JPH06293725A - N,o−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステル の回収方法 - Google Patents
N,o−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステル の回収方法Info
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- JPH06293725A JPH06293725A JP7840793A JP7840793A JPH06293725A JP H06293725 A JPH06293725 A JP H06293725A JP 7840793 A JP7840793 A JP 7840793A JP 7840793 A JP7840793 A JP 7840793A JP H06293725 A JPH06293725 A JP H06293725A
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- dialkylhydroxycarbamic
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- dialkylhydroxycarbamic acid
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Abstract
(57)【要約】
【構成】一般式(I)
【化1】
(式中、R1は炭化水素基、R2は炭素数1−4のアルキ
ル基を示す。)で示されるN,O−ジアルキルヒドロキ
シカルバミン酸アルキル及び硫酸ジアルキルを含む溶液
を、pH6から9の範囲内に保って加熱して硫酸ジアル
キルを加水分解した後、N,O−ジアルキルヒドロキシ
カルバミン酸アルキルを回収することを特徴とするN,
O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸アルキルの回収
方法。 【効果】目的物である一般式(I)のN,O−ジアルキ
ルヒドロキシカルバミン酸アルキルを高収率で回収でき
るようになった。
ル基を示す。)で示されるN,O−ジアルキルヒドロキ
シカルバミン酸アルキル及び硫酸ジアルキルを含む溶液
を、pH6から9の範囲内に保って加熱して硫酸ジアル
キルを加水分解した後、N,O−ジアルキルヒドロキシ
カルバミン酸アルキルを回収することを特徴とするN,
O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸アルキルの回収
方法。 【効果】目的物である一般式(I)のN,O−ジアルキ
ルヒドロキシカルバミン酸アルキルを高収率で回収でき
るようになった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N,O−ジアルキルヒ
ドロキシカルバミン酸エステルの回収方法に関するもの
である。N,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エ
ステルは、医薬や農薬の合成中間体として有用なN,O
−ジアルキルヒドロキシアミンの原料である。
ドロキシカルバミン酸エステルの回収方法に関するもの
である。N,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エ
ステルは、医薬や農薬の合成中間体として有用なN,O
−ジアルキルヒドロキシアミンの原料である。
【0002】
【従来の技術】これまでに硫酸ジメチルを用いたN,O
−ジメチルヒドロキシカルバミン酸エステルの合成法と
しては、以下の方法が代表的な方法として報告されてい
る。西ドイツ特許出願公開第3245503号明細書に
は、次の方法が記載されている。すなわち、まず、出発
原料である硫酸ヒドロキシルアミンをクロロギ酸ブチル
と水酸化ナトリウム水溶液でヒドロキシルカルバミン酸
ブチルに変換する。次いで、ハロゲン系溶媒で抽出し、
乾燥、溶媒を留去後、硫酸ジメチルと水酸化ナトリウム
水溶液でジメチル化し、ハロゲン系の溶媒を用いて抽出
した後、蒸留によりN,O−ジメチルヒドロキシカルバ
ミン酸ブチルを単離収率61%で得ている。
−ジメチルヒドロキシカルバミン酸エステルの合成法と
しては、以下の方法が代表的な方法として報告されてい
る。西ドイツ特許出願公開第3245503号明細書に
は、次の方法が記載されている。すなわち、まず、出発
原料である硫酸ヒドロキシルアミンをクロロギ酸ブチル
と水酸化ナトリウム水溶液でヒドロキシルカルバミン酸
ブチルに変換する。次いで、ハロゲン系溶媒で抽出し、
乾燥、溶媒を留去後、硫酸ジメチルと水酸化ナトリウム
水溶液でジメチル化し、ハロゲン系の溶媒を用いて抽出
した後、蒸留によりN,O−ジメチルヒドロキシカルバ
ミン酸ブチルを単離収率61%で得ている。
【0003】Org.Prep.Proced.,1
9,75(1987)には、塩酸ヒドロキシルアミンを
クロロギ酸エチルと水酸化ナトリウム水溶液でヒドロキ
シカルバミン酸エチルに変換後、そのまま硫酸ジメチル
でジメチル化し、エ−テルで抽出した後、蒸留により
N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸エチルを単離
収率70−73%で得ていることが記載されている。
9,75(1987)には、塩酸ヒドロキシルアミンを
クロロギ酸エチルと水酸化ナトリウム水溶液でヒドロキ
シカルバミン酸エチルに変換後、そのまま硫酸ジメチル
でジメチル化し、エ−テルで抽出した後、蒸留により
N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸エチルを単離
収率70−73%で得ていることが記載されている。
【0004】また、本発明者らが先に特許出願した特願
平4−205804号明細書には、硫酸ヒドロキシルア
ミンを炭酸ジメチルと水酸化ナトリウム水溶液でヒドロ
キシカルバミン酸メチルに変換後、そのまま硫酸ジメチ
ルでジメチル化し、N,O−ジメチルヒドロキシカルバ
ミン酸メチルを製造する方法が記載されている。
平4−205804号明細書には、硫酸ヒドロキシルア
ミンを炭酸ジメチルと水酸化ナトリウム水溶液でヒドロ
キシカルバミン酸メチルに変換後、そのまま硫酸ジメチ
ルでジメチル化し、N,O−ジメチルヒドロキシカルバ
ミン酸メチルを製造する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは特願平4
−205804号に記載の方法でN,O−ジメチルヒド
ロキシカルバミン酸メチルを合成し、その反応混合物を
ハロゲン系の溶媒で抽出した後、そのまま蒸留により単
離を試みたところ、単離収率が反応収率より約10%低
下した。そこで、単離収率低下の原因を調べたところ、
抽出物中に硫酸ジメチルが存在しており、これが蒸留中
に分解してその分解物が目的物を分解することが分かっ
た。本発明は反応混合物中の残存硫酸ジアルキルを選択
的、効率的に分解する方法を製造工程に組み入れること
によって、目的物N,O−ジアルキルヒドロキシカルバ
ミン酸エステルの効果的な回収方法を提供するものであ
る。
−205804号に記載の方法でN,O−ジメチルヒド
ロキシカルバミン酸メチルを合成し、その反応混合物を
ハロゲン系の溶媒で抽出した後、そのまま蒸留により単
離を試みたところ、単離収率が反応収率より約10%低
下した。そこで、単離収率低下の原因を調べたところ、
抽出物中に硫酸ジメチルが存在しており、これが蒸留中
に分解してその分解物が目的物を分解することが分かっ
た。本発明は反応混合物中の残存硫酸ジアルキルを選択
的、効率的に分解する方法を製造工程に組み入れること
によって、目的物N,O−ジアルキルヒドロキシカルバ
ミン酸エステルの効果的な回収方法を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した様に、未反応の
硫酸ジアルキルが有機溶媒に抽出されると、目的物の蒸
留中に未反応の硫酸ジアルキルが徐々に分解して系内を
酸性に傾け、目的物を分解するために単離収率が低下す
る。そこで、N,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン
酸エステルを抽出する前に、未反応硫酸ジアルキルを分
解する必要があると考え、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、一般式(I)
硫酸ジアルキルが有機溶媒に抽出されると、目的物の蒸
留中に未反応の硫酸ジアルキルが徐々に分解して系内を
酸性に傾け、目的物を分解するために単離収率が低下す
る。そこで、N,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン
酸エステルを抽出する前に、未反応硫酸ジアルキルを分
解する必要があると考え、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1は炭化水素基、R2は炭素数1
−4のアルキル基を示す。)で示されるN,O−ジアル
キルヒドロキシカルバミン酸エステル及び硫酸ジアルキ
ルを含む溶液を、pH6から9の範囲内に保って加熱し
て硫酸ジアルキルを加水分解した後、N,O−ジアルキ
ルヒドロキシカルバミン酸エステルを回収することを特
徴とするN,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エ
ステルの回収方法である。
−4のアルキル基を示す。)で示されるN,O−ジアル
キルヒドロキシカルバミン酸エステル及び硫酸ジアルキ
ルを含む溶液を、pH6から9の範囲内に保って加熱し
て硫酸ジアルキルを加水分解した後、N,O−ジアルキ
ルヒドロキシカルバミン酸エステルを回収することを特
徴とするN,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エ
ステルの回収方法である。
【0009】次に、本発明を詳細に説明する。一般式
(I)のN,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エ
ステルにおけるR1で示される炭化水素基としては、例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基等の炭素数1−3のアルキル基;シクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロヘプチル基等の炭素数3−7のシクロアル
キル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリー
ル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基を例
示できる。R2のアルキル基及び硫酸ジアルキルにおけ
るアルキル基は、炭素数1−4のアルキル基であり、具
体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基等を例示できる。一般式(I)の
N,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステルの
具体例としては、N,O−ジメチルヒドロキシカルバミ
ン酸メチル、N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸
エチル、N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸ブチ
ル、N,O−ジエチルヒドロキシカルバミン酸メチルな
どが例示できる。硫酸ジアルキルとしては、硫酸ジメチ
ル、硫酸ジエチルなどが例示できる。
(I)のN,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エ
ステルにおけるR1で示される炭化水素基としては、例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基等の炭素数1−3のアルキル基;シクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロヘプチル基等の炭素数3−7のシクロアル
キル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリー
ル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基を例
示できる。R2のアルキル基及び硫酸ジアルキルにおけ
るアルキル基は、炭素数1−4のアルキル基であり、具
体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基等を例示できる。一般式(I)の
N,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステルの
具体例としては、N,O−ジメチルヒドロキシカルバミ
ン酸メチル、N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸
エチル、N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸ブチ
ル、N,O−ジエチルヒドロキシカルバミン酸メチルな
どが例示できる。硫酸ジアルキルとしては、硫酸ジメチ
ル、硫酸ジエチルなどが例示できる。
【0010】本発明における一般式(I)のN,O−ジ
アルキルヒドロキシカルバミン酸エステルは、例えば、
特願平4−205804号明細書に記載されている方法
で、下記一般式(II) HONHCOOR1 ...(II) (R1は前述のとおりである。)で示されるヒドロキシ
カルバミン酸エステルを硫酸ジアルキルでアルキル化す
ることにより得ることができる。通常、硫酸ジアルキル
は、一般式(II)のヒドロキシカルバミン酸エステルに
対して過剰に、即ち、一般式(II)のヒドロキシカルバ
ミン酸エステルに対して2モル倍以上用いられる。反応
終了後は、反応液中に目的とする一般式(I)のN,O
−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステルの他に未
反応の硫酸ジアルキルが存在している。この反応液は、
水溶液またはアルコ−ル等の有機溶媒を含有する水溶液
であってもかまわない。
アルキルヒドロキシカルバミン酸エステルは、例えば、
特願平4−205804号明細書に記載されている方法
で、下記一般式(II) HONHCOOR1 ...(II) (R1は前述のとおりである。)で示されるヒドロキシ
カルバミン酸エステルを硫酸ジアルキルでアルキル化す
ることにより得ることができる。通常、硫酸ジアルキル
は、一般式(II)のヒドロキシカルバミン酸エステルに
対して過剰に、即ち、一般式(II)のヒドロキシカルバ
ミン酸エステルに対して2モル倍以上用いられる。反応
終了後は、反応液中に目的とする一般式(I)のN,O
−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステルの他に未
反応の硫酸ジアルキルが存在している。この反応液は、
水溶液またはアルコ−ル等の有機溶媒を含有する水溶液
であってもかまわない。
【0011】次に、硫酸ジアルキルを加水分解する方法
について説明する。本発明においては、一般式(I)の
N,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステル及
び硫酸ジアルキルを含む溶液を、通常20−100℃、
好ましくは、30−60℃に加熱する。このとき反応液
のpHを6−9、好ましくはpH7−8に調節する。p
H6−9の範囲内で加熱処理を行うと、目的物である一
般式(I)のN,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン
酸エステルの分解が生じないので好都合である。
について説明する。本発明においては、一般式(I)の
N,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステル及
び硫酸ジアルキルを含む溶液を、通常20−100℃、
好ましくは、30−60℃に加熱する。このとき反応液
のpHを6−9、好ましくはpH7−8に調節する。p
H6−9の範囲内で加熱処理を行うと、目的物である一
般式(I)のN,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン
酸エステルの分解が生じないので好都合である。
【0012】pH調節剤としては、LiOH,KOH,
NaOH,Be(OH)2,Mg(OH)2,Ca(O
H)2,などの水酸化物、Na2CO3,K2CO3,Na
HCO 3,KHCO3,CH3CO2Na,Na3PO4など
の弱酸と強塩基の塩、高沸点のトリアルキルアミン類、
ジアルキルアニリン類などが例示される。これらは単独
または2種以上を組み合わせて使用することができる。
通常、KOH,NaOH,NaHCO3,Na2CO3,
K2CO3が好適に使用される。pH調節剤はそのまま叉
は適当な溶媒に溶解して溶液として添加することができ
る。使用量は、反応液のpHを前記の範囲内に保つこと
ができる範囲で使用できる。反応時間は、硫酸ジアルキ
ルの量、加熱温度、pH等により左右されるが、通常
0.1−10時間、好ましくは0.2−5時間である。
NaOH,Be(OH)2,Mg(OH)2,Ca(O
H)2,などの水酸化物、Na2CO3,K2CO3,Na
HCO 3,KHCO3,CH3CO2Na,Na3PO4など
の弱酸と強塩基の塩、高沸点のトリアルキルアミン類、
ジアルキルアニリン類などが例示される。これらは単独
または2種以上を組み合わせて使用することができる。
通常、KOH,NaOH,NaHCO3,Na2CO3,
K2CO3が好適に使用される。pH調節剤はそのまま叉
は適当な溶媒に溶解して溶液として添加することができ
る。使用量は、反応液のpHを前記の範囲内に保つこと
ができる範囲で使用できる。反応時間は、硫酸ジアルキ
ルの量、加熱温度、pH等により左右されるが、通常
0.1−10時間、好ましくは0.2−5時間である。
【0013】硫酸ジアルキルを加水分解した後は、例え
ば、以下に記載するように抽出、蒸留することにより、
目的物である一般式(I)のN,O−ジアルキルヒドロ
キシカルバミン酸エステルを回収することができる。抽
出溶媒は、通常、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル,ジイソプロ
ピルエーテル等のエーテル類、n−ブタノール,n−ペ
ンタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル等のエステル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素類等の有機溶媒を用いることができる。この抽出層
は必要に応じ水洗してもよい。蒸留の際、圧力は常圧、
加圧、減圧のいずれでもよいが、通常0.01−760
mmHg、好ましくは5−760mmHgの圧力下で、温度5−
250℃、好ましくは25−200℃に昇温して目的と
する一般式(I)のN,O−ジアルキルヒドロキシカル
バミン酸エステルを留出させる。
ば、以下に記載するように抽出、蒸留することにより、
目的物である一般式(I)のN,O−ジアルキルヒドロ
キシカルバミン酸エステルを回収することができる。抽
出溶媒は、通常、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル,ジイソプロ
ピルエーテル等のエーテル類、n−ブタノール,n−ペ
ンタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル等のエステル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素類等の有機溶媒を用いることができる。この抽出層
は必要に応じ水洗してもよい。蒸留の際、圧力は常圧、
加圧、減圧のいずれでもよいが、通常0.01−760
mmHg、好ましくは5−760mmHgの圧力下で、温度5−
250℃、好ましくは25−200℃に昇温して目的と
する一般式(I)のN,O−ジアルキルヒドロキシカル
バミン酸エステルを留出させる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるも
のではない。 (実施例1)pHメ−タ−の電極、温度計、滴下ロ−
ト、フィ−ドポンプの供給管および機械式攪拌装置を取
り付けた2L丸底フラスコに硫酸ヒドロキシルアミン8
2.07g(0.95mol)と水250mlを加え、
内温5℃に冷却した。窒素雰囲気下で、50%水酸化ナ
トリウム水溶液を反応液のpHが12になるまで滴下ロ
−トから滴下した。次に内温を5℃、反応液のpHを1
2.5に保ちながら、炭酸ジメチル100g(1.1m
ol)と50%水酸化ナトリウム水溶液を同時に40分
かけて供給した。供給後、更に、この条件で30分間攪
拌を続けた。次に、反応温度を5から8℃、反応のpH
を12.5に保ちながら、硫酸ジメチル277.5g
(2.1mol)と50%水酸化ナトリウム水溶液を
1.5時間かけて同時に供給した。供給後、更に、この
条件で3時間攪拌を続けた。次に反応温度を50℃に昇
温し、8%炭酸水素ナトリウム水溶液で反応液のpHを
7.0−7.5に保ちながらこの温度で、30分間攪拌
して、過剰の硫酸ジメチルを分解した。 室温まで冷却
後、500mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出
油層を100mlの水で水洗した。得られた油層には、
ガスクロマトグラフィーで測定したところ、収率ベース
で94%のN,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メ
チルが含まれており、また、硫酸ジメチルは含まれてい
なかった。この油層を加熱(50℃)し、ジクロロメタ
ンを留去した。この濃縮液を精密蒸留して沸点135−
141℃のN,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メ
チルの留分108.7g(純度95.2%)を得た。単
離収率は91%であり、精密蒸留時のジクロロメタン留
分に0.5%、蒸留塔とフラスコの釜残に2.5%の
N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メチルが含ま
れており、蒸留時に分解反応が起こっていないことがわ
かった。
明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるも
のではない。 (実施例1)pHメ−タ−の電極、温度計、滴下ロ−
ト、フィ−ドポンプの供給管および機械式攪拌装置を取
り付けた2L丸底フラスコに硫酸ヒドロキシルアミン8
2.07g(0.95mol)と水250mlを加え、
内温5℃に冷却した。窒素雰囲気下で、50%水酸化ナ
トリウム水溶液を反応液のpHが12になるまで滴下ロ
−トから滴下した。次に内温を5℃、反応液のpHを1
2.5に保ちながら、炭酸ジメチル100g(1.1m
ol)と50%水酸化ナトリウム水溶液を同時に40分
かけて供給した。供給後、更に、この条件で30分間攪
拌を続けた。次に、反応温度を5から8℃、反応のpH
を12.5に保ちながら、硫酸ジメチル277.5g
(2.1mol)と50%水酸化ナトリウム水溶液を
1.5時間かけて同時に供給した。供給後、更に、この
条件で3時間攪拌を続けた。次に反応温度を50℃に昇
温し、8%炭酸水素ナトリウム水溶液で反応液のpHを
7.0−7.5に保ちながらこの温度で、30分間攪拌
して、過剰の硫酸ジメチルを分解した。 室温まで冷却
後、500mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出
油層を100mlの水で水洗した。得られた油層には、
ガスクロマトグラフィーで測定したところ、収率ベース
で94%のN,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メ
チルが含まれており、また、硫酸ジメチルは含まれてい
なかった。この油層を加熱(50℃)し、ジクロロメタ
ンを留去した。この濃縮液を精密蒸留して沸点135−
141℃のN,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メ
チルの留分108.7g(純度95.2%)を得た。単
離収率は91%であり、精密蒸留時のジクロロメタン留
分に0.5%、蒸留塔とフラスコの釜残に2.5%の
N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メチルが含ま
れており、蒸留時に分解反応が起こっていないことがわ
かった。
【0015】(実施例2)pH調節剤として8%炭酸水
素ナトリウム水溶液を用いる代わりに、34%炭酸カリ
ウム水溶液を用いた他は実施例1と同様に行った。その
結果、N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メチル
を単離収率90%で得た。
素ナトリウム水溶液を用いる代わりに、34%炭酸カリ
ウム水溶液を用いた他は実施例1と同様に行った。その
結果、N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メチル
を単離収率90%で得た。
【0016】(比較例1)実施例1と同じ操作を行い、
未反応の硫酸ジメチルを分解せず、そのまま、1,2−
ジクロロエタン500mlで1回抽出し、次いで250
mlで2回抽出した。 この抽出層にはガスクロマトグ
ラフィーで測定したところ、収率ベースで94%のN,
O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メチルが含まれて
おり、硫酸ジメチルが仕込みの9%含まれていた。この
抽出層を直ちに実施例1と同様の条件で蒸留した。蒸留
後のN,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メチルを
調べた結果、単離収率で81%であり、釜残中にはN,
O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メチルは認められ
なかった。この結果、N,O−ジメチルヒドロキシカル
バミン酸メチルの分解が起こっていることがわかった。
未反応の硫酸ジメチルを分解せず、そのまま、1,2−
ジクロロエタン500mlで1回抽出し、次いで250
mlで2回抽出した。 この抽出層にはガスクロマトグ
ラフィーで測定したところ、収率ベースで94%のN,
O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メチルが含まれて
おり、硫酸ジメチルが仕込みの9%含まれていた。この
抽出層を直ちに実施例1と同様の条件で蒸留した。蒸留
後のN,O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メチルを
調べた結果、単離収率で81%であり、釜残中にはN,
O−ジメチルヒドロキシカルバミン酸メチルは認められ
なかった。この結果、N,O−ジメチルヒドロキシカル
バミン酸メチルの分解が起こっていることがわかった。
【0017】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
硫酸ジアルキルを含む、N,O−ジアルキルヒドロキシ
カルバミン酸エステルの溶液から、目的とするN,O−
ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステルを回収する
に先立ち、pH6−9の範囲内に保ち、加熱して硫酸ジ
アルキルの分解処理を行うことにより、目的物N,O−
ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステルを分解させ
ることなく、高収率で回収できるようになった。
硫酸ジアルキルを含む、N,O−ジアルキルヒドロキシ
カルバミン酸エステルの溶液から、目的とするN,O−
ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステルを回収する
に先立ち、pH6−9の範囲内に保ち、加熱して硫酸ジ
アルキルの分解処理を行うことにより、目的物N,O−
ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステルを分解させ
ることなく、高収率で回収できるようになった。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭化水素基、R2は炭素数1−4のアルキ
ル基を示す。)で示されるN,O−ジアルキルヒドロキ
シカルバミン酸エステル及び硫酸ジアルキルを含む溶液
を、pH6から9の範囲内に保って加熱して硫酸ジアル
キルを加水分解した後、N,O−ジアルキルヒドロキシ
カルバミン酸エステルを回収することを特徴とするN,
O−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステルの回収
方法。 - 【請求項2】N,O−ジアルキルヒドロキシカルバミン
酸エステルが、N,O−ジメチルヒドロキシカルバミン
酸メチルであることを特徴とする請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7840793A JPH06293725A (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | N,o−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステル の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7840793A JPH06293725A (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | N,o−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステル の回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06293725A true JPH06293725A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=13661184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7840793A Pending JPH06293725A (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | N,o−ジアルキルヒドロキシカルバミン酸エステル の回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06293725A (ja) |
-
1993
- 1993-04-06 JP JP7840793A patent/JPH06293725A/ja active Pending
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