JPH06311870A - ゆで卵製造装置 - Google Patents

ゆで卵製造装置

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JPH06311870A
JPH06311870A JP5125295A JP12529593A JPH06311870A JP H06311870 A JPH06311870 A JP H06311870A JP 5125295 A JP5125295 A JP 5125295A JP 12529593 A JP12529593 A JP 12529593A JP H06311870 A JPH06311870 A JP H06311870A
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JP
Japan
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egg
boiled
eggs
rotating
boiled egg
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JP5125295A
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English (en)
Inventor
Yuichi Sakakiyama
勇市 榊山
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SAKAKIYAMA KK
Original Assignee
SAKAKIYAMA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 黄身の偏りが発生しないゆで卵製造装置を提
供すること。 【構成】 密閉容器内に収納される卵保持手段と、回転
手段と水蒸気供給手段と冷水噴霧手段とを有している。
卵ケースに収納された状態で搬入された卵をそのまま卵
保持手段に挿入すると、卵の長手方向と回転軸方向とが
垂直になる。この状態で卵を回転させながら熱水蒸気で
卵を加熱すると、いずれの方向にも黄身の偏りがないゆ
で卵が効率よく製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鶏卵等の食用卵を熱調
理してゆで卵を製造するゆで卵製造装置に関し、さらに
詳細には、熱調理中の食用卵に適度な回転を加えること
により黄身の偏りが生じないようにしたゆで卵製造装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鶏卵等を食用に供するに当た
り、熱調理してゆで卵とすることが広く行われている。
ゆで卵は食べやすく、また、ゆで方によって半熟卵、か
たゆで卵、温泉卵等需要者の多様な嗜好に合わせること
ができるという特徴を有している。また、一般に卵料理
は傷みが早いとされているが、その中でゆで卵は比較的
持ちがよいといえる。このことからゆで卵は、一般家庭
において生卵から調製され食用されるのみならず、外食
産業においても広範に利用され、仕出し弁当やサンドイ
ッチ等の具として盛んに用いられている。
【0003】ここにおいて、外食産業等の業務用にゆで
卵を製造するためには、いうまでもなく大量生産の必要
がある。このことから従来は、例えば図10に示すよう
に、2枚のコンベアベルト91、92の間に卵90を挟
み、一方のコンベアベルト91を矢印方向に搬送するこ
とにより卵90を回転搬送させながら、コンベアベルト
91、92の間に熱水蒸気を通して卵90を加熱するこ
とによりゆで卵の製造を行っていた。
【0004】かかる従来のゆで卵製造装置は、以下の利
点を狙ったものである。まず第一に、入側(図10中左
側)から生卵90aを連続的に挿入して、出側(図10
中右側)にてゆで卵90bを連続的に回収できるので、
大量生産に適している。第二に、調理中卵90は常に回
転されるので、できあがったゆで卵における黄身の偏り
を防止することができる。一般家庭におけるゆで卵の調
製の際に鍋内を攪拌して卵を回転させるのと同様であ
る。黄身の偏りがあると、ゆで卵の殻を除去する際に白
身の薄い部分が破れて黄身の漏出が起こったり、ゆで卵
を裁断した際に黄身の配分が均等でなくなりまた見栄え
もよくないといった問題があるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来のゆで卵製造装置には、以下の問題があった。第
一に、設備コストの問題が挙げられる。即ち、ゆで卵に
おける黄身の偏りを防止するためには、調理中における
卵90にある程度以上の回転速度が要求される一方、調
理時間も一定以上必要であるので、コンベアベルト9
1、92はかなりの長さを有する必要があり、装置の全
長は10m近くに達する。このため、装置全体が大形化
し、熱水蒸気の供給容量も大きくする必要があった。こ
のことから、日産数十トン程度の生産規模でないとコス
ト的に苦しく、日産数トン程度の事業者には導入しにく
かった。
【0006】第二に、調理中の卵90に回転を加えても
なお、黄身の偏りが完全には解消できなかった。即ち、
調理中卵90は長手方向を回転軸として回転するため、
軸周りの偏りは解消できるものの、軸方向には黄身が偏
ることがあったのである。このため、製造されたゆで卵
を縦割に裁断すると、図9(b)、(c)に示すように
卵の頭部もしくは尾部に黄身が偏っていることがあっ
た。このことにより、殻の除去の際の白身の破れが排除
しきれなかった。特に大量生産の場合、殻の除去も自動
化された専用の殻剥き装置で行う。殻剥き装置は、内部
に大きな回転ドラムと固定部材とを有しており、その回
転ドラム内でゆで卵を固定部材に衝突させその衝撃で殻
に亀裂を生じさせることにより殻剥きを行う。従って、
黄身の偏りにより白身に薄いところがあると、衝撃で破
れてしまうのである。
【0007】白身の破れが発生すると歩留まりが低下す
ることはもちろんであるが、白身の破れにより漏出した
黄身が殻剥き装置内に飛散して他のゆで卵に付着するこ
とがあり、歩留まりの低下を倍加する。また、殻剥き装
置の清掃頻度を増やす原因や故障の原因ともなり、殻剥
き装置の稼動率の低下から製造効率の改善を阻むことと
なる。また、縦割裁断状態における黄身の配分の不均一
は解消されているものの図9(b)、(c)に示すよう
に見栄えがよくなかった。特に仕出し弁当用途の場合、
縦割裁断状態で供食され、しかも容器内でその裁断面を
上に向けて配置される例が多いことから見栄えも無視で
きない問題であった。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点を解消す
るためになされたものであり、黄身の偏りを完全に解消
することにより製造効率や見栄え等を改善でき、かつ中
規模の事業者にも無理なく導入できる安価なゆで卵製造
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明のゆで卵製造装置は、卵を覆転可能に保持する卵
保持手段と、卵保持手段を密閉して収納する密閉容器
と、密閉容器内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、
前記卵保持手段を回転駆動する回転手段とを有すること
を特徴とする構成とされる。また、本発明のゆで卵製造
装置は、前記卵保持手段が卵を包蔵する卵ケースを介し
て保持するものであることを特徴とする前記の構成とさ
れる。また、本発明のゆで卵製造装置は、前記回転手段
の回転軸と前記卵保持手段により保持される卵の長手方
向とが互いに垂直になるように構成されていることを特
徴とする前記の構成とされる。また、本発明のゆで卵製
造装置は、前記卵保持手段に保持される卵に冷水を噴霧
する冷水噴霧手段を有することを特徴とする前記の構成
とされる。
【0010】
【作用】このような構成を有する本発明のゆで卵製造装
置では、生卵を卵ケースに包蔵して卵保持手段に保持す
る。このとき生卵は覆転可能に保持されている。そして
その状態で卵保持手段ごと密閉容器に収納する。そし
て、密閉容器内に収納されている卵保持手段を回転手段
により回転させながら、水蒸気供給手段により密閉容器
内に水蒸気を供給して生卵を加熱調理し、ゆで卵を製造
する。ここにおいて、回転手段による回転軸と卵保持手
段に保持される卵の長手方向とが互いに垂直となってい
るので、ゆで卵において黄身は長手方向にも横方向にも
偏ることがない。
【0011】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例であるゆ
で卵製造装置を図面を参照して説明する。図1に、本実
施例のゆで卵製造装置1の外観図を示す。ゆで卵製造装
置1の本体30は箱形形状をしており、その前面は開閉
扉31となっている。開閉扉31は図中右方の蝶番32
により本体30に取り付けられており、図中左方の止金
33により閉扉状態に固定しまたは解除することができ
る。また、開閉扉31には開閉動作のための取っ手34
が取り付けられている。そして、本体30の右側面に
は、各種の操作指令をするためのスイッチ類が設置され
たスイッチ盤35が設けられている。かかるゆで卵製造
装置1の本体30の全高Hは、概略、人の身長程度であ
る。
【0012】図2に、ゆで卵製造装置1の開閉扉31を
開いた状態での内部機構を示す。ゆで卵製造装置1の内
部には、6つの回転ドラム2が内蔵されている。6つの
回転ドラム2は、2つずつ3段に配置され、それぞれ棚
36上に補助ローラ37を介して回転可能に載置されて
いる。回転ドラム2は、後述するように内部に卵ケース
を保持するものである。ゆで卵製造装置1の内部は、後
述するように卵を加熱するための加熱槽として機能す
る。図3に回転ドラム2の正面図を、図4に側面図をそ
れぞれ示す。回転ドラム2は、基本的に外周リング10
とその4箇所に嵌設されたアングルバー11a、11b
とその奥方に設けられた奥板12とにより構成される。
回転ドラム2の外周リング10は補助ローラ37を介し
て棚36上に載置されている。そして、奥板12のさら
に奥方には軸継手13が接続しており、後述する駆動モ
ータからの駆動により回転ドラム2を回転駆動するよう
になっている。
【0013】4本のアングルバー11a、11bと奥板
12とにより画定されるスペースには、図7に示す卵ケ
ース14が挿入される。ここで、当該スペースは、卵ケ
ース14の幅W、高さT、奥行Dに合わせて作られてお
り、回転ドラム2が回転されても挿入された卵ケース1
4がガタつかないようになっている。また、上部の2本
のアングルバー11a間には、パンチ板15が付設され
ている。パンチ板15は、バネにより図中下方に付勢さ
れており、回転ドラム2の回転により卵ケース14が逆
さになったときにも、卵ケース14に載置されている卵
等が散乱しないように設けられているものである。尚、
パンチ板15には多数の小孔が穿設されている。後述す
る熱水蒸気による加熱調理の際または調理後の冷却の際
に蒸気または冷水がスムーズに流れるようにするためで
ある。
【0014】ここで、卵ケース14について説明する。
図7に示す卵ケース14は調理しようとする卵を整列さ
せて回転ドラム2に挿入するための容器であるが、通常
食品類の運搬等に汎用されているプラスチック籠であっ
てサイズの適当なものを用いればよい。そして、卵ケー
ス14への卵の載置は以下のようにして行う。まず、図
8に示すように、卵トレイ20に卵9を立てた状態で載
置する。卵トレイ20には、卵9を載置するための窪み
21が多数形成されている。卵トレイ20は卵の運搬等
に通常使用される汎用品を卵トレイ20の底面のサイズ
に切り揃えたものでよい。卵トレイ20のすべての窪み
21に卵9を載置し、かかる卵トレイ20を5ないし6
段程度卵ケース14に積載すれば回転ドラム2に挿入し
うる状態となる。実際には鶏卵はこのような状態で流通
されているので、搬入されたそのままの状態で回転ドラ
ム2に挿入することができる。
【0015】次に、回転ドラム2の回転機構について説
明する。このため図5に一部の回転ドラム2を取り除い
た状態でのゆで卵製造装置1の内部機構を示す。また、
ゆで卵製造装置1の部分側面図を図6に示す。図6に示
すように、ゆで卵製造装置1の本体30の裏側には、駆
動モータMが付設されている。駆動モータMは回転ドラ
ム2に回転駆動を与えるものである。駆動モータMから
は、ゆで卵製造装置1の内部に向かってモータ軸16が
延設されている。モータ軸16には駆動モータMの回転
がギアで減速されて伝えられている。そして、ゆで卵製
造装置1の内部下方には図5に見るようにドライブスプ
ロケット17が付設されている。ドライブスプロケット
17はモータ軸16に固設されており、駆動モータMの
回転に伴って回転する。
【0016】そして、各回転ドラム2の中心に当たる位
置には、ドリブンスプロケット18が配設されている。
ドリブンスプロケット18は回転ドラム2の奥板12の
裏側の軸継手13に固設されるものである。ドライブス
プロケット17とドリブンスプロケット18とはチェー
ン19で結ばれている。また、ドリブンスプロケット1
8同士もチェーン19で結ばれている。かくして、駆動
モータMによる回転駆動は、各回転ドラム2に伝えられ
る。また、ゆで卵製造装置1の内部には蒸気ポート4と
スプリンクラ22とが設けられている。蒸気ポート4は
公知の蒸気ボイラ3に連通しており、加熱槽であるゆで
卵製造装置1内に熱水蒸気を導入するものである。スプ
リンクラ22はゆで卵の加熱調理終了後に冷水を散布し
て、ゆで卵の冷却を行うためのものである。尚、ゆで卵
製造装置1には、図示はしないが熱水蒸気を排出する排
気ポートや冷水を抜くドレン口も形成されていることは
もちろんである。
【0017】上記構成を有する本実施例のゆで卵製造装
置1によるゆで卵の製造は、以下のようにして行われ
る。まず、卵トレイ20の各窪み21に卵9を載置す
る。このとき、各卵9を立てた状態で載置する。立てた
状態とするのは、後述する調理中の回転の際に卵9の長
手方向と回転軸とが直交するようにするためである。
尚、一般に汎用の卵トレイの窪みの形状は、卵を立てた
状態で載置するのに都合がよいように形成されている。
【0018】そして、卵9を載置した卵トレイ20を卵
ケース14の底面に置く。卵トレイ20は、前記のよう
に卵ケース14の底面のサイズに予め切り揃えられてい
る。同様に卵9を載置した卵トレイ20を5ないし6段
積載する。実際には鶏卵はこのような状態で流通されて
おり、搬入されたそのままの状態でよい。尚、最上段の
卵9の上に、空の卵トレイ20をさらに一枚載置してお
くのがよい。回転ドラム2に挿入した際におけるパンチ
板15による卵9の押圧を緩衝するためである。
【0019】そして、ゆで卵製造装置1の回転ドラム2
のパンチ板15をバネの付勢に抗して持ち上げておい
て、卵9を積載した卵ケース14を4本のアングルバー
11a、11bの間に奥板12に当接するまで挿入す
る。回転ドラム2においては、アングルバー11a、1
1b、及び奥板12は卵ケース14のサイズに合わせて
配設されているので、隙間なく挿入することができ、回
転ドラム2を回転させてもガタが生じることはない。ま
た、パンチ板15により卵ケース14内の卵9は固定さ
れた状態に維持され、覆転可能となっている。ゆで卵製
造装置1の6つの回転ドラム2に卵ケース14を挿入し
たら、開閉扉31を閉じ、止金33により開閉扉31を
閉状態に固定する。
【0020】そして、スイッチ盤35のスイッチを操作
すると、加熱調理が開始される。ゆで卵製造装置1にお
けるゆで卵の加熱調理は、内部への熱水蒸気の供給動作
と回転ドラム2の回転動作とにより構成される。まず、
熱水蒸気の供給動作について説明する。ゆで卵製造装置
1においては、装置本体30の後方に載置されている蒸
気ボイラ3により水を加熱して水蒸気となし、これをゆ
で卵製造装置1の内部下方に設けられている蒸気ポート
4から供給し、かかる水蒸気の顕熱により卵9を加熱調
理してゆで卵を製造する。このとき、卵9を押えるパン
チ板15に多数の小孔が設けられているので、蒸気の流
れがスムーズである。
【0021】尚、蒸気ボイラ3から蒸気ポート4にいた
る配管には、図示しない主開閉弁と副開閉弁とが設けら
れており、加熱開始直後の急速昇温時とその後の一定温
度維持時とで水蒸気の供給流量を変更できるようになっ
ている。加熱調理中における水蒸気の温度は95ないし
100℃に維持される。この温度及び調理時間により、
できあがるゆで卵の状態(かたゆで、半熟等)が異なる
ので、嗜好や用途により調整される。
【0022】このようにゆで卵製造装置1では、卵9を
加熱する方法として水蒸気により加熱する方法を採用し
ている。この方法以外の加熱方法として、一般家庭で行
われる熱水による方法や、あるいは遠赤外線の照射によ
る方法が考えられるが、水蒸気による加熱方法はこれら
と比較して以下の利点を有している。まず、熱水による
方法と比較して作業効率及び熱効率に優れることが上げ
られる。ゆで卵製造装置1の場合大量生産に対応するた
めに、内部容積がかなり大きいので、熱水による方法で
は給水やその昇温、そして調理後の排湯に要する時間が
無視できないものとなるからである。また、調理開始時
にいきなり高温の湯を供給することとすると、熱衝撃に
より殻の破損が発生することがある。
【0023】また、遠赤外線の照射による方法では卵9
が乾燥するという問題がある。卵の殻には雛の呼吸のた
めの微細な気孔が存在しており、水蒸気の出入りが可能
だからである。このためできあがるゆで卵がパサパサの
ものとなってしまう。むろん、別途の加湿手段を設けれ
ば乾燥の問題は解決できるが、その場合加湿手段により
供給される蒸気で充分加熱できるので遠赤外線照射の必
要がなくなる。遠赤外線照射手段を省略すれば結局、ゆ
で卵製造装置1と同様の水蒸気による加熱方法に帰す
る。これらのことから、この種の業務用ゆで卵製造装置
では水蒸気による加熱方法が最も適しているといえるの
で、ゆで卵製造装置1でもこの方法を採用することとし
たものである。
【0024】次に、かかる加熱調理中に行われる回転ド
ラム2の回転動作について説明する。ゆで卵製造装置1
では本体30の裏方に駆動モータMが付設されており、
加熱調理中駆動モータMは回転している。そしてこの回
転はギアで減速され、モータ軸16、ドライブスプロケ
ット17、チェーン19、ドリブンスプロケット18、
軸継手13を介して回転ドラム2に伝達される。かくし
て回転ドラム2は卵ケース14を保持した状態で回転さ
れる。回転ドラム2の回転数は、約10rpm である。回
転ドラム2を回転させる理由は、いうまでもなく卵9に
おける黄身の偏りを防止することにある。黄身の偏りが
あると、ゆで卵を裁断したときに黄身の配分不均一や見
栄えの問題があり、また、自動殻剥き装置における殻剥
きの際の白身の破れが起こりやすいという問題があるか
らである。
【0025】ここでゆで卵製造装置1における卵9の回
転動作には、次のような特徴がある。すなわち卵9は卵
トレイ14に立てた状態で載置されるので、回転ドラム
2の回転による回転軸と卵9の長手方向とは互いに垂直
となっている。このことにより調理される卵9において
黄身の位置は、長手方向にも周辺方向にも偏ることがな
く、卵のほぼ中心に位置した状態でゆで卵となる。回転
しながらの加熱調理が終了すると、水蒸気の供給が停止
され、代わりにスプリンクラ22から冷水が散布され、
調理されたゆで卵の冷却を行う。ゆで卵を冷却する目的
は、ゆで卵の回転ドラム2からの迅速な回収を可能にす
ること、及び次工程である殻剥きを容易にすることにあ
る。このとき、卵9を押えるパンチ板15に多数の小孔
が設けられているので冷水の流れがスムーズで、ゆで卵
製造装置1内全体に冷水が行きわたり、まんべんなく卵
9が冷却される。
【0026】冷却が終了すると、冷水の散布が停止され
る。そして、本体30前面の止金33を解除して開閉扉
31を開く。かくして調理されたゆで卵9を載置してい
る卵ケース14を回転ドラム2から取り出すことができ
る。冷水散布により卵ケース14等も冷却されているの
で、手作業で何ら問題なく卵ケース14を取り出すこと
ができる。卵ケース14を取り出したら、卵ケース14
から卵トレイ20を出し、ゆで卵9を回収する。回収し
たゆで卵9は、公知の殻剥き装置で殻及び薄皮の除去を
行い、その後、用途に応じて縦割、輪切り等の形態に裁
断される。
【0027】以上詳細に説明したように、ゆで卵製造装
置1により得られたゆで卵9は、次のような特徴を有し
ている。即ち、ゆで卵9においては前記した回転動作に
より黄身が上下方向にもその周辺方向にも偏ることがな
く中心に位置している。よって白身の薄い部分がない。
従って、殻剥き装置により殻及び薄皮の除去を行う際
に、殻剥き装置における白身の破れが起こらない。これ
により、ゆで卵製造の歩留まりが高く、また殻剥き装置
の清掃頻度を低く押えることができかつ故障の原因とな
ることもない。さらに、ゆで卵9を縦割裁断した場合に
黄身の配分の不均一や上下方向の偏りが排除され、図9
(a)に示す均整のとれた断面が得られる。また、ゆで
卵9は調理後に冷水による冷却を受けているので、その
冷却の際に白身がやや収縮し、殻との間に微少な隙間が
生じているので、殻剥き装置による殻の除去がスムーズ
に行われる。
【0028】そして、ゆで卵製造装置1の特徴として、
上記のような優れたゆで卵の製造ができることのほか、
次のことが挙げられる。即ち、回転ドラム2により卵9
をその場で回転させることとしたので、図10に示す従
来のゆで卵製造装置のような長尺のコンベアベルトが不
要となり、装置全体を小形化することができている。ま
たこれにより、装置の内部容積も縮小できているので、
蒸気ボイラ3の容量も従来の装置の場合より小さくてす
む。これらのことからコスト負担も相当に減縮できるの
で、中規模事業者にも無理なく導入することができる。
【0029】以上、実施例について本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改良が
可能であることは容易に推察できるものである。例え
ば、前記各実施例では回転ドラム2の個数を6個とした
が、事業規模に応じて適切な個数としてもよい。また、
蒸気供給、温度制御、回転、冷水散布の各動作をマイコ
ン等の手段により自動化することとしてもよく、その場
合開閉扉31の状態等をモニタすることによる安全機能
を備えるのがよい。また、鶏卵のみならず鶉卵等にも適
用できる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したことからなように、本発明
のゆで卵製造装置は、卵を覆転可能に保持する卵保持手
段と、卵保持手段を密閉して収納する密閉容器と、密閉
容器内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、前記卵保
持手段を回転駆動する回転手段とを有しているので、加
熱調理中の卵に回転運動を与えることができ、ゆで卵に
おける黄身の偏りを排除することができる。これによ
り、ゆで卵製造の製造の歩留まりを向上するとともに、
製造効率をも改善できるゆで卵製造装置を安価に提供す
ることができる。また、ゆで卵を裁断して供食する際の
黄身の配分や見栄えもよい。
【0031】特に、本発明のゆで卵製造装置では、加熱
調理中の卵に与えられる回転運動の回転軸が卵の長手方
向と垂直となるので、ゆで卵における黄身の偏りを、周
辺方向のみならず長手方向にも排除することができる。
また、本発明のゆで卵製造装置では、卵の回転ドラムへ
の保持は卵を包蔵する卵ケースを介して行われるので、
流通業者から搬入された卵をケースごと挿入して調理す
ることができる。また、本発明のゆで卵製造装置では、
調理後の卵に冷水を噴霧する冷水噴霧手段を有している
ので、調理後のゆで卵を効率よく回収でき、またその後
の殻剥き作業もスムーズになされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるゆで卵製造装置の外観を
示す図である。
【図2】前部開閉扉を開いた状態で示すゆで卵製造装置
の内部機構を示す図である。
【図3】ゆで卵製造装置における回転ドラムを正面から
見た図である。
【図4】ゆで卵製造装置における回転ドラムを側面から
見た図である。
【図5】ゆで卵製造装置における回転ドラムの駆動機構
を示す図である。
【図6】ゆで卵製造装置の側面を部分的に示す図であ
る。
【図7】回転ドラムに装填される卵ケースを示す図であ
る。
【図8】卵トレイに卵を載置している状態を示す図であ
る。
【図9】ゆで卵の断面を示す図である。
【図10】従来のゆで卵製造装置の主要部を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ゆで卵製造装置 2 回転ドラム 3 蒸気ボイラ 4 蒸気ポート 9 卵 13 軸継手 14 卵ケース 22 スプリンクラ M 駆動モータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵を覆転可能に保持する卵保持手段と、 卵保持手段を密閉して収納する密閉容器と、 密閉容器内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、 前記卵保持手段を回転駆動する回転手段とを有すること
    を特徴とするゆで卵製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に示すものにおいて、 前記卵保持手段は、卵を包蔵する卵ケースを介して保持
    するものであることを特徴とするゆで卵製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に示すものにお
    いて、 前記回転手段の回転軸と前記卵保持手段により保持され
    る卵の長手方向とが互いに垂直になるように構成されて
    いることを特徴とするゆで卵製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3に示すものにお
    いて、 前記卵保持手段に保持される卵に冷水を噴霧する冷水噴
    霧手段を有することを特徴とするゆで卵製造装置。
JP5125295A 1993-04-28 1993-04-28 ゆで卵製造装置 Pending JPH06311870A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5125295A JPH06311870A (ja) 1993-04-28 1993-04-28 ゆで卵製造装置

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JP5125295A JPH06311870A (ja) 1993-04-28 1993-04-28 ゆで卵製造装置

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