JPH06289206A - 光学反射膜の形成方法 - Google Patents

光学反射膜の形成方法

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JPH06289206A
JPH06289206A JP7448993A JP7448993A JPH06289206A JP H06289206 A JPH06289206 A JP H06289206A JP 7448993 A JP7448993 A JP 7448993A JP 7448993 A JP7448993 A JP 7448993A JP H06289206 A JPH06289206 A JP H06289206A
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JP
Japan
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film
sputtering
substrate
aluminum
acrylic resin
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Application number
JP7448993A
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English (en)
Inventor
Keiji Kakinuma
敬二 柿沼
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EMI Records Japan Inc
Original Assignee
Toshiba Emi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】成膜能率の高いスパッタリング法によりプラス
チックス基板上に密着性が高くかつ欠陥の少ないアルミ
ニウム系金属の反射膜を形成する方法を提供する。 【構成】プラスチックス基板上に金属性光学反射膜を形
成するにあたり、圧力200Pa以下のヘリウム又は水素
の雰囲気内で直流グロー放電により発生した荷電粒子に
暴露することにより該プラスチックス基板の表面を改質
した後、該改質面に対してアルミニウム系金属のスパッ
タリング成膜を行うことにより光学反射膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学式情報ディスクや光
学機器用反射鏡等における光学反射膜を形成する方法に
関し、特に高性能の光学反射膜を工業的に製造するに適
した方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学式情報ディスクや光学機器用反射鏡
等は軽量性や成形の容易さなどからプラスチックス基板
を用いて製造されることが多く、中でもビデオディスク
などの光学式情報ディスクは基板の透明性や等方性など
の光学的特性が重要であるところから、ポリメチルメタ
クリレートなどのアクリル樹脂の基板が好んで用いられ
ている。
【0003】しかしアクリル樹脂基板に対して反射特性
の良好なアルミニウム系金属の光学反射膜を成膜するに
あたって蒸着法を採用すると、密着性がよい反射膜が得
られるものの成膜速度が遅くて生産性を高めるのが困難
であり、操作がバッチ式であるために装置が大掛りなも
のとなるという問題がある。他方、成膜速度が早くて容
易に生産性を高めることができるスパッタリング法を利
用しようとすると、成膜されたアルミニウム反射膜はア
クリル樹脂基板に対する密着性が低く、耐久性も乏しい
という欠点があった。
【0004】そこでアクリル樹脂基板に対するスパッタ
リング法アルミニウム反射膜の密着性を改善する手法が
種々検討されており、例えば少量の銅やシリコンを含む
アルミニウム合金をターゲット材料として使用する方法
などが提案されているが、それだけでは充分な密着性は
得られていない。また炭素化合物を含む雰囲気中で反応
性スパッタリングをする方法もあるが、密着性の改良は
不十分であった。
【0005】これに対して本発明者らは、アクリル樹脂
基板上にスパッタリング成膜するにあたって始めにアル
ゴン雰囲気中で10nm程度スパッタリング成膜し、次に
ヘリウム雰囲気中で20〜40nm程度スパッタリング成
膜し、更にアルゴン雰囲気中で必要な厚さまでスパッタ
リング成膜する方法を発明し、これについて特許出願し
ている(特願平4−77421号)が、アルミニウム反
射膜の密着性は高まるものの反射膜に欠陥が残り、記録
された信号の忠実性が必ずしも充分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、プ
ラスチックス基板に対して製造能率が高いスパッタリン
グ法を利用して密着性が高いアルミニウム反射膜を成膜
する方法について鋭意研究を進めた結果、反射膜に欠陥
が生ずるのはスパッタリングに際して発生するプラズマ
の輝度が高く、イオンや中性粒子を含むプラズマの熱に
よりプラスチックス基板の表面が粗化を起こすためであ
ることを見出した。
【0007】すなわち本発明は、上記のようなプラズマ
の熱放射による基板の損傷を生ずることを防止しながら
密着性が高いアルミニウム反射膜を得ようとするもので
あって、成膜能率の高いスパッタリング法によりプラス
チックス基板上に密着性が高くかつ欠陥の少ないアルミ
ニウム系金属の反射膜を形成する方法を提供することを
目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
プラスチックス基板上に金属性光学反射膜を形成するに
あたり、圧力200Pa以下のヘリウム又は水素の雰囲気
内で直流グロー放電により発生した荷電粒子に暴露する
ことにより該プラスチックス基板の表面を改質した後、
該改質面に対してアルミニウム系金属のスパッタリング
成膜を行うことを特徴とする光学反射膜の形成方法によ
って達成することができる。
【0009】本発明の光学反射膜の形成方法における第
1工程では、プラスチックス基板の表面をエネルギーレ
ベルの高いイオンや電子のような荷電粒子に暴露するこ
とにより改質するものであり、これによって基板表面の
粗化を発生させることなく第2段階のアルミニウム系金
属のスパッタリング成膜が行なえるものであるが、かか
る第1工程における荷電粒子はヘリウム又は水素を含む
圧力200Pa以下の雰囲気内で直流グロー放電により発
生させることができる。
【0010】上記のような直流グロー放電による荷電粒
子は、基板と同等以上の放電面積を有する電極を用いこ
れを囲むように対設した陽極との間に直流電圧を印加し
て、200Pa以下のヘリウム又は水素雰囲気中でグロー
放電させることにより得られるが、かかる荷電粒子はエ
ネルギーレベルが高くて主として紫外線成分の放射光を
発し、波長の長い赤外線成分の放射が少ないものであ
る。しかし放電のエネルギー密度が高過ぎるとグロー放
電が不安定となって基板の損傷を招き易いので、電極に
おける放電電圧と放電電流密度との比が106 〜108
V・cm2 /Aの範囲内となるような条件で放電させるこ
とが好ましい。このようなグロー放電によって発生した
荷電粒子を用いてプラスチックス基板の表面処理をすれ
ば、処理時間が比較的に短くても効果的に密着性の改善
が行われ、しかも処理時間が長くなり過ぎても基板面の
損傷が少ない。
【0011】このような前処理工程を経た基板に対して
次にアルミニウム系金属のスパッタリング成膜する第2
工程を実施するが、かかるスパッタリング成膜はたとえ
ばアルゴン雰囲気下で発生させた荷電粒子によりアルミ
ニウム系金属ターゲットの表面を衝撃するなどの通常の
方法によって行うことができ、特に限定された成膜条件
は必要とされない。
【0012】
【作用】本発明の方法に従って第1工程の直流グロー放
電による荷電粒子処理を受けた基板の表面は、赤外線成
分の照射による粗化作用を受けることがなく改質され
る。そしてかかる改質を受けた基板面は、次のアルゴン
雰囲気でのスパッタリング成膜工程において損傷を受け
ることがなく、密着性の高いアルミニウム反射膜を形成
することができる。
【0013】
【実施例】
(実施例1)真空発生装置を備えた処理室内の上部に、
直径40cmの円盤状電極を水平に設けてこれに負電圧を
印加できるようにし、この円盤状電極の下方にこれより
直径がやや大きい環状電極を同軸となるよう水平に設け
て接地した。そして円盤状電極の下方位置に直径30cm
のアクリル樹脂製光ディスク基板を設置し、処理室内を
排気したのちヘリウム雰囲気として圧力を80Paとなる
ように調整し、円盤状電極に−2kVの電圧を印加して1
80mA(電流密度:1.4×10-4A/cm2 )のグロー放
電を発生させ、30秒間処理した。
【0014】こうして第1工程の前処理を行ったアクリ
ル樹脂基板をスパッタリング成膜装置に移し、圧力0.
5Paのアルゴン雰囲気中で純アルミニウムターゲットに
対して電圧−0.4kVを印加して、電力10kWの条件で
スパッタリング成膜し、厚さ80nmのアルミニウム反射
膜付のアクリル樹脂ディスクAを形成した。
【0015】(比較例1)実施例1で用いた未処理のア
クリル樹脂基板を真空蒸着装置内に取り付け、圧力0.
01Pa以下で純アルミニウムの蒸着を行い、厚さ80nm
のアルミニウム反射膜付のアクリル樹脂ディスクBを形
成した。
【0016】(比較例2)実施例1で用いた未処理のア
クリル樹脂基板をスパッタリング成膜装置内に取り付
け、実施例1の第2工程のスパッタリング条件と同一の
条件下で純アルミニウムの成膜を行い、厚さ80nmのア
ルミニウム反射膜付のアクリル樹脂ディスクCを形成し
た。
【0017】(比較例3)実施例1で用いた未処理のア
クリル樹脂基板をスパッタリング成膜装置内に取り付
け、雰囲気ガスとしてアルゴンを導入しながら約0.5
Pa程度の圧力下で、印加電力10kWで0.8秒間の純ア
ルミニウムのスパッタリング成膜を行い、続いて導入ガ
スをヘリウムに変更して約5Pa程度の圧力下で、印加電
力15kWで3.8秒間のスパッタリング成膜を行い、更
に導入ガスをアルゴンに変更して約0.5Pa程度の圧力
を保持しながら印加電力10kWで3.3秒間スパッタリ
ング成膜を継続し、厚さ80nmのアルミニウム反射膜付
のアクリル樹脂ディスクDを形成した。
【0018】これらのアクリル樹脂ディスクA〜Dにつ
いて、アルミニウム反射膜と基板との密着力を粘着テー
プ法により測定して10段階評価(数字が大きい方が優
れている)を行い、また信号再生試験によって信号対ノ
イズ比(dB値が大きい方が優れている)を測定して、
表1に示した。この結果を見ると、本発明の方法によれ
ば蒸着法による反射膜とほぼ同等の性能を有するアルミ
ニウム反射膜が得られることがわかる。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例2〜6)実施例1で用いたのと同
じ装置を用い、また実施例1で用いたのと同様なアクリ
ル樹脂基板を用いて、表2に示すように電極と基板との
距離、雰囲気ガスであるヘリウムの圧力、印加電圧、電
極の放電電流密度、及び処理時間をそれぞれ変化させて
第1工程を実施し、その後実施例1と同様にして第2工
程のスパッタリング成膜を行って、それぞれ厚さ80nm
のアルミニウム反射膜付のアクリル樹脂ディスクE〜I
を形成した。
【0021】これらのディスクについて上記と同様にア
ルミニウム反射膜の密着力と信号対ノイズ比の測定を行
ったところ、いずれも実施例1によって得られたアクリ
ル樹脂ディスクAと同じ性能を有していることがわかっ
た。
【0022】
【表2】 ─────────────────────────────────── ディ 処理室圧力 電圧 電流密度 処理時間 電極・基板間距離 スク (Pa) (kV) (A/cm2) (sec) (mm) ─────────────────────────────────── E 80 2.0 1.4X10-4 40 190 F 100 1.7 1.8X10-4 45 190 3G 120 1.6 2.0X10-4 45 190 H 80 2.0 1.4X10-4 30 130 I 80 2.0 1.4X10-4 15 70 ───────────────────────────────────
【0023】(実施例7)第1工程における雰囲気ガス
をヘリウムに代えて水素とした他は実施例1と全く同様
にして第1工程と第2工程とを続けて実施し、厚さ80
nmのアルミニウム反射膜付のアクリル樹脂ディスクJを
形成した。このディスクについて上記と同様にアルミニ
ウム反射膜の密着力と信号対ノイズ比の測定を行ったと
ころ、実施例1によって得られたアクリル樹脂ディスク
Aと同じ性能を有していることがわかった。
【0024】
【発明の効果】本発明の光学反射膜の形成方法によれ
ば、第1工程で基板に対して直流グロー放電による荷電
粒子処理を行い、次に第2工程で通常のスパッタリング
方法、たとえばアルゴン雰囲気でのスパッタリングなど
の方法によって効率的な成膜を行うことができ、しかも
欠陥が少なくて密着性の高いアルミニウム反射膜を形成
することができる効果がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックス基板上に金属性光学反射
    膜を形成するにあたり、圧力200Pa以下のヘリウム又
    は水素の雰囲気内で直流グロー放電により発生した荷電
    粒子に暴露することにより該プラスチックス基板の表面
    を改質した後、該改質面に対してアルミニウム系金属の
    スパッタリング成膜を行うことを特徴とする光学反射膜
    の形成方法。
JP7448993A 1993-03-31 1993-03-31 光学反射膜の形成方法 Pending JPH06289206A (ja)

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JP7448993A JPH06289206A (ja) 1993-03-31 1993-03-31 光学反射膜の形成方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10259197B2 (en) 2015-03-31 2019-04-16 Toyoda Gosei Co., Ltd. Decorative product and method of manufacturing decorative product

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10259197B2 (en) 2015-03-31 2019-04-16 Toyoda Gosei Co., Ltd. Decorative product and method of manufacturing decorative product

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Legal Events

Date Code Title Description
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020115