JPH06271517A - アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルアミノアルキルエステルの製造方法 - Google Patents

アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルアミノアルキルエステルの製造方法

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JPH06271517A
JPH06271517A JP6360493A JP6360493A JPH06271517A JP H06271517 A JPH06271517 A JP H06271517A JP 6360493 A JP6360493 A JP 6360493A JP 6360493 A JP6360493 A JP 6360493A JP H06271517 A JPH06271517 A JP H06271517A
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acrylic acid
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meth
catalyst
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Application number
JP6360493A
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English (en)
Inventor
Kenji Mizogami
健二 溝上
Kenichi Arai
研一 荒井
Mitsuaki Senda
光昭 千田
Eiichi Sagawa
栄一 佐川
Yoshihiro Nodate
義博 野館
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (メタ)アクリル酸エステルとアルキルアミ
ノアルコールとのエステル交換反応により、(メタ)ア
クリル酸のアルキルアミノアルキルエステルを製造する
際に生成する副生物を、触媒により分解して前記反応系
の物質である(メタ)アクリル酸エステル、アルキルア
ミノアルコール、(メタ)アクリル酸のアルキルアミノ
アルキルエステル、及び/又は、低級脂肪族アルコール
にすることを特徴とする(メタ)アクリル酸のアルキル
アミノアルキルエステルの製造方法。 【効果】 原料の製品への選択率を向上させるばかりで
なく、エステル交換反応時に生成する副生物の25〜80%
をも分解することが可能である。この方法を用いること
により、産業廃棄物となる副生物の生成量は従来方法と
比較し、 1/2〜1/5 とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル酸又はメタク
リル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」という。)のア
ルキルアミノアルキルエステルの製造方法に関し、詳し
くは製造時に於ける副生物の生成を抑制するとともに原
料の製品への選択率を向上させる方法に関する。(メ
タ)アクリル酸のアルキルアミノアルキルエステルは、
分子内にアミノ基を有しているため、繊維の染色性改質
剤、プラスチックの静電防止剤として、また、これらの
モノマーを重合・共重合させたポリマーは、紙力増強
剤、トナーバインダー、紫外線硬化印刷用材料、塗料用
樹脂、高分子凝集剤、及びイオン交換樹脂として有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】既に、(メタ)アクリル酸エステルをエ
ステル交換反応により(メタ)アクリル酸のアルキルア
ミノアルキルエステルを合成する方法は公知であり、種
々の触媒を使用することにより行なうものが多く提案さ
れている。例えば、アルカリ金属炭酸塩を使用するもの
(特開昭57-70845号公報)、アルカリ金属炭酸水素塩を
使用するもの(特開昭62- 242652号公報)、アルカリ金
属リン酸塩を使用するもの(特開昭62- 230755号公
報)、有機ハロゲン化スズを使用するもの(特開昭55-9
4342号公報)等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
触媒を使用して(メタ)アクリル酸のアルキルアミノア
ルキルエステルを合成した場合、かなりの副生物が生成
する。副生物としては、原料の(メタ)アクリル酸エス
テルの二重結合の部分に、アルキルアミノアルコールが
付加したもの、又は、系内で副生する低級脂肪族アルコ
ールが付加したものである下記一般式(5)〜(8)、
(化6)
【化6】R3 OCH2 CHR1 COOR2 (5) R2 OCH2 CHR1 COOR3 (6) R3 OCH2 CHR1 COOR3 (7) R2 OCH2 CHR1 COOR2 (8) (式中、R1 は水素又はメチル基、R2 は炭素数1〜4
のアルキル基、R3 はアルキルアミノアルキル基を示
す。以下、これらは同じである。)が挙げられる。
【0004】例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウ
ム、リン酸三ルビジウム等を触媒として(メタ)アクリ
ル酸のアルキルアミノアルキルエステルを合成させた場
合、上記副生物の生成率は目的物に対し約10重量%にも
なることがあり、これらは反応収率を低下させるばかり
か産業廃棄物となるために、その処理に於いて多くの工
程及び費用を必要としていた。本発明では、(メタ)ア
クリル酸のアルキルアミノアルキルエステルを製造する
際に、上記の欠点である副生物の生成を抑制し、かつ、
原料の製品への選択率を向上させる方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、(メタ)アクリ
ル酸のアルキルアミノアルキルエステルの合成時に生成
する上記副生物は、そのエステル交換反応終了後に触媒
を添加することによって可逆的に分解させることが可能
であり、これら副生物を、再び原料である(メタ)アク
リル酸エステルやアルキルアミノアルコール、製品であ
る(メタ)アクリル酸のアルキルアミノアルキルエステ
ル、又は、低級脂肪族アルコールに転化できることを見
出し、遂に本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(1)(化
7)
【化7】CH2 =CR1 COOR2 (1) で表される(メタ)アクリル酸エステルと、一般式
(2)(化8)
【化8】R3 OH (2) で表されるアルキルアミノアルコールとのエステル交換
反応により、一般式(3)(化9)
【化9】CH2 =CR1 COOR3 (3) で表される(メタ)アクリル酸のアルキルアミノアルキ
ルエステルを製造する際に生成する副生物を、触媒によ
り分解して前記反応系の物質、及び/又は、一般式
(4)(化10)
【化10】R2 OH (4) で表される低級脂肪族アルコールにすることを特徴とす
る(メタ)アクリル酸のアルキルアミノアルキルエステ
ルの製造方法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明を
可能とする(メタ)アクリル酸のアルキルアミノアルキ
ルエステルの製造方法としては、触媒を使用して(メ
タ)アクリル酸エステルとアルキルアミノアルコールと
のエステル交換反応によって行なうものであり、例え
ば、特開昭57-70845号公報、特開昭62- 242652号公報、
特開昭62- 230755号公報、特開昭55-94342号公報等に記
載されている製造方法を挙げることができる。
【0008】通常、上記による(メタ)アクリル酸のア
ルキルアミノアルキルエステルを合成する方法は、一般
に、原料として下記一般式(1)(化11)
【化11】 CH2 =CR1 COOR2 (1) で表される(メタ)アクリル酸エステル、及び、下記一
般式(2)(化12)
【化12】 R3 OH (2) で表されるアルキルアミノアルコールとをエステル交換
反応させることにより行なうものである。
【0009】上記一般式(1)(化11)で表される(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソプロピル
等であり、また、もう一方の原料である一般式(2)
(化12)で表されるアルキルアミノアルコールとして
は、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノ
ール、ジメチルアミノプロパノール、t-ブチルアミノエ
タノール、ジブチルアミノメタノール等を挙げることが
できる。
【0010】(メタ)アクリル酸エステルとアルキルア
ミノアルコールの仕込み量は、実用的に反応が進行する
限りどのような範囲でも可能であるが、通常、アルキル
アミノアルコール1モルに対し、(メタ)アクリル酸エ
ステルが 1.2〜10モル、好ましくは 1.5〜5モルの範囲
である。
【0011】ここで使用される触媒としては、一般に、
触媒活性のあるものであれば良く、例えば、炭酸カリウ
ム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、リン酸三
カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三ルビジウム、
ジブチルスズジクロライド等が用いられ、使用量として
は、(メタ)アクリル酸エステルとアルキルアミノアル
コールの総量に対して、通常、0.01〜2.0 重量%、好ま
しくは0.02〜1.0 重量%である。
【0012】上記によりエステル交換反応させた場合、
通常、その反応液は、目的物である(メタ)アクリル酸
のアルキルアミノアルキルエステル、未反応の原料、及
び、副生物である下記一般式(5)〜(8)、(化13)
【化13】 R3 OCH2 CHR1 COOR2 (5) R2 OCH2 CHR1 COOR3 (6) R3 OCH2 CHR1 COOR3 (7) R2 OCH2 CHR1 COOR2 (8) の混合物として得られる。上記副生物の生成率は、触媒
や原料のモル比等の合成条件によっても異なるが、通
常、目的物の(メタ)アクリル酸のアルキルアミノアル
キルエステルに対しておよそ6〜10重量%である。
【0013】本発明では、エステル交換反応終了後に混
合物中に触媒を添加することにより、生成した副生物を
低級脂肪族アルコール、アルキルアミノアルコール、
(メタ)アクリル酸エステルに分解、及び/又は、製品
である(メタ)アクリル酸のアルキルアミノアルキルエ
ステルに再生する方法である。
【0014】これに使用する触媒としては、炭酸カリウ
ム、炭酸ルビジウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素
カリウム、炭酸水素ルビジウム等のアルカリ金属炭酸水
素塩、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸
三ルビジウム等のアルカリ金属リン酸塩、ジブチルスズ
ジクロライド等の有機ハロゲン化スズが挙げられ、(メ
タ)アクリル酸のアルキルアミノアルキルエステルが合
成可能である触媒であれば特に限定はないが、好ましく
は、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸水素カリウ
ム、リン酸三カリウム、ジブチルスズジクロライドであ
る。これらは一種又は二種以上の混合物であっても良
く、更に、合成反応時に於ける触媒と同一、又は、異な
るものであっても良い。
【0015】使用する触媒の量は、(メタ)アクリル酸
のアルキルアミノアルキルエステルの合成反応工程で使
用する量よりも少なくて良く、通常、原料である(メ
タ)アクリル酸エステルとアルキルアミノアルコールの
仕込みの総量に対して 0.003〜0.3 重量%で可能であ
る。この場合に於ける触媒の活性は、固体状態よりも溶
解状態で使用する方が大幅に増加し、更には、より溶け
易いアルコールに溶解させて用いることにより、特に触
媒活性を大きくすることが可能である。
【0016】また、(メタ)アクリル酸のアルキルアミ
ノアルキルエステルへのエステル交換反応が終了した後
の反応混合物中には、通常、原料である未反応の(メ
タ)アクリル酸エステル及びアルキルアミノアルコール
が合計で数重量%残存しているが、本発明に於いては、
触媒を添加する前に、これら各々の含有率を蒸留によっ
て1重量%以下としておくことにより、更に、副生物の
分解反応を速やかに進ませることが可能となる。
【0017】更に、本発明での触媒添加後に於ける副生
物の分解反応時には、(メタ)アクリル酸エステル、低
級脂肪族アルコール、及びアルキルアミノアルコールが
分解物として生成するが、これらは蒸留によって系内よ
り留去させることが好ましい。
【0018】本発明に於ける副生物の分解反応は、常圧
下でも実施することは可能であるが、通常、重合等を抑
制するために好ましくは減圧下、より好ましくは10〜 7
60Torr、更に好ましくは10〜 100Torrの範囲である。分
解反応時の温度は、その圧力における反応系の沸点によ
り定まるが、分解速度が充分大きく、かつ、重合をも抑
制可能な50〜120 ℃の範囲が好ましい。分解に要する時
間は、圧力、温度、触媒等によっても変化するが、通常
は、 0.5〜2時間の範囲である。
【0019】本発明によれば、(メタ)アクリル酸のア
ルキルアミノアルキルエステルへのエステル交換反応時
に生成する副生物の25〜80%をも分解することが可能で
あり、産業廃棄物となる副生物の生成量は、従来方法と
比較し、1/2〜1/5にも削減することができる。ま
た、本発明に於いて、特に重合し易い製品を得る場合
は、副生物の分解率を低くして終了させることにより重
合を抑制することも可能である。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。以下に於いて「%」は特記する以外はモル基準で
あり、また、反応混合物中の成分分析はガスクロマトグ
ラフィにより行なった。
【0021】実施例1 充填物入りの蒸留塔を付けた1Lit の撹拌機付きガラス
容器に、原料としてメタクリル酸メチル 500g及びジメ
チルアミノエタノール 178gを装入し、これに重合禁止
剤としてフェノチアジン 1.2gを加えた。次に、系内の
圧力を 400Torr、温度90℃として全還流の状態にし、こ
の状態で、触媒として5重量%炭酸カリウムのメタノー
ル溶液23gを5時間かけて添加した。系内で生成するメ
タノールは、蒸留塔塔頂温度が58〜60℃を維持するよう
に還流比2〜4でメタノール/メタクリル酸メチル共沸
物として留出させた。反応開始より5時間経過した時点
で、ジメチルアミノエタノールの転化率が99%となり、
製品のメタクリル酸ジメチルアミノエチルが91%生成
し、残る8%のうち副生物は7%生成していた。なお、
副生物としては、3-メトキシ−2-メチルプロピオン酸ジ
メチルアミノエチル及び 3-(N,N-ジメチルアミノエトキ
シ)-2-メチルプロピオン酸メチルが合計で3%、 3-(N,
N-ジメチルアミノエトキシ)-2-メチルプロピオン酸ジメ
チルアミノエチルが4%であった。
【0022】次に、上記系内の圧力を35Torrとし、過剰
原料のメタクリル酸メチルを蒸留によって留去し、塔頂
温度が70℃となったところで全還流にした。これにより
混合物中の成分は、メタクリル酸ジメチルアミノエチル
91.2重量%、副生物 6.7重量%、メタクリル酸メチル
0.9重量%、ジメチルアミノエタノール 0.2重量%とな
った。なお、上記副生物のうち、3-メトキシ−2-メチル
プロピオン酸ジメチルアミノエチル及び 3-(N,N-ジメチ
ルアミノエトキシ)-2-メチルプロピオン酸メチルが合計
で 3.6重量%、 3-(N,N-ジメチルアミノエトキシ)-2-メ
チルプロピオン酸ジメチルアミノエチルが 3.1重量%で
あった。更に、この状態で全還流を行ないつつ、これに
副生物を分解させる触媒として5重量%炭酸カリウムの
メタノール溶液 4.6gを1時間かけて添加した。系内か
らメタクリル酸メチル、ジメチルアミノエタノール及び
メタノールが生成し、塔頂の温度が下がったが、塔頂温
度70℃を保つようにこれら分解生成物の抜き出しを行な
った。
【0023】この結果、混合物中の副生物は、仕込みジ
メチルアミノエタノール基準で7%の生成率であったも
のが 2.5%まで低減していた。なお、副生物の内分け
は、3-メトキシ−2-メチルプロピオン酸ジメチルアミノ
エチル及び 3-(N,N-ジメチルアミノエトキシ)-2-メチル
プロピオン酸メチルが合計で 0.5%、 3-(N,N-ジメチル
アミノエトキシ)-2-メチルプロピオン酸ジメチルアミノ
エチルが2%であった。この分解工程終了後、炭酸カリ
ウムの硫酸による中和を行ない、更に、圧力を10Torrに
して前留分を抜き出し、メタクリル酸ジメチルアミノエ
チルの精留を行なった。得られたメタクリル酸ジメチル
アミノエチル分は 283gであり、これは仕込みジメチル
アミノエタノール基準で収率90%であった。更に触媒と
中和酸の重量を除き、残渣である副生物の量は 6.8gで
あった。副生物の内分けでは、3-メトキシ−2-メチルプ
ロピオン酸ジメチルアミノエチル及び 3-(N,N-ジメチル
アミノエトキシ)-2-メチルプロピオン酸メチルが合計で
1.9g(0.01モル)、 3-(N,N-ジメチルアミノエトキ
シ)-2-メチルプロピオン酸ジメチルアミノエチルが 4.9
g(0.02モル)であった。また、副生物の分解により、
8.0gのジメチルアミノエタノールが回収でき、ジメチ
ルアミノエタノールの転化率は94.5%となった。更に、
これを基準として計算するとメタクリル酸ジメチルアミ
ノエチルへの選択率は96.3%となる。以上の結果を表1
に示す。
【0024】実施例2 実施例1に於いて、アルキルアミノアルコールをジエチ
ルアミノエタノール、触媒の量を表1に示すように使用
した他は、実施例1と全く同様の条件で操作した。結果
を表1に示す。
【0025】実施例3 実施例1に於いて、アルキルアミノアルコールをジブチ
ルアミノメタノール、触媒の種類・量を表1に示すよう
に使用した他は、実施例1と全く同様の条件で操作し
た。結果を表1に示す。
【0026】実施例4 実施例1に於いて、アルキルアミノアルコールをt-ブチ
ルアミノエタノール、触媒の種類・量を表1に示すよう
に使用した他は、実施例1と全く同様の条件で操作し
た。結果を表1に示す。
【0027】実施例5 実施例1に於いて、アルキルアミノアルコールをジメチ
ルアミノエタノール、触媒の種類・量を表1に示すよう
に使用した他は、実施例1と全く同様の条件で操作し
た。結果を表1に示す。
【0028】実施例6 充填物入りの蒸留塔を付けた1Lit の撹拌機付きガラス
容器に、原料としてメタクリル酸メチル 500g及びジメ
チルアミノエタノール 178gを装入し、これに重合禁止
剤としてフェノチアジン 1.2gを加えた。次に、系内の
圧力を 400Torr、温度90℃として全還流の状態にし、こ
の状態で、触媒として5重量%炭酸カリウムのメタノー
ル溶液23gを5時間かけて添加した。系内で生成するメ
タノールは、蒸留塔塔頂温度が58〜60℃を維持するよう
に還流比2〜4でメタノール/メタクリル酸メチル共沸
物として留出させた。反応開始より5時間経過した時点
で、ジメチルアミノエタノールの転化率が99%となり、
製品のメタクリル酸ジメチルアミノエチルが91%生成
し、残る8%のうち副生物は7%生成していた。なお、
副生物としては、3-メトキシ−2-メチルプロピオン酸ジ
メチルアミノエチル及び 3-(N,N-ジメチルアミノエトキ
シ)-2-メチルプロピオン酸メチルが合計で3%、 3-(N,
N-ジメチルアミノエトキシ)-2-メチルプロピオン酸ジメ
チルアミノエチルが4%であった。
【0029】次に、上記系内の圧力を35Torrとし、過剰
原料のメタクリル酸メチルを蒸留によって留去し、塔頂
温度が55℃となったところで全還流にした。これにより
混合物中の成分は、メタクリル酸ジメチルアミノエチル
79重量%、副生物 5.8重量%、メタクリル酸メチル13重
量%、ジメチルアミノエタノール 0.4重量%となった。
なお、上記副生物のうち、3-メトキシ−2-メチルプロピ
オン酸ジメチルアミノエチル及び 3-(N,N-ジメチルアミ
ノエトキシ)-2-メチルプロピオン酸メチルが合計で 3.1
重量%、 3-(N,N-ジメチルアミノエトキシ)-2-メチルプ
ロピオン酸ジメチルアミノエチルが 2.7重量%であっ
た。更に、この状態で全還流を行ないつつ、これに副生
物を分解させる触媒として5重量%炭酸カリウムのメタ
ノール溶液 4.6gを1時間かけて添加した。系内からメ
タクリル酸メチル、ジメチルアミノエタノール及びメタ
ノールが生成し、塔頂の温度が下がったが、塔頂温度55
℃を保つようにこれら分解生成物の抜き出しを行なっ
た。
【0030】この結果、混合物中の副生物は、仕込みジ
メチルアミノエタノール基準で7%の生成率であったも
のが6%まで低減していた。なお、副生物の内分けは、
3-メトキシ−2-メチルプロピオン酸ジメチルアミノエチ
ル及び 3-(N,N-ジメチルアミノエトキシ)-2-メチルプロ
ピオン酸メチルが合計で2%、 3-(N,N-ジメチルアミノ
エトキシ)-2-メチルプロピオン酸ジメチルアミノエチル
が4%であった。この分解工程終了後、炭酸カリウムの
硫酸による中和を行ない、更に、圧力を10Torrにして前
留分を抜き出し、メタクリル酸ジメチルアミノエチルの
精留を行なった。得られたメタクリル酸ジメチルアミノ
エチル分は 283gであり、これは仕込みジメチルアミノ
エタノール基準で収率90%であった。更に触媒と中和酸
の重量を除き、残渣である副生物の量は17.4gであっ
た。副生物の内分けでは、3-メトキシ−2-メチルプロピ
オン酸ジメチルアミノエチル及び 3-(N,N-ジメチルアミ
ノエトキシ)-2-メチルプロピオン酸メチルが合計で 7.6
g(0.04モル)、 3-(N,N-ジメチルアミノエトキシ)-2-
メチルプロピオン酸ジメチルアミノエチルが 9.8g(0.
04モル)であった。また、副生物の分解により、 1.8g
のジメチルアミノエタノールが回収でき、ジメチルアミ
ノエタノールの転化率は98%となった。更に、これを基
準として計算するとメタクリル酸ジメチルアミノエチル
への選択率は91.8%となる。以上の結果を表2に示す。
【0031】実施例7 実施例6に於いて、アルキルアミノアルコールをジエチ
ルアミノエタノール、触媒の量を表2に示すように使用
した他は、実施例6と全く同様の条件で操作した。結果
を表2に示す。
【0032】実施例8 実施例6に於いて、アルキルアミノアルコールをジブチ
ルアミノメタノール、触媒の種類・量を表2に示すよう
に使用した他は、実施例6と全く同様の条件で操作し
た。結果を表2に示す。
【0033】実施例9 実施例6に於いて、アルキルアミノアルコールをt-ブチ
ルアミノエタノール、触媒の種類・量を表2に示すよう
に使用した他は、実施例6と全く同様の条件で操作し
た。結果を表2に示す。
【0034】実施例10 実施例6に於いて、アルキルアミノアルコールをジメチ
ルアミノエタノール、触媒の種類・量を表2に示すよう
に使用した他は、実施例6と全く同様の条件で操作し
た。結果を表2に示す。
【0035】
【表1】 (注1)製品の収率は、仕込みのアルキルアミノアルコ
ールを基準とした。 (注2)副生物の生成率は、仕込みのアルキルアミノア
ルコールを基準とした。 (注3)製品への選択率とは、転化された原料のアルキ
ルアミノアルコールを基準とした製品分の比率である。
【0036】
【表2】 (注1)製品の収率は、仕込みのアルキルアミノアルコ
ールを基準とした。 (注2)副生物の生成率は、仕込みのアルキルアミノア
ルコールを基準とした。 (注3)製品への選択率とは、転化された原料のアルキ
ルアミノアルコールを基準とした製品分の比率である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、(メタ)アクリル酸の
アルキルアミノアルキルエステルを合成する際に生成す
る副生物を、原料である(メタ)アクリル酸エステルや
アルキルアミノアルコールへ、又は製品である(メタ)
アクリル酸アルキルアミノアルキルエステルに転化する
ことが可能である。従って、原料の製品への選択率を向
上させるばかりでなく、産業廃棄物の生成量の削減も可
能となり、産業的には極めて有用な方法である。
フロントページの続き (72)発明者 佐川 栄一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 野館 義博 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)(化1) 【化1】CH2 =CR1 COOR2 (1) (式中、R1 は水素又はメチル基、R2 は炭素数1〜4
    のアルキル基を示す。)で表されるアクリル酸又はメタ
    クリル酸エステルと一般式(2)(化2) 【化2】R3 OH (2) (式中、R3 はアルキルアミノアルキル基を示す。)で
    表されるアルキルアミノアルコールとのエステル交換反
    応により、一般式(3)(化3) 【化3】CH2 =CR1 COOR3 (3) (式中、R1 ,R3 は前記に同じ。)で表されるアクリ
    ル酸又はメタクリル酸のアルキルアミノアルキルエステ
    ルを製造する際に生成する副生物を、触媒により分解し
    て前記反応系の物質、及び/又は、一般式(4)(化
    4) 【化4】R2 OH (4) (式中、R2 は前記に同じ。)で表される低級脂肪族ア
    ルコールにすることを特徴とするアクリル酸又はメタク
    リル酸のアルキルアミノアルキルエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】副生物が一般式(5)〜(8)、(化5) 【化5】R3 OCH2 CHR1 COOR2 (5) R2 OCH2 CHR1 COOR3 (6) R3 OCH2 CHR1 COOR3 (7) R2 OCH2 CHR1 COOR2 (8) (式中、R1 ,R2 ,R3 は前記に同じ。)のうちの一
    種又は二種以上である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】触媒が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金
    属炭酸水素塩、アルカリ金属リン酸塩、有機ハロゲン化
    スズのうちから選ばれる一種又は二種以上である請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】エステル交換反応によって得られる反応混
    合物中、アクリル酸又はメタクリル酸エステル、及び、
    アルキルアミノアルコールの各々の含有率を、それぞれ
    1重量%以下とし、次に、触媒により副生物を分解する
    請求項1に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6417392B1 (en) 1997-10-01 2002-07-09 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of alkylamino(Meth)acrylate and apparatus therefor

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