JPH06291413A - 面発光型半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

面発光型半導体レーザおよびその製造方法

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JPH06291413A
JPH06291413A JP9684293A JP9684293A JPH06291413A JP H06291413 A JPH06291413 A JP H06291413A JP 9684293 A JP9684293 A JP 9684293A JP 9684293 A JP9684293 A JP 9684293A JP H06291413 A JPH06291413 A JP H06291413A
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mask
forming
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ohmic electrode
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克己 森
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貴幸 近藤
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/10Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region
    • H01S5/18Surface-emitting [SE] lasers, e.g. having both horizontal and vertical cavities
    • H01S5/183Surface-emitting [SE] lasers, e.g. having both horizontal and vertical cavities having only vertical cavities, e.g. vertical cavity surface-emitting lasers [VCSEL]
    • H01S5/18308Surface-emitting [SE] lasers, e.g. having both horizontal and vertical cavities having only vertical cavities, e.g. vertical cavity surface-emitting lasers [VCSEL] having a special structure for lateral current or light confinement

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 反射ミラーとオーミック電極との間の空間か
らの光の洩れを防止して高い利得を得ることができる面
発光型半導体レーザ、およびこれを高い歩留りで製造す
る。 【構成】 半導体基板102上に多層の半導体層を形成
する行程、そのうちの少なくともクラッド層107をエ
ッチングして柱状に形成する工程、その周囲に埋込み層
109を形成する工程、素子表面に第一のマスク層11
6を形成し、ついでその表面にフォトレジストからなる
第2のマスク部117を形成し、その後この第2のマス
ク部を介して前記第一のマスク層をオーバーエッチング
し、前記117より小さい平面状を有する第1のマスク
部116aを形成する工程、素子表面にオーミックコン
タクトが得られる金属層を形成し、さらに少なくとも1
17を除去することによって、開口部120を有するオ
ーミック電極118aを形成する工程、および、少なく
とも前記120に誘電体多層膜からなる反射ミラー12
1を形成する工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板に垂直な方向にレ
ーザ光を発信する面発光型半導体レーザおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基板の垂直方向に共振器を有する面発光
型レーザの一例として、特開平4−363081号公報
に開示されたものがある。この従来技術においては、共
振器表面を含む素子表面上に誘電体多層膜ミラーを形成
した後、レジストマスクの形成およびエッチング工程を
経て、前記誘電体多層膜ミラーの所定部分を残して、共
振器表面を露出させる。その後、前記誘電体多層膜ミラ
ーの部分を除く共振器表面にオーミック電極を形成し、
光出射口を形成していた。
【0003】しかし、上記の工程によって得られる面発
光型半導体レーザにおいては、以下のような問題があ
る。 (1)前記レジストマスクを形成する際には、共振器表
面の光射出口が形成されるべき部分とレジストマスクの
パターンとの位置合わせを行う必要がある。しかし、こ
の位置合わせは、膜厚の大きい誘電体多層膜ミラーを介
在させた状態で行われるため、高精度で行うことが困難
であり、歩留まりの低下につながる。 (2)前記誘電体多層膜ミラーと、前記オーミック電極
とは異なる材質で構成されているため、両者の密着性が
悪く、その界面には微少な空間が形成されてしまう。そ
のため、この空間から光が洩れて利得の低下を生ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の有する課題を解決するもので、その目的とす
るところは、反射ミラーとオーミック電極との間の空間
からの光の洩れを防止して高い利得を得ることができる
面発光型半導体レーザ、およびこれを高い歩留まりで製
造することができる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の面発光型半導体
レーザは、半導体基板に垂直な方向に光を出射する面発
光型半導体レーザにおいて、反射率の異なる一対の反射
ミラーとそれらの間の多層の半導体層とを有し、前記半
導体層のうちの少なくともクラッド層が一本または複数
本の柱状に形成されている光共振器と、柱状の前記半導
体層の周囲に形成された埋込み層と、光出射用の開口部
が形成されたオーミック電極と、を含み、前記一対の反
射ミラーの一方は、前記光出射用の開口部内に形成され
た光射出ミラー部と、この光出射ミラー部に連続し少な
くとも前記光出射ミラー部と前記オーミック電極との境
界領域を覆うカバーミラー部とを含むことを特徴とす
る。
【0006】また、本発明の面発光型半導体レーザの製
造方法は、半導体基板に垂直な方向に光を出射する面発
光型半導体レーザの製造方法において、半導体基板上に
光共振器を構成する多層の半導体層を形成する工程、前
記半導体層上に所定パターンのフォトレジストマスクを
形成し、半導体層のうちの少なくともクラッド層を、前
記フォトレジストマスクを用いてエッチングして、1本
または複数本の柱状の半導体層を形成する工程、前記柱
状の半導体層の周囲に、気相成長によって埋込み層を形
成する工程、前記光共振器の表面を含む素子表面に第1
のマスク層を形成し、ついでこの第1のマスク層の表面
に光出射口の形状に対応したパターンのフォトレジスト
からなる第2のマスク部を形成し、その後この第2のマ
スク部を介して前記第1のマスク層をアンダーカット状
態までオーバーエッチングし、前記第2のマスク部より
小さい平面形状を有する第1のマスク部を形成して、断
面形状がほぼT字状のマスクを形成する工程、前記第2
のマスク部を含む素子表面にオーミックコンタクトが得
られる金属層を形成し、さらに少くとも前記第2のマス
ク部を除去する、リフトオフ法によって光出射用の開口
部を有するオーミック電極を形成する工程、および、少
なくとも前記光出射用の開口部に誘電体多層膜からなる
反射ミラーを形成する工程、を含むことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の面発光型半導体レーザにおいては、光
出射側の反射ミラーが開口部内に形成された光出射ミラ
ー部とともに、この光出射ミラー部とオーミック電極と
の境界領域を覆うカバーミラー部を含むことにより、光
出射口とオーミック電極との境界での光の漏出を防止
し、反射損失を低減することができる。
【0008】また、本発明の製造方法によれば、オーミ
ック電極を形成する工程において、光出射口を形成する
ためのマスクとして、光出射口の形状に対応した第2の
マスク部と、この第2のマスク部の下位にあって該マス
ク部より小さい平面形状を有する第1のマスク部とから
なる、断面ほぼT字状の積層体を形成している。このよ
うなマスクは、第1のマスク層上にフォトレジストから
なる第2のマスク部を形成した後、第1のマスク層をオ
ーバーエッチングすることにより容易に形成することが
できる。そして、これらのマスク形成プロセスは同一工
程内で行われるため、第2のマスク部の位置合わせも容
易に行うことができる。
【0009】このようなマスクによれば、オーミック電
極を構成する金属層は、上位の第2のマスク部に対応す
る領域をマスキングされた状態で形成されるため、下位
の第1のマスク部の膜厚をオーミック電極層の膜厚以上
に設定しておけば、オーミック電極層と第1のマスク部
とは不連続な状態となる。したがって、オーミック電極
層を例えば1,000〜6,000オングストロームと
厚くしても、少くとも第2のマスク部を除去するリフト
オフ法を採用することにより、光出射口の形状を正確に
規定することができ、かつ光出射口の形成を歩留まりよ
く行うことができる。これは次の理由による。
【0010】オーミック電極を例えば1,000オング
ストローム以上の大きな膜厚で形成する場合には、リフ
トオフ法によって開口を形成する際にフォトレジストマ
スクの側壁に堆積した金属部分が残存して、いわゆるバ
リが形成されやすく、また、レジストマスクの除去が完
全に行われず開口部を形成することができない場合が生
じ、歩留まりが低下する原因の1つとなる。そして、前
記開口部にバリが形成された場合には、その後に行われ
る反射ミラーの製造工程において、誘電体多層膜を例え
ば蒸着によって形成する際にバリが押し潰された状態と
なり、開口部の形状を正確に規定することができない。
その結果、発光遠視野像や偏波方向などの出射特性の安
定性が損なわれたり、またバリの部分でレーザ光が散乱
されるため利得が低下したり、さらに反射ミラーの反射
率の低下等を引き起こす原因となる。
【0011】本発明においては、オーミック電極層は少
くとも第1のマスク部と不連続の状態で形成されるた
め、マスクを除去する際にバリを発生することがなく、
上述のようなバリに起因する幾つかの問題点を解決し、
さらに開口部の形成を歩留まり良く行うことができる。
このように、オーミック電極の開口部をリフトオフ法に
よって形成することにより、光共振器表面にドライエッ
チングなどによるダメージを与えることがない。
【0012】ただし、第1のマスク層の膜厚は、マスク
側壁における金属膜の過剰な堆積の防止、プロセスの効
率化などを考慮すれば、オーミック電極層の膜厚より大
きく、かつ該膜厚の2倍以内であることが好ましい。
【0013】また、前記第1のマスク層を構成する物質
は特に制限されず、層形成時に素子(特に共振器表面)
に悪影響を与えず、かつエッチングしやすいもののなか
から選択される。なお、エッチングは、共振器にダメー
ジを与えないウエットエッチングが好ましい。
【0014】前記第1のマスク層を構成する物質として
は、SiO2 ,窒化シリコン,アモルファスシリコンな
どの無機材料、フォトレジスト材料などを用いることが
できる。また、第1のマスク層は、前記無機材料を用い
る場合には、熱CVD(化学気相成長)法やEB(電子
ビーム)蒸着法などによって形成することができる。た
だし、熱CVD法を採用する際には、600℃以下の温
度条件下で行うことが好ましい。600℃を超える温度
条件下では、半導体層における不純物の拡散を引き起こ
したり、結晶欠陥を生じたりするため、素子に悪影響を
与える。
【0015】また、前記フォトレジスト材料としては、
特定の溶剤に対して前記第2のマスク部を構成するフォ
トレジスト材料より高い溶解性を有するもの、すなわ
ち、第2のマスク部がエッチングされない溶剤によって
エッチング可能なものが用いられる。このようなレジス
ト材料の組合わせとして、例えば、第2のマスク部を構
成するフォトレジスト材料としては、ゴム系フォトレジ
ストなどを用いることができ、第1のマスク部を構成す
るフォトレジスト材料としては、ポリイミド系フォトレ
ジストなどを用いることができる。また、エッチング用
の溶剤としては、有機または無機系のフォトレジスト現
像液やアセトン,キシレンなどの有機溶剤などを用いる
ことができる。
【0016】さらに、第1のマスク層としてフォトレジ
スト材料を用いる場合には、レジストを250℃程度で
焼きしめてハードベークレジスト化し、第1のマスク層
をドライエッチングによってエッチングする方法も採用
することができる。この場合、雰囲気などの条件を選定
することにより、共振器に対するダメージの小さいドラ
イエッチングを行うことができる。
【0017】また、本発明の製造方法においては、前記
埋込み層を、II族有機化合物およびVI族有機化合物から
なる付加体とVI族水素化物を用い、有機金属化学気相成
長法によって形成することが好ましい。
【0018】埋込み層としてのII-VI 族化合物半導体層
が、II族有機化合物およびVI族有機化合物からなる付加
体とVI族水素化物とを原料とすることにより、従来と比
較して非常に低い温度で埋込み層を形成することが可能
となる。したがって、埋込み層を形成する際の熱によっ
て共振器を形成する各層の結晶性が悪化することを防止
でき、結晶性に優れ、十分な均一性を有する埋込み層を
得ることができる。
【0019】すなわち、II族原料とVI族原料とを使用し
て一般の手法でMOCVD法を実施すると、埋込み層を
形成する際の温度が非常に高温(600℃以上)とな
る。このため、このときの熱によって、共振器を形成す
る各層に転移や欠陥が生じて結晶性が悪化すること、こ
れらの各層と埋込み層との界面で原子の相互拡散が生じ
てしまうこと、また、埋込み層自体の結晶性が悪く、十
分な均一性を得ることができないこと、などの幾つかの
問題があった。しかし、前記付加体およびVI族水素化物
を用いることにより、MOCVDにおける温度を500
℃以下、好ましくは300℃以下と低くすることがで
き、これらの問題を解消することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面を参照し
ながら詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の実施例における半導体レー
ザ(100)の発光部の断面を模式的に示す斜視図であ
り、また、図2(a)〜(f)および図3(g)〜
(l)はこの実施例における半導体レーザの製造工程を
模式的に示す断面図である。なお、図2および図3は、
図1に示す半導体レーザを同一平面上で時計方向に90
度回転した状態で示している。
【0022】本実施例の半導体レーザを製造プロセスと
ともに説明する。
【0023】まず、n型GaAs基板(102)上
に、n型GaAsバッファ層(103)を形成し、さら
に、n型Al0.7 Ga0.3 As層とn型Al0.1 Ga
0.9 As層からなり波長870nm付近の光にたいし9
8%以上の反射率を持つ30ペアの分布反射型多層膜ミ
ラー(反射ミラー)(104)を形成する。続いて、n
型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層(105)、p型G
aAs活性層(106)、p型Al0.4 Ga0.6 Asク
ラッド層(107)、p型Al0.1 Ga0.9 Asコンタ
クト層(108)を、順次、有機金属化学気相成長(M
OCVD)法でエピタキシャル成長させる(図2(a)
参照)。このとき、本実施例では、成長温度を700℃
とし、成長圧力を150Torrとし、III族原料と
してはTMGa(トリメチルガリウム)およびTMAl
(トリメチルアルミニウム)の有機金属を、V族原料と
してはAsH3 を、n型ドーパントとしてはH2 Se
を、p型ドーパントとしてはDEZn(ジエチル亜鉛)
をそれぞれ用いる。
【0024】その後、熱CVD法によって、表面にS
iO2 層(112)を形成し、さらに、反応性イオンビ
ームエッチング(RIBE)法により、ハードベイクレ
ジスト(113)で覆われた円柱状の発光部を残して、
p型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層(107)の途中
まで、エッチングを行う(図2(b)参照)。この際、
本実施例では、エッチングガスとしては塩素とアルゴン
の混合ガスを用い、ガス圧を1×10-3Torrとし、
引出し電圧を400Vとする。ここで、p型Al0.4
0.6 Asクラッド層(107)の途中までしかエッチ
ングしないのは、活性層の水平方向の注入キャリアと光
を閉じ込めるための構造を、リブ導波路型の屈折率導波
構造とするためである。
【0025】次に、このp型Al0.4 Ga0.6 Asク
ラッド層(107)上に、埋込み層(109)を形成す
る。このために、本実施例では、レジスト(113)を
取り除いた後、MOCVD法により、ZnS0.06Se
0.94層を埋込み成長させる。このときの成長条件は、成
長温度を275℃、成長圧力を70Torrとし、DM
Zn−DMSe付加体(ジメチル亜鉛とジメチルセレン
との付加体)をII族原料として使用し、また、H2
e(セレン化水素)およびH2 S(硫化水素)をVI族
原料として使用する。これにより、p型Al0.4 Ga
0.6 Asクラッド層(107)のエッチングされた部分
の上部には単結晶のZnS0.06Se0.94埋込み層(10
9)が成長し、また、SiO2 層(112)の上部には
多結晶のZnS0.06Se0.94層(114)が成長する
(図2(c)参照)。
【0026】その後、レジスト(115)を表面全体
に厚く塗布し、このレジスト(115)の表面を平坦化
する(図2(d)参照)。そして、RIBE法により、
SiO2 層(112)が露出するまでエッチングを行
う。このとき、レジスト(115)のエッチングレート
と多結晶のZnS0.06Se0.94層(114)のエッチン
グレートとはほぼ同じであり、また、SiO2 層(11
2)はエッチングストップ層となるので、エッチング後
の表面を平坦にすることができる。
【0027】さらに、SiO2 層(112)を、通常
のウエットエッチングにより除去した後(図2(e)参
照)、コンタクト層108を含む素子表面に、400℃
の温度で熱CVD法によってSiO2 を堆積させ、第1
のマスク層(116)を形成する(図2(f)参照)。
この第1のマスク層(116)の膜厚は、後の工程で形
成されるオーミック電極層の膜厚より大きくかつその2
倍以内に設定され、好ましくは3,000〜6,000
オングストロームとされる。そして、この第1のマスク
層(116)の表面に、形成すべき光出射口の位置およ
び形状に対応したフォトレジストマスク(117)を形
成する(図3(g)参照)。
【0028】その後、第1のマスク層(116)をエッ
チングして第1のマスク部(116a)を形成する。そ
の際に、オーバーエッチングの状態にしてアンダーカッ
トを形成し、第1のマスク部(116a)の平面形状が
フォトレジストマスク(第2のマスク部)(117)の
それより同心的に小さく形成される。このようにして形
成されたマスクは、形成すべき光出射口の形状に対応し
た平面形状を有する第2のマスク部(117)と、この
第2のマスク部(117)より径の小さい第1のマスク
部(116a)とからなり、その断面形状がほぼT字状
をなしている。エッチングの方法としては、緩衝フッ酸
そのを用いたウエットエッチングあるいはCF4 ガスを
用いたドライエッチングのどちらを用いてもよいが、共
振器表面のダメージを考慮するとウエットエッチングを
用いることが好ましい。
【0029】その後、オーミックコンタクトが得られ
る金属層を膜厚約3,000オングストロームで蒸着
し、p型オーミック電極層(118)を形成する(図3
(i)参照)。オーミックコンタクトが得られる金属層
としては単層あるいは多層のいずれでもよく、例えばp
型電極を構成する場合には、AuZnからなる膜厚3,
000オングストロームの単層、あるいはCrを約10
0オングストローム、AuZnを約2,000オングス
トロームさらにAuを約1,000オングストロームの
膜厚で積層したもの、Tiを約500オングストロー
ム、Auを約3,400オングストロームの膜厚で積層
したもの、およびTiを約500オングストローム、P
tを約500オングストロームさらにAuを約1,00
0オングストロームの膜厚で積層したものなどを用いる
ことができる。
【0030】また、基板(102)側にn型オーミック
電極(119)を蒸着によって形成する。n型オーミッ
ク電極(119)は、AuGe,Ni,Au等の金属を
用いて多層構造に形成され、例えば、AuGeを約75
0オングストローム、Niを約150オングストローム
さらにAuを約1,000オングストロームの膜厚で積
層したものなどを用いることができる。
【0031】ついで、いわゆるリフトオフ法により、
アセトン等の溶剤によってフォトレジストマスク(11
7)を溶解することによって該マスク(117)上の金
属層をも同時に除去して、オーミック電極(118a)
が形成される。(図3(j)参照)。さらに、第1のマ
スク部(116a)を緩衝フッ酸を用いたウエットエッ
チングにより除去し、光出射用の開口部(120)を形
成する(図3(k)参照)。
【0032】この際、前記第1のマスク部(116a)
はオーミック電極層118の膜厚より大きい膜厚とされ
ているため、第2のマスク部(117)上に堆積した金
属層と素子表面上の金属層とが連続しない。そのため、
フォトレジストマスク(117)を除去する際に金属層
のバリ等を生ずることなく完全なリフトオフを行うこと
ができ、正確な形状の光出射用の開口部を形成すること
ができる。
【0033】さらに、開口部(120)と少なくとも
その周囲を含む領域のオーミック電極(118a)表面
上に4ペアのSiO2 /a−Si誘電体多層膜ミラー
(121)を電子ビーム蒸着により約8,000〜9,
000オングストロームの膜厚で形成する(図3(l)
参照)。この誘電体多層膜ミラー(121)の、波長8
70nmでの反射率は、94%である。そして、最後
に、N2 雰囲気中で、420℃でアロイングを行う。
【0034】以上の工程により、図1に示したような面
発光型半導体レーザ(100)を得ることができる。
【0035】このようにして作成した本実施例の面発光
型半導体レーザ(100)は、多層膜ミラー(121)
が、図4(A),(B)に拡大して示すように、開口部
(120)内に充填された光出射ミラー部(121a)
と、この光出射ミラー部(121a)の外周に位置する
カバーミラー部(121b)とを有することにより、光
出射口とp型オーミック電極(118a)との境界での
光の漏出を防止することができ、反射損失を低減するこ
とができる。
【0036】また、本実施例においては、前述したよう
に、リフトオフ法によって開口部(120)を形成する
際に、バリのない正確な形状のものを形成することがで
きる。したがって、本実施例の半導体レーザは、発光遠
視野像や偏波方向などの出射特性の点で良好な安定性が
得られ、また、バリの部分でレーザ光が散乱されること
もないため、高い利得を得ることができる。
【0037】さらに、本実施例においては、埋込み層
(109)を特定の付加体と水素化合物とによって形成
しているため、成長温度をかなり低くすることができ、
転移や欠陥の少ない安定した結晶を得ることができる。
そして、この埋込み層(109)は、非常に高い抵抗を
有するため、埋込み層への注入電力の洩れが起こらず、
有効な電流狭搾が達成される。また、埋込み層(10
9)と光共振部との屈折率差が大きいため、有効な光の
閉込めを行うことができる。
【0038】以上、本発明の一実施例についてのべた
が、本発明はこれに限定されることなく、発明の要旨の
範囲内で種々の改変が可能である。
【0039】例えば、本発明は、図5に示す埋め込み型
の屈折率導波路構造の半導体レーザにも適用することが
できる。なお、図1に示す半導体レーザと実質的に同一
の部材には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略
する。本実施例の半導体レーザ(100)は、p型Al
0.1 Ga0.9 Asコンタクト層(108)からn型Al
0.4 Ga0.6 Asクラッド層(105)の一部までを柱
状に形成した点で、前記実施例と異なっている。このよ
うな活性層(106)を埋め込んだ埋め込み型の構造に
より、より効果的な光の閉込めが実現される。
【0040】また、図6に示す実施例は、光共振器が、
複数本の柱状の半導体層を有し、各柱状の半導体層にそ
れぞれ発光部が形成される。このような構造の半導体レ
ーザ(100)は、活性層(106)を介して各発光部
が影響しあい、各発光部での光の位相が同期する。
【0041】また、以上説明した本発明の実施例では、
II−VI族化合物半導体層をZnS0.06Se0.94で形
成したが、例えば、ZnSe,ZnS,ZnCdS,C
dSSeなどで形成しても良い。ただし、埋込み層とし
ては、基板と格子定数が一致するものが好ましい。II
−VI族化合物半導体をこれらの材料で形成した場合に
望ましい付加体と水素化物とを表1に示す。
【表1】 また本発明では、活性層をGaAsとしたが、AlGa
Asでも同様の効果が得られる。さらにその他のIII
−V族化合物半導体を柱状部に用いた場合でも、適当な
II−VI族化合物半導体を埋込み層に選ぶことによっ
て、同様の効果が得られる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、反射ミラーとオーミッ
ク電極との間の空間からの光の洩れを防止して高い利得
を得ることができる面発光型半導体レーザ、およびこれ
を高い歩留まりで製造することができる方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を模式的に示す斜視図であ
る。
【図2】(a)〜(f)は、図1に示す半導体レーザの
製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図3】(g)〜(l)は、図1に示す半導体レーザを
製造するための工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図4】図1および図3(l)に示す半導体レーザの要
部を拡大して示し、同図(A)はその部分平面図、同図
(B)はその部分断面図である。
【図5】本発明の他の実施例を模式的に示す斜視図であ
る。
【図6】本発明のさらに他の実施例を模式的に示す斜視
図である。
【符号の説明】
102 n型GaAs基板 103 n型GaAsバッファ層 104 分布反射型多層膜ミラー 105 n型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層 106 p型GaAs活性層 107 p型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層 108 p型Al0.1 Ga0.9 Asコンタクト層 109 ZnS0.06Se0.94埋込み層 121 誘電体多層膜ミラー 121a 光出射ミラー部 121b カバーミラー部 116 第1のマスク層 116a 第1のマスク部 117 フォトレジストマスク(第2のマスク部) 118a p型オーミック電極 120 開口部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に垂直な方向に光を出射する
    面発光型半導体レーザにおいて、 反射率の異なる一対の反射ミラーとそれらの間の多層の
    半導体層とを有し、前記半導体層のうちの少なくともク
    ラッド層が一本または複数本の柱状に形成されている光
    共振器と、 柱状の前記半導体層の周囲に形成された埋込み層と、 光出射用の開口部が形成されたオーミック電極と、を含
    み、 前記一対の反射ミラーの一方は、前記光出射用の開口部
    内に形成された光射出ミラー部と、この光出射ミラー部
    に連続し少なくとも前記光出射ミラー部と前記オーミッ
    ク電極との境界領域を覆うカバーミラー部とを含むこと
    を特徴とする面発光型半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記オーミック電極は、その膜厚が1,000〜6,0
    00オングストロームであることを特徴とする面発光型
    半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 前記埋込み層は、II-VI 族化合物半導体から構成されて
    いることを特徴とする面発光型半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 半導体基板に垂直な方向に光を出射する
    面発光型半導体レーザの製造方法において、 半導体基板上に光共振器を構成する多層の半導体層を形
    成する工程、 前記半導体層上に所定パターンのフォトレジストマスク
    を形成し、半導体層のうちの少なくともクラッド層を、
    前記フォトレジストマスクを用いてエッチングして、1
    本または複数本の柱状の半導体層を形成する工程、 前記柱状の半導体層の周囲に、気相成長によって埋込み
    層を形成する工程、 前記光共振器の表面を含む素子表面に第1のマスク層を
    形成し、ついでこの第1のマスク層の表面に光出射口の
    形状に対応したパターンのフォトレジストからなる第2
    のマスク部を形成し、その後この第2のマスク部を介し
    て前記第1のマスク層をアンダーカット状態までオーバ
    ーエッチングし、前記第2のマスク部より小さい平面形
    状を有する第1のマスク部を形成して、断面形状がほぼ
    T字状のマスクを形成する工程、 前記第2のマスク部を含む素子表面にオーミックコンタ
    クトが得られる金属層を形成し、さらに少くとも前記第
    2のマスク部を除去する、リフトオフ法によって光出射
    用の開口部を有するオーミック電極を形成する工程、お
    よび、 少なくとも前記光出射用の開口部に誘電体多層膜からな
    る反射ミラーを形成する工程、を含むことを特徴とする
    面発光型半導体レーザの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記反射ミラーを形
    成する工程で、前記光出射用の開口部および該開口部周
    囲の前記オーミック電極上に誘電体多層膜を形成するこ
    とを特徴とする面発光型半導体レーザの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5において、 前記第1のマスク層は、その膜厚が前記オーミック電極
    の膜厚より大きいことを特徴とする半導体レーザの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記第1のマスク層の膜厚が前記オーミック電極の2倍
    以内であることを特徴とする半導体レーザの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし請求項7のいずれかにお
    いて、 前記第1のマスク層は、SiO2 ,窒化シリコンおよび
    アモルファスシリコンから選択される物質を用い、60
    0℃以下の雰囲気で行われる化学気相成長法あるいは電
    子ビーム蒸着法によって形成されることを特徴とする面
    発光型半導体レーザの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項4ないし請求項7のいずれかにお
    いて、 前記第1のマスク層は、特定の溶剤に対して前記第2の
    マスク部を構成するフォトレジストより溶解しやすいフ
    ォトレジストによって形成されることを特徴とする半導
    体レーザの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項4ないし請求項9のいずれかに
    おいて、 前記埋込み層は、前記柱状の半導体層の周囲に、II族有
    機化合物およびVI族有機化合物からなる付加体とVI族水
    素化合物とを原料として、有機金属化学気相成長法によ
    り形成されることを特徴とする半導体レーザの製造方
    法。
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