JPH06304691A - アルミニウム合金製ローターの製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金製ローターの製造方法

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JPH06304691A
JPH06304691A JP12038493A JP12038493A JPH06304691A JP H06304691 A JPH06304691 A JP H06304691A JP 12038493 A JP12038493 A JP 12038493A JP 12038493 A JP12038493 A JP 12038493A JP H06304691 A JPH06304691 A JP H06304691A
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JP
Japan
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die
hole
blank
punch
rotor
Prior art date
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JP12038493A
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English (en)
Inventor
Masayuki Nagayo
正幸 長世
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ローター本体のベーン溝に加えて、軸穴部を
同時に加工し、製作工程を簡略化させる。 【構成】 ダイス5がシャフト圧入用穴54の下穴成形
用パンチ14を有し、アルミ合金のブランク13をダイ
ス5の穴の中に加圧パンチにより押し込むことで、シャ
フト圧入用穴54を加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はローターの製造方法、詳
しくは自動車積載の空調用ロータリー式圧縮機のロータ
ーやブレーキ制御用のロータリー式真空ポンプのロータ
ー等の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、自動車に積載される機器は燃料消費
や性能向上の見地から小型化と軽量化が求められてい
る。このためこれらの機器に使用される部品についても
軽量化が求められている。自動車積載の空調用ロータリ
ー式圧縮機のローターやブレーキ制御用のロータリー式
真空ポンプのローターには、従来は鉄系の焼結合金が多
く使用されていた。近年は軽量化の目的でアルミニウム
を使用することが検討されている。
【0003】従来、自動車積載の空調用ロータリー式圧
縮機のローター51は例えば図7に示すように、ベーン
が収納される溝部52と、該溝部52の底に、応力集中
係数を低下させる目的と、溝部の仕上げ加工時の工具の
逃げ部を形成し加工を容易にする目的、及びベーンに背
圧をかけてシール性を向上させる目的で形成された円筒
部53と、鋼製シャフトが圧入される軸穴部54とを有
する。ローター51の溝底の円筒部53には、シャフト
の圧入によって引っ張り応力がかかった状態となり、さ
らに圧縮機の運転時には、ローターから飛び出した状態
のベーンに気体の圧力が負荷として使用するため、ベー
ン溝底部である円筒部53には、矢印で示すような引っ
張りの繰返し応力が作用する。またこのような用途の圧
縮機においては、通常は気体状態の冷媒を圧縮するが、
冷媒が液化した状態で運転される場合もあり、その場合
には、非常に大きな衝撃応力がベーンを介してローター
の溝底の円筒部53に作用する。また、圧縮機を小型化
するためには、ベーンの溝底円筒部53を出来るだけロ
ーターの軸穴部54に近づける必要があり、そうするこ
とによって溝底円筒部53にかかる応力は更に高いもの
となる。
【0004】このため、ローター用のアルミニウム合金
としては、高強度で靱性の高い材質が必要である。とこ
ろが、ローター51は、溝部52を出入りするベーンと
摺動し、さらに両端面では、サイドプレートと摺動す
る。このため耐摩耗性と耐焼付性の高い材料であること
が必要である。耐摩耗性や耐焼付性を考慮すると、Siを
10%以上含有した高ケイ素アルミニウム合金が適切で
あるが、鋳造方法によれば素材状態の形状を形成するこ
とは容易であるが、ローターの溝底部にかかる繰り返し
応力や、液圧縮時の衝撃的な応力に耐えることができな
い。このような材質で上記のような負荷応力に耐えるた
めには、鋳造欠陥がなく且鍛造により鋳造組織を破壊し
た熱処理型の材質とすることが不可欠である。
【0005】そのため、このようなローターを製造する
方法としては、従来は、熱間押出方式が採用されてい
た。押出方法によれば、長尺の押出素材が得られる利点
があるが、次の様な問題点を有している。即ち、従来の
熱間押出方法では、寸法精度、表面傷、加工歩留、ダイ
ス寿命等に問題を残す。そこで、これらの改点を改善さ
せた上、ベーン収納部の溝底部にかかる繰返し応力や、
液圧縮時の衝撃的な応力に耐えさせるため、少なくとも
ベーン収納部の溝底部近傍の組織を鍛造による塑性流動
によって強化した状態のアルミニウム合金製ローター素
材を、低コストで製造する方法を提供する手段を、特公
平3−67776号公報が提供する。
【0006】この特公平3−67776号公報により教
示される技術は、ダイス穴の軸方向に垂直な断面をコン
テナ内の軸方向に垂直な断面に対し減少させるかあるい
は同じとし、互いに同軸上に配置されたダイスとコンテ
ナを有する金型構造を用い、ブランクをコンテナ中に挿
入し、該ブランクを前記ローター素材の外輪郭形状を有
しているダイスの穴の中に加圧パンチによって押し込
み、ダイプレートによりバックアップされる前記ダイス
穴内のブランクを前記ダイプレート内のノックアウトパ
ンチによってコンテナを通してノックアウトして取り出
すことを特徴とするアルミニウム合金製ローターの製造
方法に関する。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよ
うな従来の熱間押出方法による寸法精度や、表面傷、加
工歩留、ダイス寿命、シャフト圧入用穴の中空押出方法
困難の欠点を改善し、さらに、ベーン収納部の溝底部に
かかる繰り返し応力や、液圧縮時の衝撃的な応力に耐え
させるため、少なくともベーン収納部の溝底部近傍の組
織を鍛造による組成流動によって強化した上に、シャフ
ト圧入用穴の仕上加工代を低減するための加工用下穴を
成形した状態のアルミニウム合金製ローター素材を低コ
ストで製造する方法を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題
を、複数のベーン収納部を有するアルミニウム合金製ロ
ーターの製造方法において、ダイス穴の軸方向に垂直な
断面をコンテナ内の軸方向に垂直な断面に対し、減少さ
せるかあるいは実質的に同じとし、互いに同軸上に配置
されたダイスとコンテナを有する金型構造を用い、アル
ミニウム合金のブランクをコンテナ内に挿入し、該ブラ
ンクを前記ローター素材の外輪郭形状およびシャフト圧
入用下穴成形用パンチを有しているダイスの穴の中に加
圧パンチによって押し込み、ダイプレートによりバック
アップされる前記ダイス穴内に前記ブランクを充満し、
前記ダイプレート内のノックアウトパンチによってコン
テナを通してノックアウトして取り出すことを特徴とす
るアルミニウム合金製ローターの製造方法により解決し
た。
【0009】本発明により、ブランクをコンテナ中に挿
入し、ダイプレートによりバックアップされシャフト圧
入用穴の下穴成形用パンチを配置したダイスの穴の中に
加圧パンチによって押し込み、前記ダイス穴内に前記ブ
ランクを充満し、前記ダイプレート内のノックアウトパ
ンチによって前記ブランクをコンテナを通してノックア
ウトして取り出す。このような下穴成形用パンチの使用
は、シャフト圧入用穴の下穴を成形することにより、仕
上加工時の加工代を低減することができ、加工時間を短
縮することを可能にする。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例を添付図面を参照して説明
する。図1に示すように外径D=50.2mm、溝底部であ
る円筒部3を配置した円周経D1 =28.66mm、シャフ
ト圧入用下穴径D2 =8.5mm、円筒部3の内径d=4.5
mm、ベーン溝2の巾t=2.7mm、ベーン溝2の開口端部
の円周方向の角度間隔θ=72°である、車両積載の空
調用ロータリー式圧縮機のローター素材1の製造の例に
ついて説明する。図2及び図3において、ダイス5に
は、ローター素材1の外周部に相当するダイス内円周部
6と、ベーン収納溝2に相当するフィン部7と、ベーン
溝底部3に相当する小円筒部8とが形成される。ダイス
5は図2及び図3に示すように図1に示すローター素材
1と同一の穴寸法になるように作成する。
【0011】図4は、熱間鍛造方法によってローター素
材を製造する金型構造を示すものであり、9はコンテナ
であり、5は前記のダイスであり、それぞれ図示しない
ヒーターによって300℃〜400℃に加熱保持されて
いる。ダイス穴の軸方向に垂直な断面をコンテナ内の軸
方向に垂直な断面に対して減少させるか実質的に同じと
するが、ダイス5の穴部の軸方向に垂直な断面に対する
コンテナ9内の軸方向に垂直な断面の比は1:1〜1:
2となることが望ましい。1:1以下では、鍛造を完了
したローター素材をコンテナを通してノックアウトする
ことが多い。1:2以上では、大きな加圧力が必要とな
り、ダイスへの負荷応力が大きくなり、ダイスの寿命が
短くなり、また潤滑切れを起こし易い。前記ダイス5
は、図4に示すように、少なくともコンテナ9と同軸上
に配置する。
【0012】一例として、コンテナ9の内径寸法は50.
3mmとし、ダイス5の穴部の軸方向に垂直な断面積とコ
ンテナ9の軸方向に垂直な断面積の比を1:1.1とし
た。
【0013】アルミニウム合金としては、一例として、
ホットトップ式の連続鋳造方法によって製造された11
重量%(以下全て%は重量%を示す)Si、5%Cu、0.6
%Mg、0.3%Fe、0.8%Mn、残部が実質的にAlよりなる
材料を直径50mm、高さ45mmの鍛造素材即ちブランク
とした。このブランクを、一例として、430℃に加熱
し、コンテナ温度430℃、ダイス温度400℃の条件
で図4に示す工程のように熱間鍛造した、鍛造時の最高
圧力は15Ton であった。10はダイプレートであり、
ダイス5のフィン部7とその先端の小円筒部8とそれぞ
れ完全に接触する構造としている。ダイプレート10の
中央には、プレスのストローク下死点で加圧パンチと干
渉しない位置にシャフト圧入用穴下穴成形用パンチ14
が設けられている。また、ダイプレート10のベーン収
納溝に相当する各フィン部7のほぼ中間の5箇所にノッ
クアウトパンチ11が設けられており、鍛造の完了した
ローター素材1を図の上方向にノックアウトするように
なっている。また、上部には、加圧パンチ12が、図示
しないプランテンに取り付けられている。シャフト圧入
用穴の下穴を成形する場合、本実施例では、シャフト圧
入用穴下穴成形パンチ14を下部に設置したが、下穴成
形用パンチ14と同軸上に、加圧パンチ12の先端に任
意の長さの凸部を設けて成形してもよい。この場合、下
穴成形用パンチ14と加圧パンチ12は、プレスのスト
ローク下死点で干渉してはならない。
【0014】以下に製造工程を示す。図4では、図示し
ない外部の連続式予熱炉で350℃〜450℃に加熱さ
れたアルミニウム合金製ブランク13が、コンテナ9の
中に自動挿入された後、加圧パンチ12によって鍛造が
開始された状態を示している。なお、コンテナ9及びダ
イス5は、鍛造の前に黒鉛を主成分とする潤滑材を適量
スプレーして表面に薄い潤滑剤の被膜を設けてある。ア
ルミニウム合金のブランク13には、無潤滑でも良い
が、同一の潤滑被膜を設けた場合の方が焼付難くなり好
ましい。図5では加圧パンチ12が所定のストローク移
動を完了した状態を示している。この状態で、アルミニ
ウム合金製のブランク13はダイス5内においてほぼ密
閉状態となり、所定の寸法に仕上がる。また鍛造時に
は、アルミニウム合金のブランク13の寸法バラツキを
考慮した対策が必要である。油圧プレスを使用する場合
には、最高荷重を設定して、ダイス5の破壊を防止する
ことが望ましい。また機械的プレスの場合には、図示の
ような突き当て方法でストロークを一定にすることが望
ましい。図6では加圧パンチ12による加圧によりブラ
ンク13を所定形状とした後、加圧パンチ12を所定の
ストローク移動させコンテナ9から離し、次にノックア
ウトパンチ11によって、鍛造完了したブランク13即
ちローター素材1をコンテナ9より取り出す。
【0015】前述の熱間押出方法では、ダイプレートに
押出材を通過させなければならないため、抽出方法での
中空押出は技術的に難しく、シャフト圧入用下穴の押出
時での成形は困難である。また、このようなダイプレー
トではフィン部およびその先端の小円筒部をバックアッ
プすることができない。そのためフィン部がダイス内周
部とつながる部分に大きな曲げ応力及び剪断応力が押出
時にかかり、ダイス寿命は著しく短いものとなってしま
う。然るに、本発明では、ダイプレート10によるバッ
クアップがあるため、フィン部への曲げ応力及び剪断応
力を著しく軽減できダイス寿命を長くすることができ
る。また、鍛造完了時にはダイス内にブランクがほぼ密
閉した状態となるので、曲がりや捩じれ、反りのない高
寸法精度で、さらに、シャフト圧入用穴の下穴が成形さ
れたローター素材となる。又、潤滑の効果を発揮させる
ことができるため、コンテナやダイスとブランクの摺動
によっても傷やムシレが発生することを押さえることが
できる。この方法で1000個を鍛造しローターの完成
加工を実施したが、加工不良の発生は皆無であった。ま
た、シャフト圧入用穴の仕上加工時の加工時間は、従来
のシャフト圧入用穴の下穴なしの場合約12秒かかって
いたものが、8秒に短縮でき、約30%生産性が向上し
た。
【0016】比較のため、従来の熱間押出方法でコンテ
ナ内径210mmの押出機で、最高加圧力2000Ton で
同一断面形状に押し出し、500個を完成加工したが、
加工不良率は20%であった。またベーン溝底部の傷
は、ダイス潤滑効果のある押出初期の先端部を除き連続
的に発生していた。上記の実施例では、連続鋳造したア
ルミニウム合金のブランクを使用したが、高ケイ素を含
有するアルミニウム合金粉末(17%Si−4%Cu−1%
Mg−5%Fe−残部Al)を熱間で圧縮成形して作ったブラ
ンクであってもローター素材を製造できることを確認し
た。何れの場合も、得られたローターの素材のベーン溝
底部近傍の組織には、鍛造によって塑性流動した部分が
認められ強度や靱性が向上している。本発明の実施例で
は、加圧パンチを上部に設け、ダイスを下部に配置した
が、上下を逆にしても製造可能で、加圧パンチを下部に
設け、ダイスを上部に配置した方が作業の容易性から好
ましい。また、横型の構造としても良い。
【0017】
【効果】押出方法での中空押出は技術的に難しく、シャ
フト圧入用下穴の押出時での成形は困難であったが、本
発明ではシャフト圧入用穴の下穴を成形することが可能
であり、仕上加工時の加工代を低減することができ、加
工時間を短縮することかできる。本発明のローター製造
方法により、ローター素材のベーン収納部の溝近傍の組
織を塑性流動させることで強化することができ、曲りや
捩れ、反りの発生がなく、シャフト圧入用穴の下穴を成
形でき、かつカジリ傷やムシレのないローター素材をダ
イス寿命が長く、小型の設備で安価に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロータリ圧縮機のローターの一例の平面図であ
る。
【図2】ダイスの平面図である。
【図3】ダイスの側面図である。
【図4】熱間鍛造機のコンテナーにアルミ合金ブランク
を挿入した状態を示す断面図である。
【図5】加圧パンチによりブロックを加圧した状態を示
す断面図である。
【図6】ノックアウトパンチによりロータリ素材を取出
す状態を示す断面図である。
【図7】ローターの構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ローター 3 溝底部 5 ダイス 9 コンテナ 11 ノックアウトパンチ 13 ブランク 2 ベーン溝 10 ダイプレート 12 加圧パンチ 14 シャフト圧入用穴下穴成形用パンチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のベーン収納部を有するアルミニウ
    ム合金製ローターの製造方法において、ダイス穴の軸方
    向に垂直な断面をコンテナ内の軸方向に垂直な断面に対
    し、減少させるかあるいは実質的に同じとし、互いに同
    軸上に配置されたダイスとコンテナを有する金型構造を
    用い、アルミニウム合金のブランクをコンテナ内に挿入
    し、該ブランクを前記ローター素材の外輪郭形状および
    シャフト圧入用穴の下穴成形用パンチを有しているダイ
    スの穴の中に加圧パンチによって押し込み、ダイプレー
    トによりバックアップされる前記ダイス穴内に前記ブラ
    ンクを充満し、前記ダイプレート内のノックアウトパン
    チによってコンテナを通してノックアウトして取り出す
    ことを特徴とするアルミニウム合金製ローターの製造方
    法。
JP12038493A 1993-04-26 1993-04-26 アルミニウム合金製ローターの製造方法 Pending JPH06304691A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009066601A (ja) * 2007-09-10 2009-04-02 Showa Denko Kk ロータ素材鍛造用金型およびロータ素材の鍛造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009066601A (ja) * 2007-09-10 2009-04-02 Showa Denko Kk ロータ素材鍛造用金型およびロータ素材の鍛造方法

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