JPH06299412A - 合成繊維の製造法 - Google Patents

合成繊維の製造法

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JPH06299412A
JPH06299412A JP8633793A JP8633793A JPH06299412A JP H06299412 A JPH06299412 A JP H06299412A JP 8633793 A JP8633793 A JP 8633793A JP 8633793 A JP8633793 A JP 8633793A JP H06299412 A JPH06299412 A JP H06299412A
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JP
Japan
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synthetic fiber
yarn
phosphate
antibacterial
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JP8633793A
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Michinori Higuchi
徹憲 樋口
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
Yoshitaka Matsumura
由隆 松村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 リン酸塩系の粒子、特に銀イオン等を含有す
るリン酸塩系の抗菌性粒子を含有してなる合成繊維を溶
融紡糸法で製造するに際し、糸状が冷却固化した後、交
絡処理をする。 【効果】 綾落ち等のトラブルが減少するため、操業性
が大幅に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリン酸塩系の粒子を含有
する合成繊維の改良された製造法に関する。特にリン酸
塩系の抗菌粒子を含有する合成繊維を製造する場合に操
業性を改善する製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維
は耐熱性、耐薬品性などの特性に優れているため、衣
料、産業用資材、寝装具などの用途に広く利用されてい
る。これらの合成繊維の高比重化やアルカリ処理による
粗面化、消臭等、風合い向上や機能性を高めるために無
機粒子を含有させる技術は多数開示されている。例え
ば、特開昭64−40614号公報には縮合リン酸ジル
コニウムを消臭剤として含有したポリエステル繊維につ
いて技術が開示されている。近年、さらに抗菌性を付与
した快適性繊維に対する要望が高まってきている。
【0003】一般に、繊維に抗菌性を付与する方法とし
て芳香族ハロゲン化合物、有機シリコン系第4級アンモ
ニウム塩、有機窒素化合物などを繊維に付着させる方法
が採用されているが、これらの化合物は、洗濯等により
脱落しやすいため、耐久性に問題があった。そこで、抗
菌剤として、銀化合物を付着した基材を光照射すること
により金属銀を析出させる方法(特開昭50−6717
号公報)、金、銀、銅などの金属およびその酸化物粒子
を繊維表面に固着させる方法(特開昭54−82500
号公報)が提案されている。しかしながら、これら粒子
は高価であるだけでなく、粒子が脱落したり、粒子自体
が着色しているため製品に好ましくない着色をもたらし
たり、比重が大きいため樹脂に配合しようとすると粒子
が沈降するので成形性が悪いなどの問題があった。
【0004】特開平3−43457号公報にはリン酸塩
系の抗菌性粒子を樹脂に配合する技術が開示されてい
る。また、特開平3−83905および特開平3−83
906号公報にはリン酸塩系の抗菌性粒子について開示
がなされており、前記した着色等の問題は一応解消され
た。しかしながら、これらの抗菌性粒子を配合して合成
繊維を溶融紡糸法でフィラメントとして製造する場合
に、紡糸時の巻取等においてマルチフィラメントの集束
性が低下するため、巻取量が増えると、いわゆる綾落ち
と呼ばれるような形崩れが起き、糸切れ等が起こり操業
性が悪化するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前記した
従来法の欠点がなく、リン酸塩系粒子、とりわけ耐久性
のある抗菌作用を有するリン酸塩系抗菌粒子を含有した
合成繊維の製造法の提供を目的として検討を行なった結
果、前記した従来法の欠点がなく、操業性が向上する製
造法を見い出し本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、銀、銅、亜
鉛、金および白金より選ばれる少なくとも1種の金属イ
オンを含有するリン酸塩系の粒子を含有してなる合成繊
維を溶融紡糸法で製造するに際し、糸状が冷却固化した
後、交絡処理をすることを特徴とする合成繊維の製造法
によって達成できる。
【0007】本発明におけるリン酸塩粒子としては、C
3 (PO4 2 、Ca10(PO46 (OH)2 、C
2 2 7 等のリン酸カルシウム系粒子、HZr
2 (PO4 3 、LiZr2 (PO4 3 、Hx Li
1-x Zr2 (PO4 3 (0<x<1)、Zr(HPO
4 2 、NaZr2 3 12等のリン酸ジルコニウム系
粒子、Ti(HPO4 2 等のリン酸チタン系粒子が上
げられる。もちろん、これらの粒子は幾分結晶水を含ん
でいてもよい。リン酸塩粒子としては、リン酸ジルコニ
ウム系粒子を用いると抗菌性が最も高く、本発明の効果
を最も良く発現できるので好ましい。粒子へ金属イオン
を含有させることは従来公知の方法で行なうことができ
るが、簡便な方法であるイオン交換法、共沈法が好適で
ある。
【0008】前記のリン酸塩系粒子は銀、銅、亜鉛、金
および白金より選ばれる少なくとも1種の金属イオンを
0.1〜20重量%含有することによって抗菌性が付与
される。その含有量は0.3〜15重量%がさらに好適
で、0.5〜12重量%が特に好適である。これらの金
属イオンの含有量が0.1重量%未満では得られた抗菌
性樹脂の抗菌効果が不十分であり、20重量%を越える
と合成繊維の着色が大きくなるため好ましくない。
【0009】本発明で使用するリン酸塩系の抗菌性粒子
は、その平均粒子径が10μm以下とすることが合成繊
維の製造段階で糸切れの点で好ましく、5μm以下がよ
り好ましく、3μm以下がさらに好ましい。また、前記
抗菌性粒子はより少ない配合量でより優れた抗菌性を有
する樹脂が得られる点から、比表面積が大きいことが望
ましく、該比表面積は3m2 /g以上が好ましく、10
2 /g以上がより好ましく、30m2 /g以上がさら
に好適である。本発明の合成繊維は、前記したリン酸塩
系の抗菌性粒子を0.01〜20重量%の範囲で含有す
ることができる。さらに0.05〜15重量%が好まし
く、0.1〜10重量%がより好適である。0.01重
量%未満の含有量では、本粒子を配合した抗菌効果が不
十分であり、20重量%を越えると、製糸性が悪化する
ので好ましくない。リン酸塩系の抗菌性粒子は合成繊維
を製造する際の任意の工程で添加することができるが、
予めリン酸塩系の抗菌粒子を高濃度に含有する樹脂(マ
スターポリマ)を紡糸時に別の樹脂とブレンドし希釈し
ながら溶融紡糸するのが好ましい。
【0010】本発明における合成繊維を形成する熱可塑
性樹脂としては特に制限はないが具体的には、ナイロン
6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレ―ト、ポリブチレンテレフタレ―ト等のポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、等のポリオレフィ
ンなどの合成樹脂などを挙げることができる。特にポリ
アミド、ポリエステル等が好ましく、ポリエステルが特
に好ましい。
【0011】さらに、本発明を図をもって詳細に説明す
る。図1は本発明で用いる好ましい製造装置の一例を示
す概略図である。1は紡糸口金1、Yが合成繊維の代表
例としてポリエステルマルチフィラメント紡出糸条であ
る。紡出糸条Yは給油装置で所定の油剤が付与され、交
絡処理ノズル3で所定の交絡を付与された後、第1引取
ローラー4と第2引取ローラー5を通過してワインダー
7で巻取られるものである。
【0012】本発明の合成繊維を製造する際に、交絡処
理ノズル等を用いた交絡処理が必要不可欠である。交絡
処理ノズルに付与する圧空の圧力P(kg/cm2 )は
紡糸速度に関係するが、0.2≦P≦10.0、好まし
くは0.3≦P≦9.0、さらに好ましくは0.4≦P
≦8.0である。0.2(kg/cm2 )より低いと十
分な交絡が得られず、また10.0(kg/cm2 )よ
り高いと糸条に対する油剤の付与量が十分とならないた
め好ましくない。本発明で合成繊維の糸条を交絡させる
ために用いる交絡処理ノズルの糸条通過部はその内周壁
全面をセラミック部材で構成すれば、毛羽や白粉の発生
をより効果的に阻止するため好ましい。セラミック部材
としては高純度アルミナ、酸化ジルコニウム、炭化ケイ
素、窒化ケイ素等を用いることができる。
【0013】本発明で未延伸糸で巻取る場合、ポリエチ
レンテレフタレートのように紡糸速度に依存せずに安定
に巻取れる場合には、任意の値、例えば600〜400
0m/分の範囲で行なうことができる。また、未延伸糸
あるいは部分配向糸(POY)として、巻取らず、直接
紡糸後に巻取らずに延伸することもできる。また、60
00m/分以上の高速紡糸で実質的に延伸工程を省略し
てもよい。ここでナイロンやポリブチレンテレフタレー
トのように、紡速によって寸法安定性が不良となる範囲
のある合成繊維の場合には、寸法安定性が不良となる範
囲を外した任意の紡糸速度が選択できる。また、直接紡
糸−延伸や高速紡糸のような方法をとってもよい。
【0014】さらに、鞘部にリン酸塩系の粒子を含有し
た芯鞘型あるいはサイドバイサイド型の複合繊維などに
も応用することができる。なお、本発明の合成繊維中に
はさらに、艶消剤、消臭剤、着色剤、紫外線吸収剤、赤
外線吸収剤、難燃剤、螢光増白剤、他のイオン吸着剤、
他の抗菌剤などの添加剤を目的に応じて含有させること
ができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。実施例中の特性値は次の方法に従って求めた。 (A) 粒子の平均粒子径 粒子の電子顕微鏡写真によって求めた。 (B) 粒子が担持している表面物質量 原子吸光法により定量した。
【0016】実施例1 リン酸ジルコニウム系抗菌性粒子として“ノバロン”
(東亜合成化学工業(株)製、平均粒子径0.5μm、
銀含有量3.5重量%)を20重量%含有したポリエチ
レンテレフタレートのマスターペレットとポリエチレン
テレフタレートペレットを繊維中の粒子含有量が0.8
重量%となるようにペレット状態でブレンドして、通常
の溶融紡糸装置を用いて、紡糸温度290℃、24ホー
ルの口金(孔径 0.23mmφ)から総吐出量40g
/分で吐出して、1800m/分の巻取速度で巻取っ
た。この際、糸条は2個の引取ローラーを通した後、交
絡処理ノズル(圧空圧0.7kg/cm2 )を用いて交
絡処理をした。巻取時間1時間でも巻姿良好なまま巻取
ができた(巻量2.4kg)。さらに、延伸することに
より、糸切れすることなく、75デニ―ル24フィラメ
ントの延伸糸を得ることができた。
【0017】比較例1 交絡処理ノズルを用いない以外は実施例1と同様な方法
で行なった。交絡処理ノズルを用いないと、巻取開始か
ら30分後に綾落ちが発生し、巻取不能となった。
【0018】実施例2、比較実施例2 “ノバロン”を20重量%含有したナイロン6のマスタ
ーペレットとナイロン6ペレットを混合し、紡糸温度2
70℃、吐出量20g/分、紡糸速度800m/分とし
た以外は実施例1と同様な方法で巻取ったが、巻姿は良
好であった。一方、交絡処理ノズルをはずし交絡しない
(比較実施例2)以外は実施例2と同様な方法で巻き取
った。巻取開始から45分後に綾落ちが発生し、巻取不
能となった。
【0019】
【発明の効果】特にリン酸塩系の抗菌粒子を含有する合
成繊維を巻き取る際の綾落ち等のトラブルを減少させ、
操業性を大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の紡糸概略図を示す。
【符号の説明】
1:紡糸口金 2:油剤付与装置 3:交絡処理ノズル 4:第1引取ローラー 5:第2引取ローラー 6:綾振支点ガイド 7:ワインダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 Q 7199−3B D02G 3/22 D02J 1/00 K

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀、銅、亜鉛、金および白金より選ばれ
    る少なくとも1種の金属イオンを含有するリン酸塩系の
    粒子を含有してなる合成繊維を溶融紡糸法で製造するに
    際し、糸状が冷却固化した後、交絡処理をすることを特
    徴とする合成繊維の製造法。
JP8633793A 1993-04-13 1993-04-13 合成繊維の製造法 Pending JPH06299412A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002068737A1 (en) * 2001-02-26 2002-09-06 Jung-O An Manufacturing methods of fibers, which are prepared by electrolyzing gold or silver
KR100470967B1 (ko) * 2002-10-17 2005-03-10 주식회사 삼흥 콜로이드 실버를 이용한 장섬유의 제조방법
KR100573029B1 (ko) * 2002-05-28 2006-04-24 주식회사 삼흥 은섬유 및 그의 제조방법
JP2013535589A (ja) * 2010-08-16 2013-09-12 ニルスタル エス.アー. 化粧用紡績繊維、それを得る方法およびその使用

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WO2002068737A1 (en) * 2001-02-26 2002-09-06 Jung-O An Manufacturing methods of fibers, which are prepared by electrolyzing gold or silver
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