JPH0630383Y2 - バフ仕上げ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はバフ仕上げ装置に関する （従来技術） ワークの表面に沿ってバフを自動的に移動させながらバ
フかけ作業を行う装置では、ワーク表面の凹凸に基づく
負荷変動によりバフが停止したりあるいは回転にバラつ
きがでたりして、ワークの表面に部分的な仕上げムラを
生じさせる。

このような問題を解消するための手段としてはこれまで
に多くの提案がなされており、例えば実開昭６０−１２
５０９４号公報には、ロボットアームの先端にバネ機構
を介してバフ作業機を上下にかつ揺動自在に支持するよ
うにしたものが提案されており、また実開昭６３−１０
３９４７号公報には、基台上に弾性体を介してワーク保
持具を微小変位自在に支持するようにしたものが提案さ
れている。

しかしながら、前者のものでは、ワーク表面の凹凸に沿
わせてバフを上下動させることにより接触圧を平均化さ
せることができる反面、凹凸部での抵抗を受けたバフが
面に沿って後退してしまうことになるため、ワーク面を
均一に仕上げることができないといった不都合を有し、
また後者のものでは、可動部をなすワークと保持具の質
量が必然的に大きくなる関係上、ワーク表面とバフとの
間で生じる刻々の接触圧変化に対して十分に追従させる
ことができず、かつバフの摩耗に対しては対応し得ない
きらいがある。

（考案が解決しようとする課題） 本考案はこのような問題に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、ワーク表面の凹凸に対して正確に
かつ応答性よく追従させることができ、かつバフの摩耗
に対しても十分に対応して常に均一な接触圧をもってワ
ーク面を仕上げることのできる改良されたバフ仕上げ装
置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） すなわち、本考案はかかる課題を達成するためのバフ仕
上げ装置として、内周面に複数に軸受部材を間隔をおい
て取付けた筒状の工具支持本体を、開口部を上に向けて
基体に固設するとともに、上記工具支持本体の内部に、
上記軸受部材により周面を支持されたバフ工具を、上記
工具支持本体の内底部に配設したバネ部材により上向き
に付勢した状態で回動不能にかつ軸方向に摺動自在に挿
着したものである。

（作用） このように構成したので、ワークの表面に凹凸があるよ
うな場合でも、筒状の工具支持本体によってバフ作業工
具を軸と直角な向きに逃がすことなく軸方向にのみ進退
動させるとともに、ワーク表面の凹凸に対しても忠実に
かつ応答性よく追従させ、バフをワークの面に均一な圧
接力で摺接させてその面全体を等しく仕上げる。

（実施例） そこで以下に図示した実施例について説明する。

図面は本考案の一実施例を示したもので、先端に取付け
たバフ２をエアモータもしくは駆動モータにより回転駆
動するように構成したバフ作業工具１には、下端に角型
等の非円形形状をなすバネ受け座兼用の摺動案内フラン
ジ３を備えた筒状の保持部材４が一体的に取付けられて
いる。

他方、図中符号６は、支持基体５等に取付けられた工具
支持本体で、この工具支持本体６は、内部にバフ作業工
具１を摺動自在に保持することができるよう、摺動案内
フランジ３と同じ平面形状をなす筒状体として形成さ
れ、その筒部７の下端には、中央にバフ作業工具１の下
端部分が出入りすることのできる孔８を設けた底板９が
一体的に固定されていて、この底板９と上記した摺動案
内フランジ３との間には、常時バフ作業工具１を突出方
向に付勢するコイルスプリング１０が介装されている。
なお、図中符号１１……はバフ作業工具１を工具支持本
体６の軸心に沿わせて正確に進退動させるとともに、こ
の作業工具１の抜け落ちを抑えるために、工具支持本体
６の内部に突出させて取付けたフリーベアリングを示し
ている。

このように構成されたバフ仕上げ装置は、工具支持本体
６内に支持したバフ作業工具１をコイルスプリング１０
によって上方に突出付勢し、バフ作業工具１の荷重とコ
イルスプリング１０の付勢力が釣り合った応答性の良い
状態で待機しており、この状態で図示しないロボットア
ームが、予めプログラムされた作業手順に従ってその先
端にチャッキングしたワークＷをバフ２に押し当てて仕
上げ作業を行うと、バフ２は、コイルスプリング１０の
張力に応じた圧接力をもってワークＷ表面に摺接し、そ
の面の仕上げ加工を行なう。

そしてこの際、ワークＷの表面に凹凸があると、バフ２
はコイルスプリング１０を伸縮させ、凹凸に沿った出入
動作を忠実にかつ応答性よく繰り返し、その表面に等し
い圧接力をもって摺接しながら全体を均一に仕上げる
（第１図（ａ））。

また、長期の使用によってバフ２が摩耗してきたような
場合には、第１図（ｂ）に示したように、コイルスプリ
ング１０はバフ２の摩耗量に相当する量εだけバフ作業
工具１を突出させ、引続きバフ２に同じ圧接力を付与さ
せて仕上げ作業を行わせる。

（効果） 以上述べたように本考案によれば、基体に固設した工具
支持本体内に、バネによって釣り合わすように、かつ軸
受部材によって円滑に動くようにバフ工具を支持するよ
うにしたので、バフ工具自体の質量の如何に拘わりな
く、これをワークの表面の凹凸に対して忠実にかつ応答
性よく追従させてワーク面を隅々まで研磨することがで
きる。さらにはロボットにワークを持たせて作業するよ
うな小物ワークの研摩にも適している。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）（ｂ）はバフの摩耗状態に応じた動作をも
って示した本考案の一実施例をなす装置の側面図、第２
図は第１図（ａ）のＡ−Ａ線断面図である。 １……バフ作業工具、２……バフ ３……案内フランジ、４……保持部材 ６……工具支持本体 １０……コイルスプリング １１……フリーベアリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内周面に複数に軸受部材を間隔をおいて取
   付けた筒状の工具支持本体を、開口部を上に向けて基体
   に固設するとともに、上記工具支持本体の内部に、上記
   軸受部材により周面を支持されたバフ工具を、上記工具
   支持本体の内底部に配設したバネ部材により上向きに付
   勢した状態で回動不能にかつ軸方向に摺動自在に挿着し
   たことを特徴とするバフ仕上装置。