JPH0630108Y2 - 化粧具付き化粧液容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はマスカラ、アイライナー等の化粧具付き化粧液
容器に関する。

「従来の技術」 例えば実開昭61-122709号の容器が知られている。該容
器は、容器体口頸部に螺合させるキャップから、下端に
塗布部を設けた筆軸を、その塗布部が容器体下部内に位
置するよう垂設すると共に、上記筆軸を挿通させて容器
体内上部へ液切り筒を設け、又その容器体の胴部内面に
螺溝を設け、かつ該螺溝に螺合して容器体内に攪拌子を
設けて、該攪拌子の軸芯部に穿設した透孔へ上記筆軸を
上下動自在に、かつ縦条係合させて挿通させ、上記キャ
ップの螺合および螺脱による筆軸の螺降および螺昇によ
りその攪拌子の容器体内を螺降および螺昇するよう設け
ている。

「考案が解決しようとする課題」 上記容器は、筆軸を垂下するキャップを容器体口頸部へ
螺合させ又螺脱する際に、容器体内へ螺合された攪拌子
がその筆軸と共に螺降昇するため、特に容器体内液体の
攪拌を行わなくてもよい利点を有するが、その攪拌子の
螺動を上記キャップから垂下する筆軸の螺動で行うか
ら、そのキャップを容器体口頸部への螺合により螺下降
させる場合に攪拌子も螺降し、又キャップ螺脱による螺
昇の際に攪拌子も螺昇する。従ってキャップ螺脱時にあ
っては攪拌子も容器体内上部に位置することが必要とな
り、例えば震動その他の理由でキャップ螺脱時に攪拌子
が下限まで下降すると、更に下降させることが不能とな
るため、キャップの螺降、即ち、キャップを容器体口頸
部へ螺合させることが不能となるものであった。又その
攪拌子外壁は円筒状をなすため、容器体内壁への付着物
かき落し機能が乏しく、更に上記容器体内壁の螺溝内へ
の付着物が攪拌子の螺動を妨げる欠点があった。

本案は上記攪拌子と容器体内壁面との螺合をやめて、キ
ャップの螺合および螺脱による筆軸の螺降および螺昇に
よって容器体内攪拌子が定位置で正逆両方向へ回転する
よう設けると共に、攪拌子には容器体胴部内径とほぼ同
外径の外端円を有する複数のかき落し片を付設すること
で、上記容器体内壁面への付着物のかき落しを容易とし
たものである。

「課題を解決するための手段」 化粧液を収納した細長な容器体１と、該容器体１の口頸
部６に内嵌固定させた液切り筒２と、上記容器体１内へ
回動可能に嵌合され、平面からみて中央部に上下両端開
孔の筒体を有する攪拌子３と、上記容器体口頸部外面へ
螺合装着させたキャップ４と、該キャップ内から上記液
切り筒２および攪拌子３を出入自在に挿通して容器体内
下方まで垂下し、下端にブラシ又は化粧筆等の化粧具８
を付設する筆軸５とからなり、上記攪拌子３からは、上
記筆軸を挿通させる筒体外面から、容器体の胴部内径と
ほぼ同外径の外端円を有する複数のかき落し片７を垂直
方向へ突出すると共に、該攪拌子と上記筆軸５とには、
筆軸５の螺上下動を攪拌子３の定位置回転に変える縦条
係合手段を設けた。

「作用」 上記において、化粧時にはキャップ４を口頸部６から外
し、このキャップ４と一体の筆軸５を引抜くが、この引
抜き時に筆軸５と化粧具８を液切り筒２を通して筆軸５
外面を拭うと共に化粧具８の含み液量を適量に絞る。

ここで、筆軸５は攪拌子３と縦条係合、つまり昇降は自
在であるが回転方向には係合しており、一方キャップ４
は螺脱操作して取外すので、引抜きの取外し時筆軸５は
螺上昇し、従って攪拌子も同体に定位置回転するので化
粧液を攪拌し、化粧液の固化付着を防止する。また容器
体胴部内径とほぼ同外径の先端円を有するかき落し片７
が容器体内壁面に固化付着した化粧料をかき落し、再び
液化させる。尚、容器体１内下部を化粧具８が挿入でき
る程度に狹くしておくことで、化粧液を残すことなく使
い切ることができる。

「実施例」 第１の実施例（第１図、第２図） 容器体１は、胴体となる金属化粧筒１ａの上部開口部に
縮径した口頸部６を持つ口部部材９を嵌着し、また底部
開口部に底部部材10を嵌着し、この底部部材10底面に金
属化粧板11を接着して形成してある。底部部材10はかな
り肉厚であり、これにより容器体１内下部を化粧具８が
入りうる程度に狹めている。12，13は封止用Ｏリングを
示す。

液切り筒２はゴム或いは軟質合成樹脂等の軟弾材からな
り、上端に口頸部６口頂部に掛止めする外向きフランジ
14を設け、下部を筆軸５に圧接する絞り口に形成して口
頸部６に粗面により内嵌固定してある。

攪拌子３は、筆軸５が通過できる軸芯部の短い筒体15外
面に90度間隔で４枚のかき落し片７中間部を付設し、上
下両部を上下両方向に突設した形状のもので、前記口部
部材９と底部部材10間の容器体１中間部回転可能に内装
されている。このかき落し片７…は容器体胴部内径とほ
ぼ同外径の外端円を有する。尚かき落し片７群は第２図
ｂ，ｃのようにストレートまた捻った形状のいずれであ
ってもよい。

キャップ４は、下半部内面にねじを形成した筒状体16外
面に金属材による化粧キャップ体17を嵌着したものであ
る。

筆軸５は、上部を大径筒部18とし、この大径筒部18をキ
ャップ４の上半部内面に挿着すると共に係合突条19，20
の係合でキャップ４に取付け固定し、又大径筒部18直下
の液切り筒２部分の中間部を小径筒部に、そして下部を
棒体とし、この棒体下端にブラシ等の化粧具８を取付
け、また棒体の上端部の外側外面に前記攪拌子３のかき
落し片７に係合する係合片21を縦設している。

第２の実施例（第３図、第４図） この実施例では、容器体１は、下半部を化粧具８が入り
うる程度に絞った内部体１ｂを金属化粧体１ａに内嵌し
た２重容器体構造とし、液切り筒２は筒体の中間部内面
から絞り口を内向きに形成し、筒体下端外面に係合突条
22を設け、この係合突条22と筒体上端の外向きフランジ
14とで口頸部６内面段部間に挾着させて取付け、攪拌子
３は、摺鉢状の筒体23の上面両側からかき落し片７，７
を立設し、筒体23の小径開口内周縁に多数の縦溝を形成
し、一方筆軸５の下部を前記縦溝に係合するスプライン
軸状24とし、そして筆軸５は上端筒部でキャップ４と一
体に形成している。上記かき落し片７，７も第１実施例
の場合と同様、ストレート又は捻った形状のいずれでも
よい。この実施例も第１の実施例と同様の作用効果を奏
する。

上記構成において金属部分を除いた各部は合成樹脂材で
成形製作される。

「考案の効果」 上記した如く本考案では、攪拌子３を回転可能に内装し
た容器体１の口頸部にキャップ４を螺合し、該キャップ
から垂下する筆軸５と上記攪拌子３とには縦条係合手段
を設けたから、筆軸下端の化粧具８使用のために容器体
口頸部からキャップ４を螺脱し又螺合する度に攪拌子３
も筆軸５との係合により連動して回されることとなり、
又その攪拌子３の筒体外面からは、容器体胴部内径とほ
ぼ等外径の外端円を有する複数のかき落し片７を垂直方
向へ突出したから、攪拌子回動によるかき落し等を別操
作で行う面倒がなく、かつキャップ取外しの際には必ず
上記かき落しと化粧液体攪拌とが行われるため、常に適
正濃度の化粧液を上記化粧具８により取出し使用するこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図ａ，ｂ，ｃは本考案化粧具付き化粧液容
器の第１の実施例を示し、第１図は半部縦断面図、第２
図ａは筆軸要部の斜視図、同図ｂ，ｃは形状の異なる攪
拌子の斜視図、第３図と第４図は第２の実施例を示し、
第３図は半部縦断面図、第４図は分解斜視図である。 １…容器体、２…液切り筒、３…攪拌子、４…キャッ
プ、５…筆軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧液を収納した細長な容器体１と、該容
   器体１の口頸部６に内嵌固定させた液切り筒２と、上記
   容器体１内へ回動可能に嵌合され、平面からみて中央部
   に上下両端開孔の筒体を有する攪拌子３と、上記容器体
   口頸部外面へ螺合装着させたキャップ４と、該キャップ
   内から上記液切り筒２および攪拌子３を出入自在に挿通
   して容器体内下方まで垂下し、下端にブラシ又は化粧筆
   等の化粧具８を付設する筆軸５とからなり、上記攪拌子
   ３からは、上記筆軸を挿通させる筒体外面から、容器体
   の胴部内径とほぼ同外径の外端円を有する複数のかき落
   し片７を垂直方向へ突出すると共に、該攪拌子と上記筆
   軸５とには、筆軸５の螺上下動を攪拌子３の定位置回転
   に変える縦条係合手段を設けたことを特徴とする化粧具
   付き化粧容器。