるエステル化合物(IV)の加水分解によって容易に製
造することができる。この反応においては,炭酸ナトリ
ウム,水酸化ナトリウム等の塩基又はトリフルオロ酢
酸,塩酸等の酸の存在下に加水分解する常法が適用でき
る。このようにして製造された本発明化合物(I)は,
抽出,再結晶,カラムクロマトグラフィー等のこの分野
において通常用いられる化学操作を適用して単離・精製
される。また,本発明化合物の塩は,通常の造塩反応に
付すことにより容易に得ることが可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明化合物(I)又はその塩は,TX
2 拮抗作用をもつものであり,TXA2 に起因する疾
患,特にTXA2 が関与する疾患の予防,治療剤として
有用である。従って,本発明化合物(I)は抗喘息剤,
腎炎の治療剤,虚血性心・脳疾患,血栓症,ショック症
状の緩和剤等として臨床上有用な薬剤となりうる。
【0025】本発明の化合物のTXA2 拮抗作用はつぎ
の方法によって確認されたものである。U−46619に起因する血小板凝集に対する抑制試験 試験方法:体重約800gの雄性ハートレイ系モルモッ
トの腹部大静脈より3.8%クエン酸ナトリウム水溶液
を1容入れたプラスチックシリンジに血液を9容採取し
た。血液を270×gで10分間遠心することにより富
血小板血漿(PRP:platelet rich plasma)とし,残
りの血液をさらに1100×gで15分間遠心して乏血
小板血漿(PPP:platelet poor plasma)を得た。P
RPをPPPで希釈して血小板数を50万個/μlに調
製した後,TXA2 の安定なアナログであるU−466
19(化学名:9,11−ジデオキシ−9α,11α−
メタノエポキシ−プロスタグランディン F2α)によ
る血小板凝集をボーンとクロス「ジャーナル オブ フ
ィジオロジー,第168巻,第178〜195頁(19
63年)」の方法により測定した。すなわち,NBSヘ
マトレーサー(二光バイオサイエンス)を用い,U−4
6619(10-6 or 5×10-7M)によるPRPの
光透過度の変化を測定した。なお,化合物はU−466
19添加の2分前に加え,対照におけるU−46619
による最大光透過度に対する抑制率からIC50値(50
%抑制濃度)を求めた。
【0026】
【実施例】以下実施例により,本発明化合物の製造法に
ついて更に詳細に説明する。なお,本発明化合物の原料
化合物の製造法についても,参考例として説明する。
【0027】参考例1 3−ブロモプロピルアミン臭化水素塩(3.28g,1
5.0mmol),4−クロロベンゼンスルホニルクロ
リド(3.17g,15.0mmol),酢酸エチル
(80ml)の混合物に,氷冷下,炭酸水素ナトリウム
(2.69g,32.0mmol),と水(25ml)
を加え,室温下3時間撹拌した。反応生成物を酢酸エチ
ルで抽出し,抽出液を塩化アンモニウム飽和水溶液,飽
和食塩水で順次洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後,
減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=4:
1)で精製して,N−(3−ブロモプロピル)−4−ク
ロロベンゼンスルホンアミド(4.58g,14.7m
mol)を得た。
【0028】参考例2 60%油性水素化ナトリウム(590mg,14.8m
mol)とN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)
の混合物に氷冷下4−ヒドロキシ安息香酸メチル(4.
50g,29.6mmol)とN,N−ジメチルホルム
アミド(30ml)の混合物を滴下した。室温で30分
撹拌後,反応液にN−(2,3−エポキシプロピル)フ
タルイミド(3.00g,14.8mmol)とN,N
−ジメチルホルムアミド(30ml)の混合物を滴下
し,100℃で20時間撹拌した。放冷後反応液を氷水
中に注ぎ,反応生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液
を1−規定水酸化ナトリウム水溶液,水,飽和食塩水で
順次洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥し,減圧下濃縮
した。得られた残渣をエタノールから再結晶して4−
(2−ヒドロキシ−3−フタルイミドプロポキシ)安息
香酸メチル(2.05g,5.77mmol)を得た。
【0029】参考例3 60%油性水素化ナトリウム(160mg,4.00m
mol)とN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)
の混合物に氷冷下4−(2−ヒドロキシ−3−フタルイ
ミドプロポキシ)安息香酸メチル(1.20g,3.3
8mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(30m
l)の混合物を滴下し,得られた混合物を室温で1時間
撹拌した。再び氷冷した後,よう化メチル(620μ
l,10.5mmol)を加え,室温で3時間撹拌し
た。反応液に水を加え,反応生成物を酢酸エチルで抽出
し,抽出液を水,飽和食塩水で順次洗浄後無水硫酸ナト
リウムで乾燥し,減圧下濃縮した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:
酢酸エチル=3:1)で精製して,4−(2−メトキシ
−3−フタルイミドプロポキシ)安息香酸メチル(67
3mg,1.82mmol)を得た。
【0030】参考例4 アルゴン雰囲気下,(3−フタルイミドプロピル)トリ
フェニルホスホニウム=ブロミド(3.00g,5.6
6mmol),テレフタルアルデヒド酸メチル(850
mg,5.18mmol),メタノール(10ml)の
混合物に撹拌下室温で28%ナトリウムメトキシドメタ
ノール溶液(3.50ml,18.1mmol)を一挙
に加えた。反応混合物を加熱還流下3時間撹拌した後,
放冷し,減圧下濃縮した。得られた残渣に水を加え,反
応生成物を酢酸エチルで抽出し,抽出液を水,飽和食塩
水で順次洗浄した後,無水硫酸ナトリウムで乾燥し,減
圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=4:
1)で精製して,4−(4−フタルイミド−1−ブテニ
ル)安息香酸メチル(1.02g,3.04mmol)
を得た。
【0031】参考例5 4−(4−フタルイミド−1−ブテニル)安息香酸メチ
ル(1.20g,3.58mmol)をメタノール(2
0ml)と酢酸エチル(60ml)の混液に溶かした溶
液に10%パラジウム−炭素(10mg)を加え得られ
た混合物を水素雰囲気下室温,常圧で160分撹拌し
た。不溶物を濾去し,減圧下濾液を濃縮して,4−(4
−フタルイミドブチル)安息香酸メチル(1.22g,
3.58mmol)を得た。
【0032】参考例6 4−(4−フタルイミド−1−ブテニル)安息香酸メチ
ル(355mg,1.00mmol)をエタノール(5
ml)に溶解した溶液に,ヒドラジン1水和物(153
μl,3.00mmol)を加え,加熱還流下1.5時
間撹拌した。反応液を放冷後減圧下濃縮し,得られた残
渣に2−規定塩酸10mlを加えて60℃で1.5時間
撹拌し,放冷後不溶物を濾別し,濾液を減圧下濃縮して
4−(4−アミノブチル)安息香酸メチル・塩酸塩(2
41mg,1.00mmol)を得た。4−(4−アミ
ノブチル)安息香酸メチル・塩酸塩(241mg,1.
00mmol),炭酸水素ナトリウム(210mg,
2.50mmol),テトラ−n−ブチルアンモニウム
ブロミド(5mg),ジクロロメタン(5ml),水
(5ml)の混合物に,氷冷下,4−ニトロベンゼンス
ルホニルクロリド(199mg,0.900mmol)
を加えた。得られた混合物を室温下3時間撹拌後,反応
生成物をジクロロメタンで抽出し,抽出液を1−規定塩
酸にて洗浄した後無水硫酸ナトリウムで乾燥し,減圧下
濃縮して,4−[4−(4−ニトロフェニルスルホニル
アミノ)−1−ブテニル]安息香酸メチル(352m
g,0.900mmol)を得た。
【0033】参考例7 4−[4−(4−ニトロフェニルスルホニルアミノ)−
1−ブテニル]安息香酸メチル(329mg,0.84
0mmol),メタノール(10ml),酢酸エチル
(20ml)の混合物に10%パラジウム−炭素(10
mg)を加え得られた混合物を水素雰囲気下室温,常圧
で16時間撹拌した。不溶物を濾去し,減圧下濾液を濃
縮して,4−[4−(4−アミノフェニルスルホニルア
ミノ)ブチル]安息香酸メチル(292mg,0.81
0mmol)を得た。
【0034】参考例8 無水酢酸(2ml)と蟻酸(2ml)の混液を60℃で
1時間撹拌した。得られた溶液を放冷後,4−[4−
(4−アミノフェニルスルホニルアミノ)ブチル]安息
香酸メチル(282mg,0.78mmol)に加え,
60℃で2時間撹拌した。反応液を放冷後減圧下濃縮
し,n−ヘキサン(10ml)を加え18時間放置後,
結晶を濾取し,4−[4−(4−ホルムアミドフェニル
スルホニルアミノ)ブチル]安息香酸メチル(298m
g,0.76mmol)を得た。4−[4−(4−ホル
ムアミドフェニルスルホニルアミノ)ブチル]安息香酸
メチル(290mg,0.74mmol)をテトラヒド
ロフラン(5ml)に溶解した溶液を氷冷し,ボラン・
ジメチルスルフィド錯体(176μl,1.86mmo
l)を滴下した後,室温で2時間撹拌した。反応液にメ
タノール(5ml)を加えた後減圧下濃縮し,1−規定
水酸化ナトリウム水溶液を加え,反応生成物をクロロホ
ルムで抽出し,抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
し,減圧下濃縮して,4−[4−(4−メチルアミノフ
ェニルスルホニルアミノ)ブチル]安息香酸メチル(1
68mg,0.450mmol)を得た。
【0035】参考例9 無水酢酸(2ml)と蟻酸(2ml)の混液を60℃で
1時間撹拌した。得られた溶液を放冷後,4−[4−
(4−メチルアミノフェニルスルホニルアミノ)ブチ
ル]安息香酸メチル(168mg,0.450mmo
l)に加え,60℃で2時間撹拌した。反応液を放冷後
減圧下濃縮し,n−ヘキサン(10ml)を加え18時
間放置後,結晶を濾取し,4−[4−(4−(N−メチ
ルホルムアミド)フェニルスルホニルアミノ)ブチル]
安息香酸メチル(182mg,0.450mmol)を
得た。4−[4−(4−(N−メチルホルムアミド)フ
ェニルスルホニルアミノ)ブチル]安息香酸メチル(1
82mg,0.450mmol)をテトラヒドロフラン
(5ml)に溶解した溶液を氷冷し,ボラン・ジメチル
スルフィド錯体(110μl,1.12mmol)を滴
下した後,室温で2時間撹拌した。反応液にメタノール
(5ml)を加えた後減圧下濃縮し,1−規定水酸化ナ
トリウム水溶液を加え,反応生成物をクロロホルムで抽
出し,抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し,減圧下
濃縮して,4−[4−(4−ジメチルアミノフェニルス
ルホニルアミノ)ブチル]安息香酸メチル(175m
g,0.450mmol)を得た。
【0036】実施例1 N−(3−ブロモプロピル)−4−クロロベンゼンスル
ホンアミド(505mg,1.62mmol),4−ヒ
ドロキシ安息香酸メチル(260mg,1.71mmo
l),炭酸カリウム(270mg,1.95mmo
l),テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(1m
g),2−ブタノン(8ml)の混合物を加熱還流下1
2時間撹拌した。放冷後反応液に水を加え,反応生成物
を酢酸エチルで抽出し,抽出液を水,飽和食塩水で順次
洗浄した後,無水硫酸ナトリウムで乾燥し,減圧下濃縮
した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製
して,4−[3−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)プロポキシ]安息香酸メチル(486mg,1.2
7mmol)を得た。この化合物をメタノール(8m
l),10%水酸化ナトリウム水溶液(8ml)の混液
に溶解し,60℃で4.5時間撹拌後放冷し,減圧下濃
縮した。得られた残渣を水(5ml)に溶解し,得られ
た溶液に濃塩酸を加えて液のpHを1以下にした。生成
した白沈を濾取,減圧下乾燥して,4−[3−(4−ク
ロロフェニルスルホニルアミノ)プロポキシ]安息香酸
(471mg,1.22mmol)を得た。
【0037】実施例2 4−ヒドロキシ安息香酸メチル(5.00g,32.9
mmol),炭酸カリウム(5.45g,39.4mm
ol),N−(4−ブロモメチル)フタルイミド(8.
34g,29.6mmol),テトラ−n−ブチルアン
モニウムブロミド(10mg),2−ブタノン(70m
l)の混合物を加熱還流下12時間撹拌した。放冷後反
応液に水を加え,反応生成物を酢酸エチルで抽出し,抽
出液を10%炭酸カリウム水溶液,水,飽和食塩水で順
次洗浄した後,無水硫酸ナトリウムで乾燥し,減圧下濃
縮した。得られた残渣を2−プロパノールから再結晶し
て4−(4−フタルイミドブトキシ)安息香酸メチル
(7.84g,22.2mmol)を得た。4−(4−
フタルイミドブトキシ)安息香酸メチル(1.10g,
3.11mmol)をエタノール(8ml)に溶解した
溶液に,ヒドラジン1水和物(165μl,3.40m
mol)を加え,加熱還流下2時間撹拌した。反応液を
放冷後減圧下濃縮し,得られた残渣に2−規定塩酸10
mlを加えて60℃で20分撹拌し,放冷後不溶物を濾
別し,濾液を減圧下濃縮して4−(4−アミノブトキ
シ)安息香酸メチル・塩酸塩(796mg,3.06m
mol)を得た。4−(4−アミノブトキシ)安息香酸
メチル・塩酸塩(760mg,2.93mmol),水
酸化ナトリウム(260mg,6.50mmol),テ
トラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(10mg),
ジクロロメタン(6ml),水(4ml)の混合物に,
氷冷下,4−クロロベンゼンスルホニルクロリド(58
0mg,2.75mmol)を加えた。得られた混合物
を室温下1時間撹拌後,濃塩酸を加えて,液のpHを1
以下として反応生成物をジクロロメタンで抽出し,抽出
液を1−規定塩酸,水,飽和食塩水で順次洗浄した後無
水硫酸ナトリウムで乾燥し,減圧下濃縮して,4−[4
−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)ブトキシ]
安息香酸メチル(1.04g,2.61mmol)を得
た。4−[4−(4−クロロフェニルスルホニルアミ
ノ)ブトキシ]安息香酸メチル(519mg,1.30
mmol)をメタノール(10ml),10%水酸化ナ
トリウム水溶液(10ml)の混液に溶解し,得られた
溶液を60℃で5時間撹拌した後放冷し,減圧下濃縮し
た。得られた残渣を水(5ml)に溶解し,この溶液に
濃塩酸を加えて液のpHを1以下として,生成した白沈
を濾取,減圧下乾燥して,4−[4−(4−クロロフェ
ニルスルホニルアミノ)ブトキシ]安息香酸(440m
g,1.15mmol)を得た。以下,同様にして,実
施例3〜10の化合物を合成した(各化合物の化学名
は,下記表4〜7に,化学構造式と併記する)。
【0038】実施例11 4−(2−メトキシ−3−フタルイミドプロポキシ)安
息香酸メチル(666mg,1.80mmol)をエタ
ノール(8ml)に溶解した溶液に,ヒドラジン1水和
物(96μl,1.98mmol)を加え,加熱還流下
3時間撹拌した。反応液を放冷後減圧下濃縮し,得られ
た残渣に2−規定塩酸10mlを加えて60℃で30分
撹拌し,放冷後不溶物を濾別し,濾液を減圧下濃縮して
4−(3−アミノ−2−メトキシプロポキシ)安息香酸
メチル・塩酸塩(507mg)を得た。4−(3−アミ
ノ−2−メトキシプロキシ)安息香酸メチル・塩酸塩
(504mg),炭酸水素ナトリウム(390mg,
4.64mmol),ジクロロメタン(15ml),水
(15ml)の混合物に,氷冷下,4−クロロベンゼン
スルホニルクロリド(350mg,1.66mmol)
を加えた。得られた混合物を室温下3時間撹拌後,反応
生成物をジクロロメタンで抽出し,抽出液を1−規定塩
酸,水,飽和食塩水で順次洗浄した後無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し,減圧下濃縮して,4−[3−(4−クロロ
フェニルスルホニルアミノ)−2−メトキシブトキシ]
安息香酸メチルを得た。この化合物をメタノール(15
ml),10%水酸化ナトリウム水溶液(15ml)の
混液に溶解し,得られた溶液を60℃で12時間撹拌し
た後放冷し,減圧下濃縮した。得られた残渣を水(5m
l)に溶解し,この溶液に濃塩酸を加えて液のpHを1
以下として,生成した白沈を濾取,減圧下乾燥し,エタ
ノールから再結晶して,4−[3−(4−クロロフェニ
ルスルホニルアミノ)−2−メトキシプロポキシ]安息
香酸(451mg1.13mmol)を得た。以下,同
様にして,実施例12及び13の化合物を合成した(各
化合物の化学名は下記表7及び8に化学構造式と併記す
る)。
【0039】実施例14 4−[4−(4−ジメチルアミノフェニルスルホニルア
ミノ)ブチル]安息香酸メチル(175mg,0.45
0mmol)に水酸化カリウム(150mg,2.67
mmol),水(5ml),メタノール(5ml)の溶
液を加え,50℃で3時間撹拌した。反応液を放冷後,
減圧下メタノールを留去し,1−規定塩酸を加えて液の
pHを2とした。反応生成物をクロロホルム:イソプロ
パノール=3:1の混合溶媒で抽出し,抽出液を無水硫
酸マグネシウムで乾燥して,溶媒を減圧下留去し,得ら
れた残渣にn−ヘキサン(10ml)を加え18時間放
置後,結晶を濾取して4−[4−(4−ジメチルアミノ
フェニルスルホニルアミノ)ブチル]安息香酸(153
mg,0.410mmol)を得た。以下,表1〜8
に,上記参考例及び実施例により得られた化合物の化学
構造式,化学名及び理化学的性状を掲記する。なお,表
9には本発明の別の化合物(実施例A−1〜4)の化学
構造式を掲記する。これらの各化合物は夫々前記参考例
2,6,7及び8で得られた化合物を原料とし,前記実
施例に記載の方法と同様にして極めて容易に合成し得る
ものであり,格別の実験を必要としないものである。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/395 ABS 7431−4C 31/415 7431−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される新規なフェ
    ニルスルファミド誘導体又はその塩 【化1】 [式中の各記号は,夫々下記の意味を有する。 【化2】 X:酸素原子,エチレン基(−CH2 CH2 −)又はビ
    ニレン基(−CH=CH−) A1 :低級アルコキシ基,ヒドロキシ基又はハロゲン原
    子から選択される基で置換されていてもよい炭素数2乃
    至5個の直鎖又は分枝のアルキレン基 A2 :単結合又はビニレン基 R1 ,R2 :同一又は異って,水素原子,低級アルキル
    基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,ハロゲン原
    子,低級アルコキシ基,シアノ基,ニトロ基,アミノ
    基,モノ−又はジ−低級アルキルアミノ基,水酸基,低
    級アルキルチオ基,トリハロゲノメチル基又はカルバモ
    イル基から選択される1乃至3個の置換基。]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1997019919A1 (fr) * 1995-11-30 1997-06-05 C & C Research Laboratories Derives de sulfamides

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WO1997019919A1 (fr) * 1995-11-30 1997-06-05 C & C Research Laboratories Derives de sulfamides

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