JPH0628926B2 - 袋状ケ−スの製造装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、レコード盤、光デイスクなどの各種の記録デ
イスク類、特にはコンピユーター磁気デイスクを収納す
るのに好適なプラスチツク製袋状ケースの製造装置に関
する。

この種の袋状ケースは、通常、プラスチツクシートを袋
形成部とフラツプ部とを一体に型抜きし、袋内面を形成
する面部に不織布等のライナーを添着したシート、ある
いは更にこれに駆動軸貫通孔及び磁気ヘツド挿入孔を打
ち抜き形成させたものをシート折曲げ装置の受台に位置
決め載置し、ついで中子を押下げ、ケース用シートの中
央折曲げ部を折曲げ、次いで中子ごと該シートを別の位
置にある対向するフラツプ折曲げ機まで移動させ、再度
位置決めを行なつてから、該シートの対向する両フラツ
プを折曲げ、更に中子ごと別の位置にある溶積機まで移
動し、ここで再び位置決めを行なつてフラツプを溶着さ
せ、このようにして形成された袋体ケースを別の個所に
移して中子から抜くという複数の組合せ製造装置で製造
されていた。ところが、このように折曲げ装置や溶着装
置を別々に配置し、ケース用シートを中子ごと移動させ
る方法では、移動時間がそれぞれの位置決めに時間がか
かるばかりでななく、いずれかの位置決めがうまくいか
なかつた場合には、寸法不良、溶着不良が発生して歩留
りが低下するなどの欠点があり、工業的に満足しうるも
のではなかつた。また中子を移動させるために大きな装
置及びそのための大きなスペースを必要とすることも、
工業的に著しく不利であつた。

本発明者らは、このような実情に鑑み、従来の諸欠点を
解消し、安全で、しかも高精度かつ高能率でプラスチツ
ク製袋状ケースを製造しうる装置を開発すべく、多くの
試作研究を行なつた結果、極めて望ましい装置を見出し
た。

すなわち、本発明は、特許請求の範囲第１項に記載の要
件(イ)ないし要件(ヘ)で構成される製造装置であって、シ
ートを１回の位置決めをした後に、同じ位置でシートの
折曲げ、両サイドのフラップの折曲げ及びフラツプの溶
着を行うことができる実用性の優れた袋状ケースの製造
装置を提供する。

以下、本発明の装置の１例を添付図面により説明する。

第１図は、本発明の装置に適用される袋状ケース製造用
シートの１例の平面図、第２図は、本発明の装置の１例
の概要斜視図及び第３図に示す(a)、(b)、(c)及び(d)図
は、本発明の装置のフラツプ折曲げ状況の例を説明する
ための要部断面図である。

第１図において、所定形状の袋状ケースを製造するため
の型抜きされたシート１は、例えばカーボン含有半硬質
塩化ビニル樹脂製の自立性シートで形成されて成り、好
ましくはその表面の帯電を防止するための処置が施され
ている。シート１は、ほゞその中央部を折曲げて袋本体
を構成する長方形の部分２と、その中央部に点線で示さ
れた折曲げ線の片方のシート部２′の３つの周辺に形成
されたフラツプ３、３及び４とから成り、該長方形の部
分２の片側面には、実質的に全面にわたつて、例えばポ
リエステルあるいはポリプロピレン繊維の不織布又は織
布などが、線あるいは面状接着などにより一体に積層さ
れている。なお、図には、上記シート中央部に折曲げ部
を示した点線のほかに、本発明の装置によつて折曲げら
れる対向するフラツプ３、３の折曲げ部が点線で示され
ている。

次に、本発明の装置の構成及びその作動について第２図
及び第３図により説明する。

第２図に示す本発明の装置例において、シート受台６に
は、シートの主要部、すなわちシート部分２′を載置す
る固定された四角形の上面７とその上面の一辺の辺縁近
傍に設けられたシート位置決めガイドとして作用する、
通常複数個のガイド突起８が設けられ、その辺と向かい
合つた辺には、シート受台６の上面７の辺縁に近接して
エンド押上台９が配置され、また該上面の残る対向する
二辺には、それら辺縁に近接して一対のサイド押上台１
０、１０がそれぞれ配置されている。

シート受台６の四角形の上面７は、製造しようとするケ
ースの幅と実質的に同じ幅を有し、ガイド突起８の内側
の面と該ガイド突起が設けられた辺側と対向する側の辺
縁との距離が、フラツプ４の端辺縁からシート中央の折
曲げ線部までの間隔に一致する長さを有する大きさの平
面に構成され、この上面７は、その表面が再現性よくケ
ースを製造しうる温度に保持されるように、適当な温度
コントロール手段を施すことが好ましい。

エンド押上台９は、シートの折返される部分２″を載置
するのに充分な平面１２を有する板体であつて、シート
１が適当な供給手段（図示せず）により本装置に供給さ
れる際には、平面１２はシート受台６の上面７とほゞ同
一平面を形成する位置に保たれるが、シート１が位置決
めされ、上方から押圧部材１６が降下してシートの部分
２′が押圧固定されたのち垂直上方に上昇し、シートの
部分２″を折曲げるために、これを立ちあがらせるよう
に作用する。この折曲げは、平面１２がシート受台６に
接する辺部を軸としてシート受台側に回動するように行
なつてもよい。また、該エンド押上台９には、シート受
台６に接する辺と向かい合つた辺側に、例えば付設され
た複数の棒状部材により、供給されたシートの端部をガ
イド突起８の方へ押してシートを所定位置まで移動させ
るエンドガイド１１が取付けられ、板体の下側には、エ
ンド熱盤１３が配置されて、押上台９が上昇しシート部
２″が立ちあがつた際に、その熱盤１３が折曲げ部に接
近して、その綾線形成部を加熱軟化させ、シート１の２
つ折りが効果的に行われる。その際、折曲げを一層的確
且つ迅速に行わせるために、例えばエアジエツトやその
他の知られた補助手段を用いることが望ましい。また、
エンド押上台９は、その上昇の際にシートを傷めないよ
うに、シート受台６に対接する側面をシート受台の側面
と僅かに離し、且つ上側の綾線部をシヤープでなく適当
な曲率を与えたＲ形状に形成させることが好ましい。

また、一対のサイド押上台１０、１０は、固定されたシ
ート受台６の対向する２辺にそれぞれ近接して配置され
ている。各押上台１０、１０にはシート受台に接する位
置に、上面７と一致する平面とシートのフラツプ３、３
を受け、各フラツプの端辺縁をガイドする立ちあがつた
立面とで形成されたシートガイド面を備え、内側に水平
移動しうるフラツプガイド部材１４が設けられ、下側に
はエンド押上台と同様にサイド熱盤１５が配置されてい
る。サイド押上台１０が適当な駆動手段により上方に移
動してフラツプ３を立ちあがらせると、該熱盤１５がそ
の折曲げ部に接触して、そのシートの折曲げ綾線部を加
熱軟化させ、両フラツプ３、３は、すでに折曲げられた
シート部２″上に重ね合わされる。このサイド押上台も
その上昇の際に、シートを傷付けないように好ましく
は、ガイド部材１４のシート受台側の側面は僅かに離さ
れ、上側綾線部はＲ形状に形成される。

押圧部材１６は、前記シート受台６の上方に位置して、
シート１が所定の位置に載置されたのち、降下して該シ
ート１の部分２′をシート受台６の受台上面７に押圧固
定するとともに、上記折曲げにおいて、これを補助し且
つ形成される袋の内容を規定する中子として作用する板
状体であつて、上記シート受台６の上面７に設けられた
ガイド突起８に摺動嵌合する貫通孔１７が設けられてい
る。この袋状ケースの内容を規定する中子として機能す
る板状押圧部材１６は、昇降用レールに規制されて上下
する保持具に保持され、ケース製造用シート１がシート
受台６とエンド押上台９の両面上に供給されるときに
は、そのスムーズな供給を妨げない位置まで上昇し、シ
ートが位置決めされた後に駆動装置の作動によりシート
受台６の上面７上に降下してシートを押圧固定する。こ
の押圧状態は、フラツプ３、３の折曲げ溶着が完了する
まで持続される。板状押圧部材１６は、通常金属で構成
されるが、その一部あるいは全表面に、例えばフツ素樹
脂を被覆したり、該樹脂含浸クロスを接着するなどの表
面加工を施すことが実用的である。

本発明の装置における溶着部材１８は、上記押圧部材１
６の更に上方に位置し、サイド押圧部材１０、１０によ
るフラツプ３、３の折曲げが完了したのち降下する。こ
の溶着部材１８は、最下方に押圧プレート１９、その上
側に順次、冷却プレート２０、シールヒーター２１、可
動支持プレート２２及び固定支持プレート２３が組合わ
され配置されている。該押圧プレート１９は、折曲げら
れたフラツプ３、３を残して折曲げシートを押圧固定す
る板状体で、可動支持プレート２２とを支持棒２４によ
り連結固定されており、折曲げられたシート部分２″の
大部分を裏から押圧した後、折曲げられたフラツプ３、
３のみを冷却プレート２０で押圧するように構成され
る。この冷却プレート２０は断面がほゞ を有し、下面の中央凹部に上記押圧プレート１９を嵌入
させるように形成され、該凹部板には上記支持棒２４が
挿通する貫通孔が設けられるとともに、フラツプを押圧
する両辺板部にはシールのための貫通孔２５が形成され
ている。この貫通孔２５は、上側に位置する加熱機構を
内蔵したシールヒーター２１の下側に一体に形成された
凸部２６を嵌入させるためのものであり、その凸部２６
の下端面によつてフラツプを加熱押圧して、所望の溶着
が効果的に行われる。このような長時間にわたる繰り返
しの溶着操作は、冷却プレート２０を望ましくない温度
に高める恐れがあるので、該プレート２０にその昇温を
防止するための冷却手段を取付けることが好ましい。シ
ールヒーター２１は、フラツプの溶着が形成されるケー
スの変形を伴うことなく行ない得る。例えば２００〜３
００℃の温度に加熱保持される。

これらの組合せ溶着機構１８は、固定された支持プレー
ト２３から、例えばアクチエエーターなどの駆動機構に
より、それぞれ別個に昇降自在に駆動しうるように保持
されている。折曲げフラツプ３、３の溶着が終了する
と、各部材は初めの状態に戻り、押圧部材１６に保持さ
れた袋状シートは、適当な抜取り機構（図示せず）によ
り取りはずされる。

本発明の袋状ケース製造装置においては、上記のよう
に、シートの供給、位置決めから折曲げ溶着まで、多く
の部材の作動が順次行われるが、それらの駆動装置は、
従来知られたどんな手段を用いてもよく、図において
は、これらの駆動装置をすべて符号Ａで示した。

第３図(a)〜(b)は、本発明の装置において、フラツプ３
を折曲げる状況を説明するための要部断面図で、好適に
採用しうるものである。

図において、シート受台６の上面７には、シート２′、
押圧板１６及び折曲げられたシート２″が重合されてい
る。近接するサイド押上台１０は駆動装置A1によつて上
方に移動することができ、その上側のシート受台に接す
る部位に、駆動装置A2によつてシート受台６側に水平移
動しうるガイド部材１４が設置されている。該部材１４
は、シート受台側の辺全体にわたつて形成された、シー
ト受台６の上面７と一致するフラツプ３を受ける水平面
G1と該フラツプの端縁を案内し、シートを所定の位置に
決めるための立面G2とから成る切込まれたガイド面を有
し、そのシート受台側端部側面は、上側綾線部が適度の
曲率をもつたＲ形状に形成され、下側は下面より若干突
出した突条が設けられている。また、サイド押上台１０
の下にはフラツプ３の折曲げ部全体にあてがわれる熱盤
１５が配置され、その先端部はフラツプ３を折曲げる際
に、好適な折曲げ部が得られるように断面が円弧状ある
いはコ字状の凹条受溝が形成されている。

(a)図は、シート部２″の折曲げが完了した状態であつ
て、サイド押上台１０が作動を開始し、駆動装置A1によ
つて上方にもちあげられると、フラツプ３は直立状に立
ちあがり、同時に熱盤１５は駆動装置（図示されていな
い）により、その折曲げ部に接近する〔(b)図〕。少時
の加熱で折曲げ部が軟化するとガイド部材１４はA2によ
り内側に前進してフラツプ３をシート本体側に押倒し
〔(cc)図〕、シート部２″に押付けるとともに折曲げ部
は上記熱盤の凹条受溝によつて所定の形状に形成され
る。この折曲げが完了すると、ガイド部材１４、エンド
押上台及び熱盤は元の位置に戻り、フラツプ溶着作業に
バトンタツチされる。

２発明の装置は、上記の如き構成及びそのスムーズな作
動により、安全且つ迅速にケースを製造しうるものであ
つて、装置の小型化、サイクルの短縮が達成されるとと
もに、優れた寸法精度と高い歩留りが得られ、実用的価
値の極めて高いものある。

本発明の装置によつて製造される袋状ケースは例えば記
録デイスクを収納するためのもので、フラツプを溶着す
ることなく開封状態で提供される。また、本発明の装置
によつて製造されるケースは、型抜きシートに駆動軸貫
通孔や磁気ヘツド挿入孔をあらかじめ打ち抜いておく必
要がなく、得られたデイスク等収納用ケースにこれらの
所要孔を打抜き形成させて、袋状の２枚のシートに完全
に一致した孔が得られるので、製造工程中に孔がずれな
いための心配りを必要とせず、この点においても有利で
ある。しかし、本発明の装置は、所要孔をあらかじめ打
ち抜いたシートを適用することもでき、貫通孔の一致し
た袋状ケースを再現性よく連続製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の装置に適用できる袋状ケース製造用
シートの平面図、第２図は本発明の装置の１例の概要斜
視図及び第３図(a)〜(d)は、フラツプ折曲げ状況を説明
するための要部断面図である。 図中の符号： １……シート、３、４……フラツプ、 ５……ライナー、６……シート受台、 ９……エンド押上台、１０……サイド押上台、 １１……エンドガイド、１４……フラツプガイド部材、 １６……押圧部材、１９……押圧プレート、 ２０……冷却プレート、２１……シールヒーター、 ２２……可動支持プレート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】(イ)供給される袋状ケース製造用シートの
   主要部を載置する上面を有するシート受台； (ロ)上記受台に載置された上記シートの位置を調整する
   ために上記受台の一辺の辺縁に設けられたガイド突起か
   らなる位置決めガイド； (ハ)該位置決めガイドが設けられた上記シート受台の一
   辺の対辺の辺縁に近接して設けられ、上記シートの折返
   されるシート部を載置する上面を有し、該受台に接する
   向かいあった辺側に供給されたシートの端部をガイド突
   起の方へ押してシートの位置決めを行うエンドガイドが
   取付けられ、該上面の下側には折曲げ部に接触してシー
   ト折曲げ稜線部を加熱軟化させるエンド熱盤が配置さ
   れ、シートが本装置に供給される時は、該上面は受台上
   面とほゞ同一平面を形成する位置に保たれ、上方から押
   圧部材が降下してシートが押圧固定されたのち、垂直方
   向に上昇してシートを折り曲げるために、これを立ち上
   がらせるように上下に移動しうるエンド押上台； (ニ)上記シート受台の残りの対向する二辺に近接して配
   置され、上記シートのフラップ部を受ける上面を有し、
   各フラップの端辺縁をガイドする立ち上がった立面とで
   形成されたシートガイド面を備え、内側に水平移動しう
   るフラップガイド部材が設けられ、下側にはフラップ部
   に接触してフラップ稜線を加熱軟化させるサイド熱盤が
   配置され、フラップを立ち上がらせるように上下に移動
   しうる一対のサイド押上台； (ホ)上記シートをシート受台に押圧する押圧部材； (ヘ)該押圧部材の更に上方に配置され、折り曲げられた
   シートの上面に折り重ねられた両フラップを溶着する溶
   着部材： とから成り、上記シートを１回の位置決めをした後、同
   じ位置にてシートの折曲げ、両サイドのフラップの折曲
   げ及びフラップの溶着を行うことを特徴とする袋状ケー
   スの製造装置。