JPH06293615A - 混合脂質膜小胞を含有する化粧品 - Google Patents
混合脂質膜小胞を含有する化粧品Info
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- JPH06293615A JPH06293615A JP24717092A JP24717092A JPH06293615A JP H06293615 A JPH06293615 A JP H06293615A JP 24717092 A JP24717092 A JP 24717092A JP 24717092 A JP24717092 A JP 24717092A JP H06293615 A JPH06293615 A JP H06293615A
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- phospholipid
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 リン脂質と非イオン性ポリオキシエチレン系
界面活性剤とのモル比が5/95〜95/5の混合脂質
を水溶液中で超音波処理することにより得られる粒径1
00〜3000オングストローム、粒径のばらつき10
%以下のW/O/W型混合脂質膜小胞を含有する化粧
品。 【効果】 リン脂質と非イオン性ポリオキシエチレン系
界面活性剤との特定の成分比において生成される粒径の
ばらつきが小さい混合脂質膜小胞であり、小胞中に包埋
する薬物の種類、量または目的に応じて粒径をコントロ
ールすることができる。この混合脂質膜小胞を含有する
化粧品は、優れた皮膚細胞親和性を有する物質であり、
混合脂質膜小胞による皮膚賦活物質運搬体が得られる。
界面活性剤とのモル比が5/95〜95/5の混合脂質
を水溶液中で超音波処理することにより得られる粒径1
00〜3000オングストローム、粒径のばらつき10
%以下のW/O/W型混合脂質膜小胞を含有する化粧
品。 【効果】 リン脂質と非イオン性ポリオキシエチレン系
界面活性剤との特定の成分比において生成される粒径の
ばらつきが小さい混合脂質膜小胞であり、小胞中に包埋
する薬物の種類、量または目的に応じて粒径をコントロ
ールすることができる。この混合脂質膜小胞を含有する
化粧品は、優れた皮膚細胞親和性を有する物質であり、
混合脂質膜小胞による皮膚賦活物質運搬体が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬剤包埋または化粧品
素材包埋に用いられる脂質膜小胞に関する。
素材包埋に用いられる脂質膜小胞に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、リン脂質あるいはリン脂質と
コレステロールを用いた閉鎖小胞としてリポソーム(O
/W/O型脂質膜小胞)がよく知られており、薬物運搬
システムに有用であるとして評価されている。リポソー
ムには多重層リポソーム、1枚膜リポソームなど数種類
のリポソームがあり、逆相蒸発法、攪拌法、超音波法な
どいくつかの製造方法が知られている。
コレステロールを用いた閉鎖小胞としてリポソーム(O
/W/O型脂質膜小胞)がよく知られており、薬物運搬
システムに有用であるとして評価されている。リポソー
ムには多重層リポソーム、1枚膜リポソームなど数種類
のリポソームがあり、逆相蒸発法、攪拌法、超音波法な
どいくつかの製造方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記方法は、リポソー
ム製造時に溶剤を用いるので、その残留毒性などの問題
があった。そのため生体投与可能な水溶性多価アルコー
ルとリン脂質を加熱溶解させ、水中で攪拌することによ
るリポソームの製造法(特開昭60−7932号公報)があ
る。この方法はグリセロールなどの多価アルコールを非
揮発性溶媒として使用するものであるが、多価アルコー
ル自体は膜成分にはならないため、均一な粒径で長期間
保存することが困難であった。
ム製造時に溶剤を用いるので、その残留毒性などの問題
があった。そのため生体投与可能な水溶性多価アルコー
ルとリン脂質を加熱溶解させ、水中で攪拌することによ
るリポソームの製造法(特開昭60−7932号公報)があ
る。この方法はグリセロールなどの多価アルコールを非
揮発性溶媒として使用するものであるが、多価アルコー
ル自体は膜成分にはならないため、均一な粒径で長期間
保存することが困難であった。
【0004】またリポソームの場合には、粒径をそろえ
るためにゲル濾過などの煩雑な操作が必要であった。一
方、皮膚の外用製剤としては、従来、十分な経皮吸収性
を示すものが得られておらず、これを改良するために、
各種の経皮吸収促進剤の開発が活発に行われている。し
かしながら、経皮吸収促進がなされても皮膚細胞への薬
物の取り込みが十分でなければ、経皮吸収促進効果が十
分に発揮されない。
るためにゲル濾過などの煩雑な操作が必要であった。一
方、皮膚の外用製剤としては、従来、十分な経皮吸収性
を示すものが得られておらず、これを改良するために、
各種の経皮吸収促進剤の開発が活発に行われている。し
かしながら、経皮吸収促進がなされても皮膚細胞への薬
物の取り込みが十分でなければ、経皮吸収促進効果が十
分に発揮されない。
【0005】天然系のリン脂質混合物である卵黄レシチ
ン、大豆レシチンあるいはそれらの分画抽出物や水素添
加物等が化粧料に用いられているが、それらは、乳化
剤、保湿剤、分散剤、リポソーム調製剤等としての機能
や、合成界面活性剤に比べて皮膚刺激性が少ないなどの
特性を期待して使われている。それら天然のリン脂質は
生体膜構成成分であり、皮膚刺激性が少なく生体への適
合性に優れているものの、化学合成品に比べると水への
溶解性が低く、長期保存中に変質、異臭を生じやすく、
まだまだ改良の余地があるものであった。本発明者ら
は、これらの点を改良し、均一な粒径を持った長期間安
定な脂質膜小胞を、先に出願した(特願平3−177731
号)。
ン、大豆レシチンあるいはそれらの分画抽出物や水素添
加物等が化粧料に用いられているが、それらは、乳化
剤、保湿剤、分散剤、リポソーム調製剤等としての機能
や、合成界面活性剤に比べて皮膚刺激性が少ないなどの
特性を期待して使われている。それら天然のリン脂質は
生体膜構成成分であり、皮膚刺激性が少なく生体への適
合性に優れているものの、化学合成品に比べると水への
溶解性が低く、長期保存中に変質、異臭を生じやすく、
まだまだ改良の余地があるものであった。本発明者ら
は、これらの点を改良し、均一な粒径を持った長期間安
定な脂質膜小胞を、先に出願した(特願平3−177731
号)。
【0006】一方、非イオン性ポリオキシエチレン系界
面活性剤を含む混合脂質膜の製法(特開昭62-95134号公
報) 、およびその応用(特開平3−5426、特開平3-618
59号公報) は開示されているが、表皮角化細胞に薬物を
特異的に取り込ませることを目的とする化粧品は知られ
ていない。従って、本発明の目的は、均一な粒径を持っ
た長期間安定な脂質膜小胞を使って、表皮角化細胞に薬
物を特異的に取り込むことができ、水への溶解性、長期
保存性等の改良された化粧品を提供することである。
面活性剤を含む混合脂質膜の製法(特開昭62-95134号公
報) 、およびその応用(特開平3−5426、特開平3-618
59号公報) は開示されているが、表皮角化細胞に薬物を
特異的に取り込ませることを目的とする化粧品は知られ
ていない。従って、本発明の目的は、均一な粒径を持っ
た長期間安定な脂質膜小胞を使って、表皮角化細胞に薬
物を特異的に取り込むことができ、水への溶解性、長期
保存性等の改良された化粧品を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、リン脂質と非
イオン性ポリオキシエチレン系界面活性剤とのモル比が
5/95〜95/5 の混合脂質を水溶液中で超音波処理する
ことにより得られる粒径100 〜3000オングストローム、
粒系のばらつき10%以下のO/W/O型混合脂質膜小胞
を含有する化粧品である。
イオン性ポリオキシエチレン系界面活性剤とのモル比が
5/95〜95/5 の混合脂質を水溶液中で超音波処理する
ことにより得られる粒径100 〜3000オングストローム、
粒系のばらつき10%以下のO/W/O型混合脂質膜小胞
を含有する化粧品である。
【0008】本発明で用いられるリン脂質は、例えば、
ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトー
ル、ホスファチジルグリセロール、大豆リン脂質、卵黄
リン脂質などである。非イオン性ポリオキシエチレン系
界面活性剤は、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル(ツイーン(Tween)20:アルタスパウダー
社製など)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル(トリトン(Triton)X-100:ローム&ハース社製な
ど)等である。
ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトー
ル、ホスファチジルグリセロール、大豆リン脂質、卵黄
リン脂質などである。非イオン性ポリオキシエチレン系
界面活性剤は、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル(ツイーン(Tween)20:アルタスパウダー
社製など)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル(トリトン(Triton)X-100:ローム&ハース社製な
ど)等である。
【0009】本発明において、リン脂質とオキシエチレ
ン系界面活性剤とのモル比は 5/95〜95/5 である。リ
ン脂質と非イオン性ポリオキシエチレン系界面活性剤と
のモル比が前記の範囲以外では、混合脂質膜小胞作成時
に、粒径に再現性が出難くなるのみならず、水性溶媒中
での超音波処理では不透明な分散液になったりミセル状
態になり、目的とする混合脂質膜小胞が得られない。
ン系界面活性剤とのモル比は 5/95〜95/5 である。リ
ン脂質と非イオン性ポリオキシエチレン系界面活性剤と
のモル比が前記の範囲以外では、混合脂質膜小胞作成時
に、粒径に再現性が出難くなるのみならず、水性溶媒中
での超音波処理では不透明な分散液になったりミセル状
態になり、目的とする混合脂質膜小胞が得られない。
【0010】混合脂質膜小胞は、リン脂質と非イオン性
ポリオキシエチレン系界面活性剤とのモル比が 5/95〜
95/5 の混合脂質を水溶液中で超音波処理することによ
り得られる。水溶液は、例えば、蒸留水、リン酸緩衝
液、生理食塩水などである。混合脂質膜小胞は、例えば
混合脂質の相転移温度以上で10〜30分間、50〜100Wの
超音波出力で超音波処理を行うことにより得ることがで
きる。
ポリオキシエチレン系界面活性剤とのモル比が 5/95〜
95/5 の混合脂質を水溶液中で超音波処理することによ
り得られる。水溶液は、例えば、蒸留水、リン酸緩衝
液、生理食塩水などである。混合脂質膜小胞は、例えば
混合脂質の相転移温度以上で10〜30分間、50〜100Wの
超音波出力で超音波処理を行うことにより得ることがで
きる。
【0011】次に、得られた混合脂質膜小胞は、常法に
従って、ローション類、乳液類、クリーム類、軟膏類、
パック類、オイル類等の剤型にすることが可能である。
本発明の化粧品には、公知の化粧品成分を含有させるこ
とができる。化粧品成分としては、例えば、界面活性
剤、乳化安定剤、殺菌剤、防腐剤、角質溶解剤、抗酸化
剤、香料、顔料、紫外線吸収剤、増粘剤、保湿剤、色
素、可溶化剤、金属封鎖剤、薬効成分等を本発明の目的
を達成する範囲内で適宜配合することができる。
従って、ローション類、乳液類、クリーム類、軟膏類、
パック類、オイル類等の剤型にすることが可能である。
本発明の化粧品には、公知の化粧品成分を含有させるこ
とができる。化粧品成分としては、例えば、界面活性
剤、乳化安定剤、殺菌剤、防腐剤、角質溶解剤、抗酸化
剤、香料、顔料、紫外線吸収剤、増粘剤、保湿剤、色
素、可溶化剤、金属封鎖剤、薬効成分等を本発明の目的
を達成する範囲内で適宜配合することができる。
【0012】例えば、ローションとするには、前記の混
合脂質膜小胞と、抗酸化剤、エタノール、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、防腐剤、香料などを適時に精
製水に混合攪拌して得ることができる。乳液とするに
は、混合脂質膜小胞と、セタノール、C14〜C18の飽和
脂肪酸、ラノリン、スクワラン、オリーブ油、オレイル
オレート、ジメチルポリシロキサン、グリセリルモノオ
レート、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、防腐
剤、香料、プロピレングリコロール、グリセリン、PE
G1500、水酸化カリウム、セチル硫酸ナトリウム、カル
ボキシビニルポリマー、抗酸化剤、エタノールなどを適
時に精製水に60〜80℃で乳化処理して得ることができ
る。
合脂質膜小胞と、抗酸化剤、エタノール、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、防腐剤、香料などを適時に精
製水に混合攪拌して得ることができる。乳液とするに
は、混合脂質膜小胞と、セタノール、C14〜C18の飽和
脂肪酸、ラノリン、スクワラン、オリーブ油、オレイル
オレート、ジメチルポリシロキサン、グリセリルモノオ
レート、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、防腐
剤、香料、プロピレングリコロール、グリセリン、PE
G1500、水酸化カリウム、セチル硫酸ナトリウム、カル
ボキシビニルポリマー、抗酸化剤、エタノールなどを適
時に精製水に60〜80℃で乳化処理して得ることができ
る。
【0013】クリームとするには、混合脂質膜小胞と、
セタノール、ワセリン、流動パラフィン、スクワラン、
イソプロピルミリステート、ポリオキシエチレンセチル
エーテル、グリセリンモノステアレート、防腐剤、グリ
セリン、プロピレングリコールなどを適時に精製水に60
〜80℃で乳化処理して得ることができる。
セタノール、ワセリン、流動パラフィン、スクワラン、
イソプロピルミリステート、ポリオキシエチレンセチル
エーテル、グリセリンモノステアレート、防腐剤、グリ
セリン、プロピレングリコールなどを適時に精製水に60
〜80℃で乳化処理して得ることができる。
【0014】
【発明の効果】本発明に使用する混合脂質膜小胞は、リ
ン脂質と非イオン性ポリオキシエチレン系界面活性剤と
の特定のモル比において生成される粒径のばらつきが小
さく長期間安定であり、小胞中に包埋する約物の種類、
量または目的に応じて粒径をコントロールすることがで
きる。
ン脂質と非イオン性ポリオキシエチレン系界面活性剤と
の特定のモル比において生成される粒径のばらつきが小
さく長期間安定であり、小胞中に包埋する約物の種類、
量または目的に応じて粒径をコントロールすることがで
きる。
【0015】さらに、混合脂質膜小胞の培養細胞に対す
る取り込みを調べると、ヒト正常表皮角化細胞に対して
は、ヒト正常血管内皮細胞、ヒトリンパ腫−ヒトリンパ
B球融合細胞(HF−323)のハイブリドーマに比し顕著
な取り込み効果が得られた。従って、この混合脂質膜小
胞を含有する化粧品は、優れた皮膚細胞親和性を有する
物質であることがわかり、皮膚賦活物質運搬体として有
用である。
る取り込みを調べると、ヒト正常表皮角化細胞に対して
は、ヒト正常血管内皮細胞、ヒトリンパ腫−ヒトリンパ
B球融合細胞(HF−323)のハイブリドーマに比し顕著
な取り込み効果が得られた。従って、この混合脂質膜小
胞を含有する化粧品は、優れた皮膚細胞親和性を有する
物質であることがわかり、皮膚賦活物質運搬体として有
用である。
【0016】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的に説明する。 混合脂質膜小胞の製造例1、比較例1 ジラウロイルホスファチジルコリン(DLPC)とトリ
トン(Triton)X-100 との混合脂質を表1に示した割合で
配合し、25℃のpH7.4 の0.01Mリン酸緩衝液50ml中で
出力50Wの超音波処理を30分間施して、混合脂質膜小胞
を得た。粒径は動的光散乱法により測定した。
トン(Triton)X-100 との混合脂質を表1に示した割合で
配合し、25℃のpH7.4 の0.01Mリン酸緩衝液50ml中で
出力50Wの超音波処理を30分間施して、混合脂質膜小胞
を得た。粒径は動的光散乱法により測定した。
【0017】結果を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】DLPCとトリトン(Triton)X-100 との組
成比に応じて種々の粒径の混合脂質膜小胞が得られ、30
日目でも同一粒径を保ち、非常に安定な混合脂質膜小胞
が形成されていた。これに対し、比較例の場合は、不透
明分散液またはミセル状態になり、混合脂質膜小胞が形
成されなかった。
成比に応じて種々の粒径の混合脂質膜小胞が得られ、30
日目でも同一粒径を保ち、非常に安定な混合脂質膜小胞
が形成されていた。これに対し、比較例の場合は、不透
明分散液またはミセル状態になり、混合脂質膜小胞が形
成されなかった。
【0020】混合脂質膜小胞の製造例2、比較例2 DLPCとツイーン(Tween)20 との混合脂質を表2に示
した配合にした以外は製造例1に準じて脂質膜小胞を形
成させた。
した配合にした以外は製造例1に準じて脂質膜小胞を形
成させた。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、30日目も同一粒
径を保ち非常に安定な混合脂質膜小胞が形成されてい
た。これに対し、比較例の場合は、不透明分散液または
ミセル状態になり、混合脂質膜小胞が形成されなかっ
た。
径を保ち非常に安定な混合脂質膜小胞が形成されてい
た。これに対し、比較例の場合は、不透明分散液または
ミセル状態になり、混合脂質膜小胞が形成されなかっ
た。
【0023】混合脂質膜小胞の製造例3、比較例3 ジリノレオイルホスファチジルコリン(DLoPC)と
トリトン(Triton)X-100 との混合脂質を表3に示した配
合にした以外は、製造例2に準じて混合脂質膜小胞を形
成させた。
トリトン(Triton)X-100 との混合脂質を表3に示した配
合にした以外は、製造例2に準じて混合脂質膜小胞を形
成させた。
【0024】
【表3】
【0025】表3から明らかなように、30日目も同一粒
径を保った非常に安定なハイブリッド脂質膜小胞が形成
されていた。これに対し、比較例の場合は、不透明分散
液またはミセル状態になり、混合脂質膜小胞が形成され
なかった。
径を保った非常に安定なハイブリッド脂質膜小胞が形成
されていた。これに対し、比較例の場合は、不透明分散
液またはミセル状態になり、混合脂質膜小胞が形成され
なかった。
【0026】試験例1 混合脂質膜小胞の培養ヒト正常表皮角化細胞に対する取
り込み量を測定した。製造例1で得られた、43モル%ジ
ラウロイルホスファチジルコリンと57モル%トリトン(T
riton)X-100 からなる混合脂質膜小胞を、0.2 μm のフ
ィルターで濾過滅菌後、培地中濃度が50μM になるよう
ヒト正常表皮角化細胞に加え、36.8℃で1日培養した。
ヒト正常表皮角化細胞中に入らなかった混合脂質膜小胞
を3,000回転/分、5分間の遠心分離によって取り除
き、ヒト正常表皮角化細胞の脂質組成をガスクロマトグ
ラフィーにより分析した。分析値は、ラウリン酸メチル
エステルとヒト正常表皮角化細胞に内在する、炭素数16
の脂肪酸メチルエステルの相対面積比で表した。細胞内
脂質の存在比について、その結果を表4に示した。
り込み量を測定した。製造例1で得られた、43モル%ジ
ラウロイルホスファチジルコリンと57モル%トリトン(T
riton)X-100 からなる混合脂質膜小胞を、0.2 μm のフ
ィルターで濾過滅菌後、培地中濃度が50μM になるよう
ヒト正常表皮角化細胞に加え、36.8℃で1日培養した。
ヒト正常表皮角化細胞中に入らなかった混合脂質膜小胞
を3,000回転/分、5分間の遠心分離によって取り除
き、ヒト正常表皮角化細胞の脂質組成をガスクロマトグ
ラフィーにより分析した。分析値は、ラウリン酸メチル
エステルとヒト正常表皮角化細胞に内在する、炭素数16
の脂肪酸メチルエステルの相対面積比で表した。細胞内
脂質の存在比について、その結果を表4に示した。
【0027】比較例4 混合脂質膜小胞の培養ヒト正常血管内皮細胞に対する取
り込み量を測定した。実施例4と同様にして、混合脂質
膜小胞を調製し、同一操作を培養ヒト正常血管内皮細胞
に施し、脂質組成をガスクロマトグラフィーにより分析
した。細胞内脂質の存在比について、その結果を表4に
示した。
り込み量を測定した。実施例4と同様にして、混合脂質
膜小胞を調製し、同一操作を培養ヒト正常血管内皮細胞
に施し、脂質組成をガスクロマトグラフィーにより分析
した。細胞内脂質の存在比について、その結果を表4に
示した。
【0028】比較例5 混合脂質膜小胞の培養ヒトリンパ腫−ヒトリンパB球融
合細胞(HF−323)のハイブリドーマに対する取り込み
量を測定した。実施例4と同様にして、混合脂質膜小胞
を調製し、同一操作を培養ヒトリンパ腫−ヒトリンパB
球融合細胞(HF−323)のハイブリドーマに施し、脂質
組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。細胞内
脂質の存在比について、その結果を表4に示した。
合細胞(HF−323)のハイブリドーマに対する取り込み
量を測定した。実施例4と同様にして、混合脂質膜小胞
を調製し、同一操作を培養ヒトリンパ腫−ヒトリンパB
球融合細胞(HF−323)のハイブリドーマに施し、脂質
組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。細胞内
脂質の存在比について、その結果を表4に示した。
【0029】比較例6 混合脂質膜小胞の培養ヒト正常表皮角化細胞に対する取
り込み量を測定した。実施例4と同様にして、ジラウロ
イルホスファチジルコリンだけからなる脂質膜小胞を調
製し、同一操作を培養ヒト正常表皮角化細胞に施し、脂
質組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。細胞
内脂質の存在比について、その結果を表4に示した。
り込み量を測定した。実施例4と同様にして、ジラウロ
イルホスファチジルコリンだけからなる脂質膜小胞を調
製し、同一操作を培養ヒト正常表皮角化細胞に施し、脂
質組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。細胞
内脂質の存在比について、その結果を表4に示した。
【0030】
【表4】 表4から明らかなように、本発明に使用する混合脂質膜
小胞は、比較例に比べて細胞内脂質の存在比が大きく、
従って、培養ヒト正常表皮角化細胞に対する取り込み量
が大きく、皮膚賦活剤として化粧品に有用であることが
判る。
小胞は、比較例に比べて細胞内脂質の存在比が大きく、
従って、培養ヒト正常表皮角化細胞に対する取り込み量
が大きく、皮膚賦活剤として化粧品に有用であることが
判る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来より、リン脂質あるいはリン脂質と
コレステロールを用いた閉鎖小胞としてリポソーム(W
/O/W型脂質膜小胞)がよく知られており、薬物運搬
システムに有用であるとして評価されている。リポソー
ムには多重層リポソーム、1枚膜リポソームなど数種類
のリポソームがあり、逆相蒸発法、攪拌法、超音波法な
どいくつかの製造方法が知られている。
コレステロールを用いた閉鎖小胞としてリポソーム(W
/O/W型脂質膜小胞)がよく知られており、薬物運搬
システムに有用であるとして評価されている。リポソー
ムには多重層リポソーム、1枚膜リポソームなど数種類
のリポソームがあり、逆相蒸発法、攪拌法、超音波法な
どいくつかの製造方法が知られている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、リン脂質と非
イオン性ポリオキシエチレン系界面活性剤とのモル比が
5/95〜95/5の混合脂質を水溶液中で超音波処理
することにより得られる粒径100〜3000オングス
トローム、粒系のばらつき10%以下のW/O/W型混
合脂質膜小胞を含有する化粧品である。
イオン性ポリオキシエチレン系界面活性剤とのモル比が
5/95〜95/5の混合脂質を水溶液中で超音波処理
することにより得られる粒径100〜3000オングス
トローム、粒系のばらつき10%以下のW/O/W型混
合脂質膜小胞を含有する化粧品である。
フロントページの続き (72)発明者 松本 陽子 熊本県熊本市水前寺1−9−11 (72)発明者 岩原 正宜 熊本県熊本市高平2−14−32 (72)発明者 山田 栄一 茨城県つくば市梅園2−15−5 (72)発明者 平野 二郎 茨城県牛久市岡見町1579−2 (72)発明者 福島 正二 東京都町田市鶴間1−9−9
Claims (1)
- 【請求項1】 リン脂質と非イオン性ポリオキシエチレ
ン系界面活性剤とのモル比が 5/95〜95/5 の混合脂質
を水溶液中で超音波処理することにより得られる粒径10
0〜3000オングストローム、粒径のばらつき10%以下の
O/W/O型混合脂質膜小胞を含有する化粧品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24717092A JPH06293615A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 混合脂質膜小胞を含有する化粧品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24717092A JPH06293615A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 混合脂質膜小胞を含有する化粧品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06293615A true JPH06293615A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=17159487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24717092A Pending JPH06293615A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 混合脂質膜小胞を含有する化粧品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06293615A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996039121A1 (en) * | 1995-06-06 | 1996-12-12 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Submicron liposome suspensions obtained from preliposome lyophilizates |
JP2015516453A (ja) * | 2012-05-14 | 2015-06-11 | シクエスサム テクノロジー ホールディングス リミテッド | ベシクル製剤の使用および方法 |
WO2018214915A1 (zh) * | 2017-05-23 | 2018-11-29 | 大江生医股份有限公司 | 乳化脂质体组合物及其制备方法 |
-
1992
- 1992-08-25 JP JP24717092A patent/JPH06293615A/ja active Pending
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US7238366B1 (en) | 1995-06-06 | 2007-07-03 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Submicron liposome suspensions obtained from preliposome lyophilizates |
EP1800665A3 (en) * | 1995-06-06 | 2008-06-04 | Board of Regents, The University of Texas System | Submicron liposome suspensions obtained from preliposome lyophilizates |
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