JPH06289862A - 自動演奏装置 - Google Patents

自動演奏装置

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Publication number
JPH06289862A
JPH06289862A JP5072366A JP7236693A JPH06289862A JP H06289862 A JPH06289862 A JP H06289862A JP 5072366 A JP5072366 A JP 5072366A JP 7236693 A JP7236693 A JP 7236693A JP H06289862 A JPH06289862 A JP H06289862A
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JP
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accompaniment
chord type
data
chord
memory
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Application number
JP5072366A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Saito
勉 斉藤
Masahiko Yamada
雅彦 山田
Haruo Minoura
晴夫 箕浦
Hironobu Nakagawa
博信 中川
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CPUの負担を軽減して演奏の遅延を防止す
るとともに、パターンメモリの無駄を抑えることができ
る自動演奏装置を提供すること。 【構成】 ステップ315では、(T2PNT+4)で
読出されたPA,PBデータと(PARTメモリに記憶
された値である)パート指定データPARTとを比較す
ることにより、読出されたベースデータが、指定パート
(メジャー系/マイナー系)のデータであるか否かを調
べる。例えば、指定パートがメジャー系(パートA)で
ある場合には、パート指定データPARTは0とされ、
一方、PAデータは0,PBデータは1とされているの
で、この値を比較して値が0の方のPAデータに該当す
る伴奏する伴奏データが読み出されることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、和音種類群に応じて
記憶された伴奏パターンに基づいて自動演奏を行なう自
動演奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子オルガンや電子キーボー
ド等の自動演奏装置においては、和音種類(コードタイ
プ)別に伴奏パターンを記憶し、この伴奏パターンに基
づいて伴奏を行なう自動伴奏機能を備えているものが知
られている。
【0003】この機能を備えた装置では、例えば、予め
コードタイプ毎に各々異なる伴奏パターンを記憶してお
き、伴奏用鍵盤での押鍵状態に基づいてコードタイプを
検出し、この検出したコードタイプに対応した伴奏パタ
ーンに従って伴奏音を発生させている。
【0004】また、近年では、メモリの節約や処理の簡
易化等の目的で、前記の様なコードタイプ別ではなく、
(メジャー系やマイナー系等の)互いに関係のあるコー
ドをグループ(群)に分け、このコードタイプ群別に各
々異なる伴奏パターンを記憶する技術が提案されている
(特開昭63−193200号公報参照)。
【0005】つまり、コードタイプ群毎に各々異なる伴
奏パターンを記憶しておき、伴奏用鍵盤での押鍵状態に
基づいてコードタイプを検出するとともに、そのコード
タイプがどのコードタイプ群に属するかを判定し、判定
されたコードタイプ群に対応した伴奏パターンに従って
伴奏音を発生させる技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した技
術では、次の様な問題があり、必ずしも好適ではなかっ
た。即ち、一般的に、伴奏パターンを記憶する方法とし
ては、各伴奏パターンを各々異なるエリア(例えばシー
ケンストラック)に記憶する方法が採用されるが、前記
の様にコードタイプ群別に伴奏パターンを記憶すると
き、その読み出しポインタは、演奏者の押鍵次第で異な
るコードタイプ群に対応した伴奏パターンにジャンプさ
せるか、又はコードタイプ群別のポインタを同時進行さ
せておかねばならず、CPUの処理が複雑になって、意
味もない演奏上の遅延が生ずるという問題があった。
【0007】また、従来は、コードタイプ群別に伴奏パ
ターンを異なるシーケンストラックに記憶するため、例
えば一部共通のパターンを使用している場合であって
も、各々独立に記憶せねばならず、しかもシーケンスト
ラック毎に小節マークを必要とするので、パターンメモ
リが増大するという問題があった。
【0008】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れ、CPUの負担を軽減して演奏の遅延を防止するとと
もに、パターンメモリの無駄を抑えることができる自動
演奏装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の請求項1の発明は、図1に例示する様に、押鍵状態に
基づいて和音種類を検出する和音種類検出手段M1と、
複数の和音種類群に各々対応した伴奏情報に、該和音種
類群を識別する識別情報を付加して、1つのシーケンス
トラックに記憶する伴奏情報記憶手段M2と、前記和音
種類検出手段M1によって検出された和音種類が、前記
複数の和音種類群の何れに属するかを判定する群判別手
段M3と、該群判別手段M3によって判別された和音種
類群に対応する伴奏情報を、前記伴奏情報記憶手段M2
から識別情報を用いて選択的に読み出す伴奏情報読出手
段M4と、を備えたことを特徴とする自動演奏装置を要
旨とする。
【0010】また、請求項2の発明は、前記和音種類群
に対応した伴奏情報のうち、少なくとも2つの和音種類
群の伴奏情報を同一とする場合には、該同一の伴奏情報
を指示する前記識別情報を設けることを特徴とする前記
請求項1記載の自動演奏装置を要旨とする。
【0011】ここで、前記自動演奏装置としては、例え
ば電子オルガン,電子ピアノ,電子キーボード等が挙げ
られる。また、本発明は、MIDIを用いてキーボード
から入力した信号を、パーソナルコンピュータ等の汎用
コンピュータ上で処理して自動演奏を行なうものにも適
用できる。
【0012】
【作用】請求項1の発明では、和音種類検出手段M1に
よって、押鍵状態に基づいて和音種類を検出し、群判別
手段M3によって、この和音種類が複数の和音種類群の
何れに属するかを判定し、伴奏情報読出手段M4によっ
て、この判別された和音種類群に対応する伴奏情報を、
伴奏情報記憶手段M2から識別情報を用いて選択的に読
み出す。
【0013】つまり、本発明では、伴奏情報記憶手段M
2として、複数の和音種類群に各々対応した伴奏情報に
和音種類群を識別する識別情報を付加して、1つのシー
ケンストラックに記憶する手段が採用されているので、
判別された和音種類群に対応する識別情報を検出し、こ
の識別情報が指示する伴奏情報を演奏すべき情報として
採用する。
【0014】これによって、伴奏情報を記憶するための
メモリを低減することが可能となる。また、伴奏情報検
出のためのポインタが1つで済み、しかも、押鍵状態が
変化しても従来の様に他のトラックにジャンプする必要
がなくなるので、CPUの演算処理が軽減されて、意味
のない演奏の遅延が防止されることになる。
【0015】また、請求項2の発明では、和音種類群に
対応した伴奏情報のうち、少なくとも2つの和音種類群
の伴奏情報を同一とする場合には、同一の伴奏情報を指
示する識別情報を設けている。つまり、異なる和音種類
群が同一の伴奏情報を使用する場合には、識別情報が同
一の伴奏情報を指示する様に設けられているため、共通
の伴奏情報を記憶するだけでよいことになり、よって、
伴奏情報を記憶するためのメモリを低減することが可能
となる。
【0016】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の自動演奏装置の好適な実
施例について説明する。図2は、実施例としての自動演
奏装置の電気的構成を示し、図3はその操作パネルを示
している。
【0017】本実施例の自動演奏装置は、複数の鍵盤
(キーボード)を備えた電子オルガンであり、図2に示
す様に、この電子オルガンでは、CPU1,ROMA
3,ROMB5,RAM7,楽音発生器9,サウンドシ
ステム11,操作パネル13,キーボード15,MID
I入力部17,タイマー19が、バスライン21等を介
して接続されている。
【0018】以下、各構成について詳細に説明する。C
PU1は、テンポの周期の演算処理や設定されたテンポ
での伴奏等の各種の演算処理を行なう。このCPU1
は、外付け水晶23により発振し、それを分周して得ら
れたクロック信号はタイマー19に送られる。
【0019】ROMA3は、CPU1で行なう演算のた
めに、各種の制御プログラムを格納している。ROMB
5は、ワルツ,スイング等の8つのリズムスタイル毎
に、パート1(リズム),パート2(ベース),パート
3(ACC:アカンパニメント)の自動伴奏データを格
納しており、各自動伴奏データは、イントロ,フィルイ
ン,メイン,エンディングの4つのパターンからなる。
【0020】RAM7は、CPU1が各種処理を行なう
時のワーキングに使用する。尚、後述する図9に示す各
種レジスタもRAM7の一部を利用する。楽音発生器9
は、32チャンネル(CH)時分割にて楽音を発生し、
そのうち16CHをマニュアル演奏楽音、残り16CH
を自動伴奏楽音に使用する。
【0021】サウンドシステム11は、楽音発生器9か
ら送られるデジタル波形信号をD/Aして増幅し、図示
しないスピーカーから発音する。操作パネル13には、
図3に示す様に、マニュアルにてテンポを設定(内部設
定)するテンポ操作子24,設定されたテンポを表示す
るテンポ表示器25,各種のスイッチ(以下スイッチを
SWと記す)及び各SWに対応して配置されたLED3
7が設けられている。そして、この操作パネル13から
マニュアルによって指示された内容がCPU1等に送ら
れる。
【0022】前記SWとしては、伴奏の開始及び停止を
指示するスタート/ストップ(START/STOP)
SW26,伴奏の途中で所定の伴奏を挿入するフィルイ
ン(FILL IN)SW27,伴奏の開始時及び終了
時に所定の伴奏を行なうイントロ/エンディング(IN
T/END)SW28,伴奏された小節数を積算して表
示する累算小節表示器29,テンポの内部設定及び外部
設定を切り換えるクロック切換SW31,3種のループ
小節を各々記憶するトラックを指定するトラック1,
2,3(TR1〜TR3)のゲートSW32,8種類の
リズムスタイルを選択するリズムスタイルSW33,キ
ーオフ後も伴奏データを記憶するためのメモリ(MEM
ORY)SW34,ワンフィンガーによって和音を指定
するためのワンフィンガー(ONE FINGER)S
W35等のSWが設けられている。
【0023】図2に戻り、キーボード15は、上(UP
PER)鍵盤15a及び下(LOWER)鍵盤15bか
らなり、このキーボード15には各鍵の動きを検知する
図示しないSWアレイよりなるSWが設けられている。
そして、キーボード15からマニュアルによって指示さ
れた内容(伴奏及び操作を示す信号)がCPU1等に送
られる。
【0024】MIDI入力部17は、外部装置からのM
IDI入力信号を受け、パラレル変換して、後に図16
にて示すMIDI入力割込み(INT1)をCPU1に
かける。タイマー19は、2つのプリセッタブルダウン
カウンタ(TIMER1,2)で構成され、その1つ
(TIMER2)は、操作パネル13のテンポ操作子2
4の操作に対応した値をプリセットすることによりダウ
ンカウントして、ゼロになると、後に図17にて示すT
IMER2テンポ割込み(INT2)をCPU1にかけ
る。
【0025】もう1つ(TIMER1)は、MIDI入
力のタイミングクロック(以下クロックをCKと記す)
が入力された時にクリアされ、次のタイミングCKが入
力されるまでの時間(周期)を測定するのに使用され
る。次に、電子オルガンのROMB5に記憶された各自
動伴奏データのヘッダーについて、図4に基づいて説明
する。
【0026】リズムスタイルは、ワルツ(WALT
Z),スイング(SWING),バラード(BALLA
D),タンゴ(TANGO),ラテン(LATIN),
サンバ(SAMBA),8ビート(8BEAT),16
ビート(16BEAT)の8種類である。それらは各々
リズムトラック(以下トラックをTRと記す)(TR
1),ベースTR(TR2)、ACCTR(TR3)か
らなり、各TR(TR1,TR2,TR3)の中は、イ
ントロパターン,メインパターン,フィルインパター
ン,エンディングパターンから構成される。
【0027】このうちイントロパターンは、自動伴奏停
止中にINT/END SW28が操作され、対応した
LED37が点灯している時に、START/STOP
SW26を操作して、ランニング(自動伴奏再生)状
態に入った時に、最初のi小節(i=1,2,4のいず
れか)を1回限り再生するパターンであり、このパター
ン長はリズム,ベース,ACC共通である。
【0028】メインパターンは、自動伴奏再生中のノー
マルパターンであり、繰り返し再生される。この部分
は、伴奏の質の向上のために、伴奏のリズムスタイル毎
にそのパターン長(ループ小節数)が異なる様に設定さ
れて、しかもリズム,ベース,ACCによってもそのル
ープ小節数が異なる様に設定されている。また、例えば
図5に示す様に、あるリズムスタイル(例えばワルツ)
では、リズムTR(TR1)は4小節でループし、ベー
スTR(TR2)は2小節でループし、ACCTR(T
R3)は8小節でループするといった具合に、ループ小
節数が2の累乗となる様に設定されている。
【0029】フィルインパターンは、メインパターン進
行中に操作パネル13のFILLIN SW27が押さ
れた時、f小節(f=1,2,4のいずれか)を1回限
り再生するパターンであり、このパターン長(ループ小
節数)はリズム,ベース,ACC共通である。尚、フィ
ルインパターン終了後、メインパターンはフィルイン割
込みなしの場合に再生しているべき小節位置へジャンプ
する。
【0030】エンディングパターンは、自動伴奏再生中
にINT/END SW28が操作され、対応したLE
D37の点灯している時に、START/STOP S
W26を操作して、停止状態に入った時、最後のe小節
(e=1,2,4のいずれか)を1回限り再生するパタ
ーンであり、このループ小節数はリズム,ベース,AC
C共通である。
【0031】また、前記各パターンのデータは、図4に
示す様に、対応パターンデータの先頭番地である「スタ
ートアドレス」,そのパターンの全イベント数(小節マ
ークも含む)を表わす「イベントバリュー」、そのパタ
ーンの小節数を表わす「パターンレングス」、パターン
の初期音色/音量を表わす「トーンナンバ(TONEN
o.)/ボリューム(VOLUME)」からなる。尚、
トーンナンバ/ボリュームは、後述するパートA,B共
通である。
【0032】次に、前記各パターンにおける1小節内の
データの並びを、図6に表わす。まず、小節マークがあ
り、それに続いて1小節分の音符(ノート)A〜Nが並
ぶ音符データ形式であるが、これは、リズムパターン,
ベースパターン,ACCパターンも同じ形式である。従
って、リズムパターンもベース再生時に読出せば、音色
設定次第でそれなりのオートベースになるし、その逆も
言える。これによって、リズム,ベース,ACCという
異なる自動伴奏パターンデータを全く共通に管理でき
る。
【0033】次に、各伴奏データ及び小節マークの構造
を図7に示すが、ここでは全て4バイト構成となってい
る。尚、本実施例では、伴奏データは1つのシーケンス
トラックに記憶されており、このシーケンストラックの
データにアクセスするためのポインタは1つである。
【0034】(a) ノートデータは、発音開始時間を示す
ステップタイムSTEP TIME(前小節からのBE
AT数),音高を示すノートNOTE,音長を示すゲー
トタイムGATE TIME(キーオン時間に相当する
BEAT数),音の強さ(タッチ)を示すベロシティV
ELOCITY、パートゲイト(PA:パートA,P
B:パートB)からなる。
【0035】このパートとは、和音種類群(例えばメジ
ャー系PA/マイナー系PBのコードタイプ群)を意味
する。このパートは、現在例えば(伴奏用鍵盤であるL
OWER鍵盤)LOWERキーの押鍵から検出されたコ
ードタイプが、どちらのパートA,Bに属するかを判断
し、対応するパート側音符情報のみを再生発音するため
のものである。これにより、従来よりも効率よくコード
タイプ群毎に独立したパターン長をもつ伴奏パターンを
記憶できる。
【0036】(b) LED表示データは、テンポに同期し
たリズムスタイル固有の点滅パターンを記憶再生するも
ので、リズムTRのみに含むことができる。ここでのゲ
ートタイムは点灯時間を表し、L0〜L7は8つのLE
Dを表わす。 (c) 音色データは、パターン開始直後の初期音色に関し
てはへッダーに記憶されており、パターン再生途中で音
色変更する時のみこの音色データフォートマットを使用
する。尚、音色はパートA,B共通である。
【0037】(d) 音量データも、音色同様パターン再生
途中で音量変更する時のみこの音量データフォーマット
を使用する。 (e) オートベンド(BEND)データは、図8(a)及
び下記表1に示す様に、発音中の音符を一旦所定ピッチ
までずらした後、設定時間をかけて徐々に基本ピッチに
戻すものであり、パートA,B独立に設定できる。ここ
で、セント(cent)とは、基準ピッチからのずれ具合い
を意味する。
【0038】このオートベンドデータは、図8(b)に
示す様に、±(UP/DOWN),Depth(ベンドの深
さ),Release Time (戻るのにかかる時間)を自由
に設定することで任意のオートベンドを作成できる。
尚、アタック(ベンド開始からベンドMaxまで)の時間
は、固定で0.1秒とするが、変更可能とすることもで
きる。
【0039】
【表1】
【0040】このオートベンドデータを採用すること
で、ピッチ ベンド(PITCH BEND)データと
して、アナログ的に多量のイベントを記憶しなくて済
む。また、図7のオートベンドデータの2バイト目のb
it0のV=1の場合は、その音符のタッチデータVEL
OCITYとベンドの深さDEPTHを次のように乗算
し、タッチによってオートベンドの深さを変えることが
できる。
【0041】 DEPTH=DEPTH×VELOCITY /64 但し、VELOCITY=1〜127 同様にしてノートを用いてキースケールで(即ちキーボ
ードのキーの種類で)、深さ及び回復時間を変更するこ
とも容易である。
【0042】(f) 小節マークに関しては、そのSTEP
TIME=111111**Bの場合が、小節マーク
であることを示している。つまり、スタート小節マーク
111101B,途中小節マーク11111110B,
エンド小節マーク11111111Bとして使い分ける
ことで、小節マークを見ただけでCPU1はスタート/
途中/エンドのいずれかを判断できるため、次のパター
ンの読みだし制御(イントロからメインへ,メインのル
ープ,フィルインからメインへ,エンディング終了から
停止等)が容易になる。
【0043】2バイト目のEVENT VALUEは、
その小節内(次の小節まで)の各種データの総量を意味
し、この値に4を乗算することで次の小節マークを即座
に読出すことができる。3バイト目のTONE No.
や4バイト目のVOLUMEは、その小節開始時の音色
ナンバと音量を意味する。
【0044】これら小節マーク内のEVENT VAL
UE,TONE,VOLUMEは、フィルイン挿入後に
メインパターンの対応小節へ復起する場合や、メインパ
ターン再生中に突然リズムスタイルが変更され、新たな
リズムスタイルの途中から再生する必要があるときに有
効であり、処理が高速にできる。
【0045】次に、前記CPU1の使用するRAM7に
設定された各種レジスタ(メモリ)を、図9に示す。 (1) 選択リズムスタイル(RYMSTL)メモリは、操
作パネル13のリズムスタイルSW33の切り換えによ
って選択されるリズムスタイルの種類を記憶し、8リズ
ムスタイルの中で現在選択されているもののNo.を格
納する。
【0046】(2) 累算小節数(BBACC)メモリは、
小節データ(BAR)2バイトとビートデータ(BEA
T)1バイトからなり(図10(a)参照)、自動伴奏
がスタートした時点からの累算小節数とビート数を2進
数で記憶する。 (3) スタート/ストップフラグ(SSFLG)メモリ
は、自動伴奏の状態を示すフラグを記憶し、そのフラグ
は図10(b)に示す様に、ビット0,1にて、00
(イントロ),01(メイン),10(フィルイン),
11(エンディング)を示し、ビツト7にて、S/S=
1(伴奏中),S/S=0(停止)を示す。
【0047】(4) TEMPO(テンポスピード)メモリ
は、現在のテンポスピードを格納し、例えば4分音符/
120のときは2進数で120を記憶する。 (5) LOWERキー(LKEY)メモリは、LOWER
鍵盤15bに関する情報を記憶するためのメモリであ
り、8キー×2バイトの容量をもち、各1キーは図10
(c)に示す2バイトのデータを持つ。
【0048】このLKEYメモリのうち、CH NUM
BERは、0001bが(LOWERキーの)マニュア
ル操作を意味し、1001bが(LOWERキーの)M
IDI信号による操作を意味する。尚、このLKEYメ
モリに格納されるキー情報はLOWERキーに限る。
【0049】ONEFGフラグは、ワンフィンガーモー
ド(1本の指でコードタイプ、ルートを指定する)にて
付加された音符であるときに、ONEFGフラグ=1と
なる。DELAYフラグは、DELAY=1の時、LO
WERキーイベントがあってから時間がたってないの
で、コード検出のためにまだそのキー情報を使うべきで
ないことを意味する。
【0050】ON/OFFフラグは、LOWERキーの
オン/オフを意味する。つまり、操作パネル13上のM
EMORY SW34が操作され、メモリモードになっ
たときはLOWERキーオフ後もこのLKEYメモリに
キー情報が残っている。その時ON/OFFフラグが0
(オフ)となる。
【0051】尚、LKEYメモリの内容は前述の毎く、
コード検出に利用されるばかりでなく、ACCTRの伴
奏パターンを発音する音高情報としても利用される。こ
のACCTRの自動伴奏とは、LOWERで現在押され
ている音高(LKEYメモリの音高)を、パターンに記
憶されたタイミングとベロシティにて複数同時に刻む方
式であり、その最大同時発音数は8音である。
【0052】(6) 図9に戻り、ディレイタイム(DLY
TIM)メモリは、コードの検出禁止期間であるDelay
Timeを記憶するものである。このDelay Timeの値は
コードの検出禁止期間の長さを示し、この検出禁止期間
の長さは、下記表2の様に示す様に、ビート(BEA
T)数にて規定されている。
【0053】このビートは、分解能が4分音符/96と
されているので、テンポが4分音符/120のとき、6
0秒/120/96ビート=5.2ms/ビートとな
る。このことから明かな様に、Delay Timeの設定時
間、即ちコードの検出禁止期間は、本実施例ではテンポ
スピードに比例する様に設定されている。勿論、テンポ
があまり遅くなった時や、あまりに早くなった時には、
絶対時間と比較して一定範囲におさまるようにした方が
よい。
【0054】尚、前記DELAYフラグは、LOWER
キーイベントが発生した時、LKEYメモリにDELA
Yフラグ=1として書込まれる。そして、Delay Time
の値はタイマー変化に合わせてCPUメインルーチンで
減算(−1)され、この減算によってゼロになると、対
応するLKEYメモリのDELAYフラグ=0とされ
る。即ち、DELAYフラグ=0となると、コードの検
出が開始される。
【0055】
【表2】
【0056】(7) コードルート(CROOT)メモリ
は、コード(和音)の根音を記憶し、C(00h),C
#(01h)…B(OBh)等として処理する。 (8) コードタイプ(CTYPE)メモリは、コード16
種類(例えばMajorminor 7th…)を4ビットで記憶す
る。そして、このコードタイプがメジャー系(パート
A)かマイナー系(パートB)かの2種類に区分され
る。尚、ONEFGモードにおいては、検出されたコー
ドタイプ毎に従音(付加する音)を変化させる。
【0057】(9) パート指定(PART)メモリは、検
出されたコードタイプが前記パートAであるかパートB
であるかを記憶するためのものであり、記憶する2進デ
ータとして、0がパートAを意味し、1がパートBを意
味する。 (10)テンポCKフラグ(CKFLG)メモリは、テンポ
を内部又は外部のどちらの設定で行なうかを示すメモリ
であり、テンポ操作子24で指定されたテンポを採用す
るか(内部設定か)、或はMIDI入力のタイミングC
K周期から算出したテンポを採用するか(外部設定か)
を選択するフラグを記憶する。尚、この選択は操作パネ
ル13のクロック切換SW31に依存する。
【0058】(11)クロックカウント(CKCNT)メモ
リは、MIDI入力のタイミングCK間の時間を最新の
4つ分だけ格納する。 (12)クロック新平均(CKAVRN)メモリは、CKC
NTメモリの最新の4つ分の時間平均を記憶する。
【0059】(13)クロック旧平均(CKAVRO)メモ
リは、前回まで(即ち現在使用されている)の4つ分の
時間平均のデータを記憶する。尚、前記CKFLG=E
XT(外部設定)のとき、CKAVROメモリに記憶さ
れた値は、TIMER2のプリセット値算出に使用され
る。また、前記CKAVRNの値は、CKAVROの値
と一定以上の差が生じたとき、CKAVROの値をCK
AVRNの値に更新する。
【0060】(14)また、TR1(リズム)は、下記表5
に示す次のレジスタを持つ。
【0061】
【表3】
【0062】尚、TR2(ベース),TR3(ACC)
もTR1(リズム)同様のレジスタを持つ。但し、ベー
スの同時発音数は2音、ACCの同時発音数は6音であ
るが、同時に刻むのでゲートタイムは1バイトである。
次に、上述した構成を備えた本実施例の電子オルガンの
制御処理について、図11〜図17のフローチャートに
基づいて説明する。このうち、図11はメインルーチン
での処理を示し、図12及び図13はパネル処理を示
し、図14及び図15は自動伴奏の発音/消音処理を示
し、図16はMIDI入力の割込処理を示し、図17は
TIMER2のテンポ割込処理を示している。
【0063】まず、図11に基づいて、制御全体のメイ
ンルーチンについて説明する。ステップ100にて、電
源投入後の初期化を行ない、パネル表示,各種レジス
タ,音源パラメータ等のクリアを行なう。ステップ10
1にて、操作パネル13に設けられた各種のSWを走査
し、続くステップ102にて、このパネルSWからのイ
ベントの有無を判定する。ここでイベントがあれば、後
述するステップ200のパネル処理を行ない、一方イベ
ントが無ければ、そのままステップ103に進む。
【0064】ステップ103では、UPPERキーボー
ド15aのSWを走査し、続くステップ104にて、こ
のキーボードSWのイベントの有無を判定する。ここで
イベントがあれば、ステップ105のUPPERマニュ
アル発音/消音処理を行ない、一方イベントがなけれ
ば、そのままステップ106に進む。
【0065】ステップ106では、伴奏用のLOWER
キーボード15bのSWを走査し、続くステップ107
にて、このキーボードSWのイベントの有無を判定す
る。ここでイベントあれば、ステップ108のLOWE
Rマニュアル発音/消音処理と、ステップ109のLK
EYメモリ更新と、ステップ110のDelay Time設定
とを行ない、一方イベントがなければ、そのままステッ
プ111に進む。
【0066】ステップ111では、MIDIバッファに
MIDI入力があるか否かを調べる。ここでMIDI入
力があれば、ステップ112に進み、一方MIDI入力
がなければ、後述するステップ118に進む。ステップ
112では、MIDI入力がUPPERキーイベントか
否かを調べ、ここでUPPERキーイベントであれば、
ステップ113にてUPPERマニュアル発音/消音処
理を行なった後にステップ118に進み、一方UPPE
Rキーイベントでなければ、ステップ114にてLOW
ERキーイベントか否かを調べる。
【0067】ここでLOWERキーイベントであれば、
伴奏用のイベントであるので、入力されたイベントに応
じて、ステップ115のLOWERマニュアル発音/消
音処理と、ステップ116のLKEYメモリ更新と、ス
テップ117のDelay Time設定とを行なう。一方LO
WERキーイベントでなければ、ステップ118に進
む。
【0068】ステップ118では、BBACCメモリの
下8ビットのBEAT値が前回このステップを通った時
のBEAT値と違うか否かを調べ、ここで違わなければ
前記ステップ101に戻るが、一方違えば変化ありとし
てステップ119に進み、DLYTIMメモリの値を1
減ずる。
【0069】続くステップ120にて、DLYTIMメ
モリの値をデクリメントした結果を調べ、ここでDLY
TIM=φになれば、即ちコード検出禁止期間が終了し
たならば、ステップ121にて、CTYPE/CROO
Tメモリをチェックしてコードタイプ/コードルートの
検出を行なった後に、ステップ122に進み、一方DL
YTIM=φでなければ後述するステップ300に進
む。
【0070】ステップ122では、前記コード検出に基
づき、メジャー系かマイナー系かのパート指定を行ない
PARTメモリに格納する。つまり、検出したコードが
メジャー系のコードタイプ群に分類されるものであれ
ば、パートAであるとしてPARTメモリの値を0と
し、一方、検出したコードがマイナー系のコードタイプ
群に分類されるものであれば、パートBであるとしてP
ARTメモリの値を1とするものである。
【0071】そして、後に詳述するステップ300にて
自動伴奏の発音/消音処理を行なった後に、ステップ1
01に戻る。つまり、上述したステップ100〜300
の処理は、操作パネル13やキーボード15を走査し
て、それらの入力に応じて発音や消音の処理等を行なう
とともに、コードの検出を行なって、そのコードがどの
コードタイプ群に属するものであるかを判定するもので
ある。
【0072】次に、メインルーチン中のステップ200
の「パネル処理」について、図12のフローチャートに
基づいて説明する。ステップ201にて、ONE FI
NGER SW35又はMEMORY SW343に変化
があるか否かを調べ、ここでSWオン変化がある場合に
は、ステップ202にて、対応LED37を点灯させる
とともに、リズムスタイルの変更の処理を行なう。一
方、SWオンに変化がない場合には、ステップ203に
進む。
【0073】ステップ203では、UPPER/LOW
ERキーボード15a,15bの音色(尚、前記図3の
操作パネル13における音色指定SWは省略してある)
のイベントが有るか否か、即ち音色に変化があったか否
か調べ、ここで音色に変化がある場合は、ステップ20
4にて、その音色を更新し、楽音発生器9に送る。一方
音色に変化がない場合は、ステップ205に進む。
【0074】ステップ205では、テンポCKフラグC
KFLGが内部設定を示す「INT」であるか否かを調
べ、ここで「INT」であれば、ステップ206に進
み、一方「INT」でなければ、ステップ209に進
む。ステップ206では、テンポ操作子24によるテン
ポの変更を指示する信号(テンポインクリメンタ)に変
化があったか否かを調べ、ここで変化があれば、ステッ
プ207にてTEMPOメモリの値を更新し、それに基
づき操作パネル13のテンポ表示も更新する。そして、
このテンポの更新に伴って、上述したDelayTimeの値も
変更されることになる。
【0075】ステップ208にてTIMER2のプリセ
ット値を更新し、後述する割込み(INT2)同期を修
正する。続くステップ209にて、スタート/ストップ
フラグSSFLGのビット7「S/S」に変化があった
か否かを調べ、ここで変化があれば、スタートイベント
若しくはストップイベントのため、ステップ210にて
累算小節数BBACCの値をクリアし、一方変化がなけ
れば、ステップ211に進む。
【0076】ステップ211では、TR1ゲートフラグ
T1GFに変化があったか否かを調べ、ここで変化があ
ったならばステップ212に進み、一方変化がなければ
ステップ221に進む。ステップ212では、変化がO
N変化(OFF→ON)であったか否かを調べ、ここで
ON変化でなければ、TR1が発音されなくなったこと
を意味するので、ステップ213にてT1GF=φと
し、ステップ214にて現在発音中のリズム音を消去す
る。
【0077】一方、ON変化であれば、TR1が新たに
(途中から)発音されるようになったことを意味するの
で、即ち伴奏されるトラックが変更になったので、ステ
ップ215にてTR1ゲートフラグT1GF=1とし、
ステップ216に進む。ステップ216では、異なるル
ープ小節数を有するトラックに変更されたので、次に伴
奏される小節を決める処理が行われる。つまり、累算小
節数BBACCをTR1のループ小節数T1LBで割っ
た余りの小節数に基づいて、現在のTR1ポインタT1
PNTを設定する。即ち余りの小節数に対応して定まる
BEAT数を、現在のTR1ポインタT1PNTとす
る。
【0078】続くステップ217にて、リズム発音処理
が行われる。つまり、まず現在の小節、BEATにおけ
る設定音量を把握するために、現在の小節の小節マーク
から読出したVOLUMEをT1VOLに格納し、それ
以降現在のBEATまでにVOLUME(音量)データ
があれば更にT1VOLEを補正する。このT1VOL
データは楽音発生器9に送られる。その後現在のタイミ
ングにて発音開始するリズムがあればそのリズムを発音
する。
【0079】そして、続くステップ221〜227のT
R2処理と、図13のステップ231〜237のTR3
処理に関しては、TR1処理とほぼ同一のため説明を省
く。但し、ステップ227,237のベース/ACC発
音処理では、ステップ217のリズム発音処理にはなか
った音色ナンバ設定がある。
【0080】つまり、ステップ227では、まず現在の
小節,BEATにおける設定音量/音色を把握するため
に、現在の小節の小節マークから読出したTONE N
o.(音色)とVOLUME(音量)をT2TON、T
2VOLにそれぞれ格納し、それ以降現在のBEATま
でにTONE No.データやVOLUMEデータがあ
れば、更にT2TON、T2VOLを補正している。
【0081】次に、図13のステップ241に進み、こ
のステップでは、(リズムスタイルSW33の操作によ
って)リズムスタイルに変更されたか否かを調べ、ここ
で変化があれば、新たなリズムスタイルNo.をRYM
STLメモリに格納するとともに、操作パネル13の対
応LED37を点灯する。
【0082】リズムスタイルの変更に伴って行われる続
くステップ243では、TR1ゲートフラグT1GF=
1か否かを調べ、ここでT1GF=1であれば、ステッ
プ244にて、次に発音すべき小節を決める処理が行わ
れる。つまり、ステップ244では、現在発音中のリズ
ムスタイルを変更し、急に別の伴奏パターンの途中から
の発音を再開するために、前記ステップ216等と同様
にして、累算小節数BBACCをTR1のループ小節数
T1LBで割った余りの小節数に基づいて発音すべき小
節を決める。つまり余りの小節数に対応したBEAT数
を現在のTR1ポインタT1PNTとする。
【0083】そしてステップ245では、前記ステップ
217で行なった様なリズム発音処理を行なう。続くス
テップ246では、TR2ゲートフラグT2GF=1か
否かを調べ、そうであればステップ247、248にて
TR1と同様の処理を行なう。ステップ249では、T
R3ゲートフラグT2GF=1か否かを調べ、そうであ
ればステップ250,251にてTR1と同様の処理を
行なう。
【0084】尚、ステップ248,251にて、音量ば
かりでなく音色に関する処理も行なうのは言うまでもな
い。次に、前記メインルーチン中のステップ300の
「自動伴奏の発音/消音処理」について、図14のフロ
ーチャートに基づいて説明する。
【0085】このサブルーチンでは、TIMER2割込
みで行なう累算小節数、BEAT数の歩進結果に基づ
き、このタイミングで読出すべきTR1,2,3の自動
伴奏があれば読出して発音させる。この処理は、従来は
TIMER2の割込処理として行なわれることが多かっ
たが、そうすると割込処理時間が長くなり、時には割込
処理中に次の割込みがはいることもあり、その結果メイ
ンルーチンでキースキャンがおろそかになることがある
ので、この様にメインルーチンに自動伴奏の発音処理を
設けた。
【0086】まず、ステップ301にて、TR1ゲート
フラグT1GF=1か否かを調べる。ここでT1GF=
1であれば、ステップ302にて現在のポイントT1P
NTで示される番地から読出したSTEP TIMEを
T1STPメモリに格納し、一方T1GF=1でなけれ
ば、ステップ311に進む。
【0087】ステップ303では、前記STEP TI
MEと現在のBEATとを比較し、BEATがそのST
EP TIME以上か否かを調べる。ここで肯定判断さ
れると、ステップ304に進み、T1PNT+1,+
2,+3のアドレスからリズムデータを読出し、ステッ
プ305にて楽音発生器9に対して割当て発音開始指令
を送るとともに、その発音にかかるゲートタイムをT1
GTEの8CHのうちいずれかに格納する。一方否定判
断されると、このループを抜けてステップ307に進
む。
【0088】ステップ306では、ポインタを+4して
次のリズムデータをアドレスする。その後ステップ30
2に戻り、次のリズムデータもこのタイミングで発音す
べきか否かを順次調べる。そして、(前記ステップ30
3の判定によって)このタイミングで発音すべきリズム
データを全部読出したら、ステップ307にてリズム8
CHのゲートタイムT1GTEnから1減じる。(但し
既にφのものはその必要ない。) 続くステップ308で、ゲートタイムT1GTEn
(1を減じた結果)φになったか否かを調べ、ここでT
1GTEn=φになれば、そのリズムは発音を終了して
いると見て、ステップ309にてリズム対応エンベロー
プをリリースさせ、消音する。一方T1GTEn=φで
なければ、ステップ311に進む。
【0089】ステップ311では、TR2フラグT2G
F=1か否かを調べる。ここでT2GF=1であれば、
ステップ312にて現在のポイントT2PNTで示され
る番地から読出されたSTEP TIMEをT2STP
メモリに格納し、一方T2GF=1でなければ、図15
のステップ321に進む。
【0090】ステップ313では、前記STEP TI
MEと現在のBEATとを比較し、BEATがそのST
EP TIME以上か否かを調べる。ここで肯定判断さ
れるとステップ314に進み、一方否定判断されるとス
テップ318に進む。ステップ314では、T2PNT
+2,3,4のアドレスからベースデータを読出し、本
実施例の要部であるステップ315に進む。
【0091】ステップ315では、(T2PNT+4)
で読出されたPA,PBデータと(PARTメモリに記
憶された値である)パート指定データPARTとを比較
することにより、読出されたベースデータが、指定パー
ト(メジャー系/マイナー系)のデータであるか否かを
調べる。例えば、指定パートがメジャー系(パートA)
である場合には、パート指定データPARTは0とさ
れ、一方、PAデータは0,PBデータは1とされてい
るので、この値を比較して値が0の方のPAデータに該
当する伴奏する伴奏データが読み出されることになる。
ここで、指定パートのデータであれば、ステップ316
にて、まず読出した音量に、コードタイプCTYPE特
定の音名に関するアドバイスが必要ならばその分加算
し、その後コードルートCROOT分更に加算する
(尚、その結果で指定音域にない場合はオクターブの移
動が必要)。そして、このコードの情報を楽音発生器9
に対して割当てると共に、ベース用のゲートタイムT2
GTEの2バイトのいずれかに今回のゲートタイムを格
納する。一方指定パートでなければ、そのままステップ
317に進む。
【0092】ステップ317では、ポインタを+4して
次のベースデータをアドレスする。その後ステップ31
2に戻り、次のベースデータもこのタイミングで発音す
べきか否かを順次調べる。そして、(前記ステップ31
3の判定によって)このタイミングで発音すべきリズム
データを全部読出したら、ステップ318にて、ベース
2CHのゲートタイムT2GTEnから1減じる。(但
し既にφのものはその必要ない。) 続くステップ319で、ゲートタイムT2GTEn
(1を減じた結果)φになったか否かを調べ、ここでT
2GTEn=φになれば、そのベースは発音を終了して
いると見て、ステップ320にてベース対応エンベロー
プをキーオフ状態とし、消音する。一方T2GTEn
φでなければ、ステップ321に進む。
【0093】尚、図15のステップ321〜330のA
CC伴奏読出し発音処理に関しては前記ステップ311
〜320のベース伴奏とほぼ同一なので説明は省略す
る。但しステップ316ではLKEYメモリに記憶され
ている押鍵情報(最大8)全てに対し、読出したタイミ
ングとベロシティにて同時に楽音発生器9に割当て発音
させる。その時ゲートタイムの管理は、全て同じため1
つで済む。
【0094】つまり、前記ステップ301〜309では
リズムの発音/消音を行ない、ステップ311〜320
ではベースの発音/消音を行ない、ステップ321〜3
30ではACCの発音/消音を行なう。特に、ステップ
311〜320では指定パートは否かの判定によってベ
ースの発音/消音を行ない、ステップ321〜330で
も指定パートの判定によってACCの発音/消音を行な
うが、リズムに関しては、伴奏データは両パートA,B
共通であるので、指定パートであるか否かの判定は行わ
ない。
【0095】次に、INT1の割込ルーチン、即ちMI
DI入力時の割込ルーチンについて、図16のフローチ
ャートに基づいて説明する。この割込みルーチンは、M
IDI入力情報に対応してテンポスピードを設定する部
分であり、特にキーコードに関してはMIDI INキ
ーバッファーへ格納する。また、タイミングCKに関し
ては、テンポCKフラグCKFLGが外部設定を示す
「EXT」と指定されている時に限り、その入力タイミ
ングCKの周期から算出した値で、後述する図17の様
にTIMER2を動作させる。
【0096】まず、ステップ401にてMIDI入力が
キー情報か否かを調べ、ここでキー情報であれば、ステ
ップ402にてそのキー情報をMIDI INキーバッ
ファーへ格納する。一方、キー情報でなければ、ステッ
プ403にて、MIDI入力がタイミングCKか否か調
べ、ここでタイミングCKであれば、ステップ404に
てテンポCKフラグCKFLG=EXTかを調べる。つ
まり、テンポの外部設定であるか否かを確認する。
【0097】ここで外部設定であれば、ステップ405
にて前回のタイミングCKから今回までの時間をTIM
ER1から読出し、前回と今回とのタイミングCKの時
間差(周期)CKCNTを求め、CKCNTメモリに記
憶する。続く407にて、CKCNTメモリに記憶した
今回の時間差を含む最新の4回の時間差の平均CKAV
RNを求め、CKAVRNメモリへ格納する。
【0098】続くステップ408にて、現在のテンポス
ピードを形成しているCKAVROと前記最新のCKA
VRNとを比べ、その差が一定以上か否かを調べる。こ
こで差が一定以上であれば、テンポスピードを更新する
ために、ステップ409にてCKAVRNの値をCKA
VROへ代入し、ステップ410にてCKAVROに基
づきテンポ表示を更新するとともに、ステップ411に
てTIMER2へ更新したCKAVROに基づくプリセ
ット値を入れ、ステップ412に進む。一方、差が一定
以上でなければそのままステップ412に進む。
【0099】ステップ412では、一定時間タイミング
CKの入力がないか否かを調べ、ここで入力がない場合
は、ステップ413にてTIMER2をホールドして、
一旦本処理を終了する。つまり、このステップ401〜
413の処理では、MIDI入力のうちタイミングCK
の入力があった場合には、外部設定であることを確認し
て、前回と今回とのタイミングCKの時間差を求め、更
にその最新の4回の平均を求めている。そして、所定の
条件下でこの最新の平均を用いて、テンポの更新を行な
っているので、テンポが変動した場合も適切なテンポ設
定が可能である。
【0100】次に、INT2の割込ルーチン、即ちTI
MER2のテンポ割込ルーチンについて、図17のフロ
ーチャートに基づいて説明する。この割込みルーチン
は、設定されたテンポスピードに応じて実際に伴奏のス
ピードを規定するためのもので、TIMER2のテンポ
スピードに対応したプリセッタブルダウンカウンタがゼ
ロになったときに発生する。
【0101】まず、ステップ501にて、スタート/ス
トップフラグSSFLGのビット7(S/S)=1か否
かを調べる。ここでS/S=1であれば、ステップ50
2にて累算小節数BBACCを+1し、一方S/S=1
でなければ、一旦本処理を終了する。
【0102】ステップ503では、拍子が3/4か4/
4かを調べ、3/4であればステップ504に進み、4
/4であればステップ507に進む。ステップ504で
は、3/4拍子であるので、BEATが144以上か否
かを調べる。ここで144以上であれば、ステップ50
5にてBEATから144を引き、ステップ506にて
BARを+1する。
【0103】一方、ステップ507では、4/4拍子で
あるので、BEATが192以上か否かを調べる。ここ
で192以上であればステップ508にてBEATから
192を引き、ステップ509にてBARを+1する。
そして、続くステップ510にて、前記BAR,BEA
Tを10進に変更して表示し、一旦本処理を終了する。
【0104】つまり、この処理によって、設定されたテ
ンポにて、順次発音のための処理が実施されることにな
る。以上詳述した様に、本実施例の電子オルガンでは、
1つのシーケンストラックに複数のコードタイプ群の伴
奏データが一部分共通化されて記憶されており、しかも
伴奏データには、その伴奏データがどのコードタイプ群
に属するかを示す識別情報が付加されている。即ち、伴
奏データには、それがマイナー系(パートA)に属する
データか或はメジャー系(パートB)に属するデータか
が識別できる様なデータが併せて記憶されている。
【0105】従って、コードタイプを検出し、そのコー
ドタイプがどのコードタイプ群に属するかを判定する
と、前記識別情報を用いることによって、容易に該当す
るコードタイプ群に対応した伴奏データのみを選択して
読み出すことができる。つまり、本実施例では、伴奏デ
ータを1つのシーケンストラックに記憶し、1つのポイ
ンタで伴奏データを読み出すことができるので、使用す
るメモリを低減することができ、しかも、(押鍵用鍵盤
が操作されて)異なるコードタイプ群のデータが入力さ
れた場合でも、従来の様に別のトラックにジャンプする
必要がないので、CPU1の無駄な処理がなくなり、演
奏の意味のない遅延を防止することができる。
【0106】また、前記リズムの伴奏の様に、コードタ
イプ群が異なっても同一の伴奏データを使用して伴奏を
行なう場合には、パートA,BのPA,PBデータとし
て同一の識別情報を与えておくことにより、1つ分の伴
奏データを記憶するだけでよいので、一層メモリの使用
量を低減できるという利点がある。
【0107】尚、本発明は、上記実施例に何等限定され
ず、本発明の要旨の範囲内において各種の態様で実施で
きることは勿論である。例えば前記実施例では、コード
タイプをメジャー系とマイナー系の2つのコードタイプ
群に分類したが、それ以外にも、メジャー系とマイナー
系とセブンス系の3つに分類することも可能であり、更
に、それ以上のコードタイプ群に分類することも容易で
ある。
【0108】
【発明の効果】以上、詳述した様に、本発明の自動演奏
装置では、複数の和音種類群に各々対応した伴奏情報に
和音種類群を識別する識別情報を付加して、1つのシー
ケンストラックに記憶し、これを読み出す場合には、記
憶した和音種類群に対応する伴奏情報を、識別情報を用
いて選択的に読み出すことができる。
【0109】従って、伴奏情報を記憶するメモリを少な
くすることができるという効果がある。また、伴奏情報
を検出するためのポインタが1つで済み、しかも、押鍵
状態が変化しても従来の様に他のトラックにジャンプす
る必要がなくなるので、CPUの演算処理が軽減され
て、意味のない演奏の遅延を防止することができる。
【0110】特に、異なる和音種類群が同一の伴奏情報
を使用する場合には、識別情報が同一の伴奏情報を指示
する様に設けられているため、共通の伴奏情報を記憶す
るだけでよいことになり、よって、伴奏情報を記憶する
ためのメモリを一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の構成を例示する概略構成図
である。
【図2】 実施例の電子オルガンの電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図3】 電子オルガンの操作パネルを示す正面図であ
る。
【図4】 電子オルガンのヘッダーの並びを示す説明図
である。
【図5】 各データの小節の構造を示す説明図である。
【図6】 各小節内のデータの並びを示す説明図であ
る。
【図7】 各伴奏データ及び小節マークの構造を示す説
明図である。
【図8】 オートベンダを示し、(a)はその変化の状
態を示すグラフ,(b)はそのデータの構造を示す説明
図である。
【図9】 RAMの各種レジスタを示す説明図である。
【図10】 レジスタに格納されたデータの構造を示す
説明図である。
【図11】 CPUのメインルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図12】 パネル処理の一部を示すフローチャートで
ある。
【図13】 パネル処理の一部を示すフローチャートで
ある。
【図14】 自動伴奏発音/消音処理の一部を示すフロ
ーチャートである。
【図15】 自動伴奏発音/消音処理の一部を示すフロ
ーチャートである。
【図16】 MIDI入力の割込処理を示すフローチャ
ートである。
【図17】 TIMER2のテンポ割込処理を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
M1…和音種類検出手段 M2…伴奏情報記憶手段 M3…群判別手段 M4…伴奏情報読出手段 1…CPU 7…RAM 13…操作パネル 15…キーボード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 博信 静岡県浜松市寺島町200番地 株式会社河 合楽器製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押鍵状態に基づいて和音種類を検出する
    和音種類検出手段と、 複数の和音種類群に各々対応した伴奏情報に、該和音種
    類群を識別する識別情報を付加して、1つのシーケンス
    トラックに記憶する伴奏情報記憶手段と、 前記和音種類検出手段によって検出された和音種類が、
    前記複数の和音種類群の何れに属するかを判定する群判
    別手段と、 該群判別手段によって判別された和音種類群に対応する
    伴奏情報を、前記伴奏情報記憶手段から識別情報を用い
    て選択的に読み出す伴奏情報読出手段と、 を備えたことを特徴とする自動演奏装置。
  2. 【請求項2】 前記和音種類群に対応した伴奏情報のう
    ち、少なくとも2つの和音種類群の伴奏情報を同一とす
    る場合には、該同一の伴奏情報を指示する前記識別情報
    を設けることを特徴とする前記請求項1記載の自動演奏
    装置。
JP5072366A 1993-03-30 1993-03-30 自動演奏装置 Pending JPH06289862A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114299899A (zh) * 2021-12-03 2022-04-08 特赞(上海)信息科技有限公司 目标音乐的生成方法、装置、终端及存储介质

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JPH01179091A (ja) * 1988-01-06 1989-07-17 Yamaha Corp 自動伴奏装置

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