JPH06289196A - 高速原子線源 - Google Patents

高速原子線源

Info

Publication number
JPH06289196A
JPH06289196A JP9710593A JP9710593A JPH06289196A JP H06289196 A JPH06289196 A JP H06289196A JP 9710593 A JP9710593 A JP 9710593A JP 9710593 A JP9710593 A JP 9710593A JP H06289196 A JPH06289196 A JP H06289196A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anode
electric discharge
gas
cathode
electrons
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9710593A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Hatakeyama
雅規 畠山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP9710593A priority Critical patent/JPH06289196A/ja
Publication of JPH06289196A publication Critical patent/JPH06289196A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Accelerators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低エネルギーの、粒子線束の高い高速原子線
を効率よく放出できる高速原子線源を提供する。 【構成】 高速原子放出孔を有する陰極21と、該陰極
21と所定間隔を有して配置された陽極22と、両電極
を内蔵する外筒容器23と、前記陽極22の上流部に配
置された外筒容器23内に反応ガスを導入するガスノズ
ル4と、前記外筒容器23内のガスノズル4から前記陽
極22間の陽極上流部にマイクロ波25を導入する手段
24と、前記陰極21および前記陽極22間に接続され
て両電極間の放電部に放電を起こす直流高圧電源3とか
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速原子線源に係り、
特に、低い放電電圧で低エネルギーの原子線を効率よく
放出することのできる高速原子線源に関する。
【0002】
【従来の技術】常温の大気中で熱運動している原子・分
子は、概ね0.05eV前後の運動エネルギーを有してい
る。これに比べてはるかに大きな運動エネルギーで飛翔
する原子・分子を「高速原子」と呼び、それが一方向に
ビーム状に流れる場合に「高速原子線」と呼ばれてい
る。係る高速原子線は、固体表面を削り、あるいは変性
させる等の加工等に用いることができ、特に電気的に中
性であるため、金属、半導体分野への適用に限られず、
従来イオンビーム法が不得意としていたプラスチック、
セラミック等の絶縁物を対象とした加工にも威力を発揮
できる。
【0003】図2は、従来発表されている、気体原子の
高速原子線を発生する高速原子線源のうち、運動エネル
ギーが0.5〜10keV のアルゴン原子のビームを放射
する高速原子線源の一例を示している。図中、1は外囲
器を兼ねた円筒形の陰極、2はドーナツ状の陽極、3は
0.5から1kVの直流高圧電源、4はガスノズル、5は
アルゴンガス、6はプラズマ、7は高速原子線の放出
孔、8は高速原子線を示している。
【0004】この高速原子線源は、以下のとおり動作す
る。即ち、直流高圧電源3を除く各構成要素は、真空容
器に内蔵されており、前記真空容器が充分に排気された
のち、アルゴンガス5がガスノズル4から円筒形陰極1
の内部に注入される。そして、直流高電圧が直流高圧電
源3により、陽極2が正電位、陰極1が負電位となるよ
うに両電極間に印加される。
【0005】このことにより、陰極1および陽極2間に
放電が起きてアルゴンガスのプラズマ6が発生し、アル
ゴンイオンと電子とが生成される。その際、円筒形陰極
1の一端側底面から放出された電子は陽極2に向かって
加速され、陽極2の中央の孔を通過して前記円筒形陰極
1の他端側底面に到達する。他端側底面に達した電子
は、ここで速度を失って反転し、あらためて陽極2に向
かって加速され、再び陽極2の孔を通過して陰極1の一
端側底面に到達する。このような電子の繰り返し運動
が、陽極2を介した円筒形陰極1両端面間における高周
波振動となり、その運動の間にアルゴンガスと衝突して
多数のアルゴンイオンを生成する。
【0006】こうして発生したプラズマ6中のアルゴン
イオンは、円筒形陰極1の端面に向かって加速され、充
分な運動エネルギーを得るに至る。また、円筒形陰極1
の両端面近傍の空間は高周波振動する電子の折り返し点
であって、低エネルギーの電子が多数存在する領域であ
る。この領域に入射したアルゴンイオンは、電子と衝
突、再結合してアルゴン原子に戻る。イオンと電子の衝
突において、電子の質量がアルゴンイオンに比べて無視
できる程に小さいため、アルゴンイオンの運動エネルギ
ーは殆ど損失せずにそのまま原子に受け継がれて高速原
子なる。従って、この場合の高速原子の運動エネルギー
は、直流高圧電源3による放電維持電圧が、例えば1kV
のときは、1keV 程度の値となる。この高速原子は円筒
形陰極1の端面に穿設された放出孔7を通って外部に高
速原子線8となって放出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の高速原子線源において、高速原子線の放出量の増加
を図るためには、上記の構造から考えられるように、放
電電圧を上げる、磁石を併用する、反応ガスの圧力を増
す等の方法しかなかった。その結果、高速原子線のエネ
ルギーの増加を招く、装置が大型化する、高速原子線の
エネルギー幅が広がってしまう等の使用上の問題点が多
く使いにくさを伴った。
【0008】係る問題点を解決するため、本出願人によ
り表面に多数の高速原子放出孔を有する板状陰極と、そ
の板状陰極に対向配置された板状陽極と該板状陰極と板
状陽極間にフィラメントを内蔵する構造の高速原子線源
が開示される(特願平3−38607号特許出願)。
【0009】係る構造の高速原子線源によれば、対向し
た板状電極により、粒子線束の高い高速原子線が効率よ
く放射される。又、フィラメントを内蔵することから、
反応ガスの電離が促進され、放電電圧を下げて被加工物
にダメージを与えない微細加工に好適な低エネルギーの
高速原子線源を得ることができる。
【0010】しかしながら、フィラメントを内蔵するこ
とから放電部における反応ガスの流れに外乱が生じ、
又、反応ガス中に不純物が生じる等の問題点がある。
【0011】本発明は、係る従来技術の問題点に鑑み、
低い放電電圧で低エネルギーの、粒子線束の高い高速原
子線を効率よく放出できる高速原子線源を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、高速原子放出
孔を有する陰極と、該陰極と所定間隔を有して配置され
た陽極と、両電極を内蔵する外筒容器と、前記陽極の上
流部に配置された外筒容器内に反応ガスを導入するガス
ノズルと、前記外筒容器内のガスノズルから陽極間の陽
極上流部にマイクロ波を導入する手段と、前記陰極およ
び前記陽極間に接続されて両電極間の放電部に放電を起
こす直流高圧電源とからなることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明は、ガスノズルと陽極間の陽極上流部に
マイクロ波を導入し、ガスノズルより導入される反応ガ
スが陽極より下流の放電部に達する前にガスを電離させ
ることによって、多量の電子を放電部に供給するもので
ある。従って、両電極間の放電部では低電圧で放電維持
を行い、低エネルギーの高速原子線を放出することがで
きる。
【0014】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を
説明する。図1は、本発明の一実施例を示す高速原子線
源の概略の構成を説明するものである。なお、本実施例
では、先の図2によって述べた従来例と同一機能、動作
を有する構成要素については同一符号を用いている。
【0015】図1に示されるように、所定間隔を有して
対向した板状陰極21および板状陽極22が絶縁物(セ
ラミック)外筒23内に配置され、図示しない真空容器
に収めて十分に排気される。両電極21,22は真空容
器の外部に配置された直流高圧電源3、放電安定抵抗9
と接続され両電極間に直流高圧電圧が印加され両電極間
には放電部が構成される。又、板状陰極21は表面に多
数の高速原子線放出孔7が穿設され、高速原子線8を出
射可能に構成されている。ガスノズル4は、真空容器の
外部より外筒23内に反応ガス24を導入するためのも
のであり、外筒23内のガスの流れの板状陽極22の上
流部に配置されており、外筒23内のガスノズル4の入
口から板状陽極22に至る空間が陽極上流部を構成す
る。
【0016】板状陽極22には、反応ガス5を流通する
孔が穿設されており、反応ガス5は、ガスノズル4から
陽極上流部を通って両電極21,22間の放電部に流入
する。外筒23内のガスノズル4と板状陽極22間の陽
極上流部にはマイクロ波を導入するマイクロ波導波路2
4が設けられている。真空容器外に配置されたマイクロ
波の発振器より、マイクロ波が導波路24を経て外筒2
3内の陽極上流部に導入されて、陽極上流部を流れる反
応ガスを励起する。
【0017】次に、上述のごとく構成した高速原子線源
の動作について説明する。まず、高速原子線源及び被加
工対象物が収納された真空容器内を充分に排気したの
ち、反応ガス5を外筒23内にガスノズル4より導入す
る。そして、板状陽極22と板状陰極21の間に直流高
圧電源3より直流高圧を印加し、マイクロ波25を導入
する導波路24よりマイクロ波を陽極上流部の反応ガス
5に照射する。
【0018】反応ガス5は、マイクロ波の照射によって
気体原子が励起され、陽イオンと電子が発生する。陽極
上流部において、マイクロ波により生成された多数の電
子が反応ガス5の流れとともに、陽極22の孔より陽極
22と陰極21間の放電部に入る。アルゴンガス等の反
応ガス5は、陽極22と陰極21間の放電部に導入さ
れ、直流高圧によって放電が発生し、プラズマ6が生成
する。放電部では、あらかじめ反応ガス5は陽極上流部
で電離された多量の電子を含んでいるため、低い放電電
圧で放電の維持が可能となり、放電安定抵抗9は放電電
流を制限する。
【0019】放電部のプラズマ6中では、反応ガス5の
陽イオンと電子が生成されているが、陽イオンは陰極2
1に向かって加速されて大きなエネルギーを得る。加速
された陽イオンは板状陰極21の近傍で残留している反
応ガス5の原子と接触して陽電荷を失い中性の高速原子
となり、あるいは電子との再結合によって陽電荷を失っ
て中性の高速原子となり、高速原子放出孔7から高速原
子線8として放出される。
【0020】外筒23内のガスノズル4の入口と板状陽
極22間の陽極上流部で、反応ガスにマイクロ波を照射
し電離を生じさせる部分には磁場を形成する手段を更に
備えることが好ましい。即ち、例えば外筒23を囲むよ
うに円筒状の電磁石又は永久磁石を設けることにより、
外筒23の陽極上流部に軸方向の磁場が形成される。こ
のような磁場が形成されると、電子サイクロトロン共鳴
効果の利用ができ、より効果的に電離により生じた電子
を陽極22の孔を介して、両電極21,22間の放電部
に供給することが可能となる。従って、陽極上流部に磁
場を設けることにより、より低い放電電圧、即ち低エネ
ルギーの高速原子線を得ることができる。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の高速原
子線源は、陽極上流部のマイクロ波が導入された部分
で、マイクロ波によって気体原子が励起され電離して多
量の電子を発生し、生成された多量の電子は、板状陽極
と板状陰極の間の放電部に供給される。従って、放電部
における反応ガスのプラズマを発生させるのに、直流高
圧電源の電圧を低く維持することが可能となり、低エネ
ルギーの高速原子線8を得ることが可能となる。この効
果は、陽極上流部に磁場を設けることにより、一層促進
される。
【0022】更に、本発明では電離を促進するためのフ
ィラメントを放電部において用いないので、放電部にお
いて反応ガスの流れを乱すこともなく、又、不純物が発
生するという問題も解決される。そして、マイクロ波の
印加により、外部から放電状態の制御が可能となり、
又、放電部に磁場を必要としないので、イオンの加速方
向に影響を及ぼすことなく、粒子線束の高い、高速原子
線を効率的に発生できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の高速原子線源の概略の構成
を示す説明図。
【図2】従来の高速原子線源の説明図。
【符号の説明】
1 円筒形陰極 2 ドーナツ状の陽極 3 直流高圧電源 4 ガスノズル 5 アルゴンガス 6 プラズマ 7 原子放出孔 8 高速原子線 9 放電安定抵抗 21 板状陰極 22 板状陽極 23 絶縁物(セラミック)外筒 24 マイクロ波導波路 25 マイクロ波

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速原子放出孔を有する陰極と、該陰極
    と所定間隔を有して配置された陽極と、両電極を内蔵す
    る外筒容器と、前記陽極の上流部に配置された外筒容器
    内に反応ガスを導入するガスノズルと、前記外筒容器内
    のガスノズルから前記陽極間の陽極上流部にマイクロ波
    を導入する手段と、前記陰極および前記陽極間に接続さ
    れて両電極間の放電部に放電を起こす直流高圧電源とか
    らなることを特徴とする高速原子線源。
  2. 【請求項2】 前記外筒容器内に反応ガスを導入するガ
    スノズルと陽極間の前記陽極上流部に、磁場を形成する
    手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の高速
    原子線源。
  3. 【請求項3】 前記陰極及び陽極が板状で、各々所定間
    隔を有して対向配置されていることを特徴とする請求項
    1又は2記載の高速原子線源。
JP9710593A 1993-03-31 1993-03-31 高速原子線源 Pending JPH06289196A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9710593A JPH06289196A (ja) 1993-03-31 1993-03-31 高速原子線源

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9710593A JPH06289196A (ja) 1993-03-31 1993-03-31 高速原子線源

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06289196A true JPH06289196A (ja) 1994-10-18

Family

ID=14183331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9710593A Pending JPH06289196A (ja) 1993-03-31 1993-03-31 高速原子線源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06289196A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3328498B2 (ja) 高速原子線源
JP2002117780A (ja) イオン注入装置用のイオン源およびそのためのリペラ
JP2509488B2 (ja) 高速原子線源
KR100307070B1 (ko) 고속원자빔공급원
JPH0724240B2 (ja) 高速原子線源
JP3064214B2 (ja) 高速原子線源
JPH06289198A (ja) 高速原子線源
JPH06289196A (ja) 高速原子線源
JP3213135B2 (ja) 高速原子線源
JP3103181B2 (ja) 高速原子線源
JP3186777B2 (ja) プラズマ源
JPH06289193A (ja) 高速原子線源
JPH09223594A (ja) ビーム源及び微細加工方法
JP2627420B2 (ja) 高速原子線源
JPH01161699A (ja) 高速原子線源
JPH0766763B2 (ja) イオン中和器
JPH06289197A (ja) 高速原子線源
JP2671219B2 (ja) 高速原子線源
JP2574857B2 (ja) 高速原子線源
JPH0755999A (ja) 高速原子線源
Boscolo et al. Operation of an electron-cyclotron-resonance ion source with supplemental electron injection
JPH06265696A (ja) 高速原子線源
JPH0837098A (ja) プラズマ発生装置
JPH0778582A (ja) イオン源装置
JPS63143800A (ja) 高速原子線源