JPH0612Y2 - 化粧具付き化粧液容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はマスカラ、アイライナー等の化粧具付き化粧液
容器に関する。

「従来の技術」 この種容器は容器体口部に装着されるキャップに、先端
に設けたブラシ、化粧筆等の化粧具が容器体底部に届く
長尺の筆軸を取付け、これを常時液中に漬けておき、化
粧時にキャップにより容器体口部の液切り筒を通して引
き抜いて使用するようにしている。

しかし、マスカラ、アイライナー等の化粧液は粘性が高
く、放置しておくと、容器体の壁面に付着して固まり、
有効液量が減るばかりでなく、液の濃度を低下させる。

そこで、本願人は最近実願昭62-93793号として、液容器
体内に掻き部材としての螺旋体を内設し、この螺旋体を
回動して空気胴体内壁面に付着している化粧料を掻き落
とすようにしたものを提案した。

「考案が解決しようとする問題点」 上記提案によれば、有効液量の低減、液濃度低下の防止
に有効であるが、この提案のものは外部の操作筒により
螺旋体を随時回転駆動する方式であり、従って化粧時の
化粧具の引き抜きと螺旋体駆動の２態の操作となり、し
かも螺旋体駆動は随意操作なのでともすると操作を失念
することが多い。

本考案は、キャップ螺脱及び螺着操作が同時に螺旋体の
回転となる構成とし、化粧具の使用時には必ず付着化粧
料の掻き落し操作が行なわれるようにした操作の簡便
な、かつ掻き落し操作の失念のおそれのない化粧具付き
化粧液容器を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の化粧具付き化粧液容器は、化粧液を収納した細
長な容器体１と、この容器体１に口頸部６内側に上部を
この口頸部６から上方に突出させて回転可能に装着して
筒部７下端から、容器胴体８内壁面に摺接する螺旋体９
を垂設した回転部材２と、この回転部材２の筒部７に内
嵌固定された液切り筒３と、前記筒部７の上部外面に縦
条係合すると共に容器体口頸部６外面に螺合装着され、
螺脱及び螺着時に前記回転部材２を正逆方向に回転駆動
するキャップ４と、このキャップ４から前記液切り筒３
を通して容器体１内下方に垂下し、垂下端にブラシまた
は化粧筆等の化粧具10を取付けた筆軸５とで構成してい
る。

「作用」 上記において、化粧時にはキャップ４を口頸部６から螺
脱し、このキャップ４と一体の筆軸５を引き抜くが、こ
の引き抜き時に筆軸５と化粧具10を液切り筒３を通して
筆軸５外面を拭うと共に化粧具10の含み液量を適量に絞
る。

また、この化粧時のキャップ４螺脱操作時、縦条係合さ
れた回転部材２が同時に回転駆動され、その螺旋体９が
回転して容器胴体８内壁面を掻くので、この内壁面に付
着している化粧量を掻き落すことができる。つぎに化粧
が終り、キャップ４を口頸部６に螺着すると、この場合
も回転部材２が回転し螺旋体９が胴体８内壁面を逆方向
に掻き動作する。即ち、キャップ４の取外し、取付け毎
に胴体８内壁面の掻き動作が行われる。そして、この掻
き動作は同時に化粧量を攪拌することなるので、化粧料
の固化付着防止に役立つ。

「実施例」 以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明する。

本考案の化粧具付き化粧液容器は容器体１、掻き部材と
しての螺旋体９を持つ回転部材２、液切り筒３、キャッ
プ４及び筆軸５の主部材からなる。

容器体１は化粧性の高い金属材からなる細長な形状のも
ので、直筒状の胴体８の上部開口部に、縮径した口頸部
６を有する口部部材11を固く内嵌固定している。口頸部
６外面にはねじ山を形成し、中間部内面には溝12を凹設
し、さらに下部を取付け周壁13に形成しており、この取
付周壁13にその外面を覆うように、一部断面がＵ形の弾
性環状体14を取付けている。この弾性環状体14は液密の
封止部材であって、緩衝材を兼ねている。また底部に
は、有底漏斗状の底部材15を筒部16を介し内嵌装着して
いる。この底部材15は容器体１の底部を縮少し、化粧料
に無駄な残液が生じないようにするものである。17は封
止用リングを示す。

回転部材２は、上部の筒部７と下部の螺旋体９に分れ、
筒部７は下部を大径部、中間部は中径部、上部を小径部
とした段形のもので、中間部外面の係合突条18を前記溝
12に係合して口部部材11に回転可能に内嵌装着してあ
り、また口頸部６から上方に突き出した上部の一部外面
には、周方向とびとびに係合縦条19…を形成し、そして
下部大径部の下端両側から前記容器胴体８内壁面に接し
て垂下する１対の螺旋体９，９を垂設している。これら
螺旋体９，９下端にはリング20が結合してある。

液切り筒３は、ゴム或いは軟質合成樹脂等の軟弾材から
なり、中間部内面に絞り口を形成したもので、上下端の
外向きフランジ21,22により前記回転部材２の筒部７部
分に内嵌固定してある。

キャップ４は、中間部に仕切り板23を設けた断面Ｈ形の
形状のもので、下部内面に前記口頸部６のねじ山に螺合
するねじ溝を切り、その直上部内面に前記縦条19群に係
合する縦溝群が形成してあり、従ってこのキャップ４は
口頸部６からの螺脱及び螺着時に縦条係合部を介し回転
部材２を正、逆に回転駆動し、これにより同体に回転す
る螺旋体９，９が容器胴体８内壁面を両方向に掻き動作
する。２４はキャップ４外面に包着された化粧性の高い
金属外面材、25はフランジ21上面に圧接する封止用の下
向き周突条である。

筆軸５は、前記仕切り板23の中心部から容器体１内底部
まで垂下し、キャップ４と一体に形成されており、液切
り筒３を挿通した軸下端にブラシまたは化粧筆等の化粧
具10を取付けている。この化粧具10は縮少底部である前
記底部材15内に入り込んでいる。

上記にて回転部材、キャップ４、筆軸５、底部材15は合
成樹脂材で成形製作される。また化粧具10は合成樹脂、
獣毛のいずれでもよい。

「考案の効果」 上記した如く本考案では、容器体１の胴体８内壁面を掻
く螺旋体９を有する回転部材２を容器体口部11に回転可
能に取付け、この回転部材２をキャップ４の螺脱及び螺
着で回転するよう構成したので、化粧に際しキャップ４
を外すとき、また化粧が終り、キャップ４を取付けると
きそれぞれ同時に螺旋体９で胴体８内壁面を掻き操作す
るので、従来のように固化化粧料の掻き落し操作を別途
特別に行なう必要がなく、操作は簡便化し、しかも固化
化粧料掻き落し失念のおそれが除去できる。さらにキャ
ップ４の取外し、取付け毎に化粧料掻き落しがなされる
ので、効果的な掻き落しが期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧具付き化粧液容器の一実施例の半部
縦断面図、第２図は同実施例の回転部材の外形斜視図で
ある。 １…容器体、 ２…回転部材、 ３…液切り筒、 ４…キャップ、 ５…筆軸、 ６…螺旋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧液を収納した細長な容器体１と、この
   容器体１に口頸部６内側に上部をこの口頸部６から上方
   に突出させて回転可能に装着した筒部７下端から、容器
   胴体８内壁面に摺接する螺旋体９を垂設した回転部材２
   と、この回転部材２の筒部７に内嵌固定された液切り筒
   ３と、前記筒部７の上部外面に縦条係合すると共に容器
   体口頸部６外面に螺合装着され、螺脱及び螺着時に前記
   回転部材２を正逆方向に回転駆動するキャップ４と、こ
   のキャップ４から前記液切り筒３を通して容器体１内下
   方に垂下し、垂下端にブラシまたは化粧筆等の化粧具10
   を取付けた筆軸５とからなる化粧具付き化粧液容器。