JPH06296480A - 高精白原料米の連続浸漬装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 清酒醸造の分野において、高精白原料米の浸
漬工程における作業を、連、断続かつ自動的に行なう装
置に関する。 【構成】 酒造原料米の浸漬工程において、複数個に区
画又は円筒を配列した浸漬室を設け、この浸漬室の水平
回転移動に応じて浸漬工程のすべてを、連、断続、かつ
自動的に行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、清酒醸造の分野にお
いて、高精白原料米の浸漬工程における作業を、連、断
続かつ自動的に行なう装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、酒造原料米の浸漬は、水を張つた
浸漬タンクに原料米を投入し、所定時間、浸漬する方法
が一般的であつた。

【０００３】一方、高精白原料米は、低精白原料米と比
較して、含有水分量が少ないため、吸水速度が低精白原
料米より早いという特質を有しているので、長時間浸漬
は吸水過多を引き起こし、蒸きようにおいて、外硬内軟
米の醸成が困難であつた。

【０００４】したがつて、浸漬タンクで浸漬する方法が
採用できず、数分間単位の時間で行なう、手作業による
限定吸水法が実施されており、この限定吸水法の作業は
煩雑な上、過大な労力を必要としていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】清酒において、高品質
の製品を得るためには、高精白原料米が要求される一
方、前記したように高精白原料米の浸漬工程は、吸水速
度が早いため、限られた時間内に作業を終了させる、手
作業による限定吸水法に頼らざるを得なかつたが、その
作業は煩雑で過多な労力を要求されるという現状に鑑
み、これを改善することがこの発明に課せられた課題で
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は複数個に区画
又は円筒を配列した、浸漬室を設け、この浸漬室の水平
回転移動を利用して、前記限定吸水法で行なわれる、洗
米、浸漬、脱水すすぎ、水切り、排出までのすべての工
程を、連、断続かつ自動的に行ない所定の均一な吸水分
に調整するものである。

【０００７】すなわち、複数個に円筒又は区画を配列し
た、浸漬室に、それぞれの役割を果させながら、従来の
手作業で行なわれてきた、限定吸水法を自動化したもの
である。

【０００８】前記浸漬室は、各種原料米の吸水条件に応
じて、回転速度を自在に変更することが可能であり、所
定の均一な吸水率に調整できる。

【０００９】前記各浸漬室に投入された原料米は、前記
浸漬室の回転移動と共に、洗米、浸漬、脱水、すすぎ、
水切り、排出の各作業が自動的に行なわれる。

【００１０】かようにして、手作業で行なわれてきた従
来の限定吸水法を、すべて連続かつ自動的に行なう方法
として、複数個に区画した浸漬室を、上下回転させなが
ら行なう方法がある。

【００１１】この発明は浸漬室を水平に回転移動させ、
連、断続かつ自動的に所定の均一な吸水率に調整可能に
した酒造用原料米の連続浸漬装置を提案するものである
（ここに言う連、断続とは、タイマ利用による、タイム
スケジユ−ルに基づいた動きを含む）。

【００１２】

【作用】浸漬室の水平回転移動を利用した前記手段によ
つて、原料米を移動させ、洗米、浸漬、脱水、すすぎ、
水切り、排出の各作業を連、断続かつ自動的に行なわせ
る。

【００１３】

【実施例】先ず図１ないし図４に示す第一実施例におい
て、固定された受盤１の上面を回転移動する浸漬室２
は、複数個の筒状体（円筒、角筒など）からなり、区画
室２ａ，２ｂ，２ｃ…のように配列されている。

【００１４】前記浸漬室２は、回転速度を自在に調整で
きる駆動部３により、中心軸４を介して回転盤５の回転
に誘導され、前記中心軸４を基点として回転移動する。

【００１５】前記受盤１の上部には、それぞれ浸漬工程
に基づいた機構の配列がなされ、浸漬室２は受盤１の上
面を順次、浸漬工程にしたがつて移動する。

【００１６】６は給水管であり、電磁弁７を通して、例
えば図に区画室２ａが位置する箇所で給水がなされる。
水と原料米の受け入れを終了した区画室２ａは回転盤５
の回転に誘導され、図に区画室２ａが位置する箇所の洗
米工程へと移行する。

【００１７】洗米工程においては、エア管８からはエア
が、給水管９からは水が供給され、ブロ−孔１０から、
エア又は水或いは両者の混合体が送り込まれ、原料米の
洗米が行なわれる。また余剰水は排水口１７から排水さ
れる。

【００１８】原料米は暫時、浸漬工程（図において区画
室２ｃが位置する箇所）へと誘導され、浸漬を行なう。
次いで図に区画室２ｄが位置する箇所でのすすぎ工程へ
と誘導された原料米は、受盤１に構成された多孔板又は
金網からなる通水性構造部１１から脱水され、シヤワ−
管１２に設けられた、散水ノズルによつて、すすぎの作
業が行なわれる。さらに原料米が図に区画室２ｅが位置
する箇所における水切部へと誘導されると、水切りが行
なわれ、排水口１７を介して排水される。

【００１９】かくして水切り工程を終了した原料米は、
図に区画室２ｆが位置にある原料払い出し口へと誘導さ
れ、受け盤１に開口された原料米払い出し口１５から、
シユ−ト１６を介して排出され、排出後の付着原料米
は、エア管１３に設けられたエアノズルにより残米を除
去する。すべての工程を終了した区画室は、次工程へと
移動し、水及び原料米の受入態勢をととのえる。このよ
うにして、原料米の投入、洗米、浸漬、脱水、すすぎ、
水切り、排出等一連の動作を、連続的かつ自動的に完了
する。

【００２０】次に図５及び図６に示す第二実施例におい
て、固定された外周水受盤２１の内側に回転体を構成す
る浸漬室２２は、放射方向に複数個の区画室２２ａ，２
２ｂ，２２ｃ…に区画され、水切りができるように、多
孔板又は金網からなる通水性材料で構成され、原料米の
吸水条件によつて回転速度を自在に調整できる。

【００２１】前記浸漬室２２は、外筒２３、内筒２４か
ら構成され、駆動部２６、ピンホイ−ル２７、ピン２８
を介して回転させると、中心固定軸２５を基点にして回
転する。

【００２２】浸漬室２２内に給水管２９、電磁弁３０を
通して給水し、余剰水は、浸漬室２２の上部からオ−バ
フロ−して、外周水受盤２１に落下し、外部に排水す
る。

【００２３】原料米はホツパ−３１から浸漬室２２に投
入され、回転移動と共に浸漬工程へと移行する。

【００２４】洗米工程においては、エア管３２からはエ
アが、給水管２９からは水が供給され、給水噴出管３３
から浸漬室２２に、エア又は水、あるいは両者の混合体
で送り込まれ、原料米の洗米が行なわれる。

【００２５】原料米は、暫時、浸漬工程に移行し、水切
りが行なわれ、シヤワ−管３４に設けられた散水ノズル
によつて、すすぎの作業を終らせる。

【００２６】さらに原料米は排出部に移行し、シヤツタ
−３６を開いてシユ−ト３７を介して排出される。この
ようにして原料米の投入、洗米、浸漬、脱水、すすぎ、
水切り、排出等一連の動作を連続、かつ自動的に完了す
る。

【００２７】

【発明の効果】この発明は、高精白原料米の浸漬給水の
作業に当つて、区画された浸漬室回転体の水平回転移動
を利用し、かつその回転速度を自在に制御できるため、
原料米の接水条件に適合した接水時間の選定が容易に計
られ、また連、断続、自動的に限定給水作業を行なわせ
ることが可能であり、従来、手作業で行なつてきた限定
吸水法のような、煩雑で過大な労力を必要とすることな
く、連続、自動的かつ高能率で、原料米の種類に応じ
た、所定の均一な吸水分の調整を可能にした、有益有用
な装置の発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一実施例の装置の平面図である。

【図２】図１に示す装置の側断面図である。

【図３】図１に示す装置の一部分の拡大断面図である。

【図４】図１に示す装置の他の一部分の拡大断面図であ
る。

【図５】第二実施例の装置の平面図である。

【図６】図５に示す装置の側断面図である。

【符号の説明】

１ 受盤 ２ 浸漬室 ２ａ，２ｂ，２ｃ 区画室 ４ 中心軸 ５ 回転盤 ６ 給水管 ８ エア管 ９ 給水管 ２１ 外周水受盤 ２２ 浸漬室 ２２ａ,２２ｂ,２２ｃ,… 区画室 ２５ 中心固定軸 ２６ 駆動部 ２９ 給水管 ３２ エア管 ３５ 排出部 ３６ シヤツタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 酒造原料米の浸漬工程において、複数個
   に区画又は円筒を配列した浸漬室を設け、この浸漬室の
   水平回転移動に応じて浸漬工程のすべてを、連、断続、
   かつ自動的に行なうようにしたことを特徴とする高精白
   原料米の連続浸漬装置。