JPH0628359Y2 - コンソ−ルボックス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はフロアコンソール等のコンソールボックスの
改良、特にコンソールボックスの表面と天然のツキ板を
もって被装し、自然な風合いと、深い趣きとを自動車の
フロア内にもたらすと同時に、良好な肌触り感のあるコ
ンソールボックスを提供するものである。

［従来技術］ 一般にコンソールボックスは一体型のものであっても分
割型のものであってもインジェクションあるいはバキュ
ーム成形によるプラスチック成形品であるものが多く、
そのまゝの状態又は表面にビニルレザー等を張りつけた
ものであった。

又、一部ではフロアの他の色調と調和させる目的でボッ
クス表面に木目を印刷したり、あるいは木目のプリント
を張り込んで、そのプリント上に薄い皮膜を設けて、自
然の風合いを出そうとしたものがある。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、この種のコンソールボックスにおいては
素材が外部より一目で識別でき、しかも画一的なものと
なり易く、フロア内での装飾特性を著しく損ずる傾向に
あった。

又、材質の面より冬期においてはカサついた感触を生じ
易く、しかも接触時に静電気を生ずる等の不都合があ
り、夏期には接触時にベタつき感をもたらす不都合があ
った。

更に、化粧塩ビフイルムを等を張込んだコンソールボッ
クスにおいては、この化粧層が極薄状であることから、
掻傷等によっても容易に化粧の木目部分が無くなる不都
合を有していた。

又、車内での温度変化の幅が特に大きいことよりコンソ
ールボックスの変形あるいは歪出しが起り易く、このコ
ンソールボックスの表面に化粧フイルム等を張込んでい
る場合、この化粧フイルムにヨレ出しがもたらされる不
都合があった。

［課題を解決するための手段］ この考案は、かゝる従前におけるコンソールボックスの
改良をなすものであり、特にコンソールボックスの表面
を天然の板材である化粧ツキ板をもって直接覆うべく、
その構成を布、紙などの補強シートが一体に積層されて
いる0.1〜0.8mmの厚さの熱可塑性樹脂フイルムに対し
て、0.1〜0.3mmの厚さの化粧ツキ板が積層接着されてい
る化粧シートを、該化粧シートの補強シートの側を接着
面としてボックス面の全部又は一部を覆うように該ボッ
クス面に止着してある構成としてある。

［実施例］ 以下この考案に係るコンソールボックスの典型的な実施
例について説明する。先ず用意されるコンソールボック
スのボックスフレームＡは、インジェクション成形ある
いはバキューム成形、又はホットプレス成形等により型
づけ提供されるプラスチック成形品を典型例としてお
り、一体型の場合と分割型の場合とがある。又、使用さ
れる樹脂素材も、コンソールボックスの大きさ、形状及
び車の用途によりＡＢＳ樹脂、ポリカーボ樹脂その他の
適宜の素材からなるののとし、形成も任意のものが用意
される。

次いで、このコンソールボックスのフレームＡに被装さ
れる化粧シートＢは以下の構成のものが用意される。

先ず、用意されるプラスチックフイルム１は塩化ビニ
ル、ＡＢＳ、ポリカーボあるいはＰ・Ｐ樹脂等のインフ
レーションあるいはカレンダーロールの方法で提供され
る0.1〜0.8mm厚の熱可塑性樹脂フイルムであり、コンソ
ールボックスの大きさ、形状と、車種、特に使用目的に
合せて要請される耐熱特性等を勘案して、その使用素材
が特定される。

次いで、このフイルム１に張合される補強シート２は、
布、紙又はこの布と紙との二層からなるものとし、フイ
ルム１の成形に際して、この補強シート２を添装し、厚
融着することによって両者の均一な密着がなされた。
尚、この補強シート２の添装接着は、フイルム１の補強
であると同時にフイルム１の伸縮を抑制する機能と、フ
イルム１のフレームＡに対する安定した接着効果を出す
目的がある。

このように補強シート２が積層融着されているフイルム
１の他方の面に0.1〜0.3mm厚の化粧ツキ板３を張込み接
着して化粧シートＢを構成している。

尚、フイルム１に対してサンディングを施し、表面層部
分を取り除いて、フイルム１の残留内部応力を除去し、
又ツキ板３との接着効果を高める場合もある。

このようにして構成された化粧シートＢは、このまゝの
状態でフレームＡに張込まれる場合と、この化粧シート
Ｂに対し再加熱による養生処理を施し、あるいはロール
機に再度かけて揉みこみ、シート中の残留内部応力を取
除くことがある。

かゝる化粧シートＢをフレームＡに張込み、あるいはフ
レームＡを構成すべきプレートに張込んだ後にホットプ
レス等で型づけをしてボックス形状に構成することゝと
した。

又張込まれるシートＢはフレームＡの全面に亘ることな
く上面のみ、あるいは周側面のみのように限定的に張込
まれる場合がある。

［効果］ この考案に係るコンソールボックスは叙上における特長
ある構成よりして以下の具体的な効果を生ずる。即ち、 (1)コンソールボックスの表面が天然木の板材で覆われ
ているのでフロア全体が豪華な感じとされ、しかも独特
の落ついた趣きをフロア内にもたらす効果がある。

(2)手触り感良く、冬期においてもシットリとした肌触
りとなり、又夏期においてもベタつき感が無く、発汗現
象も生じない。

(3)ツキ板３がフイルム１により裏打ちされていること
からツキ板３が張込みに際し無理なく円滑に張込めると
共にコーナー部分においても割れたり裂けたりすること
なく自然な曲がりをもって張込むことができる。

(4)ツキ板３がフイルム１と補強シート２を介在してフ
レームＡに接着されていることから、フレームＡの変
形、歪み出しによりツキ板３が剥れたり、歪んだりする
ことが無く、良好な張込み状態がそのまゝ維持される利
点がある。

(5)フイルム１の伸縮が補強シート２により抑止されて
いることから、このフイルム１の膨張、収縮に伴ってフ
イルム１に張込んだツキ板３が裂けたり、ヨレたりする
ことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るコンソールボックスの斜視図、
第２図及び第３図は同断面図、第４図は一部拡大断面図
である。 Ａ……ボックスフレーム、Ｂ……化粧シート、１……フ
イルム、２……補強シート、３……ツキ板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−116529（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−37806（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−34904（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−62028（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−8034（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭59−35786（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭59−15820（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】厚さが0.1〜0.8mmの熱可塑性樹脂フィルム
   の一方の面に布、紙などの補強シートが積層一体とされ
   ていると共に、他方の面に、厚さが0.1〜0.3mmの化粧ツ
   キ板が接着一体とされている化粧シートが、 該化粧シートにおける補強シートの側を接着面として、
   ボックス面の全部又は一部を覆って止着されていること
   を特徴とするコンソールボックス。