JP6364674B2 - コンクリート打継目形成方法 - Google Patents

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本願発明は、コンクリートの打継目の形成に関する技術であり、より具体的には、型枠に固定したバルーンの膨張を利用して陥没箇所を有するコンクリート打継目を形成する方法である。
本来、コンクリート構造物は一体として構築することが望ましいが、温度応力や乾燥収縮によるひび割れを抑制するため、あるいは一日当たりの施工能力の限界から、複数のブロックに分けてコンクリート構造物を構築することがある。この場合、隣接するコンクリートブロック間には、「打継目」と呼ばれる不連続面が生ずる。特に、コンクリートを鉛直方向に打ち継ぐ場合に生ずる水平方向の不連続面を「水平打継目」、コンクリートを水平方向に打ち継ぐ場合に生ずる鉛直方向の不連続面を「鉛直打継目」と呼んでいる。
打継目は、不連続面であるが故に、構造物全体でみるとせん断力に対する弱点や漏水の原因になりやすい。そこで、コンクリート標準示方書[施工編]では、種々の処理を施したうえで打継目を形成するよう規定している。例えば水平打継目では、下層コンクリートブロック(先打ちコンクリート)の打込み面に処理を施すこととしており、硬化前処理方法と硬化後処理方法を挙げている。硬化前処理方法は、コンクリートの凝結終了後、高圧水や高圧空気でコンクリート表面の薄層を除去し、粗骨材を表面に露出させる方法である。硬化後処理方法は、先打ちコンクリートの表面をワイヤブラシで削るか、サンドブラストを行った後水で洗うことで、表面を粗にする方法である。
また鉛直打継目では、硬化した先打ちコンクリートの表面を、ワイヤブラシ、手はつり、機械はつりによって粗にする方法を挙げている。あるいは型枠表面に遅延剤を塗布し、先打ちコンクリート表面の薄層部の凝結を計画的に遅延させることで、つまり処理時間をうまく調整することで、硬化前処理を行う方法も示している。さらに、打継目の型枠に金網等を用いて鉛直打継目を粗にする方法も挙げている。
このように先打ちコンクリート表面を粗に仕上げることで、後打ちコンクリートとの付着を強力にし、その結果、せん断力に対する抵抗が上がるとともに、止水効果も向上することとなる。しかしながら、コンクリート表面を粗にする作業はいずれも著しい労力を要するにもかかわらず、一体に打込んだコンクリートに比べると当然ながら打継目の力学的特性は劣る。
図6は、打継目がある場合とない場合の力学的特性を比較した図であり、(a)は直接引張強度を比較したグラフ、(b)はせん断力を比較したグラフである。なお、打継目としては表面をチッピングしたケース、遅延剤を用いたケース、そして後に説明する本願発明のケースの3種類を示している。この図からわかるように、仮に打継目なしの力学的特性を目標値とすると、チッピングによる打継目では直接引張強度、せん断力ともに目標値を若干上回っているものの、遅延剤を用いた打継目では直接引張強度、せん断力ともに目標値を下回っている。つまり、遅延剤を用いた打継目は、手間とコストをかけた割には力学的特性の大きな向上が見られないわけである。また、この試験が理想的な室内環境で行われたことを考え合わせれば、現実の施工ではチッピングによる打継目も著しい労力をかけたとしても、目標値を下回ることが十分予想される。
ところで、打継目に相当の大きさの凹凸面を設けると、直接引張強度やせん断力といった力学的特性が大幅に向上することが知られ、これまでにも打継目を凹凸にする方法について種々提案されている。例えば、特許文献1では、突起部または凹凸部が設けられた仕切板を用い、この仕切板の両側に先打ちコンクリート、後打ちコンクリートを打込む方法を提案している。なお、この仕切版はコンクリート打込み後も撤去せず、躯体内に埋設させたままとする。また、特許文献2では、エンボス加工により凸状突起を多数備えた合成樹脂製のシート材を、コンクリート型枠に貼りつける方法を提案している。このシート材の凸状突起により、先打ちコンクリート表面に凹部が形成されるわけである。このシート材はコンクリート型枠を脱型する際に容易に破断されるよう、その材質はフィラー混入のポリプロピレンとしている。
特開2006−193985号公報 特開2001−182322号公報
特許文献1、特許文献2ともに、先打ちコンクリートに凹部を設けるものであり、相当に力学的特性が向上することが期待できる。しかしながら、特許文献1では「仕切版」をコンクリート躯体内に埋設させ、特許文献2では「シート材」を破断させることとしており、いずれも凹部を形成するための材料を転用することはできない。すなわちこれらの方法は、経済性、あるいは環境面において問題があると指摘できる。
本願発明の課題は、従来の問題を解決することであり、すなわち、著しいい手間やコストをかけることなく力学的特性の高い打継目を形成し、しかも、打継目の形成に用いる材料の転用が可能な、コンクリート打継目形成方法を提供することである。
本願発明は、バルーンの膨張を利用することで打継目に陥没形状を形成する、というこれまでにない発想に基づいて行われたものである。
本願発明のコンクリート打継目形成方法は、少なくともバルーン固定工程、バルーン膨張工程、コンクリート打込み工程、脱型工程を備えた方法である。バルーン固定工程では、コンクリート型枠にバルーンを固定し、バルーン膨張工程では、コンクリート型枠を組み立てた後に加圧手段によってバルーン内を加圧してバルーンを膨張させる。また、コンクリート打込み工程では、バルーンの膨張を維持した状態でコンクリートの打込みを行い、脱型工程では、打込み後コンクリートが所定強度以上になるまで養生した後、バルーン内を減圧してバルーンを収縮させてコンクリート型枠を取り外す。
本願発明のコンクリート打継目形成方法は、加圧手段から送られる圧縮空気等が流過する「流過部」を形成した方法とすることもできる。この場合、バルーン固定工程では、固定釘等によってバルーンをコンクリート型枠に固定し、この固定する箇所(以下、「固定部」という。)を一つのバルーンにつき離散的かつ複数の箇所に設ける。そして、バルーン膨張工程において固定部と固定部との間に「流過部」が形成され、この流過部を圧縮空気等が流過するわけである。この結果、打継目には2箇所以上の陥没形状が設けられることとなる。
本願発明のコンクリート打継目形成方法は、固定磁石を利用してバルーンをコンクリート型枠に固定することもできる。この場合、コンクリート型枠は鋼製のものが用いられ、バルーンには2以上の箇所で固定磁石が取り付けられる。つまり、固定磁石を取り付けた箇所が固定部となり、バルーンはコンクリート型枠に固定される。
本願発明の「コンクリート打継目形成方法」には、次のような効果がある。
(1)現実の環境においても、打継目がない場合と同等以上の力学的特性を確保することができる。
(2)従来から用いられているコンクリート型枠とバルーンを利用するため、その材料は汎用的・経済的であり、極めて容易に準備することができる。
(3)また、バルーンを膨張させた状態を維持したままコンクリートを打込むだけで陥没形状が形成され、しかもバルーンを収縮させることで容易にコンクリート型枠を脱型することができる。このように、極めて施工性に優れた方法である。
(4)固定部の配置や間隔を適宜選択することによって、あるいはあらかじめ所定形状となるようにバルーンを加工しておくことによって、所望の陥没形状を形成することができる。
(5)打継目形成後は、コンクリート型枠、バルーンともに回収され、しかもバルーンはコンクリート型枠から取り外すことができるので、使用材料を転用することができる。つまり、経済性・環境面において極めて優れた方法といえる。
本願発明の主な工程の流れを示すフロー図。 バルーンをコンクリート型枠に固定したバルーン付型枠を示す正面図。 千鳥配置のバルーンをコンクリート型枠に固定したバルーン付型枠を示す正面図。 固定磁石を用いてバルーンを鋼製のコンクリート型枠に固定した状態を示す断面図。 (a)は型枠組立完了後の断面図、(b)はバルーン膨張完了後の断面図、(c)はバルーン収縮完了後の断面図、そして(d)は後打ちコンクリート施工後の断面図。 (a)は打継目がある場合とない場合の直接引張強度を比較したグラフ図、(b)は打継目がある場合とない場合のせん断力を比較したグラフ図。
本願発明のコンクリート打継目形成方法の一例を、図に基づいて説明する。
1.全体概要
図1は、本願発明の主な工程の流れを示すフロー図であり、中央の列に実施する工程を示し、左列にはその工程に必要な材料等を、右列にはその工程から作成される物等を示している。はじめに、このフロー図を参考にして本願発明の全体概要について説明する。なお、本願発明は水平打継目と鉛直打継目の両方に適用できる方法であるが、便宜上ここでは、鉛直打継目の場合で説明することとする。
コンクリートの打継目は、隣接する2つのコンクリートブロックの間に形成されるわけであるが、当然ながらどちらか一方のコンクリートブロックが先に構築され、他方のコンクリートブロックが後に構築される。ここでは、先に構築するコンクリートブロックを「先打ちコンクリート」、後に構築するコンクリートブロックを「後打ちコンクリート」ということとする。図1では、先打ちコンクリートの工程と後打ちコンクリートの工程をそれぞれ別の破線枠で囲って示している。
まず、コンクリート型枠とバルーンを用意し、このバルーンをコンクリート型枠に固定して「バルーン付型枠」を作成するバルーン固定工程(Step10)を行う。このバルーン固定工程は、コンクリート打込み現場の周辺で行うこともできるし、工場や他のヤード等でバルーン付型枠を作成し現地まで搬送することもできる。一方、コンクリート打込み現場では、設計図面に従って、鉄筋を組み立てる鉄筋組立工程(Step20)を行う。図1では、バルーン固定工程の後続工程として鉄筋組立工程を示しているが、これらの工程は並行して進めることもできる。
鉄筋が組み立てられると、バルーン固定工程で作成したバルーン付型枠を設計図に基づいて組み立てる型枠組立工程(Step30)を行う。次に、送気管の一端をエアコンプレッサーなどの加圧手段に接続するとともに、送気管の他端をバルーン付型枠のバルーン内に挿入する。そして、加圧手段を作動してバルーン内に圧縮空気を送り、バルーンを膨張させるバルーン膨張工程(Step40)を行う。
バルーンが膨張すると、所定配合のコンクリートを型枠内に投入していくコンクリート打込み工程(Step50)を行う。このとき、フレッシュコンクリートの側圧が作用してもバルーンの膨張状態が維持できるよう、加圧手段による加圧は続行する。コンクリートの打込みが終わると、型枠の取外しが可能な強度となるまでコンクリートを養生する一次養生工程(Step60)を行う。この養生期間は、種々の条件によって適宜設計することができるが、コンクリート標準示方書[施工編]では壁や柱などの場合、コンクリート圧縮強度が5.0N/mmとなるまで養生することとしている。
例えばテストピースの圧縮試験などによって、コンクリートの所定強度(型枠の取外しが可能な強度)が確認できると、加圧手段による加圧を停止しバルーン内を減圧していく。そして、バルーンが収縮した状態となると、バルーン付型枠を脱型する脱型工程(Step70)を行う。脱型したバルーン付型枠を、さらにコンクリート型枠とバルーンに分離すれば、それぞれ洗浄するなどして次の現場で利用することができる。型枠を脱型した後、コンクリートを養生する二次養生工程(Step80)を行って、後打ちコンクリートを打込む。
以下、本願発明を構成する主要な要素ごとに詳述する。
2.バルーンの固定
図2は、バルーン10をコンクリート型枠20に固定したバルーン付型枠30を示す正面図である。この図に示すように、1枚のコンクリート型枠20に1つのバルーン10を固定すると、バルーン付型枠30の運搬や組み立てが容易になるので好適である。もちろん用意された材料の寸法・形状によっては、1枚のコンクリート型枠20に2以上のバルーン10を固定することもできる。また、コンクリート型枠20を組み立てた後にバルーン10を固定するケースでは、2枚以上のコンクリート型枠20に対して1つのバルーン10を固定してもよい。
バルーン10を構成する材料は、相当の弾性を有し、しかも相当の強度(圧縮、引張、せん断)を有するものが望ましく、例えばゴム製のバルーン10とすることができる。またバルーン10の通常(膨張前)の形状は、特に加工を施さない一様な平面のシート状とすることもできるし、例えば半球状など所望の形状に膨張させるため、あらかじめ所望形状に誘導すべく加工した(例えば若干膨らませておく)シート状とすることもできる。このバルーン10は、本願発明のために作成することもできるが、市販されている物から選択して使用する方が経済的である。一方、コンクリート型枠20は、従来からの汎用品である合板製のコンクリートパネルや鋼製のパネルを使用することができる。
バルーン10は、図2にも示すように複数の点でコンクリート型枠20に固定される。この固定した点を、ここでは「固定部40」ということとする。この固定部40は、それぞれ所定の間隔をもって配置される。図2では、縦横とも等間隔の正方格子で、6×9=54箇所の固定部40が設けられている。もちろんこの配置は一例であり、例えば図3に示す千鳥配置など、構築するコンクリート構造物に応じて適宜任意の配置とすることができる。特に、図3に示す千鳥配置とすると、凸状に膨張する箇所が上下で互い違いとなってより複雑な形状となることから、後打ちコンクリートとの付着がより強固になることが期待できて好適である。
固定部40と固定部40の間は、当然ながらバルーン10は固定されていない。したがって、後に詳述するバルーン膨張工程でバルーン10を膨張させる際、バルーン10のうち1箇所から圧縮空気等を送れば、固定部40と固定部40の間を圧縮空気等が流過することができるので、バルーン10全体に圧縮空気が行き渡る。つまり、固定部40と他の固定部40との間に、圧縮空気等が流過する「流過部50」が形成されるわけである。
バルーン10全体に圧縮空気等が行き渡ると、固定部40を除く部分は膨張していき凸形状を形成する。図2の場合、4点の固定部40で囲まれた部分(以下、「膨張部60」という。)が5×8=40箇所あり、すなわち圧縮空気等により内圧が上がると40箇所の膨張部60が所定の凸形状に膨張する。
なお、固定部40においてバルーン10をコンクリート型枠20に固定する方法は、固定しやすくしかも取り外しやすい手段によるのが望ましい。例えば、コンクリート型枠20が合板製の場合は、固定釘を利用してバルーン10を固定することができる。また、コンクリート型枠20が鋼製の場合は、固定磁石を利用してバルーン10を固定することができる。図4は、固定磁石70を用いてバルーン10を鋼製のコンクリート型枠20に固定した状態を示す断面図である。この図に示すように、バルーン10のうち固定部40となる箇所にあらかじめ固定磁石70を取り付けておき、この固定磁石70を鋼製のコンクリート型枠20に付着させることによって、バルーン10をコンクリート型枠20に固定する。固定磁石70は、接着剤などを用いることによってバルーン10に取り付けることができる。
3.バルーンの膨張
図5は、型枠組立工程から後打ちコンクリートの施工までの一連の工程を順次示す断面図であり、(a)は型枠組立完了後の断面図、(b)はバルーン膨張完了後の断面図、(c)はバルーン収縮完了後の断面図、そして(d)は後打ちコンクリート施工後の断面図である。既述のとおり、コンクリートの打込みを行う前に、バルーン10内を加圧し、バルーン10を所定の凸形状に膨張させる。バルーン10内を加圧する加圧手段は、例えばエアコンプレッサーを挙げることができる。加圧手段に送気管を連結し、送気管の排出口をバルーン10内に挿入する。そして、加圧手段から圧縮空気を送り込むことでバルーン10内を加圧し、バルーン10のうち膨張部60を膨張させていく。なお、バルーン10内の加圧手段は、圧縮空気を送る場合に限らず、ポンプ等を用いて水などを送り込むことで加圧することもできる。このように、バルーン10内を加圧することで、図5(a)に示すようにバルーン10のうち膨張部60がしぼんだ状態から、図5(b)に示すように膨張部60が膨張した状態となる。
4.コンクリートの打込み
バルーン10(膨張部60)の膨張が完了すると、コンクリート型枠20内にコンクリートを打込んでいく。このとき、膨張部60にはフレッシュコンクリートの側圧が作用する。この側圧によって膨張部60が変形してしまうと、最終的に得られる陥没形状が所望の形状とならない。したがって、膨張部60が変形しないよう、言い換えれば膨張部60の膨張状態が維持できるよう、膨張部60内にフレッシュコンクリートの側圧に抵抗し得る程度の圧力をかける。具体的には、加圧手段によって送り込まれた圧縮空気や水といった流体が、膨張部60から排出されないよう加圧し続ける。
5.脱型工程
コンクリートの打込みが完了すると、コンクリートが所定強度に達するまで養生を行う。テストピースの圧縮試験等により目的の養生が達成されたことが確認できると、バルーン付型枠30の脱型作業を始める。膨張部60が膨張したまま脱型すると、バルーン10が破損するそれもあるし、そもそも脱型作業が困難となる。そこで、まず膨張部60を収縮させる。膨張部60内に圧縮空気が送られた場合は、この圧縮空気を膨張部60から排出することで減圧する。膨張部60内に水が送られた場合は、この水を吸引排出することで減圧する。このように膨張部60内を減圧すれば、図5(c)に示すようにバルーン10のうち膨張部60が収縮する。このとき、バルーン10(特に膨張部60)の表面に剥離剤を塗布しておけば、より円滑に膨張部60が収縮できるので好適である。膨張部60の収縮後、バルーン付型枠30を取り外せば脱型工程が完了する。
6.後打ちコンクリートの施工
図5(c)に示すように、バルーン付型枠30を脱型すると、先打ちコンクリートの表面には複数の陥没形状80が形成されている。この陥没形状80が形成されたコンクリート打継目に対して、後打ちコンクリートを打込む。これにより、図5(d)に示すように、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートが噛み合い、しかも先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの付着面積が増大する。この結果、図6のグラフに示すように、本願発明の打継目のケースが、直接引張強度、せん断力ともに最大値となり、従来手法や打継目がない場合に比べても大幅に力学的特性が向上していることが分かる。
本願発明のコンクリート打継目形成方法は、長大擁壁やダム等の土木構造物、オフィスビル等の建築構造物、その他種々のコンクリート構造物に利用することができる。打継目が力学上の弱点とならないコンクリート構造物を提供することを考えれば、本願発明は産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
10 バルーン
20 コンクリート型枠
30 バルーン付型枠
40 固定部
50 流過部
60 膨張部
70 固定磁石
80 陥没形状

Claims (2)

  1. コンクリートの打継目を形成する方法において、
    一のバルーンにつき複数の箇所で、コンクリート型枠に該バルーンを固定するバルーン固定工程と、
    前記コンクリート型枠を組み立てた後に、加圧手段によって前記バルーン内を加圧して該バルーンを膨張させるバルーン膨張工程と、
    前記バルーンの膨張を維持した状態で、コンクリートを打込むコンクリート打込み工程と、
    打込み後コンクリートが所定強度以上になるまで養生した後、前記バルーン内を減圧して該バルーンを収縮させるとともに、前記コンクリート型枠を取り外す脱型工程と、を備え、
    後打ちコンクリートとの接触面に、2箇所以上の陥没形状が設けられた打継目を形成する、ことを特徴とするコンクリート打継目形成方法。
  2. コンクリートの打継目を形成する方法において、
    コンクリート型枠にバルーンを固定するバルーン固定工程と、
    一のバルーンにつき複数の箇所で該バルーンが固定されたコンクリート型枠を組み立てた後に、加圧手段によって前記バルーン内を加圧して該バルーンを膨張させるバルーン膨張工程と、
    前記バルーンの膨張を維持した状態で、コンクリートを打込むコンクリート打込み工程と、
    打込み後コンクリートが所定強度以上になるまで養生した後、前記バルーン内を減圧して該バルーンを収縮させるとともに、前記コンクリート型枠を取り外す脱型工程と、を備え、
    前記バルーン膨張工程では、前記バルーンが固定された固定部と他の固定部との間に、前記加圧手段から送られる流体が流過することのできる流過部が形成され、
    後打ちコンクリートとの接触面に、2箇所以上の陥没形状が設けられた打継目を形成する、ことを特徴とするコンクリート打継目形成方法。
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