JPH06297889A - 証券類 - Google Patents

証券類

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JPH06297889A
JPH06297889A JP5084463A JP8446393A JPH06297889A JP H06297889 A JPH06297889 A JP H06297889A JP 5084463 A JP5084463 A JP 5084463A JP 8446393 A JP8446393 A JP 8446393A JP H06297889 A JPH06297889 A JP H06297889A
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JP
Japan
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infrared
region
absorption
ink layer
infrared absorbing
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Pending
Application number
JP5084463A
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English (en)
Inventor
Harumoto Ota
晴基 太田
Osahisa Matsudaira
長久 松平
Tomohiko Yoshimura
友彦 吉村
Toshifumi Imai
敏文 今井
Yoshie Arai
美江 新井
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複写機による複写を防ぐことのできるバーコー
ド等の機械読み取り可能なマークを設けた証券類を提供
する。 【構成】少なくとも表面2が近赤外領域の赤外線を反射
する基材1上に、実質的に可視領域に吸収があるが近赤
外領域に吸収のないインキ層3が設けられ、かつ実質的
に可視領域に吸収がなく、近赤外領域の赤外線を吸収す
る赤外線吸収物質を含有する赤外線吸収インキ層4が近
接あるいは重畳して設けられていることを特徴とする。
通常の複写機では原本と類似の光学特性を持つ複写物の
作成は困難である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、株券、債券、小切手、
通帳、宝くじ、定期券、回数券等の証券類に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、株券、債券、小切手、通帳、宝く
じ、定期券、回数券等の証券類に、発行機関、発行年月
日、金額等の情報を付与するための手段として、バーコ
ード等の機械読み取り可能なマークを設けることが多く
なってきている。
【0003】そのような機械読み取り可能なマークは、
通常、近赤外領域の赤外線を反射する基材上に、カーボ
ンブラック等の顔料を含有する近赤外領域の赤外線を吸
収する黒色インキを用いて印刷した細線パターンから構
成されるものである。そして情報の読み取りは、近赤外
領域の赤外線によりマーク上を走査し、反射される赤外
線の強度を二値化することにより行なわれている。
【0004】しかしながら、これらのマークは複写機に
より複写が可能である。つまり、複写機は原本の持つ色
調をトナーに置き換え、そのトナーを複写用紙上に複写
(転移)し、複写物を得るものであるが、上記した通り
近赤外領域の赤外線を吸収するインキは黒色であるか
ら、黒色のトナーが複写用紙上に転移される。通常、黒
色のトナーは黒色インキと同様にカーボンブラックを含
有するものが大部分であるから、複写用紙として近赤外
線を反射する基材を用いれば複写物も原本と類似の光学
特性を持つことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、バーコード
等の機械読み取り可能なマークを設けた、株券、債券、
小切手、通帳、宝くじ、定期券、回数券等の証券類にお
いて、複写機による複写を防ぐことのできる証券類の提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
少なくとも表面が近赤外領域の赤外線を反射する基材上
に、実質的に可視領域に吸収があるが近赤外領域に吸収
のないインキ層が設けられ、かつ実質的に可視領域に吸
収がなく、近赤外領域の赤外線を吸収する赤外線吸収物
質を含有する赤外線吸収インキ層が近接あるいは重畳し
て設けられていることを特徴とする証券類である。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明を前提とし、近赤外領域の赤外線を吸収する赤外線吸
収物質を含有する赤外線吸収インキ層が熱転写法により
設けられたものであることを特徴とするものである。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1、2記載
の発明を前提とし、上記赤外線吸収物質が五二酸化リン
を主成分とし、Fe2+及び/又はCu2+を含有するリン
酸塩系白色結晶粉末であることを特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】本発明に係わる証券類によれば、マークの読み
取りは、近赤外領域の赤外線を反射する基材、その上に
設けられた実質的に可視領域に吸収がなく、近赤外領域
の赤外線を吸収する赤外線吸収物質を含有する赤外線吸
収インキ層による赤外線の反射(吸収)を検知すること
により行なうことができる。尚、この際、実質的に可視
領域に吸収があるが近赤外領域に吸収のないインキ層
は、読み取りに影響を及ぼさない。
【0010】また、カラー複写機を用いての複写の際
は、通常、複写照明用光源に赤外領域の波長は含まれて
いないために、実質的に可視領域に吸収があるが近赤外
領域に吸収のないインキ層の部分は複写されるが、実質
的に可視領域に吸収がなく、近赤外領域の赤外線を吸収
する赤外線吸収物質を含有する赤外線吸収インキ層の部
分は複写されることはない。よって、目視上は複写がで
きたように見えるが、原本と同一の赤外線吸収・反射特
性を持つ複写物を得ることは不可能である。
【0011】更に、モノクロ複写機を用いての複写の際
は、例え複写照明用光源に赤外領域の波長が含まれてい
る場合であっても、実質的に可視領域に吸収があるが近
赤外領域に吸収のないインキ層の部分と、実質的に可視
領域に吸収がなく、近赤外領域の赤外線を吸収する赤外
線吸収物質を含有する赤外線吸収インキ層の部分が複写
される。しかしながら、トナーの色は黒色であるである
ので目視により複写物とわかる。また、実質的に可視領
域に吸収があるが近赤外領域に吸収のないインキ層の部
分もトナーに置き換わるので、原本と同一の赤外線吸収
・反射特性を持つ複写物を得ることは不可能である。
【0012】また、機械読み取り可能なマークは、証券
毎に異なる固定情報である場合が多いため、実質的に可
視領域に吸収がなく、近赤外領域の赤外線を吸収する赤
外線吸収物質を含有する赤外線吸収インキ層は、多品種
少量生産が可能な熱転写材を用いた熱転写法により設け
ることが好ましい。
【0013】更に、そのような赤外線吸収インキ層に含
まれる赤外線吸収物質としては、白色度の点と赤外線吸
収能から、五二酸化リンを主成分とし、Fe2+及び/又
はCu2+を含有するリン酸塩系白色結晶粉末が最適であ
る。
【0014】以下に本発明を図面に基づいて更に具体的
に説明する。
【0015】図1は本発明の証券類の一例の構成を示す
断面図である。図1においては、近赤外線反射物質を塗
布形成した表面2を有する基材1に、実質的に可視領域
に吸収があるが近赤外領域に吸収のないインキ層(以
下、可視領域吸収インキ層3と言う)が設けられ、更
に、実質的に可視領域に吸収がなく、近赤外領域の赤外
線を吸収する赤外線吸収物質を含有する赤外線吸収イン
キ層(以下、単に赤外線吸収インキ層4と言う)が近接
あるいは重畳して設けられている。
【0016】本発明における基材は、紙、プラスチック
等、特に限定されるものではないが、少なくとも表面が
近赤外領域の赤外線を60%以上反射する必要がある。
尚、基材単独では十分な赤外線反射性が得られない場
合、表面に二酸化チタン等、近赤外線反射物質を塗布形
成した表面2を形成してもよい。
【0017】本発明における可視領域吸収インキ層3と
は、基材の表面に形成され、実質的に可視領域に吸収が
あるが近赤外領域に吸収のないインキにより形成される
層である。このようなインキとしては、通常のオフセッ
ト印刷用のいわゆるプロセスインキが挙げられる。尚、
本明細書中の実質的に可視領域に吸収があるとは、可視
領域(波長380nm〜700nm)においての吸収率
が20%以上である部分を有することを言う。また、近
赤外領域に吸収がないとは近赤外領域において10%以
下の吸収率を有することを言う。尚、可視領域吸収イン
キ層3の他の形成方法として、熱転写材を用いた熱転写
法によってもよい。
【0018】本発明における赤外線吸収インキ層4と
は、上記可視領域吸収インキ層3に近接あるいは重畳し
て設けられる層であり、実質的に可視領域に吸収がな
く、近赤外領域の赤外線を吸収する赤外線吸収物質を含
有する赤外線吸収インキにより設けられる。尚、本明細
書中の実質的に可視領域に吸収がないとは、可視領域
(波長380nm〜700nm)においての吸収率が2
0%以下であることを言う。また、赤外光領域に吸収が
あるとは近赤外領域において60%以上の吸収率を有す
ることを言う。
【0019】上記赤外線吸収インキ層4は、赤外線吸収
物質をインキ化し、スクリーン印刷法などの既知の印刷
方法により形成しても良いが、近赤外領域の赤外線を反
射する基材と、赤外線吸収インキ層からなる機械読み取
り可能なマークは、証券毎に異なる情報である場合が多
いため、多品種少量生産が可能な熱転写法により設ける
ことが好ましい。
【0020】赤外線吸収物質を例示すると、五二酸化リ
ンを主成分とし、酸化鉄および/又は酸化銅1.0重量
%以上を含有するリン酸塩系白色結晶材料粉末、五二酸
化リンを主成分とし、Fe2+及び/又はCu2+を含有す
るガラス系材料、金属錯体型の赤外線吸収剤、シアニン
系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アントラ
キノン系、アミニウム系、クロコニックメチン系、アズ
レニオウム系、ピリリウム系等の赤外線吸収染料の一部
である。
【0021】尚、上記白色結晶材料粉末、ガラス系材料
は、必要に応じ、以下の化合物を含有する。
【0022】 Al2 3 2. 0〜10.0重量% B2 3 1. 0〜30.0重量% MgO 3. 0〜10.0重量% ZnO 0〜 3.0重量% K2 O 0〜15.0重量% BaO 0〜10. 0重量% SrO 0〜10. 0重量% Ni, Co, Se 微量
【0023】上記した赤外線吸収物質のうち、白色度の
点からは白色結晶材料粉末、ガラス系材料が好ましく、
赤外線吸収能からは白色結晶材料粉末、金属錯体型の赤
外線吸収剤、赤外線吸収染料が好ましい。
【0024】これらの赤外線吸収物質をインキ化するた
めに用いるバインダーとしては、ワックス等が用いられ
る。上記バインダーは溶剤を除く赤外線吸収インキ組成
中に20重量%以上含まれることが好ましい。
【0025】他方、これらの赤外線吸収物質を含有する
熱転写層を有する熱転写材は、ベースシートと熱転写層
とでその主要部が構成されている。
【0026】まず、上記ベースシートとしては任意のプ
ラスチックフィルムが適用でき、例えば、ポリエチレン
やポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニルやこれ
を更に塩素化した塩素化ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル
系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合樹脂等から成るフィルム又はシートが挙げられる。
【0027】また、このベースシート上には上記熱転写
層のベースシートからの剥離を容易にさせる剥離層を備
えていてもよい。このような剥離層に適用できる材料と
しては、例えば、サーマルヘッドにより上記熱転写層を
熱転写させる場合、融点60〜120℃のワックス類が
挙げられる。具体的には、パラフィンワックス、カルナ
バワックス、モンタンワックス、高級脂肪酸、高級アル
コール、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル等が例
示できる。また、その軟化点が60〜150℃の低軟化
点樹脂を適用することも可能である。このような低軟化
点樹脂は、通常、その分子量が500〜5000の樹脂
材料で、例えば、エポキシ樹脂、低分子量ポリスチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂、石油樹脂等が挙げられる。尚、上記
ワックス類とこの低軟化点樹脂の混合物を用いてもよ
い。また、剥離層内に赤外線を透過する有機又は無機の
粉末を5〜20重量%混合することによりサーマルヘッ
ドによる転写の際の破断伸度を低下させることが可能と
なる。
【0028】そして、上記材料を溶剤に溶解又は分散し
て塗料化しこれをコーティングして剥離層を形成するこ
とができる。この溶剤としては、トルエン等の芳香族炭
化水素、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン
等のアルコール系溶剤が適用できる。また、コーティン
グ手段としては、グラビアコート、ロールコート、バー
コート、エアナイフコート、ブレードコート、スクリー
ン印刷等の公知の手段が利用できる。尚、この剥離層の
膜厚は、通常、0.5〜2.0μm程度に設定される。
【0029】次に、上記熱転写層は、熱転写時にベース
シートから直接又は剥離層と共に剥離されると共に、赤
外線反射性基体上へ直接又は以下に述べる接着層と共に
転写する被膜で、上記赤外線吸収物質と樹脂バインダー
とでその主成分が構成されるものである。
【0030】まず、この樹脂バインダーとしては、水又
は有機溶剤に溶解する高分子材料が適用できる。具体的
には、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、線状の飽和
ポリエステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸エチル等のメタクリル酸若しくはそのエステルの単
独又は共重合体、ポリウレタン、ポリブチラール等が使
用できる。
【0031】そして、上記接着層を介さずに赤外線反射
性基体へ直接転写可能な熱転写材を構成する場合には、
ガラス転移点が50〜110℃の樹脂バインダーを適用
することが望ましい。このような樹脂バインダーの分子
量は、通常、8000以上である。この高分子量樹脂と
しては、ポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合樹脂、変性した塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合樹脂等の塩化ビニル系樹脂、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸−2−メトキシエチル、ポリアク
リル酸メチル、ポリアクリル酸−2−ナフチル、ポリア
クリル酸イソボルニル、ポリメタクリロニトリル、ポリ
アクリルニトリル、ポリメチルクロロアクリレート、ポ
リメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリ
メタクリル酸−t−ブチル、ポリメタクリル酸イソブチ
ル、ポリメタクリル酸フェニル、、メタクリル酸メチル
とメタクリル酸アルキル(但しアルキル基の炭素数は2
〜6個)のコポリマー等のアクリル系樹脂;ナイロン−
6,6、ナイロン−6,7、ナイロン−6,8、ナイロ
ン−6,9、ナイロン−6,10、ナイロン−6,1
2、ナイロン−10等のポリアミド系樹脂;ポリビニル
アセタール等のポリアセタール系樹脂等が利用できる。
【0032】また、サーマルヘッドによりこの熱転写層
を基材上へ直接転写する場合には、上述した高分子量樹
脂に軟化点50〜150℃の低軟化点樹脂を混合するこ
とにより熱応答性が向上し、加熱部位周辺の転写が防止
されて転写精度を向上することが可能となる。このよう
な低軟化点樹脂には、上記剥離層に適用される低軟化点
樹脂が適用できる。尚、この混合量は、熱転写層の樹脂
成分全体の20〜70重量%を高分子量樹脂、残部を低
軟化点樹脂とすればよい。また、上記同様、サーマルヘ
ッドによりこの熱転写層を基材上へ直接転写する場合に
は、上記熱転写層に耐摩耗材を混合することが望まし
い。この耐摩耗材としては、動物系ワックス、植物系ワ
ックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス等の天然ワッ
クス;合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸
のエステル系ワックス、水素化ワックス、合成ケトン系
ワックス、アミンあるいはアミド系ワックス、塩素化炭
化水素系ワックス、合成動物系ワックス、αオレフィン
系ワックス等の合成ワックス;ステアリン酸亜鉛等の高
級脂肪酸の金属塩;テフロンパウダー;ポリエチレンパ
ウダー、ポリプロピレンパウダー等が使用できる。尚、
この混合量は、樹脂成分100重量部に対し6〜70重
量部でよい。
【0033】このようにして作成された熱転写材は、上
記基材に熱転写層を密接しながらベースフィルム側から
サーマルヘッド等の加熱媒体により加熱することによ
り、赤外吸収インキ層を形成する。
【0034】以下、本発明に係わる証券類の複写の困難
性を図面を用いて説明する。図1に記載の証券類を上部
から目視すると、図2に記載のように可視領域吸収イン
キ層3のみを確認することができた。他方、図1に記載
の証券類を赤外線スコープを用いて上部から観察する
と、図3に記載のように赤外線吸収インキ層4のみを確
認することができた。
【0035】次に、上記証券類をカラー複写機を用いて
複写を行なったところ、図4に記載のように可視領域吸
収インキ層3のみを複写することができた。しかし、赤
外線スコープを用いて上部から観察しても、赤外線を吸
収する部分は確認できなかった。
【0036】更に、上記証券類をモノクロ複写機を用い
て複写を行なったところ、図5に記載のように可視領域
吸収インキ層3と赤外線吸収インキ層4の両方を複写し
た画像が再現された。また、赤外線スコープによる観察
においても同様であった。
【0037】
【実施例】
【0038】以下、本発明を一実施例を用いて詳細に説
明する。
【0039】<実施例1>基材としてのコート紙上に、
二酸化チタンを含有する赤外線反射インキを全面に塗布
し、基材表面を赤外線反射性とした。
【0040】上記表面上に可視領域吸収インキとして、
藍色プロセスインキ(東洋インキ製造(株)社製、商品
名FDOL)により細紋を印刷し、可視領域吸収インキ
層を形成した。
【0041】次に、実質的に可視領域に吸収がなく、赤
外光を吸収する赤外線吸収物質を含むインキを製造す
る。
【0042】下記の組成を有する第二銅含有リン酸塩系
組成物について融解しかつこれを結晶化させて第二銅含
有リン酸塩系白色結晶化合物を求めた。
【0043】[第二銅含有リン酸塩系組成物] P2 5 50.0重量% CuO 49.5重量% ZnO 0.5重量%
【0044】尚、この化合物について銅の管球(CuK
α)を用いてX線回折を行ったところ、回折角(2θ)
=28.14、30.07、30.34、44.01に
強いピークが表れ、結晶化されていることが確認されて
いる。
【0045】次に、この第二銅含有リン酸塩系白色結晶
を粉砕して粉末化し、これを赤外線吸収性顔料として下
記組成の赤外線吸収性印刷インキを調製した。
【0046】 [赤外線吸収性印刷インキ] 顔料(第二銅含有リン酸塩系白色結晶化合物) 30重量部 塩酢酸ビニル系樹脂(積水化学工業社製 商品名エレックスA)10重量部 飽和ポリエステル(東洋紡績社製 商品名バイロン103) 5重量部 ポリウレタンエラストマー 12重量部 (日本ポリウレタン工業社製 商品名N−2304) イソシアナート硬化剤 3重量部 トリエチレンジアミン 0.5重量部 溶剤(トルエン/メチルイソブチルケトン) 60重量部
【0047】そして、この赤外線吸収性印刷インキを適
用して前記表面2上に膜厚10μmの赤外線吸収インキ
層4を設け、証券を得た。
【0048】上記証券の表面と赤外線吸収インキ層から
なるマーク(バーコードパターン)は区別がつかず目視
がほとんど不可能であった。また、このマークについて
波長780nmの光を用い機械読取りを行ったところそ
のPCS(プリント・コントラスト・シグナル)値は
0.75であった。
【0049】また、この証券をカラーおよびモノクロ複
写機にて複写を試みたが、赤外線吸収・反射特性は、原
本である証券と大きく異なっていた。
【0050】<実施例2>実施例1と同様な第二銅含有
リン酸塩系白色結晶化合物を顔料として熱転写材を作成
する。
【0051】 [熱転写層用赤外線吸収インキ] 顔料(第二銅含有リン酸塩系白色結晶化合物) 40.0重量部 スチレン−アクリルコポリマー 10.0重量部 (ガラス転移点:100℃、分子量:約70000) エポキシ樹脂 15.0重量部 (ガラス転移点:83℃、分子量:約1000) トルエン 31.0重量部
【0052】そして、この赤外線吸収インキを用いて実
施例に係る熱転写材を求めた。すなわち、この熱転写材
は厚さ3.5μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トから成るベースシートと、このベースシート上に下記
組成の剥離層用塗料をグラビアコートして形成された厚
さ1.5μmの剥離層と、この剥離層上に上記赤外線吸
収インキをグラビアコートして形成された厚さ1.5μ
mの熱転写層とでその主要部が構成されている。
【0053】 [剥離層用塗料] エポキシ樹脂 10.0重量部 (ガラス転移点:98℃、分子量:約1600) メチルエチルケトン 40.0重量部
【0054】そして、得られた熱転写材を用いてサーマ
ルヘッドにより実施例1と同様な基材上へパターン状に
上記熱転写層を転写し、赤外線吸収インキ層を設け、証
券を得た。
【0055】上記証券の表面と赤外線吸収インキ層から
なるマーク(バーコードパターン)は区別がつかず目視
がほとんど不可能であった。また、このマークについて
波長780nmの光を用い機械読取りを行ったところそ
のPCS(プリント・コントラスト・シグナル)値は
0.75であった。
【0056】また、この証券をカラーおよびモノクロ複
写機にて複写を試みたが、赤外線吸収・反射特性は、原
本である証券と大きく異なっていた。
【0057】<実施例3>赤外線吸収剤を用いて熱転写
材を作成する。
【0058】 [熱転写層用赤外線吸収インキ] 赤外線吸収剤(ナフタロシアニン系) 20.0重量部 スチレン−アクリルコポリマー 10.0重量部 (ガラス転移点:100℃、分子量:約70000) エポキシ樹脂 15.0重量部 (ガラス転移点:83℃、分子量:約1000) トルエン 31.0重量部
【0059】そして、この赤外線吸収インキを用いて実
施例に係る熱転写材を求めた。すなわち、この熱転写材
は厚さ3.5μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トから成るベースシートと、このベースシート上に下記
組成の剥離層用塗料をグラビアコートして形成された厚
さ1.5μmの剥離層と、この剥離層上に上記赤外線吸
収インキをグラビアコートして形成された厚さ1.5μ
mの熱転写層とでその主要部が構成されている。
【0060】 [剥離層用塗料] エポキシ樹脂 10.0重量部 (ガラス転移点:98℃、分子量:約1600) メチルエチルケトン 40.0重量部
【0061】そして、得られた熱転写材を用いてサーマ
ルヘッドにより実施例1と同様な基材上へパターン状に
上記熱転写層を転写し、赤外線吸収インキ層を設け、証
券を得た。
【0062】上記証券の表面と赤外線吸収インキ層から
なるマーク(バーコードパターン)は区別がつかず目視
がほとんど不可能であった。また、このマークについて
波長780nmの光を用い機械読取りを行ったところそ
のPCS(プリント・コントラスト・シグナル)値は
0.70であった。
【0063】また、この証券をカラーおよびモノクロ複
写機にて複写を試みたが、赤外線吸収・反射特性は、原
本である証券と大きく異なっていた。た。
【0064】
【発明の効果】以上、説明したように請求項1に記載の
証券類によれば、マークの機械読み取りが可能なことは
無論のこと、カラー複写機、モノクロ複写機を用いての
複写も困難である証券類の提供することができる。
【0065】また、請求項2記載の証券類によれば、証
券毎に異なる情報を有する証券類の、多品種少量生産が
可能となる。
【0066】更に、請求項3記載の証券類によれば、白
色度の点と赤外線吸収能が良好であるため、本発明の赤
外線吸収インキ層に含まれる赤外線吸収物質として最適
である。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の証券類の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の証券類を目視した際の平面図である。
【図3】本発明の証券類を赤外線スコープで確認した際
の平面図である。
【図4】本発明の証券類を複写した際の平面図である。
【図5】本発明の証券類を複写した際の平面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 表面 3 可視領域吸収インキ層 4 赤外線吸収インキ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B42D 15/00 351 A 8604−2C G06K 7/12 A 9191−5L 19/10 19/00 8623−5L G06K 19/00 X (72)発明者 今井 敏文 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 新井 美江 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面が近赤外領域の赤外線を反
    射する基材上に、実質的に可視領域に吸収があるが近赤
    外領域に吸収のないインキ層が設けられ、かつ実質的に
    可視領域に吸収がなく、近赤外領域の赤外線を吸収する
    赤外線吸収物質を含有する赤外線吸収インキ層が近接あ
    るいは重畳して設けられていることを特徴とする証券
    類。
  2. 【請求項2】近赤外領域の赤外線を吸収する赤外線吸収
    物質を含有する赤外線吸収インキ層が熱転写法により設
    けられたものであることを特徴とする請求項1記載の証
    券類。
  3. 【請求項3】上記赤外線吸収物質が五二酸化リンを主成
    分とし、Fe2+及び/又はCu2+を含有するリン酸塩系
    白色結晶粉末であることを特徴とする請求項1、2記載
    の証券類。
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