JPH0629623Y2 - 温風暖房機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は燃焼室及びこれに接続した熱交換器で燃焼空気
と空気との間の熱交換を行わせる形態の温風暖房機に関
する。

（従来の技術） 燃焼室と空気対空気熱交換器とにより熱交換器を構成し
たこの種の温風暖房機は、実公昭56−42758号公報に例
示される如き構造のものが多く、第３図に要部示してな
る通りである。

（考案が解決しようとする問題点） ところで上記暖房機は燃焼室(21)と熱交換器(22)とを接
続する個所を構造上で大きくとることは、装置のコンパ
クト化を阻むところから許容し得る限り小さくさせてお
り、その結果、この部分での外部への放熱量が少くて温
度の異常上昇を招き易く、さらに、前記接続個所は気流
が絞られて縮流となる部分であるので、排ガスが接続部
の開口に対面する器壁に衝突した後、はね返ることによ
る乱流接触があって、接続部の放熱面積が少ないため
に、当該部分が局部過熱され易く耐久性に問題があっ
た。

又、排ガスと縮流と流動方向変更とによる流動抵抗が大
きくて、バーナの着火時の気体膨張（通常炉内圧の５〜
６倍になる）により発生する炉内圧力が逃げにくくて、
脈動着火などによる着火音の発生が起り易いのも問題で
あった。

このような問題点を解消するべく本考案は案出されるに
至ったのであって、前記接続個所における排ガスの乱流
接触を緩和しながらもコンパクトな構造の保持をはかり
得る構造となすことによって、耐久性及び静粛運転の面
での改善の実を挙げることを考案の目的とする。

（問題点を解決するための手段） そこで本考案は第１図に示す実施例によっても明らかな
如く、燃料室(1)、前記燃焼室(1)の出口に対し該出口の
開口面に直交する方向に、かつその気流通路厚さ(b)を
出口幅(a)に比し薄くさせて接続した第１熱交換器(2)、
複数個のパネル形熱交換器を直列的に接続して形成し、
入口を第１熱交換器(2)に、出口を排気管(15)を介し排
気ラインに夫々接続した第２熱交換器(3)を備えてなる
温風暖房機において、前記第１熱交換器(2)の気流通路
厚さ(b)を第２熱交換器(3)のパネル形熱交換器の同様の
気流通路厚さに比して約２倍程度となすと共に、第１熱
交換器(2)の燃焼室(1)出口に対面する器壁部を、該出口
から遠去かる方向に膨出せしめた着脱可能な盲板(4)を
固定することにより形成し、一方、燃焼室(1)と第１熱
交換器(2)との接続個所を内フランジ構造として耐熱性
のガスケット(16)を介在したビス締め付けにより気密接
続構造としてなることをと特徴とする温風暖房機。

（作用） 上述する如く燃焼室(1)の出口における接続個所は、出
口に対面する器壁が出口から遠去かる方向に膨出してい
るので、出口を通過して第１熱交換器(2)内に流入する
排ガスは通路が拡がっているために円滑に気流方向の転
換を行い、そのために流動抵抗が小さく、しかも第１熱
交換器(2)の気流通路厚さ(b)を厚くしたことによって流
動抵抗はより小さくなり、かくして局部過熱がなくなる
と共に着火時の圧力逃がしも容易に成される。

また、前述する如き盲板(4)構造となしたことによっ
て、この盲板(4)を外して前記接続個所におけるビス締
め作業は簡単に行える結果、シール性の万全を期し得
る。

（実施例） 以下、本考案の１実施例を添付図面にもとづき詳述す
る。

第２図は本考案の実施例に係る温風暖房機であって、縦
長で据置形のケーシング(5)は、前面下部に吸込グリル
(6)、前面上部に吹出グリル(7)を夫々設けると共に、内
部を上下２室に区切らせて、下室には対流ファン(8)、
オイルレベル(9)、バーナ(10)を収設する一方、上室に
は、前記バーナ(10)の炎口部に臨む燃焼室(1)、第１・
２両熱交換器(2),(3)及びコントロール部(11)を収設し
ており、対流ファン(8)を駆動すると、吸込グリル(6)か
ら空気が吸込まれて、エアフイルタ(12)で除塵された空
気は対流ファン(8)、バーナ(10)の周囲、燃料室(1)の周
囲及び第１・２両熱交換器(2),(3)の周囲を順に経、吹
出グリル(7)から吹出されるようになり、この送風の間
に空気は燃焼室(1)、第１・２両熱交換器(2),(3)で加熱
され温風となって吹出されるようになるのである。

しかしてバーナ(10)は、オイルレベル(9)の出口に油溜
め部が接続されていると共に、給気口に対し給排気筒(1
4)から延びる給気管(13)が接続されていて、燃焼用空気
として室外空気が供給され、かつ燃料としては、図示し
ない屋外タンク内の灯油がオイルレベル(9)を経由して
供給される。

一方、燃焼室(1)は背壁上部に燃焼ガスを送出させる出
口を設けていて、この出口に第１熱交換器(2)を接続し
ており、さらに第１熱交換器(2)の出口側に第２熱交換
器(3)を接続すると共に、第２熱交換器(3)の出口を排気
管(15)を介し給排気筒(14)に連結せしめて、燃焼後の排
ガスは室内に流入しないように全て戸外に排出させるよ
うに形成していて、かくして室内空気を燃焼空気によっ
て汚染させることのない所謂、クリーン燃焼・排気形の
暖房機が得られるのである。

かかる構成を有する暖房機において、第１熱交換器(2)
は扁平なパネル形をなす単基の熱交換器であって、その
水平断面積は十分大きい値を示しているが、燃焼室(1)
の出口に対し該出口の開口面に直交する方向の気流通路
厚さ(b)を燃焼室出口幅(a)に比し薄くさせてなる構造で
あり、一方、第２熱交換器(3)は扁平なパネル形の熱交
換器の複数個を所定間隙を有する前後に並設して隣り合
う相互を連結筒で夫々接続することによって、流通空気
が昇流、降流を交互に行うジグザグ状に流動するように
成しており、入口を第１熱交換器(2)の出口に、また出
口を排気管(15)に夫々接続せしめている。

ところで、対流ファン(8)によってケーシング(5)内を上
昇流する空気を加熱させるための熱交換器部は、燃焼室
(1)及び第１・２両熱交換器(2),(3)により構成されるも
のであり、第１図に拡大断面示される通りの構造である
が、第１熱交換器(2)は、燃焼室(1)の出口の開口面に直
交する前後方向の気流通路厚さ(b)を、第２熱交換器(3)
の各パネル形熱交換器の同様の厚さに比して約２倍程度
となしており、さらに、前記燃焼室(1)出口に対面する
背面側の器壁部は着脱可能な盲板(4)を固定することに
より形成している。

上記盲板(4)は、第１熱交換器(2)の背面器壁部の所定個
所に設けた開口を気密的に掩塞し得る蓋構造をなしてい
て、その形態は周縁の鍔部とこの鍔部に囲まれ、かつ燃
焼室(1)出口から遠去かる方向に膨出する凸部とからな
る鍋蓋状になっており、かくして第１熱交換器(2)は燃
焼室(1)出口に直交する前後奥行方向の長さが他部に比
して長くなって該出口から流入する気流の転向部分おけ
る流路を長くとり得るように形成させていることは明ら
かである。

さらに、第１熱交換器(2)と燃焼室(1)との接続個所は、
燃焼室(1)側の出口が平坦なリング鍔をなす口縁を開口
の周囲に持つ内フランジ形となり、また第１熱交換器
(2)の接続部も同様に平坦なリンク鍔の口縁を開口の周
囲に持つ面合わせ構造の内フランジ形となっていて、両
リング鍔を、耐熱性のリング状ガスケット(16)を介在さ
せた状態で、ビスにより適宜数個所において締め付ける
ことによって気密的に接続せしめている。

なお、このビス締め付けによる接続あるいは取り外しの
ためのビス弛めの作業は、前記盲板(4)を脱することに
よって簡単、容易に行わせることが可能である。

以上述べた構造を有する暖房機は、燃焼室(1)で燃焼し
た燃焼ガスが該燃焼室(1)の周壁を介してケーシング(5)
内を流動する空気と熱交換した後、前記出口を経、第１
熱交換器(2)内に流れ込む。

この流れ込んだ燃焼ガスは第１熱交換器(2)内で直ちに
横流から昇流に転向するが、その際、盲板(4)が外方に
膨出していて水平方向の奥行長を大きくしているので転
向気流の熱交換器壁に対する乱流接触が著しく緩和され
て第１熱交換器(2)内をスムースに転流及び昇流する。

かくして接続部における局部過熱が解消もしくは著しく
改善される。

さらに、第１熱交換器(2)内を昇流する燃焼排ガスは該
熱交換器(2)の流路厚さを大きくしているので、流動経
路の抵抗が少なくなり、円滑に第２熱交換器(3)内に流
動することとなる。

（考案の効果） 本考案は以上述べたように、燃焼室(1)の出口から遠去
かる方向に膨出する盲板(4)を第１熱交換器(2)の燃焼室
(1)出口に対面する器壁部に着脱可能に固定したことに
より、第１熱交換器(2)に流れ込む燃焼排ガスの転向流
をスムースにさせて乱流接触を緩和し得る結果、燃焼室
(1)と第１熱交換器(2)との接続部近傍での局部過熱を回
避し、コンパクトな構成ながら耐久性の向上を期し得
る。

さらに、第１熱交換器(2)をその気流通路厚さ(b)を厚く
して気体流動抵抗の小さい構造としたので、排ガス流出
時の抵抗が著しく減少され、かくして着火の際の圧力逃
がしが容易となり、着火音の発生を予防し得る。

また、前記接続部を内フランジ構造としたので、盲板
(4)を脱した状態で第１熱交換器(2)内を通じて気密処理
のための締め付け作業が容易、確実に行い得る結果、接
続部における気密性を高めると共に、組立及び分解作業
のサービス性も改善される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る要部を部分断面示してな
る略示構造図、第２図は同じく全体構造を示す概要図、
第３図は従来の温風暖房機の要部構造図である。 (1)…燃焼室、(2)…第１熱交換器、 (3)…第２熱交換器、(4)…盲板、 (16)…ガスケット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料室(1)、前記燃焼室(1)の出口に対し該
   出口の開口面に直交する方向に、かつ気流通路厚さ(b)
   を出口幅(a)に比し薄くさせて接続した第１熱交換器
   (2)、複数個のパネル形熱交換器を直列的に接続して形
   成し、入口を第１熱交換器(2)に、出口を排気管(15)を
   介し排気ラインに夫々接続した第２熱交換器(3)を備え
   てなる温風暖房機において、前記第１熱交換器(2)の気
   流通路厚さ(b)を第２熱交換器(3)のパネル形熱交換器の
   同様の気流通路厚さに比して約２倍程度となすと共に、
   第１熱交換器(2)の燃焼室(1)出口に対面する器壁部を、
   該出口から遠去かる方向に膨出せしめた着脱可能な盲板
   (4)を固定することにより形成し、一方、燃焼室(1)と第
   １熱交換器(2)との接続個所を内フランジ構造として耐
   熱性のガスケット(16)を介在したビス締め付けによる気
   密接続構造としてなることをと特徴とする温風暖房機。