JPH0629661U - 塗布装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】塗剤を長尺ワークに均一に塗布しうるととも
に、材料費の節減を図りうる。 【構成】長尺ワークＷを搬送するコンベヤ２と、このコ
ンベヤ２に付設される基台３と、横方向に移動しうる移
動枠４と、この移動枠４に取付けられる塗布ガン５と、
前記移動枠４を横方向に往復移動させる横行手段６とを
具えるとともに、この横行手段６は、電動機Ｍにより回
転する偏心リング７と、偏心リング７の外周面を挟むガ
イド面１１を有し偏心リング７の回転によって横移動す
る案内板９とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、長尺ワークの上面に塗剤を広範囲に亘ってかつ均一に塗布でき、し かも塗剤の材料費を節減しうる塗布装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

根太受などの木質の長尺ワークには、根太などを接着するためのいわゆる防振 材が塗布される。

【０００３】 この防振材は、ゴム性のホットメルト剤に窒素ガス、あるいは炭酸ガスなどを 混入した発泡性の塗剤であって、接着の他、振動を吸収する性能に優れ、根太を 受ける根太受などに防振用として多用される。

【０００４】 このような防振材は、従来、コンベヤにより搬送される長尺ワークの上面に固 定式の塗布ガンを用いて塗布されていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら固定式の塗布ガンを用いて塗剤を広範囲に塗布するためには、該 塗布ガンの本数を増す必要があり、これに従って塗剤の量も増大し、材料費の上 昇を招いていた。

【０００６】 又固定式の塗布ガンを例えば２本使用して、長尺ワークに塗剤を２列塗布した 場合には、ややもすると塗剤の量にムラが生じることがあり、品質を低下させる 原因となっていた。

【０００７】 本考案は、塗布ガンが取付く移動枠を往復移動させる横行手段を具えることを 基本として、防振材などの塗剤を長尺ワークの上面に広範囲に亘ってムラなく均 一に塗布でき、品質を向上しうるとともに、塗剤の材料費を節減しうる塗布装置 の提供を目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、長尺ワークの上面に防振材などの塗剤を塗布する塗布装置であって 、前記長尺ワークを長手方向に搬送するコンベヤと、このコンベヤに付設されか つコンベヤ上方で該コンベヤを横切る向きのガイドを具える基台と、このガイド に案内され横方向に移動しうる移動枠と、この移動枠に吐出口を下に取付けられ 前記塗剤を前記吐出口から吐出する塗布ガンと、前記移動枠を横方向にかつ前記 長尺ワークの巾内で往復移動させる横行手段とを具えるとともに、この横行手段 は、前記基台に取付けられ前記長手方向に直角な垂直面内で電動機により回転す る偏心リングと、前記移動枠に取付けられ偏心リングの外周面を挟むガイド面を 有し偏心リングの回転によって横移動する案内板とからなる。

【０００９】

【作用】

吐出口を下にして塗布ガンが取付けられた移動枠は、横行手段により長尺ワー クの巾内で移動できる。従って、長尺ワークをコンベヤにより搬送しつつ移動枠 を往復移動させることにより、長尺ワークの上面にジグザグ状に塗剤を塗布でき 、長尺ワークの上面に広範囲に亘りムラのない均一な塗布を可能とし、品質を向 上しうるとともに、固定式の塗布ガンによる２列塗布に比して塗剤の量を半減で き、材料費を節減しうる。

【００１０】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。 図において本考案の塗布装置１は、長尺ワークＷの上面に防振材などの塗剤Ａ を塗布でき、かつ前記長尺ワークＷを長手方向に搬送するコンベヤ２と、このコ ンベヤ２に付設される基台３と、横方向に移動しうる移動枠４と、この移動枠４ に取付けられる塗布ガン５と、前記移動枠４を横方向に往復移動させる横行手段 ６とを具えるとともに、前記横行手段６は、前記基台３に取付けられる偏心リン グ７と、前記移動枠４に取付けられかつ偏心リング７の回転によって横移動する 案内板９とからなる。

【００１１】 前記コンベヤ２は、本実施例では、平行な１対の側板１５、１５間に架け渡さ れたローラにベルト１６を巻回してなるいわゆるベルトコンベヤであって、前記 側板１６、１６上端には、長尺な桟材１７、１７を介して長尺ワークＷを位置決 めする位置決め金具１９、１９が配設される。

【００１２】 位置決め金具１９は、前記桟材１７の上面に固定される水平な固定片１９Ａと 、該固定片１９Ａの前記ベルト１６側の側縁から立上がる立片１９Ｂとからなる 断面Ｌ字の長尺な金具であって、側板１５、１５上方の前記立片１９Ｂ、１９Ｂ 間に、本実施例では２本の長尺ワークＷ、Ｗを並んで搬送させる。

【００１３】 長尺ワークＷは、根太受などに用いられる断面矩形かつ木質の長尺体からなり 、前記コンベヤ２により長手方向に２本ずつ端面を揃えて搬送される。

【００１４】 前記コンベヤ２には、基台３が付設される。基台３は、前記側板１５、１５の 両側に立設される例えばＨ形鋼からなる１対の支柱２０、２０上端にボルト止め されるとともにコンベヤ２上方で該コンベヤ２を横切る水平な下板２１と、この 下板２１のコンベヤ２の下流方向の側縁から立上がる立上げ板２２とからなるＬ 字状の基体２３を具える。

【００１５】 又前記基体２３の立上げ板２２のコンベヤ２の下流方向に向く面下部には、コ ンベヤ２上方で該コンベヤ２を横切る向きにのびるガイド１０が取付けられる。 このガイド１０は、図２に示すように、断面台形状の摺動部１０Ａを具えるとと もに、この摺動部１０Ａに摺動可能に嵌入される条溝２４Ａを有した支持具２４ を取付けた移動枠４が前記立上げ板２２の下流側に配される。

【００１６】 移動枠４は、前記支持具２４を上流側の面下部に固定した矩形の基部２６を具 えるとともに、この基部２６の両側縁上部からは、上流側に向かって１対の突片 ２７、２７を垂直に突設している。なお前記基部２６上部には、円孔２９が穿設 されるとともに、前記突片２７、２７の突出端からは互いに向き合う方向に小長 さのフランジ３０、３０を配している。

【００１７】 従って、移動枠４は、支持具２４を介してガイド１０に案内、保持されるとと もに、このガイド１０の摺動部１０Ａを支持具２４が摺動することにより横方向 に移動しうる。

【００１８】 又移動枠４には、塗布ガン５が取付けられる。塗布ガン５は、前記基部２６の 両縁下部から下流側に突出する突出片３１、３１間を結ぶ水平な軸体３２に矩形 板３３を介して取付く２つの直方体状の固着部３４、３４に夫々吐出口を下に向 けて取付けられ、前記２本の長尺ワークＷ、Ｗの上面に塗剤Ａを吐出する。

【００１９】 なお塗剤Ａとしては、加熱溶融されたゴム性のホットメルト剤に窒素ガスなど を混入した発泡性の防振材などが根太受への振動伝達を防止するために好適に用 いられる。

【００２０】 前記移動枠４は、横行手段６により横方向にかつ長尺ワークＷの巾よりもやや 小さい距離だけ往復移動する。

【００２１】 又前記基台３の立上げ板２２の上流側の面上部にフランジ部３６、減速部３７ を介して取付く電動機Ｍから立上げ板２２の下流側に回転軸３９が突出するとと もに、この回転軸３９と前記横行手段６の偏心リング７とは、該偏心リング７に 穿設された孔部７Ａの周面の凹部４０と、回転軸３９の先端に設けた凹部４１と に嵌合するピンにより結合される。

【００２２】 なお偏心リング７は、前記孔部７Ａを囲んでボス部４２が設けられるとともに 、前記回転軸３９への固定により該回転軸３９を介して前記基台３に取付けられ る。又前記電動機Ｍの作動により偏心リング７は、長尺ワークＷの長手方向に直 角な垂直面内で回転する。

【００２３】 さらに横行手段６の前記案内板９は、本実施例では、前記移動枠４により形成 される。すなわち偏心リング７は、前記基部２６、突片２７、２７、フランジ３ ０、３０に囲まれる空間に前記ボス部４２を前記円孔２９に遊挿させて配置され ることにより、突片２７、２７の向き合う面は、偏心リング７の外周面を挟むガ イド面１１、１１を形成する。

【００２４】 案内板９は、図４に実線、一点鎖線、二点鎖線で示すように、偏心リング７の 回転によって前記ガイド面１１、１１が横方向に押圧され、前記ガイド１０に沿 って横移動する。

【００２５】 従って、移動枠４も長尺ワークＷの巾内で往復移動し、コンベヤ２により搬送 される前記２本の長尺ワークＷ、Ｗの上面に塗布ガン５、５によってジグザグ状 に塗剤Ａを塗布できる。

【００２６】

【考案の効果】

叙上の如く本考案の塗布装置は、塗布ガンを取付けた移動枠を横方向に往復移 動させる横行手段を具えるため、塗布ガンの本数、および塗剤の量を増大させる ことなく長尺ワークの上面に広範囲にムラなく均一に塗剤を塗布でき、コストダ ウンを図りうるとともに、品質の向上に役立つ。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案の一実施例の要部を示す断面図である。

【図３】偏心リングと案内板とを示す部分分解斜視図で
ある。

【図４】作用を略示する線図である。

【符号の説明】

２ コンベヤ ３ 基台 ４ 移動枠 ５ 塗布ガン ６ 横行手段 ７ 偏心リング ９ 案内板 １０ ガイド １１ ガイド面 Ａ 塗剤 Ｍ 電動機 Ｗ 長尺ワーク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長尺ワークの上面に防振材などの塗剤を塗
   布する塗布装置であって、前記長尺ワークを長手方向に
   搬送するコンベヤと、このコンベヤに付設されかつコン
   ベヤ上方で該コンベヤを横切る向きのガイドを具える基
   台と、このガイドに案内され横方向に移動しうる移動枠
   と、この移動枠に吐出口を下に取付けられ前記塗剤を前
   記吐出口から吐出する塗布ガンと、前記移動枠を横方向
   にかつ前記長尺ワークの巾内で往復移動させる横行手段
   とを具えるとともに、この横行手段は、前記基台に取付
   けられ前記長手方向に直角な垂直面内で電動機により回
   転する偏心リングと、前記移動枠に取付けられ偏心リン
   グの外周面を挟むガイド面を有し偏心リングの回転によ
   って横移動する案内板とからなることを特徴とする塗布
   装置。