JPH06299818A - 電磁駆動バルブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動ストロークの長い電磁バルブをプランジ
ャ型電磁石と磁気漏れ型電磁石を用いて駆動する。 【構成】 電磁バルブ１のステム１１の上方にプランジ
ャ型電磁石用のＡプランジャ４と、磁気漏れ型電磁石用
のＢプランジャ（吸引子）６を取付け、シリンダ２の上
方にはＡプランジャ４に対応するＡ電磁石５と、Ｂプラ
ンジャ６に対応するＢ電磁石７とを配置する。電磁バル
ブ１の開弁時にはその初期に両電磁石に通電するが初期
駆動後はＡ電磁石５のみに通電してストロークが短縮さ
れた電磁バルブ１を駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】内燃機関のシリンダの吸排気口に
配置されて電磁力により開閉する電磁駆動バルブに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来よりシリンダの吸排気口に配置され
る吸排気バルブの開閉は、クランク軸の回転に基づくタ
イミングベルトなどの機械的な部材により駆動されてい
るが、開閉自由度が小さいため電磁力を用いて自由度を
大きくした電磁バルブが開発されている。

【０００３】そしてこの種の電磁バルブに平板型の電磁
石を用いて開閉するものが考案されており、例えば特開
平２ー１２３２１０号公報には永久磁石により閉方向へ
常時バイアスされた吸排気バルブを、電磁力により開方
向に駆動する提案が示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述の公開公報に示さ
れた平板型の電磁石を用いた電磁バルブでは、その構造
上電磁力により吸引するストロークが大になると、空隙
における磁束密度を十分に確保できず、したがって大き
な吸引力が得られないという問題が生じている。

【０００５】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、その目的は電磁力により開閉する電磁バル
ブの駆動距離が長くても、十分な駆動力が得られる電磁
駆動バルブを提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明によれば、内燃機関の吸排気バルブを電磁石
の電磁力により開弁し、スプリングの弾性力により閉弁
させる電磁駆動バルブにおいて、前記の吸排気バルブの
移動方向に直列にステムへ取付けたプランジャ型電磁石
のプランジャおよび磁気漏れ型電磁石の吸引子と、内燃
機関に固定して配置した前記プランジャに対応する電磁
石および吸引子に対応する電磁石と、吸排気バルブの開
弁初期に両電磁石に通電し初期駆動後はプランジャに対
応する電磁石のみに通電する通電手段とを有する電磁駆
動バルブが提供される。

【０００７】

【作用】吸排気バルブのステムにプランジャ型電磁石の
プランジャと、磁気漏れ型電磁石の吸引子とを取付け、
バルブの駆動初期には両電磁石に通電して両者の推力に
より駆動を開始させ、駆動後はプランジャ型電磁石のみ
に通電し、短縮されたストロークにより磁束密度が大と
なって、十分な駆動力が得られる。

【０００８】

【実施例】つぎに本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。図１は本発明にかかる電磁駆動バルブ
の一実施例を示す縦断面図である。図１において、１は
電磁バルブであり、そのステム１１はバルブガイド１２
により軸支され、閉弁時には弁部１３がシリンダ２のバ
ルブシート２１に着座して流路を閉鎖する。

【０００９】３は電磁バルブ１を閉弁位置に保持するス
プリングで、ステム１１に取付けられたアッパーシート
３１とシリンダ２の上壁部との間に配置されて、その弾
性力によってステム１１を上方に押上げている。

【００１０】４は強磁性体からなるＡプランジャで、ス
テム１１に挿着されて後述するＡ電磁石５に吸引される
ものであり、その形状は中空円柱の周壁の下方が傾斜面
を備えた円錐状に形成され、ステムとの挿着穴の上部は
重量の軽減のため肉抜きがなされている。

【００１１】そして該Ａプランジャ４を吸引するＡ電磁
石５は外鉄型のコア５１と励磁コイル５２とを有し、コ
ア５１の下方の磁極部５１１はＡプランジャ４の下方の
円錐状に対応する凹面に形成され、両者間の磁束による
吸引力の効率化が図られている。

【００１２】６は吸引子となるＢプランジャ、７はＢ電
磁石であり、両者は磁気漏れ型電磁石となるもので、Ｂ
プランジャ６は所定の肉厚を有するカップ状に形成され
て、その底部６１の中央にはステム１１に挿着する穴を
有している。そして、Ｂ電磁石７は外鉄型のコア７１と
励磁コイル７２とを有し、電磁バルブ１の閉弁位置では
コア７１の下方の磁極部とＢプランジャ６の底部６１の
外壁との間には所定の空隙が設けられ、励磁コイル７２
の通電時に生ずる該空隙の磁束が磁路を短縮しようとい
う力によりＢプランジャ６が下方に強く駆動されるよう
に構成されている。

【００１３】つぎにこのように構成された本実施例の作
動を説明する。電磁バルブ１の開弁の初期に際しては、
まず、Ａ電磁石５の励磁コイル５２とＢ電磁石７の励磁
コイル７２にそれぞれ所定の電流が通電される。

【００１４】この通電により、Ａ電磁石５のコア５１の
磁極部５１１とＡプランジャ４との間は離れているため
多少吸引力は弱くなるが、一方、Ｂ電磁石７の前記空隙
における吸引力が加わり、両電磁石の推力によりスプリ
ング３の弾性力に打勝って力強く電磁バルブ１を下方に
駆動する。

【００１５】ついでこの吸引による電磁バルブ１の開弁
が開始の時点で、Ｂ電磁石７への通電はオフされるがＡ
電磁石５には通電が継続され、ストロークが短かくなっ
て磁束密度を増大したＡ電磁石５は吸引力が増加して強
く駆動され、電磁バルブ１の弁部１３はバルブシート２
１の流路を開放することになる。

【００１６】つぎの閉弁のタイミングにては、Ａ電磁石
７への通電をオフにすることにより、スプリング３の弾
性力によって電磁バルブは上方に引上げられ、弁部１３
が着座して流路が閉鎖される。

【００１７】以上、本発明を上述の実施例によって説明
したが、本発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であ
り、これらの変形を本発明の範囲から排除するものでは
ない。

【００１８】

【発明の効果】上述の実施例のように本発明によれば、
バルブステムにプランジャ型電磁石のプランジャと、磁
気漏れ型電磁石の吸引子とを取付け、駆動初期には両者
の電磁石にそれぞれ通電するので、プランジャ型電磁石
ではストロークが長いため多少吸引力が弱くても、磁気
漏れ型電磁石の吸引力が加わって力強い駆動が開始さ
れ、この駆動後はプランジャ型電磁石のみの通電でも、
ストロークが短縮されたため磁束密度が大となり、大き
な吸引力が得られて十分な駆動が行えるという効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる電磁駆動バルブの一実施例の縦
断面図である。

【符号の説明】

１…電磁バルブ ３…スプリング ４…Ａプランジャ ５…Ａ電磁石 ６…Ｂプランジャ ７…Ｂ電磁石 １１…ステム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内燃機関の吸排気バルブを電磁石の電磁力
   により開弁し、スプリングの弾性力により閉弁させる電
   磁駆動バルブにおいて、前記の吸排気バルブの移動方向
   に直列にステムへ取付けたプランジャ型電磁石のプラン
   ジャおよび磁気漏れ型電磁石の吸引子と、内燃機関に固
   定して配置した前記プランジャに対応する電磁石および
   吸引子に対応する電磁石と、吸排気バルブの開弁初期に
   両電磁石に通電し初期駆動後はプランジャに対応する電
   磁石のみに通電する通電手段とを有することを特徴とす
   る電磁駆動バルブ。