JPH06293702A - アクリル酸又はメタクリル酸の高級アルキルエステルの製造方法 - Google Patents
アクリル酸又はメタクリル酸の高級アルキルエステルの製造方法Info
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- JPH06293702A JPH06293702A JP5084410A JP8441093A JPH06293702A JP H06293702 A JPH06293702 A JP H06293702A JP 5084410 A JP5084410 A JP 5084410A JP 8441093 A JP8441093 A JP 8441093A JP H06293702 A JPH06293702 A JP H06293702A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 (メタ)アクリル酸エステルと高級アルコー
ルとのエステル交換反応により、(メタ)アクリル酸の
高級アルキルエステルを製造する際に生成する副生物
を、触媒により分解して前記反応系の物質である(メ
タ)アクリル酸エステル、高級アルコール、(メタ)ア
クリル酸の高級アルキルエステル、及び/又は、低級脂
肪族アルコールにすることを特徴とする(メタ)アクリ
ル酸の高級アルキルエステルの製造方法。 【効果】 原料の製品への選択率を向上させるばかりで
なく、エステル交換反応時に生成する副生物の25〜80%
をも分解することが可能である。この方法を用いること
により、産業廃棄物となる副生物の生成量は従来方法と
比較し、 1/2〜1/5 とすることができる。
ルとのエステル交換反応により、(メタ)アクリル酸の
高級アルキルエステルを製造する際に生成する副生物
を、触媒により分解して前記反応系の物質である(メ
タ)アクリル酸エステル、高級アルコール、(メタ)ア
クリル酸の高級アルキルエステル、及び/又は、低級脂
肪族アルコールにすることを特徴とする(メタ)アクリ
ル酸の高級アルキルエステルの製造方法。 【効果】 原料の製品への選択率を向上させるばかりで
なく、エステル交換反応時に生成する副生物の25〜80%
をも分解することが可能である。この方法を用いること
により、産業廃棄物となる副生物の生成量は従来方法と
比較し、 1/2〜1/5 とすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル酸又はメタク
リル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」という。)の高
級アルキルエステルの製造方法に関し、詳しくは製造時
に於ける副生物の生成を抑制するとともに原料の製品へ
の選択率を向上させる方法に関する。(メタ)アクリル
酸の高級アルキルエステルは、重合性のビニル基を有す
る化合物で重合又は共重合して、接着剤、繊維処理剤、
紙加工剤、塗料、潤滑油添加剤、可塑剤等の広い分野に
使用される有用な化合物である。
リル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」という。)の高
級アルキルエステルの製造方法に関し、詳しくは製造時
に於ける副生物の生成を抑制するとともに原料の製品へ
の選択率を向上させる方法に関する。(メタ)アクリル
酸の高級アルキルエステルは、重合性のビニル基を有す
る化合物で重合又は共重合して、接着剤、繊維処理剤、
紙加工剤、塗料、潤滑油添加剤、可塑剤等の広い分野に
使用される有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】既に、(メタ)アクリル酸エステルをエ
ステル交換反応により(メタ)アクリル酸の高級アルキ
ルエステルを合成する方法は公知であり、種々の塩基性
の触媒を使用することにより行なうものが多く提案され
ている。例えば、アルカリ金属炭酸塩を使用するもの
(特開昭62−185051号公報)、アルカリ金属リン酸塩を
使用するもの(特開昭63−5054号公報)、アルカリ金属
炭酸水素塩を使用するもの(特開昭63−5055号公報)等
がある。
ステル交換反応により(メタ)アクリル酸の高級アルキ
ルエステルを合成する方法は公知であり、種々の塩基性
の触媒を使用することにより行なうものが多く提案され
ている。例えば、アルカリ金属炭酸塩を使用するもの
(特開昭62−185051号公報)、アルカリ金属リン酸塩を
使用するもの(特開昭63−5054号公報)、アルカリ金属
炭酸水素塩を使用するもの(特開昭63−5055号公報)等
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
塩基性触媒を使用して(メタ)アクリル酸の高級アルキ
ルエステルを合成した場合、かなりの副生物が生成す
る。副生物としては、原料の(メタ)アクリル酸エステ
ルの二重結合の部分に、高級アルコールが付加したも
の、又は、系内で副生する低級脂肪族アルコールが付加
したものである下記一般式(5)〜(8)、(化6)
塩基性触媒を使用して(メタ)アクリル酸の高級アルキ
ルエステルを合成した場合、かなりの副生物が生成す
る。副生物としては、原料の(メタ)アクリル酸エステ
ルの二重結合の部分に、高級アルコールが付加したも
の、又は、系内で副生する低級脂肪族アルコールが付加
したものである下記一般式(5)〜(8)、(化6)
【化6】R3 OCH2 CHR1 COOR2 (5) R2 OCH2 CHR1 COOR3 (6) R3 OCH2 CHR1 COOR3 (7) R2 OCH2 CHR1 COOR2 (8) (式中、R1 は水素又はメチル基、R2 は炭素数1〜4
のアルキル基、R3 は炭素数2〜20のアルキル基又はシ
クロアルキル基を示す。以下、これらは同じである。)
が挙げられる。
のアルキル基、R3 は炭素数2〜20のアルキル基又はシ
クロアルキル基を示す。以下、これらは同じである。)
が挙げられる。
【0004】例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウ
ム、リン酸三ルビジウム等を触媒として(メタ)アクリ
ル酸の高級アルキルエステルを合成させた場合、上記副
生物の生成率は目的物に対し約10重量%にもなることが
あり、これらは反応収率を低下させるばかりか産業廃棄
物となるために、その処理に於いて多くの工程及び費用
を必要としていた。本発明では、(メタ)アクリル酸の
高級アルキルエステルを製造する際に、上記の欠点であ
る副生物の生成を抑制し、かつ、原料の製品への選択率
を向上させる方法を提供することを目的とする。
ム、リン酸三ルビジウム等を触媒として(メタ)アクリ
ル酸の高級アルキルエステルを合成させた場合、上記副
生物の生成率は目的物に対し約10重量%にもなることが
あり、これらは反応収率を低下させるばかりか産業廃棄
物となるために、その処理に於いて多くの工程及び費用
を必要としていた。本発明では、(メタ)アクリル酸の
高級アルキルエステルを製造する際に、上記の欠点であ
る副生物の生成を抑制し、かつ、原料の製品への選択率
を向上させる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、(メタ)アクリ
ル酸の高級アルキルエステルの合成時に生成する上記副
生物は、そのエステル交換反応終了後に触媒を添加する
ことによって可逆的に分解させることが可能であり、こ
れら副生物を、再び原料である(メタ)アクリル酸エス
テルや高級アルコール、製品である(メタ)アクリル酸
の高級アルキルエステル、又は、低級脂肪族アルコール
に転化できることを見出し、遂に本発明を完成した。
的を達成するために鋭意検討した結果、(メタ)アクリ
ル酸の高級アルキルエステルの合成時に生成する上記副
生物は、そのエステル交換反応終了後に触媒を添加する
ことによって可逆的に分解させることが可能であり、こ
れら副生物を、再び原料である(メタ)アクリル酸エス
テルや高級アルコール、製品である(メタ)アクリル酸
の高級アルキルエステル、又は、低級脂肪族アルコール
に転化できることを見出し、遂に本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(1)(化
7)
7)
【化7】CH2 =CR1 COOR2 (1) で表される(メタ)アクリル酸エステルと一般式(2)
(化8)
(化8)
【化8】R3 OH (2) で表される高級アルコールとのエステル交換反応によ
り、一般式(3)(化9)
り、一般式(3)(化9)
【化9】CH2 =CR1 COOR3 (3) で表される(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステル
を製造する際に生成する副生物を、触媒により分解して
前記反応系の物質、及び/又は、一般式(4)(化10)
を製造する際に生成する副生物を、触媒により分解して
前記反応系の物質、及び/又は、一般式(4)(化10)
【化10】R2 OH (4) で表される低級脂肪族アルコールにすることを特徴とす
る(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステルの製造方
法である。
る(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステルの製造方
法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明を
可能とする(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステル
の製造方法としては、触媒を使用して(メタ)アクリル
酸エステルと高級アルコールとのエステル交換反応によ
って行なうものであり、例えば、特開昭62−185051号公
報、特開昭63−5054号公報、特開昭63−5055号公報等に
記載されている製造方法を挙げることができる。
可能とする(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステル
の製造方法としては、触媒を使用して(メタ)アクリル
酸エステルと高級アルコールとのエステル交換反応によ
って行なうものであり、例えば、特開昭62−185051号公
報、特開昭63−5054号公報、特開昭63−5055号公報等に
記載されている製造方法を挙げることができる。
【0008】通常、上記による(メタ)アクリル酸の高
級アルキルエステルを合成する方法は、一般に、原料と
して下記一般式(1)(化11)
級アルキルエステルを合成する方法は、一般に、原料と
して下記一般式(1)(化11)
【化11】 CH2 =CR1 COOR2 (1) で表される(メタ)アクリル酸エステル、及び、下記一
般式(2)(化12)
般式(2)(化12)
【化12】 R3 OH (2) で表される高級アルコールとをエステル交換反応させる
ことにより行なうものである。
ことにより行なうものである。
【0009】上記一般式(1)(化11)で表される(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソプロピル
等であり、また、もう一方の原料である一般式(2)
(化12)で表される高級アルコールとしては、エタノー
ル、n-ブチルアルコール、iso-ブチルアルコール、t-ブ
チルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ラウリル
アルコール、ステアリルアルコール等を挙げることがで
きる。(メタ)アクリル酸エステルと高級アルコールの
仕込み量は、実用的に反応が進行する限りどのような範
囲でも可能であるが、通常、高級アルコール1モルに対
し、(メタ)アクリル酸エステルが 1.2〜10モル、好ま
しくは 1.5〜5モルの範囲である。
タ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソプロピル
等であり、また、もう一方の原料である一般式(2)
(化12)で表される高級アルコールとしては、エタノー
ル、n-ブチルアルコール、iso-ブチルアルコール、t-ブ
チルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ラウリル
アルコール、ステアリルアルコール等を挙げることがで
きる。(メタ)アクリル酸エステルと高級アルコールの
仕込み量は、実用的に反応が進行する限りどのような範
囲でも可能であるが、通常、高級アルコール1モルに対
し、(メタ)アクリル酸エステルが 1.2〜10モル、好ま
しくは 1.5〜5モルの範囲である。
【0010】ここで使用される触媒としては、一般に、
触媒活性のあるものであれば良く、例えば、炭酸カリウ
ム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、リン酸三
カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三ルビジウム、
ジブチルスズジクロライド等が用いられ、使用量として
は、(メタ)アクリル酸エステルと高級アルコールの総
量に対して、通常、0.01〜2.0 重量%、好ましくは0.02
〜1.0 重量%である。
触媒活性のあるものであれば良く、例えば、炭酸カリウ
ム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、リン酸三
カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三ルビジウム、
ジブチルスズジクロライド等が用いられ、使用量として
は、(メタ)アクリル酸エステルと高級アルコールの総
量に対して、通常、0.01〜2.0 重量%、好ましくは0.02
〜1.0 重量%である。
【0011】上記によりエステル交換反応させた場合、
通常、その反応液は、目的物である(メタ)アクリル酸
の高級アルキルエステル、未反応の原料、及び、副生物
である下記一般式(5)〜(8)、(化13)
通常、その反応液は、目的物である(メタ)アクリル酸
の高級アルキルエステル、未反応の原料、及び、副生物
である下記一般式(5)〜(8)、(化13)
【化13】 R3 OCH2 CHR1 COOR2 (5) R2 OCH2 CHR1 COOR3 (6) R3 OCH2 CHR1 COOR3 (7) R2 OCH2 CHR1 COOR2 (8) の混合物として得られる。
【0012】上記副生物の生成率は、触媒や原料のモル
比等の合成条件によっても異なるが、通常、目的物の
(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステルに対してお
よそ6〜10重量%である。本発明では、エステル交換反
応終了後に混合物中に触媒を添加することにより、生成
した副生物を低級脂肪族アルコール、高級アルコール、
(メタ)アクリル酸エステルに分解、及び/又は、製品
である(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステルに再
生する方法である。
比等の合成条件によっても異なるが、通常、目的物の
(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステルに対してお
よそ6〜10重量%である。本発明では、エステル交換反
応終了後に混合物中に触媒を添加することにより、生成
した副生物を低級脂肪族アルコール、高級アルコール、
(メタ)アクリル酸エステルに分解、及び/又は、製品
である(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステルに再
生する方法である。
【0013】これに使用する触媒としては、炭酸カリウ
ム、炭酸ルビジウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素
カリウム、炭酸水素ルビジウム等のアルカリ金属炭酸水
素塩、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸
三ルビジウム等のアルカリ金属リン酸塩、ジブチルスズ
ジクロライド等の有機ハロゲン化スズ等が挙げられ、
(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステルが合成可能
である触媒であれば特に限定はないが、好ましくは、炭
酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸水素カリウム、リン
酸三カリウム、ジブチルスズジクロライドである。これ
らは一種又は二種以上の混合物であっても良く、更に、
合成反応時に於ける触媒と同一、又は、異なるものであ
っても良い。
ム、炭酸ルビジウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素
カリウム、炭酸水素ルビジウム等のアルカリ金属炭酸水
素塩、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸
三ルビジウム等のアルカリ金属リン酸塩、ジブチルスズ
ジクロライド等の有機ハロゲン化スズ等が挙げられ、
(メタ)アクリル酸の高級アルキルエステルが合成可能
である触媒であれば特に限定はないが、好ましくは、炭
酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸水素カリウム、リン
酸三カリウム、ジブチルスズジクロライドである。これ
らは一種又は二種以上の混合物であっても良く、更に、
合成反応時に於ける触媒と同一、又は、異なるものであ
っても良い。
【0014】使用する触媒の量は、(メタ)アクリル酸
の高級アルキルエステルの合成反応工程で使用する量よ
りも少なくて良く、通常、原料である(メタ)アクリル
酸エステルと高級アルコールの仕込みの総量に対して
0.003〜0.3 重量%で可能である。この場合に於ける触
媒の活性は、固体状態よりも溶解状態で使用する方が大
幅に増加し、更には、より溶け易いアルコールに溶解さ
せて用いることにより、特に触媒活性を大きくすること
が可能である。
の高級アルキルエステルの合成反応工程で使用する量よ
りも少なくて良く、通常、原料である(メタ)アクリル
酸エステルと高級アルコールの仕込みの総量に対して
0.003〜0.3 重量%で可能である。この場合に於ける触
媒の活性は、固体状態よりも溶解状態で使用する方が大
幅に増加し、更には、より溶け易いアルコールに溶解さ
せて用いることにより、特に触媒活性を大きくすること
が可能である。
【0015】また、(メタ)アクリル酸の高級アルキル
エステルへのエステル交換反応が終了した後の反応混合
物中には、通常、原料である未反応の(メタ)アクリル
酸エステル及び高級アルコールが合計で数重量%残存し
ているが、本発明に於いては、触媒を添加する前に、こ
れら各々の含有率を蒸留によって1重量%以下としてお
くことにより、更に、副生物の分解反応を速やかに進ま
せることが可能となる。
エステルへのエステル交換反応が終了した後の反応混合
物中には、通常、原料である未反応の(メタ)アクリル
酸エステル及び高級アルコールが合計で数重量%残存し
ているが、本発明に於いては、触媒を添加する前に、こ
れら各々の含有率を蒸留によって1重量%以下としてお
くことにより、更に、副生物の分解反応を速やかに進ま
せることが可能となる。
【0016】更に、本発明での触媒添加後に於ける副生
物の分解反応時には、(メタ)アクリル酸エステル、低
級脂肪族アルコール、及び高級アルコールが分解物とし
て生成するが、これらは蒸留によって系内より留去させ
ることが好ましい。本発明に於ける副生物の分解反応
は、常圧下でも実施することは可能であるが、通常、重
合等を抑制するために好ましくは減圧下、より好ましく
は10〜 760Torr、更に好ましくは10〜 100Torrの範囲で
ある。分解反応時の温度は、その圧力における反応系の
沸点により定まるが、分解速度が充分大きく、かつ、重
合をも抑制可能な50〜120 ℃の範囲が好ましい。分解に
要する時間は、圧力、温度、触媒等によっても変化する
が、通常は、 0.5〜2時間の範囲である。
物の分解反応時には、(メタ)アクリル酸エステル、低
級脂肪族アルコール、及び高級アルコールが分解物とし
て生成するが、これらは蒸留によって系内より留去させ
ることが好ましい。本発明に於ける副生物の分解反応
は、常圧下でも実施することは可能であるが、通常、重
合等を抑制するために好ましくは減圧下、より好ましく
は10〜 760Torr、更に好ましくは10〜 100Torrの範囲で
ある。分解反応時の温度は、その圧力における反応系の
沸点により定まるが、分解速度が充分大きく、かつ、重
合をも抑制可能な50〜120 ℃の範囲が好ましい。分解に
要する時間は、圧力、温度、触媒等によっても変化する
が、通常は、 0.5〜2時間の範囲である。
【0017】本発明によれば、(メタ)アクリル酸の高
級アルキルエステルへのエステル交換反応時に生成する
副生物の25〜80%をも分解することが可能であり、産業
廃棄物となる副生物の生成量は、従来に比較し、1/2
〜1/5にも削減することができる。また、本発明に於
いて、特に重合し易い製品を得る場合は、副生物の分解
率を低くして終了させることにより重合を抑制すること
も可能である。
級アルキルエステルへのエステル交換反応時に生成する
副生物の25〜80%をも分解することが可能であり、産業
廃棄物となる副生物の生成量は、従来に比較し、1/2
〜1/5にも削減することができる。また、本発明に於
いて、特に重合し易い製品を得る場合は、副生物の分解
率を低くして終了させることにより重合を抑制すること
も可能である。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。以下に於いて「%」は特記する以外はモル基準で
あり、また、反応混合物中の成分分析はガスクロマトグ
ラフィにより行なった。
する。以下に於いて「%」は特記する以外はモル基準で
あり、また、反応混合物中の成分分析はガスクロマトグ
ラフィにより行なった。
【0019】実施例1 充填物入りの蒸留塔を付けた1Lit の撹拌機付きガラス
容器に、原料としてメタクリル酸メチル 500g及びn-ブ
チルアルコール 148gを装入し、これに重合禁止剤とし
てフェノチアジン 1.5gを加えた。次に、系内の圧力を
400Torr、温度90℃として全還流の状態にし、この状態
で、触媒として5重量%炭酸カリウムのメタノール溶液
23gを5時間かけて添加した。系内で生成するメタノー
ルは、蒸留塔塔頂温度が58〜60℃を維持するように還流
比2〜4でメタノール/メタクリル酸メチル共沸物とし
て留出させた。反応開始より5時間経過した時点で、n-
ブチルアルコールの転化率が99%となり、製品のメタク
リル酸n-ブチルが90%生成し、残る9%のうち副生物が
7%生成していた。なお、副生物としては、3-メトキシ
−2-メチルプロピオン酸ブチル及び3-ブトキシ−2-メチ
ルプロピオン酸メチルが合計で3%、3-ブトキシ−2-メ
チルプロピオン酸ブチルが4%であった。
容器に、原料としてメタクリル酸メチル 500g及びn-ブ
チルアルコール 148gを装入し、これに重合禁止剤とし
てフェノチアジン 1.5gを加えた。次に、系内の圧力を
400Torr、温度90℃として全還流の状態にし、この状態
で、触媒として5重量%炭酸カリウムのメタノール溶液
23gを5時間かけて添加した。系内で生成するメタノー
ルは、蒸留塔塔頂温度が58〜60℃を維持するように還流
比2〜4でメタノール/メタクリル酸メチル共沸物とし
て留出させた。反応開始より5時間経過した時点で、n-
ブチルアルコールの転化率が99%となり、製品のメタク
リル酸n-ブチルが90%生成し、残る9%のうち副生物が
7%生成していた。なお、副生物としては、3-メトキシ
−2-メチルプロピオン酸ブチル及び3-ブトキシ−2-メチ
ルプロピオン酸メチルが合計で3%、3-ブトキシ−2-メ
チルプロピオン酸ブチルが4%であった。
【0020】次に、上記系内の圧力を35Torrとし、過剰
原料のメタクリル酸メチルを蒸留によって留去し、塔頂
温度が70℃となったところで全還流にした。これにより
混合物中の成分は、メタクリル酸n-ブチル91重量%、副
生物 6.6重量%、メタクリル酸メチル 0.8重量%、n-ブ
チルアルコール 0.3重量%となった。なお、上記副生物
のうち、3-メトキシ−2-メチルプロピオン酸ブチル及び
3-ブトキシ−2-メチルプロピオン酸メチルが合計で 3.6
重量%、3-ブトキシ−2-メチルプロピオン酸ブチルが
3.0重量%であった。更に、この状態で全還流を行ない
つつ、これに副生物を分解させる触媒として5重量%炭
酸カリウムのメタノール溶液 4.0gを1時間かけて添加
した。系内からメタクリル酸メチル、n-ブチルアルコー
ル及びメタノールが生成し、塔頂の温度が下がったが、
塔頂温度70℃を保つようにこれら分解生成物の抜き出し
を行なった。
原料のメタクリル酸メチルを蒸留によって留去し、塔頂
温度が70℃となったところで全還流にした。これにより
混合物中の成分は、メタクリル酸n-ブチル91重量%、副
生物 6.6重量%、メタクリル酸メチル 0.8重量%、n-ブ
チルアルコール 0.3重量%となった。なお、上記副生物
のうち、3-メトキシ−2-メチルプロピオン酸ブチル及び
3-ブトキシ−2-メチルプロピオン酸メチルが合計で 3.6
重量%、3-ブトキシ−2-メチルプロピオン酸ブチルが
3.0重量%であった。更に、この状態で全還流を行ない
つつ、これに副生物を分解させる触媒として5重量%炭
酸カリウムのメタノール溶液 4.0gを1時間かけて添加
した。系内からメタクリル酸メチル、n-ブチルアルコー
ル及びメタノールが生成し、塔頂の温度が下がったが、
塔頂温度70℃を保つようにこれら分解生成物の抜き出し
を行なった。
【0021】この結果、混合物中の副生物は、仕込みn-
ブチルアルコール基準で7%の生成率であったものが
2.9%まで低減していた。なお、副生物の内分けは、3-
メトキシ−2-メチルプロピオン酸ブチル及び3-ブトキシ
−2-メチルプロピオン酸メチルが合計で 0.9%、3-ブト
キシ−2-メチルプロピオン酸ブチルが2%であった。こ
の分解工程終了後、炭酸カリウムの硫酸による中和を行
ない、更に、圧力を10Torrにして前留分を抜き出し、メ
タクリル酸n-ブチルの精留を行なった。得られたメタク
リル酸n-ブチル分は 252gであり、これは仕込みn-ブチ
ルアルコール基準で収率89%であった。更に触媒と中和
酸の重量を除き、残渣である副生物の量は 7.8gであっ
た。副生物の内分けでは、3-メトキシ−2-メチルプロピ
オン酸ブチル及び3-ブトキシ−2-メチルプロピオン酸メ
チルが合計で 3.5g(0.02モル)、3-ブトキシ−2-メチ
ルプロピオン酸ブチルが 4.3g(0.02モル)であった。
また、副生物の分解により、 9.3gのn-ブチルアルコー
ルが回収でき、n-ブチルアルコールの転化率は92.7%と
なった。更に、これを基準として計算するとメタクリル
酸n-ブチルへの選択率は96%となる。以上の結果を表1
に示す。
ブチルアルコール基準で7%の生成率であったものが
2.9%まで低減していた。なお、副生物の内分けは、3-
メトキシ−2-メチルプロピオン酸ブチル及び3-ブトキシ
−2-メチルプロピオン酸メチルが合計で 0.9%、3-ブト
キシ−2-メチルプロピオン酸ブチルが2%であった。こ
の分解工程終了後、炭酸カリウムの硫酸による中和を行
ない、更に、圧力を10Torrにして前留分を抜き出し、メ
タクリル酸n-ブチルの精留を行なった。得られたメタク
リル酸n-ブチル分は 252gであり、これは仕込みn-ブチ
ルアルコール基準で収率89%であった。更に触媒と中和
酸の重量を除き、残渣である副生物の量は 7.8gであっ
た。副生物の内分けでは、3-メトキシ−2-メチルプロピ
オン酸ブチル及び3-ブトキシ−2-メチルプロピオン酸メ
チルが合計で 3.5g(0.02モル)、3-ブトキシ−2-メチ
ルプロピオン酸ブチルが 4.3g(0.02モル)であった。
また、副生物の分解により、 9.3gのn-ブチルアルコー
ルが回収でき、n-ブチルアルコールの転化率は92.7%と
なった。更に、これを基準として計算するとメタクリル
酸n-ブチルへの選択率は96%となる。以上の結果を表1
に示す。
【0022】実施例2 実施例1に於いて、触媒の種類・量を表1に示すものを
使用した他は、実施例1と全く同様の条件で操作した。
結果を表1に示す。
使用した他は、実施例1と全く同様の条件で操作した。
結果を表1に示す。
【0023】実施例3 実施例1に於いて、触媒の種類・量を表1に示すものを
使用した他は、実施例1と全く同様の条件で操作した。
結果を表1に示す。
使用した他は、実施例1と全く同様の条件で操作した。
結果を表1に示す。
【0024】実施例4 実施例1に於いて、高級アルコールをシクロヘキシルア
ルコール、触媒の種類・量を表1に示すものを使用した
他は、実施例1と全く同様の条件で操作した。結果を表
1に示す。
ルコール、触媒の種類・量を表1に示すものを使用した
他は、実施例1と全く同様の条件で操作した。結果を表
1に示す。
【0025】実施例5 充填物入りの蒸留塔を付けた1Lit の撹拌機付きガラス
容器に、原料としてメタクリル酸メチル 500g及びn-ブ
チルアルコール 148gを装入し、これに重合禁止剤とし
てフェノチアジン 1.5gを加えた。次に、系内の圧力を
400Torr、温度90℃として全還流の状態にし、この状態
で、触媒として5重量%炭酸カリウムのメタノール溶液
23gを5時間かけて添加した。系内で生成するメタノー
ルは、蒸留塔塔頂温度が58〜60℃を維持するように還流
比2〜4でメタノール/メタクリル酸メチル共沸物とし
て留出させた。反応開始より5時間経過した時点で、n-
ブチルアルコールの転化率が99%となり、製品のメタク
リル酸n-ブチルが90%生成し、残る9%のうち副生物が
7%生成していた。なお、副生物としては、3-メトキシ
−2-メチルプロピオン酸ブチル及び3-ブトキシ−2-メチ
ルプロピオン酸メチルが合計で3%、3-ブトキシ−2-メ
チルプロピオン酸ブチルが4%であった。
容器に、原料としてメタクリル酸メチル 500g及びn-ブ
チルアルコール 148gを装入し、これに重合禁止剤とし
てフェノチアジン 1.5gを加えた。次に、系内の圧力を
400Torr、温度90℃として全還流の状態にし、この状態
で、触媒として5重量%炭酸カリウムのメタノール溶液
23gを5時間かけて添加した。系内で生成するメタノー
ルは、蒸留塔塔頂温度が58〜60℃を維持するように還流
比2〜4でメタノール/メタクリル酸メチル共沸物とし
て留出させた。反応開始より5時間経過した時点で、n-
ブチルアルコールの転化率が99%となり、製品のメタク
リル酸n-ブチルが90%生成し、残る9%のうち副生物が
7%生成していた。なお、副生物としては、3-メトキシ
−2-メチルプロピオン酸ブチル及び3-ブトキシ−2-メチ
ルプロピオン酸メチルが合計で3%、3-ブトキシ−2-メ
チルプロピオン酸ブチルが4%であった。
【0026】次に、上記系内の圧力を35Torrとし、過剰
原料のメタクリル酸メチルを蒸留によって留去し、塔頂
温度が55℃となったところで全還流にした。これにより
混合物中の成分は、メタクリル酸n-ブチル79重量%、副
生物 5.2重量%、メタクリル酸メチル13重量%、n-ブチ
ルアルコール 1.0重量%となった。なお、上記副生物の
うち、3-メトキシ−2-メチルプロピオン酸ブチル及び3-
ブトキシ−2-メチルプロピオン酸メチルが合計で 3.0重
量%、3-ブトキシ−2-メチルプロピオン酸ブチルが 2.2
重量%であった。更に、この状態で全還流を行ないつ
つ、これに副生物を分解させる触媒として5重量%炭酸
カリウムのメタノール溶液 4.0gを1時間かけて添加し
た。系内からメタクリル酸メチル、n-ブチルアルコール
及びメタノールが生成し、塔頂の温度が下がったが、塔
頂温度55℃を保つようにこれら分解生成物の抜き出しを
行なった。
原料のメタクリル酸メチルを蒸留によって留去し、塔頂
温度が55℃となったところで全還流にした。これにより
混合物中の成分は、メタクリル酸n-ブチル79重量%、副
生物 5.2重量%、メタクリル酸メチル13重量%、n-ブチ
ルアルコール 1.0重量%となった。なお、上記副生物の
うち、3-メトキシ−2-メチルプロピオン酸ブチル及び3-
ブトキシ−2-メチルプロピオン酸メチルが合計で 3.0重
量%、3-ブトキシ−2-メチルプロピオン酸ブチルが 2.2
重量%であった。更に、この状態で全還流を行ないつ
つ、これに副生物を分解させる触媒として5重量%炭酸
カリウムのメタノール溶液 4.0gを1時間かけて添加し
た。系内からメタクリル酸メチル、n-ブチルアルコール
及びメタノールが生成し、塔頂の温度が下がったが、塔
頂温度55℃を保つようにこれら分解生成物の抜き出しを
行なった。
【0027】この結果、混合物中の副生物は、仕込みn-
ブチルアルコール基準で7%の生成率であったものが6
%まで低減していた。なお、副生物の内分けは、3-メト
キシ−2-メチルプロピオン酸ブチル及び3-ブトキシ−2-
メチルプロピオン酸メチルが合計で2%、3-ブトキシ−
2-メチルプロピオン酸ブチルが4%であった。この分解
工程終了後、炭酸カリウムの硫酸による中和を行ない、
更に、圧力を10Torrにして前留分を抜き出し、メタクリ
ル酸n-ブチルの精留を行なった。得られたメタクリル酸
n-ブチル分は 252gであり、これは仕込みn-ブチルアル
コール基準で収率89%であった。更に触媒と中和酸の重
量を除き、残渣である副生物の量は15.6gであった。副
生物の内分けでは、3-メトキシ−2-メチルプロピオン酸
ブチル及び3-ブトキシ−2-メチルプロピオン酸メチルが
合計で 7.0g(0.04モル)、3-ブトキシ−2-メチルプロ
ピオン酸ブチルが 8.6g(0.04モル)であった。また、
副生物の分解により、 1.5gのn-ブチルアルコールが回
収でき、n-ブチルアルコールの転化率は98%となった。
更に、これを基準として計算するとメタクリル酸n-ブチ
ルへの選択率は91%となる。以上の結果を表2に示す。
ブチルアルコール基準で7%の生成率であったものが6
%まで低減していた。なお、副生物の内分けは、3-メト
キシ−2-メチルプロピオン酸ブチル及び3-ブトキシ−2-
メチルプロピオン酸メチルが合計で2%、3-ブトキシ−
2-メチルプロピオン酸ブチルが4%であった。この分解
工程終了後、炭酸カリウムの硫酸による中和を行ない、
更に、圧力を10Torrにして前留分を抜き出し、メタクリ
ル酸n-ブチルの精留を行なった。得られたメタクリル酸
n-ブチル分は 252gであり、これは仕込みn-ブチルアル
コール基準で収率89%であった。更に触媒と中和酸の重
量を除き、残渣である副生物の量は15.6gであった。副
生物の内分けでは、3-メトキシ−2-メチルプロピオン酸
ブチル及び3-ブトキシ−2-メチルプロピオン酸メチルが
合計で 7.0g(0.04モル)、3-ブトキシ−2-メチルプロ
ピオン酸ブチルが 8.6g(0.04モル)であった。また、
副生物の分解により、 1.5gのn-ブチルアルコールが回
収でき、n-ブチルアルコールの転化率は98%となった。
更に、これを基準として計算するとメタクリル酸n-ブチ
ルへの選択率は91%となる。以上の結果を表2に示す。
【0028】実施例6 実施例5に於いて、触媒の種類・量を表2に示すものを
使用した他は、実施例5と全く同様の条件で操作した。
結果を表2に示す。
使用した他は、実施例5と全く同様の条件で操作した。
結果を表2に示す。
【0029】実施例7 実施例5に於いて、触媒の種類・量を表2に示すものを
使用した他は、実施例5と全く同様の条件で操作した。
結果を表2に示す。
使用した他は、実施例5と全く同様の条件で操作した。
結果を表2に示す。
【0030】実施例8 実施例5に於いて、高級アルコールをシクロヘキシルア
ルコール、触媒の種類・量を表2に示すものを使用した
他は、実施例5と全く同様の条件で操作した。結果を表
2に示す。
ルコール、触媒の種類・量を表2に示すものを使用した
他は、実施例5と全く同様の条件で操作した。結果を表
2に示す。
【0031】
【表1】 (注1)製品の収率は、仕込みの高級アルコールを基準
とした。 (注2)副生物の生成率は、仕込みの高級アルコールを
基準とした。 (注3)製品への選択率とは、転化された原料の高級ア
ルコールを基準とした製品分の比率である。
とした。 (注2)副生物の生成率は、仕込みの高級アルコールを
基準とした。 (注3)製品への選択率とは、転化された原料の高級ア
ルコールを基準とした製品分の比率である。
【0032】
【表2】 (注1)製品の収率は、仕込みの高級アルコールを基準
とした。 (注2)副生物の生成率は、仕込みの高級アルコールを
基準とした。 (注3)製品への選択率とは、転化された原料の高級ア
ルコールを基準とした製品分の比率である。
とした。 (注2)副生物の生成率は、仕込みの高級アルコールを
基準とした。 (注3)製品への選択率とは、転化された原料の高級ア
ルコールを基準とした製品分の比率である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、(メタ)アクリル酸の
高級アルキルエステルを合成する際に生成する副生物
を、原料である(メタ)アクリル酸エステルや高級アル
コールへ、又は製品である(メタ)アクリル酸の高級ア
ルキルエステルに転化することが可能である。従って、
原料の製品への選択率を向上させるばかりでなく、産業
廃棄物の生成量の削減も可能となり、産業的には極めて
有用な方法である。
高級アルキルエステルを合成する際に生成する副生物
を、原料である(メタ)アクリル酸エステルや高級アル
コールへ、又は製品である(メタ)アクリル酸の高級ア
ルキルエステルに転化することが可能である。従って、
原料の製品への選択率を向上させるばかりでなく、産業
廃棄物の生成量の削減も可能となり、産業的には極めて
有用な方法である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/32 9279−4H 67/60 9279−4H (72)発明者 佐川 栄一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 野館 義博 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1)(化1) 【化1】CH2 =CR1 COOR2 (1) (式中、R1 は水素又はメチル基、R2 は炭素数1〜4
のアルキル基を示す。)で表されるアクリル酸又はメタ
クリル酸エステルと一般式(2)(化2) 【化2】R3 OH (2) (式中、R3 は炭素数2〜20のアルキル基又はシクロア
ルキル基を示す。)で表される高級アルコールとのエス
テル交換反応により、一般式(3)(化3) 【化3】CH2 =CR1 COOR3 (3) (式中、R1 ,R3 は前記に同じ。)で表されるアクリ
ル酸又はメタクリル酸の高級アルキルエステルを製造す
る際に生成する副生物を、触媒により分解して前記反応
系の物質、及び/又は、一般式(4)(化4) 【化4】R2 OH (4) (式中、R2 は前記に同じ。)で表される低級脂肪族ア
ルコールにすることを特徴とするアクリル酸又はメタク
リル酸の高級アルキルエステルの製造方法。 - 【請求項2】 副生物が一般式(5)〜(8)、(化
5) 【化5】R3 OCH2 CHR1 COOR2 (5) R2 OCH2 CHR1 COOR3 (6) R3 OCH2 CHR1 COOR3 (7) R2 OCH2 CHR1 COOR2 (8) (式中、R1 ,R2 ,R3 は前記に同じ。)のうちの一
種又は二種以上である請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 触媒が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ
金属炭酸水素塩、アルカリ金属リン酸塩、有機ハロゲン
化スズのうちから選ばれる一種又は二種以上である請求
項1に記載の方法。 - 【請求項4】 エステル交換反応によって得られる反応
混合物中、アクリル酸又はメタクリル酸エステル、及
び、高級アルコールの各々の含有率を、それぞれ1重量
%以下とし、次に、触媒により副生物を分解する請求項
1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5084410A JPH06293702A (ja) | 1993-04-12 | 1993-04-12 | アクリル酸又はメタクリル酸の高級アルキルエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5084410A JPH06293702A (ja) | 1993-04-12 | 1993-04-12 | アクリル酸又はメタクリル酸の高級アルキルエステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06293702A true JPH06293702A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=13829827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5084410A Pending JPH06293702A (ja) | 1993-04-12 | 1993-04-12 | アクリル酸又はメタクリル酸の高級アルキルエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06293702A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6147252A (en) * | 1998-07-01 | 2000-11-14 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Process for continuously producing ester of acrylic or methacrylic acid |
JP2001011019A (ja) * | 1999-07-02 | 2001-01-16 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 副生物の回収方法 |
-
1993
- 1993-04-12 JP JP5084410A patent/JPH06293702A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6147252A (en) * | 1998-07-01 | 2000-11-14 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Process for continuously producing ester of acrylic or methacrylic acid |
JP2001011019A (ja) * | 1999-07-02 | 2001-01-16 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 副生物の回収方法 |
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