JPH0629215B2 - ソルビン酸の製造法 - Google Patents
ソルビン酸の製造法Info
- Publication number
- JPH0629215B2 JPH0629215B2 JP23531885A JP23531885A JPH0629215B2 JP H0629215 B2 JPH0629215 B2 JP H0629215B2 JP 23531885 A JP23531885 A JP 23531885A JP 23531885 A JP23531885 A JP 23531885A JP H0629215 B2 JPH0629215 B2 JP H0629215B2
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- Japan
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- sorbic acid
- petroleum
- separation column
- solution
- producing
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ソルビン酸を蒸溜精製するに当り粗ソルビン
酸を石油中に溶解し、減圧下で瞬間蒸発させる方法の改
良に関する。
酸を石油中に溶解し、減圧下で瞬間蒸発させる方法の改
良に関する。
〈従来技術及び問題点〉 クロトンアルデヒドとケテンの反応によって得られたポ
リエステルを分解してソルビン酸を合成するには塩酸分
解法、アルカリ分解法、熱分解法等があるが、この中、
塩酸分解法は異性体の生成を伴うことなく、分解成績上
も収率的に、かつ品質的に最も有利であることが知られ
ている。しかし、いずれの場合に於ても反応中に副生し
たタール分がポリエステル残渣と共に不純物として存在
するため、特別の精製工程を必要とする問題がある。
又、比較的優位な塩酸分解法に於いても、この課題が残
り、ポリエステルを分解した後、冷却過して得られる
粗ソルビン酸はタール分を含有している。
リエステルを分解してソルビン酸を合成するには塩酸分
解法、アルカリ分解法、熱分解法等があるが、この中、
塩酸分解法は異性体の生成を伴うことなく、分解成績上
も収率的に、かつ品質的に最も有利であることが知られ
ている。しかし、いずれの場合に於ても反応中に副生し
たタール分がポリエステル残渣と共に不純物として存在
するため、特別の精製工程を必要とする問題がある。
又、比較的優位な塩酸分解法に於いても、この課題が残
り、ポリエステルを分解した後、冷却過して得られる
粗ソルビン酸はタール分を含有している。
該ソルビン酸の精製法の一つとして蒸溜精製法がある
が、ソルビン酸は構造上、熱に不安定であり、溶融状態
では直ちに重合し始め、さらにそれが不純であるほどは
なはだしい。そのため、ソルビン酸単独で蒸溜精製する
ことは工業的には不可能に近い。しかるに、これを改善
し、かつ他法に優れた共蒸溜法に優れた共蒸溜法が提案
されているが(ドイツ特許第1,044,803号、特公昭44
−4091等)、得られるソルビン酸の品質の点から必
ずしも満足すべきものではない。
が、ソルビン酸は構造上、熱に不安定であり、溶融状態
では直ちに重合し始め、さらにそれが不純であるほどは
なはだしい。そのため、ソルビン酸単独で蒸溜精製する
ことは工業的には不可能に近い。しかるに、これを改善
し、かつ他法に優れた共蒸溜法に優れた共蒸溜法が提案
されているが(ドイツ特許第1,044,803号、特公昭44
−4091等)、得られるソルビン酸の品質の点から必
ずしも満足すべきものではない。
〈問題点を解決するための手段〉 而して、本発明者らは共蒸溜法に関し、従来法の欠点を
考慮した上で鋭意検討を重ねた結果、これと比べて簡単
な処理手段を採用することにより、品質の良好なソルビ
ン酸を得ることに成功した。即ち、本発明はクロトンア
ルデヒドとケテンとの反応で得られたポリエステルを塩
酸分解し、反応液から分離した粗ソルビン酸を精製せし
めるソルビン酸の製造法において粗ソルビン酸を石油に
溶解し、該溶解液を薄膜蒸発機を利用して、滴圧下(圧
力範囲20〜60mmHg蒸発させ、次いで蒸発したソルビ
ン酸と石油とのガス流を3段以上の多孔板分離塔へ導通
せしめると同時に、分離塔の頂部から溜出蒸気に対し、
0.2〜1.0重量部の石油を供給することを特徴とするソル
ビン酸の製造法である。
考慮した上で鋭意検討を重ねた結果、これと比べて簡単
な処理手段を採用することにより、品質の良好なソルビ
ン酸を得ることに成功した。即ち、本発明はクロトンア
ルデヒドとケテンとの反応で得られたポリエステルを塩
酸分解し、反応液から分離した粗ソルビン酸を精製せし
めるソルビン酸の製造法において粗ソルビン酸を石油に
溶解し、該溶解液を薄膜蒸発機を利用して、滴圧下(圧
力範囲20〜60mmHg蒸発させ、次いで蒸発したソルビ
ン酸と石油とのガス流を3段以上の多孔板分離塔へ導通
せしめると同時に、分離塔の頂部から溜出蒸気に対し、
0.2〜1.0重量部の石油を供給することを特徴とするソル
ビン酸の製造法である。
本発明の方法における特定の石油は各種潤滑油の中、常
圧における沸点が180〜300℃の溜分のものであれ
ば、いずれも使用できる。その使用量は粗ソルビン酸1
重量部に対し、1〜15、特に1〜10重量部の石油を
使用するのが好ましい。
圧における沸点が180〜300℃の溜分のものであれ
ば、いずれも使用できる。その使用量は粗ソルビン酸1
重量部に対し、1〜15、特に1〜10重量部の石油を
使用するのが好ましい。
溶解は温度範囲100〜140℃、好ましくは110〜
130℃で行なわれる。
130℃で行なわれる。
溶解温度が140℃以上であれば、ソルビン酸の樹脂化
によるロスが激しく、100℃以下であれば、未溶解ソ
ルビン酸の析出が起きるという問題がある。
によるロスが激しく、100℃以下であれば、未溶解ソ
ルビン酸の析出が起きるという問題がある。
本発明の方法における(連続瞬間)蒸発は薄膜蒸発機を
利用して、圧力範囲20〜60mmHg、かつ(加熱)温度
140〜200℃で行なわれる。また、本発明の方法に
おいて、分離塔を設け、塔頂より還流の代りに石油を供
給する方式を採用する。分離塔は汎用の多孔板塔で、3
段以上あれば、充分にその役割を果たす。石油の供給量
は溜出蒸気1重量部に対し0.2〜1.0重量部を用いること
が望ましい。
利用して、圧力範囲20〜60mmHg、かつ(加熱)温度
140〜200℃で行なわれる。また、本発明の方法に
おいて、分離塔を設け、塔頂より還流の代りに石油を供
給する方式を採用する。分離塔は汎用の多孔板塔で、3
段以上あれば、充分にその役割を果たす。石油の供給量
は溜出蒸気1重量部に対し0.2〜1.0重量部を用いること
が望ましい。
〈発明の効果〉 特に本工程に於ては、わずかの飛沫も製品品質を著しく
低下させるため、特別効率の良い気液分離を行なわなけ
ればならない。さらに長期運転を行なう際にはソルビン
酸の重合物が装置内にスケーリングするという事態が起
こる。
低下させるため、特別効率の良い気液分離を行なわなけ
ればならない。さらに長期運転を行なう際にはソルビン
酸の重合物が装置内にスケーリングするという事態が起
こる。
(このため、一般的に高能率をもつと思われる充填式の
セパレーター等の使用は困難となる)等の従来法の欠陥
を完全に解消できた。
セパレーター等の使用は困難となる)等の従来法の欠陥
を完全に解消できた。
かくして蒸発凝縮後、スラリー状態で捕集したソルビン
酸と石油の混合物は常法に従って遠心分離または過し
た後乾燥すれば、目的とする精ソルビン酸が得られる。
又、さらに水あるいは有機溶剤−水系での再結晶を行な
って、さらに高品質のソルビン酸を得ることもできる。
酸と石油の混合物は常法に従って遠心分離または過し
た後乾燥すれば、目的とする精ソルビン酸が得られる。
又、さらに水あるいは有機溶剤−水系での再結晶を行な
って、さらに高品質のソルビン酸を得ることもできる。
〈実施例〉 以下本発明の方法を実施例を挙げて具体的に説明する。
実施例1. 攪拌機を備えた容量200のGL製溶解槽に塩酸分解
法によって得られた粗ソルビン酸(水分20%、乾燥時
タール分4%、塩酸分4000ppm)20kg/Hおよび沸
点範囲200〜250℃を持つ潤滑油(市販品)64kg
/Hを連続的に供給し、120℃で溶解および脱水脱塩酸
を行なった。滞留時間は2Hrとした。
法によって得られた粗ソルビン酸(水分20%、乾燥時
タール分4%、塩酸分4000ppm)20kg/Hおよび沸
点範囲200〜250℃を持つ潤滑油(市販品)64kg
/Hを連続的に供給し、120℃で溶解および脱水脱塩酸
を行なった。滞留時間は2Hrとした。
次いで、該溶解液を79.8kg/Hで連続的に蒸発工程へ
供給した。溶解液の蒸発には遠心薄膜蒸発機(伝熱面積
1.0m2)を用い、蒸発機ジャケット側に12kg/cm2G
の蒸気で加熱し、50〜60mmHgで運転した。
供給した。溶解液の蒸発には遠心薄膜蒸発機(伝熱面積
1.0m2)を用い、蒸発機ジャケット側に12kg/cm2G
の蒸気で加熱し、50〜60mmHgで運転した。
蒸発した混合蒸気は分離塔(多孔板、4段)を通過さ
せ、塔頂より50kg/Hの前述の石油を供給した。
せ、塔頂より50kg/Hの前述の石油を供給した。
このとき機底(温度170℃)から濃縮残渣1.3kg/H
を回収した。
を回収した。
塔頂より得られた該混合蒸気を冷却凝縮させソルビン酸
と石油の混合スラリーを129kg/H回収した。該スラリ
ーを20〜30℃まで冷却した後、遠心分離機を用いて
分離し、乾燥させたところ、ソルビン酸14.2kg/Hを
得た。
と石油の混合スラリーを129kg/H回収した。該スラリ
ーを20〜30℃まで冷却した後、遠心分離機を用いて
分離し、乾燥させたところ、ソルビン酸14.2kg/Hを
得た。
得られたソルビン酸1gを10mのメタノールで溶解
した溶液の色価は波長350mμにおける光の透過率を
分光々度計を用いて測定したところ95.0%であり、
ソルビン酸1gを8.8mの1N−NaOH水溶液で
溶解した溶液の色価は400mμにおける光の透過率を
測定した結果、97.5%であった。
した溶液の色価は波長350mμにおける光の透過率を
分光々度計を用いて測定したところ95.0%であり、
ソルビン酸1gを8.8mの1N−NaOH水溶液で
溶解した溶液の色価は400mμにおける光の透過率を
測定した結果、97.5%であった。
また、約2ケ月の連続運転に対しても分離塔内スケーリ
ング閉塞によるトラブルは全くなく、運転期間中のソル
ビン酸品質に全く変化はなかった。
ング閉塞によるトラブルは全くなく、運転期間中のソル
ビン酸品質に全く変化はなかった。
比較例1. 分離塔を設けず、ガスの精製を行なわなかった以外、実
施例1と同様に処理した。
施例1と同様に処理した。
得られたソルビン酸をメタノールに溶解した溶液の色価
は75.0%であり、1N−NaOH水溶液で溶解した
溶液の色価は80.5%であった。
は75.0%であり、1N−NaOH水溶液で溶解した
溶液の色価は80.5%であった。
比較例2. 蒸発工程において、分離塔の代わりに充填式のミストセ
パレーターを用いた以外、実施例1と同様に処理した。
パレーターを用いた以外、実施例1と同様に処理した。
運転初期は実施例1と同様の品質のソルビン酸を得た
が、1週間後より異物の混入等で品質が低下を始め、約
2週間の後には塔内圧力損失がかかり始め、一部閉塞の
トラブルが生じた。
が、1週間後より異物の混入等で品質が低下を始め、約
2週間の後には塔内圧力損失がかかり始め、一部閉塞の
トラブルが生じた。
Claims (1)
- 【請求項1】クロトンアルデヒドとケテンとの反応で得
られたポリエステルを塩酸分解し、反応液から分離した
粗ソルビン酸を精製せしめるソルビン酸の製造法におい
て、粗ソルビン酸を石油に溶解し、該溶解液を薄膜蒸発
機を利用して、減圧下(圧力範囲20〜60mmHg)蒸発
させ、次いで蒸発したソルビン酸と石油とのガス流を3
段以上の多孔板分離塔へ導通せしめると同時に、分離塔
の頂部から溜出蒸気に対し、0.2〜1.0重量部の石油を供
給することを特徴とするソルビン酸の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23531885A JPH0629215B2 (ja) | 1985-10-23 | 1985-10-23 | ソルビン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23531885A JPH0629215B2 (ja) | 1985-10-23 | 1985-10-23 | ソルビン酸の製造法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13744284A Division JPS6117535A (ja) | 1984-07-03 | 1984-07-03 | ソルビン酸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61106534A JPS61106534A (ja) | 1986-05-24 |
JPH0629215B2 true JPH0629215B2 (ja) | 1994-04-20 |
Family
ID=16984328
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23531885A Expired - Lifetime JPH0629215B2 (ja) | 1985-10-23 | 1985-10-23 | ソルビン酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0629215B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11199541A (ja) * | 1997-11-14 | 1999-07-27 | Daicel Chem Ind Ltd | ソルビン酸の回収装置および回収方法 |
-
1985
- 1985-10-23 JP JP23531885A patent/JPH0629215B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61106534A (ja) | 1986-05-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |