JPH06299793A - コンクリート覆工用クラック防止装置 - Google Patents

コンクリート覆工用クラック防止装置

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JPH06299793A
JPH06299793A JP5086512A JP8651293A JPH06299793A JP H06299793 A JPH06299793 A JP H06299793A JP 5086512 A JP5086512 A JP 5086512A JP 8651293 A JP8651293 A JP 8651293A JP H06299793 A JPH06299793 A JP H06299793A
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joint
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Hidetoshi Hara
秀利 原
Takashi Kawai
尚 河合
Takashi Okada
喬 岡田
Kazunori Kawahara
一則 川原
Yukihisa Inagawa
雪久 稲川
Takeshi Aizaki
毅 相崎
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリートの打設長を長くしても打設した
コンクリートのクラック発生を確実に防止するととも
に、脱型を短時間で行う。 【構成】 二次覆工が行われるトンネル内には長手方向
に12枚のコンクリート用型枠7が配置され、その6,
7枚目間には周方向に間欠的に複数(11個)の開口を
有するジョイント型枠7aが介在されている。各開口に
は1枚の目地形成板13とそれを支持する2本の油圧シ
リンダ14からなるクラック防止装置12が設置されて
いる。目地形成板13は開口に挿通され、2本の油圧シ
リンダ14はジョイント型枠7aにそれぞれ固定されて
いる。油圧シリンダ14は操作盤16により油圧制御装
置15を介して駆動制御され、目地形成板13は油圧シ
リンダ14の伸縮動作に基づいて開口から出没可能とな
っている。目地形成板13はコンクリートの養生時に開
口から突出され、脱型時に開口内に収納される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばトンネルのコン
クリート覆工において、打設したコンクリートに強制的
に目地を形成することによりコンクリートの養生時に発
生するクラックを防止するコンクリート覆工用クラック
防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図9に示すように、トンネルの二
次覆工作業は、一次覆工されたトンネル穴41の内周壁
に沿って所定の間隔を隔てて移動式のコンクリート用型
枠42を配置し、その間隙部43にコンクリートを打設
することにより行われる。そして、打設したコンクリー
トを養生してコンクリートが固化すると、コンクリート
用型枠42を打設面から脱型させて次の打設位置へと移
動させる。こうしてコンクリート用型枠42を順次に移
動させながらコンクリートを打設してゆくことによりト
ンネルの二次覆工作業は行われる。従って、1回のコン
クリートの打設長を長くすることにより、トンネルの二
次覆工作業の省力化及び施工期間の短縮化を図ることが
期待される。
【0003】しかし、コンクリートは養生時に一定の収
縮率を有し、1回のコンクリートの打設長が長くなるに
つれて養生時におけるコンクリートの収縮量が大きくな
るため、コンクリートに大きな引張張力が発生する。例
えば、その引張張力がコンクリートの比較的に弱い部位
に応力集中してコンクリートの引張強度以上に達する
と、その部位からクラックが発生してしまう。そのた
め、一般に二次覆工に使用されるコンクリート用型枠4
2はトンネルの長手方向に対して15m以内とされてい
る。
【0004】1回のコンクリートの打設長を長くしても
クラックの発生を防止する方法として幾つか提案されて
いる。例えば、コンクリート用型枠42の成形面にその
周方向に沿って放射状に突出する目地形成板を固定し、
この目地形成板により打設したコンクリートに強制的に
目地(以下誘発目地という)を形成させてコンクリート
の養生時の収縮を誘発目地により緩和させる方法があ
る。この方法では目地形成板はコンクリート用型枠42
に対して固定式のため、コンクリート用型枠42の脱型
とともに目地形成板は打設面から抜き取られるようにな
っている。また、その他に打設したコンクリートにコン
クリートカッターで目地を切り込んでこの切り込んだ目
地によりコンクリートの養生時の収縮を緩和させてクラ
ックの発生を防止する方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、コンクリー
ト用型枠42は脱型後に次の打設場所まで移動される
が、固定式の目地形成板による方法では、この移動時に
目地形成板の先端が覆工したコンクリートに当たらない
ように目地形成板をコンクリート内周面よりも内方側に
確実に移動配置させる必要がある。そのため、目地形成
板の突出長は一定の範囲内に制限されるので、誘発目地
をより深く形成することによりクラックの発生防止に効
果的に対処することができなかった。特に、20m程度
にまで達するコンクリート用型枠42に対しては目地形
成板の突出長を充分に長くする必要があり、固定式の目
地形成板ではクラック防止の効果が充分に期待できない
のが現状である。
【0006】これに対し、型枠42の脱型方向への移動
距離を充分に長く設定して目地形成板の突出長を充分に
長くすることも可能ではあるが、それに伴って脱型時間
が長くなり脱型作業の作業効率が低下するという問題が
ある。さらに、目地形成板を取り外し式にして脱型時に
目地形成板を取り外すことが考えられるが、目地形成板
の取り付け取り外し作業に長時間を要し、二次覆工作業
の作業効率が低下するという問題がある。一方、コンク
リートカッターで目地を切り込む方法においては、目地
の切り込み作業がコンクリートの打設作業に加え余分な
作業となるため、同様に二次覆工作業の作業効率が低下
するという問題がある。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的はコンクリートの打設長が
長くなっても養生時におけるコンクリートのクラック発
生を確実に防止するとともに、脱型を短時間で行うこと
ができるコンクリート覆工用クラック防止装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するため、請求項1に記載の発明では、コンクリート
覆工用の型枠の成形面に対してコンクリートの打設領域
側に進退移動可能に配設された目地形成部材と、前記目
地形成部材を、前記目地形成部材が打設後の流動状のコ
ンクリート中に没入可能な作用位置と該作用位置にある
前記目地形成部材が固化したコンクリートから離間可能
な待機位置とに移動配置させる駆動手段とを備えた。
【0009】請求項2に記載の発明では、前記目地形成
部材を作動流体により膨張・収縮可能な中空部材より構
成した。
【0010】
【作用】従って、請求項1に記載の発明によれば、コン
クリート覆工におけるコンクリートの養生開始時には、
目地形成部材は駆動手段により作用位置に移動配置され
て打設後の流動状のコンクリート中に没入した状態とな
る。その結果、打設後のコンクリートは目地形成部材に
より幾つかのブロックに間欠的に仕切られる。コンクリ
ートは養生中に収縮しようとするが、その収縮は目地形
成部材により仕切られた各ブロック毎になかば分断され
た状態で行われる。収縮に伴って各ブロックでコンクリ
ート内に発生する歪みは、目地形成部材のコンクリート
中への没入により形成される目地に吸収されてて緩和さ
れる。また、全コンクリートの収縮量は各ブロック毎に
分配されるので、各ブロックで発生するコンクリートの
引張応力は形成されるブロック数に応じて小さくなる。
従って、1回のコンクリートの打設長を長くしても、各
ブロックで発生する引張応力はコンクリートの引張強度
より小さく抑えられるので、コンクリートにクラックが
発生することは防止される。
【0011】また、型枠の脱型時には、目地形成部材は
駆動手段により待機位置に移動配置される。そのため、
目地形成部材は型枠に対してコンクリートから離間する
方向に相対移動される。従って、目地形成部材の先端ま
でをコンクリートの打設面から脱型するために必要とな
る型枠の移動距離は短くてすむ。その結果、脱型時間は
相対的に短縮される。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、中空部材
より構成された目地形成部材に駆動手段により作動流体
が送られると、目地形成部材は膨張して作用位置に配置
される。また、目地形成部材中の作動流体が駆動手段に
より目地形成部材から排出されると、目地形成部材は収
縮して待機位置に配置される。
【0013】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明を具体化したコンクリート
覆工用クラック防止装置をトンネルのナトム工法におけ
る二次覆工に使用した第1実施例について図1〜図5に
基づいて説明する。
【0014】図1,2に示すように、トンネル穴1内の
内周面には一次覆工にてコンクリートの一次周壁2が形
成されるとともに、底面にはコンクリートの路盤3が形
成されている。この路盤3上にはトンネル穴1の長手方
向に沿ってレール4が敷設され、支持フレーム5はトン
ネル穴1の中央において長手方向に延びるように、ジャ
ッキ6等を介してレール4上に移動可能に組み立て配置
されている。
【0015】コンクリート用型枠7は柱5a、梁5b及
び図示しないターンバックル等を介して前記支持フレー
ム5に支持され、上下3段に積み上げられて一次周壁2
の内面に沿って所定の間隙8をおいてアーチ形状に組み
立て配置されている。図2に示すように、このコンクリ
ート用型枠7はトンネル穴1の長手方向に12枚並べら
れ、中央に位置する6枚目と7枚目のコンクリート用型
枠7の間にはジョイント型枠7aが介在されている。
【0016】1枚のコンクリート用型枠7の幅は1.5
m、ジョイント型枠7aの幅が0.6mであり、ジョイ
ント型枠7aを挟む両側のコンクリート用型枠7の幅が
他のコンクリート用型枠7の幅よりもやや短く設定さ
れ、1回のコンクリートの打設長に相当する1組のコン
クリート用型枠7の全長(スパン)は18mとなってい
る。そして、この1組のコンクリート用型枠7の設置、
間隙8へのコンクリートの打設及びコンクリート用型枠
7の脱型をトンネル穴1の長手方向へ順次に繰り返し行
うことにより、トンネル穴1の一次周壁2の内面に二次
周壁を形成するようになっている。
【0017】コンクリート用型枠7には長手方向に対し
てほぼ1枚おきに数個のコンクリート打設口9が形成さ
れ、このコンクリート打設口9を通して図示しないコン
クリートポンプから間隙8内にコンクリートが打設され
るようになっている。また、各コンクリート用型枠7に
は数個の検査窓10がそれぞれ形成されている。これら
のコンクリート打設口9及び検査窓10には蓋が設けら
れている。一方、ジョイント型枠7aには図4,5に示
すように幅中央に周方向に沿った複数(本実施例では1
1箇所)の細長形状の開口11が間欠的に形成され、各
開口11にはクラック防止装置12がそれぞれ配設され
ている。このクラック防止装置12は1枚の目地形成板
13と2本の油圧シリンダ14を備えている。
【0018】図3,4に示すように、ジョイント型枠7
aの成形面7bには開口11の周縁に沿って高さ9cm
の凸部7cが形成され、コンクリートの脱型後に凸部7
cによってコンクリートの成形面に形成される溝にシー
ル材を充填して止水対策が採られるようになっている。
クラック防止装置12の目地形成部材13は凸部7cの
内周面に沿って開口11に挿通されるとともに、その下
端両側で連結部材13aを介して2本の油圧シリンダ1
4のピストン14aと回動可能に連結されている。2本
の油圧シリンダ14は軸14cを介してそれぞれジョイ
ント型枠7aに連結固定され、油圧シリンダ14のピス
トン14aの伸縮運動に伴って目地形成板13が凸部7
cの内周面に沿って開口11を通って出没可能となって
いる。油圧シリンダ14の収縮状態において目地形成板
13の先端は凸部7cの上端面と面一となり(図5参
照)、油圧シリンダ14を伸長させることにより成形面
7bから外方へ25cmの高さまで突出可能となってい
る(図4参照)。また、各目地形成部材13の下端には
油圧シリンダ14との連結付近に2つの振動機17が設
置され、コンクリートの打設時には振動機17を運転さ
せることにより目地形成板13の周辺でコンクリートに
空隙が発生しないようにしている。
【0019】各クラック防止装置12の油圧シリンダ1
4は図2に示すように油圧ホース15aを介して油圧制
御装置15と接続され、さらに油圧制御装置15は操作
盤16と電気的に接続されている。従って、操作盤16
を操作することにより各クラック防止装置12に設けら
れた1対の油圧シリンダ14は油圧制御装置15を介し
て同調して伸縮動作するようになっている。また、各ク
ラック防止装置12の目地形成板13の先端形状は、そ
の挿通された開口11における成形面7bとほぼ同じ曲
率を有する円弧状であり、目地形成板13の先端は成形
面7bに対して常にほぼ平行な状態を維持したまま出没
可能となっている。
【0020】こうしてジョイント型枠7aの各開口11
に装備された11機のクラック防止装置12が油圧シリ
ンダ14を伸長させることにより、各目地形成板13は
図2に示すように間隙8をその長手方向で2つの区域
(ブロック)に仕切るようにジョイント型枠7aの成形
面7bから放射状に突出するようになっている。なお、
本実施例では間隙8の厚み(巻厚)は30cmに設定さ
れている。
【0021】次に、このクラック防止装置12の作用に
ついて図1〜図5に従って説明する。二次覆工における
コンクリートの打設作業を行う場合には、はじめに操作
盤16のスイッチを操作してクラック防止装置12の目
地形成板13を所定の位置まで上昇させた状態とし、図
示しないコンクリートポンプを用いてコンクリート打設
口9からコンクリートを打設する。その際、操作盤16
を操作して各目地形成板13の下端に設置された振動機
17を運転させ、各目地形成板13の周辺でコンクリー
トに空隙が形成されないように打設したコンクリートに
振動が与えられる。
【0022】コンクリートの打設作業が終了すると、コ
ンクリートは硬化して強度を有するようになる養生され
る。このとき、各目地形成板13は上昇されたままの状
態でコンクリート内に挿入された状態とされる。そのた
め、打設されたコンクリートはジョイント型枠7aの成
形面7bから間欠的に突出する目地形成板13により2
つのブロックになかば強制的に仕切られた状態となる。
この養生中にコンクリートは発生した水和熱の降温に伴
う熱収縮や硬化及び乾燥収縮等により所定の収縮率で収
縮しようとする。
【0023】ところが、養生中のコンクリートは流動性
を失って脆性を有するうえ一次周壁2との摩擦により実
際には収縮できないため、コンクリート内部には収縮率
に応じた収縮量分に相当する歪みが発生する。その結
果、コンクリートにはその歪みを緩和させるように引張
応力が働く。
【0024】しかし、打設されたコンクリートは目地形
成板13により2つのブロックになかば強制的に仕切ら
れた状態にあるため、コンクリートの収縮は2つのブロ
ック毎になかば個別に行われる。その際、コンクリート
内の歪みは挿入された目地形成板13によりコンクリー
トの長手中央(各ブロックの境界部)に形成された誘発
目地に一部吸収される。さらに、コンクリート全体の歪
みは2つのブロックにほぼ均等に分散されるため、各ブ
ロックに働く引張応力がコンクリートの比較的に弱い部
位に応力集中された最大引張応力は、従来の2つのブロ
ックに分割されてないときに比べてほぼ半分となる。そ
のため、各ブロックにおける最大引張応力はコンクリー
トの引張強度を越えることがない。その結果、この養生
時にコンクリートにはクラックが発生しない。
【0025】コンクリートの養生が終わると、コンクリ
ート用型枠7の脱型が行われる。この脱型過程に、クラ
ック防止装置12の目地形成板13は操作盤16のスイ
ッチの操作により油圧シリンダ14のピストン14aを
収縮させることにより目地形成板13をコンクリート用
型枠7の成形面7bに対して突出状態から凸部7cの上
端まで開口へ没入させる。脱型時には目地形成板13を
二次覆工された二次周壁から確実に離間させた状態とし
て、コンクリート用型枠7を次の打設場所へと移動させ
る必要があるが、クラック防止装置12の目地形成板1
3は凸部7cの上端位置まで没入されるため、脱型に要
する移動距離はコンクリート用型枠7の成形面7bに対
して凸部7cの高さ分に相当する9cmだけ余分に移動
させるだけでよい。従って、目地形成板13の先端を養
生されたコンクリートの成形面から完全に脱型するため
に必要となるコンクリート用型枠7の脱型距離は、従来
の固定式の目地形成板に比べて目地形成板13の伸縮可
能な距離分(本実施例では16cm)だけ相対的に短く
てすむ。その結果、従来の固定式の目地形成板に比べて
脱型時間を短縮することができる。また、コンクリート
用型枠7の移動は、クラック防止装置12がコンクリー
ト用型枠7に固定されたままの状態で行われるので、ク
ラック防止装置12の取り外し作業を必要としない。そ
の結果、コンクリート用型枠7の設置及び移動作業に余
分な手間がかからない。
【0026】以上詳述したように、本実施例のコンクリ
ート覆工用クラック防止装置12によれば、コンクリー
ト用型枠7のスパン中央にジョイント型枠7aを介在さ
せ、ジョイント型枠7aの周方向に形成された開口11
にクラック防止装置12を配設し、目地形成板13を油
圧シリンダ14を介して伸縮自在とした。そのため、打
設されたコンクリートは目地形成板13により2つのブ
ロックに仕切られるため、養生時にコンクリートに働く
引張応力は誘発目地により緩和されるとともに、コンク
リートの比較的に弱い部位に働く最大引張応力は半減さ
れる。てコンクリートの引張強度を越えることがない。
その結果、コンクリートの打設長が15m以上となる場
合にも、コンクリートにクラックが発生することがない
ので、1回の打設長を長くして二次覆工作業の省力化及
び施工期間の短縮化を図ることができる。
【0027】また、クラック防止装置12の目地形成板
13が伸縮自在であることから、脱型時に目地形成板1
3を収縮させることにより脱型に要する移動距離を小さ
くして脱型時間を短縮することができる。さらに、目地
形成板13の成形面7bからの突出長は調整可能である
ため、この突出長を適宜に選択して効果的にクラックを
防止できるうえ、コンクリートの巻厚の異なるトンネル
の二次覆工に対しても汎用性を有する。また、開口11
の周囲に沿って凸部7cを形成し、脱型後のコンクリー
トに誘発目地とともに止水用溝が形成されるようにした
ので、止水用溝を形成する工事を不要とすることができ
る。また、各クラック防止装置12の操作は操作盤16
により集中コントロールしているので、その作業性を極
めて良好とすることができる。 (第2実施例)次に、本発明を具体化したコンクリート
覆工用クラック防止装置をトンネルのナトム工法におけ
る二次覆工に使用した第2実施例を図6,7に基づいて
説明する。
【0028】本実施例のクラック防止装置12は目地形
成部材が中空形状のゴムより構成され、エアの吸排気に
より目地形成部材を出没させる構成となっている。な
お、この実施例において、前記第1実施例と同一の構成
については同一の符号を付して説明を省略し、特に異な
った点についてのみ説明する。
【0029】図6に示すように、12枚のコンクリート
用型枠7のうち6,7枚目間に配置されたジョイント型
枠7aにはゴム製の目地形成部材18を備えたクラック
防止装置12が配設されている。目地形成部材18は中
空形状の胴部18aと胴部18aの下面両端から下方に
延設される2枚の脚部18bから構成されている。ジョ
イント型枠7aとその両側に隣接するコンクリート用型
枠7との間には鋼材19を介してボルト固定され、この
鋼材19を介することにより形成された各間隙20に目
地形成部材18の枚の脚部18bをそれぞれ狭持してボ
ルト固定することにより目地形成部材18はコンクリー
ト用型枠7及びジョイント型枠7aと固定されている。
こうして目地形成部材18は胴部18aをジョイント型
枠7aの成形面7b上の周方向にわたって配置する構成
となっている。
【0030】また、目地形成部材18の胴部18aは中
空内部で周方向に対して垂直な図示しない隔壁により7
つの隔室18cに分離され、各隔室18cの底部に形成
された吸排気口にはエアカップラ21が嵌合されてい
る。エアカップラ21は図7に示すようにエアホース2
2を介して空気圧制御装置23と接続されている。空気
圧制御装置23は操作盤24と接続され、操作盤24の
操作スイッチを操作することにより目地形成部材18の
胴部18aの各隔室18c内の空気圧は集中コントロー
ルされるようになっている。また、コンクリート用型枠
7の成形面から突出する目地形成部材18の胴部18a
の周方向に沿った両側には所定間隔をおいて鋼製のハン
チ25が形成されている。
【0031】従って、コンクリートの打設時には、クラ
ック防止装置12の目地形成部材18の胴部18aは操
作盤24の操作スイッチを操作して空気圧制御装置23
を介して各隔室18c内にエアを吸入することにより膨
張した状態とされる。そして、コンクリートの養生は目
地形成部材18を膨張した状態のまま行われる。その
際、コンクリートは目地形成部材18により2つのブロ
ックに仕切られるとともに、スパンの中央位置に誘発目
地が形成される。この養生時に一次周壁に高速されたコ
ンクリート内にはその収縮率に対応する歪みが発生する
が、この歪みは誘発目地により緩和されるとともに目地
形成部材18により2つのブロックに分散される。その
結果、それぞれのブロックにおいてコンクリートの比較
的に弱い部位に応力集中してもその引張応力はコンクリ
ートの引張強度を越えることがないので、コンクリート
にクラックは発生しない。
【0032】また、コンクリートの養生後の脱型時には
目地形成部材18は収縮され、コンクリート用型枠7の
脱型に要する移動距離は目地形成部材18の収縮分だけ
短縮される。そのため、脱型時間を短くすることがで
き、打設サイクルは短縮される。
【0033】さらに、目地形成部材18は弾性力のある
ゴム製であるうえ、脱型時には目地形成部材18の胴部
18a内の空気を排気させて胴部18aを収縮させる方
法を採用しているため、脱型時にコンクリートに余分な
負荷を与えるおそれがない。
【0034】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに構成することもできる。 (1)第1実施例では、ジョイント型枠7aの成形面7
b側に形成した凸部7cによりコンクリートの成形面に
止水溝を形成する構成としたが、図8(a)に示すよう
に目地形成板13に肉厚部13bを形成して肉厚部13
bにより止水溝を形成する構成としてもよい。この場
合、図8(b)に示すように目地形成板13の先端まで
を開口11内に完全に収納させることができるので、脱
型時のコンクリート用型枠7の移動距離を最小限とする
ことができる。さらに、凸部7cを形成しない構成とし
てもよい。
【0035】(2)第1実施例では、目地形成板13が
間隙8を周方向に間欠的に仕切るように各クラック防止
装置12を配置したが、各クラック防止装置12の配置
位置は適宜に設定してよい。例えば、目地形成板13が
間隙8の周方向に沿って互いの端部で一部が重なって接
するちどり状となるようにして、間隙8が各目地形成板
13により間欠なく連続して仕切られるように各クラッ
ク防止装置12を配置してもよい。
【0036】(3)第1実施例では、駆動手段として油
圧シリンダ14を使用したが、例えばモータ等のその他
のアクチュエータとしてもよい。 (4)第1実施例において、凸部7cに離型剤塗布機構
を設置して目地形成板13を開口11から出没させる度
に目地形成板13の表面に離型剤を塗布できる構成とし
てもよい。
【0037】(5)上記各実施例において、コンクリー
ト用型枠7及びジョイント型枠7aの成形面7b、凸部
7c又は目地形成板13等にポリウレタンやエポキシ樹
脂等により脱型し易いように表面処理を施してもよい。
【0038】(6)上記各実施例では、各クラック防止
装置12によりコンクリートのスパン中央の周方向に沿
って誘発目地を1本(但し、第1実施例では間欠的な誘
発目地)入れたが、誘発目地の方向や本数は適宜に設定
してもよい。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、コ
ンクリートの打設長が長くなっても養生時におけるコン
クリートのクラック発生を確実に防止するとともに、脱
型を短時間で行うことができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例において、トン
ネル内に組み立てられたコンクリート用型枠を示す斜視
図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】クラック防止装置の一部破断した要部正面図で
ある。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】油圧シリンダが収縮した状態にあるクラック防
止装置の断面図である。
【図6】第2実施例におけるクラック防止装置の側断面
図である。
【図7】クラック防止装置のエア供給制御システムを示
す模式断面図である。
【図8】別例のクラック防止装置の側断面図であり、
(a)は油圧シリンダの伸長状態、(b)は油圧シリン
ダの収縮状態を示す。
【図9】従来技術のコンクリート用型枠を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
7…型枠としてのコンクリート用型枠、7a…型枠を構
成するジョイント型枠、12…クラック防止装置、13
…目地形成部材としての目地形成板、14…駆動手段を
構成する油圧シリンダ、15…駆動手段を構成する油圧
制御装置、18…目地形成部材、22…駆動手段を構成
するエアホース、23…駆動手段を構成する空気圧制御
装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 尚 愛知県名古屋市中川区西日置1丁目1番5 号 株式会社熊谷組名古屋支店内 (72)発明者 岡田 喬 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 川原 一則 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 稲川 雪久 岐阜県本巣郡真正町十四条144番地 岐阜 工業 株式会社内 (72)発明者 相崎 毅 岐阜県本巣郡真正町十四条144番地 岐阜 工業 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート覆工用の型枠(7)の成形
    面(7b)に対してコンクリートの打設領域側に進退移
    動可能に配設された目地形成部材(12,18)と、 前記目地形成部材(12,18)を、前記目地形成部材
    (12,18)が打設後の流動状のコンクリート中に没
    入可能な作用位置と該作用位置にある前記目地形成部材
    (12,18)が固化したコンクリートから離間可能な
    待機位置とに移動配置させる駆動手段(14,15,2
    2,23)とを備えたことを特徴とするコンクリート覆
    工用クラック防止装置。
  2. 【請求項2】 前記目地形成部材(12,18)は作動
    流体により膨張・収縮可能な中空部材よりなることを特
    徴とする請求項1に記載のコンクリート覆工用クラック
    防止装置。
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