JPH06306672A - 複合材料強化材、その製造方法及び複合材料 - Google Patents

複合材料強化材、その製造方法及び複合材料

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JPH06306672A
JPH06306672A JP9962693A JP9962693A JPH06306672A JP H06306672 A JPH06306672 A JP H06306672A JP 9962693 A JP9962693 A JP 9962693A JP 9962693 A JP9962693 A JP 9962693A JP H06306672 A JPH06306672 A JP H06306672A
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JP
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skeleton
hollow
conductive
dimensional
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JP9962693A
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English (en)
Inventor
Toichi Takagi
東一 高城
Kazuto Kushihashi
和人 串橋
Tetsuya Wada
徹也 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D55/00Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes
    • F16D2055/0004Parts or details of disc brakes
    • F16D2055/0016Brake calipers

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細孔を有する中空骨格からなる二次元又は
三次元の多孔質構造であることを特徴とする複合材料強
化材及びその製造方法並びにそれを用いた複合材料を提
供する。 【構成】 微細孔を有する中空骨格からなる二次元又は
三次元の多孔質構造であることを特徴とする複合材料強
化材及び基体多孔質構造体の骨格表面の微細孔を形成す
る部分を非導電性としたのち、電気メッキすることを特
徴とする複合材料強化材の製造方法並びにこの強化材の
空隙部分に母相を充填してなることを特徴とする複合材
料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細孔のある中空骨格
からなる二次元又は三次元の多孔質構造の金属系複合材
料の強化材、その製造方法及びそれを用いた複合材料に
関する。
【0002】
【従来技術】従来、三次元網状構造の多孔体を複合材料
強化材として用いた複合材料が提案されている。例え
ば、三次元網状構造の金属多孔体の網目部分にゴム、樹
脂類を母相として充填した複合材料を防振材料として応
用することが提案されている(特開昭56−12790
1号公報)。また、タングステンやタングステンカーバ
イトなどの三次元網状構造の多孔体の網目部分に銀や銅
等の金属を充填した複合材料を電気接点材料として応用
することが提案されている(特開昭50−90993号
公報等)。さらに、三次元網状構造のニッケル系金属多
孔体にアルミニウム合金等を鋳造して網目部分に母相を
形成した複合材料をブレーキ部材、摺動部材等に応用す
ることが提案されている(特開昭60−101331号
公報等)。
【0003】これらの複合材料強化材として用いられる
三次元網状構造の多孔体の製造方法としては、三次元網
状構造の合成樹脂発泡体の骨格の全表面に導電処理を施
した後、金属膜を電着し、その後樹脂部分を加熱除去し
て得られた、中空骨格の三次元網状構造の金属多孔体が
知られている(特公昭47−10524号公報等)。ま
た、炭素繊維もしくは炭素繊維の織物または不織布の表
面に金属を被覆し、その後炭素を熱分解除去した、布帛
状の金属多孔体も知られている(特開昭58−1647
05号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の複合材料強化材においては、三次元網状構造の多孔体
骨格内部の中空部分の空隙が欠陥として残留しやすいと
いう問題がある。また、骨格内部の中空部分には母相が
侵入しないので、母相と三次元網状構造の強化材との結
合に難点があり、その改善が望まれている。本発明は、
二次元又は三次元の多孔質構造の複合材料強化材の中空
骨格部分に微細孔を付与することにより、これらの問題
点を解決することができることを見い出し完成したもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、微
細孔を有する中空骨格からなる二次元又は三次元の多孔
質構造であることを特徴とする複合材料強化材であり、
また、基体多孔質構造体の骨格表面の微細孔を形成する
部分を非導電性としたのち、電気メッキすることを特徴
とする複合材料強化材の製造方法である。さらに、微細
孔を有する中空骨格からなる二次元又は三次元の多孔質
構造体の空隙部分に母相を充填してなることを特徴とす
る複合材料である。そして、特に、二次元又は三次元の
多孔質構造体がニッケル系金属であること、また、母相
がアルミニウム系金属であることを特徴とする複合材料
である。
【0006】以下、本発明の複合材料強化材について説
明する。図1は、本発明の複合材料強化材の特徴を示す
もので、強化材を構成する中空骨格同士が交差した部分
を模式的に表した図である。骨格の内部に連続した中空
部分3が存在する中空骨格1に、微細孔2を有してお
り、この微細孔2を介して中空部分3と外部とが連通し
ている。また、中空骨格同士は交差部分4で連通してい
る。
【0007】図2は、本発明の複合材料強化材が三次元
網状構造である場合の外観を示すものである。微細孔2
のある中空骨格1で囲まれた間隙部分5が存在する。
尚、この複合材料強化材を用いた複合材料では、母相は
この間隙部分5及び中空骨格1の微細孔2を通って中空
部分3にも充填される構造となる。
【0008】図3は、本発明の複合材料強化材が2次元
の布帛状構造である場合の外観を示すものである。
【0009】本発明の複合材料強化材の中空骨格をなす
材質、例えば金属の種類、骨格に囲まれた間隙の大き
さ、骨格の太さ及び骨格層の厚み、中空部分の太さ、微
細孔の形状及び大きさ、微細孔の骨格表面に対する存在
量などは、母相との結合、母相充填性、機械的特性、耐
摩耗性、耐熱性、硬度などを考慮して使用目的に応じて
調整することができる。
【0010】微細孔の大きさは、骨格の太さ及び用途を
考慮して選択される。微細孔が骨格の太さに近い大きさ
の場合には、強度の低下を生ずる場合があり好ましくな
い。また、微細孔の形状は、色々な形が可能であるが強
度の点から円形や楕円形等の丸みをもった形状が好まし
い。骨格に囲まれた間隙の大きさは、母相の充填性など
複合材料製造時に考慮すべき要因以外に、機械的特性や
耐摩耗性など複合材料の用途に応じて母相と強化材との
三次元的配置や体積比などを考慮して適宜選択させる。
【0011】以下、本発明の複合材料強化材を製造する
方法について説明する。強化材の基体となる多孔質構造
体としては、例えば、三次元網状構造、二次元又は三次
元の布帛状構造或いはハニカム状構造のものなどが挙げ
られる。本発明は、これら基体多孔質構造体の骨格表面
の微細孔を形成する部分を非導電性としたのち、電気メ
ッキする方法が適用される。用途によっては電気メッキ
後さらに基体多孔質構造体を除去することも適用され
る。以下に説明する製造方法は、本発明の複合材料強化
材を製造する一例であって、これによって制限されるも
のではない。
【0012】本発明で用いる三次元網状構造の基体多孔
質構造体としては、合成樹脂発泡体が好適に用いられ
る。その具体例としては、ポリウレタンフォーム、ポリ
スチレンフォーム、エポキシフォーム、ポリ塩化ビニル
フォーム、フェノール樹脂フォーム、シリコンフォー
ム、ポリアクリルフォーム等の三次元連通気孔を有する
合成樹脂発泡体が好ましい。このうちウレタンフォーム
が好ましく特にセル膜のない軟質ポリウレタンフォーム
が好ましい。セル膜のない軟質ポリウレタンフォームの
製法としては、発泡時のコントロールによりセル膜をな
くしたもの、或いはアルカリ処理、熱処理、水圧処理等
によりセル膜を除去する方法があるが、特にアルカリ処
理、熱処理による方法がセル膜除去の完全さの点で好ま
しい。また、軟質ウレタンフォームの気泡の大きさは複
合材料強化材の使用目的によって異なり特に限定されな
い。
【0013】本発明に用いる基体多孔質構造体が二次元
又は三次元の布帛状構造の場合について説明する。布帛
とは、繊維の不織布、織物または編物を称するものであ
る。不織布は、繊維集積体、フェルト、マット、ペーパ
ーなどの布帛状構造である。織物、編物、シートなどに
よる繊維構造体も布帛状構造を示すものである。この布
帛状構造の基体多孔質構造体を構成する繊維としては、
導電性或いは非導電性繊維が挙げられる。
【0014】導電性の繊維としては、導電性カーボン繊
維及びグラファイト繊維などであり、電気メッキ後の除
去が容易な材質の繊維が好適に用いられる。カーボン繊
維は導電性の低いものから導電性の高いグラファイト化
率の大きなものまで使用することができるが、導電性の
高いものの方が電気メッキ工程でメッキを均一に行ない
やすく好ましい。
【0015】非導電性の繊維としては、例えば、ポリエ
チレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリア
クリロニトリル、ポリビニルアルコール、セルロース、
リグニン、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリ
アセチレン、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、エポ
キシ、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル等からなる各種
合成繊維、或いは各種天然繊維などの有機繊維が挙げら
れ、電気メッキ後の除去が容易な材質の繊維が好適に用
いられる。
【0016】不織布の製造方法としては、一般的な製法
が適用され特に限定されないが、例えば、2〜10cm
の繊維長を紡織カードで開繊するか、繊維を空気流でラ
ンダムに集積する方法の乾式不織布製造方法、または1
cm以下の繊維を水中に分散後、網ですく方式の湿式不
織布製造方法、または溶融された樹脂を紡糸し直接ラン
ダムに支持体に吹き付ける方式のスパンボンド製造方法
などのいずれの製造方法によってもよい。繊維織物の製
造方法としては、一般に二次元或いは三次元の織物を製
造する方法が適用可能で特に限定されない。
【0017】また、本発明には、ハニカム状構造をした
基体多孔質構造体も使用することができる。ハニカム状
構造の基体多孔質構造体の材質としては、有機物が電気
メッキ後の除去が容易であり好ましい。
【0018】本発明は、これらの基体多孔質構造体の骨
格表面の微細孔を形成する部分を非導電性としたのち、
電気メッキする。この際、基体が非導電性の場合は導電
処理する際に骨格表面の微細孔を形成する部分を非導電
性とする操作を行なう。さらに必要に応じて電気メッキ
後基体を除去する。
【0019】以下、導電性カーボンなどからなる導電性
の基体多孔質構造体を用いる場合について説明する。こ
の場合には骨格表面に導電処理せずにそのままの微細孔
を形成する部分を非導電性とする方法を適用できる。も
ちろん、導電性がある場合でも導電処理を行なってもよ
い。
【0020】骨格表面の微細孔を形成する部分に非導電
性部分を形成する方法は、特に限定されないが、非導電
性物質を微細孔を形成する部分に斑点状に付着する方法
が好適に適用できる。付着させる非導電性物質としては
電気メッキ処理後、分解除去しやすいものが好ましく、
合成樹脂などの有機物が好ましい。また、用途によって
も異なるが金属不純物等を含まないものが好ましい場合
もある。また、非導電性部分の形態は形成したい微細孔
の形状とも関係するが、得られる複合材料強化材の強度
の点を考慮すると球状など丸みをもった形態が好まし
い。したがって非導電性物質の形態は粒子形態のものが
好ましい。
【0021】粒子形態の非導電性物質としては各種合成
樹脂ビーズ、各種ラテックス粒子、各種エマルジョン粒
子などが挙げられる。実際にはエマルジョン粒子などは
凝集して粒子形態から種々の形状をした膜状になって骨
格表面に斑点状に付着する場合もあり、粒子形態を保持
したままで球状に近い形で骨格表面に付着する場合以外
に膜状や半球状など種々の形状で骨格表面に付着する。
何れの場合も斑点状、すなわち非導電性部分が広範囲に
わたる連結部分を形成せずに非導電性部分を形成させる
ことが望ましい。また、非導電性粒子の形状及び大きさ
は、用途によって決まる微細孔の形状及び大きさによっ
て適宜選択される。
【0022】非導電性部分を形成する具体的方法として
は、前記した各種非導電性物質を含む液に基体多孔質構
造体を浸漬して骨格表面に付着させる方法がある。例え
ば合成樹脂ビーズの分散液に基体多孔質構造体を浸漬さ
せる方法である。この際、合成樹脂ビーズの分散液に骨
格表面への付着を助ける粘着剤成分や分散剤などの添加
物を適宜加えることが好ましい。非導電性物質の性質、
特に表面の性質と骨格表面の性質の相互関係によって骨
格表面への付着の状態が異なるので表面の改質などの手
法で非導電性物質或いは骨格の表面の性質を調整する必
要がある場合がある。
【0023】分散液中の非導電性物質の種類及び量や添
加物の種類及び量を調整することにより、骨格表面に形
成する斑点状の非導電性部分の形状、大きさ及び骨格表
面に占める割合を適宜調整することができる。また、基
体多孔質構造体の形状が単純な場合には非導電性物質を
含む液を噴霧して液滴を骨格表面に付着させる方法など
も適用可能である。
【0024】次に有機物などの非導電性の基体多孔質構
造体を用いる場合について説明する。この場合には、導
電処理する際に骨格表面の微細孔を形成する部分を非導
電性とする必要がある。導電処理の方法の具体例として
は、カーボン、グラファイトや金属などの導電性物質の
粉末を分散して調製した導電性ペーストで皮膜を形成す
る方法や無電解メッキや銀鏡反応などの金属塩溶液の還
元反応を利用した化学的方法などが挙げられる。本発明
ではこの導電処理する際に微細孔を形成する部分を斑点
状に非導電性部分を形成する。その手順としては非導電
性骨格表面に導電処理を行なったのち、斑点状に非導電
性物質を付着することにより非導電性部分を形成する方
法と導電処理と同時に非導電性部分を導入する方法があ
る。
【0025】具体的には、導電性ペースト中に非導電性
物質の粒子などを分散したものを用いて導電処理皮膜を
形成すると同時に非導電性物質を骨格表面に付着させて
非導電性部分を形成する方法などが挙げられる。この
際、非導電性物質の形状、大きさ及びペースト中の量を
用途に応じて適宜調整する。また、非導電性物質の表面
に導電性物質が被覆しないように表面改質或いは導電皮
膜の厚みよりも大きな非導電性物質を用いるなどの点に
留意する必要がある。
【0026】電気メッキに使用する金属の種類、組成及
びその純度などは目的とする複合材料の用途によって種
々選択でき特に限定されないが、軽量で耐摩耗性、耐熱
性に優れた複合材料の強化材として、ニッケル系金属が
好適に使用される。具体的にはニッケル系金属の強化材
にアルミニウム系金属の母相を充填したものが特に好適
に適用可能である。電気メッキは通常の方法が適用され
る。電気メッキにより形成する金属層の厚みは用途によ
って異なるが数μm〜数100μmである。また、用途
により電気メッキする際にメッキ組成を順次変えること
などにより多種類の金属からなる多層構造を形成するこ
とも可能である。
【0027】また、電気メッキ後に基体多孔質構造体及
び/又は非導電性部分を除去する場合の方法としては、
熱分解、溶剤による溶解或いは溶融などの方法が適用可
能である。熱分解による除去を行なう際に酸化性雰囲気
が必要な基体多孔質構造体を用いた場合には、金属メッ
キ膜の酸化が起こるので用途により還元処理を行なうこ
とが好ましい。例えば、有機物を用いた基体多孔質構造
体の熱分解の温度は有機物の種類によって異なるが30
0〜1300℃程度である。また、還元雰囲気での熱処
理の温度は金属の種類によって異なるがニッケルの場合
900℃程度である。
【0028】次に本発明の複合材料について説明する。
本発明の複合材料は、微細孔を有する中空骨格からなる
二次元又は三次元の多孔質構造体の空隙部分に母相を充
填してなることを特徴とするものであり、これまで説明
した本発明の複合材料強化材を使用することにより製造
することができる。二次元又は三次元の多孔質構造体の
材質については特に限定されないが、母相と反応で強化
特性を発現する材質などが好適に使用される。特にニッ
ケル系金属、例えばニッケル単体、ニッケルにクロム等
の成分を配合した合金が好ましい。これらの材質は母相
と反応して耐摩耗性の金属間化合物を形成するなどの効
果がある。
【0029】微細孔を有する中空骨格からなる二次元又
は三次元の多孔質構造体の空隙部分に母相を充填するに
は、母相が金属の場合には、母相の金属の溶湯を二次元
又は三次元の多孔質構造体に鋳込む、或いは、高圧鋳造
などの方法が適用可能である。また、母相が樹脂などの
場合には、熱可塑性或いは熱硬化性などの樹脂の性質に
より異なるが、加熱による軟化、またはモノマーの状態
など粘度の低い流動性のある状態で鋳込むなどして充填
し、その後、冷却或いは硬化反応を利用して硬化する方
法が適用できる。母相がセラミックスなど無機物の場合
には、無機物の粉末を含むスラリーを調整して、このス
ラリーを鋳込むなどの方法で二次元又は三次元の多孔質
構造体に充填後、焼結などの手法で複合材料を製造する
ことが可能である。
【0030】母相の材質としては、前記したように特に
限定されないが、金属の場合、特にアルミニウム系金属
が軽量であり好適に使用される。アルミニウム系金属と
は、アルミニウムまたはアルミニウムに他の成分を添加
したアルミニウム合金のことである。アルミニウム系金
属は、前記したニッケル系金属と鋳造時などの高温下で
反応して耐摩耗性、耐熱性などの優れた金属間化合物を
形成し、得られる複合材料の特性を向上するので好まし
い。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
する。 [実施例1]基体として三次元網状構造で、骨格の太さ
約200μm、骨格に囲まれた間隙の大きさ1.0〜
1.5mmのセル膜のない軟質ポリウレタンフォーム
[ブリヂストン(株)社製エバーライトSF:型式HR
−20]の厚さ10mmのシートを用いた。無電解ニッ
ケルメッキにより骨格表面に導電処理を施した。これに
ポリスチレン樹脂粒子(粒径4〜5μm)及び有機系添
加剤を加えた分散液に浸漬したのち乾燥した。これにニ
ッケル金属の電気メッキを行ない三次元網状構造の多孔
質体を得た。この際、金属メッキ層の厚みが5μm程度
となるようにメッキ時間を調整した。ニッケルメッキ浴
は硫酸ニッケルとホウ酸からなるものを使用した。
【0032】得られた多孔質体を空気中で温度約600
℃で熱処理し基体樹脂部分を熱分解除去した後、さらに
還元性雰囲気中で約900℃に加熱し還元処理すること
により、複合材料強化材を得た。得られた複合材料強化
材を電子顕微鏡により観察したところ、骨格部分には4
〜5μm程度の微細孔が存在し、その微細孔の存在量は
骨格表面全体の約15%の面積であった。また、基体の
ポリウレタン樹脂が分解除去され中空骨格となり、骨格
部分の微細孔を通して中空骨格の外部と内部とが連通し
ていることが確認された。
【0033】[比較例1]実施例1においてポリスチレ
ン樹脂粒子の分散液による処理を行なわなかった以外、
実施例1同様に行なった。得られたものの骨格の金属層
の厚みは実施例1と同様であり中空であったが、微細孔
は見られなかった。骨格に微細孔がないことから骨格内
部の中空部分と外部は連通していないことが確認され
た。
【0034】[実施例2]基体として三次元網状構造
で、骨格の太さ約100μm、骨格同士の間隙の大きさ
約0.5mmのセル膜のない軟質ポリウレタンフォーム
[ブリヂストン(株)社製エバーライトSF:型式HR
−50]の厚さ5mmのシートを用いた。無電解ニッケ
ルメッキにより骨格表面に導電処理を施した。これにポ
リスチレン樹脂粒子(粒径4〜5μm)及び有機系添加
剤を加えた分散液に浸漬したのち乾燥した。これにニッ
ケル金属の電気メッキを行ない連通気孔を有する三次元
網状構造の多孔質構造体を得た。この際、金属メッキ層
の厚みが5μm程度となるようにメッキ時間を調整し
た。ニッケルメッキ浴はスルファミン酸ニッケルとホウ
酸を用いたものでpH4.3である。
【0035】得られた多孔質構造体を空気中で温度約6
00℃で熱処理し基体樹脂部分を熱分解除去した後、さ
らに還元性雰囲気中で約900℃に加熱し還元処理する
ことにより、複合材料強化材を得た。得られた複合材料
強化材を電子顕微鏡により観察したところ、骨格部分に
は4〜5μm程度の微細孔が存在し、その微細孔の存在
量は骨格表面全体の約10%の面積であった。また、基
体のポリウレタン樹脂が分解除去され中空骨格となり、
骨格部分の微細孔を通して中空骨格の外部と内部とが連
通していることが確認された。
【0036】[比較例2]実施例2においてポリスチレ
ン樹脂粒子の分散液による処理を行なわなかった以外、
実施例2同様に行なった。得られたものの骨格の金属層
の厚みは実施例2と同様であり中空であったが、微細孔
は見られなかった。骨格に微細孔がないことから骨格内
部の中空部分と外部は連通していないことが確認され
た。
【0037】[実施例3]布帛状構造の基体として、繊
維径17μmのポリエチレンテレフタレートを主体とす
る繊維を湿式法により不織布となし、これを繊維溶融結
合と接着樹脂結合を併用して製造した不織布を用いた。
この不織布に無電解ニッケルメッキにより導電処理を施
したのち、ポリスチレン樹脂粒子(粒径3〜4μm)及
び有機系添加剤を加えた分散液に浸漬し乾燥した。これ
にニッケル金属の電気メッキを行ない多孔質構造体を得
た。この際、金属メッキ層の厚みが4μm程度となるよ
うにメッキ条件を調整した。
【0038】これをさらに空気中で温度約600℃で熱
処理し有機繊維部分を熱分解除去した後、さらに還元性
雰囲気中で約900℃に加熱し還元処理して複合材料強
化材を得た。得られた複合材料強化材を電子顕微鏡によ
り観察したところ、骨格部分には3〜4μm程度の微細
孔が存在し、その微細孔の存在量は骨格表面全体の10
%程度の面積であった。また、中空骨格内部の有機繊維
が除去された部分が空洞として見られ、この中空骨格に
ある微細孔を通して骨格の内部と外部とが連通している
ことが確認された。
【0039】[比較例3]実施例3においてポリスチレ
ン樹脂粒子の分散液による処理を行なわなかった以外、
実施例3と同様の条件で複合材料強化材を製造した。得
られたものの骨格の金属層の厚みは実施例3と同様であ
り中空であったが、微細孔は見られなかった。骨格に微
細孔がないことから骨格内部の中空部分と外部は連通し
ていないことが確認された。
【0040】[実施例4]布帛状構造の基体として、繊
維径13μmの導電性カーボン繊維を用いたフェルト状
の不織布(空隙率94%程度)をポリスチレン樹脂粒子
(粒径2〜3μm)及び有機系添加剤を加えた分散液に
浸漬したのち乾燥した。これにニッケル金属の電気メッ
キを行ない多孔質構造体を得た。この際、金属層の厚み
が3μm程度となるようにメッキ条件を調整した。得ら
れた多孔質構造体をさらに雰囲気炉中にて温度1100
℃で熱処理してカーボン繊維部分を除去した。得られた
複合材料強化材を電子顕微鏡により観察したところ、骨
格内部のカーボン繊維が除去され、中空の骨格が形成さ
れており、骨格部分には2〜3μm程度の微細孔が存在
していることがわかった。その微細孔の存在量は骨格表
面全体の15%程度の面積であった。この中空骨格にあ
る微細孔を通して骨格の内部と外部とが連通しているこ
とが確認された。
【0041】[比較例4]実施例4においてポリスチレ
ン樹脂粒子の分散液による処理を行なわなかった以外、
実施例4と同様の条件で複合材料強化材を製造した。得
られたものの骨格の金属層の厚みは実施例4と同様であ
り中空であったが、微細孔は見られなかった。骨格に微
細孔がないことから骨格内部の中空部分と外部は連通し
ていないことが確認された。
【0042】[実施例5]布帛状構造の基体として、繊
維径20μmの有機繊維を用いた織物を用いた。この織
物に無電解ニッケルメッキにより導電処理を施したの
ち、ポリスチレン樹脂粒子(粒径4〜5μm)及び有機
系添加剤を加えた分散液に浸漬し乾燥した。これにニッ
ケル金属の電気メッキを行ない多孔質構造体を得た。こ
の際、金属層の厚みが5μm程度となるようにメッキ条
件を調整した。得られた多孔質構造体をさらに空気中で
温度約600℃で熱処理し基体繊維部分を熱分解除去し
た後、さらに還元性雰囲気中で約900℃に加熱し還元
処理することにより複合材料強化材を得た。得られた複
合材料強化材を電子顕微鏡により観察したところ、骨格
内部の有機繊維が除去され、中空の骨格が形成されてお
り、骨格部分には4〜5μm程度の微細孔が存在してい
ることがわかった。その微細孔の存在量は骨格表面全体
の15%程度の面積であった。また、この中空骨格にあ
る微細孔を通して骨格の内部と外部とが連通しているこ
とが確認された。
【0043】[実施例6]実施例1〜5で得られた5種
類の複合材料強化材にアルミニウム合金(JIS規格A
C8A)を圧力約1000kg/cm2で高圧鋳造したの
ち、510℃で溶体化処理を行なった。得られた複合材
料の断面微構造を電子顕微鏡により観察したところ、何
れの試料も複合材料強化材の中空骨格の中空部分までア
ルミニウム合金が充填されており、気孔などの欠陥は認
められず、母相のアルミニウム合金と強化材が充分に結
合していることが確認された。
【0044】
【発明の効果】本発明の複合材料強化材は、中空骨格に
微細孔を有する二次元又は三次元の多孔質構造であるの
で、母相との結合がよく、欠陥の少ない複合材料が得ら
れる。また、本発明の方法によれば生産性高く本発明の
複合材料強化材を製造することができる。さらに、本発
明の複合材料は強化材と三次元的に結合しており欠陥の
少ない複合材料であり、例えば防振材、ブレーキ部材、
ブレーキキャリパ、ピストンヘッド、シリンダー、コン
プレッサー、耐摩耗部材、摺動部材、ガイドローラ、軸
受、歯車、ネジ、ネジ穴、タペット、電気接点、給電
体、アークシュート、支持体など広範な応用が可能であ
る。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合材料強化材の中空骨格同士が交差
した部分を示す概念図である。
【図2】本発明の複合材料強化材が三次元網状構造であ
る場合の代表的構造を示す図である。
【図3】本発明の複合材料強化材が二次元布帛状構造で
ある場合の代表的構造を示す図である。
【符号の説明】
1 中空骨格 2 微細孔 3 中空部分 4 交差部分 5 骨格に囲まれた間隙部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 7/00 R

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細孔を有する中空骨格からなる二次元
    又は三次元の多孔質構造であることを特徴とする複合材
    料強化材。
  2. 【請求項2】 基体多孔質構造体の骨格表面の微細孔を
    形成する部分を非導電性としたのち、電気メッキするこ
    とを特徴とする請求項1記載の複合材料強化材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 微細孔を有する中空骨格からなる二次元
    又は三次元の多孔質構造体の空隙部分に母相を充填して
    なることを特徴とする複合材料。
  4. 【請求項4】 二次元又は三次元の多孔質構造体がニッ
    ケル系金属であることを特徴とする請求項3記載の複合
    材料。
  5. 【請求項5】 母相がアルミニウム系金属であることを
    特徴とする請求項3記載の複合材料。
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