JPH06287608A - 金属多孔質材料の製造方法 - Google Patents

金属多孔質材料の製造方法

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JPH06287608A
JPH06287608A JP5109735A JP10973593A JPH06287608A JP H06287608 A JPH06287608 A JP H06287608A JP 5109735 A JP5109735 A JP 5109735A JP 10973593 A JP10973593 A JP 10973593A JP H06287608 A JPH06287608 A JP H06287608A
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JP
Japan
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sheet
fine powder
skeleton
synthetic resin
sintering
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JP5109735A
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Toshihiko Kuroda
俊彦 黒田
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MAAKETSUTO PLAZA KK
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/70Carriers or collectors characterised by shape or form
    • H01M4/80Porous plates, e.g. sintered carriers
    • H01M4/808Foamed, spongy materials
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    • H01M4/64Carriers or collectors
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主として電池プラークの製造において、欠陥
のない、品質バラツキの少い燒結品を高速で生産し、コ
ストを大巾に低減しようとするものである。 【構成】 ウレタン樹脂発泡体骨格にNi微粉末を塗布
し、これを燒結して作る電池プラーク製造法において、
Ni微粉末の塗布工程で交番磁場処理と磁化処理を行っ
て、骨格の周囲に緻密で均一なNi微粉末の層を形成
し、同時にNi微粉末が磁気的に結合した形状安定なシ
ートを作り、乾燥後、デワックスと燒結を高周波コイル
を用いて短時間で完了させるプロセスである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として電池プラーク
(活物質の担体となる焼結板)の製造に関しプラークの
均一性及びその生産性の向上を目標として考案したもの
である。
【0002】
【従来の技術】Ni−Cd電池、Ni−水素電池等二次
電池の正極及び負極プラークの様な三次元網構造を持っ
た薄いNi金属多孔質材料の製造法には各種のものがあ
る。Ni金属の付着方法から代表的な方法を分類する
と、連続気孔を有するウレタン発泡体を基材として、こ
の基材の骨格表面上にNiの無電解メッキ、電解メッ
キ、気相メッキ等メッキを主工程とする方法やNi微粉
末を分散したスラリー中に基材を浸漬して塗布する方
法、及びNiセン維、又は炭素セン維のフェルトを基材
として、これに直接メッキする方法等が検討されてお
り、これらの方法はNi金属の付着工程の後、何れも輻
射式加熱炉の中で熱処理を行って基材の有機物や炭素セ
ン維を分解、揮散、焼失除去することによつてプラーク
が製造される。
【0003】上記各種の製造法において先づ要求される
ことは、Ni金属を基材の骨格表面に均一に付着させる
ことであり、無電解メツキ法は、上記各製造法の中で最
も均一なNi金属被膜を作ることが可能な方法である
が、無電解メツキの條件制御が複雑であるとともに、メ
ツキ速度が遅いことが実際生産には不都合である。
【0004】電気メッキ法では、ミクロ的な電流分布を
制御することは困難であるので、電流密度の大きい箇所
程、局部的にNiが電着しメツキ厚が不均一になるのは
止むを得ない。又、気相メッキにおいても、ウレタン発
泡体の表面、内部とではガスの流れが違うので、メッキ
の均一性を確保するのは容易ではない。
【0005】塗布法においては、Ni微粉末を分散させ
たスラリー中にウレタン発泡体を浸漬して引上げ、ロー
ルの間を通して余分なスラリーを絞り取るという単純で
短時間ですむプロセスであるだけに、スラリーの粘性や
結合剤の有機高分子化合物とウレタン発泡体骨格との濡
れ性等の條件を整え、その経時変化を細かく制御するこ
とが必要であり、これ又Ni金属微粉末の塗着量の均一
性を保証するのは容易ではない。
【0006】上記各種の方法によってウレタン発泡体の
骨格表面にNi微粉末を塗着した後、従来の製造法で
は、いづれもこれを輻射式加熱炉で熱処理することによ
って、基材及び結合剤の有機物を分解、揮散させ、引続
き基材骨格表面に塗着されていたNi金属微粉末を焼結
させるのであるが、この工程は、基材等の消失は早い
が、Ni金属粉末の焼結が遅いので、不安定な過渡的状
態がしばらく続く。従って、この期間は移動による機械
的振動衝撃はできるだけ避けなければならない。全体の
生産速度は燒結速度によって決まり、通常燒結帯を移動
するNi金属微粉末付着発泡体シートの速度は、燒結時
発生する20%を越える大きな寸法収縮を考慮すると、
200mm/分を越えることは実際上困難である。生産
速度を増大するためには、燒結炉の長さを延長すること
が必要となり、加熱電力や雰囲気調節のための水素ガス
所要量も増加し、コスト高となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、従来の各
製造法では、合成樹脂発泡体の骨格表面や無機質セン維
表面へのNi金属の付着量の制御は、マクロ的には行え
るものの、一つ一つの骨格やセン維への均一塗布のため
のミクロ的制御は全く行っていないし、又、行うことが
不可能であるので、成り行きに委せるより仕方がない。
このことは、電池プラークの強度の不均一、活物質充填
量のバラツキ等の原因となり、電池性能のバラツキにも
影響することになる。もう一つの問題は、緩慢な燒結速
度による生産性の低さである。燒結速度を大巾に増加す
ることができれば、生産性は向上し、コストが低減で
き、低公害のNi−水素電池の普及促進につながる。本
発明は、プラークの均一性を確保する手段と生産速度の
増大を実現する方法とを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】合成樹脂発泡体のシート
をNi微粉末と高分子結合剤とからなるスラリーの中へ
浸漬し、次いでスラリー液面に接近して垂直に設置した
ソレノイドコイル又はへルムホルツコイルの中を通す
か、或はソレノイドコイルを環状に曲げてその両端面が
シートの両面、又は両断面を挟む様に設置された間を通
してシートを引上げる。この時、前記ソレノイドコイル
又はヘルムホルツコイルには5乃至30ヘルツの交番電
流を流しておくと、シートに付着しているNi微粉末は
交番電流の周期に対応して上下又は左右、前後に振動す
るので、シートの骨格表面周囲に均一且つ緻密に整列す
る。
【0009】引き続いてダブルロール絞り装置によって
余分なスラリーを除去し、紙テープ等の裏うちを施し、
今度は直流電流を通じたソレノイドコイル又はベルムホ
ルツコイル又は強力な永久磁石の間隙を通過させること
により、骨格表面のNi微粉末を磁化し、Ni微粉末同
志を磁気的に結合させると、高分子結合剤の粘性と相ま
ってNi微粉末が剥げ落ち難い形状の安定した生シート
ができ上がる。この生シートは、乾燥工程においても付
着しているNi微粉末が剥げ落ちることはなく、又、乾
燥シートのハンドリングは従来の技術によって作られた
ものに比べて極めて容易である。
【0010】乾燥シートの燒結は、高周波コイルの中を
シートが通過する比較的短時間内に実行する。通常、高
周波コイルは2ケ準備し、第1段の高周波コイルではシ
ートが350℃を越えない様に出力を制御しながら不活
性ガスを流し、主として合成樹脂分を分解、気化、除去
する。この時、合成樹脂発泡体骨格周囲にあるNi微粉
末は、磁性によって相互に結合したまゝであるので、合
成樹脂分が抜け去っても殆ど元の寸法形状のまゝを維持
しており、収縮は極めて僅かである。燒結に先立って、
有機物質分を予め除去する操作を通常デワックスという
が、このデワックスは必ずしも高周波コイルを使用する
必要はなく、輻射式加熱炉でもよいが、後工程の急速燒
結との速度整合をとるためには高周波コイルによるのが
有利である。
【0011】合成樹脂分が抜け去ったシートは、引続い
て第2段の高周波コイル中を移動する間に1,200℃
乃至1,400℃に急激に発熱して燒結が完了する。第
2段の高周波コイル通過時間は通常10秒以内であり、
シートの移動速度に応じて高周波出力を制御して燒結を
完結させる。コイルの内部へは水素ガスを送り、雰囲気
を還元性に維持するのは従来の技術と同様であるが、シ
ートの寸法収縮は10%以内にとどまる。
【0012】以上の様にして、均一なNi量の骨格を持
ち、燒結収縮が小さいので空隙率が大きく、バラツキの
少ない電池プラークが従来の方法に比べて格段に高速度
で生産できるのである。非磁性の材料、例えばステンレ
ス鋼粉末でプラークを作る場合には、燒結工程のみが本
発明の適用対象となるが、速やかな燒結速度は生産のコ
スト低減のために充分その効果を発揮することができ
る。
【0013】高い電力密度を投入する場合には、1回巻
き又は少数巻きコイルを使用し、均一加熱をする場合に
はコイルの中央部をやゝ密に変えた長目のものを用い
る。又シートを動かさずコイル自体を移動させてもよい
が、この場合平面加熱用高周波コイルを用いる方がシー
トと高い電磁結合密度がとりやすく長いシートの燒結に
は有利である。
【0014】
【作 用】本発明は、電池プラークを作るためのNi粉
末燒結法のうち、Ni微粉末の塗布プロセスと燒結プロ
セスに関する改良を目指している。Ni微粉末を分散さ
せたスラリー中に合成樹脂発泡体を浸漬した時、合成樹
脂発泡体の骨格表面が結合剤の高分子化合物によって濡
れるので、それに伴ってNi微粉末も骨格周囲に塗布さ
れるのであるが、500C.P乃至3,000C.Pの
粘度のスラリーの中で、多数の骨格のすべてに短時間内
に欠陥なく塗布されるかどうか疑わしい。スラリーの粘
度を下げるとスラリーの浸透性は向上するが、Ni微粉
末の分散性が低下し、欠陥のある薄い塗膜となるし、粘
度を上げると骨格まわりへのスラリーの浸透がおそくな
り、Ni付着の不完全の原因となる。
【0015】従って、シート細部までスラリーが浸透
し、骨格周囲にNi微粉末が凝集する時間を与えるた
め、浸漬時間を延長するか、シート自体に振動を与える
等の操作を行って、より完全な塗着を促している。勿論
この後、余分なスラリーをローラーで絞り取る際、スラ
リーをシート内部へ押し込む力が作用するが、これだけ
で完全とは云えない。
【0016】本発明ではこれを解決するために、合成樹
脂発泡体シートを上記スラリーに浸漬して引上げる際
に、一定時間交番磁場を与え、シートに付着しているス
ラリーのNi微粉末を上下又は左右、又は前後の方向に
振動させ、骨格表面にできるだけ緻密に充填し骨格の周
りに凝集させると同時に若し、スラリーがまわっていな
い欠陥部分があれば、この振動操作によってその部分へ
スラリーが充填するので完全な塗着が達成できる。
【0017】交番磁場は、ソレノイドコイル又はヘルム
ホルツコイルに交番電流を流すことによって簡単に作る
ことができる。コイルの中をシートを垂直に引上げる
と、シートに付着しているNi微粉末はシートの動く方
向及び逆方向に振動するし、又ソレノイドコイルを環状
に曲げてその両端面でシートを狭む様に設置すると、N
i微粉末はシートの動く方向に対して前後、又は左右に
振動させることができる。
【0018】交番数は、スラリーの粘度、Ni微粉末の
大きさ、濃度 等によって選ぶ必要があるが、概ね5乃
至30ヘルツの値をとればよい。この範囲では、シート
に付着しているスラリーは電磁流体として挙動する。3
0ヘルツより大きい交番磁場では、スラリー粘度やNi
微粉末の慣性のために振動が抑制され、実際にはNi微
粉末の変位が起らず、有効な振動を与えることができ
ず、充填の効果が発揮できない。
【0019】交番磁場による処理を経たシートは、余分
なスラリーをロールで絞り取った後直ちに磁化処理を受
ける。磁化処理の目的は、合成樹脂発泡体骨格表面に均
一に塗着したNi微粉末同志を磁気的に結合し、シート
の形状を安定化させるとともに次の乾燥、燒結工程にお
けるNi微粉末の剥離防止とシートの形状の維持にあ
る。
【0020】従来の技術による場合、高分子化合物結合
剤の骨格への接着に伴ってNi微粉末も骨格周辺に集合
するが、Ni微粉末間は結合剤の薄膜によって隔てられ
ているのでNi微粉末同志の凝集力は弱い。この状態で
ゆっくり乾燥すれば、形状を保持したまゝ分散媒体とし
ての水又は有機溶剤を揮散させることはできる。乾燥工
程をスピードアップしようとすると、送風速度や脱ガス
量が増加し、Ni微粉末の骨格表面からの脱落が発生す
る様になる。これを防ごうとして結合剤量を増加すると
Ni粉末同志の距離が大きくなり、乾燥時の収縮、更に
燒結時の収縮が大きくなって、燒結速度にも影響してく
る様になる。
【0021】本発明では、ロール絞り後のシートを直流
電流を流したソレノイドコイル又はヘルムホルツコイル
の中を通過させ、その間にシート内のNi微粉末を磁化
してNi微粉末同志を磁気的に結合させる。磁化の方向
は必ずしもシートの移動方向又はその逆方向に限ること
なく、ソレノイドコイルを環状に曲げてその両端面を挟
むように対峙させると、シートの移動方向に対して直角
の方向に磁化することができる。
【0022】この磁化操作によって、Ni微粉末は高分
子化合物結合剤にのみ頼ることなく、磁気的に相互に引
合い、骨格表面に密着する様に力が働くので、その位置
は安定する。この際、従来の塗布操作において、しばし
ば発生するスラリーによる合成樹脂発泡体の空孔の目詰
り部分は、Ni微粉末同志が強く引合うことによって破
裂し改善される。又、高分子化合物結合剤以外にもNi
微粉末を結合する力即ち磁気力が働くので、従来の塗布
用スラリーの高分子化合物結合剤の濃度を低くすること
が可能で、それだけスラリー粘度も低下し浸透、塗布が
容易化される。斯くして本発明の方法によれば、合成樹
脂発泡体骨格表面上にNi微粉末の安定な皮膜の骨組み
が完成し、この骨組みはNiのキューリ点(358℃)
まで維持される。
【0023】前述した通り、本発明により交番磁場塗
布、磁化処理した合成樹脂発泡体シートは、従来の方法
に比べNi微粉末が緻密に接触し、凝集結合しているの
で燒結性が向上する。燒結操作に先立って、通常は基材
となっている合成樹脂発泡体を分解・気化する操作、所
謂デワックスが行われる。この操作は必ずしも高周波を
使って実行する必要はなく、輻射加熱式トンネル炉を用
いてもよいが、本発明における様に高速でシートが移動
する場合には単位時間に発生する分解ガスや煤を排除す
るための不活性ガスの送風量も大きくする必要があり、
炉内の狭い空間を高速のガスが大量に流れると激しい乱
流が生じ、支持基材を失ったNi微粉末の集合骨格は崩
れやすい。従って、デワックス操作も高周波コイルを含
む比較的広い空間の中でシートを加熱して、この空間に
おけるガス流速を緩慢にしてNi微粉末骨格の崩壊を防
ぐようにした方がよい。
【0024】高周波コイル加熱によるデワックス操作に
おいて、シートの温度は勿論Niのキューリー点即ち3
58℃以下に制御されるべきである。320℃乃至34
0℃に加熱されると基材の合成樹脂発泡体は充分分解・
気化する一方Ni微粉末は磁気的に結合したまゝである
ので、シートは安定な形状を保持することができるので
ある。従来の技術ではデワックス操作においても、かな
りの収縮が起きるが、本発明においては殆んど収縮が起
きないので、亀裂発生の恐れがなく、次の燒結コイルま
で安定した形状のまゝで移動することができる。
【0025】シートが燒結用高周波コイル内を通過する
十秒間以内に燒結は完了する。これは輻射・伝熱といっ
た過程を経ずに、Ni微粉末の自己発熱による燒結とい
う過程をとるからである。高周波によって金属が加熱さ
れる場合、表皮効果のため金属の表面部分のみが発熱す
るが、電池プラークのように1mm乃至2mmと薄く且
つ網状立体構造の細い骨格表面に付着しているNi微粉
末層も極く薄く、しかもスポンジ状ですべての部分がい
わば表面を形成しているとみられるので、高周波エネル
ギーの供給が一部に偏って局部発熱する様なことはな
い。高周波コイル中にあるNi微粉末各粒子が一斉に発
熱し均一に且つ迅速に燒結が進行するので、それに対応
してシートを移動すると、連続的に金属多孔質シートを
作ることができる。
【0026】従来の輻射加熱式トンネル炉による燒結法
におけるシートの移動速度は100mm/分乃至200
mm/分が一般的で、これより移動速度を増加しようと
すれば、炉の温度を上げ、又炉の長さを延長することが
必要となり、それによりシートの収縮亀裂の発生や水素
ガス、電力所要量の増大等のマイナス面も増加する。こ
れに対し、本発明では速効的な高周波エネルギー出力の
連続調節によって、燒結の進行が細かく制御できるの
で、シートの移動速度は自由に変更できる。高周波燒結
法では燒結が短時間で進行するので、通常シートの移動
速度は1,000mm/分乃至1,500mm/分であ
り従来の技術に比べて格段の高速である。高周波コイル
を2段3段と多段に設置し、それぞれのコイルの出力レ
ベルを調節して燒結ステップを円滑に進行させる方法も
ある。高周波燒結法においては、燒結炉は実質的にはコ
イルの長さですむので、極めて小型にまとめることがで
きる。
【0027】先述した通りシートはそのまゝにしてお
き、円形コイルの中心がシートの中心線に沿って移動す
る様にコイルの方を移動させてデワックスや燒結操作を
遂行することができる。円形コイルの移動法において
は、シートの支持機構の関係であまり長い距離の移動は
適さないが、平面加熱用の平らな面をもつ高周波コイル
ではコイルをシートに1〜3m/mまで接近させて電磁
結合密度を大に保って移動させればよく、シートは平板
上に置くだけで支持できるので、原理的には燒結長さの
制約はない。
【0028】従来の技術における粉末燒結法では、燒結
時 約20%の寸法収縮を伴うので、シートを一定速度
で連続的に燒結炉へ送りこんでも、炉内において進行方
向と直角に亀裂が発生しやすく、これを見込んで送り側
においてシートにたるみをつける等の対策を行っても収
縮の発生に同期させることは実際上困難であるが、本発
明においては前工程までの措置によるNi微粉末の密着
充填と、高周波コイル内のすべてのNi粒子が同時に
燒結を開始し短時間の内に燒結が完了するので、大きな
収縮は起らず亀裂の発生が防止される。従って、シート
の送り操作に特別な装置をつけ加える必要はなく、又、
燒結シートの巻き取りも容易となり、合成樹脂発泡体シ
ートのNi微粉末スラリー浸漬から燒結まで連続工程を
組むことが可能となる。
【0029】燒結時収縮が小さいということは、燒結前
とPPI(1インチあたりのポア数のこと。電池プラー
クの特性の一つ)は、あまり変らないということで、空
隙率は基材の合成樹脂発泡体に近いことを示している。
一方、従来の燒結法によると収縮が大きいのでPPIは
増加するが一つ一つのポアも収縮し、全体としては空隙
率が減少するので電池活物質の充填量が減少してしまう
ことになる。本発明の高周波燒結法は又、収縮が小さい
ので単位面積当りのNi重量が従来法よりも少くコスト
上からも有利である。
【0030】本発明がもたらす有利性の一つとして原料
のNi微粉末の粒度に対する自由度を挙げることができ
る。即ち、従来の粉末燒結法では、燒結性の向上や必要
な引張り強度を達成するための手段として、特に電池プ
ラーク用に調整されたNi微粉末を選んだり、又、市販
のNi微粉末を更に解砕して使用すること等が行われて
いるが、本発明ではNi微粉末自体の形状、大きさ、粒
度、粒度分布に神経質になる必要はない。之等によって
惹き起されるトラブルは、前述までの説明の通り交番磁
場処理、磁化処理、高周波燒結によって解決されるの
で、例えば、スラリー原料Ni微粉末としてInco社
製ニッケルType123でもType255の何れで
も燒結強度は変りなく、Ni微粉末の粒度や粒度分布に
製品の物性が左右されないことは、生産上極めて有利な
ことである。
【0031】
【実施例】出発基材は、従来の粉末燒結法で用いられる
ものと同じウレタンフォーム(ブリジストン社製HR5
0)を用いた。Inco社製Type123Ni微粉末
65wt%、フェノール樹脂エマルジョン25wt%、
残り水10wt%の配合物をボールミル中で10分間混
合したスラリー液中に巾100mm、長さ1,000m
mの上記ウレタンフォームのシートを端から浸漬しなが
ら、Niスラリー液中に設けたローラーガイドによって
垂直方向に曲げて直径200mm 長さ100mmのヘ
ルムホルツコイルの中を上方1,200mm/分の速度
で引上げた。ヘルムホルツコイルの両線輪には25ヘル
ツの交番電流を流してあるので、コイルを通過する間
に、125回/秒以上の振動がシートに付着しているN
i微粉末粒子に与えられたことになる。この後、2本の
硬質ゴムローラの絞り機構によって余分なスラリーを絞
り取られたシートは、直径120mm 長さ500mm
のソレノイドコイルによって作られる強力な磁場の中を
通過させて、Ni微粉末を磁化させ磁気的に結合させ
た。磁場の強さは約1キロ・エルステッドとした。この
シートを通風式乾燥炉で130℃の熱風を送りながら乾
燥したが、乾燥工程中は勿諭、乾燥終了後の取扱い 例
えば多少折り曲げてもNi微粉末が脱落することは全く
なかった。尚乾燥の工程では収縮による寸法変化は殆ん
どなかった。
【0032】次に5KW,1,000キロヘルツの高周
波電源に連結した直径150mm、長さ250mmの高
周波コイルの中に1,200mm/分の速さで上記乾燥
シートを送り込み、出口側より50mm内部のシート表
面の温度を赤外線温度計で計測し350℃を越えない様
に出力を調節した。高周波コイルは鉄製容器で囲われて
おり、シートの出口から入口に向って、毎秒1lの窒素
ガスを送り、シートの基材であるウレタンフォームの骨
格やスラリー中の高分子化合物結合剤の大部分が分解し
て発生するガスや煤をパージした。このデワックス操作
に引続いてシートは10KW,1,000キロヘルツの
高周波電源に連結された直径120mm長さ200mm
(9回巻き)の高周波コイル中で加熱された。ここで
は、毎秒2lの水素ガスを送入しながら、一挙にNi微
粉末の燒結温度にまで昇温した。即ち、コイル出口から
50mm内部のシート表面温度を赤外線温度計で計測し
ながら、1,350℃±20℃におさまる様に出力を制
御することによりコイル内シートのNi微粉末粒子が一
斉に発熱して、僅か約10秒のコイル通過時間内に燒結
を完了した。
【0033】寸法収縮は縦方向で5%、横方向で3%程
度であった。長さ950mmの燒結シートには、どこに
も縦、横何れの方向の亀裂も見られなかつた。又、この
シートを縦、横に60。曲げても亀裂は発生しない。燒
結シートの物理的性質の測定結果は次の通りである。 引張り強度 Kg/20mm巾 縦 5.0 横 3.6 伸び % 縦 15 横 14 単位重量 g/m 550
【0034】
【発明の効果】前記作用の項で述べたことから、本発明
の効果をまとめると次に記載する様になる。
【0035】Ni微粉末スラリー塗布したシートに交番
磁場をかけることにより、基材のウレタン樹脂発泡休骨
格の周囲にNi微粉末を緻密に且つ欠陥なく均一に塗着
できるので製品のバラツキが減少する。
【0036】Ni微粉末スラリーを塗布したシート上の
Ni微粉末に磁化処理を行つて、Ni微粉末同志を相互
に磁気的に結合させることにより、シート形状が安定に
保持されるので、乾燥、デワックス工程においてNi微
粉末の剥離や脱落を防止できる。
【0037】デワックス及び燒結に高周波エネルギーを
用いることにより、短時間にデワックス、燒結が実現し
生産性が格段に上昇する。
【0038】高周波燒結法によると、燒結シートの寸法
取縮が小さく、亀裂の発生が防止できる。
【0039】収縮が小さいことは、基材発泡体に近い空
隙率が維持できることで、電池活物質の充填量が増加す
る。
【0040】収縮が小さいことはまた、燒結シートの単
位重量(Nig/m)が小さく、Niの所要量が減少
して、コスト面で有利となる。
【0041】交番磁場処理、磁化処理、高周波燒結とい
う一連の操作を行うことで、原料のNi粒度、粒度分
布、形状等に基づくトラブルが避けられるので、Ni微
粉末のタイプ選択の自由度が大きい。
【0042】デワックス、燒結の装置が小型化するの
で、分解ガスのパージ用の不活性ガス或いは還元性雰囲
気用の水素ガスの所要量が少くて済む。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として有機高分子からなる結合剤中
    に、強磁性の金属又は合金の微粉末を分散させたスラリ
    ー中に、三次元網構造を有する合成樹脂発泡体を浸漬し
    て、その骨格表面に前記強磁性の金属又は合金の微粉末
    を塗布する工程において、スラリーから引上げた合成樹
    脂発泡体に交番磁場をかけて、合成樹脂発体上の強磁性
    の金属又は合金の微粉末を合成樹脂発泡体の骨格周囲に
    整列・付着させ、更に磁化処理を行って強磁性の金属又
    は合金の微粉末を磁気的に結合させた金属粉末付着シー
    トを作製した後これを乾燥し、次いで非酸化性雰囲気に
    保たれた高周波コイル中を通過させるか又は高周波コイ
    ル自体を移動させて加熱することによって合成樹脂発泡
    体骨格及び結合剤である有機高分子化合物を分解、気
    化、消失させると同時に強磁性の金属又は合金の微粉末
    を焼結させることを特徴とする金属多孔質材料の製造方
    法。
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