JPH06292968A - 相対向するレールのアーク溶接法 - Google Patents
相対向するレールのアーク溶接法Info
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- JPH06292968A JPH06292968A JP4911893A JP4911893A JPH06292968A JP H06292968 A JPH06292968 A JP H06292968A JP 4911893 A JP4911893 A JP 4911893A JP 4911893 A JP4911893 A JP 4911893A JP H06292968 A JPH06292968 A JP H06292968A
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- Japan
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- welding
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 レールなどの溶接構造物の具備すべき特性を
向上させるために溶接残留応力を最適な分布にする。 【構成】 C≦0.2%の低合金溶接金属および0.4
≦C≦1.0の溶接金属を用い、その組み合せにより溶
接部に発生する残留応力を圧縮あるいは引張に制御する
ことを特徴とする溶接方法。 【効果】 溶接構造物の溶接残留応力制御が可能とな
り、レール頭頂部の転がり疲労損傷性、レール底部の曲
げ疲労性の向上、機械構造用鋼の脆性き裂伝播の阻止が
可能となる。
向上させるために溶接残留応力を最適な分布にする。 【構成】 C≦0.2%の低合金溶接金属および0.4
≦C≦1.0の溶接金属を用い、その組み合せにより溶
接部に発生する残留応力を圧縮あるいは引張に制御する
ことを特徴とする溶接方法。 【効果】 溶接構造物の溶接残留応力制御が可能とな
り、レール頭頂部の転がり疲労損傷性、レール底部の曲
げ疲労性の向上、機械構造用鋼の脆性き裂伝播の阻止が
可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄道や産業用機械の運搬
に使用されるレールの突合わせ継手部のアーク溶接法に
関するものである。
に使用されるレールの突合わせ継手部のアーク溶接法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】相対向するレールの突合わせ継手部の溶
接法にはアーク溶接法、テルミット溶接法、ガス溶接法
などが従来から使用されているが、中でも優れた溶接部
が手軽に得られまた設備費も安い利点から、一般にアー
ク溶接法が多く使用されている。そのアーク溶接法につ
いては特公昭56−4350号公報や特公昭56−17
987号公報など、多くの特許公報で紹介されている。
例えば特公昭56−4350号公報には、レールの溶接
法として、「溶接すべきレールを互いに間隔をおいて対
向させた状態で、底部を通常の積層法で溶接し、その上
方の腹部と頭部はその接合部の側面を銅ブロックで囲み
ながらその空所を連続的に垂直立向き溶接する手法」が
紹介されている。また、特公昭56−17987号公報
にも「溶接アークを間欠的にオシレートさせることによ
り、溶接ビードに一定間隔の突起部を設ける溶接方法」
が開示され、その溶接の基本的手法は特公昭56−43
50号公報の溶接法と変わっていない。さらに、これら
の溶接法には、表1で示すような溶接金属成分組成が得
られるように、C:0.15%以下の低炭素で少量のN
i,Cr,Moなどの成分を含有したJIS−Z321
2低合金高張力鋼用被覆アーク溶接棒が使用されてい
る。
接法にはアーク溶接法、テルミット溶接法、ガス溶接法
などが従来から使用されているが、中でも優れた溶接部
が手軽に得られまた設備費も安い利点から、一般にアー
ク溶接法が多く使用されている。そのアーク溶接法につ
いては特公昭56−4350号公報や特公昭56−17
987号公報など、多くの特許公報で紹介されている。
例えば特公昭56−4350号公報には、レールの溶接
法として、「溶接すべきレールを互いに間隔をおいて対
向させた状態で、底部を通常の積層法で溶接し、その上
方の腹部と頭部はその接合部の側面を銅ブロックで囲み
ながらその空所を連続的に垂直立向き溶接する手法」が
紹介されている。また、特公昭56−17987号公報
にも「溶接アークを間欠的にオシレートさせることによ
り、溶接ビードに一定間隔の突起部を設ける溶接方法」
が開示され、その溶接の基本的手法は特公昭56−43
50号公報の溶接法と変わっていない。さらに、これら
の溶接法には、表1で示すような溶接金属成分組成が得
られるように、C:0.15%以下の低炭素で少量のN
i,Cr,Moなどの成分を含有したJIS−Z321
2低合金高張力鋼用被覆アーク溶接棒が使用されてい
る。
【0003】
【表1】
【0004】このような被覆アーク溶接棒を用いると、
引張強さ80kgf/mm2 以上の溶接継手部が得られるが、
その反対に、溶接時の熱収縮に加えベイナイト(アシキ
ュラーフェライトを含む)あるいはマルテンサイトへの
組織変態が400℃前後の低温度で生じることに起因し
て、レールのように繰返し応力のかかる溶接継手部にお
いては、図3で示すように、レール溶接頭頂部(c部)
で著しく高い引張残留応力を生ぜしめ、疲労損傷特性の
低下が懸念されていた。
引張強さ80kgf/mm2 以上の溶接継手部が得られるが、
その反対に、溶接時の熱収縮に加えベイナイト(アシキ
ュラーフェライトを含む)あるいはマルテンサイトへの
組織変態が400℃前後の低温度で生じることに起因し
て、レールのように繰返し応力のかかる溶接継手部にお
いては、図3で示すように、レール溶接頭頂部(c部)
で著しく高い引張残留応力を生ぜしめ、疲労損傷特性の
低下が懸念されていた。
【0005】また、レール溶接用として開発され特公平
4−54557号公報で開示されているC:0.4〜
1.0%を含有する高炭素鋼系被覆溶接棒は、強靭性に
優れたパーライト組織を生成し、しかもその溶接金属は
650℃前後で共析変態するため、図4で示すように、
レール溶接頭頂部(c′部)では圧縮残留応力を呈して
耐摩耗性や車輪との転がり接触下での耐疲労損傷性など
レールに要求される特性を向上するが、その下方の溶接
底部の初層溶接部(a′)はその後の積層溶接の結果、
レール継手全体の残留応力バランスから引張残留応力を
呈し、脚部aの底部a′の曲げ疲労強度を低下する問題
があった。特に、レール脚部aの底部a′は、列車通過
の際曲げ(表面では引張)応力の繰り返しを受けるた
め、著しく疲労寿命を速めるという問題があった。
4−54557号公報で開示されているC:0.4〜
1.0%を含有する高炭素鋼系被覆溶接棒は、強靭性に
優れたパーライト組織を生成し、しかもその溶接金属は
650℃前後で共析変態するため、図4で示すように、
レール溶接頭頂部(c′部)では圧縮残留応力を呈して
耐摩耗性や車輪との転がり接触下での耐疲労損傷性など
レールに要求される特性を向上するが、その下方の溶接
底部の初層溶接部(a′)はその後の積層溶接の結果、
レール継手全体の残留応力バランスから引張残留応力を
呈し、脚部aの底部a′の曲げ疲労強度を低下する問題
があった。特に、レール脚部aの底部a′は、列車通過
の際曲げ(表面では引張)応力の繰り返しを受けるた
め、著しく疲労寿命を速めるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記したよう
な問題点を解消するものであってレール継手部における
溶接残留応力を最適な分布にし、レールに要求される特
性を向上させるレールのマーク溶接法を提供することを
目的とする。
な問題点を解消するものであってレール継手部における
溶接残留応力を最適な分布にし、レールに要求される特
性を向上させるレールのマーク溶接法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者は、アーク溶接法について溶接棒の成分設計
ならびに溶接施工法から検討した結果、継手溶接部を高
炭素鋼系溶接棒で接合した後、接合下方部を低炭素低合
金鋼系溶接棒で重ね溶接(化粧溶接)すると、図1に示
すように、圧縮残留応力が最適位置に付与できることを
知見した。本発明はこの知見に基づいて構成したもので
あって、その要旨とするところは、相対向するレールの
突合わせ継手部の脚部をC:0.3%以下の低炭素低合
金鋼系溶接棒またはC:0.4〜1.0%の高炭素鋼系
溶接棒で溶接した後、腹部から頭部をC:0.4〜1.
0%の高炭素鋼系溶接棒で溶接し、しかる後脚部の溶接
継手上面をC:0.3%以下の低炭素低合金鋼系溶接棒
で重ね溶接する相対向するレールのアーク溶接法にあ
る。
に本発明者は、アーク溶接法について溶接棒の成分設計
ならびに溶接施工法から検討した結果、継手溶接部を高
炭素鋼系溶接棒で接合した後、接合下方部を低炭素低合
金鋼系溶接棒で重ね溶接(化粧溶接)すると、図1に示
すように、圧縮残留応力が最適位置に付与できることを
知見した。本発明はこの知見に基づいて構成したもので
あって、その要旨とするところは、相対向するレールの
突合わせ継手部の脚部をC:0.3%以下の低炭素低合
金鋼系溶接棒またはC:0.4〜1.0%の高炭素鋼系
溶接棒で溶接した後、腹部から頭部をC:0.4〜1.
0%の高炭素鋼系溶接棒で溶接し、しかる後脚部の溶接
継手上面をC:0.3%以下の低炭素低合金鋼系溶接棒
で重ね溶接する相対向するレールのアーク溶接法にあ
る。
【0008】以下本発明を、図1に示したレール溶接に
基づいて詳細に説明する。図1は、狭隘な開先を設けて
相対向するレールの突合わせ継手部を溶接した時の、溶
接継手断面を示す。先ず、相対向するレールの突合わせ
継手部の脚部(a)を、C:0.3%以下の低炭素低合
金鋼系溶接棒またはC:0.4〜1.0%の高炭素鋼系
溶接棒を溶加しながら、継手溶接する。図示の例では、
後者の溶接棒を使用し、下記の表2のHに示す溶接金属
成分としている。この溶接法において、C:0.3%以
下の低炭素低合金鋼系溶接棒またはC:0.4〜1.0
%の高炭素鋼系溶接棒は、レール脚部aの底面a′に圧
縮残留応力を付与し、疲労強度を向上するために使用す
る。
基づいて詳細に説明する。図1は、狭隘な開先を設けて
相対向するレールの突合わせ継手部を溶接した時の、溶
接継手断面を示す。先ず、相対向するレールの突合わせ
継手部の脚部(a)を、C:0.3%以下の低炭素低合
金鋼系溶接棒またはC:0.4〜1.0%の高炭素鋼系
溶接棒を溶加しながら、継手溶接する。図示の例では、
後者の溶接棒を使用し、下記の表2のHに示す溶接金属
成分としている。この溶接法において、C:0.3%以
下の低炭素低合金鋼系溶接棒またはC:0.4〜1.0
%の高炭素鋼系溶接棒は、レール脚部aの底面a′に圧
縮残留応力を付与し、疲労強度を向上するために使用す
る。
【0009】さらに、レール腹部bおよび頭部cは、そ
の溶接継手部を両側面から鋳型ブロックで囲みながら、
C:0.4〜1.0%の高炭素鋼系溶接棒で接合する
(図示の例では表2のG,Fの溶接金属成分となってい
る)。この時使用する溶接棒のC含有量が0.4%未満
の低炭素低合金鋼系溶接棒では、レール鋼のC含有量
(通常、0.6〜0.8%)との差が大きいため、レー
ルと溶接金属の境界の溶接熱影響部に熱間割れを発生
し、継手疲労損傷の原因となる問題がある。特にC含有
量が0.6%以上で得られるパーライト鋼(レール鋼と
同じ)は、C含有量が0.3%未満の低合金含有で得ら
れるベイナイト鋼の硬さと同じであっても、耐摩耗性が
およそ2倍以上あり、レール継手として有効である。し
かし、C含有量が1.0%を超えると、パーライトにセ
メンタイトが析出して、耐疲労損傷性を低下する。尚、
レールの脚部は、頭部ほど過酷な特性が要求されること
がなく、しかも後続の重ね溶接によって圧縮残留応力に
変化するため引張強さが80kgf/mm2 以上であればよ
く、0.3%未満の低炭素、0.4〜1.0%の高炭素
を含有するいずれの溶接棒を使用してもよい。
の溶接継手部を両側面から鋳型ブロックで囲みながら、
C:0.4〜1.0%の高炭素鋼系溶接棒で接合する
(図示の例では表2のG,Fの溶接金属成分となってい
る)。この時使用する溶接棒のC含有量が0.4%未満
の低炭素低合金鋼系溶接棒では、レール鋼のC含有量
(通常、0.6〜0.8%)との差が大きいため、レー
ルと溶接金属の境界の溶接熱影響部に熱間割れを発生
し、継手疲労損傷の原因となる問題がある。特にC含有
量が0.6%以上で得られるパーライト鋼(レール鋼と
同じ)は、C含有量が0.3%未満の低合金含有で得ら
れるベイナイト鋼の硬さと同じであっても、耐摩耗性が
およそ2倍以上あり、レール継手として有効である。し
かし、C含有量が1.0%を超えると、パーライトにセ
メンタイトが析出して、耐疲労損傷性を低下する。尚、
レールの脚部は、頭部ほど過酷な特性が要求されること
がなく、しかも後続の重ね溶接によって圧縮残留応力に
変化するため引張強さが80kgf/mm2 以上であればよ
く、0.3%未満の低炭素、0.4〜1.0%の高炭素
を含有するいずれの溶接棒を使用してもよい。
【0010】本発明において使用する高炭素鋼系溶接棒
の主たる目的はパーライト組織を得ることにあって、そ
の他の合金成分の添加量について特に限定するものでは
ないが、マルテンサイト組織やベイナイト組織の生成を
防止する理由からSi:<2.0%、Mn:<2.0
%、Cu:<3.0%、Ni:<3.0%、Cr:<
1.0%、Mo:<1.0%、V:<1.0%、Nb:
<1.0%、Ti:<0.5%を選択的に添加した高炭
素鋼の低合金系溶接棒を使用してもよい。このような高
炭素鋼系溶接棒で接合を終えたレールの頭頂部cの表面
c′は、図3のように低炭素低合金鋼系溶接棒を用いた
溶接接合部と異なり、圧縮残留応力を呈し、転がり疲労
強度を向上する。
の主たる目的はパーライト組織を得ることにあって、そ
の他の合金成分の添加量について特に限定するものでは
ないが、マルテンサイト組織やベイナイト組織の生成を
防止する理由からSi:<2.0%、Mn:<2.0
%、Cu:<3.0%、Ni:<3.0%、Cr:<
1.0%、Mo:<1.0%、V:<1.0%、Nb:
<1.0%、Ti:<0.5%を選択的に添加した高炭
素鋼の低合金系溶接棒を使用してもよい。このような高
炭素鋼系溶接棒で接合を終えたレールの頭頂部cの表面
c′は、図3のように低炭素低合金鋼系溶接棒を用いた
溶接接合部と異なり、圧縮残留応力を呈し、転がり疲労
強度を向上する。
【0011】しかる後、本発明では、変態温度を低下さ
せ引張残留応力を付与するC:0.3%以下の低炭素低
合金鋼系溶接棒を用いて、レール脚部aの溶接継手上面
を重ね溶接(k)する。この重ね溶接(k)法は、例え
ば高炭素鋼系溶接棒を使用して引張残留応力となったレ
ール脚部a(図4参照)の溶接継手上面を例えば図2の
(イ)に示すように低炭素低合金鋼系溶接棒で再び溶接
(k)して、該上面部分の変態温度を低下させ、かつ引
張残留応力を生成させることにより、レール脚部aの底
部a′を内部応力バランスによって圧縮残留応力に変化
させ、レール脚部全体の疲労強度を改善しようとするも
のである。この場合に使用される低炭素低合金鋼系溶接
棒は、アルテンサイト変態あるいはベイナイト変態を生
ずる成分組成のものでよく、C:<0.3%、Si:<
3.0%、Mn:<3.0%、Cu:<5.0%、N
i:<5.0%、Cr:<5.0%、Mo:<3.0
%、V:<2.0%、Nb:<1.0%、Ti:<0.
5%、B:<0.0030%を選択的に含有して構成さ
れるいずれの溶接棒を使用してもよい。また、この場合
の重ね溶接(k)の厚みについては、特に限定されるも
のではないが、通常の4mm径溶接棒(溶接電流値:10
0〜180A)、5mm径溶接棒(溶接電流値:180〜
280A)で溶接する場合に得られる溶接ビード厚みに
相当する程度の3〜10mmの範囲であればよい。
せ引張残留応力を付与するC:0.3%以下の低炭素低
合金鋼系溶接棒を用いて、レール脚部aの溶接継手上面
を重ね溶接(k)する。この重ね溶接(k)法は、例え
ば高炭素鋼系溶接棒を使用して引張残留応力となったレ
ール脚部a(図4参照)の溶接継手上面を例えば図2の
(イ)に示すように低炭素低合金鋼系溶接棒で再び溶接
(k)して、該上面部分の変態温度を低下させ、かつ引
張残留応力を生成させることにより、レール脚部aの底
部a′を内部応力バランスによって圧縮残留応力に変化
させ、レール脚部全体の疲労強度を改善しようとするも
のである。この場合に使用される低炭素低合金鋼系溶接
棒は、アルテンサイト変態あるいはベイナイト変態を生
ずる成分組成のものでよく、C:<0.3%、Si:<
3.0%、Mn:<3.0%、Cu:<5.0%、N
i:<5.0%、Cr:<5.0%、Mo:<3.0
%、V:<2.0%、Nb:<1.0%、Ti:<0.
5%、B:<0.0030%を選択的に含有して構成さ
れるいずれの溶接棒を使用してもよい。また、この場合
の重ね溶接(k)の厚みについては、特に限定されるも
のではないが、通常の4mm径溶接棒(溶接電流値:10
0〜180A)、5mm径溶接棒(溶接電流値:180〜
280A)で溶接する場合に得られる溶接ビード厚みに
相当する程度の3〜10mmの範囲であればよい。
【0012】以上のような本発明の溶接方法によると、
レール溶接継手部材の上下部は圧縮残留応力を呈し、耐
摩耗性、耐疲労損傷性などレールに要求される特性を、
著しく改善する特長がある。
レール溶接継手部材の上下部は圧縮残留応力を呈し、耐
摩耗性、耐疲労損傷性などレールに要求される特性を、
著しく改善する特長がある。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。図2
の(イ),(ロ),(ハ)は、6mmの間隙開先を設けて
相対向するレールを、前記した表1に示す低炭素系被覆
アーク溶接棒と表2に示す高炭素系被覆アーク溶接棒を
任意に選択しながら接合した時の、溶接継手部の残留応
力値(○内数字で+は引張、−は圧縮を表わす)を示
す。尚、図中の○付きアルファベットは、表1,2にお
ける被覆アーク溶接棒(溶接金属の成分で示す)の符号
(種類)を示す。
の(イ),(ロ),(ハ)は、6mmの間隙開先を設けて
相対向するレールを、前記した表1に示す低炭素系被覆
アーク溶接棒と表2に示す高炭素系被覆アーク溶接棒を
任意に選択しながら接合した時の、溶接継手部の残留応
力値(○内数字で+は引張、−は圧縮を表わす)を示
す。尚、図中の○付きアルファベットは、表1,2にお
ける被覆アーク溶接棒(溶接金属の成分で示す)の符号
(種類)を示す。
【0014】
【表2】
【0015】上記の実験結果から明らかなようにレール
の頭頂部と脚部の底部は、図4と異なり、いずれも圧縮
残留応力を呈した溶接継手部を得ることができる。この
ことは、耐摩耗性や耐疲労損傷性など特性の優れたレー
ルを製造されることを示唆するものである。
の頭頂部と脚部の底部は、図4と異なり、いずれも圧縮
残留応力を呈した溶接継手部を得ることができる。この
ことは、耐摩耗性や耐疲労損傷性など特性の優れたレー
ルを製造されることを示唆するものである。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レール継手部の溶接後の残留応力が最適になるように溶
接することにより、継手部材の上下部が圧縮応力を呈す
るようにし、耐摩耗性、耐疲労損傷性などを著しく改善
でき、すぐれた特性をもつ、レール継手部とすることが
できる。
レール継手部の溶接後の残留応力が最適になるように溶
接することにより、継手部材の上下部が圧縮応力を呈す
るようにし、耐摩耗性、耐疲労損傷性などを著しく改善
でき、すぐれた特性をもつ、レール継手部とすることが
できる。
【図1】本発明法によるレール溶接法の説明図。
【図2】(イ),(ロ),(ハ)はそれぞれ本発明によ
るレール溶接法の実施例を示す説明図。
るレール溶接法の実施例を示す説明図。
【図3】従来法によるレール溶接法を示す説明図。
【図4】従来法による他のレール溶接法を示す説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 誠 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 上山 且芳 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 辰巳 光正 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 西村 孝 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 相対向するレールの突合わせ継手部の脚
部をC:0.3%以下の低炭素低合金鋼系溶接棒または
C:0.4〜1.0%の高炭素鋼系溶接棒で溶接した
後、腹部から頭部をC:0.4〜1.0%の高炭素鋼系
溶接棒で溶接し、しかる後脚部の溶接継手上面をC:
0.3%以下の低炭素低合金鋼系溶接棒で重ね溶接する
ことを特徴とする相対向するレールのアーク溶接法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4911893A JP3281097B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 相対向するレールのアーク溶接法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4911893A JP3281097B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 相対向するレールのアーク溶接法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06292968A true JPH06292968A (ja) | 1994-10-21 |
JP3281097B2 JP3281097B2 (ja) | 2002-05-13 |
Family
ID=12822154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4911893A Expired - Fee Related JP3281097B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 相対向するレールのアーク溶接法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3281097B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010109837A1 (ja) | 2009-03-27 | 2010-09-30 | 新日本製鐵株式会社 | レール溶接部の冷却装置および冷却方法 |
WO2010116680A1 (ja) | 2009-03-30 | 2010-10-14 | 新日本製鐵株式会社 | レール溶接部の冷却方法、レール溶接部の冷却装置、及びレール溶接継手 |
-
1993
- 1993-03-10 JP JP4911893A patent/JP3281097B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010109837A1 (ja) | 2009-03-27 | 2010-09-30 | 新日本製鐵株式会社 | レール溶接部の冷却装置および冷却方法 |
US8353443B2 (en) | 2009-03-27 | 2013-01-15 | Nippon Steel Corporation | Device and method for cooling rail weld zone |
WO2010116680A1 (ja) | 2009-03-30 | 2010-10-14 | 新日本製鐵株式会社 | レール溶接部の冷却方法、レール溶接部の冷却装置、及びレール溶接継手 |
US8557064B2 (en) | 2009-03-30 | 2013-10-15 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Method of cooling rail weld zone, and rail weld joint |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3281097B2 (ja) | 2002-05-13 |
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