JPH06306354A - フォトクロミック材料 - Google Patents

フォトクロミック材料

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JPH06306354A
JPH06306354A JP9944193A JP9944193A JPH06306354A JP H06306354 A JPH06306354 A JP H06306354A JP 9944193 A JP9944193 A JP 9944193A JP 9944193 A JP9944193 A JP 9944193A JP H06306354 A JPH06306354 A JP H06306354A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
formula
compound
chemical
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JP9944193A
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English (en)
Inventor
Masataka Nakamura
正孝 中村
Yoichi Mori
与一 森
Takashi Taniguchi
孝 谷口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】次の一般式(A)、(B)または(C) で示される、分子中にアシルオキシ基を有する化合物か
らなることを特徴とするフォトクロミック材料。[式
中、R1 、R2 、R9 、R10、R17およびR18は、水
素、炭素数1〜20のアルキル基などの置換基を表す。
3 〜R8 、 R11〜R16およびR19〜R22は、水素、ヒ
ドロキシル基、炭素数1〜20のアシルオキシ基などの
置換基を表し、なおかつR3 〜R8 のうちの少なくとも
1つ、R11〜R16のうちの少なくとも1つ、およびR19
〜R22のうちの少なくとも1つは、炭素数1〜20のア
シルオキシ基を表す。R23〜R28は、独立の場合は水
素、炭素数1〜20のアルキル基などの置換基を表し、
非独立の場合はR23とR24、R25とR26、およびR27
28の少なくとも1組がいっしょに炭素数5〜20の環
状置換基を表わす。] 【効果】ポリマーに対する溶解性が高く、また溶解した
後、時間が経っても結晶化して析出しにくいクロメン系
フォトクロミック材料が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフォトクロミック材料に
関するものであり、該フォトクロミック材料は特に印
刷、光学機器、記録材料、調光材料、衣料、装飾用の材
料、光素子として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、フォトクロミック材料として多く
の化合物が知られている。例えば、特開昭63−661
78号公報には下記式(1)
【化4】 のクロメン系フォトクロミック材料が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなクロメン系フォトクロミック材料は、ポリマーに
対する溶解性が低く、また一旦溶解しても時間が経つと
結晶化して析出するなどの問題点があった。
【0004】本発明は、ポリマーに対する溶解性が高
く、また溶解した後、時間が経っても結晶化して析出し
にくいフォトクロミック材料を提供することを目的す
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明のフォトクロミック材料は、下記の構成を
有する。
【0006】「 次の一般式(A)、(B)または
(C)
【化5】 で示される、分子中にアシルオキシ基を有する化合物か
らなることを特徴とするフォトクロミック材料。
【0007】[式中、R1 、R2 、R9 、R10、R17
よびR18は、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜19のアリール
基および炭素数0〜10のアミノ基から選ばれた置換基
を表す。
【0008】R3 〜R8 、 R11〜R16およびR19〜R22
は、水素、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキ
シ基、炭素数7〜15のアラルコキシ基、炭素数6〜1
4のアリーロキシ基、炭素数1〜20のアシルオキシ
基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜15のア
ラルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ハロゲノ
基、カルボキシル基、炭素数2〜20のアルコキシカル
ボニル基、炭素数8〜20のアラルコキシカルボニル
基、炭素数7〜20のアリーロキシカルボニル基および
炭素数1〜20のカルバモイル基から選ばれた置換基を
表し、なおかつR3 〜R8 のうちの少なくとも1つ、R
11〜R16のうちの少なくとも1つ、およびR19〜R22
うちの少なくとも1つは、炭素数1〜20のアシルオキ
シ基を表す。
【0009】R23〜R28は、独立の場合は水素、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基
および炭素数6〜19のアリール基から選ばれた置換基
を表し、非独立の場合はR23とR24、R25とR26、およ
びR27とR28のうちの少なくとも1組がいっしょに炭素
数5〜20の環状置換基を表わす。]」式中、R1 、R
2 、R9 、R10、R17およびR18は、水素、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭
素数6〜19のアリール基および炭素数0〜10のアミ
ノ基から選ばれた置換基を表すが、その好ましい具体例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル
基、オクタデシル基、イコシル基、イソプロピル基、te
rt−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル
基、ノルボルニル基、アダマンチル基などのアルキル
基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基など
のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基などのアリー
ル基;アミノ基、ピペリジノ基、1−ピロリジル基、モ
ルホリノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基など
のアミノ基などが挙げられる。
【0010】R3 〜R8 、 R11〜R16およびR19〜R22
は、水素、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキ
シ基、炭素数7〜15のアラルコキシ基、炭素数6〜1
4のアリーロキシ基、炭素数1〜20のアシルオキシ
基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜15のア
ラルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ハロゲノ
基、カルボキシル基、炭素数2〜20のアルコキシカル
ボニル基、炭素数8〜20のアラルコキシカルボニル
基、炭素数7〜20のアリーロキシカルボニル基および
炭素数1〜20のカルバモイル基から選ばれた置換基を
表し、なおかつ R3〜R8 のうちの少なくとも1つ、
11〜R16のうちの少なくとも1つ、およびR19〜R26
のうちの少なくとも1つは、炭素数1〜20のアシルオ
キシ基を表すが、その具体的な例としては、水素;ヒド
ロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ヘキシロキシ基、オクタデシロキシ基、イコシロキシ
基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコ
キシ基;ベンジロキシ基、フェネチロキシ基、ナフチル
メチロキシ基などのアラルコキシ基;フェノキシ基、ナ
フチロキシ基などのアリーロキシ基;ホルミルオキシ
基、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、バレリルオ
キシ基、ヘキサノイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、
パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、シクロ
ヘキサンカルボニルオキシ基、ベンゾイロキシ基、ニコ
チノイルオキシ基、アニソイルオキシ基、ベラトロイル
オキシ基、ナフトイルオキシ基などのアシルオキシ基;
メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、オクタデシル基, イソプロピル基、tert−ブチル
基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などのア
ルキル基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル
基などのアラルキル基;フェニル基、ナフチル基などの
アリール基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード
基などのハロゲノ基;カルボキシル基;メトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル
基、ヘキシロキシカルボニル基、イソプロポキシカルボ
ニル基、(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)オキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル
基;ベンジロキシカルボニル基、フェネチロキシカルボ
ニル基などのアラルコキシカルボニル基;フェノキシカ
ルボニル基、ナフチロキシカルボニル基などのアリーロ
キシカルボニル基;カルバモイル基、N−メチルカルバ
モイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカ
ルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−ベン
ジルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基など
のカルバモイル基などを挙げることができる。
【0011】R23〜R28は、独立の場合は水素、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基
および炭素数6〜19のアリール基から選ばれた置換基
を表すが、その好ましい具体例としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ヘキシル基、オクタデシル基、イ
コシル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2−エチ
ルヘキシル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、ア
ダマンチル基などのアルキル基;ベンジル基、フェネチ
ル基、ナフチルメチル基などのアラルキル基;フェニル
基、ナフチル基などのアリール基などが挙げられる。
【0012】また、R23〜R28は、非独立の場合はR23
とR24、R25とR26、およびR27とR28の少なくとも1
組がいっしょに炭素数5〜20の環状置換基を表わす
が、その場合の具体例としては、下記に示すものが挙げ
られる。
【0013】
【化6】 本発明の一般式(A)、(B)または(C)で示される
化合物の製造方法としては、多くの方法が適用できる
が、そのうちの1つとしては、下記一般式(2)、
(3)または(4)
【化7】 [式中、Q3 〜Q8 、 Q11〜Q16およびQ19〜Q22は、
水素、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシル
基、炭素数7〜15のアラルコキシ基、炭素数6〜14
のアリーロキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数7〜15のアラルキル基、炭素数6〜14のアリール
基、ハロゲノ基、カルボキシル基、炭素数2〜20のア
ルコキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルコキシ
カルボニル基、炭素数7〜20のアリーロキシカルボニ
ル基、炭素数1〜20のカルバモイル基から選ばれた置
換基を表し、なおかつQ3 〜Q8 のうちの少なくとも1
つ、Q11〜Q16のうちの少なくとも1つ、およびQ19
22のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシル基を表
す。]で表される化合物と、下記式(5)、(6)また
は(7)
【化8】 [式中、R23〜R28は、式(1)、(2)または(3)
中と同様の置換基を表す。]で表わされる化合物とを塩
基性物質存在下で脱水縮合反応させて、下記一般式
(8)、(9)または(10)
【化9】 [式中、R23〜R28は、式(A)、(B)または(C)
中と同様の置換基を表す。
【0014】Q3 〜Q8 、 Q11〜Q16およびQ19〜Q22
は、式(2)、(3)または(4)中と同様の置換基を
表す。]で表される化合物を得、次にこの化合物と還元
剤とを反応させて、下記一般式(11)、(12)また
は(13)
【化10】 [式中、R23〜R28は、式(A)、(B)または(C)
中と同様の置換基を表す。
【0015】Q3 〜Q8 、 Q11〜Q16およびQ19〜Q22
は、式(2)、(3)または(4)中と同様の置換基を
表す。]で表される化合物を得、さらに脱水を行って、
下記一般式(14)、(15)または(16)
【化11】 [式中、R23〜R28は、式(A)、(B)または(C)
中と同様の置換基を表す。
【0016】Q3 〜Q8 、 Q11〜Q16およびQ19〜Q22
は、式(2)、(3)または(4)中と同様の置換基を
表す。]で表される化合物を得、最後にこの化合物と、
酸ハロゲン化物または酸無水物とを反応させて、一般式
(A)、(B)または(C)[ただし、R1 、R2 、R
9 、R10、R17およびR18は、水素を表わす。]で表わ
される化合物を得る方法が挙げられる。
【0017】一般式(A)、(B)または(C)の化合
物において、R1 、R2 、R9 、R10、R17またはR18
が水素以外の置換基を表わす場合、その製造方法の一例
としては、前記一般式(8)、(9)または(10)の
化合物に、グリニヤール試薬やハロゲン化アルキル(ハ
ロゲン化アラルキル)などの適当な試薬を作用させ、そ
の後上記に準じた操作を行う方法が挙げられる。
【0018】また、原料の一般式(2)、(3)または
(4)で表される化合物の製造方法の一例としては、一
般式(17)、(18)または(19)
【化12】 [式中、Q3 〜Q8 、 Q11〜Q16およびQ19〜Q22は、
式(2)、(3)または(4)中と同様の置換基を表
す。]で表される化合物を、塩化アルミニウムなどの酸
触媒存在下、有機溶媒中で反応させた後、水を加える方
法が挙げられる。
【0019】本発明のフォトクミック材料は、溶液、無
機材料、ポリマーなどに分散して用いることができる。
成形性の良さ、取扱いの容易さなどの点からは、ポリマ
ーに分散して用いることが好ましい。その場合のポリマ
ーの具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、
ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのアクリ
ル系ポリマー;ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、
ポリ(α−メチルスチレン)、などのポリスチレン系ポ
リマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルブチラール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンな
どのポリオレフィン系ポリマー;ビスフェノールAのビ
スグリシジルエーテル(共)重合体などのエポキシポリ
マー;有機重合性官能基を有するシラン系化合物の
(共)重合体;有機重合性官能基を有するスピロオキサ
ジン系化合物の(共)重合体;有機重合性官能基を有す
るスピロピラン系化合物の(共)重合体などが挙げられ
る。
【0020】本発明のフォトクロミック材料をポリマー
中に分散して用いる場合、本発明のフォトクロミック材
料の含有量は、目的および使用方法などによって決めら
れるべきものであるが、視覚に対する感度という観点か
らは、ポリマーに対し0.01〜20重量%が好まし
い。
【0021】本発明のフォトクロミック材料は、他のフ
ォトクロミック材料といっしょに用いても良い。その場
合、他のフォトクロミック材料としては、特に制限なく
全ての種類のフォトクロミック材料が利用可能である
が、その中でも好ましい例としてはスピロオキサジン系
フォトクロミック材料、スピロピラン系フォトクロミッ
ク材料、ジアリールエテン系フォトクロミック材料、フ
ルギド系フォトクロミック材料、クロメン系フォトクロ
ミック材料、ハロゲン化銀系フォトクロミック材料など
を挙げることができる。
【0022】本発明のフォトクロミック材料をポリマー
中に分散した材料は、コーティング法や各種印刷手法を
適用することによって、種々の基板上の一部あるいは全
部に形成することが可能である。またコーティング法と
しては種々の手法、例えばディップコーティング法、ス
ピンコーティング法、ロールコーティング法、バーコー
ティング法などが採用できる。
【0023】また本発明のフォトクロミック材料をポリ
マー中に分散した材料は、バルクの成形体としてもフィ
ルムとしても用いることができる。
【0024】また本発明のフォトクロミック材料の繰返
し耐久性を向上させる見地から、使用時に酸素や水を遮
断することが特に有効である。更に、耐久性を向上させ
る目的から公知の添加剤、例えばニッケル塩に代表され
る一重項酸素クエンチャー、ニトロキシラジカル化合
物、ヒンダードアミン系化合物またはそのポリマーで代
表される酸化防止剤、紫外線吸収剤、三重項消光剤など
が使用可能である。
【0025】本発明のフォトクロミック材料の用途とし
ては、インク、印刷物、サングラスレンズ、各種ゴーグ
ル、保護メガネレンズ、カメラの調光フィルター、ヘル
メットシールド、光で書込を行なう記録材料、表示、消
去を繰り返し行なうことが可能な表示材料、フロントガ
ラス、サンルーフなどの自動車用ウインドー、カーテ
ン、窓用ブラインド、調光フィルム、調光合わせガラ
ス、光量の変化を屈折率、電気抵抗、吸光度などの変化
に変換する光素子、衣服、玩具、化粧品、筆記具などが
好適な例として挙げられる。
【0026】
【実施例】次に実施例を挙げて説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。 実施例1 [1] 1,5−ジアセトキシナフタレン(20.0
g)、塩化アルミニウム(30.0g)およびトルエン
(200ml)を混合し、窒素気流下、撹拌しながら、
30分間加熱還流を行った。放冷後、水(400ml)
を加えた後、ロータリーバキュームエバポレーターを用
いてトルエンを留去した。析出してきた不溶分を濾集
し、減圧乾燥した。再結晶法(酢酸エチル溶媒)により
精製し、1’,5’−ジヒドロキシ−2’−アセトナフ
トンを得た。
【0027】[2] 1’,5’−ジヒドロキシ−2’
−アセトナフトン(7.0g)、2−アダマンタノン
(5.0g)、およびピロリジン(8ml)をトルエン
(150ml)に溶解した後、Dean−Stark法
により水を除去しながら、3時間加熱還流した。反応
後、ロータリーバキュームエバポレーターを用いてトル
エンを留去した。アセトン(約200ml)を加えて、
よく振り混ぜた。残った不溶分結晶をろ過によって集
め、アセトンで2回洗浄した後乾燥し、下記式(20)
【化13】 の化合物を得た。
【0028】[3] 式(20)の化合物(1.0g)
を2−プロパノール(200ml)に溶解し、さらに水
素化ほう素ナトリウム(1.0g)を加えて、6時間加
熱還流した。放冷後、水(100ml)を加え、酢酸エ
チルで抽出を行った。抽出液に無水硫酸ナトリウムを加
えて脱水を行った後、濾過により硫酸ナトリウムを除い
た。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて濾液
から溶媒を留去した。これに氷酢酸(100ml)を加
え、2.5時間加熱還流を行った。ロータリーバキュー
ムエバポレーターを用いて酢酸を留去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホル
ム)により精製し、下記式(21)
【化14】 の化合物を得た。
【0029】[4] 式(21)の化合物(395m
g)、トリエチルアミン(125mg)、塩化メチレン
(70ml)およびアセトン(3ml)よりなる溶液を
氷冷し、撹拌しているところへ、アセチルクロリド(1
39mg)および塩化メチレン(15ml)よりなる溶
液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷下30
分間撹拌を続け、さらに室温で30分間撹拌を行った。
ロータリーバキュームエバポレーターを用いて溶媒を留
去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)を用いて精製
し、下記式(22)
【化15】 の化合物を得た。
【0030】[5] 分析結果 式(22)の化合物の元素分析結果を下記する。
【0031】元素分析値:(C24243 として) 理論値:C(80.0)、H(6.7)(%) 実測値:C(80.0)、H(6.7)(%) 式(22)の化合物の赤外吸収スペクトルを図1に示し
た。赤外吸収スペクトルの測定は日立260−10型赤
外分光光度計を用いて行なった。
【0032】式(22)の化合物の1 H核磁気共鳴スペ
クトルを図2に示した。1 H核磁気共鳴スペクトルの測
定は日本電子JNM−EX270型FT−NMR測定装
置を用いて行なった。
【0033】[6] 応用例 式(22)の化合物(3重量部)、ポリブチルメタクリ
レート(27重量部)、トルエン(70重量部)よりな
る溶液をスライドガラス上に塗布したのち、100℃で
2時間乾燥してトルエンを除去しフィルムを作製した。
該フィルムに360nmの単色光(1.4mW/c
2 )を照射したところ、黄色に着色した。該フィルム
の着色時の可視吸収スペクトルの極大位置(λmax )は
440nmであった。該フィルムは可視光を照射すると
消色した。この変化は何度でも繰返すことが可能であっ
た。
【0034】実施例2 [1] J. Chem. Soc. (1962年)の3756ページに記載
された方法で合成した3’,6’−ジメチル−1’,
8’−ジヒドロキシ−2’−アセトナフトン(7.0
g)、2−アダマンタノン(5.0g)、およびピロリ
ジン(8ml)をトルエン(150ml)に溶解した
後、Dean−Stark法により水を除去しながら、
3時間加熱還流した。反応後、ロータリーバキュームエ
バポレーターを用いて溶媒を留去した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキ
サン混合溶媒)を用いて精製し、下記式(23)
【化16】 の化合物を得た。
【0035】[2] 式(23)の化合物(1.0g)
を2−プロパノール(200ml)に溶解し、さらに水
素化ほう素ナトリウム(1.0g)を加えて、6時間加
熱還流した。放冷後、水(100ml)を加え、酢酸エ
チルで抽出を行った。抽出液に無水硫酸ナトリウムを加
えて脱水を行った後、濾過により硫酸ナトリウムを除い
た。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて濾液
から溶媒を留去した。これに氷酢酸(100ml)を加
え、2.5時間加熱還流を行った。ロータリーバキュー
ムエバポレーターを用いて酢酸を留去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル/
ヘキサン混合溶媒)により精製し、下記式(24)
【化17】 の化合物を得た。
【0036】[3] 式(24)の化合物(500m
g)、トリエチルアミン(200mg)、塩化メチレン
(1000ml)およびアセトン(5ml)よりなる溶
液を氷冷し、撹拌しているところへ、ベンゾイルクロリ
ド(200mg)および塩化メチレン(30ml)より
なる溶液を20分間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷
下30分間撹拌を続け、さらに室温で30分間撹拌を行
った。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて溶
媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)を用いて
精製し、下記式(25)
【化18】 の化合物を得た。
【0037】[4] 応用例 式(25)の化合物(3重量部)、ポリスチレン(27
重量部)、トルエン(70重量部)よりなる溶液をスラ
イドグラス上に塗布したのち、100℃で2時間乾燥し
てトルエンを除去した。該フィルム上にさらにポリビニ
ルアルコール(10重量部)および水(90重量部)よ
りなる溶液を塗布し、100℃で2時間乾燥した。該多
層フィルムに日光を照射したところ、黄色に着色した。
該多層フィルムは室内光下に放置すると消色した。この
変化は何度でも繰返すことが可能であった。
【0038】実施例3 [1] 1,6−ジアセトキシナフタレン(20.0
g)、塩化アルミニウム(30.0g)およびトルエン
(200ml)を混合し、窒素気流下、撹拌しながら、
30分間加熱還流を行った。放冷後、水(400ml)
を加えた後、ロータリーバキュームエバポレーターを用
いてトルエンを留去し、酢酸エチルで抽出を行った。抽
出液に無水硫酸ナトリウムを加えて脱水を行った後、濾
過により硫酸ナトリウムを除いた。ロータリーバキュー
ムエバポレーターを用いて濾液から溶媒を留去した後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸
エチル/ヘキサン混合溶媒)により精製し、1’,6’
−ジヒドロキシ−2’−アセトナフトンを得た。
【0039】[2] 1’,6’−ジヒドロキシ−2’
−アセトナフトン(7.0g)、2−アダマンタノン
(5.0g)、およびピロリジン(8ml)をトルエン
(150ml)に溶解した後、Dean−Stark法
により水を除去しながら、3時間加熱還流した。反応
後、ロータリーバキュームエバポレーターを用いてトル
エンを留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)を行っ
て精製し、下記式(26)
【化19】 の化合物を得た。
【0040】[3] 式(26)の化合物(1.0g)
を2−プロパノール(200ml)に溶解し、さらに水
素化ほう素ナトリウム(1.0g)を加えて、6時間加
熱還流した。放冷後、水(100ml)を加え、酢酸エ
チルで抽出を行った。抽出液に無水硫酸ナトリウムを加
えて脱水を行った後、濾過により硫酸ナトリウムを除い
た。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて濾液
から溶媒を留去した。これに氷酢酸(100ml)を加
え、2.5時間加熱還流を行った。ロータリーバキュー
ムエバポレーターを用いて酢酸を留去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホル
ム)により精製し、下記式(27)
【化20】 の化合物を得た。
【0041】[4] 式(27)の化合物(400m
g)、トリエチルアミン(150mg)、塩化メチレン
(70ml)およびアセトン(3ml)よりなる溶液を
氷冷し、撹拌しているところへ、プロパノイルクロリド
(139mg)および塩化メチレン(20ml)よりな
る溶液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷下
30分間撹拌を続け、さらに室温で30分間撹拌を行っ
た。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて溶媒
を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)により精
製し、下記式(28)
【化21】 の化合物を得た。
【0042】[5] 応用例 式(28)の化合物(3重量部)、ポリブチルメタクリ
レート(27重量部)、トルエン(70重量部)よりな
る溶液をガラス基板上にスピンコーティング法で塗布し
たのち、100℃で2時間乾燥してトルエンを除去しフ
ィルムを作製した。この表面にフィルムを有するガラス
基板を120℃に加熱し、やはり120℃に加熱した別
のガラス基板を合わせ、強く圧着した。該合わせガラス
に日光を照射したところ、黄色に着色した。着色した合
わせガラスは可視光を照射すると消色した。この変化は
何度でも繰返すことが可能であった。
【0043】実施例4 [1] 1,6−ジアセトキシナフタレンの代わりに
2,7−ジアセトキシナフタレンを用いる他は、実施例
3−[1]と同様にして、2’,7’−ジヒドロキシ−
1’−アセトナフトンを得た。
【0044】[2] 1’,6’−ジヒドロキシ−2’
−アセトナフトンの代わりに2’,7’−ジヒドロキシ
−1’−アセトナフトンを用いる他は、実施例3−
[2]と同様にして、下記式(29)
【化22】 の化合物を得た。
【0045】[3] 式(26)の化合物の代わりに式
(29)の化合物を用いる他は、実施例3−[3]と同
様にして、下記式(30)
【化23】 の化合物を得た。
【0046】[4] 式(30)の化合物(0.50
g)、トリエチルアミン(0.30g)、塩化メチレン
(70ml)およびアセトン(3ml)よりなる溶液を
氷冷し、撹拌しているところへ、ステアロイルクロリド
(1.0g)および塩化メチレン(15ml)よりなる
溶液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷下3
0分間撹拌を続け、さらに室温で30分間撹拌を行っ
た。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて溶媒
を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)を用いて
精製し、下記式(31)
【化24】 の化合物を得た。
【0047】[5] 応用例 式(31)の化合物(3重量部)、ポリブチルメタクリ
レート(27重量部)、トルエン(70重量部)よりな
る溶液をスライドグラス上に塗布したのち、100℃で
2時間乾燥してトルエンを除去した。該フィルムをクラ
イオスタットに入れて−90℃に冷却した。該フィルム
に360nmの単色光(1.4mW/cm2 )を照射し
たところ、黄色に着色した。該フィルムは可視光を照射
すると消色した。この変化は何度でも繰返すことが可能
であった。
【0048】実施例5 [1] 1’,6’−ジヒドロキシ−2’−アセトナフ
トンの代わりに2’,4’−ジヒドロキシアセトフェノ
ンを用いる他は、実施例3−[1]と同様にして、下記
式(32)
【化25】 の化合物を得た。
【0049】[2] 式(26)の化合物の代わりに式
(32)の化合物を用いる他は、実施例3−[2]と同
様にして、下記式(33)
【化26】 の化合物を得た。
【0050】[3] 式(33)の化合物(0.50
g)、トリエチルアミン(0.30g)、塩化メチレン
(70ml)およびアセトン(3ml)よりなる溶液を
氷冷し、撹拌しているところへ、ヘキサノイルクロリド
(0.8g)および塩化メチレン(15ml)よりなる
溶液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷下3
0分間撹拌を続け、さらに室温で30分間撹拌を行っ
た。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて溶媒
を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)を用いて
精製し、下記式(34)
【化27】 の化合物を得た。
【0051】[4] 応用例 式(34)の化合物(3重量部)、ポリメチルメタクリ
レート(27重量部)、トルエン(70重量部)よりな
る溶液をスライドグラス上に塗布したのち、100℃で
2時間乾燥してトルエンを除去した。該フィルムをクラ
イオスタットに入れて−90℃に冷却した。該フィルム
に360nmの単色光(1.4mW/cm2 )を照射し
たところ、黄色に着色した。該フィルムは可視光を照射
すると消色した。この変化は何度でも繰返すことが可能
であった。
【0052】実施例6 [1] メチルマグネシウムブロミドの約0.2Mテト
ラヒドロフラン溶液(40ml)とモレキュラーシーブ
で脱水したテトラヒドロフラン(20ml)を混合し
た。次に、式(20)の化合物(0.20g)をモレキ
ュラーシーブで脱水したテトラヒドロフラン(15m
l)に溶かした溶液を、前記のグリニヤール試薬の溶液
を10分間かけて滴下した。室温で2時間撹拌を行った
後、窒素気流下で4時間還流した。反応液を氷浴で冷却
し、撹拌しながらメタノール(20ml)を滴下した
後、溶媒を減圧下で留去した。25%硫酸水溶液(15
0ml)を加え、酢酸エチルで抽出を行った。抽出液に
無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。ろ過によって硫
酸ナトリウムを除いた後、溶媒を留去した。シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル/ヘ
キサン混合溶媒)を用いて精製し、下記式(35)
【化28】 の化合物を得た。
【0053】[2] 式(35)の化合物(0.50
g)、トリエチルアミン(0.30g)、塩化メチレン
(70ml)およびアセトン(3ml)よりなる溶液を
氷冷し、撹拌しているところへ、アセチルクロリド
(0.8g)および塩化メチレン(15ml)よりなる
溶液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷下3
0分間撹拌を続け、さらに室温で30分間撹拌を行っ
た。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて溶媒
を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)を用いて
精製し、下記式(36)
【化29】 の化合物を得た。
【0054】[3] 応用例 式(36)の化合物(3重量部)、ポリドデシルメタク
リレート(27重量部)、トルエン(70重量部)より
なる溶液をスライドグラス上に塗布したのち、100℃
で2時間乾燥してトルエンを除去した。該フィルムをク
ライオスタットに入れて−90℃に冷却した。該フィル
ムに360nmの単色光(1.4mW/cm2 )を照射
したところ、黄色に着色した。該フィルムは可視光を照
射すると消色した。この変化は何度でも繰返すことが可
能であった。
【0055】実施例7 [1] 1,6−ジアセトキシナフタレンの代わりに下
記式(37)
【化30】 の化合物を用いる他は、実施例3−[1]と同様にし
て、に下記式(38)
【化31】 の化合物を得た。
【0056】[2] 1’,6’−ジヒドロキシ−2’
−アセトナフトンの代わりに式(38)の化合物を用い
る他は、実施例3−[2]と同様にして、下記式(3
9)
【化32】 の化合物を得た。
【0057】[3] 式(26)の化合物の代わりに式
(39)の化合物を用いる他は、実施例3−[3]と同
様にして、下記式(40)
【化33】 の化合物を得た。
【0058】[4] 式(40)の化合物(0.50
g)、トリエチルアミン(0.30g)、塩化メチレン
(70ml)およびアセトン(3ml)よりなる溶液を
氷冷し、撹拌しているところへ、アセチルクロリド
(0.8g)および塩化メチレン(15ml)よりなる
溶液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷下3
0分間撹拌を続け、さらに室温で30分間撹拌を行っ
た。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて溶媒
を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)を用いて
精製し、下記式(41)
【化34】 の化合物を得た。
【0059】[5] 応用例 式(41)の化合物(3重量部)、ポリヘキシルメタク
リレート(27重量部)、トルエン(70重量部)より
なる溶液をスライドグラス上に塗布したのち、100℃
で2時間乾燥してトルエンを除去した。該フィルムをク
ライオスタットに入れて−90℃に冷却した。該フィル
ムに360nmの単色光(1.4mW/cm2 )を照射
したところ、黄色に着色した。該フィルムは可視光を照
射すると消色した。この変化は何度でも繰返すことが可
能であった。
【0060】実施例8 [1]2−アダマンタノンの代わりに2−ノルボルナノ
ンを用いる他は、実施例2−[1]と同様にして、下記
式(42)
【化35】 の化合物を得た。
【0061】[2] 式(23)の化合物の代わりに式
(42)の化合物を用いる他は、実施例2−[2]と同
様にして、下記式(43)
【化36】 の化合物を得た。
【0062】[3] 式(43)の化合物(0.50
g)、トリエチルアミン(0.30g)、塩化メチレン
(70ml)およびアセトン(3ml)よりなる溶液を
氷冷し、撹拌しているところへ、アセチルクロリド
(0.30g)および塩化メチレン(15ml)よりな
る溶液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷下
30分間撹拌を続け、さらに室温で30分間撹拌を行っ
た。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて溶媒
を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)を用いて
精製し、下記式(44)
【化37】 の化合物を得た。
【0063】[4] 応用例 式(44)の化合物(3重量部)、ポリブチルメタクリ
レート(27重量部)、トルエン(70重量部)よりな
る溶液をスライドグラス上に塗布したのち、100℃で
2時間乾燥してトルエンを除去した。該フィルムをクラ
イオスタットに入れて−90℃に冷却した。該フィルム
に360nmの単色光(1.4mW/cm2 )を照射し
たところ、黄色に着色した。該フィルムは可視光を照射
すると消色した。この変化は何度でも繰返すことが可能
であった。
【0064】実施例9 [1]2−アダマンタノンの代わりにビシクロ[3,
3,1]ノナン−9−オンを用いる他は、実施例3−
[2]と同様にして、下記式(45)
【化38】 の化合物を得た。
【0065】[2] 式(26)の化合物の代わりに式
(45)の化合物を用いる他は、実施例3−[3]と同
様にして、下記式(46)
【化39】 の化合物を得た。
【0066】[3] 式(46)の化合物(0.50
g)、トリエチルアミン(0.30g)、塩化メチレン
(70ml)およびアセトン(3ml)よりなる溶液を
氷冷し、撹拌しているところへ、アセチルクロリド
(0.30g)および塩化メチレン(15ml)よりな
る溶液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷下
30分間撹拌を続け、さらに室温で30分間撹拌を行っ
た。ロータリーバキュームエバポレーターを用いて溶媒
を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)を用いて
精製し、下記式(47)
【化40】 の化合物を得た。
【0067】[4] 応用例 式(47)の化合物(3重量部)、ポリブチルメタクリ
レート(27重量部)、トルエン(70重量部)よりな
る溶液をスライドグラス上に塗布したのち、100℃で
2時間乾燥してトルエンを除去した。該フィルムをクラ
イオスタットに入れて−90℃に冷却した。該フィルム
に360nmの単色光(1.4mW/cm2 )を照射し
たところ、黄色に着色した。該フィルムは可視光を照射
すると消色した。この変化は何度でも繰返すことが可能
であった。
【0068】比較例1 トルエン(70重量部)に実施例1で合成した式(2
2)の化合物(9重量部)とポリブチルメタクリレート
(21重量部)を加熱して溶解した溶液、およびトルエ
ン(70重量部)に下記式(48)
【化41】 の化合物(9重量部)とポリブチルメタクリレート(2
1重量部)を加熱して溶解した溶液を調製した。これら
の溶液を各々スライドガラス上に塗布したのち100℃
で2時間乾燥してトルエンを除去し、フィルムを作製し
た。その後、室温で保存したところ、3日経過すると、
後者の溶液から得られたフィルムからは式(48)の化
合物が結晶化して析出した。一方、前者の溶液から得ら
れたフィルムからは1ヵ月経過しても、式(22)の化
合物の析出がなかった。
【0069】
【発明の効果】ポリマーに対する溶解性が高く、また溶
解した後、時間が経っても結晶化して析出しにくいクロ
メン系フォトクロミック材料が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた式(22)の化合物の赤外
吸収スペクトルを示す。
【図2】実施例1で得られた式(22)の化合物の1
核磁気共鳴スペクトルを示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(A)、(B)または(C) 【化1】 で示される、分子中にアシルオキシ基を有する化合物か
    らなることを特徴とするフォトクロミック材料。[式
    中、R1 、R2 、R9 、R10、R17およびR18は、水
    素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のア
    ラルキル基、炭素数6〜19のアリール基および炭素数
    0〜10のアミノ基から選ばれた置換基を表す。R3
    8 、 R11〜R16およびR19〜R22は、水素、ヒドロキ
    シル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜1
    5のアラルコキシ基、炭素数6〜14のアリーロキシ
    基、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20
    のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数
    6〜14のアリール基、ハロゲノ基、カルボキシル基、
    炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数8〜
    20のアラルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のア
    リーロキシカルボニル基および炭素数1〜20のカルバ
    モイル基から選ばれた置換基を表し、なおかつR3 〜R
    8 のうちの少なくとも1つ、R11〜R16のうちの少なく
    とも1つ、およびR19〜R22のうちの少なくとも1つ
    は、炭素数1〜20のアシルオキシ基を表す。R23〜R
    28は、独立の場合は水素、炭素数1〜20のアルキル
    基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭素数6〜1
    9のアリール基から選ばれた置換基を表し、非独立の場
    合はR23とR24、R25とR26、およびR27とR28のうち
    の少なくとも1組がいっしょに炭素数5〜20の環状置
    換基を表わす。]
  2. 【請求項2】R23とR24、R25とR26およびR27とR28
    の組が、下記のものから選ばれることを特徴とする請求
    項1記載のフォトクロミック材料。 【化2】
  3. 【請求項3】R23とR24、R25とR26およびR27とR28
    の組が、下記のものから選ばれることを特徴とする請求
    項1記載のフォトクロミック材料。 【化3】
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