JPH06306514A - 焼結チタン合金の製造方法 - Google Patents
焼結チタン合金の製造方法Info
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- JPH06306514A JPH06306514A JP9621693A JP9621693A JPH06306514A JP H06306514 A JPH06306514 A JP H06306514A JP 9621693 A JP9621693 A JP 9621693A JP 9621693 A JP9621693 A JP 9621693A JP H06306514 A JPH06306514 A JP H06306514A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、微細な金属組織で高機械的性質を
有した焼結チタン合金を従来と同等の簡易な工程で製造
する方法を提供する。 【構成】 素粉末混合法にて、焼結チタン合金を製造す
る方法において、チタン合金の基本成分全重量の0.0
3重量%以上1.5重量%以下に相当するYまたはEr
を含有した合金元素添加用粉末を合金添加量の全部或い
は一部に使用することにより、従来と同等な簡易な工程
で焼結密度の低下を抑え、かつ微細な金属組織で高機械
的性質を有する焼結チタン合金が得られる。
有した焼結チタン合金を従来と同等の簡易な工程で製造
する方法を提供する。 【構成】 素粉末混合法にて、焼結チタン合金を製造す
る方法において、チタン合金の基本成分全重量の0.0
3重量%以上1.5重量%以下に相当するYまたはEr
を含有した合金元素添加用粉末を合金添加量の全部或い
は一部に使用することにより、従来と同等な簡易な工程
で焼結密度の低下を抑え、かつ微細な金属組織で高機械
的性質を有する焼結チタン合金が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末冶金法による焼結
チタン合金の製造方法に関する。さらに詳しくは素粉末
混合法による焼結チタン合金の製造方法に関するもので
ある。
チタン合金の製造方法に関する。さらに詳しくは素粉末
混合法による焼結チタン合金の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金法は、材料を最終形状に近い形
の製品を直接製造する、いわゆるニアーネットシェイプ
技術の一つで、加工性や成形性或いは被削性に乏しいチ
タン合金等の製品を得るための製造方法として適してい
る。とりわけ、Ti粉末と合金元素添加用粉末を混合し
て容器に充填し、これを成形して圧粉体とした後、真空
中で焼結と合金化熱処理を同時に行い、場合によっては
熱間静水圧成形(HIP)を行う素粉末混合法は、焼結
前に軟質のチタン粉末が大部分を占めることより良好な
成形性を有しており室温において精密な形状の圧粉体を
得ることができるという利点を持っている。
の製品を直接製造する、いわゆるニアーネットシェイプ
技術の一つで、加工性や成形性或いは被削性に乏しいチ
タン合金等の製品を得るための製造方法として適してい
る。とりわけ、Ti粉末と合金元素添加用粉末を混合し
て容器に充填し、これを成形して圧粉体とした後、真空
中で焼結と合金化熱処理を同時に行い、場合によっては
熱間静水圧成形(HIP)を行う素粉末混合法は、焼結
前に軟質のチタン粉末が大部分を占めることより良好な
成形性を有しており室温において精密な形状の圧粉体を
得ることができるという利点を持っている。
【0003】一方、上記のような素粉末混合法によるチ
タン合金の製造は焼結および合金化を十分進行させるた
めに、一般的に1000〜1300℃の高温領域で、し
かも2〜8時間といった長時間の焼結が不可欠である。
このような高温・長時間焼結は粒成長を促進させ粗大な
結晶粒となるため、機械的性質、特に疲労強度を極度に
劣化させるため望ましくなかった。
タン合金の製造は焼結および合金化を十分進行させるた
めに、一般的に1000〜1300℃の高温領域で、し
かも2〜8時間といった長時間の焼結が不可欠である。
このような高温・長時間焼結は粒成長を促進させ粗大な
結晶粒となるため、機械的性質、特に疲労強度を極度に
劣化させるため望ましくなかった。
【0004】そのため金属組織を微細化し、疲労強度を
向上させる方法として、素粉末混合法において、特開昭
62−4804号公報に記載の焼結チタン合金をβ相域
から焼き入れてマルテンサイト組織としHIP処理を行
う方法がある。しかし焼き入れ工程と表層酸化物の除去
が必要であるため、工程が複雑であり構造コストが高く
なるという欠点があった。また1980年 American Instit
ute of Mining, Metallurgical, and PetroleumEnginee
rs, Inc. 発行の「Titaniumu '80 Science and Technol
ogy」1185頁に記載されているように、TiまたはTi
−6Al−4V溶製材にEr或いはYを約1重量%以下
添加すると、これらの酸化物が合金中に生成し、これが
粒成長を抑制するため組織が微細化されるという知見が
あるが、この知見を素粉末混合法に応用しY,Er,Y
2 O3 ,Er2 O3 を単独で添加すると、Ti粉末や合
金元素添加用粉末の接触を阻害し、かつ粉末表面の移動
をピン止めするため焼結特性を著しく劣化させ合金化と
焼結が十分でないため疲労強度が低下するという欠点が
あった。
向上させる方法として、素粉末混合法において、特開昭
62−4804号公報に記載の焼結チタン合金をβ相域
から焼き入れてマルテンサイト組織としHIP処理を行
う方法がある。しかし焼き入れ工程と表層酸化物の除去
が必要であるため、工程が複雑であり構造コストが高く
なるという欠点があった。また1980年 American Instit
ute of Mining, Metallurgical, and PetroleumEnginee
rs, Inc. 発行の「Titaniumu '80 Science and Technol
ogy」1185頁に記載されているように、TiまたはTi
−6Al−4V溶製材にEr或いはYを約1重量%以下
添加すると、これらの酸化物が合金中に生成し、これが
粒成長を抑制するため組織が微細化されるという知見が
あるが、この知見を素粉末混合法に応用しY,Er,Y
2 O3 ,Er2 O3 を単独で添加すると、Ti粉末や合
金元素添加用粉末の接触を阻害し、かつ粉末表面の移動
をピン止めするため焼結特性を著しく劣化させ合金化と
焼結が十分でないため疲労強度が低下するという欠点が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
よりも微細な金属組織で高機械的性質を有した焼結チタ
ン合金を、従来と同等の簡易な工程で製造する方法を提
供することを目的とする。
よりも微細な金属組織で高機械的性質を有した焼結チタ
ン合金を、従来と同等の簡易な工程で製造する方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、(1)素粉末混合法にて、焼結チタン合金
を製造する方法において、チタン合金の基本成分全重量
の0.03重量%以上1.5重量%以下に相当するYま
たはErを含有した合金元素添加用粉末を合金添加量の
全部或いは一部に使用することを特徴とする焼結チタン
合金の製造方法であり、(2)素粉末混合法にて、A
l,Vを含む焼結チタン合金を製造する方法において、
合金元素添加用粉末としてAl,Vの両元素とYまたは
Erからなる粉末を使用することを特徴とする(1)記
載の焼結チタン合金の製造方法であり、(3)素粉末混
合法にて、Alを含む焼結チタン合金を製造する方法に
おいて、合金元素添加用粉末としてTi,Alの両元素
とYまたはErからなる粉末を使用することを特徴とす
る(1)記載の焼結チタン合金の製造方法であり、
(4)素粉末混合法にて、Feを含む焼結チタン合金を
製造する方法において、合金元素添加用粉末としてT
i,Feの両元素とYまたはErからなる粉末を使用す
ることを特徴とする(1)記載の焼結チタン合金の製造
方法であり、(5)素粉末混合法にて、Al,Feを含
む焼結チタン合金を製造する方法において、合金元素添
加用粉末としてTi,Al,Feの3元素とYまたはE
rからなる粉末を使用することを特徴とする(1)記載
の焼結チタン合金の製造方法である。ここで、YとEr
を含有した合金元素添加用粉末を必要な合金添加量の全
部に使用してもよいし、一部に使用してもよい。また基
本成分とはY,Erおよびこれらの酸化物を除いた合金
部分を意味する。
に本発明は、(1)素粉末混合法にて、焼結チタン合金
を製造する方法において、チタン合金の基本成分全重量
の0.03重量%以上1.5重量%以下に相当するYま
たはErを含有した合金元素添加用粉末を合金添加量の
全部或いは一部に使用することを特徴とする焼結チタン
合金の製造方法であり、(2)素粉末混合法にて、A
l,Vを含む焼結チタン合金を製造する方法において、
合金元素添加用粉末としてAl,Vの両元素とYまたは
Erからなる粉末を使用することを特徴とする(1)記
載の焼結チタン合金の製造方法であり、(3)素粉末混
合法にて、Alを含む焼結チタン合金を製造する方法に
おいて、合金元素添加用粉末としてTi,Alの両元素
とYまたはErからなる粉末を使用することを特徴とす
る(1)記載の焼結チタン合金の製造方法であり、
(4)素粉末混合法にて、Feを含む焼結チタン合金を
製造する方法において、合金元素添加用粉末としてT
i,Feの両元素とYまたはErからなる粉末を使用す
ることを特徴とする(1)記載の焼結チタン合金の製造
方法であり、(5)素粉末混合法にて、Al,Feを含
む焼結チタン合金を製造する方法において、合金元素添
加用粉末としてTi,Al,Feの3元素とYまたはE
rからなる粉末を使用することを特徴とする(1)記載
の焼結チタン合金の製造方法である。ここで、YとEr
を含有した合金元素添加用粉末を必要な合金添加量の全
部に使用してもよいし、一部に使用してもよい。また基
本成分とはY,Erおよびこれらの酸化物を除いた合金
部分を意味する。
【0007】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。本発明物等
は、素粉末混合法で製造した焼結チタン合金の金属組織
を微細化するため、高温Ti中で安定な物質の添加によ
る結晶粒成長の抑制に関して研究を重ねた結果、前記従
来の技術の項で説明したように、溶製材で粒成長抑制の
効果が報告されているY或いはErをY,Er,Y2 O
3 ,Er2 O3 粉末の形で単独で添加すると、これらの
粉末がTi中の高温で安定なためTi粉末や合金元素添
加用粉末の接触を阻害し、かつ焼結過程で粉末表面の移
動を妨げるため、その結果、焼結特性を劣化させHIP
処理を行っても十分な焼結密度が得られず、疲労特性を
劣化させる結果を見いだした。本発明は、YやErを予
め合金元素添加用粉末に含有させ使用することにより、
上記の問題点を解決し十分な焼結密度の確保と結晶粒成
長の抑制の両方を達成し、高機械的性質の焼結チタン合
金の製造を可能にする。
は、素粉末混合法で製造した焼結チタン合金の金属組織
を微細化するため、高温Ti中で安定な物質の添加によ
る結晶粒成長の抑制に関して研究を重ねた結果、前記従
来の技術の項で説明したように、溶製材で粒成長抑制の
効果が報告されているY或いはErをY,Er,Y2 O
3 ,Er2 O3 粉末の形で単独で添加すると、これらの
粉末がTi中の高温で安定なためTi粉末や合金元素添
加用粉末の接触を阻害し、かつ焼結過程で粉末表面の移
動を妨げるため、その結果、焼結特性を劣化させHIP
処理を行っても十分な焼結密度が得られず、疲労特性を
劣化させる結果を見いだした。本発明は、YやErを予
め合金元素添加用粉末に含有させ使用することにより、
上記の問題点を解決し十分な焼結密度の確保と結晶粒成
長の抑制の両方を達成し、高機械的性質の焼結チタン合
金の製造を可能にする。
【0008】すなわちYやErの周囲を合金元素が被っ
ている状態の合金元素添加用粉末を使用することによ
り、Ti中の高温で安定なYとErがTi粉末同士或い
はTi粉末と合金元素の接触を阻害せず、かつ粉末表面
の移動を妨げることがなくなり、YやErが結晶粒界の
移動のみを阻害し結晶粒成長を抑制する。その結果、従
来と同じ混合−充填−成形−真空焼結の簡易な工程で、
結晶粒が微細で高機械的性質を有する焼結チタン合金が
得られる。
ている状態の合金元素添加用粉末を使用することによ
り、Ti中の高温で安定なYとErがTi粉末同士或い
はTi粉末と合金元素の接触を阻害せず、かつ粉末表面
の移動を妨げることがなくなり、YやErが結晶粒界の
移動のみを阻害し結晶粒成長を抑制する。その結果、従
来と同じ混合−充填−成形−真空焼結の簡易な工程で、
結晶粒が微細で高機械的性質を有する焼結チタン合金が
得られる。
【0009】一方、YやErの添加量について、チタン
合金の基本成分全重量の0.03重量%未満では添加量
が少ないため組織微細化の効果が認められず、また1.
5重量%以下で既に十分な効果が得られており1.5重
量%より多く添加するとY2O3 やEr2 O3 の大きな
塊ができ破壊の起点となり機械的特性を低下させる。以
上のことより、本発明ではYやErの添加量をチタン合
金の基本成分全重量の0.03重量%以上1.5重量%
以下に規定している。
合金の基本成分全重量の0.03重量%未満では添加量
が少ないため組織微細化の効果が認められず、また1.
5重量%以下で既に十分な効果が得られており1.5重
量%より多く添加するとY2O3 やEr2 O3 の大きな
塊ができ破壊の起点となり機械的特性を低下させる。以
上のことより、本発明ではYやErの添加量をチタン合
金の基本成分全重量の0.03重量%以上1.5重量%
以下に規定している。
【0010】請求項2は、Al,Vを合金元素として含
む焼結チタン合金、例えばTi−6Al−4Vや、Ti
−10V−2Fe−3Alに本発明を応用した場合で、
Al−V母合金に予めYやErを含有させた母合金を合
金元素添加用粉末として使用することである。請求項3
は、Alを合金元素として含む焼結チタン合金、例えば
Ti−6Al−4V,Ti−5Al−2.5Fe,Ti
−5Al−2.5Snに本発明を応用した場合で、Ti
−Al母合金に予めYやErを含有させた母合金を合金
元素添加用粉末として使用することである。請求項4
は、Feを合金元素として含む焼結チタン合金、例えば
Ti−5Al−2.5Feや、Ti−10V−2Fe−
3Alに本発明を応用した場合で、Ti−Fe母合金に
予めYやErを含有させた母合金を合金元素添加用粉末
として使用することである。請求項5は、AlとFeを
合金元素として含む焼結チタン合金、例えばTi−5A
l−2.5Feや、Ti−10V−2Fe−3Alに本
発明を応用した場合でTi−Al−Fe母合金に予めY
やErを含有させた母合金を合金元素添加用粉末として
使用することである。なお、本発明において、チタン合
金中にはTiと合金元素の他、0.7重量%未満のFe
(非Fe含有合金の場合)、O,N,C,H等の不純物
を不可避的に含んでもよい。
む焼結チタン合金、例えばTi−6Al−4Vや、Ti
−10V−2Fe−3Alに本発明を応用した場合で、
Al−V母合金に予めYやErを含有させた母合金を合
金元素添加用粉末として使用することである。請求項3
は、Alを合金元素として含む焼結チタン合金、例えば
Ti−6Al−4V,Ti−5Al−2.5Fe,Ti
−5Al−2.5Snに本発明を応用した場合で、Ti
−Al母合金に予めYやErを含有させた母合金を合金
元素添加用粉末として使用することである。請求項4
は、Feを合金元素として含む焼結チタン合金、例えば
Ti−5Al−2.5Feや、Ti−10V−2Fe−
3Alに本発明を応用した場合で、Ti−Fe母合金に
予めYやErを含有させた母合金を合金元素添加用粉末
として使用することである。請求項5は、AlとFeを
合金元素として含む焼結チタン合金、例えばTi−5A
l−2.5Feや、Ti−10V−2Fe−3Alに本
発明を応用した場合でTi−Al−Fe母合金に予めY
やErを含有させた母合金を合金元素添加用粉末として
使用することである。なお、本発明において、チタン合
金中にはTiと合金元素の他、0.7重量%未満のFe
(非Fe含有合金の場合)、O,N,C,H等の不純物
を不可避的に含んでもよい。
【0011】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。はじめにTi−6Al−4V(Al:6重量
%、V:4重量%、残部:実質的にTi、少量の不純物
を含む)に対して本発明を適応した場合を例に説明す
る。まず60Al−40V(60重量%Al+40重量
%V)を基本としAl,V,Y,Erの重量比が表1,
2のような合金元素添加用粉末を製造した。いずれの粉
末も平均粒径が約30μm、最大粒径が約70μmであ
る。また表1,2には各々の合金元素添加用粉末の名称
を表記している。さらに比較のため平均粒径が約2μm
のY2 O3 粉末とEr2 O3 粉末も用いた。
説明する。はじめにTi−6Al−4V(Al:6重量
%、V:4重量%、残部:実質的にTi、少量の不純物
を含む)に対して本発明を適応した場合を例に説明す
る。まず60Al−40V(60重量%Al+40重量
%V)を基本としAl,V,Y,Erの重量比が表1,
2のような合金元素添加用粉末を製造した。いずれの粉
末も平均粒径が約30μm、最大粒径が約70μmであ
る。また表1,2には各々の合金元素添加用粉末の名称
を表記している。さらに比較のため平均粒径が約2μm
のY2 O3 粉末とEr2 O3 粉末も用いた。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】表1,2の合金元素添加用粉末とTi粉末
およびY2 O3 とEr2 O3 粉末を使用し、YとErが
Ti−6Al−4V全重量の0.02,0.05,0.
1,0.5,1.4,1.7重量%となるよう混合し、
冷間静水圧成形(CIP)を480MPa の圧力で行い圧
粉体を作製した。ここでTi粉末は水素化脱水素法で製
造した平均粒径が約75μm、最大粒径が約150μm
の粉末を使用した。
およびY2 O3 とEr2 O3 粉末を使用し、YとErが
Ti−6Al−4V全重量の0.02,0.05,0.
1,0.5,1.4,1.7重量%となるよう混合し、
冷間静水圧成形(CIP)を480MPa の圧力で行い圧
粉体を作製した。ここでTi粉末は水素化脱水素法で製
造した平均粒径が約75μm、最大粒径が約150μm
の粉末を使用した。
【0015】表3,4は、圧粉体を1200℃で焼結し
た場合に95%以上の相対密度を得るために要する時間
と相対密度95%以上の焼結体を900℃,120MPa
の条件でHIP処理し、引張試験と回転曲げ疲労試験を
行った結果を示している。但し、試験番号2,3は10
時間焼結しても95%の相対密度に達しなかったため1
0時間焼結した試料を同上の条件でHIP処理した試料
について引張試験と回転曲げ試験を行った結果である。
た場合に95%以上の相対密度を得るために要する時間
と相対密度95%以上の焼結体を900℃,120MPa
の条件でHIP処理し、引張試験と回転曲げ疲労試験を
行った結果を示している。但し、試験番号2,3は10
時間焼結しても95%の相対密度に達しなかったため1
0時間焼結した試料を同上の条件でHIP処理した試料
について引張試験と回転曲げ試験を行った結果である。
【0016】ここで相対密度とは、同じ組成の合金を溶
解法により製造した場合に得られる試料の密度を100
%とした場合の密度である。また粉末冶金では経験的に
95%以上の相対密度を有する焼結体は、その後のHI
P処理により相対密度が100%に達することが知られ
ている。ここでの引張試験の条件は、平行部32mm,
6.25mmφの丸棒試験片を用い歪速度5×10-4s-1
であり、回転曲げ疲労試験の条件は、平行部22mm,8
mmφの平滑表面の丸棒試験片を用い、応力比−1、室
温、繰り返し速度3600回転/分である。また疲労強
度は繰り返し数が107 回に達しても破断しない負荷応
力である。
解法により製造した場合に得られる試料の密度を100
%とした場合の密度である。また粉末冶金では経験的に
95%以上の相対密度を有する焼結体は、その後のHI
P処理により相対密度が100%に達することが知られ
ている。ここでの引張試験の条件は、平行部32mm,
6.25mmφの丸棒試験片を用い歪速度5×10-4s-1
であり、回転曲げ疲労試験の条件は、平行部22mm,8
mmφの平滑表面の丸棒試験片を用い、応力比−1、室
温、繰り返し速度3600回転/分である。また疲労強
度は繰り返し数が107 回に達しても破断しない負荷応
力である。
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】試験番号1と比較して、Y2 O3 とEr2
O3 粉末を単独で添加した試験番号2,3は10時間焼
結しても95%以上の相対密度が得られなかった。その
ためHIP処理をしても100%の相対密度が得られず
機械的性質もかなり低下している。これに対し試験番号
4から8の本発明の実施例では95%以上の相対密度を
得るために約4時間必要で試験番号1に対して約50分
しか増加しておらず実際的な時間内での焼結が可能であ
る。試験番号1と比較して引張強さ、伸びだけでなく疲
労強度も約100MPa 向上している。これは焼結特性を
劣化させずYとErを添加し組織を微細化させた効果で
ある。試験番号6のようにYとErを同時に含有する合
金元素添加用粉末を用いたり、試験番号7のようにYを
含有する合金元素添加用粉末とErを含有する合金元素
添加用粉末を同時に添加してもその効果に変わりはな
い。また試験番号8のように合金元素添加用粉末の一部
に使用しても、ほぼ同等の効果が得られた。
O3 粉末を単独で添加した試験番号2,3は10時間焼
結しても95%以上の相対密度が得られなかった。その
ためHIP処理をしても100%の相対密度が得られず
機械的性質もかなり低下している。これに対し試験番号
4から8の本発明の実施例では95%以上の相対密度を
得るために約4時間必要で試験番号1に対して約50分
しか増加しておらず実際的な時間内での焼結が可能であ
る。試験番号1と比較して引張強さ、伸びだけでなく疲
労強度も約100MPa 向上している。これは焼結特性を
劣化させずYとErを添加し組織を微細化させた効果で
ある。試験番号6のようにYとErを同時に含有する合
金元素添加用粉末を用いたり、試験番号7のようにYを
含有する合金元素添加用粉末とErを含有する合金元素
添加用粉末を同時に添加してもその効果に変わりはな
い。また試験番号8のように合金元素添加用粉末の一部
に使用しても、ほぼ同等の効果が得られた。
【0020】表4はYとErを表2の合金元素添加用粉
末を使用しTi−6Al−4Vの全重量の0.02,
0.05,0.5,1.4,1.7重量%添加した焼結
チタン合金で、YとErを0.02重量%しか添加して
いない試験番号9,10は、試験番号1と比較し焼結特
性も機械的性質もほとんど変わりない。これは添加量が
少ないため結晶粒成長を抑制せず組織の微細化に効果が
なかったためである。試験番号11から16は本発明の
実施例であり、合金元素添加用粉末のYとErの含有量
を多くしYとErの添加量を増加されるに伴い、YとE
rの結晶粒成長の抑制が強くなり、その結果95%以上
の相対密度を得るために要する時間が増加したものの実
際的な時間内であり、組織が均一に微細化されたため高
疲労強度が得られた。また試験番号17,18は、Yと
Erが1.7重量%と本発明における上限である1.5
重量%を超える量が添加されているため引張強さ、伸
び、疲労強度ともに著しく低下しており、これはYとE
rの大きな塊ができ破壊の起点となったためである。
末を使用しTi−6Al−4Vの全重量の0.02,
0.05,0.5,1.4,1.7重量%添加した焼結
チタン合金で、YとErを0.02重量%しか添加して
いない試験番号9,10は、試験番号1と比較し焼結特
性も機械的性質もほとんど変わりない。これは添加量が
少ないため結晶粒成長を抑制せず組織の微細化に効果が
なかったためである。試験番号11から16は本発明の
実施例であり、合金元素添加用粉末のYとErの含有量
を多くしYとErの添加量を増加されるに伴い、YとE
rの結晶粒成長の抑制が強くなり、その結果95%以上
の相対密度を得るために要する時間が増加したものの実
際的な時間内であり、組織が均一に微細化されたため高
疲労強度が得られた。また試験番号17,18は、Yと
Erが1.7重量%と本発明における上限である1.5
重量%を超える量が添加されているため引張強さ、伸
び、疲労強度ともに著しく低下しており、これはYとE
rの大きな塊ができ破壊の起点となったためである。
【0021】次に、Ti−5Al−2.5Fe(Al:
5重量%、Fe:2.5重量%、残部:実質的にTi、
少量の不純物を含む)に対して本発明を適応した場合を
例に説明する。まずTiAl,Ti3 Alを基本としY
とErを含有した合金元素添加用粉末を製造した。Ti
AlにYを含有した合金元素添加用粉末TiAl−0.
54Y、Erを含有した合金元素添加用粉末TiAl−
0.54Er、Ti3 AlにYを含有したTi3 Al−
0.54Yである。比較のためYとErを添加していな
いTiAl,Ti3 Alも使用した。また合金成分であ
るFeの添加にはTiFeを用いた。いずれの粉末も平
均粒径が約30μm、最大粒径が約70μmである。こ
れらの合金元素添加用粉末とTi粉末を混合し、冷間静
水圧成形(CIP)を480MPa の圧力で行い圧粉体を
作製した。表5は、圧粉体を1200℃で焼結した場合
に95%以上の相対密度を得るために要する時間と相対
密度95%以上の焼結体を900℃,120MPa の条件
でHIP処理し、引張試験と回転曲げ疲労試験を行った
結果を示している。引張試験と回転曲げ疲労試験の条件
は上記と同様である。
5重量%、Fe:2.5重量%、残部:実質的にTi、
少量の不純物を含む)に対して本発明を適応した場合を
例に説明する。まずTiAl,Ti3 Alを基本としY
とErを含有した合金元素添加用粉末を製造した。Ti
AlにYを含有した合金元素添加用粉末TiAl−0.
54Y、Erを含有した合金元素添加用粉末TiAl−
0.54Er、Ti3 AlにYを含有したTi3 Al−
0.54Yである。比較のためYとErを添加していな
いTiAl,Ti3 Alも使用した。また合金成分であ
るFeの添加にはTiFeを用いた。いずれの粉末も平
均粒径が約30μm、最大粒径が約70μmである。こ
れらの合金元素添加用粉末とTi粉末を混合し、冷間静
水圧成形(CIP)を480MPa の圧力で行い圧粉体を
作製した。表5は、圧粉体を1200℃で焼結した場合
に95%以上の相対密度を得るために要する時間と相対
密度95%以上の焼結体を900℃,120MPa の条件
でHIP処理し、引張試験と回転曲げ疲労試験を行った
結果を示している。引張試験と回転曲げ疲労試験の条件
は上記と同様である。
【0022】
【表5】
【0023】表5において、試験番号19はTiAlと
TiFeを使用しYとErを添加していないTi−5A
l−2.5Feである。試験番号20,21はTiAl
−0.54YとTiAl−0.54Erを各々使用した
本発明の請求項3の実施例である。試験番号19と比較
し、引張強さ、伸び、疲労強度ともに向上している。ま
た試験番号22はTi3 AlとTiFeを使用しYとE
rを添加していないTi−5Al−2.5Feである。
試験番号23はTi3 Al−0.54Yを使用した本発
明の請求項3の実施例であり試験番号19と比較し、引
張強さ、伸び、疲労強度ともに向上している。いずれの
実施例も組織の微細化により効果がある。
TiFeを使用しYとErを添加していないTi−5A
l−2.5Feである。試験番号20,21はTiAl
−0.54YとTiAl−0.54Erを各々使用した
本発明の請求項3の実施例である。試験番号19と比較
し、引張強さ、伸び、疲労強度ともに向上している。ま
た試験番号22はTi3 AlとTiFeを使用しYとE
rを添加していないTi−5Al−2.5Feである。
試験番号23はTi3 Al−0.54Yを使用した本発
明の請求項3の実施例であり試験番号19と比較し、引
張強さ、伸び、疲労強度ともに向上している。いずれの
実施例も組織の微細化により効果がある。
【0024】次に、Ti−10V−2Fe−3Al
(V:10重量%、Fe:2重量%、Al:3重量%、
残部:実質的にTi、少量の不純物を含む)に対して本
発明を適応した場合を例に説明する。まずTiFeを基
本としYとErを含有した合金元素添加用粉末を製造し
た。TiFeにYを含有した合金元素添加用粉末TiF
e−2.8Y,Erを含有した合金元素添加用粉末Ti
Fe−2.8Erである。比較のためYとErを添加し
ていないTiFeも使用した。また合金成分であるVと
Alの添加にはV:Alの重量比が80:15の80V
15Alと60:40の60Al40Vを用いた。いず
れの粉末も平均粒径が約30μm、最大粒径が約70μ
m程度である。これらの合金元素添加用粉末とTi粉末
を混合し、冷間静水圧成形(CIP)を480MPa の圧
力で行い圧粉体を作製した。表6は、圧粉体を1200
℃で焼結した場合に95%以上の相対密度を得るために
要する時間と相対密度95%以上の焼結体を900℃,
120MPa の条件でHIP処理し、引張試験と回転曲げ
疲労試験を行った結果を示している。引張試験と回転曲
げ疲労試験の条件は上記と同様である。
(V:10重量%、Fe:2重量%、Al:3重量%、
残部:実質的にTi、少量の不純物を含む)に対して本
発明を適応した場合を例に説明する。まずTiFeを基
本としYとErを含有した合金元素添加用粉末を製造し
た。TiFeにYを含有した合金元素添加用粉末TiF
e−2.8Y,Erを含有した合金元素添加用粉末Ti
Fe−2.8Erである。比較のためYとErを添加し
ていないTiFeも使用した。また合金成分であるVと
Alの添加にはV:Alの重量比が80:15の80V
15Alと60:40の60Al40Vを用いた。いず
れの粉末も平均粒径が約30μm、最大粒径が約70μ
m程度である。これらの合金元素添加用粉末とTi粉末
を混合し、冷間静水圧成形(CIP)を480MPa の圧
力で行い圧粉体を作製した。表6は、圧粉体を1200
℃で焼結した場合に95%以上の相対密度を得るために
要する時間と相対密度95%以上の焼結体を900℃,
120MPa の条件でHIP処理し、引張試験と回転曲げ
疲労試験を行った結果を示している。引張試験と回転曲
げ疲労試験の条件は上記と同様である。
【0025】
【表6】
【0026】表6において、試験番号24は80V−1
5Al,60Al−40V,TiFeを使用したYとE
rを添加していないTi−10V−2Fe−3Alであ
る。試験番号25,26はTiFe−2.8YとTiF
e−2.8Erを各々使用した本発明の請求項4の実施
例であり試験番号24と比較し、引張強さ、伸び、疲労
強度ともに向上している。いずれの実施例も組織の微細
化による効果がある。
5Al,60Al−40V,TiFeを使用したYとE
rを添加していないTi−10V−2Fe−3Alであ
る。試験番号25,26はTiFe−2.8YとTiF
e−2.8Erを各々使用した本発明の請求項4の実施
例であり試験番号24と比較し、引張強さ、伸び、疲労
強度ともに向上している。いずれの実施例も組織の微細
化による効果がある。
【0027】次に、Ti−5Al−2.5Fe(Al:
5重量%、Fe:2.5重量%、残部:実質的にTi、
少量の不純物を含む)に対して本発明の請求項5を適応
した場合を例に説明する。まずTi−Al−Feの3元
素からなる重量比が2:5:2.5の合金元素添加用粉
末2Ti−5Al−2.5Feと5:5:2.5の合金
元素添加用粉末5Ti−5Al−2.5Fe、そしてこ
の2種に各々Yを添加した合金元素添加用粉末2Ti−
5Al−2.5Fe−0.1Yと、5Ti−5Al−
2.5Fe−0.1Yを用いた。いずれの粉末も平均粒
径が約30μm、最大粒径が約70μm程度である。こ
れらの合金元素添加用粉末とTi粉末を混合し、冷間静
水圧成形(CIP)を480MPa の圧力で行い圧粉体を
作製した。
5重量%、Fe:2.5重量%、残部:実質的にTi、
少量の不純物を含む)に対して本発明の請求項5を適応
した場合を例に説明する。まずTi−Al−Feの3元
素からなる重量比が2:5:2.5の合金元素添加用粉
末2Ti−5Al−2.5Feと5:5:2.5の合金
元素添加用粉末5Ti−5Al−2.5Fe、そしてこ
の2種に各々Yを添加した合金元素添加用粉末2Ti−
5Al−2.5Fe−0.1Yと、5Ti−5Al−
2.5Fe−0.1Yを用いた。いずれの粉末も平均粒
径が約30μm、最大粒径が約70μm程度である。こ
れらの合金元素添加用粉末とTi粉末を混合し、冷間静
水圧成形(CIP)を480MPa の圧力で行い圧粉体を
作製した。
【0028】表7は、圧粉体を1200℃で焼結した場
合に95%以上の相対密度を得るために要する時間と相
対密度95%以上の焼結体を900℃,120MPa の条
件でHIP処理し、引張試験と回転曲げ疲労試験を行っ
た結果を示している。引張試験と回転曲げ疲労試験の条
件は上記と同様である。表7において、試験番号27,
29は2Ti−5Al−2.5Feと5Ti−5Al−
2.5Feを各々使用したYとErを添加していないT
i−5Al−2.5Feである。試験番号28,30は
2Ti−5Al−2.5Fe−0.1Yと5Ti−5A
l−2.5Fe−0.1Yを各々使用した本発明の請求
項5の実施例であり、試験番号27,29と各々比較し
引張強さ、伸び、疲労強度ともに向上している。いずれ
の実施例も組織の微細化による効果がある。
合に95%以上の相対密度を得るために要する時間と相
対密度95%以上の焼結体を900℃,120MPa の条
件でHIP処理し、引張試験と回転曲げ疲労試験を行っ
た結果を示している。引張試験と回転曲げ疲労試験の条
件は上記と同様である。表7において、試験番号27,
29は2Ti−5Al−2.5Feと5Ti−5Al−
2.5Feを各々使用したYとErを添加していないT
i−5Al−2.5Feである。試験番号28,30は
2Ti−5Al−2.5Fe−0.1Yと5Ti−5A
l−2.5Fe−0.1Yを各々使用した本発明の請求
項5の実施例であり、試験番号27,29と各々比較し
引張強さ、伸び、疲労強度ともに向上している。いずれ
の実施例も組織の微細化による効果がある。
【0029】
【表7】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を適用する
ことにより、従来よりも微細な金属組織で優れた機械的
性質を有した焼結チタン合金を従来と同等の簡易な工程
で製造することができる。
ことにより、従来よりも微細な金属組織で優れた機械的
性質を有した焼結チタン合金を従来と同等の簡易な工程
で製造することができる。
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】そのため金属組織を微細化し、疲労強度を
向上させる方法として、素粉末混合法において、特開昭
62−4804号公報に記載の焼結チタン合金をβ相域
から焼き入れてマルテンサイト組織としHIP処理を行
う方法がある。しかし焼き入れ工程と表層酸化物の除去
が必要であるため、工程が複雑であり製造コストが高く
なるという欠点があった。また1980年 American Instit
ute of Mining, Metallurgical, and PetroleumEnginee
rs, Inc. 発行の「Titanium '80 Science and Technolo
gy 」1185頁に記載されているように、TiまたはTi
−6Al−4V溶製材にEr或いはYを約1重量%以下
添加すると、これらの酸化物が合金中に生成し、これが
粒成長を抑制するため組織が微細化されるという知見が
あるが、この知見を素粉末混合法に応用しY,Er,Y
2 O3 ,Er2 O3 を単独で添加すると、Ti粉末や合
金元素添加用粉末の接触を阻害し、かつ粉末表面の移動
をピン止めするため焼結特性を著しく劣化させ合金化と
焼結が十分でないため疲労強度が低下するという欠点が
あった。
向上させる方法として、素粉末混合法において、特開昭
62−4804号公報に記載の焼結チタン合金をβ相域
から焼き入れてマルテンサイト組織としHIP処理を行
う方法がある。しかし焼き入れ工程と表層酸化物の除去
が必要であるため、工程が複雑であり製造コストが高く
なるという欠点があった。また1980年 American Instit
ute of Mining, Metallurgical, and PetroleumEnginee
rs, Inc. 発行の「Titanium '80 Science and Technolo
gy 」1185頁に記載されているように、TiまたはTi
−6Al−4V溶製材にEr或いはYを約1重量%以下
添加すると、これらの酸化物が合金中に生成し、これが
粒成長を抑制するため組織が微細化されるという知見が
あるが、この知見を素粉末混合法に応用しY,Er,Y
2 O3 ,Er2 O3 を単独で添加すると、Ti粉末や合
金元素添加用粉末の接触を阻害し、かつ粉末表面の移動
をピン止めするため焼結特性を著しく劣化させ合金化と
焼結が十分でないため疲労強度が低下するという欠点が
あった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者等
は、素粉末混合法で製造した焼結チタン合金の金属組織
を微細化するため、高温Ti中で安定な物質の添加によ
る結晶粒成長の抑制に関して研究を重ねた結果、前記従
来の技術の項で説明したように、溶製材で粒成長抑制の
効果が報告されているY或いはErをY,Er,Y2 O
3 ,Er2 O3 粉末の形で単独で添加すると、これらの
粉末がTi中の高温で安定なためTi粉末や合金元素添
加用粉末の接触を阻害し、かつ焼結過程で粉末表面の移
動を妨げるため、その結果、焼結特性を劣化させHIP
処理を行っても十分な焼結密度が得られず、疲労特性を
劣化させる結果を見いだした。本発明は、YやErを予
め合金元素添加用粉末に含有させ使用することにより、
上記の問題点を解決し十分な焼結密度の確保と結晶粒成
長の抑制の両方を達成し、高機械的性質の焼結チタン合
金の製造を可能にする。
は、素粉末混合法で製造した焼結チタン合金の金属組織
を微細化するため、高温Ti中で安定な物質の添加によ
る結晶粒成長の抑制に関して研究を重ねた結果、前記従
来の技術の項で説明したように、溶製材で粒成長抑制の
効果が報告されているY或いはErをY,Er,Y2 O
3 ,Er2 O3 粉末の形で単独で添加すると、これらの
粉末がTi中の高温で安定なためTi粉末や合金元素添
加用粉末の接触を阻害し、かつ焼結過程で粉末表面の移
動を妨げるため、その結果、焼結特性を劣化させHIP
処理を行っても十分な焼結密度が得られず、疲労特性を
劣化させる結果を見いだした。本発明は、YやErを予
め合金元素添加用粉末に含有させ使用することにより、
上記の問題点を解決し十分な焼結密度の確保と結晶粒成
長の抑制の両方を達成し、高機械的性質の焼結チタン合
金の製造を可能にする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【表2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【表4】
Claims (5)
- 【請求項1】 素粉末混合法にて、焼結チタン合金を製
造する方法において、チタン合金の基本成分全重量の
0.03重量%以上1.5重量%以下に相当するYまた
はErを含有した合金元素添加用粉末を合金添加量の全
部或いは一部に使用することを特徴とする焼結チタン合
金の製造方法。 - 【請求項2】 素粉末混合法にて、Al,Vを含む焼結
チタン合金を製造する方法において、合金元素添加用粉
末としてAl,Vの両元素とYまたはErからなる粉末
を使用することを特徴とする請求項1記載の焼結チタン
合金の製造方法。 - 【請求項3】 素粉末混合法にて、Alを含む焼結チタ
ン合金を製造する方法において、合金元素添加用粉末と
してTi,Alの両元素とYまたはErからなる粉末を
使用することを特徴とする請求項1記載の焼結チタン合
金の製造方法。 - 【請求項4】 素粉末混合法にて、Feを含む焼結チタ
ン合金を製造する方法において、合金元素添加用粉末と
してTi,Feの両元素とYまたはErからなる粉末を
使用することを特徴とする請求項1記載の焼結チタン合
金の製造方法。 - 【請求項5】 素粉末混合法にて、Al,Feを含む焼
結チタン合金を製造する方法において、合金元素添加用
粉末としてTi,Al,Feの3元素とYまたはErか
らなる粉末を使用することを特徴とする請求項1記載の
焼結チタン合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9621693A JPH06306514A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 焼結チタン合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9621693A JPH06306514A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 焼結チタン合金の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06306514A true JPH06306514A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14159049
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9621693A Withdrawn JPH06306514A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 焼結チタン合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06306514A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019131883A (ja) * | 2017-10-19 | 2019-08-08 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | チタン系合金及び付加製造法によるチタン系合金コンポーネントの製造のための方法。 |
CN116574952A (zh) * | 2023-03-13 | 2023-08-11 | 国瑞科创稀土功能材料(赣州)有限公司 | 一种V-Al-RE中间合金及制备方法 |
-
1993
- 1993-04-22 JP JP9621693A patent/JPH06306514A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019131883A (ja) * | 2017-10-19 | 2019-08-08 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | チタン系合金及び付加製造法によるチタン系合金コンポーネントの製造のための方法。 |
CN116574952A (zh) * | 2023-03-13 | 2023-08-11 | 国瑞科创稀土功能材料(赣州)有限公司 | 一种V-Al-RE中间合金及制备方法 |
CN116574952B (zh) * | 2023-03-13 | 2024-01-16 | 国瑞科创稀土功能材料(赣州)有限公司 | 一种V-Al-RE中间合金及制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000704 |