JPH0629804B2 - 力センサの過負荷保護装置 - Google Patents

力センサの過負荷保護装置

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JPH0629804B2
JPH0629804B2 JP63013450A JP1345088A JPH0629804B2 JP H0629804 B2 JPH0629804 B2 JP H0629804B2 JP 63013450 A JP63013450 A JP 63013450A JP 1345088 A JP1345088 A JP 1345088A JP H0629804 B2 JPH0629804 B2 JP H0629804B2
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智一 千代
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、力センサに過大な負荷が作用した場合に、
それを抑制して力センサを保護するための装置に関する
ものである。
〔従来の技術〕
互いに直交するX、Y、Zの3軸に沿う力および各軸の
周りのモーメントを検知する6軸の力センサは、従来よ
り公知であり、産業用ロボットの作業工具に作用する力
ないしモーメントを検知しながらロボットを制御するの
に、しばしば用いられている。この力センサは、一般に
上下のプレート部材を薄い肉厚の複数のブリッジ部材で
連結した構造であり、両プレート部材間の相対的変位を
各ブリッジ部材に貼着した歪ゲージによって感知して、
両プレート部材間に作用する力およびモーメントを検知
するものである。
ところで、力センサに最大定格以上の負荷が加わると、
力センサの内部(特にブリッジ部材の内部)に歪が残存
したり、貼着していた歪ゲージが剥れたりすることがあ
る。このため、何らかの方法で過負荷に対する保護を講
じなければならないが、従来、この目的のための過負荷
保護装置はほとんど存在していなかった。一部には、特
開昭62−274230号公報に開示されているように、力セン
サの2つの可動部分(プレート部材)のうちの一方に固
定した平行ピンを他方に形成した孔に適当な隙間を設け
て嵌入させることにより、力センサの可動部分が一定量
以上の相対変位をするのを防止し、もって力センサを過
負荷から保護するようにした力センサが存在するのみで
あった。
〔発明が解決しようする問題点〕
しかしながら、上記の従来の過負荷保護装置は、平行ピ
ンと孔の間の隙間が比較的大きいため、センサの可動部
分の相対的変位量がかなり大きくなくては機能しないも
のであった。このため、センサ自身の剛性が低くならざ
るを得ず、これは高精度の位置決めを必要とするロボッ
トに用いる場合には、致命的な欠点であった。
また、平行ピンと孔の係合により過大な変位を阻止する
上記従来の装置では、センサの組立ておよび調整、さら
には機械加工が非常に高精度に行われる必要があり、従
って高コストとなるばかりでなく個々の製品間でバラツ
キが大きくなって再現性に欠けるという難点があった。
このような従来技術の問題点に鑑み、この発明は力セン
サの剛性を全く損うことなく過負荷より保護することが
できると共に、力センサの変形許容量の調整を簡単に行
うことができる、力センサの過負荷保護装置を提供する
ことを目的とする。
この発明の他の目的は、機械加工が比較的容易で、かつ
製品間の再現性が確保できる過負荷保護装置を提供する
ことである。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、この発明は、上記目的を達成するために次のよ
うな技術的手段を講じている。
すなわち、一対の平行なプレート部(2)(3)を複数
のブリッジ部(4)で連結して成る力センサ(1)の過
負荷保護装置において、 上記プレート部(2)(3)間の上記力センサ(1)の
中心軸方向の相対的変位を抑制する第1の変位抑制手段
(33)と、中心軸に直交する半径方向の相対的変位およ
び回転変位を抑制する第2の変位抑制手段(40)とを備
えており、 上記第1の変位抑制手段(33)は、上記プレート部
(2)(3)のうちのいずれか一方に上記力センサ
(1)の中心軸上に設けられた透孔(8)内に挿通さ
れ、かつ当該中心軸に沿って移動可能とされた第1ロッ
ド(9)であって、先端部にテーパ面(10)を有すると
共に内部に透孔(14)を有するものと、 上記プレート部(2)(3)のうちの上記第1ロッド
(9)が固定されていないプレート部(2または3)に
固定され、かつ上記第1ロッド(9)と同軸の孔(24)
を有すると共に、当該孔(24)の周りにテーパ面(28)
を有する第1止め部材(22)と、 上記第1ロッド(9)の透孔(14)内に挿通されると共
に、先端部を上記第1止め部材(22)の孔(24)に貫通
し、かつ上記第1ロッド(9)と同方向に移動可能とさ
れた第2ロッド(15)と、 上記第2ロッド(15)の先端部に、上記第1止め部材
(22)に対して上記第1ロッド(9)と反対側において
取り付けられた第2止め部材(29)とから成り、 しかも、上記第1ロッド(9)のテーパ面(10)と上記
第1止め部材(22)の接触端縁(27)の間には、クリア
ランス(d1)が形成され、上記第1止め部材(22)のテ
ーパ面(28)と上記第2止め部材(29)の接触端縁(3
0)の間には、クリアランス(d2)が形成されており、 上記第2の変位抑制手段(40)は、上記プレート部
(2)(3)の一方に設けた、上記力センサ(1)の中
心軸方向に延びかつ同方向に移動可能なピン(41)であ
って、先端にテーパ部(45)を有するものと、 上記ピン(41)が係合可能とされた、上記ピン(41)が
設けられていない側のプレート部(2または3)に形成
された係合孔(42)と、 上記の両プレート部(2)(3)に各々取り付けられた
第1および第2の筒状の保護部材(43)(44)であっ
て、それらの少なくとも一方は上記力センサ(1)の中
心軸方向に移動可能とされ、かつ各々が対向するテーパ
面(53)(56)を有しているものとから成り、 さらに、上記ピン(41)のテーパ(45)と上記係合孔
(42)の間には、クリアランス(d3)が設けてあり、上
記両保護部材(43)(44)の両テーパ面(53)(56)の
間には、クリアランス(d4)が設けてあることを特徴と
するものである。
〔作用〕
力センサ(1)の両プレート部(2)(3)の相対的変
位のうち、中心軸方向の変位は、第1止め部材(22)
が、互いに反対側にある第1ロッド(9)と第2止め部
材(29)に各々当接することにより抑制される。
また、第1ロッド(9)と第1止め部材(22)の間のク
リアランス(d)の調節は、位置決め治具(34)を用い
て第1ロッド(9)の位置決めをしながら一方のプレー
ト部(2または3)に固定することにより、容易に行う
ことができる。第1の止め部材(22)と第2止め部材
(29)の間のクリアランス(d)は、位置決め治具
(38)を用いて第2ロッド(15)を回転しながら位置決
めをし、第1ロッド(9)に固定することにより、容易
に調節することができる。
上記の2つのクリアランス(d)(d)は、それを
構成する部材のうちのいずれか一方がテーパ面(10)
(28)となっているので、微小なクリアランス(d
(d)を精確に設定することができ、力センサ(1)
の剛性を損なうことがない。
中心軸に直交する方向すなわち半径方向の変位は、ピン
(41)と係合孔(42)の係合により抑制される。ピン
(41)は、テーパ部(45)を介して係合孔(42)と係合
するようになっているので、ピン(41)を回転させるこ
とにより、テーパ部(45)と係合孔(42)との間のクリ
アランス(d)を容易に調節することができる。ま
た、このために、半径方向においても力センサ(1)の
剛性は損われない。
中心軸の周りの回転変位は、ピン(41)と係合孔(42)
の係合により抑制され、また、中心軸に直交する半径方
向の軸の周りの回転変位は、両保護部材(43)(44)が
テーパ面(53)(56)を介して接触することにより、抑
制される。両保護部材(43)(44)の間のクリアランス
(d)は、移動可能とされた保護部材(43または44)
を移動すれば、容易に調節可能である。
〔実施例〕
以下、添付図面に基いてこの発明の実施例について説明
する。
第1図および第2図において、(1)は力センサで、一
対の円形のプレート部(2)(3)と両プレート部
(2)(3)を連結する4つのブリッジ部(4)から構
成されている。両プレート部(2)(3)の間には空間
(5)が形成されており、両プレート部(2)(3)が
相対的変位を生じると、各ブリッジ部(4)に歪が生
じ、各ブリッジ部(4)に貼着した歪ゲージ(図示せ
ず)によって両プレート部(2)(3)間の力およびモ
ーメントを感知するようになっている。この実施例で
は、4つのブリッジ部(4)は、力センサ(1)の中心
軸の周りに90゜毎に等間隔で配設されている。
なお、(6)は両プレート部(2)(3)を貫通するネ
ジ孔であり、力センサ(1)をロボットに取り付ける際
に用いるものである。この実施例では、力センサ(1)
の中心軸の周りに4つ等間隔に配設されている。
プレート部(2)(3)には、力センサ(1)の中心軸
に沿って透孔(7)(8)が形成され、プレート部
(3)の透孔(8)には軸方向変位抑制用の第1ロッド
(9)が挿入されている。この第1ロッド(9)は、先
端部(プレート部(2)側の端部)に先細となるように
テーパ面(10)を設けていると共に、基端部(プレート
部(3)側の端部)にネジ部(11)を設けている。そし
て、ネジ部(11)を透孔(8)の内面に形成したネジ部
(12)に螺合しており、その軸の周りに回転すれば軸方
向に移動するようになっている。テーパ面(10)は、プ
レート部(2)の透孔(7)に入り込んでいる。第1ロ
ッド(9)の基端部には、プレート部(3)のネジ部
(12)に螺合した止めナット(13)が当接しており、第
1ロッド(9)の位置が狂わないようにしている。
第1ロッド(9)の内部には、軸方向に貫通する透孔
(14)が形成され、その中に軸方向変位抑制用の第2ロ
ッド(15)が挿入されている。この第2ロッド(15)
は、先端部には小径としたナット取付用のネジ部(16)
を有していると共に、基端部には、上記透孔(14)の内
面に形成したネジ部(17)と螺合するロッド移動用のネ
ジ部(18)を有している。第2ロッド(15)の位置が狂
わないように、透孔(14)のネジ部(17)には止めナッ
ト(19)が螺合され、第2ロッド(15)の基端部に当接
している。
上記第1ロッド(9)が取り付けられていないプレート
部(2)には、透孔(7)の内面に形成したネジ部(2
0)に外側面に形成したネジ部(21)を螺合することに
より、略円筒形の第1の止め部材(22)が取り付けられ
ている。この止め部材(22)は、プレート部(2)の止
め面(23)に当接するまでネジ込まれて位置決めされ、
また、中心部に設けた孔(24)の中に、上記第2ロッド
(15)を挿通している。この結果、第1の止め部材(2
2)の第1ロッド(9)とは反対の側に設けた第1凹部
(25)内に、第2ロッド(15)の先端部が突出してい
る。
第1の止め部材(22)の第1ロッド(9)側の面には、
第2凹部(26)が形成され、この第2凹部(26)の中に
第1ロッド(9)のテーパ面(10)の一部が入り込んで
いる。第2凹部(26)の外端縁(27)とテーパ面(10)
の間には、第4図に見るようにクリアランス(d)が
設けられている。
第1の止め部材(22)の第1凹部(25)側の面すなわち
第1凹部(25)の底面は、内方に傾斜したテーパ面(2
8)とされ、第5図に見るように、このテーパ面(28)
と、上記第2ロッド(15)の先端に取り付けられた第2
の止め部材(29)の対向する端面(30)との間に、クリ
アランス(d)を設けている。第2の止め部材(29)
は円板状であり、その端面(30)を第2ロッド(15)の
止め面(31)に当接して位置決めされ、ネジ部(16)に
止めナット(32)を螺合して締付けることにより固定さ
れている。
以上述べた第1および第2ロッド(9)(15)と、第1
および第2の止め部材(22)(29)によって、上記セン
サ(1)の中心軸方向の相対的変位を抑制する第1の変
位抑制手段(33)が構成される。
上記の2つのクリアランス(d)(d)の大きさ
は、組立時に調節されるが、それは以下のようにして行
われる。
まず、第3図に見るように、プレート部(3)の透孔
(8)に第1ロッド(9)をネジ込み、またプレート部
(2)の透孔(7)に、第1の止め部材(22)と同様の
形状とした位置決め治具(34)をネジ込む。位置決め治
具(34)は、外周に設けたネジ部(35)を透孔(7)の
ネジ部(20)に螺合し、かつプレート部(2)の止め面
(23)に当接することによって位置決めされる。このと
き、中心部に設けた透孔(36)内に、第2ロッド(15)
の先端が挿通される。そして、第1ロッド(9)は、テ
ーパ面(10)が位置決め治具(34)の外端縁(37)に当
接するまでネジ込まれ、その位置に固定するために透孔
(8)にはさらに止めナット(13)がネジ込まれる。こ
うして、第1ロッド(9)の位置が決定される。
次に、位置決め治具(34)を透孔(7)から取り外し、
第4図に見るように、その代わりに第1止め部材(22)
をネジ込んで取り付ける。このとき、第1の止め部材
(22)の外端縁(27)とテーパ面(10)の間には、自動
的に所定のクリアランス(d)が形成される。このと
きのクリアランス(d)の大きさは、次式で決定され
る。
ここで、Lは第1の止め部材(22)の外端縁(27)の
直径、lは位置決め治具(34)の外端縁(37)の直
径、θは第1ロッド(9)のテーパ面(10)の勾配で
ある。
続いて、第1ロッド(9)の内部の透孔(14)に第2ロ
ッド(15)のネジ込み、また先端のネジ部(16)に反対
側から円板状の位置決め治具(38)を嵌合して止めナッ
ト(32)で仮に固定する。位置決め治具(38)は、第2
ロッド(15)の止め面(31)に当接して位置決めされ
る。その後、第2ロッド(15)を反対方向に回転して緩
め、第4図に見るように、位置決め治具(38)の外端縁
(39)が第1の止め部材(22)のテーパ面(28)に当接
するまで移動する。そして、第2ロッド(15)をこの位
置に固定するため、透孔(14)のネジ部(17)に止めナ
ット(19)が螺着される。
こうして、第2ロッド(15)の位置が決定されるので、
いったん止めナット(32)を緩めて位置決め治具(38)
を取り外し、代わりに第2の止め部材(29)を第2ロッ
ド(15)の先端に嵌入して止めナット(32)で固定す
る。このときの状態は第5図に示す通りであり、第2の
止め部材(29)の端面(30)と第1の止め部材(22)の
テーパ面(28)との間には、所定のクリアランス
(d)が形成されている。このクリアランス(d
の大きさは、次式で決定される。
ここで、Lは第2の止め部材(29)の直径、lは位
置決め治具(38)の直径、θは第1の止め部材(22)
のテーパ面(28)の勾配である。
次に、力センサ(1)の中心軸に直交する方向すなわち
半径方向の変位と、同中心軸および半径方向の軸の周り
の回転変位を抑制する第2の変位抑制手段(40)につい
て説明する。
この第2の変位抑制手段(40)は、2つの部分から成
り、その1つはプレート部(3)に取り付けられたピン
(41)と、プレート部(2)のピン(41)と対向する位
置に設けられた係合孔(42)から成っている。他の1つ
は、両プレート部(2)(3)に各々取り付けられた第
1および第2の円筒状の保護部材(43)(44)から成っ
ている。
ピン(41)は、第6図に見るように、先端部にテーパ部
(45)を有すると共に基端部にネジ部(46)を有してお
り、それらの間をストレート部(47)としている。この
ピン(41)は、プレート部(3)に形成した透孔(48)
に挿通され、ネジ部(46)を透孔(48)の内面に形成し
たネジ部(49)に螺合すると共に、テーパ部(45)の一
部を係合孔(42)内に挿入している。ピン(41)は、回
転することにより軸方向に移動することができ、テーパ
部(45)を係合孔(42)内に入れて行くと、テーパ部
(45)の表面が係合孔(42)の壁面に接触するようにな
っている。
テーパ部(45)と係合孔(42)の間には、クリアランス
(d)が形成されており、ピン(41)のこの位置が狂
わないように、ネジ部(49)に止めナット(50)が螺着
されている。このクリアランス(d)の調整は、次の
ようにして行う。
透孔(48)内にピン(41)を挿入し、テーパ部(45)が
係合孔(42)の壁面に当接するまでネジ込む。次いで、
ピン(41)を反対側に回転して緩め、上記クリアランス
(d)を生じさせるのである。このときの緩め量は、
次式で求めることができる。
ここに、θはピン(41)のテーパ部(45)の勾配であ
る。
円筒状の第1保護部材(43)は、プレート部(3)の外
周に嵌合され、取付ネジ(51)によって取り付けられる
と共に固定ピン(52)によってその位置が固定されてい
る。また、第1保護部材(43)の外面には、テーパ面
(53)が設けてある。
円筒状の第2保護部材(44)は、プレート部(2)の外
周面に設けられたネジ部(54)に、その内周面に設けら
れたネジ部(55)を螺合して取り付けてある。第2保護
部材(44)は、内面にテーパ面(56)を有しており、第
1保護部材(43)のテーパ面(53)とクリアランス(d
)をおいて対向している。取り付けた状態では、両テ
ーパ面(53)(56)は互いに平行である。第2保護部材
(44)のこの位置を保つために、止めネジ(57)が第2
保護部材(44)を貫通してネジ込まれている。
両テーパ面(53)(56)の間のクリアランス(d
は、次のようにして調節される。すなわち、まず、第2
保護部材(44)をプレート部(2)に螺合し、両テーパ
面(53)(56)が接するまでネジ込む。次に、第2保護
部材(44)を反対側に回転して緩め、クリアランス(d
)を生じさせればよい。このときの緩め量は、次式で
決定される。
ここに、θは、テーパ面(53)(56)の勾配である。
次に、以上の構成とした過負荷保護装置の作動状態につ
いて説明する。
力センサ(1)のプレート部(2)(3)の一方に負荷
が作用すると、両プレート部(2)(3)は相対的に変
位する。この負荷が定格以下のときは、各クリアランス
(d)(d)(d)(d)が存在するために、
上記第1および第2の変位抑制手段(33)(40)は作動
せず、従って力センサ(1)は通常の感知動作を行うこ
とができる。
最大定格以上の負荷が作用すると、それに応じて両プレ
ート部(2)(3)の相対的変位が大きくなるが、力セ
ンサ(1)の中心軸方向の変位は、両プレート部(2)
(3)が近づく方向では第1ロッド(9)と第1止め部
材(22)が接触し、離れる方向では第1止め部材(22)
と第2止め部材(29)が接触するので、一定量以下に抑
制される。また、力センサ(1)の中心軸の周りの回転
変位は、ピン(41)と係合孔(42)の係合によって抑制
され、半径方向の軸の周りの回転変位は、第1および第
2の保護部材(43)(44)の両テーパ面(53)(56)の
接触によって抑制される。こうして、すべての方向の過
大変位を抑制することが可能となる。
(発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、この発明は、各クリア
ランス(d)(d)(d)(d)を微小な値に
設定することができるので、力センサ(1)の剛性を全
く損うことなく過負荷から力センサ(1)を保護するこ
とができる。また、各クリアランス(d)(d
(d)(d)を形成する2つの部分の一方または双
方がテーパとされているので、力センサ(1)の変形許
容量すなわち各クリアランス(d)(d)(d
(d)の大きさの調節を容易かつ精確に行うことがで
き、従って作業時間も短くてすむ、という優れた効果を
有する。
さらに、第1および第2のロッド(9)(15)、第1お
よび第2の止め部材(22)(29)、第1および第2の保
護部材(43)(44)、ピン(41)および係合孔(42)等
の機械加工は、従来のように高精度が要求されないた
め、精度出しが容易であり、従って加工ないし組立コス
トの低減化が可能であると共に、個々の製品間のバラツ
キが小さく再現性が確保できる、という効果をも有す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の過負荷保護装置の1実施例を示す
図であって、第2図のA−A線に沿った断面図。 第2図は、同平面図。 第3図〜第5図は、第1変位抑制手段の組立て工程を示
す部分断面図であって、第3図は第1ロッドの位置決め
をする工程、第4図は第2ロッドの位置決めをする工
程、第5図は第2止め部材を取り付けた状態を示す。 第6図は、第2変位抑制手段を組込んだ力センサを示す
部分拡大断面図。 第7図は、第1および第2の保護部材を取り付けた力セ
ンサを示す部分拡大断面図。 (1)……力センサ、(2)(3)……プレート部、
(4)……ブリッジ部、(7)(8)……プレート部の
透孔、(9)……第1ロッド、(10)……第1ロッドの
テーパ面、(11)(12)……ネジ部、(14)……第1
止め部材の透孔、(15)……第2ロッド、(16)(17)
(18)(20)(21)……ネジ部、(22)……第1止め部
材、(24)……第1止め部材の孔、(25)……第1凹
部、(26)……第2凹部、(27)……第1止め部材の端
縁、(28)……第1止め部材のテーパ面、(29)……第
2止め部材、(30)……第2止め部材の端縁、(33)…
…第1変位抑制手段、(34)(38)……位置決め治具、
(37)(39)……位置決め治具の端縁、(40)……第2
変位抑制手段、(41)……ピン、(42)……係合孔、
(43)……第1保護部材、(44)……第2保護部材、
(45)……ピンのテーパ部、(46)(49)……ネジ部、
(47)……ストレート部、(53)……第1保護部材のテ
ーパ面、(54)(55)……ネジ部、(56)……第2保護
部材のテーパ面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の平行なプレート部(2)(3)を複
    数のブリッジ部(4)で連結して成る力センサ(1)の
    過負荷保護装置において、 上記プレート部(2)(3)間の上記力センサ(1)の
    中心軸方向の相対的変位を抑制する第1の変位抑制手段
    (33)と、中心軸に直交する半径方向の相対的変位およ
    び回転変位を抑制する第2の変位抑制手段(40)とを備
    えており、 上記第1の変位抑制手段(33)は、上記プレート部
    (2)(3)のうちのいずれか一方に上記力センサ
    (1)の中心軸上に設けられた透孔(8)内に挿通さ
    れ、かつ当該中心軸に沿つて移動可能とされた第1ロッ
    ド(9)であって、先端部にテーパ面(10)を有すると
    共に内部に透孔(14)を有するものと、 上記プレート部(2)(3)のうちの上記第1ロッド
    (9)が取り付けられていないプレート部(2または
    3)に固定され、かつ上記第1ロッド(9)と同軸の孔
    (24)を有すると共に、当該孔(24)の周りにテーパ面
    (28)を有する第1止め部材(22)と、 上記第1ロッド(9)の透孔(14)内に挿通されると共
    に、先端部を上記第1止め部材(22)の孔(24)に貫通
    し、かつ上記第1ロッド(9)と同方向に移動可能とさ
    れた第2ロッド(15)と、 上記第2ロッド(15)の先端部に、上記第1止め部材
    (22)に対して上記第1ロッド(9)と反対側において
    取り付けられた第2止め部材(29)とから成り、 しかも、上記第1ロッド(9)のテーパ面(10)と上記
    第1止め部材(22)の接触端縁(27)の間には、クリア
    ランス(d)が形成され、上記第1止め部材(22)の
    テーパ面(28)と上記第2止め部材(29)の接触端縁
    (30)の間には、クリアランス(d)が形成されてお
    り、 上記第2の変位抑制手段(40)は、上記プレート部
    (2)(3)の一方に設けた、上記力センサ(1)の中
    心軸方向に延びかつ同方向に移動可能なピン(41)であ
    って、先端にテーパ部(45)を有するものと、 上記ピン(41)が係合可能とされた、上記ピン(41)が
    設けられていない側のプレート部(2または3)に形成
    された係合孔(42)と、 上記の両プレート部(2)(3)に各々取り付けられた
    第1および第2の筒状の保護部材(43)(44)であっ
    て、それらの少なくとも一方は上記力センサ(1)の中
    心軸方向に移動可能とされ、かつ各々が対向するテーパ
    面(53)(56)を有しているものとから成り、 さらに、上記ピン(41)のテーパ部(45)と上記係合孔
    (42)の間には、クリアランス(d)が設けてあり、
    上記両保護部材(43)(44)の両テーパ面(53)(56)
    の間には、クリアランス(d)が設けてあることを特
    徴とする装置。
  2. 【請求項2】上記第1および第2のロッド(9)(1
    5)、ピン(41)および移動可能な保護部材(43または4
    4)が、螺合により移動可能とされている請求項1に記
    載の装置。
  3. 【請求項3】上記プレート部(2)(3)が円形であ
    り、また上記第1および第2の保護部材(43)(44)が
    円筒形である請求項1または2に記載の装置。
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