JPH0123807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、書籍型式の容器、書類整理用のフア
イル又はバインダー等の表紙、またはレコードジ
ヤケツト等に使用する表装用シートに関するもの
であつて、特に、印刷を施こした芯材の表裏をフ
イルムで被覆すると共に、その印刷面を外部から
透視し得るように透明とした表装用シートに係る
ものである。実願昭52−32046号等で従来から知
られている書籍型式の容器の構造は、第４図に示
す通り、剛性のある台紙ａに天板ｂ、側板ｃ及び
底板ｄを折線を介して区画形成すると共に、底板
ｄ上にはプラスチツクモールド製の身箱ｅを、ま
た天板ｂ上にはこの身箱ｅに嵌合する蓋板ｆを貼
着した構成である。而して、この種の容器に用い
られている台紙ａとしては、第５図の如く、二板
のビニールレザーｇ，ｇの間に故紙パルプからな
る芯材ｈを挾み込み、その周囲をウエルダー加工
ｉによつて溶着して成る表装用シートが専ら使用
されて来た。この場合、従来の表装用シートは、
芯材ｈを隠すために、着色ビニールレザーを使用
していたが、この着色ビニールレザーは、印刷適
性が悪く、グラビヤ又はシルク印刷等によつて表
現されるような高級な多色の重ね合せや精功な印
刷が不可能であつた。特に、最近では、容器内に
収納する物品のデイスプレイ効果を高めたり、容
器それ自体に対するデザイン上の要請から、台紙
表面に美麗な印刷を施すことが望まれているが、
従来の表装用シートは印刷適性に劣るため、この
ような要望を満足させることができないという欠
点があつた。

本考案は、上述の如き従来型の欠点を解消する
ことを目的とするもので、従来着色ビニールレザ
ーによつて完全に被い隠されていた芯材が印刷適
性に優れた素材であることに着眼して、芯材を透
明なビニールフイルム等で被い印刷部分を外部か
ら透視できるようにすることにより、美粧性に富
む表装用シートを得んとしたものである。

進んで、本考案を図示の実施例に基づいて具体
的に説明する。

図中符号１は板紙、プラスチツク板、金属板、
或いは木板等の剛性のある素材によつて形成した
芯材であつて、この芯材１の表面には所望の印刷
２を施す。この芯材１は表裏二枚のフイルム３，
４によつて被覆するもので、このうち芯材１の表
面側のものは、芯材１上の印刷面が透視し得るよ
うに透明フイルムとする。なお、裏面側のフイル
ム４は、美粧性を高めるため着色ビニールレザー
を用いる。

二枚のフイルム３，４の周縁は、ウエルダー加
工或いは熱圧着等の手段で互いに溶着（固着）す
るものであるが、本考案においてはこの溶着部５
が、第３図の如く、透明フイルム３側に形成され
るようにする。即ち、芯材１の切断端面（小口）
が着色ビニールレザー４によつて被覆されるよう
に溶着部５を形成する。なお、このように溶着部
５を透明ビニールレザー３側に形成するには、第
３図矢印の如く、ウエルダー加工等を裏面の着色
ビニールレザー４側より行う。

本考案の表装用シートは上述の実施例の如き構
成を有するもので、これを書籍形式の容器の台紙
やフアイル等の表装用に使用するには次のように
する。即ち、容器の台紙として用いるには、シー
ト全体をその着色ビニールレザー４が内側となる
ように断面コ字型に折曲げ、その内面に従来型容
器と同様にプラスチツクモールド製身箱及び蓋板
を貼着するのである。また、このシートをフアイ
ル等の表装用として使用するには、シート全体を
コ字型に屈曲させると共に、その内側に書類を挾
持するための金具を固定すれば良い。

因みに、図示の実施例は、表面側フイルム３を
透明なものとしたが、芯材１の裏面に印刷２を施
こした場合には裏面側のフイルム４を透明なもの
とする。また、本考案シートの用途によつては、
芯材１の表裏両面に印刷２を施こして二枚のフイ
ルム３，４を双方ともに透明なものとすることも
可能である。

以上の通り、本考案のカバーは、印刷適性の優
れた芯材に高級な印刷を施すと共に、この印刷面
を透明フイルムを通して見るようにしたものであ
るから、従来の着色ビニールレザーのみを使用し
た表装用シートに較べて格段に美粧性に富み、販
売効果を上げることができる。特に、芯材として
板紙を用いた場合には、グラビア、オフセツト、
シルク等の印刷方法を自由に選択することがで
き、装飾性に優れた表装用シートを得ることがで
きる。また、本考案は、印刷部分が透明なフイル
ムで被われているため、印刷部分が損傷より保護
されると同時に、透明フイルムの有する光沢によ
り印刷部分がより美しくなる利点がある。その
上、図示の実施例の如く、二枚のフイルムを溶着
するに当り、不透明な着色ビニールレザーによつ
て芯材の切断端面を被覆するようにすれば、外観
上の体裁が更に良くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案たる表装用シートの一使用例を
示す斜視図、第２図は同上要部の断面図、第３図
は同上フイルムの溶着部の拡大断面図、第４図は
従来型シートの使用例を示す断面図、第５図は同
上要部の拡大断面図である。 １：芯材、２：印刷面、３：透明フイルム、
４：不透明フイルム、５：溶着部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 片面又は両面に印刷を施こした平板状芯材１
   の表裏をフイルムにより被覆し、該フイルムの
   周縁部をウエルダー加工等の手段により互いに
   固着して前記フイルム内に芯材１を封入し、更
   に芯材１の印刷側に接するフイルムを透明体と
   したことを特徴とする表装用シート。 ２ 芯材１を透明フイルムと不透明フイルムとに
   よつて被覆し、両フイルムの固着部を透明フイ
   ルム側に形成して、不透明フイルムが芯材１の
   切断端面を被い隠すようにした実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の表装用シート。