JPH0630802Y2 - フアウンデーシヨン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ボデイスーツ，ガードル等、体形を整える
ために着用されるフアウンデーシヨンに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

ボデイスーツ，ガードル等のフアウンデーシヨンは、通
常、第６図に示すように、その股部が、後ろ身頃１の中
央下端部１ａから延びて前身頃２の中央下端部２ａとス
ナツプ３等によつて着脱自在に係合するクロツチ部４に
よつて、随時開閉できるようになつている。これは、上
記フアウンデーシヨンが、体を一定の強度で締めつけて
体の外形を整える作用を果たすものであつて着脱が容易
でないことから、これをいちいち脱がなくても用が足せ
るよう考慮したものである。

上記フアウンデーシヨンは、伸縮性があつてしかも体に
対し一定の圧力をかけることができるような伸縮性素材
（スパンデツクス等）によつて形成されるが、クロツチ
部４の内側だけはむれて不衛生にならないよう綿１００
％の当て布を表生地の裏側に重ねて使うようにしてい
る。

このクロツチ当て布５は、スナツプ３を外してクロツチ
部４を後ろ身頃１から下に垂らした状態を示す第７図に
おいて、斜線Ｐで示す領域に設けられており、奥側の端
縁部（図では最上部）が、後ろ身頃１とクロツチ部４の
伸縮性表生地との縫合部７に一体的に縫合され、手前側
の端縁部（図では最下部）が、クロツチ部４の表生地先
端に一体的に縫合されている。また、クロツチ当て布５
の左右の側縁部は、左右の足ぐり部を内側から補強する
ストレツチテープ６に縫い込まれている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このようなクロツチ部４の構造では、ク
ロツチ部４の表生地とクロツチ当て布５が２枚重ねで足
ぐり部のストレツチテープ６に縫合されているため、伸
縮性のない綿製のクロツチ当て布５によつてストレツチ
テープ６の伸縮性が制限されて他の一重の部分に比べて
低下し、左右の足ぐり部全体の伸縮性が悪くなつてい
る。したがつて、前後の身頃１，２の素材としてハード
なものを用いた場合には、着用時に動きにくくならない
よう足ぐり寸法を大きめにしておく必要があり、そのサ
イズ内で体格が小さめの人や胴回りが偏平な人にとつて
は、足ぐり部を適度に締め付けることができず、足ぐり
部から臀部にかけてのフイツト感が期待できないという
問題があつた。

この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、ク
ロツチ部が充分に伸縮して足ぐり部全体が伸縮性に富
み、体のサイズにかかわらず足ぐり部から臀部にかけて
快適なフイツト感を与えることのできるようなフアウン
デーシヨンの提供をその目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案のフアウンデーシ
ヨンは、臀部側を覆う後ろ身頃の中央下端部から下方に
延びるクロツチ部を手前に折り返し、腹部側を覆う前身
頃の中央下端部と着脱自在に係合させることによつて股
部が形成され、この股部を挟む左右両側の足ぐり部が、
表生地の内側に一体的に縫合された高伸縮性のストレツ
チテープによつて処理されているフアウンデーシヨンに
おいて、上記クロツチ部の伸縮性表生地の内側に設けら
れるクロツチ当て布が、上記クロツチ部表生地を長手方
向に伸ばした状態における長さに相当する長さに設定さ
れ、かつその根元部および先端部のみがクロツチ部表生
地に縫合されているという構成をとる。

〔作用〕

すなわち、この考案のフアウンデーシヨンは、従来、ク
ロツチ部において、伸縮性の表生地とともにストレツチ
テープに縫い込まれていたクロツチ当て布を、クロツチ
部の表生地を伸ばした状態での長さに相当する長さに設
定し、しかもその両端部のみを表生地に縫合するように
したものである。したがつて、クロツチ部において、伸
縮性のないクロツチ当て布がフリーな状態となり、伸縮
性ある表生地のみを一重でストレツチテープと縫合させ
ることができる。これにより、クロツチ部に充分な伸縮
性を与えることができ、足ぐり部の許容範囲が拡大する
ため、体のサイズや体型が多少異なつても足ぐり部から
臀部にかけて適正なフイツト感を与えることができる。

つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳細に説明す
る。

〔実施例〕

第１図はこの考案をボデイスーツに適用した一例の正面
図、第２図はその背面図を示している。このボデイスー
ツは、前身頃１と後ろ身頃２のうち、左右の体側部に沿
う領域がそれぞれ切欠かれ、この左右の切欠き部に相当
する略帯状のマチ生地１０，１１が、上記前身頃１と後
ろ身頃２の間に縫合されている。そして、上記前身頃１
は、左右の生地１２，１３と、中央の生地１４と、Ｖ字
状にデザインされたレース地１５によつて構成され、後
ろ身頃２は、左右の生地１６，１７によつて構成されて
いる。さらに、上記左右のマチ生地１０，１１の下部は
それぞれ略三角形状に切欠かれ、この部分に、上記切欠
き部に相当する略三角形状の小マチ片１８，１９が縫合
されている。この小マチ片１８，１９の切り替えによつ
て、後ろ身頃２とマチ生地１０，１１と小マチ片１８，
１９からなる臀部被覆部が、臀部の左右の突出に沿う立
体形状に形成されている。しかも、上記後ろ身頃２の左
右の生地１６，１７が、内側から当てたストレツチテー
プ２０と一体的に縫合されて接合されていて、この接合
部の下側の表生地部分にギヤザーが寄せられているた
め、より一層、臀部に沿う立体形状が与えられるように
なつている。

一方、このボデイスーツのクロツチ部２１は、クロツチ
部２１を後ろ身頃１から下に垂らした状態を示す第３図
に示すように、従来のクロツチ部４（第７図参照）に比
べてその長手方向の長さが短く設定されており、その表
生地２１ａの内側に、この表生地２１ａの長さよりも長
く設定されたクロツチ当て布２２が、図示のように弛ん
だ状態で取り付けられている。すなわち、上記クロツチ
当て布２２は、奥側の端縁部２２ａ（図では最上部）が
このクロツチ部２１の表生地２１ａと後ろ側の生地１
９，１７，１６，１８との縫合部に一体的に縫合され、
手前側の端縁部２２ｂ（図では最下部）が表生地２１ａ
部の先端に一体的に縫合されている。そして、その中間
部は、左右の縁部が足ぐり部補強用のストレツチテープ
６と縫合処理された表生地２１ａの上に、浮いた状態で
重なつている。なお、３は従来と同様の係合用のスナツ
プである。このクロツチ当て布２２は、第４図に示すよ
うに、クロツチ部２１を長手方向に強く引つ張つて伸ば
した状態での長さに略一致するように設定されており、
着用時には、クロツチ部２１の内側での弛み幅が小さく
なるので違和感はない。

また、このボデイスーツは、後ろ側の、臀部下側に相当
する足ぐり部（この実施例では左右の小マチ片１８，１
９の下縁部）の表生地部分に、ギヤザーが寄せられた状
態で内側のストレツチテープ６と一体的に縫合されてお
り、上記クロツチ部２１の伸縮性と相俟つて、足ぐり部
全体が非常に優れた伸縮性を示すようになつている。

したがつて、このボデイスーツを着用すると、第５図に
示すように、後ろ身頃２の中央の内側を上下に延びるス
トレツチテープ２０と、左右の足ぐり部内側のストレツ
チテープ６が、いずれの部分も表生地のみに縫合されて
いて体に沿つて適度な伸縮性を発揮するため、特に臀部
から足の付け根にかけて強いフイツト感が得られ、快適
な着用感と整体機能を得ることができる。しかも、クロ
ツチ部２１の伸縮性が、従来よりはるかに優れているた
め、股部が締まり過ぎたり、緩すぎたりすることがな
く、胴体の偏平な体型，厚みある体型，小柄な体型等、
体型の違いにかかわらず、上記優れた効果を奏する。

なお、上記実施例において、クロツチ部２１の表生地２
１ａの長手方向の長さ（第３図においてＬで示す）は、
ボデイスーツのサイズにもよるが、通常、１２〜１３cm
に設定され、この部分が１６〜１７cm伸びるようになつ
ている。そして、クロツチ当て布２２は、上記表生地２
１ａを伸ばした長さと一致するよう１６〜１７cmに設定
されている。これに対し、従来のボデイスーツのクロツ
チ部の長さは、表生地，クロツチ当て布ともに１５cm前
後で、この考案のボデイスーツが小柄な人や胴体の偏平
な人に対しても充分にフイツト感を与えうることがわか
る。

また、上記実施例では、後ろ身頃２の中央下側と、左右
の足ぐり部の臀部下側にギヤザーを寄せてストレツチテ
ープ２０，６を縫合するようにしているが、これらのギ
ヤザーは必ずしも必要ではない。

さらに、上記実施例は、この考案をボデイスーツに適用
したものであるが、この考案を、ガードル，マタニテイ
ガードル，産褥用ガードル等、各種のフアウンデーシヨ
ンに適用することができる。そして、クロツチ部の先端
に取り付けられる係合手段は、スナツプ３に限らず、マ
ジツクテープ，ホツク等、どのようなものであつても差
し支えない。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のフアウンデーシヨンは、クロ
ツチ部表生地の内側に設けられるクロツチ当て布が、そ
の両端部のみが表生地に縫合されて中間部が表生地から
浮いた状態になつているため、クロツチ部の表生地のみ
を一重で、足ぐり部のストレツチテープと縫合させるこ
とができ、クロツチ部、ひいては足ぐり部全体に充分な
伸縮性を与えることができるようになつている。したが
つて、この考案のフアウンデーシヨンは、同一サイズの
ものを着用する人の体型に多少ばらつきがあつても、そ
の人，その人の寸法に合わせて左右の足ぐり部が適度に
伸縮し、股部に窮屈な感じを与えることなくフイツトす
る。このため、足ぐり部から臀部にかけてのフイツト感
にも非常に優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す正面図、第２図はそ
の背面図、第３図はその要部拡大図、第４図はその機能
の説明図、第５図はその使用態様を示す斜視図、第６図
は従来のフアウンデーシヨンの部分的な正面図、第７図
はその要部拡大図である。 １……前身頃、２……後ろ身頃、３……スナツプ、６…
…足ぐり部、１０，１１……マチ生地、２１……クロツ
チ部、２１ａ……表生地、２２……クロツチ当て布、２
２ａ……奥側の端縁部、２２ｂ……手前側の端縁部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】臀部側を覆う後ろ身頃の中央下端部から下
   方に延びるクロツチ部を手前に折り返し、腹部側を覆う
   前身頃の中央下端部と着脱自在に係合させることによつ
   て股部が形成され、この股部を挟む左右両側の足ぐり部
   が、表生地の内側に一体的に縫合された高伸縮性のスト
   レツチテープによつて処理されているフアウンデーシヨ
   ンにおいて、上記クロツチ部の伸縮性表生地の内側に設
   けられるクロツチ当て布が、上記クロツチ部表生地を長
   手方向に伸ばした状態における長さに相当する長さに設
   定され、かつその根元部および先端部のみがクロツチ部
   表生地に縫合されていることを特徴とするフアウンデー
   シヨン。
2. 【請求項２】上記足ぐり部の、少なくとも臀部下側に相
   当する表生地の部分にギヤザーが形成されている請求項
   (1)記載のフアウンデーシヨン。
3. 【請求項３】前身頃と後ろ身頃のうち左右の体側部に沿
   う領域がそれぞれ切欠かれ、この左右の切欠き部に、相
   当する形状のマチ生地が縫合され、かつ上記後ろ身頃が
   下にいくほど幅が狭くなつてその下端縁がクロツチ部に
   縫合され、しかも上記左右のマチ生地の下部がそれぞれ
   略三角形状に切欠かれ、この切欠き部に、相当する略三
   角形状の小マチ片が縫合されて臀部の左右突出部に対応
   する膨らみが形成されている請求項(1)または(2)記載の
   フアウンデーシヨン。