JPH06310258A - コロナ放電発生装置 - Google Patents

コロナ放電発生装置

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JPH06310258A
JPH06310258A JP10224593A JP10224593A JPH06310258A JP H06310258 A JPH06310258 A JP H06310258A JP 10224593 A JP10224593 A JP 10224593A JP 10224593 A JP10224593 A JP 10224593A JP H06310258 A JPH06310258 A JP H06310258A
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JP
Japan
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electrode
purge gas
corona discharge
purge
chamber
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JP10224593A
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Inventor
Takeshi Fujiwara
剛 藤原
Ikuo Ueno
郁雄 上野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間に亙る連続運転を行っても放電針の汚
れを抑制し得るコロナ放電発生装置を提供する。 【構成】 コロナ放電用の電源に接続する電極ベース3
5と、この電極ベース35の表面から突出する開繊用電
極針36と、この開繊用電極針36の先端と隙間を隔て
て対向する接地電極とを有するコロナ放電発生装置にお
いて、電極ベース35および開繊用電極針36を収納す
るパージ室32と、このパージ室32内にパージガスを
吹き込むパージガス供給手段と、このパージガス供給手
段によってパージ室32内に供給されたパージガスをパ
ージ室32外に吹き出す開口部37とを具え、この開口
部37には開繊用電極針36の先端部が位置しているこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電源に接続する電極針
と、この電極針と隙間を隔てて対向する接地電極との間
でコロナ放電を発生させるコロナ放電発生装置に関し、
特に網目状をなすフィラメントをシート状に分散させて
不織布を製造する際に利用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】高温高圧の重合体溶液を紡糸ノズルから
大気中等に減圧状態で吹き出すことにより溶剤を瞬間的
に蒸発させ、高度にフィブリル化した三次元網目構造の
繊維を連続して形成する、いわゆるフラッシュ紡糸法が
不織布等の製造に極めて有効であることが知られてい
る。このフラッシュ紡糸法を利用した不織布の製造技術
としては、例えば特公昭42−19520号公報等で周
知のように、紡糸ノズルからの網目状をなすフィラメン
ト束を揺動する回転板に衝突させ、この網目状フィラメ
ント束を開繊して拡幅させ、次いで連続的に移動する捕
集装置の表面に当該網目状フィラメントを分散状態でシ
ート状に堆積させることにより、不織布とする方法があ
る。
【0003】この場合、捕集装置の表面に堆積する網目
状のフィラメントの開繊状態を更に良好なものにするた
め、回転板にて拡幅された網目状フィラメントをコロナ
放電によって帯電させ、網目状フィラメントを相互に電
気的に反発させるようにした技術が、例えば米国特許第
3456156号明細書や特公昭44−21817号公
報等で周知となっている。
【0004】上述したフラッシュ紡糸法による不織布製
造装置の概念を図7に示す。すなわち、接地電極1と対
向する複数本の電極針2に高圧電源3を接続し、コロナ
放電を発生するこれら接地電極1と電極針2との間に網
目状フィラメント4を通過させ、これにより網目状フィ
ラメント4を正負いずれかに帯電させて開繊状態とし、
この網目状フィラメント4を捕集装置5の表面に密着状
態で堆積させ、シート状をなす不織布6を連続的に得る
ようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7に示したフラッシ
ュ紡糸法によって不織布6を連続的に製造する場合、こ
の不織布6の原料の一部を構成する低分子量重合体や添
加剤等の微粒子の一部が、重合体および溶剤の相分離過
程において溶剤中に残留してしまい、気化した溶剤中の
汚れ成分として接地電極1と放電針2との間の空間に浮
遊し、放電針2に付着堆積する。このため、従来の不織
布製造装置ではその運転時間の経過と共に網目状フィラ
メント4の開繊状態が悪化し、得られる不織布6が、開
繊しない状態の網目状フィラメント束を多く含み、しか
も繊維密度の分布に大きなむらが存在する、いわゆる目
付け斑の大きなものとなり、不織布6としての品質が次
第に低下してしまう欠点があった。
【0006】つまり、放電針2に上述した汚れ成分が付
着していない場合には、接地電極1と放電針2との間に
発生するコロナ放電の位置や放電量が比較的安定してい
るのに対し、原料中に含まれる低分子量の重合体や添加
剤等が放電針2に付着すると、個々の放電針2からのコ
ロナ放電の方向や放電量にむらが生ずるため、接地電極
1と放電針2との間に生成するイオン流の密度分布等に
むらが生じ、網目状フィラメント4を均一に帯電させる
ことができなくなって、網目状フィラメントの開繊状態
が悪化してしまう。しかも、捕集装置5の表面に対して
静電気による網目状フィラメントの4の吸着力が低下
し、網目状フィラメント4の捕集状態がこの網目状フィ
ラメント4の随伴ガス流によって乱される結果、不織布
6の繊維密度が不均一となって目付け斑が増大し、製品
としての不織布6の品位が低いものとなってしまう。
【0007】このため、従来では定期的に不織布製造装
置の運転を中断して放電針2の清掃を行う必要があり、
装置の稼働率低下に伴う製造コストの上昇を避けること
ができなかった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、長時間に亙る連続運転を行っ
ても放電針の汚れを抑制し得るコロナ放電発生装置を提
供することを目的とし、特にフラッシュ紡糸法による不
織布製造装置に利用して好適なコロナ放電発生装置を企
図したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるコロナ放電
発生装置の第一の形態は、コロナ放電用の電源に接続す
る電極ベースと、この電極ベースの表面から突出する電
極針と、この電極針の先端と隙間を隔てて対向する接地
電極とを有するコロナ放電発生装置において、前記電極
ベースおよび前記電極針を収納するパージ室と、このパ
ージ室内にパージガスを吹き込むパージガス供給手段
と、このパージガス供給手段によって前記パージ室内に
供給されたパージガスを前記パージ室外に吹き出す開口
部とを具え、この開口部には前記電極針の先端部が位置
していることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明によるコロナ放電発生装置の
第二の形態は、コロナ放電用の電源に接続する電極ベー
スと、この電極ベースの表面から突出する電極針と、こ
の電極針の先端と隙間を隔てて対向する接地電極とを有
するコロナ放電発生装置において、前記電極ベースおよ
び前記電極針を収納するパージ室と、前記電極ベースを
挟んでこのパージ室の反対側に形成されるパージガス供
給室と、このパージガス供給室に内にパージガスを吹き
込むパージガス供給手段と、前記電極針を囲むように前
記電極ベースに形成されて前記パージ室と前記パージガ
ス供給室とを連通するパージガス吹き出し通路と、この
パージガス吹き出し通路を介して前記パージ室内に供給
されたパージガスを前記パージ室外に吹き出す開口部と
を具え、この開口部には前記電極針の先端部が位置して
いることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明によると、コロナ放電用の電源により電
極ベースと一体の電極針と接地電極との間でコロナ放電
が発生する。また、パージガス供給手段からパージ室内
に供給されるパージガスは、開口部からパージ室外に吹
き出され、これによりパージガスの流路が電極針に沿っ
て形成され、特に、パージガスの流速が上昇する開口部
側の電極針の表面が効率良くパージガスで払拭される状
態となる。
【0012】また、パージ室外よりもパージ室内の圧力
がパージガスにより高くなるため、パージ室外の異物が
パージ室内に侵入しにくくなり、異物が電極針に付着す
る可能性が少なくなる。
【0013】本発明の第二の形態では、パージガス供給
手段によってパージガス供給室内に供給されるパージガ
スが、パージガス吹き出し通路を介して電極針の基端側
の周囲からパージ室に送り出され、電極針に沿ってその
先端側の開口部からパージ室外に吹き出される。このた
め、パージガスは電極針の基端側から先端側に沿ってそ
の表面全体を効率良く払拭する状態となる。
【0014】
【実施例】本発明によるコロナ放電発生装置をフラッシ
ュ紡糸法による不織布の製造装置に応用した一実施例の
概略断面構造を図2に示す。
【0015】すなわち、上端部が図示しない排気装置に
排気管11を介して接続する密閉容器12の上部には、
内部が隔壁13を介して先端側(図2中、左側)に位置
する予備減圧室14と基端側(図2中、右側)の加圧供
給室15とに仕切られた円筒状の原料供給シリンダ16
が保持され、この原料供給シリンダ16内に形成された
加圧供給室15には、不織布の原料となる重合体溶液が
図示しない原料供給手段を介して加圧供給されるように
なっている。この原料供給シリンダ16の予備減圧室1
4と加圧供給室15とを仕切る隔壁13の中央部には、
これらを連通する絞り通路17が形成され、さらに当該
原料供給シリンダ16の先端には、予備減圧室14と密
閉容器12内とを連通する紡糸ノズル18が形成されて
いる。
【0016】従って、前記原料供給手段によって加圧供
給室15に加圧供給された重合体溶液は、絞り通路17
を介して予備減圧室14内に圧送され、この予備減圧室
14から紡糸ノズル18を介して減圧状態にある密閉容
器12内に水平に吹き出される。そして、重合体溶液中
の溶媒成分が瞬間的に蒸発し、重合体による三次元構造
の網目状フィラメント19が形成されることとなる。
【0017】原料供給シリンダ16の前方には、紡糸ノ
ズル18と対向する円錐台状の傾斜面20を先端に形成
した回転分散板21が位置しており、この回転分散板2
1の傾斜面20が紡糸ノズル18に対して斜め下向きに
傾斜するように、当該回転分散板21の回転軸22が密
閉容器12に対して駆動回転自在に取り付けられてい
る。
【0018】従って、紡糸ノズル18から重合体溶液を
吹き出した状態で回転分散板21を揺動回転させること
により、網目状フィラメント19が回転分散板21の傾
斜面に衝突し、この回転分散板21の揺動に伴って開幅
され、密閉容器12の下方へ落下して行くようになって
いる。
【0019】一方、密閉容器12の下端部には、無端の
捕集ネット23を巻き掛けた一対のローラ24, 25が
それぞれ回転自在に設置されており、これらローラ2
4, 25のいずれか一方には図示しない搬送用駆動モー
タが連結されている。また、図2中、右側に位置する一
方のローラ24の上方には、捕集ネット23上の網目状
フィラメント19を押圧して緻密化させる仮接着ロール
26が回転自在に設置されており、この仮接着ロール2
6は捕集ネット23の搬送運動に連動して回転するよう
になっている。さらに、密閉容器12の外側には、これ
ら一方のローラ24と仮接着ロール26とで挟圧成形さ
れた不織布27を巻き取るための巻取りドラム28が回
転自在に設置されており、この巻取り機の巻取りドラム
28には当該巻取りドラム28を所定の駆動トルクにて
駆動回転させる図示しない巻取り用駆動モータが連結さ
れている。なお、密閉容器12内から密閉容器12外へ
の不織布27の搬送を可能とするため、この密閉容器1
2には不織布27の通過を許容するスリット状のシール
開口部29が形成されている。
【0020】従って、回転分散板21側から他方のロー
ラ25側の捕集ネット23上に落下する網目状フィラメ
ント19は、上述した搬送用駆動モータの作動によって
搬送され、一方のローラ24と仮接着ロール26との間
を通過する間に緻密化された状態となり、巻取り用駆動
モータの作動により回転する巻取りドラム28に不織布
27として巻き取られて行くようになっている。
【0021】図2および本実施例におけるコロナ放電発
生装置の主要部分の断面構造を表すおよびその正面形
状, 裏面形状をそれぞれ表す図3, 図4に示すように、
前記回転分散板21の周囲には環状の接地電極30がこ
の回転分散板21の回転軸22と同軸状をなして回転自
在に配置されており、密閉容器12外で接地状態となっ
ているこの接地電極30には、図示しない回転駆動手段
が連結されている。また、原料供給シリンダ16と回転
分散板21との間には、紡糸ノズル18から吹き出る重
合体溶液を囲むように密閉容器12の上部に図示しない
ブラケットを介して保持される馬蹄形のベースホルダ3
1には、接地電極30側に開口する溝形断面の半円弧状
をなすパージ室32が形成されており、このパージ室3
2の開口部分は半円弧状をなす板カバー33にて塞がれ
た状態となっている。さらに、パージ室32内には開繊
用コロナ放電電源34に接続する半円弧状の電極ベース
35が収納され、この電極ベース35の表面には、接地
電極30側に突出する複数本の開繊用電極針36が所定
間隔で一体的に突設されている。前記板カバー33の中
央部には、これら開繊用電極針36の先端部がそれぞれ
臨む半円弧状の長孔37が形成されており、この長孔3
7を介してパージ室32内と密閉容器12内とが連通状
態となっている。
【0022】前記ベースホルダ31の裏面側には、一端
が図示しないパージガス供給源に接続するパージガス供
給通路38を形成した半円弧状のパージガス供給配管3
9が取り付けられており、このパージガス供給通路38
と前記パージ室32とは電極ベース35およびベースホ
ルダ31に所定間隔で穿設した複数の連絡通路40を介
して連通状態となっている。
【0023】従って、高圧の開繊用コロナ放電電源34
によって開繊用電極針36と接地電極30との間に電圧
が印加されると、これら開繊用電極針36と接地電極3
0との間でコロナ放電が発生するため、開繊用電極針3
6と接地電極30との間を通過する網目状フィラメント
19が所定の電荷を帯びて相互に電気的に反発し合い、
良好な開繊状態となって捕集用ネット24側へ落下す
る。また、上記パージガス供給源からパージガス供給通
路38に供給されるパージガスは、各連絡通路40を介
してパージ室32内に送り込まれ、このパージ室32か
ら長孔37を通って密閉容器12内へ流れ出した後、溶
媒蒸気と共に排気管11から密閉容器12外に排出され
る。ここで、パージ室32内はパージガスによって密閉
容器12内よりも高圧となっており、図示しない異物が
長孔37を介してパージ室32内へ侵入しにくくなって
いる。例え、異物が開繊用電極針36に付着したとして
も、パージ室32内から長孔37を通って密閉容器12
内へと流れ出るパージガスの流れによって、開繊用電極
針36の表面が常に払拭された状態となっているため、
開繊用電極針36の表面を長期間に亙って清浄に保持す
ることができる。
【0024】なお、本実施例では回転する接地電極30
の表面を常に清浄な状態に保持するため、回転分散板2
1の上方で接地電極30の表面に摺接する除塵用ブラシ
41を配置し、この除塵用ブラシ41を図示しないブラ
シ駆動手段によって垂直な軸回り(図2中、上下方向の
軸回り)に駆動回転させ、接地電極30の表面をこの除
塵用ブラシ41にて払拭するようにしている。また、接
地電極30の直下には、開繊状態となった網目状フィラ
メント19を捕集ネット23側へ導く扇状のフィラメン
ト案内板42が配置されている。
【0025】前記他方のローラ25を介して接地状態と
なった捕集ネット23の上方には、この捕集ネット23
の幅方向に配列する複数の中和用電極針43が配置さ
れ、これら中和用電極針43には高圧の中和用コロナ放
電電源44が接続している。これら中和用電極針43と
中和用コロナ放電電源44とは、上述した開繊用電極針
36と開繊用コロナ放電電源34との接続状態とは逆極
性にて接続されている。
【0026】従って、中和用コロナ放電電源44により
中和用電極針43と接地状態にある捕集ネット23との
間に電圧が印加されると、これら中和用電極針43と捕
集ネット23との間で網目状フィラメント19の帯電極
性と逆極性のコロナ放電が発生するため、捕集ネット2
3上の網目状フィラメント19の電荷が電気的に中和さ
れ、仮接着ロール26により圧着された不織布27が仮
接着ロール26や捕集ネット23に電気的に吸着するの
を未然に防止することができる。これによって、網目状
フィラメント19を捕集ネット23の表面に密着するよ
うに分散状態で堆積させ、この捕集ネット23や仮接着
ロール26に吸着することなく搬送することが可能とな
る。
【0027】なお、上述した中和用電極針43の部分の
構造を図1に示した開繊用電極針36と同様にパージガ
スを供給できるような構造とすることも有効である。ま
た、上述したパージガスとしては、空気や窒素, フルオ
ロカーボン, クロロフルオロカーボン, 二酸化炭素等の
熱安定性に優れたガスであることが好ましく、その流量
が多いほど開繊用電極針36に対する付着物の防止効果
は大きくなるが、溶媒の回収率に対する採算性等の他の
要因も考慮してパージガスの流量を設定することが望ま
しい。同様に、パージガスの流速が早いほど開繊用電極
針36に対する付着物の防止効果が大きくなることか
ら、長孔37の幅を狭めると、これに伴って開繊用電極
針36と接地電極30との間で発生するコロナ放電の範
囲も狭くなってしまい、網目状フィラメント19の帯電
量が減少するという不具合が発生してしまう。従って、
長孔37の幅は開繊用電極針36と接地電極30との間
で発生するコロナ放電に悪影響を与えない範囲で小さい
方、例えば2, 3mm程度が好適であり、この長孔37か
ら吹き出されるパージガスの流速としては毎秒0. 5m
前後が好適であり、毎秒0. 1m以上は必要である。ま
た、開繊用電極針36の先端が板カバー33の表面より
も接地電極30側に突出した状態では、異物がこの開繊
用電極針36の先端部に付着し易くなるため、開繊用電
極針36の先端位置は板カバー33の表面と同じか、あ
るいは板カバー33の表面よりもパージ室32側へ引っ
込んだ位置にあることが望ましい。ただし、開繊用電極
針36の先端がパージ室32側へ引っ込み過ぎている
と、開繊用電極針36と接地電極30との間で発生する
コロナ放電の範囲が狭くなってしまうため、開繊用電極
針36の先端と板カバー33の表面との差を例えば1mm
程度以下に抑えることが有効である。
【0028】上述した観点から、電極針に沿ってより効
率良くパージガスを流すことの可能な本発明によるコロ
ナ放電発生装置の電極針の部分の他の一実施例の断面構
造を図5に示す。
【0029】すなわち、馬蹄形のベースホルダ45に
は、図示しない接地電極側に開口する溝形断面の半円弧
状をなすパージ室46が形成されており、このパージ室
46の開口部分は半円弧状をなす板カバー47にて塞が
れた状態となっている。さらに、パージ室46内には図
示しないコロナ放電用電源に接続する半円弧状の電極ベ
ース48が収納され、この電極ベース48の表面には、
前記接地電極側に突出する複数本の開繊用電極針49が
所定間隔で一体的に突設されている。前記板カバー47
の中央部には、これら開繊用電極針49の先端部がそれ
ぞれ臨む円形の開口50が形成されており、この開口5
0の径はコロナ放電領域と異物の付着防止との兼ね合い
から、例えば3〜4mm程度に設定することが好ましい。
【0030】前記ベースホルダ45の裏面側には、一端
が図示しないパージガス供給源に接続するパージガス供
給通路51を形成した半円弧状のパージガス供給配管5
2が取り付けられており、電極ベース48を挟んでパー
ジ室46と反対側のベースホルダ45には、このパージ
ガス供給通路51に連通するパージガス供給室53が形
成されている。このパージガス供給室53と前記パージ
室46とは、開繊用電極針49の基端を囲むように環状
に穿設された複数のパージガス吹き出し通路54を介し
て連通状態となっている。また、パージ室46内には、
開繊用電極針49をそれぞれ囲んだ状態でこれらパージ
ガス吹き出し通路54と板カバー47の開口50とを接
続する導風通路55を形成した電気的絶縁性の良いポリ
弗化エチレンやポリ塩化ビニル等で形成された整流ブロ
ック56が収納されているため、パージ室46内は整流
ブロック56にて充填された状態となっている。本実施
例における導風通路55は、先端側が板カバー47の開
口50と対応した径を有すると共に基端側がパージガス
吹き出し通路54全体を囲む先細りの円錐台状をなす。
【0031】従って、パージガス供給源からパージガス
供給通路51を介してパージガス供給室53内に供給さ
れるパージガスは、開繊用電極針49毎に各パージガス
吹き出し通路54から導風通路55内に吹き込まれ、開
繊用電極針49に沿って導風通路55内を流れ、開口5
0から密閉容器12内へ流れ出る。この場合、開繊用電
極針49の周囲の空間が導風通路55によって絞られた
状態となっているため、開繊用電極針49に沿って流れ
るパージガスの流速が先の実施例の場合よりも早くなる
結果、開繊用電極針49の表面をより効率良く払拭して
長期間に亙って清浄に保持することができる。
【0032】なお、上述した各パージガス吹き出し通路
54の内径は0. 5〜0. 8mm程度が良好であり、開繊
用電極針49を中心として直径が2〜5mmの円周上に5
〜10個程度配置することが効果的である。このため、
導風通路55の基端側の径を6〜7mm程度に設定する必
要がある。
【0033】〔具体例1〕図2に示す不織布製造装置に
おいて、メルトインデックスが0. 8g/10min の高
密度ポリエチレン樹脂を12. 5重量%、トリクロロフ
ルオロメタン溶剤を87. 5重量%の割合で混合した原
料溶液を、図2に示す絞り通路17から予備減圧室14
内で90kg/cm2 ・Gに減圧した後、1. 11mmの径の
紡糸ノズル18から上記高密度ポリエチレン樹脂の吐出
割合が毎分800gとなるように設定した。また、16
本の開繊用電極針36を11mmの間隔で配列し、これに
−23kVの直流電圧を放電電圧として印加する一方、直
径が4mmの連絡通路40を等間隔に7個形成し、幅が2
mmの長孔37から毎秒0. 5mの流速の空気をパージガ
スとして供給するようにした。この時の放電電流は接地
電極30側から開繊用電極針36側へ流れ、その放電電
流値は約0. 2mAであった。
【0034】これによりフラッシュ紡糸された3次元の
網目状フィラメント19の束は、紡糸ノズル18から水
平方向に30mm隔てて配置された回転分散板21に衝突
して開繊された後、開繊用電極針36と接地電極30と
の間を通過し、回転分散板21の最下部より鉛直方向に
335mm下方に設置された捕集ネット23の上にシート
状の不織布として捕集されるようにした。
【0035】この結果、コロナ放電電圧が一定のもと
で、放電電流値が低下し始めるまでには不織布製造装置
の運転開始後約10日経っており、その後の電流値の変
化も小さく、不織布の繊維密度の均一性が悪化し、目付
け斑は大きくなり不織布の製品の品位が悪化するという
現象は極めて程度の小さいものであった。また、15日
間の運転継続後、開繊用電極針36に付着した汚れ成分
の量も少ないものであった。
【0036】〔比較例〕具体例1で示したコロナ放電発
生装置と同じ構造のコロナ放電発生装置を用い、板カバ
ー33をを取り外して空気の供給を停止する以外は、具
体例1と同じ条件にてフラッシュ紡糸法による不織布の
製造を行った所、コロナ放電電圧が一定のもとでは、不
織布製造装置の運転を開始してから約24時間後から放
電電流値が低下し始め、不織布の繊維密度の均一性が悪
化し、目付け斑は大きくなり不織布の製品の品位が悪化
した。また、それ以降の放電電流値の低下率も大きく、
製品として不適当な品位レベルとなった。さらに、48
時間後の電極針に対する異物の付着量が極めて多く、ほ
とんどの電極針の先端が異物で覆われていた。
【0037】〔具体例2〕図5に示した構造の開繊用電
極針49を中心として直径が3mmの円周上に直径が0.
6mmのパージガス吹き出し通路54を等間隔で8個形成
したものを使用し、さらに基端の内径が6. 2mmで先端
の内径が3. 2mm、奥行きが7mmのテフロン製整流ブロ
ック56にて開口50から毎秒1. 5mの流速の空気を
吹き出すようにしたこと以外は、具体例1と同じ条件で
フラッシュ紡糸法による不織布の製造を行った。この場
合、コロナ放電電圧が一定電圧のもとで、不織布製造装
置の運転開始後20日経っても、放電電流値が低下し始
める現象は認められず、不織布の繊維密度の均一性が悪
化し、目付け斑は大きくなり不織布の製品の品位が悪化
するという現象も全く認められなかった。また、開繊用
電極針49に異物がほとんど付着していなかった。
【0038】〔具体例3〕パージガスとしてトリクロロ
フルオロメタンを用いたこと以外は、具体例2と同じ装
置および同じ方法を用いてフラッシュ紡糸法による不織
布の製造を行った。この場合、具体例2と同様に、コロ
ナ放電電圧が一定電圧のもとで、不織布製造装置の運転
開始後20日経っても、放電電流値が低下し始める現象
は認められず、不織布の繊維密度の均一性が悪化し、目
付け斑は大きくなり不織布の製品の品位が悪化するとい
う現象も認められなかった。また、開繊用電極針49に
異物がほとんど付着していなかった。
【0039】〔具体例4〕パージガスとして二酸化炭素
を用いたこと以外は、具体例2と同じ条件にてフラッシ
ュ紡糸法による不織布の製造を行った。この場合、具体
例2と同様に、コロナ放電電圧が一定電圧のもとで、不
織布製造装置の運転開始後20日経っても、放電電流値
が低下し始める現象は認められず、不織布の繊維密度の
均一性が悪化し、目付け斑は大きくなり不織布の製品の
品位が悪化するという現象も認められなかった。また、
開繊用電極針49に異物がほとんど付着していなかっ
た。
【0040】以上の実験結果を、一定の放電電圧下にお
いて開繊用コロナ放電電源34側から接地電極30側へ
流れる放電電流値の経時的変化として図6のグラフに示
しておく。図中の破線は上述した比較例に対応するパー
ジガスを用いない従来のコロナ放電発生装置を用いたフ
ラッシュ紡糸法による不織布製造装置の場合であり、一
点鎖線は具体例1に対応する図1に示した本発明による
一実施例のコロナ放電発生装置を用いた場合、実線は具
体例2〜4に対応する図5に示した本発明による他の一
実施例のコロナ放電発生装置を用いた場合である。
【0041】この図6から明らかなように、パージガス
を用いない従来のコロナ放電発生装置では、電極針に対
する異物の付着が多く、不織布製造装置の運転開始後か
ら数日のうちに放電電流値が低下し、網目状フィラメン
トの開繊状態も悪化して来る。また、図1に示した本発
明の一実施例のコロナ放電発生装置でも、不織布製造装
置の運転時間の長期化に伴い、10日目頃より次第に電
極針異物が付着し始め、わずかながら網目状フィラメン
トの開繊状態の悪化も認められるが、この異物の付着量
と開繊状態の悪化の程度は、パージガスを使用しない従
来のコロナ放電発生装置と比較すると極めて小さいもの
である。これに対し、図5に示した本発明の他の一実施
例におけるコロナ放電発生装置では、20日目以降でも
電極針への異物の付着が認められず、放電電流値が一定
に保持されることが明らかとなった。
【0042】
【発明の効果】本発明のコロナ放電発生装置によると、
電極針の周囲にパージ室を形成し、このパージ室に供給
されるパージガスを電極の先端部が位置する開口部から
外部に吹き出すようにしたので、パージ室内がパージガ
スによって高圧化され、異物がパージ室内に侵入しにく
くなる結果、電極針に対する異物の付着割合を少なくす
ることができる。例え、異物が電極針に付着したとして
も、電極針に沿って流れるパージガスにより電極針の表
面が払拭された状態となり、長期間に亙って電極針の表
面を清浄に保つことができる。
【0043】従って、このコロナ放電発生装置をフラッ
シュ紡糸法による不織布の製造装置に組み込んだ場合、
長期間に亙って均一なコロナ放電を所定の領域で発生さ
せることができ、網目状フィラメントを均一に帯電させ
て繊維密度斑や目付け斑のない高品質の不織布を連続的
に安定して製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコロナ放電発生装置をフラッシュ
紡糸法による不織布製造装置に応用した一実施例におけ
る電極ホルダを破断状態で表す斜視図である。
【図2】本実施例における不織布製造装置の概略構造を
表す断面図である。
【図3】本実施例における電極ホルダの部分の正面図で
ある。
【図4】本実施例における電極ホルダの部分の裏面図で
ある。
【図5】本発明によるコロナ放電発生装置の他の一実施
例を破断状態で表す斜視図である。
【図6】コロナ放電時間と放電電流値との関係を表すグ
ラフである。
【図7】フラッシュ紡糸法による不織布製造装置の概略
構造を表す概念図である。
【符号の説明】
11 排気管 12 密閉容器 13 隔壁 14 予備減圧室 15 加圧供給室 16 原料供給シリンダ 17 絞り通路 18 紡糸ノズル 19 網目状フィラメント 20 傾斜面 21 回転分散板 22 回転軸 23 捕集ネット 24, 25 ローラ 26 仮接着ロール 27 不織布 28 巻取りドラム 29 シール開口部 30 接地電極 31 ベースホルダ 32 パージ室 33 板カバー 34 コロナ放電用電源 35 電極ベース 36 開繊用電極針 37 長孔 38 パージガス供給通路 39 パージガス供給配管 40 連絡通路 41 除塵用ブラシ 42 フィラメント案内板 43 中和用電極針 44 中和用コロナ放電電源 45 ベースホルダ 46 パージ室47 板カバー 48 電極ベース 49 開織用電極針 50 開口 51 パージガス供給通路 52 パージガス供給配管 53 パージガス供給室 54 パージガス吹き出し通路 55 導風通路 56 整流ブロック

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コロナ放電用の電源に接続する電極ベー
    スと、 この電極ベースの表面から突出する電極針と、 この電極針の先端と隙間を隔てて対向する接地電極とを
    有するコロナ放電発生装置において、 前記電極ベースおよび前記電極針を収納するパージ室
    と、 このパージ室内にパージガスを吹き込むパージガス供給
    手段と、 このパージガス供給手段によって前記パージ室内に供給
    されたパージガスを前記パージ室外に吹き出す開口部と
    を具え、 この開口部には前記電極針の先端部が位置していること
    を特徴とするコロナ放電発生装置。
  2. 【請求項2】 コロナ放電用の電源に接続する電極ベー
    スと、 この電極ベースの表面から突出する電極針と、 この電極針の先端と隙間を隔てて対向する接地電極とを
    有するコロナ放電発生装置において、 前記電極ベースおよび前記電極針を収納するパージ室
    と、 前記電極ベースを挟んでこのパージ室の反対側に形成さ
    れるパージガス供給室と、 このパージガス供給室内にパージガスを吹き込むパージ
    ガス供給手段と、 前記電極針を囲むように前記電極ベースに形成されて前
    記パージ室と前記パージガス供給室とを連通するパージ
    ガス吹き出し通路と、 このパージガス吹き出し通路を介して前記パージ室内に
    供給されたパージガスを前記パージ室外に吹き出す開口
    部とを具え、 この開口部には前記電極針の先端部が位置していること
    を特徴とするコロナ放電発生装置。
JP10224593A 1993-04-28 1993-04-28 コロナ放電発生装置 Withdrawn JPH06310258A (ja)

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