JP3417629B2 - コロナ放電発生装置の接地電極 - Google Patents

コロナ放電発生装置の接地電極

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JP3417629B2 JP30884593A JP30884593A JP3417629B2 JP 3417629 B2 JP3417629 B2 JP 3417629B2 JP 30884593 A JP30884593 A JP 30884593A JP 30884593 A JP30884593 A JP 30884593A JP 3417629 B2 JP3417629 B2 JP 3417629B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、電源に接続する電極針
と、この電極針と隙間を隔てて対向する接地電極との間
でコロナ放電を発生させるコロナ放電発生装置の接地電
極の汚れ防止装置に関し、特に網目状をなすフィラメン
トをシート状に分散させて不織布を製造する際に利用し
て好適なものである。 【0002】 【従来の技術】高温高圧の重合体溶液を紡糸ノズルから
大気中等に減圧状態で吹き出すことにより溶剤を瞬間的
に蒸発させ、高度にフィブリル化した三次元網目構造の
繊維を連続して形成する、いわゆるフラッシュ紡糸法が
不織布等の製造に極めて有効であることが知られてい
る。このフラッシュ紡糸法を利用した不織布の製造技術
として、例えば特公昭42−19520号公報等で周知
のように、紡糸ノズルからの網目状をなすフィラメント
束を揺動する回転板に衝突させ、この網目状フィラメン
ト束を開繊して拡幅させ、次いで連続的に移動する捕集
装置の表面に当該網目状フィラメントを分散状態でシー
ト状に堆積させることにより、不織布とする方法があ
る。 【0003】このフラッシュ紡糸法を利用した不織布の
製造技術の場合、捕集装置の表面に堆積する網目状フィ
ラメントの開繊状態を更に良好なものにするため、回転
板にて拡幅された網目状フィラメントをコロナ放電によ
って帯電させ、網目状フィラメントを相互に電気的に反
発させるようにした技術が、例えば米国特許第3456
156号明細書や特公昭44−21817号公報等で周
知となっている。 【0004】また、この場合コロナ放電を長時間にわた
って継続すると、次第に接地電極盤に異物が付着し放電
効率が低下する現象が出てきて、フィラメント開繊状態
が悪くなってくるが、これを防ぐため接地電極の表面に
除塵用ブラシを用いるクリーニング装置が、例えばPC
T/89/02005号公報で公知になっている。上述
したフラッシュ紡糸法による不織布製造装置の概念を図
7に示す。すなわち、接地電極1と対向する複数本の電
極針12に開繊用直流高圧電源11を接続し、コロナ放
電を発生させ、これら接地電極1と電極針12との間に
網目状フィラメント13を通過させ、これにより網目状
フィラメント13を正負いずれかに帯電させ、反発させ
て開繊状態とし、この網目状フィラメント13を捕集ネ
ット14の表面に密着状態で堆積させ、シート状をなす
不織布15を連続的に得るようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】図7に示したフラッシ
ュ紡糸法によって不織布15を連続的に製造する場合、
この不織布15の原料の一部を構成する低分子量重合体
や添加剤等の微粒子の一部が、重合体および溶剤の相分
離過程において溶剤中に残留してしまい、気化した溶剤
中の汚れ成分として接地電極1と電極針12との間の空
間に浮遊し、電極針12および接地電極1に付着堆積す
る。このため、従来の不織布製造装置ではその運転時間
の経過と共に網目状フィラメント13の開繊状態が悪化
し、得られる不織布15が、開繊しない状態の網目状フ
ィラメント束を多く含み、しかも繊維密度の分布に大き
なむらが存在する、いわゆる目付け斑の大きなものとな
り、不織布としての品質が次第に低下してしまう問題が
あった。 【0006】つまり、電極針12および接地電極1に上
述した汚れ成分が付着していない場合には、接地電極1
と電極針12との間に発生するコロナ放電の位置や放電
量が比較的安定しているのに対し、原料ポリマー中に含
まれる低分子量の重合体や添加剤等の微粒子が電極針1
2および接地電極1に付着すると、個々の電極針12か
らのコロナ放電の方向や放電量にむらが生ずるため、接
地電極1と電極針12との間に生成するイオン流の密度
分布等にむらが生じ、網目状フィラメント13を均一に
帯電させることができなくなって、網目状フィラメント
の開繊状態が悪化してしまう。しかも、静電気による網
目状フィラメント13の捕集ネット14の表面に対する
吸着力が低下してしまうので、網目状フィラメント13
の捕集状態がこの網目状フィラメントの随伴ガス流によ
って乱される結果、ウエッブの密度つまり、不織布15
の繊維密度が不均一となって目付け斑が増大し、製品と
しての不織布の品位が低いものとなってしまう。 【0007】また、さらに、従来の汚れ成分が付着堆積
する装置では定期的に不織布製造装置の運転を中断して
電極針12および接地電極1の清掃を行う必要があり、
装置の稼働率低下に伴う製造コストの上昇を避けること
ができなかった。 【0008】 【発明の目的】本発明は、長時間に亙る連続運転を行っ
ても接地電極の汚れを抑制し得るコロナ放電発生装置を
提供することを目的とし、特にフラッシュ紡糸法による
不織布製造装置に利用して好適なコロナ放電発生装置を
提供しようとすることを目的とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは本発明の目
的を達成すべく鋭意研究の結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明の課題は、コロナ放電用の電源に接続す
る電極ベースの表面から突出する電極針と、上記電極針
の先端と隙間を隔てて対向する接地電極盤の外周部に外
周リングが固定された回転する接地電極とを有するコロ
ナ放電発生装置において、上記接地電極盤の回転方向に
対向して鋭角にしかも外周リングの表面に圧接してのみ
の先端状のテーパー部を有するスクレパーが設けられて
おり、上記スクレパーの先端が上記接地電極盤と外周リ
ング表面との段差の部分に接し、かつ、上記スクレパー
のテーパー部が外周リング表面に傾斜角をもって接して
いることを特徴とするコロナ放電発生装置の接地電極、
によって達成される。 【0010】 【作用】本発明によると、不織布の製造方法に応用し
た、コロナ放電用の電源に接続した電極針と接地電極と
の間でコロナ放電が発生する装置において、放電時間が
長くなっても、接地電極に汚れ成分が付着堆積すること
がなく、コロナ放電量にむらが生じない。 【0011】 【実施例】本発明によるコロナ放電発生装置の接地電極
をフラッシュ紡糸法による不織布の製造装置に応用した
一実施例の概略断面構造を図6に示す。すなわち、上端
部が図示しない排気装置に排気管18を介して接続する
密閉容器19内の上部には、原料供給シリンダ20が保
持され、この原料供給シリンダ20内に形成された加圧
供給室には、不織布の原料となる重合体溶液が図示しな
い原料供給手段を介して加圧供給されるようになってお
り、原料供給シリンダ20の先端には、紡糸ノズル21
が設置されている。 【0012】従って、加圧供給された重合体溶液は、上
記原料供給の手段によって紡糸ノズル21を介して減圧
状態にある密閉容器19内に水平に吹き出される。そし
て、重合体溶液中の溶媒成分が瞬間的に蒸発し、重合体
による三次元構造の網目状フィラメント13が形成され
ることとなる。原料供給シリンダ20の前方には、紡糸
ノズル21と対向する円錐台状の傾斜面22を先端に形
成した回転分散板23が位置しており、この回転分散板
23の傾斜面22が紡糸ノズル21に対して斜め下向き
に傾斜するように、当該回転分散板23の回転軸24が
密閉容器19に対して駆動回転自在に取り付けられてい
る。 【0013】従って、紡糸ノズル21から重合体溶液を
吹き出した状態で回転分散板23を揺動回転させること
により、網目状フィラメント13が回転分散板23の傾
斜面に衝突し、この回転分散板23の揺動に伴って開幅
され、密閉容器19の下方へ落下して行くようになって
いる。一方、密閉容器19の下端部には、無端の捕集ネ
ット14を巻き掛けた一対のローラ25、26がそれぞ
れ回転自在に設置されており、これらローラのいずれか
一方には図示しない搬送用駆動モータが連結されてい
る。また、図6中、右側に位置する一方のローラ25の
上方には、捕集ネット14上の網目状フィラメント13
を押圧して緻密化させる仮接着ロール27が回転自在に
設置されており、この仮接着ロール27は捕集ネット1
4の搬送運動に連動して回転するようになっている。さ
らに、密閉容器の外側には、これら一方のローラ25と
仮接着ロール27とで挟圧成形された不織布15を巻き
取るための巻取ドラム28が回転自在に設置されてお
り、この巻取機の巻取ドラム28には当該巻取ドラム2
8を所定の駆動トルクにて駆動回転させる図示しない巻
取用駆動モータが連結されている。なお、密閉容器内か
ら密閉容器外への不織布15の搬送を可能とするため、
この密閉容器には不織布15の通過を許容するスリット
状のシール開口部が形成されている。 【0014】従って、回転分散板23側から他方のロー
ラ26側の捕集ネット14上に落下する網目状フィラメ
ント13は、上述した搬送用駆動モータの作動によって
搬送され、一方のローラ25と仮接着ロール27との間
を通過する間に緻密化された状態となり、巻取用駆動モ
ータの作動により回転する巻取ドラム28に不織布15
として巻取られてゆくようになっている。 【0015】前記回転分散板23の周囲には環状の接地
電極盤17がこの回転分散板23の回転軸24と同軸状
をなして回転自在に配置されており、密閉容器19外で
接地状態となっているこの接地電極盤17には、図示し
ない回転駆動手段が連結されている。また、原料供給シ
リンダ20と回転分散板23との間には、紡糸ノズル2
1から吹き出る重合体溶液を囲むように密閉容器19の
上部に図示しないブラケットを介して保持される馬蹄形
の電極針ベースホルダ29には、接地電極盤17側に突
出する複数本の開繊用の電極針12が所定間隔で一体的
に突設されている。 【0016】開繊用のコロナ放電直流高圧電源11によ
って開繊用の電極針12と接地電極盤17との間に電圧
が印加されると、これら開繊用の電極針12と接地電極
盤17との間でコロナ放電が発生するため、開繊用の電
極針12と接地電極盤17との間を通過する網目状フィ
ラメント13が所定の電荷を帯びて相互に電気的に反発
し合い、良好な開繊状態となって捕集ネット14側へ落
下する。 【0017】なお、本実施例では回転する接地電極盤1
7の表面を常に清浄な状態に保持するため、回転分散板
23の上方で接地電極盤17の表面に摺接する接地電極
盤の表面に除塵用ブラシ9を配置し、この表面の除塵用
ブラシ9をブラシ回転駆動軸10によって垂直な軸回り
に駆動回転させ、接地電極盤17の表面をこの除塵用ブ
ラシ9にて払拭するようにしている。また、接地電極盤
17の直下には、開繊状態となった網目状フィラメント
13を捕集ネット14側へ導くフィラメント案内板30
が配置されている。 【0018】前記他方のローラ26を介して接地状態と
なった捕集ネット14の上方には、この捕集ネット14
の幅方向に配列する複数の中和用電極針31が配置さ
れ、これら中和用電極針31には高圧の中和用コロナ放
電の直流電源32が接続している。これら中和用の電極
針31と中和用コロナ放電の直流電源32とは、上述し
た開繊用の電極針12と開繊用のコロナ放電直流高圧電
源11との接続状態とは逆極性にて接続されている。 【0019】従って、中和用のコロナ放電電源32によ
り中和用電極針31と接地状態にある捕集ネット14と
の間に電圧が印加されると、これら中和用電極針32と
捕集ネット14との間で網目状フィラメント13の帯電
極性と逆極性のコロナ放電が発生するため、捕集ネット
14上の網目状フィラメント13の電荷が電気的に中和
され、仮接着ロール27により圧着された不織布15が
仮接着ロール27や捕集ネット14に電気的に吸着する
のを未然に防止することができる。これによって、網目
状フィラメント13を捕集ネット14の表面に密着する
ように分散状態で堆積させ、この捕集ネット14や仮接
着ロール27に吸着することなく搬送することが可能と
なる。 【0020】図4−a、図4−bにフラッシュ紡糸法の
不織布製造装置に使用される、本発明によるコロナ放電
発生装置の接地電極の一例を示し詳述する。本発明によ
る接地電極は、環状の接地電極盤17と接地電極盤の外
側に固定された外周リング2とからなり、回転自在の構
造に設置され、図示しない駆動手段により一体となって
回転するように構成されている。接地電極盤17の表面
には、除塵用ブラシ9が設置されており、図示しない駆
動手段によりブラシ回転駆動軸10を回転させることに
よって、接地電極盤の表面に付着する汚れ成分は除去す
ることができる。 【0021】本発明によるスクレパーは、偏平四角柱状
の先端がのみの刃状のもので、偏平四角柱の一つの長辺
を頂点とし鋭角にカットしたテーパー部分をもつ形状の
ものである。スクレパー3は、テーパー部分を下にした
のみの刃を、接地電極盤17の外周側面と外周リング2
の表面との境部分の段差(図5のα)がある場合はのみ
の刃の端の部分が段差のかどに接し、外周リング表面に
テーパー部分が斜め(例えば45°)になるようにして
密閉容器19に設置されている。このような構成によ
り、スクレパー3が接地電極盤17と外周リング2との
一体的回転に伴ない、外周リング2に付着した汚れ成
分、特に接地電極盤17と外周リング2との接続部分の
段差αがある場合は段差αの角に付着した汚れ成分を除
去することができる。 【0022】本発明に用いる外周リング2は、非導電性
の材質であり、硬度1000kg/mm2 (HV)以上
のセラミックであることが好ましい。非導電性のセラミ
ックは、例えばAI2 3 、ZrO2 、またはSiCが
好ましい。またスクレパー3の材質は金属であることが
好ましく、さらに、ステンレス等が好ましい。 このよ
うな材質で構成されているので外周リング2とスクレパ
ー3の接触により外周リング2に傷等の損傷を与えるこ
とがない。 【0023】また接地電極盤17の表面と外周リング2
の表面との接続部分は、段差がなく同じ高さか、もしく
は0.03mm以下で低いことが好ましい。外周リング
の表面が接地電極盤の表面より高くなっていると、網目
状フィラメントがこの段差に引っかかり、開繊状態が不
均一になる。また段差αが、0.03mmより大きいと
汚れ成分の付着量が極端に増加する。スクレパー3が外
周リングに接触している面の幅(ア)は、外周リングの
表面を完全にワイピングするためにも外周リングの幅
(イ)と同じであるか、外周リングの幅(イ)より広い
ことが好ましく、さらに、好ましくは外周リングの幅
(イ)より1から10mm広いことである。外周リング
2の外周面のエッジは、図5のβのように鋭角になって
いる。外周リングの外周面がナイフエッジのような鋭角
な構造のため網目状フィラメントが接地電極盤に沿って
流れ、外周リングから離れる際、網目状フィラメントに
帯電した静電気の力によって外周リングに吸着、停滞す
ることが防止できる。 【0024】次にスクレパーを保持するワイピング装置
の構造に関して図1、2、3を参照し、詳述する。スク
レパー3にはスクレパー保持ネジ6が通る長孔7が空け
られており、外周リングの方向に可動で常に一定の接圧
で接触できるようにするため、微調整できる構造になっ
ている。そしてスクレパー押さえネジ5とスクレパー押
さえスプリング8により、スクレパーの摩耗によってス
クレパーが短くなっていくことにかかわらず、常にスク
レパーを常に一定の接圧で外周リング2に押しつけてい
る。そのため長時間の生産運転においてスクレパーが摩
耗しても、スクレパーによる外周リングに付着する汚れ
成分の除去効果が低下することなく、均一な開繊状態を
保った不織布を得ることができる。 【0025】 【実施例1】図6に示す不織布製造装置において、メル
トインデックス(MI)が0.8g/10minの高密
度ポリエチレン樹脂を12.5重量%、トリクロロフル
オロメタン溶剤を87.5重量%の割合で溶解させた溶
液を、図6に示す減圧用オリフィスから、予備減圧室内
で90kg/cm2 ・Gに減圧した後、ノズル径1.1
1mm径のノズルから、上記高速度ポリエチレン樹脂の
紡糸ノズル1個当たりの吐出量が800g/minにな
るように設定しフラッシュ紡糸した。 【0026】紡糸された三次元の網目状繊維であるフィ
ラメントおよびガス流は、紡糸ノズル21より水平方向
30mmの距離を置いてノズル軸に直角に配置した回転
分散板23に衝突して拡幅開繊された後、本発明の外周
リングにスクレパーを設けたワイピング装置を有するコ
ロナ放電の接地電極とコロナ放電電極との間を通過させ
た。コロナ放電により三次元の網目状繊維であるフィラ
メントに電荷が与えられ、回転分散板23の最下部より
垂直方向に345mm下方に設置された捕集ネット14
上に堆積させ、搬送し、次いで捕集ネット上に堆積され
ている網目状フィラメントを仮接着ロール27で圧着す
ることによって三次元の網目状構造の不織布を製造し
た。 【0027】ここで、コロナ放電発生装置の接地電極盤
17として、材質がステンレスのものを用い、外周リン
グとして硬度1300kg/mm2 (HV)のZrO2
を用いた。接地電極盤17と外周リング2との段差の最
大値が0.03mmとなるように取り付けた接地電極1
を使用した。また接地電極盤17は環状の直径190m
mの円盤を用い、この接地電極盤に外径が204mm外
周リングを取り付け、固定した。スクレパーは、外周リ
ングに接触する面の長さが10mmで、厚みが2mmの
ステンレスを外周リングの幅より長くなるようにして使
用した。そして、スクレパーの長孔7は3.5mmであ
り、この範囲でスクレパー押さえスプリング8によって
外周リングの表面の方向に接圧が常に一定になるように
可動となっている。この接地電極に対向した、電極針が
回転円盤周り半円状に配置してあるコロナ放電直流高圧
電極に、放電電圧として−23kVの負直流電圧をか
け、網目状フィラメントに電荷を与えた。そしてその時
の放電電流値は約−0.2mAであった。 【0028】このようにしてフラッシュ紡糸法による生
産運転を実施した場合、コロナ放電電圧が一定電圧のも
とで、生産運転開始後20日経っても、不織布の繊維密
度の均一性が悪化し、目付け斑は大きくなり不織布の製
品の品位が悪化するという現象も認められなかった。ま
た外周リングおよび外周リングと接地電極盤との接続部
分には汚れ成分がほとんど付着していなかった。 【0029】 【比較例1】実施例1で示したコロナ放電発生装置の外
周リングのワイピング装置としてのスクレパーを取り外
す以外は、実施例1と同様の条件でフラッシュ紡糸法に
よる連続生産運転を実施した。コロナ放電直流高圧電圧
が一定電圧のもとでは、生産運転開始後10日後から、
不織布の繊維密度の均一性が悪化し、目付け斑は大きく
なり不織布の製品の品位が悪化してくるという現象が認
められた。またそれ以降の網目状フィラメントの開繊状
態が悪化していく速度も速く、製品とはならない品位レ
ベルとなった。 【0030】また13日間の運転後の、外周リングおよ
び外周リングと接地電極盤との接続部分の汚れ成分の付
着量は極めて多く、外周リングと接地電極盤との接続部
分の段差部分では、完全に汚れ成分が堆積していた。 【0031】 【比較例2】実施例1で示したコロナ放電発生装置の外
周リングのワイピング装置としてのスクレパーを取り外
し、接地電極盤のワイピング装置である回転自在の除塵
用ブラシを、外周リング表面が完全にワイピングできる
ような長さまで延長し、その除塵用ブラシにより外周リ
ング部分も接地電極盤と同様に、ワイピングできる機構
を持たせる以外は実施例1と同様の条件でフラッシュ紡
糸法による連続生産運転を実施した。 【0032】コロナ放電直流高圧電圧が一定電圧のもと
では、生産運転開始後15日後から、不織布の繊維密度
の均一性が悪化し、目付け斑は大きくなり不織布の製品
の品位が悪化してくるという現象が認められた。またそ
れ以降の網目状フィラメントの開繊状態が悪化していく
速度は遅いものの、確実に開繊状態は悪化していき、不
織布製品の品位は低下していった。また20日間の運転
後の、外周リング表面には汚れ成分の付着はほとんど認
められなかったものの、外周リングと接地電極盤の接続
部の段差部分には、除塵用ブラシでの汚れ成分の除去が
不十分であったため汚れ成分の付着量は多く、汚れ成分
が堆積していた。 【0033】 【実施例2】実施例1で示したコロナ放電発生装置の外
周リングとして材質が硬度1800kg/mm2 (H
V)のAI2 3 のセラミックを使用する以外は実施例
1と同様の条件でフラッシュ紡糸法による生産運転を実
施した。実施例1と同様、コロナ放電直流高圧電圧が一
定電圧のもとで、生産運転開始後20日経っても、不織
布の繊維密度の均一性が悪化し、目付け斑は大きくなり
不織布の製品の品位が悪化するという現象も認められな
かった。また外周リングおよび外周リングと接地電極盤
との接続部分には汚れ成分がほとんど付着していなかっ
た。 【0034】 【実施例3】実施例1で示したコロナ放電発生装置の外
周リングとして材質が硬度2200kg/mm2 (H
V)のSiCのセラミックを使用する以外は実施例1と
同様の条件でフラッシュ紡糸法による生産運転を実施し
た。実施例1と同様、コロナ放電直流高圧電圧が一定電
圧のもとで、生産運転開始後20日経っても、不織布の
繊維密度の均一性が悪化し、目付け斑は大きくなり不織
布の製品の品位が悪化するという現象も認められなかっ
た。また外周リングおよび外周リングと接地電極盤との
接続部分には汚れ成分がほとんど付着していなかった。 【0035】 【発明の効果】本発明の効果を示す具体例として、前述
した実施例1、2、3および比較例1、2の生産運転の
結果に基づき詳述する。表1に示すように、外周リング
にワイピング装置をもたない場合では、外周リング部分
に汚れ成分が堆積し、網目状フィラメントの帯電状態が
不均一なものとなり、そして開繊状態が悪化するため、
不織布の製品の品位が著しく低下し、長時間に渡り連続
的に不織布を製造することが不可能となる。 【0036】また、接地電極盤のワイピング装置として
の除塵用ブラシによって、外周リングも同時にワイピン
グする機構においても、接地電極盤と外周リングとの接
続部である段差部分の汚れ成分の除去は不十分であり、
ワイピング装置が全くない場合に比べて、不織布製造設
備の長時間の連続運転において、高品質の不織布を製造
することができる連続運転時間はわずかに延びるだけで
ある。 【0037】しかしながら、外周リングの材質として硬
度が1000kg/mm2 (HV)のセラミックを利用
し、外周リングのワイピング装置としてスクレパーを利
用することにより、汚れ成分が外周リングに付着、堆積
することを防止することができ、網目状フィラメントの
帯電状態が不均一になり、開繊状態が悪化することによ
って生じる、網目状フィラメントの収束した束状部を多
く含み、また繊維密度の薄いところが存在し目付け斑の
大きなものとなり、不織布の製品の品位が悪化してくる
ということを防止することができ、高品質の不織布を連
続的に安定して製造することが可能となる。 【0038】 【表1】【0039】表中の不織布製造設備の連続運転日数は、
外周リングに汚れ成分が付着し、網目状フィラメントの
開繊性が悪化するまでの運転日数を示す。
【図面の簡単な説明】 【図1】外周リングのワイピング装置と接地電極盤と外
周リングの拡大斜視図。 【図2】ワイピング装置の中心を図1のA−Aの垂直面
で切断し手前からみた断面図。 【図3】ワイピング装置のスクレパー押さえネジ5の中
心を図1のB−Bで切断し、下から見た断面図。 【図4】aは、外周リングのワイピング装置と接地電極
盤の除塵ブラシおよび接地電極盤の位置関係を模式的に
示す正面図。bは、外周リングのワイピング装置と接地
電極盤の除塵用ブラシおよび接地電極盤の位置関係を模
式的に示す側面図。 【図5】接地電極盤と外周リングとの接続部分を拡大し
た側面図。 【図6】本発明の実施例におけるフラッシュ紡糸法の不
織布製造装置の概略構造を示す断面図。 【図7】フラッシュ紡糸法による不織布製造装置におけ
るコロナ放電と接地電極盤の網目状フィラメントへの作
用を表わす概念図。 【符号の説明】 1 接地電極 2 外周リング 3 スクレパー 4 ワイピング装置 5 スクレパー押さえネジ 6 スクレパー保持ネジ 7 長孔 8 スクレパー押さえスプリング 9 除塵用ブラシ 10 ブラシ回転駆動軸 11 コロナ放電直流高圧電源 12 電極針 13 網目状フィラメント 14 捕集ネット 15 不織布 16 ネット進行方向 17 接地電極盤 18 排気管 19 密閉容器 20 原料供給シリンダ 21 紡糸ノズル 22 傾斜面 23 回転分散板 24 回転軸 25 ローラ 26 ローラ 27 仮接着ロール 28 巻取ドラム 29 電極針ベースホルダ 30 フィラメント案内板 31 中和用電極針 32 中和用コロナ放電の直流電源 α 接地電極盤と外周リングとの段差 β 外周リングの先端エッジ ア 接触面の長さ イ 接地電極盤外周リングの幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01T 19/00 H01T 21/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 コロナ放電用の電源に接続する電極ベー
    スの表面から突出する電極針と、上記電極針の先端と隙
    間を隔てて対向する接地電極盤の外周部に外周リングが
    固定された回転する接地電極とを有するコロナ放電発生
    装置において、上記接地電極盤の回転方向に対向して鋭
    角にしかも外周リングの表面に圧接してのみの先端状の
    テーパー部を有するスクレパーが設けられており、上記
    スクレパーの先端が上記接地電極盤と外周リング表面と
    の段差の部分に接し、かつ、上記スクレパーのテーパー
    部が外周リング表面に傾斜角をもって接していることを
    特徴とするコロナ放電発生装置の接地電極。
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