JPH06311883A - プラスミノゲンの製造方法 - Google Patents

プラスミノゲンの製造方法

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JPH06311883A
JPH06311883A JP5102609A JP10260993A JPH06311883A JP H06311883 A JPH06311883 A JP H06311883A JP 5102609 A JP5102609 A JP 5102609A JP 10260993 A JP10260993 A JP 10260993A JP H06311883 A JPH06311883 A JP H06311883A
Authority
JP
Japan
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plasminogen
fraction
solution
magnesium chloride
nacl
Prior art date
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Pending
Application number
JP5102609A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinobu Mochizuki
忍 望月
Takashi Kobayashi
小林  隆
Kenji Tanaka
憲次 田中
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Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
Original Assignee
Green Cross Corp Japan
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Publication date
Application filed by Green Cross Corp Japan filed Critical Green Cross Corp Japan
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 プラスミノゲン含有水性液を硫酸デキストラ
ンおよび塩化マグネシウムから選ばれる少なくとも一種
の化合物で処理し、上清を回収する工程を有し、且つ好
ましくは、更に当該上清を硫安分画処理して沈殿を回収
する工程を有するプラスミノゲンの精製方法。 【効果】 最終工程までプラスミノゲン溶液が澄明性を
保持し、当該方法にて得られたプラスミノゲンの凍結乾
燥製剤は再溶解性にも優れ、再溶解後も澄明で、かつ安
定な溶液として存在し、医薬品として不可欠な条件を満
たす。従って、本発明により、有用な医薬品を提供する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスミノゲンの製造方
法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】プラスミ
ノゲンは、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ等によっ
て活性化されてプラスミンとなり、これがフィブリンを
分解して線溶現象を生起するので、ウロキナーゼやスト
レプトキナーゼとともに血栓症の治療の他、広く臨床応
用が可能な医薬品として注目されている。従来、プラス
ミノゲン含有画分からのプラスミノゲンの回収方法とし
ては硫酸アンモニウムで分画処理する方法が知られてい
る(特開昭50−100213号公報)。しかしなが
ら、硫酸アンモニウムでの分画処理法はその後の精製工
程が困難であり、かつ本分画法を経た凍結乾燥製剤は再
溶解時の液状安定性に難がある等の問題点を有してお
り、必ずしも満足のいくものではない。そこで、上記硫
酸アンモニウム分画に代えて濃度の異なる2工程のPE
G分画処理を付すことによるプラスミノゲン含有画分か
らのプラスミノゲンの回収方法が提案されている(特開
平3−164171公報)。当該方法は優れたものであ
るが、さらに有用なプラスミノゲン含有画分からのプラ
スミノゲンの回収方法、特に当該回収方法によって得ら
れたプラスミノゲンの凍結乾燥製剤が再溶解性に優れ、
且つ再溶解後も澄明で安定な溶液として存在しえるよう
なプラスミノゲンの回収方法が期待されている。
【0003】今回、本発明者らはプラスミノゲン含有水
溶液(含有画分)を硫酸デキストランおよび/または塩
化マグネシウムで処理して上清を回収し、さらに好まし
くは該上清を硫安分画処理して沈殿を回収することによ
り、最終工程までプラスミノゲン溶液が澄明性を保持
し、当該方法にて得られたプラスミノゲンの凍結乾燥製
剤は再溶解性にも優れ、再溶解後も澄明で安定な溶液と
して存在し、医薬品として不可欠な条件を満たすことを
見出して本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスミノゲ
ン含有水性液を硫酸デキストランおよび塩化マグネシウ
ムから選ばれる少なくとも一種の化合物で処理して上清
を回収する工程を有することを特徴とするプラスミノゲ
ンの製造方法であり、より好ましくは、上記の上清を、
さらに硫安分画処理して沈殿を回収する工程を有するこ
とを特徴とするプラスミノゲンの製造方法である。出発
原料であるプラスミノゲン含有水性液は、プラスミノゲ
ンを含有する水性液であれば特に限定されるものではな
く、例えはヒトをはじめとする動物等の血清、血漿、腹
水、胎盤抽出液、胎盤組織抽出液、コーンの低温アルコ
ール分画法の画分II+III あるいはIII 、およびこれら
から公知の方法等によって粗精製されたプラスミノゲン
含有水性液、遺伝子工学により得られたプラスミノゲン
を含有する液等が挙げられる。
【0005】本発明の製造方法における目的物であるプ
ラスミノゲンは、メチオニル型(そのN末がメチオニン
である)、グルタミル型(そのN末がグルタミン酸であ
る)またはリジル型(そのN末がリジンである)等が例
示される。また、これらの混合物であってもよい。好ま
しくはリジル−プラスミノゲンである。
【0006】本発明の出発原料であるプラスミノゲン含
有水性液は、pH6〜10程度、好ましくは7〜9程度
であることが好ましい。原料プラスミノゲン含有水性液
が当該pHを満足しない場合には、予め当該pHに調整
しておくことが好ましい。その調整は例えば、トリス緩
衝液、リン酸緩衝液、(重)炭酸緩衝液等によって行わ
れる。本発明における、プラスミノゲン含有水性液の、
デキストラン硫酸および塩化マグネシウムから選ばれる
少なくとも一種の化合物による処理は、プラスミノゲン
含有水性液と当該化合物とを接触させることによって行
われる。具体的には、例えば適当な時間(例えば、1〜
5時間程度)、当該化合物の存在下(好ましくは、デキ
ストラン硫酸および塩化マグネシウムの共存下)にプラ
スミノゲン含有水性液を攪拌することによって行われ
る。かくして、プラスミノゲンは上清画分に移行する。
この上清は遠心分離、濾過等の方法により回収すること
ができる。本発明で使用されるデキストラン硫酸として
は、分子量1000〜500万程度、好ましくは5万〜
100万程度のものが例示される。また、ナトリウム塩
等の如きアルカリ金属塩等の塩の形態を取ってもよい。
その添加量としては、0.1〜1%w/v程度、好まし
くは0.3〜0.5%w/v程度が例示される。塩化マ
グネシウムの添加量としては、0.1〜5%w/v程
度、好ましくは0.1〜0.5%w/v程度が例示され
る。
【0007】次いで、当該上清に硫安を添加して分画処
理を行い、沈殿画分を回収する。硫安の添加量として
は、30〜50%飽和濃度程度、好ましくは35〜45
%飽和濃度程度が例示される。当該処理は適当な時間
(たとえば、1〜5時間程度)、硫安の存在下に攪拌す
ることによって行われ、かくしてプラスミノゲンは沈殿
画分に移行する。遠心分離、濾過等の方法により沈殿を
回収することができる。沈殿画分として回収されたプラ
スミノゲンは公知の手法によりさらに精製することがで
きる。プラスミノゲンの精製法としては、例えば特開昭
55−153592号公報に記載の方法、リジン−セフ
ァロースによる精製法(特開昭49−125506号公
報、Science, 170, 1095, 1970年)などを代表的な方法
として例示することができる。本発明において、特に好
ましくはリジンカラムクロマトグラフィーによる処理を
行う。
【0008】かくして製造されたプラスミノゲンは、医
薬として使用されうる。従って、プ当該ラスミノゲンは
ウイルス不活化のための処理が行われることが好まし
い。ウイルス不活化処理としては、例えばプラスミノゲ
ンの液状組成物を50〜100℃で5〜30時間加熱す
る方法、乾燥組成物を50〜100℃で、10〜150
時間加熱する方法、界面活性剤と接触させる方法、その
他の薬剤、例えば、トリアルキルホスフェートと接触さ
せる方法およびこれら処理の組み合わせが挙げられる。
本発明の方法で得られたプラスミノゲンを医薬として使
用する場合、凍結乾燥製剤とされることが好ましい。凍
結乾燥製剤は自体既知の手段にて調製することができ
る。
【0009】
【実施例】 実施例1 コーンの第II+III 画分における抽出残渣100gに
0.9%w/v塩化ナトリウム加50mMトリス緩衝液
(pH8.3)500mlを添加し、16時間攪拌し
た。硫酸デキストランナトリウム塩2.5gおよび塩化
マグネシウム1.5gを添加し、3時間攪拌した。40
00rpm、30分間遠心分離し、上清画分500ml
を回収した。硫安121gを添加し、2時間攪拌した。
4000rpm、30分間遠心分離し、沈殿画分150
gを回収した。0.9%w/v塩化ナトリウム加0.9
%w/vグリシン溶液(pH7.4)300mlを添
加、溶解した。0.9%w/v塩化ナトリウム加0.9
%w/vグリシン溶液(pH7.2)で平衡化したリジ
ンアガロース(商品名リジン−セファロース4B)カラ
ムにアプライした。1M塩化ナトリウム加0.9%w/
vグリシン溶液(pH7.2)で洗浄後に0.9%w/
v塩化ナトリウム加0.25Mリジン溶液(pH7.
2)で溶出し、溶出液350mlを得た。限外濾過膜
(ミニモジュール)を用いて濃縮した。上記の各工程に
おけるプラスミノゲンの回収状況を表1に示した。
【0010】
【表1】
【0011】実施例2 pHの影響 硫酸デキストラン0.1%w/v、塩化マグネシウムを
その200倍添加した場合について、プラスミノゲンの
回収に及ぼすpHの影響を調べた。コーンの第II+III
画分における抽出残渣に5倍量の抽出用緩衝液、すなわ
ち0.9%w/v塩化ナトリウム加50mMトリス緩衝
液(pH8.3)を添加し、16時間攪拌した。所定量
の硫酸デキストランナトリウム塩および塩化マグネシウ
ムを添加し、表2に示したpH条件下に2時間攪拌し
た。4000rpm、30分間遠心分離し、上清画分を
回収し、プラスノゲン活性、プラスミン活性、濁度の指
標として600nmの吸光度を測定した。さらに、プラ
スミノゲン活性から回収率を、プラスノゲン活性とプラ
スミン活性の比からプラスミン比を算出した。
【0012】
【表2】
【0013】デキストラン硫酸の濃度 pH8.3にて、塩化マグネシウム0.3%w/vを添
加した場合について、上記と同様に操作して、デキス
トラン硫酸濃度の影響を調べた。その結果は表3に示す
通りである。
【0014】
【表3】
【0015】塩化マグネシウムの濃度 pH8.3、デキストラン硫酸0.5%w/vを添加し
た場合について、上記と同様に操作して、塩化マグネ
シウム濃度の影響を調べた。その結果は表4に示す通り
である。
【0016】
【表4】
【0017】実施例3 実施例1で調製したプラスミノゲン含有溶液にヒト血清
アルブミンを各々0.25w/v%、1w/v%となる
ように添加後に凍結乾燥した。乾燥加熱(60℃で3日
間)または過酷試験(40℃または60℃で8週間)を
行い、再溶解後の澄明性・不溶物の有無を確認した。結
果を表5に示す。
【0018】
【表5】
【0019】
【発明の効果】本発明の方法によれば、最終工程までプ
ラスミノゲン溶液が澄明性を保持し、当該方法にて得ら
れたプラスミノゲンの凍結乾燥製剤は再溶解性にも優
れ、再溶解後も澄明で、かつ安定な溶液として存在し、
医薬品として不可欠な条件を満たす。従って、本発明に
より、有用な医薬品を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスミノゲン含有水性液を硫酸デキス
    トランおよび塩化マグネシウムから選ばれる少なくとも
    一種の化合物で処理して上清を回収する工程を有するこ
    とを特徴とするプラスミノゲンの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の上清を硫安分画処理して沈殿
    を回収する工程を有することを特徴とするプラスミノゲ
    ンの精製方法。
JP5102609A 1993-04-28 1993-04-28 プラスミノゲンの製造方法 Pending JPH06311883A (ja)

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JP5102609A JPH06311883A (ja) 1993-04-28 1993-04-28 プラスミノゲンの製造方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007068497A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Nihon Pharmaceutical Co Ltd プラスミンの精製法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007068497A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Nihon Pharmaceutical Co Ltd プラスミンの精製法

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