JPH0631140A - 水素同位体の分離方法 - Google Patents

水素同位体の分離方法

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JPH0631140A
JPH0631140A JP9817692A JP9817692A JPH0631140A JP H0631140 A JPH0631140 A JP H0631140A JP 9817692 A JP9817692 A JP 9817692A JP 9817692 A JP9817692 A JP 9817692A JP H0631140 A JPH0631140 A JP H0631140A
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忠志 佐々木
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靖 藤村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 交換液中で作業物質中の水素原子と原料水中
の水素同位体との交換反応を行ない、交換反応の作業物
質にレーザー光を照射して解離させ、水素同位体を含有
する解離生成物を分離し回収することからなる水素同位
体分離方法において、交換液としてジエチレングリコー
ルモノメチルエーテルまたはこれとジメチルスルホキシ
ドとの混合物を使用することを特徴とする。 【効果】 分離効率のよい水素同位体の分離方法が実現
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素同位体、すなわち
重水素および三重水素を、核融合炉の冷却水や核燃料再
処理工場の排水から除去したり、水素同位体を富化した
りするための、水素同位体分離方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】水素同位体の分離方法として、水素原子
を有する作業物質と水素同位体を有する物質とを接触さ
せて交換反応を行ない、水素同位体が移行した作業物質
にレーザーを照射して水素同位体を解離させ、分離する
方法が知られている。
【0003】この方法に使用する作業物質の例を挙げれ
ば、トリフロロメタン、ペンタフロロエタン、ヘプタフ
ロロプロパンなどのフッ素化炭化水素である。
【0004】作業物質の同位体交換反応を促進する手段
として、交換液の使用が提案されている(特開昭60−
97031号)。 この方法は、水に含まれる水素同位
体と作業物質中の水素原子とが直接交換反応をする機会
を増大させるため、水と作業物質とを同一の溶媒、すな
わち交換液に溶解して交換反応を行なわせる方法であ
る。 交換液として、ジチメルスルホキシド(以下、
「DMSO」と略記する。)が有用とされている。
【0005】作業物質としてCF3Hを使用した場合を
例にとって説明すると、図1に示すように、まず第一接
触塔(1)において、交換液に作業物質を溶解した溶液
と原料水の水蒸気とを向流接触させて、作業物質中の水
素原子と原料水中の水素同位体とを交換する。 このと
き溶液に、アルカリ触媒たとえばNaOHを添加してお
くことが好ましい。
【0006】第一接触塔内の交換反応は、つぎのとおり
である: CF3H+OH-→CF3 -+H2O CF3 -+HTO→CF3T+OH- CF3 -+HDO→CF3D+OH- ついで、交換反応後の作業物質を含む交換液を第二接触
塔(2)に送り、そこで交換液をガス状の作業物質(C
3H)と向流接触させて、ガス状作業物質を交換液に
溶解させるとともに、交換反応後の作業物質を気相に移
行させる。
【0007】第二接触塔の下部から排出される液体、す
なわち未交換の作業物質を溶解した交換液は、第一接触
塔に供給する。
【0008】第二接触塔の上部から取り出した気体、す
なわち水素同位体を有する作業物質は、レーザー反応セ
ル(3)に送られ、そこでレーザー光の照射を受ける。
その結果、水素同位体を有する作業物質が選択的に解
離する。
【0009】 CF3T+nhν→1/2C24+TF CF3D+nhν’→1/2C24+DF 次に解離生成物(TF,DF)を回収器(4)で分離し
て回収し、残りのガス状作業物質は、第二接触塔に循環
供給する。
【0010】上記のDMSOを交換液として使用する方
法は、同位体交換反応が迅速に進行するものの、交換率
が低く、全体として分離効率はよくない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、交換
液を使用した水素同位体の分離方法において、交換反応
速度が速く、しかも交換率の高い分離方法を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の水素同位体の分
離方法は、下記の工程からなる水素同位体の分離方法に
おいて、 A)作業物質を溶解した交換液に原料水の蒸気をアルカ
リ触媒の存在下に接触させて作業物質中の水素原子と原
料水中の水素同位体との交換反応を行ない、ついでこの
交換反応をした作業物質を含有する交換液にガス状の作
業物質を気液接触させて、ガス状作業物質を交換液に溶
解するとともに、交換反応後の作業物質を気相に移行さ
せることからなる同位体交換反応工程、 B)水素同位体を含有するガス状の作業物質を、レーザ
ー照射により選択的に解離させる解離工程、および C)解離した水素同位体を有する物質を分離して回収す
る回収工程、同位体交換反応工程を、交換液としてジエ
チレングリコールモノメチルエーテル(以下、「DEG
MME」と略記する。)を使用するか、またはDEGM
MEとDMSOとの混合液を使用して実施することを特
徴とする。
【0013】混合液を使用する場合の組成は、DMSO
がモル比で10〜75%の範囲が適当である。
【0014】
【作用】交換液としてこれまで使用されているDMSO
は、下に示すように、6個の水素原子を有する化合物で
あって、
【0015】
【化1】
【0016】この水素原子は水素同位体と交換されやす
い。 そのため、作業物質と交換反応して欲しい水素同
位体がDMSOと交換反応をしてしまう傾向が強く、そ
の結果、従来の方法では水素同位体の分離効率が高くな
らないことがわかった。
【0017】そこで発明者らは、交換液に要求される、
水に可溶であること、作業物質の溶解度が高いこ
と、アルカリに対して安定であること、および、水
との沸点差が大きいこと、という条件を満たす有機化合
物の中から、水素同位体の交換反応が起りにくい物質と
して、下式のDEGMMEを見出し、これを交換液とし
て使用することにした。 さらに、DEGMMEと従来
からしられているDMSOとの混合物は、上記の諸特性
に関して加成的な性質をもつことを確認し、この混合液
も場合により交換液として使用することにした。
【0018】
【化2】
【0019】これにより、交換反応促進効果と高い交換
率とが、あわせて実現された。
【0020】
【実施例1】図2に示す構成の交換反応実験装置を組み
立てた。
【0021】重水(99.5%−D)にアルカリ触媒(N
aOH)を添加して、1N−NaOH重水溶液を調製し
た。 この溶液に交換液を重水と等モル量加えて混合
し、下記のa〜cの組成の混合液とした。(モル%)
cは従来技術を示す比較例である。
【0022】 上記の各交換液を加えた3種類の混合溶液約30ccをパ
イレックス製反応容器に入れ、液体窒素で凍結し真空脱
気することを3回繰り返した後に、温度90℃まで昇温
した。
【0023】真空脱気した反応容器に、作業物質として
トリフルオロメタンを、内部圧力が760Torrになるま
で導入し、マグネティックスターラーで撹拌して同位体
交換反応を行なった。
【0024】反応時間と交換率との関係を図3および図
4に示した。 図3は横軸の時間スケールが24時間で
あり、図4は2時間、つまり図3の反応初期の部分の拡
大図である。 ここで交換率とは、全作業物質(CF3
H+CF3D)中に占める、交換反応をした作業物質(C
3D)の割合をいう。
【0025】図3および図4のグラフからわかるよう
に、DMSOを交換液として使用すると、交換反応が2
0〜30分間で平衡に達するが、交換率は30%程度に
止まる。 これに対し、DEGMMEを用いた場合、平
衡までの時間は長くなるが、反応の速度は十分実用にな
る程度であり、交換率は55〜60%に達する。 また
DMSOとDEGMMEとの等モル混合物を使用した場
合は、3〜4時間で交換反応が平衡に達し、交換率は約
40%である。
【0026】
【実施例2】前記の混合液a,bおよびcの系におい
て、反応温度を70℃に設定して、上記と同様な同位体
交換反応を行なった。 結果を図5に示す。
【0027】つぎに混合液bおよびcの系において、反
応温度を110℃に設定して、上記と同様な同位体交換
反応を行なった。 その結果は、図6に示す。
【0028】図5および図6のグラフからわかるよう
に、従来の交換液DMSOを使用した場合は、反応温度
が変化しても反応速度は変わらない。 一方、本発明に
従ってDEGMMEを使用した場合は、反応温度を高め
ると反応速度が増加し、110℃の反応温度では、混合
液cの系とほぼ同等な反応速度を示す。
【0029】
【発明の効果】本発明が交換液として使用することを提
案するDEGMMEは、交換反応が十分に速く起り、か
つ交換率が高い。 とくに、比較的高い操業温度で反応
速度が高くなる。 従って、この交換液を使用した本発
明の分離方法は、水素同位体の分離効率がよい。 既知
の交換液であるDMSOとの混合液もまた、有用であ
る。
【0030】本発明の分離方法は、核融合炉および実験
炉の冷却水中の水素同位体の除去および濃縮、核燃料再
処理工場の排水中のトリチウム分離、重水炉中のトリチ
ウム除去などの分野や、その他のトリチウム取り扱い施
設、大型放射光施設において役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 交換液を使用する水素同位体分離法を説明す
るためのフロ−チャ−ト。
【図2】 本発明の実施例に使用した交換反応実験装置
の構成を示すフローチャート。
【図3】 本発明の分離方法の効果を裏付ける、実施例
のデ−タを示すグラフ。
【図4】 図3のデータの、反応初期の部分を拡大して
示したグラフ。
【図5】 反応温度を70℃に設定した場合の、実施例
のデ−タを示すグラフ。
【図6】 反応温度を110℃に設定した場合の、実施
例のデ−タを示すグラフ。
【符号の説明】
1 第一接触塔 2 第二接触塔 3 レーザー反応セル 4 回収器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程からなる水素同位体の分離方
    法において、 A)作業物質を溶解した交換液に原料水の蒸気をアルカ
    リ触媒の存在下に接触させて、作業物質中の水素原子と
    原料水中の水素同位体との交換反応を行ない、 ついでこの交換反応をした作業物質を含有する交換液に
    ガス状の作業物質を気液接触させて、ガス状作業物質を
    交換液に溶解するとともに、交換反応後の作業物質を気
    相に移行させることからなる同位体交換反応工程、 B)水素同位体を含有するガス状の作業物質をレーザー
    照射により選択的に解離させる解離工程、および C)解離した水素同位体を有する物質を分離して回収す
    る回収工程、同位体交換反応工程を、交換液としてジエ
    チレングリコールモノメチルエーテルを使用して実施す
    ることを特徴とする分離方法。
  2. 【請求項2】 下記の工程からなる水素同位体の分離方
    法において、 A)作業物質を溶解した交換液に原料水の蒸気をアルカ
    リ触媒の存在下に接触させて、作業物質中の水素原子と
    原料水中の水素同位体との交換反応を行ない、 ついでこの交換反応をした作業物質を含有する交換液に
    ガス状の作業物質を気液接触させて、ガス状作業物質を
    交換液に溶解するとともに、交換反応後の作業物質を気
    相に移行させることからなる同位体交換反応工程、 B)水素同位体を含有するガス状の作業物質をレーザー
    照射により選択的に解離させる解離工程、および C)解離した水素同位体を有する物質を分離して回収す
    る回収工程、同位体交換反応工程を、交換液としてジエ
    チレングリコールモノメチルエーテルとジメチルスルホ
    キシドとの混合液を使用して実施することを特徴とする
    分離方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5572868A (en) * 1994-02-21 1996-11-12 Aisin Takaoka Co., Ltd. Exhaust manifold
US5867985A (en) * 1996-07-09 1999-02-09 Yutaka Giken Co. Ltd. Exhaust manifold for engine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5572868A (en) * 1994-02-21 1996-11-12 Aisin Takaoka Co., Ltd. Exhaust manifold
US5867985A (en) * 1996-07-09 1999-02-09 Yutaka Giken Co. Ltd. Exhaust manifold for engine

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Effective date: 19950124