JPH06286590A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JPH06286590A
JPH06286590A JP7341093A JP7341093A JPH06286590A JP H06286590 A JPH06286590 A JP H06286590A JP 7341093 A JP7341093 A JP 7341093A JP 7341093 A JP7341093 A JP 7341093A JP H06286590 A JPH06286590 A JP H06286590A
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JP
Japan
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pressure
master cylinder
cylinder pressure
brake
wheel
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Application number
JP7341093A
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English (en)
Inventor
Eiji Yagi
英治 八木
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスタシリンダ圧を信号圧として用い高自由
度にてブレーキ液圧を制御するブレーキ液圧制御装置に
おいて、圧力センサを用いない信頼性が高くコスト的に
有利な制御システムとしながら、ブレーキ液圧制御精度
を確保すること。 【構成】 マスタシリンダ圧の発生に関連する間接的情
報に基づいてマスタシリンダ圧を推定するマスタシリン
ダ圧推定手段fを設け、このマスタシリンダ圧推定値に
よりブレーキ増減圧指令値を補正して液圧制御弁eのソ
レノイドdに対してソレノイド駆動電流を出力する駆動
電流出力手段hを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マスタシリンダ圧を信
号圧として用い高自由度にてブレーキ液圧を制御するブ
レーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マスタシリンダ圧による推力を増
圧方向に、またソレノイドによる推力を減圧方向に受け
るスプールを有する比例弁タイプの液圧制御弁によりホ
イールシリンダへの液圧を制御するブレーキ液圧制御装
置としては、例えば、特開平4−87867号公報(特
願平2−202010号)に記載されている装置が知ら
れている。
【0003】この従来装置では、ソレノイドに供給する
電流値を変化させることによりホイールシリンダ圧を変
化させることができるため、この装置により、急制動時
や低μ路制動時等において制動ロツクを防止するアンチ
スキッドブレーキ制御を行なうことができる。このアン
チスキッドブレーキ制御において、液圧制御弁のスプー
ルには、マスタシリンダ圧による推力が増圧方向に与え
られているため、このマスタシリンダ圧が変化すると、
ホイールシリンダ圧も変化することになり、マスタシリ
ンダ圧の変化量や変化速度が大きい時には、ブレーキ液
圧制御精度が低下することから、マスタシリンダ圧とホ
イールシリンダ圧の少なくとも一方を検出する圧力セン
サを設け、この圧力情報に基づいてソレノイドに印加す
る電流値を補正するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のブレーキ液圧制御装置にあっては、ブレーキ液圧制
御ループの中に圧力センサが入ってくるものであるた
め、センサフェール時の信頼性を確保するにはフェール
対策を施す必要があるし、圧力センサの使用とフェール
対策により装置コスト的にも不利となってしまうという
問題がある。
【0005】本発明は、上記問題に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、マスタシリンダ圧を信
号圧として用い高自由度にてブレーキ液圧を制御するブ
レーキ液圧制御装置において、圧力センサを用いない信
頼性が高くコスト的に有利な制御システムとしながら、
ブレーキ液圧制御精度を確保することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のブレーキ液圧制御装置では、マスタシリンダ
圧の発生に関連する間接的情報に基づいてマスタシリン
ダ圧を推定するマスタシリンダ圧推定手段を設け、この
マスタシリンダ圧推定値によりブレーキ増減圧指令値を
補正して液圧制御弁のソレノイド駆動電流を制御するよ
うにした。
【0007】すなわち、図1のクレーム対応図に示すよ
うに、ブレーキ操作に応じたマスタシリンダ圧を発生さ
せるマスタシリンダaと、ブレーキ操作とは無関係に液
圧を発生する外部液圧源bと、各車輪の制動を行なうホ
イールシリンダcと、前記外部液圧源bとホイールシリ
ンダcとの間に設けられ、制御圧を増圧する方向にマス
タシリンダ圧による推力を与え、制御圧を減圧する方向
にソレノイドdへの供給電流に応じた推力を与えるスプ
ールを有し、外部液圧源bからの出力液圧を制御する液
圧制御弁eと、マスタシリンダ圧の発生に関連する間接
的情報に基づいてマスタシリンダ圧を推定するマスタシ
リンダ圧推定手段fと、制御目標に応じたブレーキ増減
圧目標値をマスタシリンダ圧推定値により補正してブレ
ーキ増減圧指令値を演算するブレーキ増減圧指令値演算
手段gと、ブレーキ増減圧指令値が得られる駆動電流を
前記液圧制御弁eのソレノイドdに印加する駆動電流出
力手段hと、を備えている。
【0008】ここで、前記マスタシリンダ圧推定手段f
とは、例えば、下記に述べるような手段である。
【0009】(1) 最初のブレーキ液圧の減圧時にマスタ
シリンダ圧が一定量で増加していると仮定してマスタシ
リンダ圧を推定する手段。
【0010】(2) 車輪スリップ変化量に応じてマスタシ
リンダ圧の変化を推定する手段。
【0011】(3) 車輪スリップ変化量及び車体加速度変
化量に応じてマスタシリンダ圧の変化を推定する手段。
【0012】
【作用】ブレーキ液圧制御の一例としてアンチスキッド
ブレーキ制御についてその作用を説明する。
【0013】制動時に車輪が減速スリップによりロック
傾向になると、アンチスキッドブレーキ制御が開始さ
れ、車輪の減速スリップを抑えるようにブレーキ液圧が
減圧制御される。
【0014】このブレーキ液圧制御時、マスタシリンダ
圧推定手段fにおいて、マスタシリンダ圧の発生に関連
する間接的情報に基づいてマスタシリンダ圧が推定さ
れ、ブレーキ増減圧指令値演算手段gにおいて、制御目
標に応じたブレーキ増減圧目標値をマスタシリンダ圧推
定値により補正してブレーキ増減圧指令値が演算され、
駆動電流出力手段hにおいて、ブレーキ増減圧指令値が
得られる駆動電流が液圧制御弁eのソレノイドdに印加
される。
【0015】この駆動電流を増す方向に印加すると、液
圧制御弁eのスプールに対し制御圧を減圧する方向のソ
レノイド推力が与えられ、ホイールシリンダcへのブレ
ーキ液圧は減圧される。また、この駆動電流を減じる方
向に印加すると、液圧制御弁eのスプールに対し与える
ソレノイド推力に対し相対的にマスタシリンダ圧推力が
高まり、ホイールシリンダcへのブレーキ液圧は増圧さ
れる。さらに、一定の駆動電流を印加すると、マスタシ
リンダ圧推力とソレノイド推力とが平衡を保ち、液圧制
御弁eのスプールがストロークしないことで、ホイール
シリンダcへのブレーキ液圧は保持される。
【0016】このブレーキ液圧の減圧・保持・増圧の制
御において、マスタシリンダ圧推定手段fによるマスタ
シリンダ圧の推定に基づきブレーキ増減圧指令値が補正
されていることで、マスタシリンダ圧の変化によるマス
タシリンダ圧推力の変化でホイールシリンダcへのブレ
ーキ液圧が変化することが抑えられ、圧力センサを用い
ないでもブレーキ液圧制御精度が確保される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0018】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0019】図2は請求項1,2記載の本発明に対応す
る第1実施例のブレーキ液圧制御装置を示す全体システ
ム図である。
【0020】図2において、1はブレーキペダル、2は
マスタシリンダ、3は外部液圧源、4はホイールシリン
ダ、5は液圧制御弁、6はフェールセーフバルブ、7は
電磁切換弁、8はパイロット切換弁、9はマスタシリン
ダ圧油路、10は供給圧油路、11は制御圧油路、12
はホイールシリンダ圧油路、13はTCS圧油路、14
はドレーン油路、15はコントローラ、17は入力セン
サ・スイッチ類である。
【0021】前記マスタシリンダ2は、ブレーキペダル
1へのペダル踏力に応じたマスタシリンダ圧Pm を発生
する。
【0022】前記外部液圧源3は、オイルポンプ3a,
チェック弁3b及びアキュムレータ3cにより構成さ
れ、ブレーキ操作とは無関係にアキュムレータ圧による
出力液圧を発生する。
【0023】前記ホイールシリンダ4は、前後輪の各輪
に設けられ、制御圧Pc に等しいホイールシリンダ圧P
w により作動する。
【0024】前記液圧制御弁5は、前記外部液圧源3と
前記ホイールシリンダ4との間に設けられ、制御圧Pc
を増圧する方向(図面左方向)にマスタシリンダ圧Pm
による推力を受けるスプール5aと、このスプール5a
に対し、制御圧Pc を減圧する方向(図面右方向)に供
給電流Is に比例した推力を与えるソレノイド5bとを
有する。
【0025】前記入力センサ・スイッチ類17として
は、ABS制御やTCS制御やヨーレイト制御等に必要
な車輪速センサや前後加速度センサや舵角センサや車速
センサやヨーレイトセンサ等が設けられている。
【0026】次に、作用を説明する。
【0027】まず、基本的なブレーキ液圧制御作用につ
いては、従来技術で示した特開平4−87867号公報
に記載されているので、ここでは説明を省略する。
【0028】[液圧制御弁5での油圧と電流の関係]図
3にマスタシリンダ圧Pm をパラメータとした場合のソ
レノイド電流IS とホイールシリンダ圧Pw (=制御圧
Pc )との関係特性を示し、図4にソレノイド電流IS
をパラメータとした場合のマスタシリンダ圧Pm とホイ
ールシリンダ圧Pw (=制御圧Pc )との関係特性を示
す。
【0029】この図3及び図4に示す特性からわかるよ
うに、本油圧システムでは、ソレノイド電流IS とマス
タシリンダ圧Pm とホイールシリンダ圧Pw のいずれか
2つの値がわかれば、他のひとつは算出できる。
【0030】例えば、図3において、目標とするホイー
ルシリンダ圧Pw がPwAである時、マスタシリンダ圧P
m がPm =Aと検知されれば、ソレノイド電流IS をI
S =IS1とすることで目標ホイールシリンダ圧PwAを得
ることができる。
【0031】さらに、図3において、ブレーキペダル1
を踏んでいない時も(マスタシリンダ圧Pm =0)、ソ
レノイド電流IS をIS0以下にすることによりホイール
シリンダ圧Pw が発生する(ソレノイド電流IS1でホイ
ールシリンダ圧Pw0)。
【0032】図4において、倍力作用による通常の制動
時には、ソレノイド電流IS がIS =IS0であり、マス
タシリンダ圧Pm とホイールシリンダ圧Pw の関係は0
点を通る直線である。そして、ABS制御時などにおい
てホイールシリンダ圧Pw を減圧する時には、ソレノイ
ド電流IS をIS0より大きくすることで減圧制御が達成
されるし、また、ABS制御時などにおいてホイールシ
リンダ圧Pw を増圧する時には、ソレノイド電流IS を
IS0以下にする(例えば、IS1やIS2)ことで増圧制御
が達成される。
【0033】[ABS制御概念]図5はコントローラ1
5で行なわれるABS制御概念図である。
【0034】ABS制御は、車輪速センサにより車輪速
度Vwを検出すると共に、前後加速センサからの前後加
速度Xgの積分処理により車体速Vwoを推定し、車輪速
度Vwと推定車体速Vwoとの偏差が少なくなるようにホ
イールシリンダ圧Pw を増減制御することで行なわれ
る。なお、図5に示すように、車輪加速度V'wを加えて
制御しても良い。
【0035】そして、このABS制御の特徴は、マスタ
シリンダ圧センサ等を用いていないことで、圧力制御部
分がオープンループ制御となっている点である。
【0036】[ヨーレイト制御概念]図6はコントロー
ラ15で行なわれるヨーレイト制御概念図である。
【0037】ヨーレイト制御は、舵角と車速とから目標
ヨーレイトを推定し、ヨーレイトセンサにより検出した
実ヨーレイトとの偏差が少なくなるようにヨーレイトフ
ィードバック制御する。
【0038】なお、このヨーレイト制御の場合、左右輪
での圧力差を制御するものであるため、制御中にマスタ
シリンダ圧が変化しても差圧には影響を与えず、マスタ
シリンダ圧による出力補正は行なわれない。
【0039】[ABS制御作動の流れ]図7はコントロ
ーラ15で行なわれるABS制御作動の流れを示すフロ
ーチャートであり、以下、各ステップについて説明す
る。
【0040】ステップ30では、各車輪に設けられてい
る車輪速センサから車輪速度Vw1〜Vw4が読み込まれ
る。
【0041】ステップ31では、前後加速度Xgの積分
処理等により車体速Vwoが推定される。
【0042】ステップ32では、各輪で車体速Vwoと車
輪速度Vw1〜Vw4との偏差εが下記の式で算出される。
【0043】εi=Vwo−Vwi(i=1〜4) ステップ33では、最初のブレーキ液圧の減圧時にマス
タシリンダ圧が一定量で増加していると仮定して、マス
タシリンダ圧変化ΔPm が、ΔPm =定数で算出される
(マスタシリンダ圧推定手段に相当)。
【0044】ステップ34では、前記偏差εiとマスタ
シリンダ圧変化ΔPm を用いて下記の式により増減圧指
令値ΔPiが算出される(ブレーキ増減圧指令値演算手
段に相当)。
【0045】 ΔPi=K・εi+L・d/dt(εi)−ΔPm 但し、K及びLは定数 ステップ35では、増減圧指令値ΔPiを用いた下記の
式により電流差信号ΔIiが決定されると共に、出力さ
れている電流に電流差信号ΔIiを加えたソレノイド電
流IS が出力される(駆動電流出力手段に相当)。
【0046】ΔIi=κ・ΔPi(i=1〜4) [ABS制御作用]図8はABS制御時のタイムチャー
トである。
【0047】時刻t0 にてブレーキペダル1を踏むと、
マスタシリンダ圧Pm は、図8(イ)に示すように立ち上
がる。
【0048】時刻t1にて左前輪の車輪速度Vw1は急激
に落ち込むため、車体速Vwoに対し偏差ε1が生じ始め
る。この偏差ε1に応じてステップ34では増減圧指令
値ΔP1が減圧側に決められる。
【0049】ここで、本ブレーキ液圧制御システムは、
マスタシリンダ圧Pm による推力を液圧制御弁5に付与
していることで、マスタシリンダ圧Pm が上昇すると、
ホイールシリンダ圧Pw も上昇するという特徴を持つ。
【0050】従って、図8(イ) に示すように、時刻t1
以降もブレーキペダル1を踏む力が増してゆくと、その
上昇分だけホイールシリンダ圧Pw が上昇しようとす
る。もちろん、車輪速度を検出してロックしないように
制御するため、車輪の制動ロックは防止されるが、制御
上はこの変動が一種の外乱となり制御精度が落ちる。
【0051】例えば、マスタシリンダ圧Pm の上昇分の
補正を行なわないと、図8の点線特性に示すように、左
前輪の減速スリップに対しホイールシリンダ圧Pw の減
圧量が不足し、例えば、図8(ロ) に示すように、左前輪
の車輪速度Vw1が大きく落ち込み、ABS制御を行なっ
たとしても車輪速度Vw1の回復時間に時間を要し、制御
収束性が低下する。
【0052】これに対し、図8(イ) に示すように、AB
S制御での最初の減圧時にはマスタシリンダ圧Pm がほ
ぼ一定の勾配にて上昇する点に着目し、ステップ33で
マスタシリンダ圧変化ΔPm を定数で与え、これにより
ステップ34で増減圧指令値ΔP1を補正するようにし
ているため、図8の(ロ) 〜(ニ) の実線特性に示すよう
に、ホイールシリンダ圧Pw が充分に減圧され、左前輪
の車輪速度Vw1の落ち込みが小さくなり、車輪速度Vw1
も短時間で回復し、制御収束性が向上する。
【0053】つまり、マスタシリンダ圧による補正を行
なわない時よりも精度の高いABS制御を行なうことが
できる。
【0054】ここで、マスタシリンダ圧変化ΔPm の設
定は、図8に示すように、ABSが作動するような急制
動時を想定してその定数の値を設定すれば良い。
【0055】次に、効果を説明する。
【0056】最初のブレーキ液圧の減圧時にマスタシリ
ンダ圧が一定量で増加していると仮定して、マスタシリ
ンダ圧変化ΔPm を定数で与え、マスタシリンダ圧変化
ΔPm により増減圧指令値ΔPiを補正して液圧制御弁
5へソレノイド電流IS を印加する制御を行なう装置と
したため、圧力センサを用いない信頼性が高くコスト的
に有利な制御システムとしながら、ブレーキ液圧制御精
度を確保することができる。
【0057】(第2実施例)次に、請求項1及び請求項
3記載の発明に対応する第2実施例について説明する。
【0058】この第2実施例は、マスタシリンダ圧推定
手法が第1実施例と異なるのみで、システム構成や他の
作用に関しては第1実施例と同様であるので図示並びに
説明を省略する。
【0059】図9はコントローラ15で行なわれる第2
実施例のABS制御作動の流れを示すフローチャートで
あり、図7のフローチャートと異なるのは、ステップ3
6及びステップ33’である。
【0060】ステップ36では、下記の式によりスリッ
プ率変化量ΔSが算出される。
【0061】ΔS=ΔVwi/Vwo ステップ33’では、スリップ率変化量ΔSに基づいて
マスタシリンダ圧変化ΔPm が算出される。
【0062】ΔPm =γ・ΔS γ:係数 したがって、補正が必要なマスタシリンダ圧Pm の大き
い領域では、マスタシリンダ圧Pm が増大するスリップ
率Sが増加する関係にあり、マスタシリンダ圧Pm が一
定量で増加していると仮定する第1実施例に比べてより
精度の良いブレーキ液圧制御を達成することができる。
【0063】(第3実施例)次に、請求項1及び請求項
4記載の発明に対応する第3実施例について説明する。
【0064】この第3実施例は、マスタシリンダ圧推定
手法が第1,第2実施例と異なるのみで、システム構成
や他の作用に関しては第1実施例と同様であるので図示
並びに説明を省略する。
【0065】図10はコントローラ15で行なわれる第
3実施例のABS制御作動の流れを示すフローチャート
であり、図9のフローチャートと異なるのは、ステップ
37及びステップ33”である。
【0066】ステップ37では、車体加速度変化ΔV'w
o が算出される。
【0067】ステップ33”では、車体加速度変化Δ
V'wo とスリップ率変化量ΔSに基づいてマスタシリン
ダ圧変化ΔPm が算出される。
【0068】 ΔPm =α・ΔV'wo +γ・ΔS α,γ:係数 したがって、車体加速度変化ΔV'wo を使っているので
車輪の減速スリップがまだ発生していない低いマスタシ
リンダ圧Pm の領域から補正を行なうことができるの
で、スリップ率Sのみによりマスタシリンダ圧Pm を推
定する第2実施例に比べてさらに精度の良いブレーキ液
圧制御を達成することができる。
【0069】以上述べた第2実施例及び第3実施例で
は、低μ路でも高μ路でも同じスリップ率の変化である
ならばマスタシリンダ圧変化ΔPm は同じである。そこ
で、マスタシリンダ圧変化ΔPm を算出する時、係数
α,γを路面摩擦係数を推定に基づき変数で与えると、
制御精度はさらに良くなる。
【0070】例えば、路面摩擦係数の推定は、低μ路で
はABS減圧時に車輪速度の復帰が遅く、高μ路では車
輪速度の復帰が速いことを用いて行なうことができる。
【0071】具体的には、ABS減圧時の車輪速度の時
間変化ΔVwiを算出し、係数qをかけてαを算出し、係
数pをかけてγを算出する。
【0072】ここで、ΔVwi={[Vwi]t=ti}−
{[Vwi]t=ti-1} tiはスタートからエンドまで1制御ループに要する時
間 これにより、同じスリップ率変化ΔSでも、低μ路(高
μ路)では車輪速度の復帰が遅い(速い)ので、車輪速
度の時間変化ΔVwiは小さく(大きく)、したがって、
マスタシリンダ圧変化ΔPm も小さく(大きく)なり、
路面摩擦係数情報を取り込んだより精度の高い制御を行
なうことができる。
【0073】以上、実施例を図面に基づいて説明してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
い。
【0074】
【発明の効果】請求項1記載の本発明にあっては、マス
タシリンダ圧を信号圧として用い高自由度にてブレーキ
液圧を制御するブレーキ液圧制御装置において、マスタ
シリンダ圧の発生に関連する間接的情報に基づいてマス
タシリンダ圧を推定するマスタシリンダ圧推定手段を設
け、このマスタシリンダ圧推定値によりブレーキ増減圧
指令値を補正して液圧制御弁のソレノイド駆動電流を制
御するようにしたため、圧力センサを用いない信頼性が
高くコスト的に有利な制御システムとしながら、ブレー
キ液圧制御精度を確保することができるという効果が得
られる。
【0075】にある。
【0076】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のブレーキ液圧制御装置では、マスタシリンダ
圧の発生に関連する間接的情報に基づいてマスタシリン
ダ圧を推定するマスタシリンダ圧推定手段を設け、この
マスタシリンダ圧推定値によりブレーキ増減圧指令値を
補正して液圧制御弁のソレノイド駆動電流を制御するよ
うにしたマスタシリンダ圧による推力を増圧方向に、ま
たソレノイドによる推力を減圧方向に受けるスプールを
有する比例弁タイプの液圧制御弁によりホイールシリン
ダへの油圧を制御するブレーキ液圧制御装置において、
マスタシリンダ圧値とソレノイドへの供給電流値とから
ホイールシリンダに供給されるホイールシリンダ圧を推
定し、ホイールシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧
実測値との比較によりフェール状態を判断するフェール
判断手段を設けたため、与えられたブレーキ踏力に対し
て当然得られるべきホイールシリンダ圧が発生するか否
かのフェール判断を行なうことができるという効果が得
られる。
【0077】請求項2記載の本発明にあっては、請求項
1記載のブレーキ液圧制御装置において、選択的に切り
換える切換手段を設け、ホイールシリンダ圧実測手段の
みによりマスタシリンダ圧情報とホイールシリンダ圧情
報を得る手段としたため、上記効果に加え、フェール判
断入力情報であるマスタシリンダ圧を得る検出手段の削
減を図ることができるという効果が得られる。
【0078】請求項3記載の本発明にあっては、マスタ
シリンダ圧による推力を増圧方向に、またソレノイドに
よる推力を減圧方向に受けるスプールを有する比例弁タ
イプの液圧制御弁によりホイールシリンダへの油圧を制
御するブレーキ液圧制御装置において、ソレノイドへの
供給電流を所定量変化させた時に発生するホイールシリ
ンダ圧変化量によりフェールを判断するフェール判断手
段を設けたため、マスタシリンダ圧にかかわらずソレノ
イドへの供給電流変化に対して当然得られるべきホイー
ルシリンダ圧変化が発生するか否かのフェール判断を行
なうことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキ液圧制御装置を示すクレーム
対応図である。
【図2】第1実施例のブレーキ液圧制御装置を示す全体
システム図である。
【図3】第1実施例装置でのマスタシリンダ圧をパラメ
ータとするソレノイド電流−ホイールシリンダ圧特性図
である。
【図4】第1実施例装置でのソレノイド電流をパラメー
タとするマスタシリンダ圧−ホイールシリンダ圧特性図
である。
【図5】第1実施例装置のコントローラで行なわれるA
BS制御概念図である。
【図6】第1実施例装置のコントローラで行なわれるヨ
ーレイト制御概念図である。
【図7】第1実施例装置のコントローラで行なわれるA
BS制御作動の流れを示すフローチャートである。
【図8】第1実施例装置でのABS制御が行なわれる制
動時の作用を示すタイムチャートである。
【図9】第2実施例装置のコントローラで行なわれるA
BS制御作動の流れを示すフローチャートである。
【図10】第2実施例装置のコントローラで行なわれる
ABS制御作動の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
a マスタシリンダ b 外部液圧源 c ホイールシリンダ d ソレノイド e 液圧制御弁 f マスタシリンダ圧推定手段 g ブレーキ増減圧指令値演算手段 h 駆動電流出力手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作に応じたマスタシリンダ圧
    を発生させるマスタシリンダと、 ブレーキ操作とは無関係に液圧を発生する外部液圧源
    と、 各車輪の制動を行なうホイールシリンダと、 前記外部液圧源とホイールシリンダとの間に設けられ、
    制御圧を増圧する方向にマスタシリンダ圧による推力を
    与え、制御圧を減圧する方向にソレノイドへの供給電流
    に応じた推力を与えるスプールを有し、外部液圧源から
    の出力液圧を制御する液圧制御弁と、 マスタシリンダ圧の発生に関連する間接的情報に基づい
    てマスタシリンダ圧を推定するマスタシリンダ圧推定手
    段と、 制御目標に応じたブレーキ増減圧目標値をマスタシリン
    ダ圧推定値により補正してブレーキ増減圧指令値を演算
    するブレーキ増減圧指令値演算手段と、 ブレーキ増減圧指令値が得られる駆動電流を前記液圧制
    御弁のソレノイドに印加する駆動電流出力手段と、 を備えていることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブレーキ液圧制御装置に
    おいて、 前記マスタシリンダ圧推定手段は、最初のブレーキ液圧
    の減圧時にマスタシリンダ圧が一定量で増加していると
    仮定してマスタシリンダ圧を推定する手段であることを
    特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のブレーキ液圧制御装置に
    おいて、 前記マスタシリンダ圧推定手段は、車輪スリップ変化量
    に応じてマスタシリンダ圧の変化を推定する手段である
    ことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のブレーキ液圧制御装置に
    おいて、 前記マスタシリンダ圧推定手段は、車輪スリップ変化量
    及び車体加速度変化量に応じてマスタシリンダ圧の変化
    を推定する手段であることを特徴とするブレーキ液圧制
    御装置。
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