JPH06310349A - 3相変圧器 - Google Patents

3相変圧器

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JPH06310349A
JPH06310349A JP5096081A JP9608193A JPH06310349A JP H06310349 A JPH06310349 A JP H06310349A JP 5096081 A JP5096081 A JP 5096081A JP 9608193 A JP9608193 A JP 9608193A JP H06310349 A JPH06310349 A JP H06310349A
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JP
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phase
tertiary
primary
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JP5096081A
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English (en)
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Koji Doi
耕次 土井
Yoshiaki Shimizu
吉章 清水
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Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】中性点に対する対称性を損うことなく、デルタ
巻線に中性点を設けることができるようにした3相変圧
器を提供する。 【構成】2次巻線C2u〜C2wのそれぞれの巻数n2 の2
/3の巻数を有する3次巻線C3wを1つの相に設ける。
他の2相の2次巻線Cu2及びCv2の互いに相結線された
端子からそれぞれ(2/3)n2 ターン目の位置よりそ
れぞれ引き出したタップ2ut,2vt間に3次巻線C3wを
接続し、3次巻線C3wの中点から中性点Oを引き出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配電用の3相変圧器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】高圧または特別高圧の電圧を400V級
の電圧に降圧する400V級の配電用変圧器の2次側
は、電気設備技術基準第23条の中性点接地の規定を満
たすために、一般にスター結線されてその中性点が接地
されている。
【0003】ところで、変圧器においては、スター結線
よりもデルタ結線の方が1ターン当りの導体断面積が小
さくて済むため、電流容量が大きい巻線の場合には、デ
ルタ結線にする方が有利である。そこで、実開昭52−
138219号に見られるように、デルタ結線で中性点
を引き出した変圧器が提案されている。この変圧器で
は、図8に示すように、3相の2次巻線Cu,Cv,C
wがデルタ結線され、その3相の相結線部からそれぞれ
2次側端子U2 ,V2 ,W2 が引き出されている。3相
の内の2相(U相及びW相)に3次巻線Nu及びNwが
設けられている。ここで2次巻線の巻数をn2 、3次巻
線の巻数をn3 とすると、n3 =(1/3)n2 であ
り、3次巻線の全巻数は2×n3 =(2/3)n2 であ
る。3次巻線Nuの一端とNwの一端とが接続されて、
3次巻線Nwの他端が2次側端子U2に接続され、3次
巻線Nuの他端が中性点Oとなっている。
【0004】またデルタ結線ではないが、それに類似し
た結線の巻線から中性点を得た変圧器が特開平2−66
911号に示されている。この変圧器の2次巻線の構成
は図9に示した通りで、この変圧器では3相の2次巻線
Cu2,Cv2及びCw2の内、U相の2次巻線Cu2及びW相
の2次巻線Cw2の巻数が等しく(=n2 )設定され、V
相の2次巻線Cv2の巻数は(2/3)n2 に設定されて
いる。U相の2次巻線Cu2の一端から(2/3)n2 の
点がV相の巻線Cv2の一端に接続され、V相の2次巻線
Cv2の他端がW相の2次巻線Cw2の一端から(1/3)
n2 の点に接続されている。またW相の2次巻線Cw2の
他端がU相の2次巻線Cu2の一端に接続され、U相の2
次巻線の一端、U相の2次巻線の他端及びW相の2次巻
線の一端からそれぞれU相、V相及びW相の2次側端子
U2 ,V2 及びW2 が引き出されている。この変圧器で
は、V相の2次巻線の中点が中性点Oとなっており、該
中性点が接地されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図8に示した変圧器で
は、以下に示すような問題があった。
【0006】(a)2次側端子U2 〜W2 と中性点間の
回路上の対称性が悪いため、地絡電流の地絡相による差
が大きくなり、特定の相に大きな地絡電流が流れる。図
8の例ではU相の地絡電流が他相の地絡電流よりも大き
くなる。
【0007】(b)中性点につながる回路が1つである
ため、3次巻線が1か所でも断線すると中性点が喪失す
る。
【0008】また図9に示した変圧器では以下に示すよ
うな問題があった。
【0009】(c)大きな電流が流れるV相の2次巻線
Cv2の導体断面積相当の導体断面積を有する大電流タッ
プをU相及びW相の2次巻線Cu2及びCw2に設ける必要
があるため、コストが高くなる。
【0010】(d)2次巻線における3相の対称性が悪
いため、3相間のインピーダンス電圧降下が不平衡にな
る。
【0011】(e)中性点Oの両側からタップを引き出
すことにより単相3線式の出力を得ることができるが、
この場合、短絡電流が大きくなるため、得ようとする単
相3線式出力が小さい場合でも大電流の配線用遮断器を
必要とし、不経済である。
【0012】また図10は中性点に対する対称性を良く
するために本発明者が参考例として提示した案で、この
案では、U相〜W相に2次巻線Cu〜Cwとともに、第
1の3次巻線Nua〜Nwaと第2の3次巻線Nub〜Nwbと
が設けられている。これらの3次巻線の巻数n3 は2次
巻線Cu〜Cwの巻数n2 の1/6[n3 =(1/6)
n2 ]に設定されている。この案では、第1の3次巻線
Nua,Nva及びNwaの一端がそれぞれ第2の3次巻線N
vb,Nwb及びNubの一端に接続されている。第2の3次
巻線Nub,Nvb及びNwbの他端がそれぞれデルタ結線さ
れたV相,W相及びU相の2次巻線Cv、Cw及びCu
の中点に接続されている。また第1の3次巻線Nua〜N
waの他端が共通接続され、これらの3次巻線の共通接続
点が中性点Oとなっている。
【0013】図10のように構成すれば、中性点に対す
る対称性が良くなり、図8または図9に示した変圧器が
有する問題を解決できる。しかしながら、図10の変圧
器では、3次巻線の全巻数6n3が、2次巻線の巻数n2
に等しくなるため、3次巻線の所要巻数が多くなって巻
線作業が面倒になるだけでなく、必要な導体量が多くな
ってコストが高くなるのを避けられない。また3次巻線
が6個もあるため、巻線間の接続が面倒になるという問
題もある。
【0014】図11は図8の変圧器や図9に示した変圧
器が有する問題を解決するために本発明者が参考例とし
て提示した他の案を示したもので、この案では、U相〜
W相に巻数がn2 の2次巻線Cu〜Cwとともに巻数n
3 が(1/3)n2 に等しい3次巻線Nu〜Nwが巻回
されている。2次巻線Cw,Cuの相結線部、Cu,C
vの相結線部及びCv,Cwの相結線部からそれぞれ2
次側端子U2 ,V2 及びW2 が引き出され、2次巻線C
u〜Cwのそれぞれの一端(2次側端子U2 〜W2 部)
から(2/3)n2 の点にそれぞれ3次巻線Nv,Nw
及びNuの一端が接続されている。そして3次巻線Nu
〜Nwの他端が共通接続され、これらの3次巻線の共通
接続点が中性点Oとして接地されている。
【0015】この図11の構成によっても中性点に対す
る対称性を良くすることができ、図8または図9の変圧
器が有していた問題を解決することができる。しかしな
がら、図11のように構成した場合も、3次巻線の全巻
数3n3 が2次巻線の巻数n2 に等しくなるため、3次
巻線の所要巻数が多くなって巻線作業が面倒になり、必
要な導体量が多くなってしまう。また図11に示した変
圧器では図10に示した例よりは3次巻線の数が少ない
が、3つの3次巻線Nu〜Nwを必要とするため、巻線
間の接続が繁雑になるのを避けられない。
【0016】本発明の目的は、中性点に対する対称性を
大幅に損なうことなく、かつ3次巻線の巻数を少なくし
てデルタ巻線に中性点を形成することができるようにし
た3相変圧器を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、等しい巻数n
2 を有する3相の2次巻線の所定の端子どうしを相結線
してデルタ結線し、デルタ結線された3相の2次巻線の
相結線部からそれぞれ3相の2次側端子を引き出した3
相変圧器に係わるものである。
【0018】本発明においては、2次巻線の巻数n2 の
2/3の巻数を有する3次巻線を1つの相に設ける。そ
して他の2相の2次巻線の互いに相結線された端子から
それぞれ(2/3)n2 ターン目の位置よりそれぞれ引
き出されたタップ間に3次巻線を接続し、3次巻線の中
点から中性点を引き出す。
【0019】上記3次巻線は、2次巻線を間にして1次
巻線と対向するように配置するのが好ましい。
【0020】本発明の変圧器では、3次巻線の中点の両
側の対称位置からそれぞれ単相3線式出力取出用の端子
を引き出すことができる。
【0021】本発明の変圧器において、1次側にタップ
を設ける場合には、3次巻線が設けられていない2つの
相の1次巻線のそれぞれの所定の端部側にタップ引出部
を設ける。また2つの相の内の一方の相の1次巻線に設
けられたタップ引出部の所定のタップ及び他方の相の1
次巻線に設けられたタップ引出部の所定のタップをそれ
ぞれ3次巻線が設けられている1つの相の1次巻線の一
端及び他端に接続するとともに、3次巻線が設けられて
いない2つの相の1次巻線のそれぞれのタップ引出部と
反対側の端部どうしを互いに相結線して、3相の1次巻
線をデルタ結線する。3次巻線が設けられていない2つ
の相の1次巻線のそれぞれのタップ引出部からタップ切
換手段を介して2つの1次側端子を引き出し、3次巻線
が設けられていない2つの相の1次巻線のそれぞれのタ
ップ引出部と反対側の端部どうしの相結線部から他の1
つの1次側端子を引き出す。
【0022】タップの引出を容易にするためには、上記
タップ引出部が設けられた2つの相の1次巻線を互いに
逆方向に巻回して、該2つの相の1次巻線のタップ引出
部を共に巻終り側の端部に配置するのが好ましい。
【0023】
【作用】上記のように、2次巻線の巻数n2 の2/3の
巻数を有する3次巻線を1つの相に設けて、他の2相の
2次巻線の互いに相結線された端子からそれぞれ(2/
3)n2 ターン目の位置よりそれぞれ引き出されたタッ
プ間に3次巻線を接続し、3次巻線の中点から中性点を
引き出すようにすると、中性点に対する回路の対称性を
比較的良好にすることができ、3相のインピーダンス電
圧降下をほぼ平衡させることができる。しかも中性点に
通じる回路が2回路構成されるため、図8に示した従来
の変圧器に比べて、3次巻線の断線により中性点が喪失
する確率を少なくすることができ、信頼性を高めること
ができる。
【0024】上記のように、本発明によれば、2次側を
デルタ結線としてしかも中性点を接地することができる
ため、電気設備基準第23条の規定を満たして、特別高
圧/400V級または高圧/400V級の配電を行わせ
ることができる。通電容量が大きい場合、2次側をデル
タ結線することにより、導体断面積を小さくして巻線作
業を容易にすることができる。
【0025】また上記のように構成すると、3相の2次
巻線から流出する2次電流は主として2次巻線を流れる
が、若干3次巻線にも分流する。3次巻線と1次巻線と
を2次巻線を間にして対向させるように配置すると、1
次、3次間の距離を長くして1次−3次巻線間のインピ
ーダンス電圧降下を大きくすることができるため、3次
巻線を流れる電流を小さくすることができる。
【0026】また3次巻線の中点の両側から出力端子を
引き出すと、単相3線式の出力(200/100V級)
を得ることができるため、3相400V級の配電と、単
相200/100V級の配電とを同時に行わせることが
できる。この場合、変圧器容量が大きくても、単相3線
式出力側の短絡電流は小さくすることができるため、配
電用遮断器の遮断容量を小さくすることができる。
【0027】上記のように、3次巻線が設けられていな
い2つの相の1次巻線にそれぞれタップを設けると、タ
ップ引出部が2か所だけになるので、タップ切換機構を
簡単にすることができる。また3次巻線が設けられた相
の1次巻線にはタップ引出部を設けないため、3次巻線
を有する相の巻回厚の増大を抑制することができる。更
に、タップ引出部が設けられた2つの相の1次巻線を互
いに逆方向に巻回して、該2つの相の1次巻線のタップ
引出部を共に巻終り側の端部に配置するようにすると、
タップの引出を容易にすることができるだけでなく、イ
ンピーダンス特性の3相間の平衡をよくすることがで
き、タップによる変動を小さくすることができる。
【0028】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例の2次側の構成
を示したもので、同実施例の電圧ベクトル図を図2に示
し、1次ないし3次巻線の配置を図3に示した。図1に
おいて、C2u〜C2wはそれぞれ巻数が等しいU相ないし
W相の2次巻線、C3wはU,V,W3相の内の1つの相
W相に設けられた3次巻線であり、3次巻線C3wの巻数
n3 は、2次巻線の巻数n2 の2/3に設定されてい
る。
【0029】U〜W相の2次巻線はそれぞれの所定の端
子どうしが相結線されてデルタ結線されている。図示の
例では、U相の2次巻線の巻始め側の端子2uとW相の
2次巻線C2wの巻終り側の端子2weとが相結線されてそ
の相結線部からU相の2次側端子U2 が引き出され、U
相の2次巻線の巻終り側の端子2ueとV相の2次巻線C
v2の巻始め側の端子2v とが相結線されてその相結線部
からV相の2次側端子V2 が引き出されている。またV
相の2次巻線C2vの巻終り側の端子2veとW相の2次巻
線C2wの巻始め側の端子2w とが相結線されて、その相
結線部からW相の2次側端子W2 が引き出されている。
【0030】U,V2相の2次巻線C2u及びC2vの互い
に相結線された端子からそれぞれ(2/3)n2 ターン
目の位置よりそれぞれタップ2ut及び2vt引き出され、
これらのタップ2ut,2vt間に3次巻線C3wが接続され
ている。図示の例では、3次巻線C3wの巻始め側の端子
3w 及び巻終り側の端子3weがそれぞれV相の2次巻線
Cv2のタップ2vt及びU相の2次巻線Cu2のタップ2ut
に接続され、3次巻線の中点から中性点Oが引き出され
て、該中性点が接地されている。
【0031】なお図示してないが、1次側はデルタ結線
されている。
【0032】上記のように構成すると、2次側をデルタ
結線として、しかも中性点を形成することができるた
め、この中性点を接地することにより電気設備技術基準
の第23条の規定を満たすことができる。従って2次側
をデルタ結線として高圧/400V級または特別高圧/
400V級の配電を行うことができる。2次側をデルタ
結線すると、1ターン当りの導体断面積を小さくするこ
とができるため、大電流巻線における巻線作業を容易に
することができる。
【0033】本実施例において、3相の巻線は3脚鉄心
の3つの脚部にそれぞれ巻回されるが、3次巻線C3w
は、該3次巻線が設けられた相の2次巻線C2wを間にし
て同じ相の1次巻線C1wと対向するように巻回するのが
好ましい。図3はその巻線配置の一例を示したもので、
同図において4はW相の巻線が巻回される鉄心の脚部を
示している。この例では3次巻線C3wを最も鉄心に近い
位置に配置して、その外側に2次巻線C2wを配置し、2
次巻線C2wの外側に1次巻線C1wを配置している。
【0034】図1に示したように、2次側を構成する
と、3相の2次巻線から流出する2次電流は主として2
次巻線C2u〜C2wを流れるが、この2次電流は若干3次
巻線C3wにも分流する。従って、この分流電流を見込ん
で3次巻線C3wの巻線容量を設定する必要がある。図3
に示したように、3次巻線C3wと1次巻線C1wとを2次
巻線C2wを間にして対向配置すると、1次、3次間の距
離を長くして1次−3次巻線のインピーダンス電圧降下
を大きくすることができるため、3次巻線を流れる電流
を小さくすることができ、3次巻線の電流容量を小さく
することができる。
【0035】図4は本発明の第2の実施例を示したもの
で、この実施例では、3次巻線C3wの中点の両側の対称
位置からそれぞれ単相3線式出力取出用の端子U3 及び
W3が引き出されている。図4の巻線構成においては、
図3の巻線配置とする。その他の点は図1に示した実施
例と同様である。
【0036】このように3次巻線C3wの中点の両側から
出力端子U3 ,W3 を引き出すと、中性点端子Oと出力
端子U3 及びW3 とを用いて、単相3線式の出力(20
0/100V級)を得ることができる。従って、3相4
00V級の配電と、単相200/100V級の配電とを
同時に行わせることができる。図3のような巻線配置に
すると、1次−3次巻線間のインピーダンス電圧降下が
大となることにより、変圧器容量が大きくても、単相3
線式出力側の短絡電流は小さくすることができるため、
配電用遮断器の遮断容量を小さくすることができる。た
だし、単相3線式出力側の短絡電流は2次巻線からも供
給されるので、3次巻線が独立回路のときよりも、短絡
電流は大きくなる。
【0037】図5は本発明の第3の実施例を示したもの
で、この実施例では、デルタ結線された1次側におい
て、3次巻線の設けられていない2つの相の1次巻線に
タップが設けられている。この例では、3次巻線C3wが
設けられていないU相の1次巻線C1uの巻始め側の端部
側に5つのタップtu1〜tu5を有するタップ引出部tu
が設けられ、同じく3次巻線が設けられていないV相の
1次巻線C1vの巻終り側の端部に5タップtv1〜tv5を
有するタップ引出部tvが設けられている。そしてU相
の1次巻線C1uに設けられたタップ引出部tuの所定の
タップtu3及びV相の1次巻線C1vに設けられたタップ
引出部tvの所定のタップtv3がそれぞれW相(3次巻
線が設けられていない相)の1次巻線C1wの巻終り側の
端部及び巻始め側の端部に接続されるとともに、U,V
2相の1次巻線のそれぞれのタップ引出部tu及びtv
と反対側の端部どうしが互いに相結線されて、3相の1
次巻線C1u〜C1wがデルタ結線されている。そして、3
次巻線が設けられていないU相及びV相の1次巻線のそ
れぞれのタップ引出部からタップ切換手段5u及び5w
を介して2つの1次側端子U1 及びW1 が引き出され、
3次巻線が設けられていない2つの相の1次巻線C1u及
びC1vのそれぞれのタップ引出部と反対側の端部どうし
の相結線部から他の1つの1次側端子V1 が引き出され
ている。この実施例の1次側の電圧ベクトルを図7に示
した。本発明において、U相及びV相のタップ引出部t
u及びtvのそれぞれの相の電圧ベクトル上の位置は互
いに逆にする。図示の例では、タップ引出部tuをU相
の電圧ベクトルの終点側に位置させ、タップ引出部tv
をV相の電圧ベクトルの始点側に位置させている。2次
側の電圧ベクトルは図2と同様である。
【0038】上記のように、3次巻線C3wが設けられて
いない2つの相の1次巻線C1u,C1vにそれぞれタップ
を設けると、タップ引出部が2か所だけになるので、タ
ップ切換機構を簡単にすることができる。また3次巻線
C3wが設けられた相の1次巻線にはタップ引出部を設け
ないため、3次巻線を有する相の巻回厚の増大を抑制す
ることができる。3相間における巻線の巻回厚の差異が
小さいことは、変圧器の特性面及び製作面においても好
ましいことである。
【0039】図6は本発明の第4の実施例を示したもの
で、この実施例では、タップの引出を容易にするため
に、タップ引出部tu及びtvが設けられた2つの相の
1次巻線C1u及びC1vを互いに逆方向に巻回して、該2
つの相の1次巻線のタップ引出部を共に巻終り側の端部
に配置している。図6において1次巻線C1u及びC1vに
それぞれ施した斜線の向きが異なるのは、両1次巻線の
巻方向が異なることを意味している。2つのタップ引出
部tu及びtvのU相及びV相の電圧ベクトル上の位置
が互いに逆になっている点は図5の実施例と同様であ
る。
【0040】図6のように、タップ引出部が設けられた
2つの相の1次巻線C1u及びC1vを互いに逆方向に巻回
して、該2つの相の1次巻線のタップ引出部tu及びt
vを共に巻終り側の端部に配置するようにすると、図3
のように1次巻線が外側に巻回されている場合にタップ
の引出を容易にすることができる。
【0041】図3のように1次巻線を2次巻線の外側に
配置した場合に、タップ引出部を1次巻線の外側部分に
設けると、選択タップをt5 からt1 側に移行させるに
つれて(タップが抜けるにつれて)インピーダンス電圧
降下が減少するが、その減少の程度は僅かである。これ
に対し、タップ引出部を巻線の内側部分に設けると、上
記のタップ変化に伴ってインピーダンス電圧降下が増大
するが、その増加の程度は相当に大きくなる。
【0042】従って、図6のようにタップ引出部tu,
tvのタップt1 〜t5 を1次巻線の外側部分のみ設け
ると、3相間のインピーダンス特性の平衡面及びタップ
間のインピーダンス特性の安定面からも好ましいものと
なる。
【0043】ここで、本発明に係わる3相変圧器と、図
8に示した従来の3相変圧器と、図10及び図11に示
した参考提示例の3相変圧器とを比較して示すと次の通
りである。
【0044】(1)3次巻線の数 図8に示した従来例では3次巻線を2個設ける必要があ
り、図10に示した参考提示例及び図11に示した参考
提示例では、それぞれ6個及び3個の3次巻線を設ける
必要があるが、本発明では3次巻線を1つだけ設ければ
良い。
【0045】(2)3次巻線の全所要巻数 図10に示した参考提示例及び図11に示した参考提示
例では3次巻線の全所要巻数がn2 (2次巻線の巻数)
であるが、本発明の変圧器では、図8に示した従来例と
同様に(2/3)n2 でよい。
【0046】(3)中性点につながる回路の数 図8に示した従来例では、中性点につながる回路が1つ
しか形成されないが、本発明では2つの回路を形成する
ことができ、図10または図11に示した従来例に準じ
た信頼性を得ることができる。
【0047】(4)地絡電流の相間平衡状態 図8に示した従来例では、3相の地絡電流が全く平衡し
ないが、本発明の変圧器では中性点に対する対称性が比
較的良好であることから不平衡状態を軽減することがで
き、特定のインピーダンス特性条件下では平衡させるこ
とができる。なお図10及び図11に示した参考提示例
では3相の地絡電流が常に平衡する。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、2次巻
線の巻数n2 の2/3の巻数を有する3次巻線を1つの
相に設けて、他の2相の2次巻線の互いに相結線された
端子からそれぞれ(2/3)n2 ターン目の位置よりそ
れぞれ引き出されたタップ間に3次巻線を接続し、3次
巻線の中点から中性点を引き出すようにしたので、中性
点に対する回路の対称性を比較的良好にすることがで
き、3相のインピーダンス電圧降下をほぼ平衡させるこ
とができる。
【0049】また本発明によれば、中性点に通じる回路
が2回路構成されるため、3次巻線の断線により中性点
が喪失する確率を少なくすることができ、信頼性を高め
ることができる。
【0050】特に請求項2に記載した発明によれば、3
次巻線と1次巻線とを2次巻線を間にして対向させるよ
うに配置したことにより、1次、3次間の距離を長くし
て1次−3次巻線のインピーダンス電圧降下を大きくす
ることができるため、3次巻線を流れる電流を小さくす
ることができ、電流容量が小さい3次巻線を用いること
ができる。
【0051】また請求項3に記載した発明によれば、3
次巻線の中点の両側から単相3線式出力取出用の端子を
引き出したため、3相400V級の配電と、単相200
/100V級の配電とを同時に行わせることができる。
この場合、変圧器容量が大きくても、単相3線式出力側
の短絡電流を小さくすることができるため、配電用遮断
器の遮断容量を小さくすることができる。
【0052】更に請求項4に記載した発明によれば、タ
ップ引出部が2か所だけになるので、タップ切換機構を
簡単にすることができる。また3次巻線が設けられた相
の1次巻線にはタップ引出部を設けないため、3次巻線
を有する相の巻回厚の増大を抑制することができる。
【0053】また請求項5に記載した発明によれば、タ
ップ引出部が設けられた2つの相の1次巻線を互いに逆
方向に巻回して、該2つの相の1次巻線のタップ引出部
を共に巻終り側の端部に配置するようにしたので、タッ
プの引出を容易にすることができるだけでなく、インピ
ーダンス特性の3相間の平衡をよくすることができ、タ
ップによる変動を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の2次巻線の構成を示す巻線構
成図である。
【図2】図1の実施例の2次側の電圧ベクトルを示した
ベクトル図である。
【図3】本発明の実施例における巻線配置の一例を示し
た半部概略断面図である。
【図4】本発明の他の実施例の2次巻線の構成を示す巻
線構成図である。
【図5】本発明の3相変圧器の1次側の巻線構成の一例
を示した巻線構成図である。
【図6】本発明の3相変圧器の1次側の巻線構成の他の
例を示した巻線構成図である。
【図7】図5の実施例の1次側の電圧ベクトルを示すベ
クトル図である。
【図8】従来の3相変圧器の2次側の電圧ベクトルを示
したベクトル図である。
【図9】従来の他の3相変圧器の巻線構成を示した巻線
構成図である。
【図10】本願の発明者が参考例として提示した3相変
圧器の2次側の電圧ベクトルを示したベクトル図であ
る。
【図11】本願発明者が参考例として提示した他の3相
変圧器の2次側の電圧ベクトルを示したベクトル図であ
る。
【符号の説明】
C1u〜C1w 1次巻線 C2u〜C2w 2次巻線 C3w 3次巻線 U1 〜W1 1次側端子 U2 〜W2 2次側端子 O 中性点端子 2ut,2vt 3次巻線接続用のタップ tu,tv タップ引出部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等しい巻数n2 を有する3相の2次巻線
    の所定の端子どうしを相結線してデルタ結線し、デルタ
    結線された3相の2次巻線の相結線部からそれぞれ3相
    の2次側端子を引き出した3相変圧器において、 前記2次巻線の巻数n2 の2/3の巻数を有する3次巻
    線が1つの相に設けられ、 他の2相の2次巻線の互いに相結線された端子からそれ
    ぞれ(2/3)n2 ターン目の位置よりそれぞれ引き出
    されたタップ間に前記3次巻線が接続され、 前記3次巻線の中点から中性点が引き出されていること
    を特徴とする3相変圧器。
  2. 【請求項2】 前記3次巻線は、2次巻線を間にして1
    次巻線と対向するように配置されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の3相変圧器。
  3. 【請求項3】 前記3次巻線の中点の両側の対称位置か
    らそれぞれ単相3線式出力取出用の端子が引き出されて
    いることを特徴とする請求項2に記載の3相変圧器。
  4. 【請求項4】 前記3次巻線が設けられていない2つの
    相の1次巻線のそれぞれの所定の端部側にタップ引出部
    が設けられ、 前記2つの相の内の一方の相の1次巻線に設けられたタ
    ップ引出部の所定のタップ及び他方の相の1次巻線に設
    けられたタップ引出部の所定のタップがそれぞれ3次巻
    線が設けられている1つの相の1次巻線の一端及び他端
    に接続されるとともに、前記2つの相の1次巻線のそれ
    ぞれのタップ引出部と反対側の端部どうしが互いに相結
    線されて、3相の1次巻線がデルタ結線され、 前記3次巻線が設けられていない2つの相の1次巻線の
    それぞれのタップ引出部からタップ切換手段を介して2
    つの1次側端子がそれぞれ引き出され、 前記3次巻線が設けられていない2つの相の1次巻線の
    それぞれのタップ引出部と反対側の端部どうしの相結線
    部から他の1つの1次側端子が引き出されていることを
    特徴とする請求項1または2または3のいずれか1つに
    記載の3相変圧器。
  5. 【請求項5】 前記タップ引出部が設けられた2つの相
    の1次巻線が互いに逆方向に巻回され、該2つの相の1
    次巻線のタップ引出部がともに巻終り側の端部に配置さ
    れていることを特徴とする請求項4に記載の3相変圧
    器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110084790A1 (en) * 2009-10-13 2011-04-14 Tsai-Hsiang Chen Neutral-grounded structure for delta-connected windings and method thereof
CN114068156A (zh) * 2021-11-19 2022-02-18 广东福德电子有限公司 一种兼作站用变的改进型接地变压器

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US20110084790A1 (en) * 2009-10-13 2011-04-14 Tsai-Hsiang Chen Neutral-grounded structure for delta-connected windings and method thereof
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