JPH06286160A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH06286160A
JPH06286160A JP7939093A JP7939093A JPH06286160A JP H06286160 A JPH06286160 A JP H06286160A JP 7939093 A JP7939093 A JP 7939093A JP 7939093 A JP7939093 A JP 7939093A JP H06286160 A JPH06286160 A JP H06286160A
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教博 越智
Kazuya Koyama
和弥 小山
Hisashi Yoshimura
久 吉村
Akinori Morimoto
成則 森本
Kozo Yamaguchi
孝三 山口
Takayuki Too
隆之 東尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェットプリンタの構成を複雑化させ
ることなくインク残量の検出精度を向上させる。 【構成】 インク含浸室41とインク液室42とにより
インクカートリッジ4が構成される。インク液室42内
には、電極44と中空針電極21とが配される。これら
の電極間でのインクの介在、不介在による導通状態の変
化に基づいてインク残量の検出が行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばインクジェッ
ト記録装置などのインクによる記録を行なう記録装置に
関し、詳しくは、インク収容手段を着脱可能とし、その
インク収容手段のインク残量を検出可能とした記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置などのイ
ンクによる記録を行なう記録装置においては、着脱可能
なカートリッジ式のインク収容部を有するものがある。
このような記録装置を使用する場合、その円滑な運用を
図るために、インクがなくなったインク収容部を適宜交
換する必要があった。このため、従来の記録装置には、
インク収容部の交換の要否を判断するための手段とし
て、インク収容部のインク残量を検出する手段が設けら
れていた。このようなインク残量を検出する手段には、
インク残量を機械的に検出するものと、電気的に検出す
るものとがあった。
【0003】まず、インク残量を機械的に検出する検出
手段を有する記録装置について説明する。図28は、従
来のインク収容部の一例の構成を示す斜視図である。イ
ンクは、収容袋101内に収容される。この収容袋10
1は、インク残量の減少に応じて一方向に収縮するよう
に構成されており、その一部にインクを流出させるため
の供給管102を有する。収容袋101は、箱型のカー
トリッジケース103内に、供給管102を外部に突出
させた態様で収容される。カートリッジケース103内
に収納された収容袋101の収縮部分には、インク残量
検出用の板104が取付けられる。取付けられた板10
4の一部は、カートリッジケース103の側面に、収容
袋101の収縮方向と同方向を長手方向として形成され
た長孔105から外部に突出させられる。
【0004】このような構成のインク収容部では、イン
ク残量の減少による収容袋101の収縮に伴って板10
4が長孔105内を移動する。このインク収容部が装着
される記録装置本体には、インク残量の有無を検出する
ためのスイッチが設けられており、インク残量の減少に
伴って板104が所定量移動すると、前記スイッチがオ
ンされてインク残量がなくなったことが検出される。
【0005】次に、インク残量を電気的に検出する検出
手段を有する従来の記録装置について説明する。インク
残量を電気的に検出する検出手段を有する記録装置とし
ては、特開平3−277558号公報に開示されたもの
がある。この記録装置では、インク収容部が、インクを
含浸する多孔質材を内部に有するインク槽と、そのイン
ク槽に連通するインク溜とにより構成され、そのインク
溜からインクが印字ヘッドへ供給される。
【0006】前記インク槽内の多孔質材の一部と、前記
インク溜の一部とのそれぞれに電極が設けられる。この
電極間に生じる抵抗変化量に基づいてインク残量の有無
を検出する残量検出部が設けられる。
【0007】このような構成の記録装置では、インク収
容部のインクが枯渇直前になった場合、インク槽とイン
ク溜との間のインクのつながり部分に空気が混入してそ
のつながり部分の面積が減少し、電極間の抵抗が急激に
増加する。
【0008】また、この記録装置では、インク残量と電
極間の抵抗値との関係の特性が予め求めておかれ、その
特性に基づいて、インクが枯渇直前の場合の抵抗値の変
化量の値が残量検出部に予め記憶設定される。残量検出
部では、電極間の抵抗値の変化量を検出し、その変化量
と、予め設定された変化量の設定値とを比較し、これら
の値が一致した場合にインクが枯渇直前であることを判
定する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような従来の記録装置においては、インク残量の検出に
関して次のような問題がある。前述のような機械的にイ
ンク残量を検出する装置では、収容袋101の変形特性
が収容袋101の個体ごとに一定とならないため、検出
精度が低いという問題があった。
【0010】また、前述のような電気的にインク残量を
検出する装置では、インク残量と抵抗値との関係の特性
が非線形なものであるので、このような特性により得ら
れる抵抗値の変化量の実測値と設定値との比較に基づく
インク残量検出は、曖昧なものとなるため、検出精度が
低いという問題があった。また、インク残量の検出にお
いて抵抗値の変化量に関する実測値と設定値とを常に比
較することが必要であるため、インク残量検出系の構成
が複雑であるという問題があった。
【0011】本発明は、このような実情に鑑み考え出さ
れたものであり、インク残量の検出に関する構成を複雑
化させることなく、インク残量の検出精度を向上させる
ことを可能とする記憶装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、インクによる記録を行なう記録装置であって、イン
ク収容手段、インク抜き出し手段、複数の電極および残
量検出手段を含む。
【0013】インク収容手段は、インクを含浸するイン
ク含浸室およびインクを溜めるインク液室を含み、前記
インク含浸室から前記インク液室へインクを供給可能と
する。
【0014】インク抜き出し手段は、前記インク収容手
段が着脱可能に装着され、装着されたインク収容手段の
インク液室からインクを抜き出す。
【0015】複数の電極は、前記インク収容手段が前記
インク抜き出し手段に装着された場合に、インク収容手
段のインク液室内にて所定距離を隔てて位置するように
設けられる。
【0016】残量検出手段は、前記複数の電極における
電極間での導通状態に基づいて前記インク収容手段のイ
ンクの残量を検出する。
【0017】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載のインク液室が、その内部に前記複数の電極の電極間
を仕切る仕切り手段を含む。
【0018】請求項3に記載の本発明は、請求項1に記
載のインク液室が、その縦断面形状が上向きの凸状であ
ることを特徴とする。
【0019】請求項4に記載の本発明は、請求項1に記
載の複数の電極が、第1の電極および第2の電極を含
む。
【0020】第1の電極は、柱状をなし、その先端部以
外の部分が絶縁される。第2の電極は、柱状をなし、前
記第1の電極と平行に設けられ、その先端が、前記第1
の電極の先端よりも前記第1の電極の基端側に位置す
る。
【0021】
【作用】請求項1に記載の本発明によれば、インク収容
手段がインク抜き出し手段に装着されると、そのインク
収容手段のインク液室からインクが抜き出される。イン
ク収容手段においては、インク含浸室からインク液室へ
インクが供給されるが、そのインクの残量が少なくなる
と、インク液室内のインク量が減少する。
【0022】インク液室内に所定量以上のインクがある
場合は、インク液室内に設けられた複数の電極がインク
液中にあるので、その電極間にはインクが存在し、その
インクを介して電極間での導通がなされる。しかし、イ
ンク液室内のインクが減少していくと、インクの液面の
深さ方向の浅い位置にある電極がインク液中から露出
し、電極間での導通がなされなくなる。
【0023】このように、電極間での導通の有無によっ
てインク収容手段のインク残量が所定値以下であるか否
かを判断することが可能である。このため、残量検出手
段においては、電極間での導通の有無に基づいてインク
収容手段のインク残量の検出がなされる。
【0024】請求項2に記載の本発明によれば、インク
液室内において、仕切り手段により電極間が仕切られて
おり、たとえば、その仕切り手段が、インク液室内に溜
まったインクの深さ方向をその高さ方向として所定高さ
で電極間を仕切るものである場合、インクの残量が減少
してそのインクの液が仕切り手段よりも低下すると、電
極間をつなぐインクがない状態となって、電極間の導通
がなくなる。このため、残量検出手段においては、請求
項1記載の本発明と同様に、電極間の導通の有無に基づ
いてインク収容手段のインク残量の検出がなされる。
【0025】請求項3に記載の本発明によれば、インク
液室の縦断面形状が上向きの凸状であり、インク収容手
段のインク残量が減少してインク液室内のインク液が低
下していくと、インク液室における上部に突出した部分
に気体が溜まっていく。このように気体が溜まった状態
でインク収容手段が横方向に移動した場合、インク液室
内においてインク液面が揺動するが、前記突出部分より
も下側の広い部分にあるインクは、その大部分が、前記
突出部分が設けられた部分以外の上部壁面により、上下
動が抑えられる。したがって、インク液面の揺動が抑制
される。このため、インク液面の揺動により電極が露出
してインク残量の誤検出が生じることが防止される。
【0026】請求項4に記載の本発明によれば、第1の
電極と第2の電極とがインク液室内のインクの深さ方向
に、インク液面と平行に所定距離を隔てて設けられた場
合は、インク液面の低下によって一方の電極が露出する
ことにより電極間の導通がなくなる。このため、残量検
出手段により電極間の導通の状態に基づいてインク残量
が検出される。
【0027】また、第1の電極と第2の電極とがインク
液室内のインクの液面に対して交差する方向に設けられ
た場合は、第1の電極が第2の電極よりも長いため、イ
ンク液室内のインク液面の低下によって第1の電極の先
端部が第2の電極よりも先に露出する。
【0028】第1の電極は、その先端部以外の部分が絶
縁されているので、第1の電極の先端部が露出すると電
極間での導通がなくなる。このため、残量検出手段で
は、電極間の導通状態に基づいてインク残量が検出され
る。
【0029】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0030】第1実施例 図1は、本発明による記録装置の一例であるインクジェ
ットプリンタの構成を示す平面図である。プリンタ本体
10上には、印字用紙を巻き付けるためのプラテンロー
ラ1および印字用紙を搬送するためのフィードローラ1
1と、印字ヘッド3を備えたキャリッジ2を移動させる
ためのスライドシャフト12とが平行に設けられる。ス
ライドシャフト12上には、その長手方向(図中白抜き
矢符の方向)への滑動自在にキャリッジ2が載置され
る。キャリッジ2においては、プラテンローラ1と対向
する部分に印字ヘッド3が設けられる。また、キャリッ
ジ2上には、インク収容手段であるインクカートリッジ
4が着脱可能に装着される。
【0031】キャリッジ2は、スライドシャフト12に
沿って設けられたタイミングベルト13の一部に固定さ
れる。タイミングベルト13は、キャリッジ移動用モー
タ14により回転させられるプーリ15に係合され、キ
ャリッジ移動用モータ14の駆動に従って駆動される。
キャリッジ2は、タイミングベルト13の駆動に従って
スライドシャフト12上を移動させられる。
【0032】図2は、インクカートリッジ4が未装着状
態であるキャリッジ2の近傍の一部破断断面図である。
インクカートリッジ4は、箱型をなし、その内部空間
が、隔壁によってインク含浸室41とインク液室42と
に仕切られる。
【0033】インク含浸室41内には、インクを含浸す
るポリウレタンフォームなどの多孔質材よりなるインク
含浸材410が収納されている。インク含浸室41の上
部壁の一部には、インク含浸室41内のインクの減少時
にその内部に外部の空気を導入するための大気連通孔4
11が設けられる。
【0034】また、インク含浸室41とインク液室42
との間の隔壁は、その下部の一部分が開口しており、そ
の開口部には、複数の微細孔を有する連通部材43が設
けられる。このため、インク含浸室41とインク液室4
2とは、連通部材43の微細孔を介して連通される。
【0035】前記隔壁と対向するインク液室42の側壁
の上部には、その側壁を外側から内側に貫通してインク
液室42の内部に所定長さ突出した態様で、棒状の電極
44が設けられる。この電極44の基端部は、前記側壁
の外側に一部突出する。その電極44が設けられた側壁
においては、その下部の一部分が開口しており、その開
口部には、ゴム製の弾性体45が取付けられている。
【0036】キャリッジ2は、平板状の基台部分の一端
部に縦向きの壁部を有しており、その側面視した形状が
L字形をなす。このキャリッジ2は、前記壁部をプラテ
ンローラ1の側へ向けた態様で設けられる。
【0037】キャリッジ2においては、前記壁部のプラ
テンローラ1側の面に印字ヘッド3が設けられる。ま
た、その反対側の面には、前記電極44に接触させられ
る端子22と、前記弾性体45に貫通される中空針電極
21とが設けられる。
【0038】前記中空針電極21は、カートリッジ4の
インク液室42内からインクを抜き出すための針と、イ
ンク残量検出用の電極とを兼ねるものである。端子22
は、前記壁部の上部に設けられ、中空針電極21は、前
記壁部の下部に設けられる。
【0039】図3は、インクカートリッジ4が装着され
た状態のキャリッジ2の近傍の一部破断側面図である。
インクカートリッジ4は、電極44の基端部を端子22
に接触させるとともに弾性体45に中空針21を貫通さ
せるようにキャリッジ2に装着される。このように、イ
ンクカートリッジ4がキャリッジ2に装着されると、イ
ンク液室42内のインクが中空針21を介してキャリッ
ジ2の内部に抜き出される。その抜き出されたインク
は、印字ヘッド3に供給され、印字ヘッド3からプラテ
ンローラ1に巻き付けられた印字用紙に向けて吹き付け
られる。
【0040】このようにインク液室42内のインクが抜
き出されていくに従って、インク含浸室41内のインク
含浸材410に含浸されたインクが、連通部材43の微
細孔を通ってインク液室42へ供給されていき、インク
液室42内のインクが補充される。このようにしてイン
ク含浸室41内のインクが減少していくと、大気連通孔
411からインク含浸室41内に空気が入り、インク含
浸材410内にその空気が混入していく。
【0041】そして、インク含浸室41内のインクが極
めて少なくなると、インク含浸材410に混入した空気
が連通部材43の微細孔を通ってインク液室42内に混
入していく。その空気の混入に従ってインク液室42で
は、インクの量が減少し、インクの液面が低下してい
く。図4は、インクカートリッジ4内のインク残量が極
めて少ない状態を示すキャリッジ2の近傍の一部破断側
面図である。インクカートリッジ4内のインク残量が十
分にある場合は、第3図に示されるようにインク液室4
2内はインクで満たされているが、そのインク残量が減
少していくとインク液室42内への空気の混入によりイ
ンク液室42内でのインクの液面が低下していき、その
液面の低下が進み、インク残量が極めて少なくなった場
合は、図4に示されるようにインク液室42内で電極4
4がインク液中から露出する。
【0042】次に、このようなインクジェットプリンタ
におけるインクカートリッジ4のインク残量を検出する
インク残量検出系の構成について説明する。図5におい
て制御部51は、インク残量を検出する回路よりなる残
量検出部52およびインク残量が所定値以下になったこ
とを表示するための表示部53と接続される。残量検出
部52は、インク残量検出用のパルス信号を発信する発
信回路521とそのパルス信号を受信する受信回路とを
含む。発信回路521は、端子22を介して電極44に
接続され、受信回路522は、中空針電極21に接続さ
れる。
【0043】残量検出部52は、電極44と中空針電極
21との間の導通状態を検出することによりインク残量
を検出し、その検出結果を表わす情報を制御部51へ与
える。制御部51では、残量検出部52から与えられた
インク残量の検出情報に基づいてカートリッジ4内のイ
ンク残量が所定値以下(極めて少ない残量)になったか
否かを判別し、そのインク残量が所定値以下になったと
判別された場合に表示部53へインク残量が所定値以下
になったことを表示させるための情報を与える。表示部
53はインクエラーランプなどの表示手段を含む。表示
部53では、制御部51から表示情報が与えられた場合
に、インクエラーランプの点灯などの表示方法によりイ
ンク残量が極めて少ないことを表示する。
【0044】図6は、残量検出部52の発信回路521
および受信回路522の構成を示す回路図である。
【0045】まず、発信回路521の構成について説明
する。電源電位を受ける電源ノードN5と、中空針電極
21(図3参照)に接続される出力ノードN2との間に
抵抗5214およびコンデンサ5213が直列に接続さ
れる。所定周波数のパルス信号を受ける入力ノードN1
と、抵抗5214およびコンデンサ5213との間のノ
ードとの間にドライバ5211および抵抗5212が直
列に接続される。次に、受信回路522の構成について
説明する。電源ノードN5と接地電位を受ける接地ノー
ドN6との間に抵抗5222および抵抗5223が直列
に接続される。電極44(図3参照)に接続される入力
ノードN3と、ノードN4との間にコンデンサ5221
が接続される。入力ノードN4と接地ノードN6との間
にコンデンサ5224が接続される。コンパレータ52
27の負側入力端子は、ノードN4と接続される。電源
ノードN5と接地ノードN6との間に抵抗5225およ
び抵抗5226が直列に接続される。コンパレータ52
27の正側出力端子は、抵抗5225および抵抗522
6の間のノードNと接続される。
【0046】電源ノードN5と接地ノードN6との間に
抵抗5229およびコンデンサ5220が直列に接続さ
れる。抵抗5229とコンデンサ5220との間のノー
ド(出力ノード)N7とコンパレータ5227の出力端
子との間に抵抗5228が接続される。
【0047】次に、発信回路521および受信回路52
2の動作について説明する。図7(a)〜(c)は、残
量検出部52の発信回路521および受信回路522の
各部の信号波形を示す波形図である。図7(a)には、
入力ノードN1における信号波形、図7(b)には、ノ
ードN4における信号波形、図7(c)には出力ノード
N7における信号波形をそれぞれ示す。以下、図6およ
び図7を参照して発信回路521および受信回路522
の動作を説明する。
【0048】発信回路521の入力ノードには、図7
(a)に示されるような所定周波数のパルス信号が与え
られる。発信回路521では、ドライバ5211、抵抗
5212、抵抗5214およびコンデンサ5213で充
放電回路が形成されており、入力されたパルス信号に応
答してコンデンサ5213の充放電が行なわれる。その
充放電の結果として出力ノードN2にパルス信号出力
(たとえば0〜5V)が現われる。
【0049】図3に示されるように、インクカートリッ
ジ4がキャリッジ2に装着され、インク液室42内がイ
ンクで満たされている場合には、電極44と中空針電極
21との間にインクが介在する。インクは、導電性であ
るため、電極44と中空針電極21との間にインクが介
在すると、電極44,中空針電極21間は、インクによ
る抵抗で導通するので、受信回路522では、入力ノー
ドN3に入力ノードN2のパルス信号に応じたパルス信
号が現われる。
【0050】図2に示されるような、インクカートリッ
ジ4が装着されていない場合または図4に示されるよう
な、インク残量が極めて少なく電極44と中空針電極2
1との間にインクが介在しない場合は、受信回路522
におけるノードN4の電位は、電源電位を抵抗522
2,5223で抵抗分割した、図7(b)に示されるよ
うな電源電位の1/2の電位(たとえば2.5V)に保
持される。
【0051】受信回路522では、抵抗5222、抵抗
5223およびコンデンサ5221で充放電回路が形成
され、入力ノードN3に現われるパルス信号に応答して
コンデンサ5221の充放電が行なわれる。その充放電
の結果としてノードN4にパルス信号出力が現われる。
【0052】ノードN4に現われるパルス信号は、ノー
ドN4の基準電位が電源電位の1/2の電位であるの
で、図7(b)に示されるようにその電位を中心とした
振幅のパルス信号であり、このパルス信号は、コンパレ
ータ5227の負側入力端子の入力電位となる。
【0053】また、コンパレータ5227の正側入力端
子の入力電位は、電源電位を抵抗5225,5226で
抵抗分割して電源電位の1/2の電位よりも高い電位
(たとえば3.4V)に保持される。コンパレータ52
27では、負側入力端子の入力電位が、正側入力端子の
入力電位よりも低い場合にその出力信号がハイレベルと
なり、一方、負側入力端子の入力電位が、正側入力端子
の入力電位よりも高い場合にその出力信号がローレベル
となる。
【0054】コンパレータ5227の出力側において
は、抵抗5229、コンデンサ5220および抵抗52
28で充放電回路が形成される。この充放電回路は、抵
抗5229およびコンデンサ5220が充電回路として
機能し、コンデンサ5220および抵抗5228と、コ
ンパレータ5227の出力トランジスタとが充電回路と
して機能するものであり、コンパレータ5227がオー
プンコレクタ構成であるので、充電時間が長く、放電時
間が短い。
【0055】この充放電回路では、コンパレータ522
7の出力信号に応答してコンデンサ5220の充放電が
行なわれる。この充放電回路は、前述のように充電時間
が長く放電時間が短いため、図7(b)に示されるパル
ス信号に応答してコンパレータ5227の出力信号が変
化する場合、充電状態の進行中に放電状態に切換わるこ
とが繰返される。このため、図7(c)に示されるよう
に、インク残量が所定値以上である場合は、出力ノード
N7の出力電位がローレベル(たとえば0V)に保持さ
れ、一方、インク残量が所定値以下である場合は、出力
ノードN7の出力電位がハイレベル(たとえば5V)に
保持される。
【0056】受信回路522の出力信号は、制御部51
(図5参照)へ与えられる。制御部51では、受信回路
522から与えられた出力信号レベルがハイレベルであ
る場合は、インクカートリッジ4のインク残量が所定値
以下になったと判断し、一方、前記出力信号レベルがロ
ーレベルである場合は、インクカートリッジ4のインク
残量が所定値以下になっておらずインク残量が十分であ
ると判断する。
【0057】図8は、インクカートリッジ4におけるイ
ンク残量と電極44,中空針電極21間の抵抗値との関
係を示すグラフであり、縦軸にこれらの電極間の抵抗
値、横軸にインク残量を表わすデータであるインク消費
量とインク収容量との比(インク消費量/インク収容
量)をそれぞれとり、これらの関係を実線にて示す。
【0058】図8に示されるように、インク残量が十分
であり、インク液室42において電極44と中空針電極
21とがインク液中にある場合は、これらの電極間が導
通状態となっているので、前記抵抗値は、インクの残量
によらず一定の抵抗値Rとなる。一方、インク消費量の
増加によりインク残量が減少していき、インク液室42
において、電極44がすべてインク液中から露出する
と、前記電極間が非導通状態となるので、或るインク残
量以下になると前記抵抗値がステップ状に無限大とな
る。
【0059】このように、電極44と中空針電極21と
の間の抵抗値は、所定のインク残量を境としてステップ
状に無限大に増加する特性があるので、前述の残量検出
部52における検出結果は、精度が高い。
【0060】次に、インクカートリッジ4のインク残量
が所定量以下になったことおよびインクカートリッジ4
が装着されていないことを報知するために制御部51に
おいて行なわれる残量報知制御について説明する。
【0061】制御部51においては、インクジェットプ
リンタの動作の主な制御を行なうメインルーチンによっ
て実行されるサブルーチンプログラムに従って残量報知
制御が実行される。図9は、残量報知制御のフローチャ
ートである。
【0062】まず、ステップS1で、インクエラーフラ
グがセットされているか否かの判断が行なわれる。ここ
で、インクエラーフラグとは、インクカートリッジ4の
インク残量が所定量以下に減少したことまたはインクカ
ートリッジ4が装着されていないことを表わすフラグで
あり、このインクエラーフラグは、後述するステップS
5にてセットされる。なお、このインクエラーフラグ
は、インクジェットプリンタの電源投入に伴ってリセッ
トされ、その他、所定箇所に設けられた機械的スイッチ
であるクリアスイッチの操作によりリセットされる。
【0063】続いて、ステップS2で、残量検知部52
からインク残量の検出結果が読込まれる。ステップS3
では、ステップS2で読込まれた検出結果に基づいて、
インク残量が所定量以下であるか否かの判断が行なわれ
る。この判断は、残量検知部52から与えられる、残量
の検出結果を表わす信号のレベルに基づいて行なわれ
る。
【0064】ステップS3で、インク残量が所定量以下
ではないと判断された場合(前記検出信号がローレベル
である場合)は、ステップS4に進む。一方、ステップ
S3で、インク残量が所定量以下であると判断された場
合(前記検出信号がハイレベルである場合)は、ステッ
プS5に進む。
【0065】ステップS4では、表示部53におけるイ
ンクエラーランプを消灯し、その後メインルーチンに戻
る。ステップS5では、インクエラーフラグをセット
し、その後ステップS6に進む。このステップS6でセ
ットされたインクエラーフラグは、インクジェットプリ
ンタの電源が投入された後においては、前記クリアスイ
ッチが操作されない限りリセットされない。ステップS
6では、前記インクエラーランプを点灯し、その後メイ
ンルーチンに戻る。
【0066】このような残量報知制御においては、イン
ク残量が所定量以下である状態およびインクカートリッ
ジ4が装着されていない状態である場合に、そのような
状態が生じていることを表示部53が、インクエラーラ
ンプの点灯により報知する。このため、使用者は、表示
部53の報知によりインクカートリッジ4の交換時期お
よびインクカートリッジ4の装着の有無を知ることがで
きる。
【0067】以上のように、第1実施例による記憶装置
においては、装置の構成を複雑化させることなくインク
残量の検出精度を向上させることが可能である。
【0068】第2実施例 次に、本発明の第2実施例について説明する。インクジ
ェットプリンタでは、印字用紙の搬送手段の種類によっ
ては、印字ヘッド3をプラテンローラ1の上方に位置さ
せた状態で動作させられる場合がある。そのような場合
でもインク残量の検出を行なうことが可能であるインク
カートリッジ4の構成を第2実施例に示す。図10は、
第2実施例によるインクジェットプリンタのインクカー
トリッジ4が装着された状態のキャリッジ2の近傍の一
部破断側面図である。図10においては、特に、ノズル
ヘッド3をプラテンローラ1の上方に位置させて使用す
る場合の状態を示す。図10において図3と一致する部
分には同番号を付し、その説明を省略する。
【0069】図10において図3と異なる部分は、電極
441の構成である。この電極441は、図1の電極4
4に対応するものである。電極441は、中空針電極2
1と平行になるようにインク液室42内に設けられ、そ
の表面には先端部441a以外の部分に絶縁処理が施さ
れる。この電極441は、インク液室42内においてそ
の長さが中空針電極21よりも長く、このため、その先
端が中空針電極21の先端よりもインク含浸室41の側
に近く位置する。
【0070】図10に示されるようなインクカートリッ
ジ4を用いるインクジェットプリンタにおいても、図5
に示されるインク残量検出系と同様の構成の検出系によ
りインク残量の検出がなされる。
【0071】次に、図10のインクジェットプリンタの
動作について説明する。図10のインクジェットプリン
タは、キャリッジ2およびインクカートリッジ4が、図
3に示されるように、プラテンローラ1に対し横向きに
配設された状態(以下、横向き配設状態という)で動作
させられると、図4に示されるような態様でインクが減
少するので、第1実施例と同様のインク残量の検出が行
なわれる。
【0072】また、図10のインクジェットプリンタ
は、印字ヘッド3がプラテンローラ1の上方に位置され
た状態、すなわち、キャリッジ2およびインクカートリ
ッジ4が図中に示されるような縦向きに配設された状態
(以下、縦向き配設状態という)で動作させられると、
インク残量の減少により、図中に示されるように、電極
441の先端部441aからその基端部へ向かう方向に
インクの液面が移動する。
【0073】この場合、インク液室42内のインクが減
少すると、インク液室42内において、電極441の先
端部441aが中空針電極21の先端よりも先に露出す
る。
【0074】このように、インク残量の減少により電極
441の先端部441aが露出すると、電極441と中
空針電極21との間で導通がなくなるので、インク残量
が所定量以下になったことが検出可能である。
【0075】以上のように第2実施例のインクジェット
プリンタでは、キャリッジ2およびインクカートリッジ
4の姿勢が変化させられた場合でもインク残量の検出を
正確に行なうことが可能である。
【0076】第3実施例 次に、本発明の第3実施例について説明する。第3実施
例は、第2実施例と同様に、キャリッジ2およびインク
カートリッジ4が縦向き配設状態でインクジェットプリ
ンタが動作させられた場合でもインク残量の検出が可能
なその他の例を示すものである。
【0077】図11は、第3実施例によるインクジェッ
トプリンタのインクカートリッジ4が装着された状態の
キャリッジ2の近傍の一部破断側面図である。図11に
おいては、特に、印字ヘッド3をプラテンローラ1の上
方に位置させて使用する場合の状態を示す。図11にお
いて図10と一致する部分には同番号を符しその説明を
省略する。図11において図10と異なる部分は、イン
ク液室42内に設けられる電極442と仕切壁421と
である。電極442は、図10の電極441に対応する
ものであり、中空針電極21と平行になるようにインク
液室42内に設けられる。この電極442は、インク液
室42内においてその長さが中空針電極21と同等であ
る。
【0078】仕切壁421は、インク液室42内におい
て電極442と中空針電極21との間に設けられる。こ
の仕切壁421は、インク液室42における電極442
が設けられた側壁からインク含浸室41とインク液室4
2との間の隔壁に向かう方向を高さ方向として設けられ
たものであり、その高さは、インク液室42内における
電極442の先端の位置および中空針電極21の先端の
位置よりも高い。すなわち、仕切壁421は、電極44
2と中空針電極21との間を所定の高さで仕切る。
【0079】図11に示されるようなインクカートリッ
ジ4を用いるインクジェットプリンタにおいても、図5
に示されるインク残量検出系と同様の構成の検出系によ
りインク残量の検出が行なわれる。
【0080】次に、図11のインクジェットプリンタの
動作について説明する。図11のインクジェットプリン
タが、前述のような横向き配設状態で動作させられる
と、インク残量の減少により電極442が中空針電極2
1よりも先に露出する。これによって電極442と中空
針電極21との間で導通がなくなるので、インク残量が
所定量以下になったことが検出される。
【0081】一方、図11のインクジェットプリンタが
前述のような縦向き配設状態で動作させられると、イン
ク残量の減少により、図中に示されるように、インク含
浸室41とインク液室42との間の隔壁から電極442
が設けられたインク液室42の側壁に向かう方向にイン
クの液面が移動する。
【0082】この場合、インク液室42内のインクが所
定量以下になると、インクが仕切壁421によって電極
442側と中空針電極21側とに分けられる。このよう
に、インクの減少により仕切壁421によってインク液
室42内のインクが分けられると、電極442と中空針
電極21との間で導通がなくなるので、インク残量が所
定量以下になったことが検出可能である。
【0083】以上のように第3実施例のインクジェット
プリンタでは、キャリッジ2およびインクカートリッジ
4の姿勢が変化させられた場合でもインク残量の検出を
正確に行なうことが可能である。
【0084】第4実施例 次に、本発明の第4実施例について説明する。第4実施
例は、第2実施例および第3実施例と同様に、キャリッ
ジ2およびインクカートリッジ4が縦向き配設状態でイ
ンクジェットプリンタが動作させられた場合でもインク
残量の検出が可能なその他の例を示すものである。
【0085】図12は、第4実施例によるインクジェッ
トプリンタのインクカートリッジ4が装着された状態の
キャリッジ2の近傍の一部破断側面図である。図12に
おいては、特に、印字ヘッド3をプラテンローラ1の上
方に位置させて使用する場合の状態を示す。図12にお
いて図11と一致する部分には同番号を付し、その説明
を省略する。
【0086】図12において図11と異なる部分は、イ
ンク液室42内に設けられるスリーブ422である。こ
のスリーブ422は、図11の仕切壁421と同じ機能
を有するものである。スリーブ422は円筒状であり、
電極442を内挿する態様でインク液室42の側壁と一
体形成される。このスリーブ422は、インク液室42
における、電極422が設けられた側壁からインク含浸
室41とインク液室42との間の隔壁に向かう方向を高
さ方向として設けられたものであり、その高さは、電極
442の先端の位置および中空針電極21の先端の位置
よりも高く、図11の仕切壁421の高さと同等であ
る。すなわち、スリーブ422は、電極422と中空針
電極21との間を所定の高さで仕切るものである。
【0087】図12に示されるようなインクカートリッ
ジ4を用いるインクジェットプリンタにおいても、図5
に示されるインク残量検出系と同様の構成の検出系によ
りインク残量の検出が行なわれる。
【0088】次に、図12のインクジェットプリンタの
動作について説明する。図12のインクジェットプリン
タが、横向き配設状態で動作させられると、インク残量
の減少により電極442が中空針電極21よりも先に露
出する。これによって、電極442と中空針電極21と
の間で導通がなくなるので、インク残量が所定量以下に
なったことが検出される。
【0089】一方、図12のインクジェットプリンタが
縦向き配設状態で動作させられると、インク残量の減少
により、図中に示されるように、インク含浸室41とイ
ンク液室42との間の隔壁から電極442が設けられた
インク液室42の側壁に向かう方向にインクの液面が移
動する。
【0090】この場合、インク液室42内のインクが所
定量以下になると、インクが、スリーブ422によって
スリーブ422の内側と外側とに分けられる。このよう
に、インクの減少によりスリーブ422によってインク
液室42内のインクが分けられると、電極442と中空
針電極21との間で導通がなくなるので、インク残量が
所定量以下になったことが検出可能である。
【0091】以上のように第4実施例のインクジェット
プリンタでは、キャリッジ2およびインクカートリッジ
4の姿勢が変化させられた場合でのインク残量の検出を
正確に行なうことが可能である。また、第4実施例のイ
ンクカートリッジ4の構成は、第3実施例のインクカー
トリッジ4の構成よりも僅かに複雑であるが、第4実施
例によるインクジェットプリンタでは、インク液室42
の容積が比較的大きく、キャリッジ2の走査によるイン
ク液面の揺れが大きい場合には、第3実施例のインクジ
ェットプリンタよりも安定したインク残量の検出が可能
である。
【0092】なお、第4実施例においては、インク液室
42内において電極442の側にスリーブ422を設け
たが、これに限らず、中空針電極21が挿入される部分
にスリーブ422を設けてもよい。
【0093】第5実施例 第4実施例のインクカートリッジ4に設けられたスリー
ブ422では、その先端側の内部に空間が存在する。そ
のため、不慮の事故または、温度・気温の変化などによ
り、インク液室42内にインクが満たされているのにも
かかわらず、前記空間内に気泡が侵入または析出するお
それがある。このように、気泡の侵入または析出により
スリーブ422内に気泡が存在する状態になると、イン
ク液室42内にインクが満たされているのにもかかわら
ず、電極442と中空針電極21との間で導通がなくな
る状態が生じ、これによって、インク残量の誤検出が行
なわれるおそれがある。
【0094】このように、スリーブ422内に生じる気
泡は、自然にスリーブ422内から外へ出ることはある
が、インクカートリッジ4を小型化してスリーブ422
の径を小径化した場合は、インクの表面張力が大きいた
め、スリーブ422内から外へ出る可能性が少なくな
る。
【0095】第5実施例では、このようなスリーブ42
2内への気泡の侵入または析出を防ぐために、第4実施
例のインクカートリッジ4の一部を改良したものであ
る。
【0096】図13は、第5実施例によるインクジェッ
トプリンタのインクカートリッジ4が装着された状態の
キャリッジ2の近傍の一部判断側面図である。図13に
おいては、特に、ノズルヘッド3をプラテンローラ1の
上方に位置させて使用する場合の状態を示す。図13に
おいて図12と一致する部分には同番号を付し、その説
明を省略する。
【0097】図13において図12と異なる部分は、電
極443である。電極443は、図12の電極442に
対応するものである。電極443は、その長さが、スリ
ーブ422の高さよりも長い。このため、インク液室4
2内において、電極443は、その先端部がスリーブ4
22の開口部から外部に突出する。
【0098】このような構成により、図13のインクジ
ェットプリンタにおいては、スリーブ422の内部に気
泡が侵入または析出するような空間が存在しないため、
スリーブ422内に空気が存在することは起こり得ない
ので、前述のようなインク残量の誤検出が行なわれな
い。
【0099】第6実施例 図14は、インク残量が減少した場合における第5実施
例に示されるようなスリーブ422の近傍の状態の一例
を示すスリーブ422の模式的拡大断面図である。
【0100】図14に示されるように、第5実施例のイ
ンクカートリッジ4に設けられたスリーブ422の先端
部は、その先端面が平面形状である。キャリッジ2およ
びインクカートリッジ4が縦向き配設状態において、イ
ンクの液面Iがスリーブ422の先端面の位置よりも低
下した場合、インクは、その表面張力によってスリーブ
422と或る一定の角度(以下、接触角という)αにて
接する性質がある。このため、スリーブ422の近傍に
おいては、インクの液面Iが引き上げられる。これによ
り、インクの液位によっては、スリーブ422の近傍に
おいてインクの液面Iがスリーブ422の先端面まで引
き上げられる状態が生じることがある。このような状態
が生じると、インクの実際の液位がスリーブ422の先
端面よりも低下しているのにもかかわらず、前述のよう
な表面張力によってインクが電極443と接触する場合
がある。
【0101】このようなインクの表面張力により、第5
実施例のインクジェットプリンタでは、インク残量の検
出結果があいまいなものになるおそれがある。
【0102】第6実施例は、このようなインクの表面張
力に起因するインク残量検出のあいまいさを抑制するた
めに第5実施例のスリーブ422の一部を改良したもの
である。
【0103】図15および図16は、第6実施例による
インクジェットプリンタのインクカートリッジにおける
スリーブの一例の模式的拡大断面図である。
【0104】図15に示されるスリーブ423は、図1
3のスリーブ422に対応するものである。スリーブ4
23の先端部は、スリーブ423の先端から基端部へ向
かう方向にその外径が増加するような曲線的な断面形状
になっている。
【0105】スリーブ423がこのような形状であるた
め、インクの液面Iがスリーブ423の先端の位置より
も低下した場合にインクの表面張力が作用してもインク
は、電極443の先端の位置まで引き上げられない。
【0106】また、図16に示されるスリーブ424
も、図13のスリーブ422に対応するものである。ス
リーブ424の先端部は、先端から基端部へ向かう方向
にその外径が増加するような直線的な断面形状になって
いる。
【0107】スリーブ424がこのような形状であるた
め、インクの液面Iがスリーブ424の先端の位置より
も低下した場合にインクの表面張力が作用してもインク
は、電極443の位置まで引き上げられない。
【0108】このように、図15および図16に示され
るスリーブ423およびスリーブ424は、インクの液
面Iが各々のスリーブの先端の位置よりも低下すると、
それぞれの形状により、インクの表面張力が作用しても
インクが電極443の位置まで引き上げられないので、
インクの表面張力に起因するインク残量検出のあいまい
さが抑制される。
【0109】第7実施例 第7実施例は、第6実施例と同様に、インクの表面張力
に起因するインク残量検出のあいまいさをなくすため
に、第5実施例のスリーブ422の一部を改良したもの
である。
【0110】図17は、第7実施例によるインクジェッ
トプリンタのインクカートリッジにおけるスリーブの一
例の模式的拡大断面図である。
【0111】図17に示されるスリーブ425は、図1
3のスリーブ422に対応するものである。スリーブ4
25の先端は、図13のスリーブ422と同様の平面形
状である。スリーブ425の外周面には、たとえば、シ
リコンシール材などの撥水コート材426がコーティン
グされる。このため、スリーブ425の外周面には、撥
水処理がなされる。
【0112】このような構成のスリーブ425では、イ
ンクの液面Iがスリーブ425の先端の位置よりも低下
した場合、インクの表面張力が作用しても、インクは、
撥水コート材426により撥水される。そのため、イン
クが電極442の位置まで引き上げられず、インクと電
極442とが接触しない。
【0113】このため、このようなスリーブ425を設
けたインクカートリッジ4を装着するインクジェットプ
リンタでは、インクの表面張力に起因するインク残量の
検出のあいまいさがなくなる。
【0114】なお、第7実施例においては、スリーブ4
25に撥水処理を施すために撥水コート材426をスリ
ーブ425にコーティングしたが、これに限らず、スリ
ーブ425の全体を撥水材料にて構成してもよい。
【0115】第8実施例 第1実施例〜第7実施例において説明したインクジェッ
トプリンタが実際に印字を行なう場合、キャリッジ2
は、図1に示されるスライドシャフト12に沿って往復
走査される。このような往復走査が行なわれると、イン
ク液室42内の液面が揺動する。その液面の揺動は、キ
ャリッジ2の往復走査の折返し動作の際に極めて大きく
なる。
【0116】図18(a),(b)は、キャリッジ2お
よびインクカートリッジ4が縦向き配設状態である場合
のキャリッジ2の往復走査によるインク液室42内のイ
ンク液面Iの揺動状態を説明するためのインク液室42
の模式的縦断面図である。図18(a)には、液面が揺
動していない状態が示され、図18(b)には、液面が
揺動している状態が示される。
【0117】インク残量が減少すると、図18(a)に
示されるように、インク液面Iが低下して電極443が
露出し、その電極443と中空針電極21との間の導通
がなくなる。ところが、図18(b)に示される白抜き
矢符の方向にキャリッジ2が折返し動作を行なうと、図
18(b)に示されるようにインク液面Iが揺動して電
極421と中空針電極21との間で導通がなされる状態
が生じるおそれがある。このような状態が生じると、イ
ンク残量の検出が不安定となる。
【0118】第8実施例は、このようなインク液面の揺
動を抑制してインク残量の検出の安定化を図るために、
インク液室42の形状を改良したものである。
【0119】図19(a),(b)は、第8実施例によ
るインクジェットプリンタのインク液室の模式的縦断面
図である。図19(a)には、インク液面が揺動してい
ない状態が示され、図19(b)には、インク液面が揺
動している状態が示される。
【0120】図19(a),(b)に示されるように、
インク液室42は、その縦断面形状が凸形状である。イ
ンク液室42においては、その凸形状の上部の狭い空間
(以下、上部空間という)42aには、電極443が設
けられ、その凸形状の下部の広い空間(以下、下部空間
という)42bには、中空針電極21が設けられる。
【0121】インク液室42がこのような形状である
と、インク残量の減少によりインク液室42内に侵入し
た空気は、上部空間42aに溜まる。このように上部空
間42aに溜まった空気は、キャリッジ2が上下動しな
い限り、下部空間42bに移動することはない。すなわ
ち、キャリッジ2の往復走査が行なわれても、図19
(b)に示されるようにインク液面Iの揺動は少なく、
上部空間42aに溜まった空気は、下部空間42bにほ
とんど移動しない。このように、第8実施例のインクカ
ートリッジ4が装着されるインクジェットプリンタで
は、キャリッジ2の往復走査の際のインク液面の揺動が
抑制されるので、安定したインク残量の検出が行なえ
る。
【0122】第9実施例 次に、本発明の第9実施例について説明する。第9実施
例は、第4実施例と同様の原理に基づいて、インク残量
を複数の段階で検出することを可能とするものである。
図20は、第9実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジが装着された状態のキャリッジの近
傍の一部破断側面図である。図20において、図12と
一致する部分には同番号を付し、その説明を省略する。
【0123】図20のインクジェットプリンタは、図1
2のインクジェットプリンタにおいて、インクカートリ
ッジ4に第2の電極444および第2のスリーブ427
を付加するとともに、キャリッジ2に第2の端子23を
付加したものである。以下、図20のインクジェットプ
リンタにおける図12のインクジェットプリンタとの相
違点について説明する。
【0124】インクカートリッジ4のインク液室42に
おいては、第1のスリーブ422と挿入される中空針電
極21との間に、第1のスリーブ422と同様の構成の
第2のスリーブ427が設けられる。この第2のスリー
ブ427は、その高さが第1のスリーブ422よりも低
い。
【0125】また、第2のスリーブ427の内部には、
第1の電極442と同様の構成の第2の電極444が挿
入される。第2の端子23は、第1の端子22と同様の
構成であり、インクカートリッジ4がキャリッジ2に装
着された場合に、第2の電極444と接触するようにキ
ャリッジ2に設けられる。
【0126】次に、図20に示されるインクカートリッ
ジ4におけるインクの減少態様について説明する。図2
1および図22は、第9実施例によるインクジェットプ
リンタのインクカートリッジ4におけるインクの減少態
様を示すキャリッジ2の近傍の一部破断側面図である。
【0127】インクカートリッジ4内のインク残量が減
少すると、図21に示されるように、まず、第1の電極
442および第1のスリーブ422が露出する。この状
態では、中空針電極21内に空気が侵入する可能性が小
さいため、印字動作を停止させる必要はない。その後、
さらにインク残量が減少すると、図22に示されるよう
に第2の電極444および第2のスリーブ427が露出
する。この状態では、さらに印字動作を続けると、中空
針電極21内に空気が侵入する可能性が大きいため、印
字動作を停止させる必要がある。
【0128】次に、第9実施例によるインクジェットプ
リンタのインク残量検出系について説明する。図23
は、第9実施例によるインクジェットプリンタのインク
残量検出系の全体構成を示すブロック図である。図23
のインク残量検出系の構成は、図5のインク残量検出系
の残量検出部52に第2の電極444とそれに接続され
る第2の受信回路523とを付加した構成である。
【0129】次に、第9実施例によるインクジェットプ
リンタの残量検出部52の詳細な構成について説明す
る。図24は、残量検出部52の発振回路521および
受信回路522,523の構成を示す回路図である。図
24の回路において図6の回路と一致する部分には同番
号を付し、その説明を省略する。
【0130】図24の回路構成は、図6に示される回路
に第2の受信回路523を付加した構成である。この第
2の受信回路523の構成は、第1の受信回路522と
同様である。このため、第2の受信回路523の構成の
説明は省略する。なお、第2の受信回路523における
ノードN8は、第1の受信回路522におけるノードN
4に対応するものであり、第2の受信回路523におけ
るノードN9は、第1の受信回路522におけるノード
N7に対応するものである。また、第2の受信回路52
3の動作は、第1の受信回路522と同じであるため、
その説明を省略する。
【0131】図25は、残量検出部52の発振回路52
1および受信回路522,523の各部の信号波形を示
す波形図である。図25(a)には、入力ノードN1に
おける信号波形、図25(b)には、ノードN4におけ
る信号波形、図25(c)には、ノードN8における信
号波形、図25(d)には、出力ノードN7における信
号波形、図25(e)には、出力ノードN9における信
号波形をそれぞれ示す。
【0132】図25(a),(b),(d)のそれぞれ
に示される信号波形の関係は、第1実施例の図7の説明
で述べたものと同じである。また、第2の受信回路52
3でのノードN8の信号波形(図25(c)参照)およ
び出力ノードN9の信号波形(図25(e)参照)は、
それぞれ、第1の受信回路522でのノードN4の信号
波形(図25(b)参照)および出力ノードN9の信号
波形(図25(d)参照)の変化が始まった後、これら
の波形と同じ形の波形変化をする。
【0133】すなわち、インク液室42のインク残量が
減少すると、まず、第1の受信回路522により、イン
ク残量が第1の設定量以下になった状態が検出され、さ
らにインク残量の減少が進むと、第1の受信回路522
に続いて第2の受信回路523により、インク残量が第
2の設定量以下になった状態が検出される。
【0134】具体的に、制御部51においては、第1の
受信回路522の出力レベルおよび第2の受信回路52
3の出力レベルに基づいてインクカートリッジ4内のイ
ンク残量の状態が次のように判断される。
【0135】第1の受信回路522の出力レベルおよび
第2の受信回路523の出力レベルがともにローレベル
である場合は、インク残量が十分にある状態であると判
断される。第1の受信回路522の出力レベルがローレ
ベルであり、かつ第2の受信回路の出力レベルがハイレ
ベルである場合は、インク残量が前記第1の設定量以下
である状態(以下、インクニアエンプティ状態という)
であると判断される。第1の受信回路522の出力レベ
ルおよび第2の受信回路523の出力レベルがともにハ
イレベルである場合は、インク残量が前記第2の設定量
以下である状態(以下、インクエンプティ状態という)
であると判断される。
【0136】図26は、インクカートリッジ4における
インク残量と第1の電極442,中空針電極21間の抵
抗値との関係を表す特性Xおよびインク残量と、第2の
電極444,中空針電極21間の抵抗値との関係を表す
特性Yとをそれぞれ示すグラフである。
【0137】図26においては、縦軸に電極間の抵抗
値、横軸にインク残量を表わすデータであるインク消費
量とインク収容量との比(インク消費量/インク収容
量)をそれぞれとり、これらの関係を実線にて示す。
【0138】前記特性Xは、図21に示されるように第
1の電極442がインク液中から露出すると、図8の説
明で述べた原理により、第1の電極442と中空針電極
21との間の抵抗値が、一定の抵抗値R1からステップ
状に無限大となる特性である。また、前記特定Xと同様
に前記特性Yは、図22に示されるように第2の電極4
44がインク液中から露出すると第2の電極444と中
空針電極21との間の抵抗値が、一定の抵抗値R2から
ステップ状に無限大となる特性である。
【0139】このように、各電極間の抵抗値は所定のイ
ンク残量を境として急激に増加する特性があるので、制
御部51では、このような特性に基づいてインク残量を
複数段階で検出することが可能である。
【0140】次に、制御部51において行なわれる残量
報知制御について説明する。図27は、第9実施例によ
る残量報知制御のフローチャートである。この残量報知
制御は、インクジェットプリンタの動作の主な制御を行
なうためのメインルーチンによって起動されるサブルー
チンプログラムに従って実行される。
【0141】まず、ステップS11で、インクエンプテ
ィフラグがセットされているか否かの判断が行なわれ
る。ここで、インクエンプティフラグとは、インクカー
トリッジ4のインク残量が前述のようなインクエンプテ
ィ状態になっていることを表わすフラグである。ステッ
プS11において、インクエンプティフラグがセットさ
れていると判断された場合はメインルーチンにリターン
する。一方、インクエンプティフラグがセットされてい
ないと判断された場合は、ステップS12に進む。
【0142】ステップS12では、インクニアエンプテ
ィフラグがセットされているか否かの判断が行なわれ
る。ここで、インクニアエンプティフラグとは、インク
カートリッジ4内のインク残量が前述のようなインクニ
アエンプティ状態になっていることを表わすフラグであ
る。ステップS12において、インクニアエンプティフ
ラグがセットされていると判断された場合はステップS
18に進み、一方、インクニアエンプティフラグがセッ
トされていないと判断された場合はステップS13に進
む。
【0143】なお、前記インクエンプティフラグは、後
述するステップS21においてセットされ、前記インク
ニアエンプティフラグは後述するステップS16におい
てセットされる。また、インクエンプティフラグおよび
インクニアエンプティフラグは、インクジェットプリン
タの電源投入に伴ってリセットされるとともに、所定箇
所に設けられた機械的スイッチであるクリアスイッチの
操作によってリセットされる。
【0144】ステップS13に進んだ場合、ステップS
13では、残量検出部52から残量の検出結果が読込ま
れる。続いてステップS14では、ステップS13で読
込まれた検出結果がインクニアエンプティ状態を表わし
ているか否かの判断が行なわれる。ステップS14にお
いて、検出結果がインクニアエンプティ状態を表わして
いないと判断された場合はステップS15に進み、一
方、インクニアエンプティ状態を表わしていると判断さ
れた場合はステップS16に進む。
【0145】ステップS15に進んだ場合、ステップS
15では、インクエンプティランプおよびインクニアエ
ンプティランプを消灯し、その後メインルーチンにリタ
ーンする。
【0146】ステップS16に進んだ場合、ステップS
16では、インクニアエンプティフラグがセットされ
る。ステップS16に続くステップS17では、インク
ニアエンプティランプが点灯され、その後処理はステッ
プS12に戻る。
【0147】ステップS18に進んだ場合、ステップS
18では、残量検出部52の検出結果が読込まれる。ス
テップS18に続くステップS19では、ステップS1
8で読込まれた検出結果がインクエンプティ状態を表わ
すか否かの判断が行なわれる。ステップS19において
検出結果がインクエンプティ状態を表わさないと判断さ
れた場合はステップS20に進み、一方、検出結果がイ
ンクエンプティ状態を表わすと判断された場合はステッ
プS21に進む。
【0148】ステップS20に進んだ場合、ステップS
20では、インクエンプティランプが消灯され、その後
メインルーチンにリターンする。
【0149】ステップS21に進んだ場合、ステップS
21では、インクエンプティフラグがセットされる。ス
テップS21に続くステップS22では、インクエンプ
ティランプが点灯され、その後メインルーチンにリター
ンする。
【0150】このような残量報知制御においては、イン
ク残量の状態が、インクニアエンプティ状態およびイン
クエンプティ状態の2段階について報知され、これに合
わせてインクカートリッジ4が装着されていないことが
報知される。このため、使用者は、その報知により、イ
ンクカートリッジ4の交換時期およびインクカートリッ
ジ4の装着の有無を知ることができる。
【0151】また、この残量報知制御では、インクニア
エンプティ状態の報知により、使用者がインクの減少を
早期に知ることができるので便利である。さらに、イン
クエンプティ状態の報知がなされるまで、使用者は、イ
ンクカートリッジ4のインクを印字が可能な限界量まで
使用することができるので、インクカートリッジ4のイ
ンクを無駄なく使用できる。
【0152】なお、第9実施例においては、インク残量
を2段階で検出するようにしたが、これに限らず、2段
階よりも多い段階で検出するようにしてもよい。その場
合は、インク液室42内に、電極を多数設けるとともに
その電極分だけ受信回路の数を増やせばよい。このよう
に多段階でインク残量を検出できると、使用者は、イン
ク残量の状態をさらに把握しやすくなる。
【0153】また、第9実施例においては、キャリッジ
2およびインクカートリッジ4を横向き配設状態で使用
する場合について説明したが、第9実施例のインクジェ
ットプリンタでは、キャリッジ2およびインクカートリ
ッジ4を縦向き配設状態にした場合でもインク残量を検
出することが可能である。このように縦向き配設状態で
使用する場合は、第3実施例に示される図11のインク
ジェットプリンタと同じ検出原理でインク残量が検出可
能である。このような縦向き配設状態での使用において
は、インク残量が減少すると、まず、第1の電極442
がインク液中から露出し、その次に第2の電極444が
露出するようになっているので、複数の段階でインク残
量を検出することが可能である。
【0154】さらに、前記インクエンプティ状態のイン
ク残量は、印字対象物の1枚分以上の印字が可能な量に
なるように設定するのが好ましい。
【0155】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、イン
ク液室内に設けられた複数の電極間での導通状態の有無
に基づいてインク残量を検出するため、装置の構成が簡
易化できる。また、電極間の導通状態が、導通、非導通
の2つの状態のいずれかに変化するため、電極間の導通
状態に基づくインク残量の検出は、あいまいさがなく正
確に行なうことができる。したがって、装置の構成を複
雑化させることなくインク残量の検出精度を向上させる
ことができる。
【0156】請求項2に記載の本発明によれば、インク
残量が少なくなった場合に、仕切り手段によってインク
液室内のインクが分けられることによる電極間の導通状
態の変化に基づいてインク残量を検出するため、請求項
1に記載の本発明の効果に加えて、左右方向に離隔した
電極間に仕切り手段を位置させた状態でインク残量の検
出ができるとともに、上下方向に離隔した電極間に仕切
り手段を位置させた状態でもインク残量の検出ができ
る。
【0157】請求項3に記載の本発明によれば、インク
液室の縦断面形状が上向きの凸状であるので、インク残
量が少なくなった場合にインク液室が横方向に移動して
もインク液室の形状によってインク液室内のインクの揺
動が抑制されるため、請求項1に記載の本発明の効果に
加えて、インク残量の検出が安定化できる。
【0158】請求項4に記載の本発明によれば、インク
残量の減少により第1の電極の先端部と第2の電極との
間の位置までインク液面が低下することによる電極間の
導通状態の変化に基づいてインク残量を検出することが
可能であるため、請求項1に記載の本発明の効果に加え
て、第1の電極と第2の電極とが左右方向に離隔した状
態でインク残量の検出ができるとともに、第1の電極と
第2の電極とが上下方向に離隔した状態でもインク残量
の検出を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録装置の一例であるインクジェ
ットプリンタの構成を示す平面図である。
【図2】インクカートリッジが未装着状態であるキャリ
ッジの近傍の一部破断側面図である。
【図3】インクカートリッジが装着された状態のキャリ
ッジの近傍の一部破断側面図である。
【図4】インクカートリッジ内のインク残量が極めて少
ない状態でのキャリッジの近傍の一部破断側面図であ
る。
【図5】インク残量検出系の全体構成を示すブロック図
である。
【図6】残量検出部の発信回路および受信回路の構成を
示す回路図である。
【図7】残量検出部の発信回路および受信回路の各部の
信号波形を示す波形図である。
【図8】インクカートリッジにおけるインク残量と電極
間の抵抗値との関係を示すグラフである。
【図9】残量報知制御のフローチャートである。
【図10】第2実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジが装着された状態のキャリッジの近
傍の一部破断側面図である。
【図11】第3実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジが装着された状態のキャリッジの近
傍の一部破断側面図である。
【図12】第4実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジが装着された状態のキャリッジの近
傍の一部破断側面図である。
【図13】第5実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジが装着された状態のキャリッジの近
傍の一部破断側面図である。
【図14】第5実施例によるインクカートリッジのスリ
ーブの状態を示す模式的拡大断面図である。
【図15】第6実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジにおけるスリーブの一例を示す模式
的拡大断面図である。
【図16】第6実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジにおけるスリーブの一例を示す模式
的拡大断面図である。
【図17】第7実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジにおけるスリーブの一例の模式的拡
大断面図である。
【図18】キャリッジの往復走査によるインク液室内の
インク液面の揺動状態を示すインク液室の模式的縦断面
図である。
【図19】第8実施例によるインクジェットプリンタの
インク液室の模式的縦断面図である。
【図20】第9実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジが装着された状態のキャリッジの近
傍の一部破断側面図である。
【図21】第9実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジにおけるインクの減少態様を示すキ
ャリッジの近傍の一部破断側面図である。
【図22】第9実施例によるインクジェットプリンタの
インクカートリッジにおけるインクの減少態様を示すキ
ャリッジの近傍の一部破断側面図である。
【図23】第9実施例によるインク残量検出系の全体構
成を示すブロック図である。
【図24】第9実施例によるインク残量検出部の発信回
路および受信回路の構成を示す回路図である。
【図25】第9実施例によるインク残量検出部の発信回
路および受信回路の各部の信号波形を示す波形図であ
る。
【図26】第9実施例によるインク残量と各電極間の抵
抗値との関係を示すグラフである。
【図27】第9実施例による残量報知制御のフローチャ
ートである。
【図28】従来のインク収容部の一例の構成を示す斜視
図である。
【符号の説明】
2 キャリッジ 4 インクカートリッジ 21 中空針電極 41 インク含浸室 42 インク液室 44,441,442,443,444 電極 52 残量検出部 421 仕切壁 422,423,427 スリーブ 441a 先端部 521 発信回路 522,523 受信回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 成則 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 山口 孝三 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 東尾 隆之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクによる記録を行なう記録装置であ
    って、 インクを含浸するインク含浸室およびインクを溜めるイ
    ンク液室を含み、前記インク含浸室から前記インク液室
    へインクを供給可能としたインク収容手段と、 前記インク収容手段が着脱可能に装着され、装着された
    インク収容手段のインク液室からインクを抜き出すイン
    ク抜き出し手段と、 前記インク収容手段が前記インク抜き出し手段に装着さ
    れた場合に、インク収容手段のインク液室内にて所定距
    離を隔てて位置するように設けられた複数の電極と、 前記複数の電極における電極間での導通状態に基づいて
    前記インク収容手段のインクの残量を検出する残量検出
    手段とを備えた、記録装置。
  2. 【請求項2】 前記インク液室は、その内部に前記複数
    の電極の電極間を仕切る仕切り手段を含む、請求項1記
    載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記インク液室は、その縦断面形状が上
    向きの凸状である、請求項1記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の電極は、 その先端部以外の部分が絶縁された柱状の第1の電極
    と、 前記第1の電極と平行に設けられ、その先端が、前記第
    1の電極の先端よりも前記第1の電極の基端側に位置す
    る柱状の第2の電極とを含む、請求項1記載の記録装
    置。
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