JPH0614Y2 - 化粧具付き化粧液溶器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はマスカラ、アイライナー等の化粧具付き化粧液
容器に関する。

「従来の技術」 この種容器は、容器体口部に装着されるキャップに、先
端に設けたブラシ、化粧筆等の化粧具が、容器体底部に
届く長尺の筆軸を取付け、これを常時液中に漬けてお
き、化粧時にキャップにより容器体口部の液切り筒を通
して引き抜いて使用するようにしている。

しかし、マスカラ、アイライナー等の化粧液は粘性が高
く、放置しておくと、容器体の壁面に付着して固まり、
有効液量が減るばかりでなく、液の濃度を低下させる。

そこで、本願人は最近実願昭62-93793号として、液容器
体内に掻き部材としての螺旋体を内設し、この螺旋体を
回動して空気胴体内壁面に付着している化粧料を掻き落
すようにしたものを提案した。

「考案が解決しようとする問題点」 上記提案によれば、有効液量の低減、液濃度低下の防止
に有効であるが、この提案のものは外部の操作筒により
螺旋体を随時回転駆動する方式であり、従って化粧時の
化粧具の引き抜きと螺旋体駆動の２態の操作となり、し
かも螺旋体駆動は随意操作なのでともすると操作を失念
することが多い。

本考案は、キャップ螺脱操作が同時に螺旋体の回転とな
る構成とし、化粧具の使用時には必らず付着化粧料の掻
き落し操作が行なわれるようにした操作の簡便な、かつ
掻き落し操作の失念のおそれのない化粧具付き化粧液容
器を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の化粧具付き化粧液容器は、化粧液を収納した細
長な容器体１と、この容器体１の胴体７内上部に内嵌固
定された液切り筒２と、前記容器体１の口頸部８に螺合
装着されたキャップ３と、このキャップ３から前記液切
り筒２を通して容器体１内下方に垂下し、垂下端にブラ
シまたは化粧筆等の化粧具９を取付けた筆軸４と、上端
に環状体10を設けて前記容器体１内に、胴体７内壁面に
接し、かつこの内壁面との間に適宜の摩擦力若しくはラ
チェットの回動抑止機構11を介在し、キャップ３の螺脱
方向には回転するが螺着方向には回転しないように内設
された螺旋体５と、前記筆軸４外面に縦条係合すると共
に前記環状体10との間にラチェット機構12を形成し、キ
ャップ３螺脱時同体に回転する筆軸４回転を螺旋体５に
伝達する回転筒６とで構成している。

「作用」 上記において、化粧時にはキャップ３を口頸部８から螺
脱し、このキャップ３と一体の筆軸４を引き抜くが、こ
の引き抜き時に筆軸４と化粧具９を液切り筒２を通して
筆軸４外面を拭うと共に化粧具９の含み液量を適量に絞
る。この場合、回転筒６と筆軸４とは縦条係合であり上
下方向にはフリーなので、筆軸４を引き抜いても回転筒
６が上昇移動することはない。

この化粧時のキャップ３螺脱操作時、筆軸４は同体に回
転し、従ってこの筆軸４に縦条係合された回転筒６が同
時に回転し、この回転がラチェット機構12を介し螺旋体
５に伝達されてこの螺旋体５が回転動し、容器体１の胴
体７内壁面を掻くので、この内壁面に付着している化粧
料を容器体１下方底部に掻き落すことができ、この回転
動は同時に化粧料を攪拌することになるので、化粧料の
固化付着防止に役立つ。

尚、キャップ３螺着時には、ラチェット機構12は非係合
であり、また螺旋体５は胴体７との間に回動抑止機構11
を介在しているので、螺旋体５は回動せず静止状態を保
持する。

「実施例」 以下、第１図及び第２図を参照して本考案の第１の実施
例を説明する。本考案の化粧具付き化粧液容器は容器体
１、液切り筒２、キャップ３、筆軸４、掻き部材として
の螺旋体５、そして回転筒６の主部材からなる。

容器体１は化粧性の高い金属材からなる細長な形状のも
ので、直筒状の胴体７の上部開口部に、縮径した口頸部
８を有する口部部材13を取付け金具14により固く内嵌固
定している。口頸部８外面にはねじ山を形成し、また下
部を肉薄として取付け周壁15に形成している。前記口頸
部８には、ゴム或いは軟質合成樹脂等の軟弾材からなる
筒状のシール部材16を、その上下端の外向きフランジを
介し内嵌装着し、このシール部材16を、その直下の口部
部材13に内嵌固定した金属等の剛体の押え筒17で押え固
定してある。

液切り筒２は、ゴム或いは軟質合成樹脂等の軟弾材から
なり、下端部に絞り口を形成したもので、一部断面Ｕ形
の取付け部を前記取付け周壁15に固く係合して胴体７上
部に内嵌固定してある。この液切り筒２はシール部材と
緩衝材を兼ねている。

キャップ３は、中間部に仕切り板18を設けた断面Ｈ形の
形状のもので、下部内面に前記口頸部８のねじ山に螺合
するねじ溝を切り、外面には化粧性の高い金属外装材を
包着している。

筆軸４は、前記仕切り板18の中心部から容器体１内底部
まで垂下し、キャップ３と一体に形成されており、シー
ル部材16、液切り筒２を挿通した軸下端にブラシまたは
化粧筆の化粧具９を取付けている。この筆軸４の液切り
筒２下方の下半部は例えば角軸状4aとしてある。

螺旋体５は、鉢状の底部材20上部の外向きフランジ21上
面両側から１対の螺旋素子5a,5aを前記胴体７内面に接
しさせて起立し、上端に螺旋体10を設けた形状のもの
で、容器体１に回転可能に内設されている。この螺旋素
子5a,5aは固化化粧料を容器体１下方の底部に掻き落す
ような螺旋形状としてある。環状体10の上面にはラチェ
ット機構12の鋸歯状の歯12aを形成している。底部材20
は容器体１の縮少底部を形成し、化粧具９を一杯に挿入
し、従って化粧料に無駄な残液が生じない。22は、底部
材20の外向きフランジ21外面に溝を介し嵌合された封止
用Ｏリングで、回動抑止機構11を形成しており、胴体７
内壁面に圧接し、この胴体７と螺旋体５間に適宜の摩擦
抵抗を与えている。

回転筒６はカップ形の形状で、底壁に明けた角孔6aを介
し前記筆軸４の角軸部4a上部外面に、同体に回転するが
上下方向にはフリー状態に嵌合、つまり縦軸係合してあ
り、下面周縁部からラチェット機構12の数個の係合爪12
bを垂設している。このラチェット機構12はキャップ３
の螺脱時にのみ係合し、螺着時には係合しない。従っ
て、螺着時には回転筒６は回転するが、螺旋体５はＯリ
ング22の回動抑止機構11により静止状態にある。一方、
キャップ３螺脱時には、筆軸４の回転は回転筒６を介し
前記回動抑止機構11に抗して螺旋体５に伝達され、螺旋
体５は胴体７の内壁面を掻き動作する。

尚、前記Ｏリング22がないとキャップ３螺着時にも螺旋
体５が回転するおそれがあり、この場合回転方向が逆な
ので固化化粧料を容器体１内上方に掻き上げて剥がすこ
とになり、容器体１を横置きしたり化粧液が小量のとき
には剥がされた固化化粧料が底部液中に降下せずに胴体
７に再付着してしまう可能性がある。また筆軸４と回転
筒６の縦条係合は前記角軸4aと角孔6aに限らず、回転方
向には同体に回転するが、上下方向にはフリーであれ
ば、他の構造でもよい。

第３図は第２の実施例を示し、ラチェット機構12の鋸歯
状の歯12aと係合爪12bを逆関係とし、歯12aを回転筒６
側に、係合爪12aを環状体10側に形成したものである。

第４図乃至第６図は第３の実施例を示し、回動抑止機構
11としてラチェット機構によるものを示したものであ
る。即ち、螺旋体５外面と胴体７内面間にラチェット機
構12と逆動作のラチェット機構23を形成し、螺旋体５
を、キャップ３螺脱時には胴体７内面に係合せずこの胴
体７との間をフリーとし、従ってこの場合ラチェット機
構12で回転駆動して掻き動作するが、キャップ３螺着時
には胴体７の内面に係止してその回動を確実に阻止して
静止させ、掻き動作しないようにしたものである。

このため、ラチェット機構12は、環状体10を筒状にその
上下長を大きくし、その上部内面に歯12aを形成し、ま
た回転筒６はこの環状体10に内嵌し、その周壁両側の一
部を切り起し状に外方に突き出して歯12aに係合する係
合爪12bを形成している。一方、ラチェット機構23は胴
体７上部内面に鋸歯状の歯23aを形成し、この歯23aに対
面する環状体10の下部外面に切り起し状の係合爪23bを
突き出している。尚、加工上、容器体１は合成樹脂材で
成形加工してある。

この実施例によれば、キャップ３螺着時における螺旋体
５の回転が確実に阻止でき、従って固化した付着化粧料
を常に容器体１下方の底部に掻き落すことができる。

上記にて、材料指定していないキャップ３、筆軸４、螺
旋体５、回転筒６、口部部材13等は合成樹脂材で成形製
作する。

「考案の効果」 上記した如く本考案では、キャップ３の螺着、螺脱時回
転する筆軸４に回転筒６を縦条係合し、また容器体１内
に胴体７内壁面を掻く螺旋体５を設け、ラチェット機構
12を介し回転筒６の回転がキャップ３の螺脱時に螺旋体
５に伝達される構成としたので、化粧に際しキャップ３
を外すとき同時に胴体７内壁面の掻き動作がなされるの
で、キャップ３の外しと固化化粧料の掻き落しは一操作
となり、操作が簡便化すると共に化粧料掻き落し操作の
失念のおそれが除去できる。また螺旋体５は回動抑止機
構11によりキャップ３螺着方向には回転しないので、、
掻き落した化粧料は容器体１底部液中に降下して再溶解
し、有効液量の低減、液濃度低下防止は確実となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧具付き化粧液容器の第１の実施例の
半部縦断面図、第２図は同実施例の螺旋体と回転筒の分
解斜視図、第３図は第２の実施例の螺旋体と回転筒の分
解斜視図、第４図は第３の実施例の半部縦断面図、第５
図ａ，ｂは同実施例のラチェット機構と回動抑止機構を
示す半部の平面的な図と縦断面図、第６図は同実施例の
螺旋体の外形斜視図である。 １…容器体、 ２…液切り筒、 ３…キャップ、 ４…筆軸、 ５…螺旋体、 ６…回転筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧液を収納した細長な容器体１と、この
   容器体１の胴体７内上部に内嵌固定された液切り筒２
   と、前記容器体１の口頸部８に螺合装着されたキャップ
   ３と、このキャップ３から前記液切り筒２を通して容器
   体１内下方に垂下し、垂下端にブラシまたは化粧筆等の
   化粧具９を取付けた筆軸４と、上端に環状体10を設けて
   前記容器体１内に、胴体７内壁面に接し、かつこの内壁
   面との間に適宜の摩擦力若しくはラチェットの回動抑止
   機構11を介在し、キャップ３の螺脱方向には回転するが
   螺着方向には回転しないように内設された螺旋体５と、
   前記筆軸４外面に縦条係合すると共に前記環状体10との
   間にラチェット機構12を形成し、キャップ３螺脱時同体
   に回転する筆軸４回転を螺旋体５に伝達する回転筒６と
   からなる化粧具付き化粧液容器。