JPH0629862U - 折り丁供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】送り方向先端側に配置されて平坦な折り丁
（６）を支える支持部材（１４）と、多数の折り丁
（６）を載置し、支持部材（１４）に向けて搬送する下
部送り機構（３０）と、これらの折り丁（６）の両側に
配置され、これらの折り丁（６）を側方から付勢すると
共にその中央部を支持部材（１４）側に突出させつつ搬
送する側部送り機構（４０）とを備える、中綴じ本製本
機に用いる折り丁供給装置。 【効果】自重が重く撓みやすい折り丁でも、その搬送中
に途中で崩れることなく先端側まで搬送し、一部づつ抜
出して正確に給紙することができる

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、折り目側を下にして並べた多数の折り丁を収容し、供給方向先端側 の折り丁から順に抜出して給紙し、例えば中綴じ本に製本する縦積み型製本機用 の供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

このような中綴じ本の製本機は、所定頁数の中綴じ本とするために必要な折り 丁の数に対応する供給装置を備え、これらの供給装置はギャザリングチェーンで 形成される折り丁の搬送路に沿って順に配置されている。各供給装置は、それぞ れ多数の折り丁を内部に保持しており、ギャザリングチェーンで所定の頁順に重 ねられて送られてくる折り丁の上に、内部に保持する折り丁を一部ずつ給紙し、 先に重ねられた折り丁の上に重ねる。そして、所要頁を重ねられた折り丁は中央 部を綴じた後、三方を裁断して中綴じ本として完成される。

【０００３】 これらの供給装置内に保持される折り丁は、折り目側を下にした束状に並べら れ、下側に配置されたベルトコンベア状の送り機構により先端側の給紙機構に向 けて搬送される。先端側の折り丁は支持板でいったん支えられ、給紙機構により 順に先端側から一部づつ抜出される。これらの折り丁の両側すなわち中綴じ本の 天地側に対応する部位には案内板が配置されており、送り機構で搬送される折り 丁の両側を支え、束状の折り丁が整列状態で搬送されるように案内する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、グラビア印刷またはオフセット印刷が施された折り丁の場合、その自 重が重く、活版印刷された折り丁に比べて撓みやすく、いわゆる腰が弱い。この ため、供給装置内を送り機構で搬送する間に、折り丁の束が崩れ易いという問題 がある。折り丁の束が途中で崩れると、先端側まで搬送された際に支持板がこれ らの折り丁を正確な姿勢で支えることができず、したがって、給紙機構が一部づ つ抜出してギャザリングチェーン上の折り丁上に重ねることも困難となる。

【０００５】 本考案は、上述に鑑みてなされたもので、自重が重く撓みやすい折り丁でもそ の搬送中に途中で崩れることなく先端側まで搬送し、一部づつ抜出して正確に給 紙することができる折り丁供給装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成する本考案による折り丁供給装置は、折り目側を下にして並べ た多数の折り丁を収容し、送り方向先端側の折り丁から順に抜出して給紙する製 本機用の供給装置であって、送り方向先端側に配置されてこれらの折り丁を支え る支持部材と、これらの折り丁を載置し、支持部材に向けて搬送する下部送り機 構と、これらの折り丁の両側に配置され、これらの折り丁を側方から付勢すると 共にその中央部を支持部材側に突出させつつ搬送する側部送り機構とを備えるこ とを特徴とする。

【０００７】

【作用】

この折り丁供給装置によると、製本される折り丁は折り目側をしたにした状態 で下部送り機構上に載置される。この下部送り機構上に載置された折り丁は、両 側に配置された側部送り機構により側方から付勢され、その中央部を送り方向先 端側に突出させた状態に保持される。そして、これらの下部送り機構および側部 送り機構により、この湾曲姿勢を保持しつつ、送り方向先端側に配置された支持 部材に向けて搬送される。この支持部材が折り丁をいったん保持している間に、 折り丁は順に抜出され、一部づつ正確に給紙される。

【０００８】

【実施例】

図１は中綴じ本の製本機に用いる折り丁供給装置１０の概略を示す。この供給 装置１０は機枠１２に支えられた板状の支持部材１４と、この支持部材１４に向 けて多数の折り丁を送る供給装置１６とを備え、多数の折り丁を収容する。これ らの折り丁はこの供給装置１６上に折り目すなわち製本の背側を下側に配置した 状態で密な束状に配列されて搬送され、送り方向先端側の折り丁が支持部材１４ でいったん支えられた後、図３に示す給紙機構により先端側から順に抜出され、 ギャザリングチェーン８上に重ねられる。

【０００９】 図２に示すように、ギャザリングチェーン８は各供給装置１０から給紙された 折り丁６をその爪部材９で係止しつつ次ぎの供給装置に搬送し、順次折り丁６を 重ねて所定頁数とする。このように所定の頁数に重ねられた折り丁６は、この後 、その中央部で一体に閉じられ、折り目部および針代を切断され、中綴じ本とし て完成される。

【００１０】 図３は折り丁６をその先端側から一部づつ抜出し、ギャザリングチェーン８上 に給紙する給紙機構１８を示す。図示のように、折り丁６の束はその上側すなわ ち折り目側と反対側を支持部材１４で支えられており、給紙機構１８はこの支持 部材１４で支えられた折り丁６を下側の折り目側から抜出す吸着装置２０と、こ の吸着装置２０で抜出された折り丁６の折り目側を把持しつつ回転し、この折り 目側位置を上側に変換するアッパシリンダ２２と、折り丁６をアッパシリンダ２ ２から外してギャザリングチェーン８上に落下させる逆転ローラ２４と、折り丁 ６がギャザリングチェーン８上に落下する際に協働して折り丁６を開くオープニ ングシリンダ２６と、ラップシリンダ２８とを備える。

【００１１】 図３に示すように、吸着装置２０は折り丁６を吸着する複数の吸盤２１を有し 、その腕部と共に枢動して支持部材１４で支えられた折り丁６をその先端側から 一部づつ抜出し、アッパシリンダ２２に渡す。アッパシリンダ２２はその爪部材 ２３で折り丁６の折り目側を把持しつつ回転する。図３の符号Ａで示す矢印はこ のときの折り丁６の動きの方向を示す。そして、折り丁６が逆転ロール２４の配 置されている部位に至ると、この逆転ロール２４で爪部材２３から外され、矢印 Ｂの方向に向け、ガイド２５に沿って落下する。アッパシリンダ２２から落下し た折り丁６はオープニングシリンダ２６の爪部材２７とラップシリンダ２８の爪 部材２９とで開かれ、矢印Ｃで示すように落下し、ギャザリングチェーン８上に 開かれた状態で載置され、爪部材９（図２）で係止されつつ次の供給装置に送ら れる。

【００１２】 図４および図５は、このような給紙機構１８に折り丁６を供給する供給機構１ ６を示す。本実施例の供給機構１６は下部送り機構３０と側部送り機構４０，４ ０とを備え、下部送り機構３０は多数の折り丁６を載置して支持部材１４に向け て搬送する無端ベルト３２をドライブローラ３４とアイドルローラ３６とに巻き 掛けたベルトコンベア状に形成されている。アイドルローラ３６は支持部材１４ の下側に配置され、折り丁６が支持部材１４に当接するまで無端ベルト３２上の 折り丁６を搬送する。また、ドライブローラ３４はアイドルローラ３６よりも高 位置でかつ側部送り機構４０よりも後方に配置され、したがって、無端ベルト３ ２は支持部材１４側すなわちその先端側を下方に傾斜させた状態にされる。この 無端ベルト３２の水平面に対する傾斜角度は通常は２０°程度が好ましい。

【００１３】 また、無端ベルト３２の外周面は滑らかに形成し、この無端ベルト３２による 折り丁６の供給圧すなわち支持部材１４への折り丁６の搬送圧力を小さくしてあ る。この無端ベルト３２は、折り丁６の幅すなわち製本の天地間の寸法よりも幅 狭に形成されるのが好ましく、後述する側部送り機構４０の無端ベルト４２より もより高速で駆動される。

【００１４】 側部送り機構４０，４０は、下部送り機構３０に載置された折り丁６を両側か ら付勢してその中央部を支持部材１４側に突出させた湾曲状態で搬送する。側部 送り機構４０，４０のそれぞれは、無端ベルト３２と同様に先端側を下方に傾斜 した状態に配置された２本の無端ベルト４２，４２を備え、これらの無端ベルト ４２，４２はドライブローラ４４，４４とアイドルローラ４６，４６とに巻き掛 けられ、その外周面には折り丁６の滑りを防止する溝が形成されている。これら のドライブローラ４４，４４は、支持部材１４に対して所定の間隙を設けて配置 してあり、更に、図５に示すようにアイドルローラ４６，４６の間隔よりも狭い 間隔で配置され、支持部材１４に近付くにつれて折り丁６をより大きく湾曲させ て搬送するようになっている。符号４８は無端ベルト４２の張りを調整するため のテンションローラである。

【００１５】 両側の側部送り機構４０，４０の無端ベルト４２，４２はそれぞれ同じ速さで 駆動される。これらの無端ベルト４２を駆動するドライブローラ４４の回転速度 あるいは回転角度は、図示しない制御機構により、支持部材１４を付勢する折り 丁６の圧力、あるいは、ドライブローラ４４と支持部材１４との間隙に平坦な状 態で重ねられた折り丁の厚さ（折り丁６の枚数）Ｔを一定とする値に常時制御さ れる。このＴの値は、供給機構１６の搬送方向長さを約５００mmとした場合に、 約５０mmとするのが好ましい。

【００１６】 この供給機構１６には、折り目側を下側に配置した状態の所定数の折り丁６が 束状で装架される。この束状の折り丁６は下部送り機構３０の無端ベルト３２上 に載置されて支持部材１４に向けて搬送され、側部送り機構４０，４０間で側方 から付勢される。下部送り機構３０の無端ベルト３２は側部送り機構４０の無端 ベルト４２よりも高速駆動されるため、折り丁６はその中央部を支持部材１４側 に突出させた湾曲状態で搬送される。そして、支持部材１４に近接すると、無端 ベルト４２の溝により、一部づつまたは小部数づつ折り丁６の束から離され、平 坦な状態に戻って支持部材１４で支えられる。この支持部材で支えられる折り丁 ６の厚さＴが厚くなると、ドライブローラ４４による無端ベルト４２の搬送速度 が減速され、逆にＴが薄くなると無端ベルト４２が増速される。

【００１７】 したがって、この供給機構１６によれば、多数の折り丁６を湾曲させつつ搬送 することにより、自重が重く撓みやすい折り丁６でもその搬送中に途中で崩れる ことなく支持部材１４に向けて搬送することができ、また、支持部材１４は平坦 状態に戻された折り丁６を常に一定量支えるため、給紙機構１８は折り丁６を一 部づつ正確に給紙することができる。更に、側部送り機構４０の無端ベルト４２ はその外周面に溝を形成してあるため、湾曲された折り丁６を一部づつまたは小 部数づつ平坦状態に戻すことができ、これにより支持部材１４で支えられる平坦 状態の折り丁６が互いに分離し易くなり、給紙ミスを確実に防止することができ る。

【００１８】 なお、上記実施例では下部送り機構３０および側部送り機構４０はそれぞれ無 端ベルト３２，４２を有するベルトコンベア状に形成したが、これに限らず例え ばローラ列あるいはチェーン等を用いてもよく、また、ドライブローラ３４，４ ４はその位置を適宜に変更可能なことは明らかである。

【００１９】

【考案の効果】

以上明らかなように、本考案の折り丁供給装置によれば、自重が重く撓みやす い折り丁でもその搬送中に途中で崩れることなく先端側まで搬送し、一部づつ抜 出して正確に給紙することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例による折り丁供給装置の概略的
な外観図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う図である。

【図３】図１の折り丁供給装置内の給紙機構の作動を示
す説明図である。

【図４】その供給装置を示す図である。

【図５】図４のＶ−Ｖ線に沿う図である。

【符号の説明】

６…折り丁、１０…折り丁供給装置、１４…支持部材、
１６…供給装置、１８…給紙機構、２０…吸着装置、２
２…アッパシリンダ、２３，２７，２９…爪部材、２４
…逆転ロール、２５…ガイド、２６…オープニングシリ
ンダ、２８…ラップシリンダ、３０…下部送り機構、３
２，４２…無端ベルト、３４，４４…ドライブローラ、
３６，４６…アイドルローラ、４０…側部送り機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 折り目側を下にして並べた多数の折り丁
   を収容し、送り方向先端側の折り丁から順に抜出して給
   紙する製本機用の供給装置であって、送り方向先端側に
   配置されてこれらの折り丁を支える支持部材と、これら
   の折り丁を載置し、支持部材に向けて搬送する下部送り
   機構と、これらの折り丁の両側に配置され、これらの折
   り丁を側方から付勢すると共にその中央部を支持部材側
   に突出させつつ搬送し、搬送速度が該下部送り機構より
   も遅い側部送り機構とを備えることを特徴とする折り丁
   供給装置。