JPH06286034A - 耐熱ハニカムコアの製造方法 - Google Patents

耐熱ハニカムコアの製造方法

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JPH06286034A
JPH06286034A JP5097060A JP9706093A JPH06286034A JP H06286034 A JPH06286034 A JP H06286034A JP 5097060 A JP5097060 A JP 5097060A JP 9706093 A JP9706093 A JP 9706093A JP H06286034 A JPH06286034 A JP H06286034A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1に、接着剤やセル壁の劣化が防止され、
耐熱性が向上すると共に、第2に、特性が損なわれず整
流用としての性能にも優れ、第3に、しかもこれらがコ
スト面にも優れて実現される、耐熱ハニカムコアの製造
方法を提案する。更に、これらに加え第4に、導電性や
電磁遮へい性をも備えてなる、耐熱ハニカムコアの製造
方法も提案する。 【構成】 まず、金属箔や繊維強化プラスチックシー
ト、又はパルプ材と無機材とバインダー等との混抄紙を
母材1とし、折曲および接着剤2による接着により、ハ
ニカムコアを成形する。そして次に、成形されたハニカ
ムコアを水ガラス等の無機質系混合溶液中に浸漬するこ
とにより、無機質系混合物質9がコーティングにより付
着,含浸せしめられた、耐熱ハニカムコア10が製造さ
れる。又、これらに金属粉やチョップした金属繊維を混
入するようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱ハニカムコアの製
造方法に関する。すなわち、例えば熱風等の整流用を始
め各種用途に広く使用される、耐熱ハニカムコアの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハニカムコアは、中空柱状のセルの平面
的集合体よりなり、アルミ箔その他の金属箔等よりなる
母材を、切断,接着剤を条線状に塗布,重積,接着,展
張する展張方式か、又は、同様な母材を、波板加工,切
断,接着剤を塗布,切断,積層,接着するコルゲート方
式により、このような母材にてセル壁が形成され、この
セル壁によるセルの集合体として成形される。そしてハ
ニカムコアは、重量比強度に優れる点を始め種々の特性
を備え、各種の用途に使用されているが、開孔率が大き
く圧力損失が小さい特性により、流体の整流用としても
使用されている。例えば、このように整流板として使用
される場合、従来は、比較的低温の温風等を整流するこ
とが多かったが、最近は、高温の熱風等の整流用に使用
されることも多くなっている。このようにハニカムコア
は、最近、高温環境下で使用されることが増加しつつあ
り、その耐熱性の向上が要請されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
状況下において、従来のハニカムコアについては、次の
問題が指摘されていた。まず第1に、その耐熱性に問題
があった。すなわち、ハニカムコアは前述したように、
いわゆる展張方式であるとコルゲート方式であるとを問
わず、その成形に接着剤が用いられているので、例えば
高温の熱風その他各種の流体の整流用として使用する
と、特に長期間使用すると、接着剤がこれらの高温の熱
風その他各種の流体により腐蝕,劣化してしまい、接着
強度が低下しセル壁が剥離しやすくなる等の難点があっ
た。更に、アルミ箔その他の金属箔等を用いた母材つま
りセル壁も、熱風その他各種の流体により劣化しやすい
等、従来のハニカムコアは、耐熱性に大きな問題が指摘
されていた。
【0004】第2に、そこで従来も、このようなハニカ
ムコアの耐熱性を向上すべく、種々の試みがなされてい
たが、いずれも所期の耐熱性は得られなった。まず、接
着剤として比較的熱に強い有機系のものを使用した従来
例は、長期間の使用に耐え得る耐熱性を有していなかっ
た。又、接着剤塗布の下地処理用の耐蝕酸化被膜の付着
量を増加させることも考えられたが、この耐蝕酸化被膜
は電気メッキにて付着されるので、通常は微量しか付着
できず付着量の増加は一般的に困難であり、又、付着量
を増加できたとしても、これにより肝じんの接着剤によ
る接着強度が低下してしまう難点もあり、結局、このよ
うな従来例はあまり採用されなかった。
【0005】又、後処理として、ハニカムコアに酸化被
膜を形成したり、耐蝕コーティングを施すようにした従
来例もあった。しかしながら、これによる化学薬品処理
に起因して、接着剤に悪影響を及ぼし、その劣化を促進
させるという欠陥があった。そこで、有機系の例えばア
クリル系,エポキシ系,フェノール系等の樹脂、いわゆ
る軽い耐蝕コーティング剤を用いて、コーティングを施
すようにした従来例もあったが、依然として接着剤の劣
化が指摘され、長期間の使用に耐える耐熱性は得られな
かった。
【0006】第4に、そこでハニカムコアの耐熱性を根
本的に向上させるため、接着剤に代えろう材を用いた従
来例もあった。しかしながら、このようにろう材を用い
て、母材,セル壁をろう付けするブレージング方式のハ
ニカムコアは、ろう付け実施のため、アルミ箔その他の
金属箔等よりなる母材として肉厚の厚いものを用いるこ
とが必須的であり、従来よりの接着剤を用いたハニカム
コアのように、肉厚が極薄なものを用いることは不可能
とされていた。このようにブレージング方式のハニカム
コアは、そのセル壁の肉厚が非常に厚かったので、特性
である重量比強度が損なわれ重量が重いのを始め、特性
である開孔率が大きく圧力損失が小さい点も損なわれ、
セルの開孔率が小さく通過する流体の圧力損失が大きく
なり、例えば整流用としての特性が低下するという致命
的な問題があった。更に、このブレージング方式のハニ
カムコアは、ろう付け作業に手間取ると共に母材やろう
材の材料費もかさむ等、一般的にコスト高となり生産性
が悪いという問題も指摘されていた。
【0007】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、請求
項1では、金属箔や繊維強化プラスチックシート等を母
材とすると共に、無機質系混合溶液中に浸漬して、コー
ティング,付着,含浸を施すことにより、請求項2で
は、金属箔や繊維強化プラスチックシート等を母材とす
ると共に、金属粉やチョップした金属繊維が混入された
無機質系混合溶液中に浸漬して、コーティング,付着,
含浸を施すことにより、請求項3では、原紙たるパルプ
材と所定の無機材とバインダー等との混抄紙を母材とす
ると共に、金属粉やチョップした金属繊維が混入された
無機質系混合溶液中に浸漬して、コーティング,付着,
含浸を施すことにより、第1に、接着剤やセル壁等の劣
化が防止され耐熱性が向上すると共に、第2に、各特性
も損なわれず整流用としての性能にも優れ、第3に、し
かもこれらがコスト面にも優れて実現され、更に請求項
2,3にあっては、第4に、これらに加え導電性や電磁
遮へい性をも備えてなる、耐熱ハニカムコアの製造方法
を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1
については次のとおり。すなわち、この耐熱ハニカムコ
アの製造方法では、まず、金属箔や繊維強化プラスチッ
クシート等を母材とし、該母材を折曲すると共に接着剤
にて接着することにより、中空柱状のセルの平面的集合
体であるハニカムコアが成形される。そして次に、水ガ
ラス等の無機質系混合溶液中に該ハニカムコアを浸漬す
ることにより、無機質系混合物質がコーティングされ付
着,含浸せしめられた耐熱ハニカムコアが得られる。
【0009】次に、請求項2については次のとおり。す
なわち、この耐熱ハニカムコアの製造方法では、まず、
金属箔や繊維強化プラスチックシート等を母材とし、該
母材を折曲すると共に接着剤にて接着することにより、
中空柱状のセルの平面的集合体であるハニカムコアが成
形される。そして次に、金属粉やチョップした金属繊維
が混入された水ガラス等の無機質系混合溶液中に、該ハ
ニカムコアを浸漬することにより、該金属粉やチョップ
した金属繊維が混入された無機質系混合物質が、コーテ
ィングされ付着,含浸せしめられた耐熱ハニカムコアが
得られる。
【0010】次に、請求項3については次のとおり。す
なわち、この耐熱ハニカムコアの製造方法では、まず、
原紙たるパルプ材と、水酸化マグネシウムや水酸化アル
ミニウム等の無機材と、パルプやバインダーとの混抄紙
を母材とし、該母材を折曲すると共に接着剤にて接着す
ることにより、中空柱状のセルの平面的集合体であるハ
ニカムコアが成形される。そして次に、金属粉やチョッ
プした金属繊維が混入された水ガラス等の無機質系混合
溶液中に、該ハニカムコアを浸漬することにより、該金
属粉やチョップした金属繊維が混入された無機質系混合
物質が、コーティングされ付着,含浸せしめられた耐熱
ハニカムコアが得られる。
【0011】
【作用】本発明に係る耐熱ハニカムコアの製造方法は、
このような手段よりなるので、次のように作用する。す
なわち、まず請求項1,2では、金属箔や繊維強化プラ
スチックシート等を母材とし、請求項3では、原紙たる
パルプ材と所定の無機材とバインダー等との混抄紙を母
材とし、それぞれ折曲および接着剤による接着により、
ハニカムコアが成形される。そして次に、成形されたハ
ニカムコアを、水ガラス等の無機質系混合溶液中(請求
項2,3では、更に金属粉やチョップした金属繊維が混
入された無機質系混合溶液中)に、浸漬することによ
り、無機質系混合物質(請求項2,3では、更に金属粉
やチョップした金属繊維が混入された無機質系混合物
質)が、コーティング,付着,含浸せしめられた、耐熱
ハニカムコアが製造される。
【0012】そこで第1に、この耐熱ハニカムコアで
は、セル壁およびその接着剤は、無機質系混合物質がコ
ーティング,付着,含浸せしめられ、カバーされ保護さ
れている。そこで例えば、高温の熱風その他各種の流体
の整流用として長期間使用しても、その腐蝕,劣化が防
止され、接着強度の低下やセル壁の剥離等もみられず、
耐熱性が向上する。
【0013】第2に、接着剤を用い接着するので、肉厚
が極薄のセル壁を用いることができる。もって、この耐
熱ハニカムコアは各特性が損なわれず、重量比強度に優
れ、又、開孔率が大きく圧力損失が小さく、整流用とし
て使用した場合も優れた性能を発揮する。第3に、接着
剤を用いて接着するので、作業に手間取らず母材や接着
剤の材料費もかさまない等、コスト面にも優れている。
第4に、更に請求項2,3では、コーティング,付着,
含浸される無機質系混合物質中に、金属粉やチョップし
た金属繊維が混入されているので、導電性や電磁遮へい
性をも備えた耐熱ハニカムコアが得られる。
【0014】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。図1,図2,図3,図4は、本
発明の実施例の説明に供し、図1の(1)図は、成形さ
れたハニカムコアの斜視図、図1の(2)図は、ハニカ
ムコアを溶液中に浸漬する工程を示す斜視図であり、図
2は、製造された耐熱ハニカムコアの要部の拡大正面図
である。図3は、展張方式による各成形工程を示す斜視
図であり、図4は、コルゲート方式による各成形工程を
示す正面図である。
【0015】まず、図示例に係る第1の発明について説
明する。この製造方法では、まず、金属箔や繊維強化プ
ラスチックシート等を母材1とし、この母材1を折曲す
ると共に接着剤2にて接着することにより、母材1にて
セル壁3が形成された中空柱状のセル4の平面的集合体
であるハニカムコア5が成形される。まず、これらにつ
いて詳述する。
【0016】ハニカムコア5は、一般に、図3に示した
展張方式や、図4に示したコルゲート方式により成形さ
れる。展張方式について述べると、まず図3の(a)図
に示したように、帯状の母材1が準備される。このよう
な母材1としては、アルミ箔,スチール箔,鉛箔,チタ
ン箔等の金属箔や、ガラス,ケブラー,カーボン等の繊
維強化プラスチックシート(FRPシート)や、そのプ
リプレグが用いられる。そして母材1としては、肉厚が
例えば300ミクロン以下と極薄で、帯状のものが準備
される。次に、このように準備された帯状の母材1を、
図3の(b)図に示したように、所定長さ毎に切断する
と共に、図3の(c)図に示したように、このような母
材1に接着剤2を一定の方向,ピッチ,幅で条線状に塗
布する(勿論、この図3の(b)図の切断工程と(c)
図の塗布工程とは、順序を逆にしてもよい)。しかる
後、図3の(d)図に示したように、条線状に塗布され
た接着剤2が半ピッチずつずれた位置関係となるよう
に、母材1を多数枚、1枚おきにずらしながらブロック
状に重積する。そして、塗布されていた接着剤2を加熱
加圧により溶融硬化させることにより、重積された母材
1間を接着する。それから、重積方向に引張力を加えて
展張することにより、図3の(e)図そして図1の
(1)図に示したハニカムコア5が成形される。なお、
ノードボンドたる接着剤2としては、有機系のものや、
有機系や無機系を混合したものが、適宜選択使用され
る。
【0017】他方、コルゲート方式にあっては、まず図
4の(a)図に示したように、上述と同様の金属箔や繊
維強化プラスチックシート等の母材1が準備される。次
に、このように準備された母材1を、図4の(b)図に
示したように、プレス型6間やコルゲートローラー間に
て折曲加工し、図4の(c)図に示したように、波板7
とする。しかる後、図4の(d)図に示したように、波
板7の頂部や谷部に接着剤2を塗布すると共に、波板7
を所定長さ毎に切断して、多数枚を積層する。そして、
塗布されていた接着剤2を加熱加圧して溶融硬化させ、
積層されていた波板7間を接着することにより、図1の
(1)図に示したハニカムコア5が成形される。なお、
このような図示例によらず、波板7間に平板を介裝,接
着してハニカムコア5を成形するようにしてもよい。
【0018】さて、このようにして成形されたハニカム
コア5は、図1の(1)図に示したように、母材1によ
りセル壁3が形成され、このようなセル壁3により各々
独立空間に区画された中空柱状の多数のセル4の平面的
集合体よりなる。なお、セル壁3そしてセル4の断面形
状は、図示の正六角形のほか、三角形,台形,その他各
種形状のものが考えられる。そしてハニカムコア5は一
般的に、重量比強度に優れ、軽量性と共に高い剛性・強
度を備え、又、平面精度,保温性,遮音性等にも優れ、
単位容積当りの表面積が大であり成形も容易である、等
々の特性が知られ、各種用途に使用されている。又、ハ
ニカムコア5は、セル4の開孔率が大きく通過する流体
の圧力損失が小さいという特性をも備え、流体の整流用
としても広く使用されている。
【0019】さて、この製造方法では、次に図1の
(2)図に示したように、水ガラス等の無機質系混合溶
液8中に、このように成形されたハニカムコア5を浸漬
することにより、無機質系混合物質9がコーティングさ
れ付着,含浸せしめられた耐熱ハニカムコア10が製造
される。次に、これらについて詳述する。
【0020】まず、このような無機質系混合溶液8とし
ては、水溶性のケイ酸ナトリウムつまり水ガラスと、
水とを混合した溶液、水ガラスと水酸化アルミニウム
粉と水とを混合した溶液、水ガラスと水酸化マグネシ
ウム粉と水とを混合した溶液、水ガラスとシリカー粉
と水とを混合した溶液、水ガラスと各種の無機質系バ
ルーンと水とを混合した溶液、その他の無機質系の溶
液、等々が用いられる。このように無機質系混合溶液8
は、低粘調の無機材である水ガラス単品や、水ガラスに
対し、各種無機質系粉材,各種無機質系バルーン,粘度
調整用の水,各種溶剤,場合によっては熱処理すること
で無機化する有機材、等々を適宜選択して混合してな
る。
【0021】そして、このような無機質系混合溶液8の
液槽11中に、前述により成形されたハニカムコア5を
浸漬する。そして十分に浸漬してから、ハニカムコア5
を液槽11中から取り出すことにより、図2に示したよ
うに、無機質系混合溶液8が無機質系混合物質9とし
て、コーティングされ付着,含浸せしめられて硬化し
た、耐熱ハニカムコア10が製造される。つまり、この
耐熱ハニカムコア10では、そのセル壁3や接着に用い
られた接着剤2等のすべての外表面が、無機質系混合物
質9にて覆われており、外表面に付着せしめられている
態様や、外表面から若干内部まで浸透し含浸せしめられ
ている態様、が考えられる。以上が、図示例に係る第1
の発明の説明である。
【0022】ところで本発明に係る製造方法は、以上述
べた図示例に係る第1の発明ほか、次のような第2の発
明に展開することが考えられる。すなわち、金属粉やチ
ョップした金属繊維が混入された水ガラス等の無機質系
混合溶液8中に、ハニカムコア5を浸漬することによ
り、このような金属粉やチョップした金属繊維が混入さ
れた無機質系混合物質9が、コーティングされ付着,含
浸せしめられた、耐熱ハニカムコア10を製造すること
が考えられる。
【0023】すなわち、液槽11の無機質系混合溶液8
中に、前述した図示例に係る第1の発明の場合とは異な
りニッケル,銅,金,銀等の金属粉や、同様の金属繊維
を細かくチョップしたものを、予め混入しておく。そし
て、前述した図示例に係る第1の発明の場合と同様に、
金属箔や繊維強化プラスチックシートを用いた母材1
を、展張方式やコルゲート方式により折曲すると共に接
着剤2にて接着して成形されたハニカムコア5を、この
ような液槽11中に、十分に浸漬してから取り出す。こ
れにより、ニッケル,銅,金,銀等の金属粉やチョップ
した金属繊維が混入されてなる無機質系混合物質9が、
コーティングされ付着,含浸,硬化した、耐熱ハニカム
コア10が製造される。本発明に係る製造方法は、この
ような第2の発明に展開することも可能である。
【0024】更に、本発明に係る製造方法は、次のよう
な第3の発明に展開することも考えられる。まず、原紙
たるパルプ材と、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニ
ウム等の無機材と、パルプやバインダーとの混抄紙を母
材1とし、このような母材1を折曲すると共に接着剤2
にて接着することにより、母材1にてセル壁3が形成さ
れた中空柱状のセル4の平面的集合体であるハニカムコ
ア5を成形する。つまり母材1として、前述した図示例
に係る第1の発明における金属箔や繊維強化プラスチッ
クシートに代え、原紙つまり主成分であるパルプ材と、
水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の結合水を
有する無機質系粉材と、パルプおよび無機や有機のバイ
ンダーとが、一体的に混合されて抄造された混抄紙が使
用される。そして、このような混抄紙よりなる母材1
は、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等を含む
ので難燃性を備えてなるが、この母材1を、前述した図
示例に係る第1の発明の場合と同様に、展張方式やコル
ゲート方式により、折曲すると共に接着剤2にて接着す
ることにより、ハニカムコア5を成形する。
【0025】そして、このように成形されたハニカムコ
ア5を、上述した第2の発明の場合と同様に、金属粉や
チョップした金属繊維が混入された水ガラス等の無機質
系混合溶液8中に浸漬する。これにより、金属粉やチョ
ップした金属繊維が混入された無機質系混合物質9が、
コーティングされ付着,含浸せしめられると共に、難燃
性の混抄紙を母材1とした耐熱ハニカムコア10が製造
される。本発明に係る製造方法は、更に、このような第
3の発明に展開することも可能である。
【0026】本発明は、以上のように構成されている。
そこで以下のようになる。すなわち、図示例に係る第1
の発明および前述した第2の発明の製造方法では、ま
ず、金属箔や繊維強化プラスチックシート等を母材1と
し、展張方式やコルゲート方式により(図3や図4参
照)、つまり折曲および接着剤2による接着により、母
材1にてセル壁3が形成され、ハニカムコア5が成形さ
れる(図1の(1)図参照)。又、前述した第3の発明
の製造方法では、これらに代えまず、原紙たるパルプ材
と所定の無機材とバインダー等との混抄紙を母材1と
し、折曲および接着剤2による接着により(図3や図4
参照)、母材1にてセル壁3が形成され、ハニカムコア
5が成形される(図1の(1)図参照)。そして次に後
工程として、第1の発明に係る製造方法では、成形され
たハニカムコア5を、水ガラス等の無機質系混合溶液8
中に浸漬することにより(図1の(2)図参照)、無機
質系混合物質9がコーティングされ付着,含浸せしめら
れた、耐熱ハニカムコア10が製造される(図2参
照)。又、第2および第3の発明に係る製造方法では、
成形されたハニカムコア5を、金属粉やチョップした金
属繊維が混入された水ガラス等の無機質系混合溶液8中
に浸漬することにより(図1の(2)図参照)、金属粉
やチョップした金属繊維が混入された無機質系混合物質
9が、コーティングされ付着,含浸せしめられた、耐熱
ハニカムコア10が製造される(図2参照)。そこで、
この第1,第2,第3の発明に係る耐熱ハニカムコア1
0の製造方法によると、次の第1,第2,第3,第4の
ようになる。
【0027】第1に、本発明により製造された耐熱ハニ
カムコア10では、セル壁3間の接着剤2、および金属
箔,繊維強化プラスチックシート,混抄紙等よりなるセ
ル壁3は、そのすべての外表面に無機質系混合物質9
が、コーティングされ付着,含浸せしめられている。そ
こでこの耐熱ハニカムコア10は、例えば高温の熱風そ
の他各種の流体の整流用の整流板として、長期間使用し
ても、接着剤2やセル壁3が無機質系混合物質9でカバ
ーされ保護されているので、その腐蝕,劣化は防止され
る。従って、接着強度の低下やセル壁3の剥離等もみら
れず、耐熱性が向上した耐熱ハニカムコア10が得られ
る。
【0028】この点に関し、本発明に係る耐熱ハニカム
コア10について、高温環境下における接着強度テスト
を実施したところ、次のデータが得られた。すなわち、
テスト対象の耐熱ハニカムコア10として、アルミ箔を
母材1とすると共に、高さが8インチ、幅が3インチ、
奥行きが0.625インチのものを用い、このような耐
熱ハニカムコア10を、摂氏300度の熱風が72時間
通過する整流用として使用した。そして、無機質系混合
溶液8として水ガラスと水とを混合した溶液を用い、こ
のような無機質系混合溶液8が無機質系混合物質9とし
てコーティング,付着,含浸された耐熱ハニカムコア1
0について、テストの結果、これを上下に剥離するのに
インチ平方当り1.0kgの剥離力を要した。
【0029】又、無機質系混合溶液8として水ガラスと
水酸化アルミニウム粉と水とを混合した溶液を用い、こ
のような無機質系混合溶液8が無機質系混合物質9とし
てコーティング,付着,含浸された耐熱ハニカムコア1
0については、上述と全く同様の条件下でテストの結
果、これを上下に剥離するのにインチ平方当り1.2kg
の剥離力を要した。これに対し、このように無機質系混
合溶液8による浸漬が行われず、無機質系混合物質9が
コーティング,付着,含浸されていない従来例、つまり
未処理状態のハニカムコア5については、上述と全く同
様の条件下でテストを行ったところ、これを上下に剥離
するのにインチ平方当り0.2kgの剥離力を要した。こ
のテストデータの比較からも明らかなように、本発明の
耐熱ハニカムコア10は、従来例に比し5倍から6倍程
度の接着強度が維持され、剥離しにくく耐熱性が向上す
る。
【0030】次に第2に、本発明に係る耐熱ハニカムコ
ア10の製造方法は、セル壁3間を接着剤2を用いて接
着する方式よりなるので、セル壁3として従来通り肉厚
が極薄なものを用いることができ、前述したこの種従来
例、つまりろう材を用いたブレージング方式のように、
セル壁3の肉厚が厚いものに限定されることはない。つ
まり、上述の第1で述べたように耐熱性が向上するの
で、ブレージング方式を採用することなく、接着方式を
用いることができるので、セル壁3の肉厚を極薄にする
ことができる。従って製造された耐熱ハニカムコア10
は、セル壁3の肉厚が薄いので各特性も損なわれず、重
量比強度に優れ軽量であり、又、セル4の開孔率が大き
く通過する流体の圧力損失が小さく、例えば、高温の熱
風その他各種の流体の整流用として使用した場合も、優
れた性能を発揮する。
【0031】第3に、本発明に係る耐熱ハニカムコア1
0の製造方法では、セル壁3間を接着剤2を用いて接着
する方式よりなるので、前述したこの種従来例、つまり
ろう材を用いたブレージング方式のものに比し、接着作
業に手間取らず、母材1や接着剤2の材料費もかさまな
い等、コスト面にも優れた耐熱ハニカムコア10を製造
できる。
【0032】第4に、更に前述した第2,第3の発明に
係る耐熱ハニカムコア10の製造方法では、これらに加
え、コーティングされ付着,含浸される無機質系混合物
質9中に、金属粉やチョップした金属繊維が混入されて
いるので、導電性や電磁シールド性つまり電磁遮へい性
も備えた、耐熱ハニカムコア10が得られる。
【0033】
【発明の効果】本発明の請求項1,2,3に係る耐熱ハ
ニカムコアの製造方法は、以上説明したように、請求項
1では、金属箔や繊維強化プラスチックシート等を母材
とすると共に、無機質系混合溶液中に浸漬して、コーテ
ィング,付着,含浸を施すことにより、請求項2では、
金属箔や繊維強化プラスチックシート等を母材とすると
共に、金属粉やチョップした金属繊維が混入された無機
質系混合溶液中に浸漬して、コーティング,付着,含浸
を施すことにより、請求項3では、原紙たるパルプ材と
所定の無機材とバインダー等との混抄紙を母材とすると
共に、金属粉やチョップした金属繊維が混入された無機
質系混合溶液中に浸漬して、コーティング,付着,含浸
を施すことにより、次の効果を発揮する。
【0034】第1に、接着剤やセル壁等の劣化が防止さ
れ、耐熱性が向上した耐熱ハニカムコアが得られる。そ
こで、この耐熱ハニカムコアは、例えば、高温の熱風そ
の他各種の流体の整流用の整流板として、長期間使用し
ても、接着強度が低下せずセル壁の剥離もみられない。
【0035】第2に、各特性も損なわれず、整流用とし
ての性能にも優れた耐熱ハニカムコアが得られる。すな
わち、重量比強度に優れ軽量であり、又、開孔率が大き
く圧力損失が小さく、例えば高温の熱風その他各種流体
の整流用として使用した場合、優れた性能を発揮する。
【0036】第3に、しかもこれらは、コスト面にも優
れて実現される。すなわち、この耐熱ハニカムコアは、
低コストで生産性もよく製造される。
【0037】第4に、更に請求項2,3にあっては、こ
れらに加え、導電性や電磁遮へいをも備えた耐熱ハニカ
ムコアが得られる。すなわち、上述した第1,第2,第
3の各点と共に、導電性や電磁遮へい性も合せ持った耐
熱ハニカムコアが、容易に製造される。このように、こ
の種従来例に存した問題点が、一挙にすべて一掃される
等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものが
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐熱ハニカムコアの製造方法の実
施例の説明に供する斜視図であり、(1)図は、成形さ
れたハニカムコアを示し、(2)図は、このハニカムコ
アを溶液中に浸漬する工程を示す。
【図2】同実施例の説明に供する拡大正面図であり、製
造された耐熱ハニカムコアの要部を示す。
【図3】同実施例の説明に供する斜視図であり、展張方
式によるハニカムコアの成形工程を示し、(a)図は、
母材を準備した工程を、(b)図は、母材を切断した工
程を、(c)図は、接着剤を塗布した工程を、(d)図
は、重積した工程を、(e)図は、展張する工程を示
す。
【図4】同実施例の説明に供する正面図であり、コルゲ
ート方式によるハニカムコアの成形工程を示し、(a)
図は、母材を準備した工程を、(b)図は、母材を折曲
加工する工程を、(c)図は、波板とした工程を、
(d)図は、接着剤を塗布,積層した工程を示す。
【符号の説明】
1 母材 2 接着剤 3 セル壁 4 セル 5 ハニカムコア 6 プレス型 7 波板 8 無機質系混合溶液 9 無機質系混合物質 10 耐熱ハニカムコア 11 液槽

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 まず、金属箔や繊維強化プラスチックシ
    ート等を母材とし、該母材を折曲すると共に接着剤にて
    接着することにより、中空柱状のセルの平面的集合体で
    あるハニカムコアを成形し、次に、水ガラス等の無機質
    系混合溶液中に該ハニカムコアを浸漬することにより、
    無機質系混合物質がコーティングされ付着,含浸せしめ
    られた耐熱ハニカムコアを得ること、を特徴とする耐熱
    ハニカムコアの製造方法。
  2. 【請求項2】 まず、金属箔や繊維強化プラスチックシ
    ート等を母材とし、該母材を折曲すると共に接着剤にて
    接着することにより、中空柱状のセルの平面的集合体で
    あるハニカムコアを成形し、次に、金属粉やチョップし
    た金属繊維が混入された水ガラス等の無機質系混合溶液
    中に、該ハニカムコアを浸漬することにより、該金属粉
    やチョップした金属繊維が混入された無機質系混合物質
    が、コーティングされ付着,含浸せしめられた耐熱ハニ
    カムコアを得ること、を特徴とする耐熱ハニカムコアの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 まず、原紙たるパルプ材と水酸化マグネ
    シウムや水酸化アルミニウム等の無機材とパルプやバイ
    ンダーとの混抄紙を母材とし、該母材を折曲すると共に
    接着剤にて接着することにより、中空柱状のセルの平面
    的集合体であるハニカムコアを成形し、 次に、金属粉やチョップした金属繊維が混入された水ガ
    ラス等の無機質系混合溶液中に、該ハニカムコアを浸漬
    することにより、該金属粉やチョップした金属繊維が混
    入された無機質系混合物質が、コーティングされ付着,
    含浸せしめられた耐熱ハニカムコアを得ること、を特徴
    とする耐熱ハニカムコアの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112331375A (zh) * 2020-11-23 2021-02-05 四川玄武岩纤维新材料研究院(创新中心) 一种玄武岩等纤维蜂窝织物核屏蔽复合材料及其制备方法和应用

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